JPH09122454A - 中空糸膜型カートリッジフィルター - Google Patents

中空糸膜型カートリッジフィルター

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JPH09122454A
JPH09122454A JP28584995A JP28584995A JPH09122454A JP H09122454 A JPH09122454 A JP H09122454A JP 28584995 A JP28584995 A JP 28584995A JP 28584995 A JP28584995 A JP 28584995A JP H09122454 A JPH09122454 A JP H09122454A
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JP
Japan
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hollow fiber
fiber membrane
bundle
hollow yarn
cartridge filter
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JP28584995A
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English (en)
Inventor
Shinji Matsukubo
慎治 松久保
Tamiyuki Eguchi
民行 江口
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空糸膜束自身にエアースクラビングにも適
した構造を持たせることによって、気泡が中空糸膜全体
に均一に分散するように改良し、また形状保持部材を設
けなくても中空糸膜束自身がその形状を保持することが
可能な中空糸膜型カートリッジフィルターを提供する。 【解決手段】 中空糸膜の開口端が一カ所で収納容器と
ともに集束固定された中空糸膜型の流体分離装置であっ
て、中空糸膜が、各々複数の交差点を有しながらループ
状に折り返され、ループ部分6は一カ所以上の凹凸7
1,81を有し、隣り合う凹部71のループの最外縁7
2が凸部81の最内縁82よりも低く、かつ形状保持部
材を持たない中空糸膜束が有孔円筒に収納されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、効率的にエアース
クラビングができるように中空糸膜束自身に気泡の通路
を形成した限外ろ過、精密ろ過などに使用される中空糸
膜型カートリッジフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】ろ過面積が有利になるので、中空糸膜を
利用して全ろ過する場合には、中空糸膜の外側から内側
にろ過する外圧式のろ過方式が多く採用されている。ろ
過を続けると中空糸膜表面に除去された物質が蓄積し、
次第にろ過速度が低下する。
【0003】蓄積した物質を膜表面から除去して再びろ
過能力を回復させるために、中空糸膜の外側に気泡を流
して中空糸膜が浸かっている液体を攪拌する(以下、エ
アースクラビングすると言う)方法(例えば、特開昭6
1−153104号公報、特開昭61−222509号
公報、特開昭61−254207号公報)、逆洗とエア
ースクラビングを併用する方法(特開昭60−1900
2号公報、特開昭62−4408号公報)などが考案さ
れた。
【0004】これらはいずれも優れた方法であり、ろ過
能力を効率的に回復し、ろ過寿命の大幅な延長に役立っ
ている。また、これらの方法に適した、中空糸膜を両端
で集束固定したモジュール及び中空糸膜を中央でループ
状に折り返して一端で集束固定したモジュールも考案さ
れた。
【0005】一端で集束固定したモジュールでは、エア
ースクラビング中に中空糸膜が乱れないようにループ部
分を支持し、かつ気泡の通路も有する形状保持部材も考
案された(例えば、特開昭60−206414号公報、
実開昭60−171511号公報、実開昭61−150
02号公報など)。しかしながら、形状保持部材を用い
るとモジュール構造が複雑になるだけでなく、中空糸膜
の充填量がその分だけ減少せざるをえない欠点も生じ
る。
【0006】一方、逆洗やエアースクラビングはできな
いが、比較的少量ろ過するためのモジュールとして、当
業者にはよく知られているように、古くから平面膜をプ
リーツ状に折り畳み、外径寸法が製造業者によらず共通
のデザインの構造体に収納した、いわゆる経済的な定形
型のカートリッジフィルターが多数使用されてきた。
【0007】これら定形型のカートリッジフィルターと
互換性を有する、中空糸膜を組み込んだモジュールも本
発明者と同一人によって考案された(特開平2−227
125号公報、特開平6−182161号公報など)
が、これらはエアースクラビングに適した構造とは言え
ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、望ましく
は定形型のカートリッジフィルターで、かつエアースク
ラビングにも適した、形状保持部材を持たない中空糸膜
型モジュールが考案できれば各々の長所を兼ね備えたも
のになる。
【0009】従来の定形型のカートリッジフィルターに
は、前記のように逆洗やエアースクラビング機能がない
が、中空糸膜には本来逆洗機能があるので中空糸膜型カ
ートリッジフィルターにあっては、基本的には逆洗時に
フィルターが離脱しない構造を、フィルターを装着する
ハウジングに持たせればよい。しかしながら、前記した
従来の中空糸膜型カートリッジフィルターでは、気泡が
中空糸膜全体に均一に分散せず、エアースクラビング効
果は満足できるものではない。
【0010】そこで、前述の状況に鑑み、本発明が解決
しようとするところは、中空糸膜束自身にエアースクラ
ビングにも適した構造を持たせることによって、気泡が
中空糸膜全体に均一に分散するように改良し、また形状
保持部材を設けなくても中空糸膜束自身がその形状を保
持することが可能な中空糸膜型カートリッジフィルター
を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、前述の課題解決の
ためになされた本発明は、「中空糸膜の開口端が一カ所
で収容容器とともに集束固定された中空糸膜型の流体分
離装置であって、中空糸膜が、各々複数の交差点を有し
ながらループ状に折り返され、ループ部分は一カ所以上
凹凸を有し、隣り合う凹部のループの最外縁が凸部の最
内縁よりも低く、かつ形状保持部材を持たない中空糸膜
束が有孔円筒に収納されていることを特徴とする中空糸
膜型カートリッジフィルター」である。
【0012】また、中空糸膜が各々複数の交差点を有し
ているため、中空糸膜自身で束の形状を保持していると
は言え、最外縁の中空糸膜は交差点の数が少なく、中空
糸膜にも強い揺動を与えるエアースクラビングをしたと
きは乱れることがある。これを防止するためにも、中空
糸膜の交差回数を中空糸膜束の直線状部分の太さがルー
プ部分の太さよりも大きくなるように多くし、中空糸膜
束の直線状部分と収納容器との間の隙間を小さくするこ
とが好ましい。
【0013】また、本発明は、収納容器のデザインを定
形型にすることによってさらに経済的に優れたものにな
る。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明に使用する中空糸膜
束を製造するための巻取り工程を示す。連続する中空糸
膜1は、一つ以上の凹部7と凸部8を有する二軸のカセ
2にトラバース3で綾をかけながら巻取られる。カセ2
の巻取り部4の巻取り幅Dは、次式で与えられる。
【0015】D=C・d・√N
【0016】ここで、Cはおよそ1.0〜1.2の数
値、dは中空糸膜の外径、Nは束の直線状部分5の中空
糸膜1の本数である。また、巻取り部4の厚さは、Dの
10〜20%である。厚さが薄くなりすぎると、カセで
折り返されるときに中空糸膜が潰れることがあり、大き
すぎると束のループ部分6の太さが直線状部分5の太さ
以下にならない。
【0017】中空糸膜束のループ部分6は、中空糸膜1
が互いに密に重なり合っているために最もエアースクラ
ビング効果が伝達されにくい場所であるが、Cが1.0
未満では束のループ部分6が厚くなりすぎる。一方、C
が1.2を越えると束のループ部分6の太さが直線状部
分5の太さよりも大きくなる。この場合、中空糸膜束の
直線状部分5と収納容器との間の空間が大きくなり、中
空糸膜全体が一カ所に偏って、中空糸膜全体を均一にエ
アースクラビングすることができなくなることがある。
【0018】巻取り部4に形成された一つ以上の凹部7
と凸部8は、巻取られた束のループ部分6に直線状部分
5と連通する空間9を形成する。図2(a) 及び(b) は、
本発明の中空糸膜束の概略図である。隣り合う凹部71
の最外縁のループ72は凸部81の最内縁のループ82
よりも低く、凹部71の外縁から凸部81の内縁にエア
ースクラビングのための気泡の通路(空間9)が形成さ
れている。凹凸が多くなるほど一つのループ部分6にお
ける中空糸膜の重なり数は少なくなり、より効果的にエ
アースクラビングされるが、気泡の直径よりも凹部の幅
が小さくなると凹部から凸部へ気泡が流れ難くなり、通
常この幅が5から20mmとなるように凹凸の数を決め
ることが好ましい。
【0019】綾は、中空糸膜1を、巻取り部4の直径に
ほぼ等しい幅でトラバース3を往復させながらカセ2に
巻取ることによって与えられる。トラバースの往復周期
は、カセ一回転あたりおよそ2〜5である。往復周期が
この範囲よりも小さいと束の直線状部分5の太さがルー
プ部分6の太さよりも大きくならない。逆にこの範囲よ
りも大きくしても直線状部分5の太さがさらに大きくは
ならない。
【0020】カセ2で巻取る中空糸膜1は、一本からお
よそ20本一組の範囲で特に限定されない。20本を越
えるとこの一組の中空糸膜密度が必然的に大きくなり、
エアースクラビング効果が低下する。
【0021】カセ2に巻取られる中空糸膜1は、乾湿式
紡糸によって製造されるものであって、未乾燥状態のも
の、若しくは溶剤が残留していて凝固が完全には終了し
ていないものである。未乾燥状態のものをカセに巻いた
状態あるいはカセから取り外してからシート等で包んで
カセに巻いた状態を維持しながら乾燥するとその状態が
そのまま固定される。また、凝固が完全には終了してい
ない場合にはカセに巻いた状態で凝固を終了させるとこ
の束の状態が固定され、さらに乾燥すると一層強固にこ
の状態が固定される。これらの中空糸膜束は、中空糸膜
自身で束の形状を保持するので、特別な形状保持部材を
新たに必要としない。
【0022】乾湿式紡糸によって製造される中空糸膜の
素材として、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、セルロース
アセテート、ナイロン、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】また、中空糸膜のろ過特性については外圧
式のろ過が適用できさえすればよく、限外ろ過から精密
ろ過の範囲でとくに限定されない。
【0024】本発明に適用するモジュールの収納容器の
デザインが前記の定形型である場合には、その全長は、
約25、50、75若しくは100cmであり、外径は
約7cmである。定形型でないものについても概ねこの
範囲であることが好ましい。これらに収納する中空糸膜
束の有効長は、それぞれ約20、45、70及び95c
mである。
【0025】この範囲であれば、ろ過液に大きな圧力損
失を発生させることなく、内径がおよそ400〜100
0μmの中空糸膜が使用できる。単位面積当たりのろ過
速度が大きく、長くなるほど内径の大きい中空糸膜を使
用すべきである。
【0026】中空糸膜の厚さは使用圧力に耐えるように
設計され、潰れ圧と中空糸膜寸法との関係を与える次式
が参考になる(例えば、小栗冨士雄、小栗達男、機械設
計図表便覧、8−2、共立出版、1991)。
【0027】P=2E・(t/d)3 /(1ーν2
【0028】ここで、P、E、t、d、νは、それぞれ
潰れ圧、ヤング率、中空糸膜の肉厚、中空糸膜の外径及
びポアソン比である。
【0029】実際の中空糸膜では、経験的に初期ヤング
率(中空糸膜の引張り応力とひずみとの比で表す)はお
よそ500〜2000Kg/cm2 (50〜200MP
a)であり、ポアソン比は概ね0.4が適当である。例
えばヤング率が1000Kg/cm2 の場合、肉厚tと
外径dをそれぞれ120μm及び800μmとしたと
き、潰れ圧Pは約8Kg/cm2 (800KPa)とな
る。したがって、安全率と実際に製造したときの肉厚の
バラツキを考慮すると、耐圧を500KPa、外径を8
00μmとしたときは平均肉厚を150μm程度にすべ
きである。
【0030】図3は、本発明の中空糸膜型カートリッジ
フィルター10であって、全長が約75cmの定形型の
収納容器を用いた場合の一例を示す。中空糸膜束11の
収納容器12は、中空糸膜束11を収納する円筒13
と、底14と、ヘッダー15とからなり、円筒13には
多数の孔16を周囲に有し、底14には穴17を有し、
ヘッダー15にはろ過液出口18とOリング19を有す
るものである。この収納容器12に、ループ部分6の太
さが直線状部分5の太さ以下であり、各々の中空糸膜が
互いに複数回交差している中空糸膜束11が収納され、
中空糸膜が一カ所で前記円筒13の一端部にポッティン
グ材にて集束固定されている。ここで、符号20はこの
集束固定部を示す。
【0031】中空糸膜束11の直線状部分5の外縁と円
筒13の内面の間の隙間はおよそ1〜3mmが好まし
い。この範囲より隙間が小さいと中空糸膜束11の外縁
部を流れる気泡が円筒13の外に出やすくなり、大きい
とエアースクラビング中に中空糸膜束全体が持ち上がっ
て中空糸膜束全体が蛇行したり、最外縁部の一部の中空
糸膜が舞い上がることがある。
【0032】図4は、このカートリッジフィルター10
を一本装着した逆洗とエアースクラビング機能を備えた
ろ過装置(ハウジング)100を示す。ハウジングの主
要材料はすべて呼び径100Aの水道用硬質ポリ塩化ビ
ニル管及び継手類である。
【0033】このろ過装置100は、カートリッジフィ
ルター10を収納するろ過室101と、ろ過液を受入れ
るろ過液室102と、被処理液をろ過室101に導入す
る被処理液室103とを有し、ろ過室101とろ過液室
102を区画する仕切板104に設けた装着穴105に
本発明の中空糸膜型カートリッジフィルター10がOリ
ング19(図3参照)を介して装着されている。この仕
切板104には気泡の排出機構106及びその出口10
7も配備されている。
【0034】カートリッジフィルターの底14(図3参
照)は、ろ過室101と被処理液室103とを区画する
固定板108に設けた固定穴109に、穴17と該固定
穴109とが連通するように装着されており、また該固
定板108には気泡の発生ノズル110と空気の導入口
111を備えている。また、固定板108には被処理液
の導入孔112が固定穴109の周囲であって前記円筒
13の外側の空間に連通する位置に多数貫通している。
【0035】前記ろ過室101を構成するハウジングの
主管113の両端はフランジ114になっており、ろ過
液側では仕切板104及びろ過液室102のフランジ1
15とともにボルトで固定され、被処理液側では固定板
108及び被処理液室103のフランジ116とともに
ボルトで固定されている。
【0036】カートリッジフィルター10は、上記のよ
うにその両端で固定されているので、ろ過液室102を
構成する曲管の出口側フランジ117に設けた加圧空気
の導入口118からろ過液室102内のろ過液を加圧す
ることによって、ろ過液を中空糸膜の内側から外側へ通
過させて逆洗が可能になっている。
【0037】また、ろ過液室102を構成する曲管のフ
ランジ115と仕切板104とを外すことによって、容
易にカートリッジフィルター10の着脱ができる。更
に、2本以上のカートリッジフィルターを装着できるハ
ウジングも同様にして製造することがもちろん可能であ
る。また、ハウジングの主要部材としてステンレススチ
ールなどを使用することも可能である。
【0038】図5は、このろ過装置100の使用方法の
説明図である。図中符号200は被処理液の入ったタン
ク、201はその攪拌機である。202は被処理液のポ
ンプ、203は加圧空気を発生させるコンプレッサーで
ある。204、205はそれぞれ逆洗液及び洗浄液タン
クである。206、207はそれぞれろ過液及び加圧空
気の流量計である。209、210はそれぞれ被処理液
及びろ過液の圧力計である。また、符号211〜217
はバルブをそれぞれ示している。
【0039】ろ過操作では、バルブ214〜217を閉
じ、ハルブ212と213を開き、ポンプ202を起動
し、流量計206の設定値になるようにろ過速度をバル
ブ211で調整する。ろ過圧力は圧力計209と210
で測定する。
【0040】逆洗操作では、バルブ212と213を閉
じ、214と216を開き、圧力が中空糸膜のバブルポ
イントを越えない空気でろ過液を加圧する。この間にろ
過液室102に溜まったろ過液が中空糸膜の内側から外
側へ流れる(図4参照)。
【0041】エアースクラビング操作では、流量計20
7の設定値になるようにバルブ215を開き、ノズル1
10(図4参照)から発生させた気泡を、穴17(図3
参照)から中空糸膜11のループ部分6に送る。気泡の
一部はループ部分6の外縁に沿って中空糸膜束11の外
縁に流れ、残りは凹部71から凸部81の内側に空間9
を通って流れ込み、中空糸膜束11の内部を流れる。中
空糸膜全体を揺動させ、ろ過室101内の液体を攪拌し
ながら上昇した気泡は、気泡の排出機構106、出口1
07(図4参照)を通り、バルブ216から排出され
る。
【0042】エアースクラビングが終了したら、バルブ
214と215を閉じ、バルブ217を開いてろ過室1
01内の洗浄液を排出する。
【0043】同様にしてろ過操作以下の操作を繰り返す
ことによって、中空糸膜のろ過機能を回復させながらろ
過を継続することができる。
【0044】
【実施例】以下の実施例でさらに本発明を具体的に説明
するが、これらの実施例は本発明を限定するものではな
い。
【0045】(実施例1) 中空糸膜束の作成 ポリスルホンの溶液を紡糸原液とし、二重環状ノズルか
ら内部凝固部とともに押し出し、空中を走行させてから
温水に侵入させたのち、温水シャワーリングしながら直
線状部分5の中空糸膜が3300本となるように図1に
示すカセで巻取った。ただし、カセ間の長さは約80c
m、カセ2の厚さは10mm、凹部7、凸部8の幅は共
に約10mm、凹部7は凸部8よりも30mm深く、巻
取り部4の幅Dは約55mmとした。また、トラバース
3はカセ一回転あたりほぼ3往復させた。
【0046】カセに巻き取った中空糸膜の束をカセの一
端でバンドで縛ってから切断してカセから外し、樋にお
いて温水をシャワーリングしながら残存する溶剤や余剰
の親水性付与剤を除去したのち、バンドを支えて束を吊
るして乾燥した。
【0047】かくして内径、外径がそれぞれ500及び
800μm、束の全長が約75cmで、30%エタノー
ル水溶液を含ませたときの空気のバブルポイントが50
0KPaで、0.2μmの大きさの粒子を通過させない
中空糸膜束11を作成した。
【0048】中空糸膜束11のループ部分6と直線状部
分5にテープを巻き、その長さからそれぞれの部分に相
当する直径を測定したところ、それぞれ58mm及び6
0mmであった。このループ部分6には二つの凹部71
と三つの凸部81を有し、凹部71の最外縁のループ7
2は凸部81の最内縁のループ82よりも約7mm低か
った。
【0049】中空糸膜型カートリッジフィルターの作
成 幅5mm、長さ約15mmの矩形の孔が5mm間隔で縦
方向に67個、円周方向に8列並んだ、内径約62m
m、外径70mm、全長71cmの多孔円筒13に、上
記の中空糸膜束11を収納し、遠心注型して約15mm
の厚さのウレタン樹脂で集束固定した(集束固定部2
0)。
【0050】ループ部分6側の円筒13の一端に、直径
25mmの穴17を有する底14を接着した。集束固定
部20側にはOリング19(JIS B2401 P−
38)が二本装着できるヘッダー15を接着した。
【0051】ろ過装置の作成 前記のようにして、JIS規格の呼び径100Aの水道
用硬質ポリ塩化ビニル管及び継手類を使用して、上記の
中空糸膜型カートリッジフィルター10を装着した、図
4に示すろ過装置100を作成した。
【0052】ろ過装置の使用例 試験液として平均粒子径が約0.2mmのコロイダルシ
リカの100ppm水分散液を使用した。この試験液を
容量が約200Lのタンクに入れ、攪拌機201で攪拌
した。
【0053】バルブ214〜217を閉じ、212及び
213を開き、ろ過流量が20L/分になるようにバル
ブ211を調整して150Lろ過し、ろ過液は別のタン
ク(図示せず)に回収した。初期ろ過圧は約10KPa
で、150Lろ過後もほとんど上昇しなかった。
【0054】バルブ212と213を閉じ、バルブ21
4と216を開いて、100KPaの空気圧でろ過室内
のろ過液約1Lを中空糸膜の内側から外側に流し、逆洗
液をタンク204に受けた。
【0055】次に流量が4NL/分になるようにバルブ
215を開き、3分間エアースクラビングしたのち、バ
ルブ214と215を閉じた。バルブ217を開き不透
明に白濁した洗浄液をタンク205に回収した。
【0056】ろ過液と洗浄液を試験液タンク200に戻
し、上記の操作を10回繰り返したのち、ろ過液室10
2を外して中空糸膜型カートリッジフィルター10を取
り出し、中空糸膜の乱れを観察したが、舞い上がった
り、折れ曲がった中空糸膜は見られなかった。
【0057】(実施例2)試験液としてベンガラの5p
pm水分散液を使用し、実施例1と同様にしてろ過、逆
洗及びエアースクラビングしたのち、中空糸膜型カート
リッジフィルターを取り出して観察した。ループ部分6
の内側の中空糸膜にはベンガラが付着して赤く着色した
部分が見られたが、ループ部分6の外側は勿論、直線状
部分5は束の内側から外側までほぼ均一に洗浄されてい
る状態が観察された。
【0058】(比較例1)凹凸のないカセを用いて、実
施例1と同様にして中空糸膜及び中空糸膜型カートリッ
ジフィルターを作成した。実施例2と同様にしてベンガ
ラの付着状況を観察したところ、ループ部分だけでな
く、直線状部分の束の内側の中空糸膜にも赤く着色した
部分が見られた。
【0059】
【発明の効果】以上にしてなる本発明の中空糸膜型カー
トリッジフィルターは、中空糸膜束自身がエアースクラ
ビングのための気泡の通路を持つので、中空糸膜束の内
部まで効率的にエアースクラビングすることができ、且
つ中空糸膜自身で束の形状を保持するために、中空糸膜
束の外縁部の中空糸膜も乱れず、従来のように束の形状
を保持する部材が必要でないだけでなく、定形型のカー
トリッジフィルターとしても使用できるので経済的であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空糸膜型カートリッジフィルターに
使用する中空糸膜束の成型方法を示す簡略斜視図であ
る。
【図2】図1の方法で作成した中空糸膜束のループ部分
を示し、(a) は簡略正面図、(b) は簡略側面図である。
【図3】本発明の収納容器が定形型の中空糸膜型カート
リッジフィルターを一部破断して示した側面図である。
【図4】本発明の中空糸膜型カートリッジフィルターを
使用したろ過装置の簡略断面図である。
【図5】図4のろ過装置の使用方法を示す説明用配管図
である。
【符号の説明】
1 中空糸膜 2 カセ 3 トラバース 4 巻取り部 5 直線状部分 6 ループ部分 7 凹部 71 中空糸膜束の凹部 72 最外縁のループ 8 凸部 81 中空糸膜束の凸部 82 最内縁のループ 10 中空糸膜型カートリッジフィルター 11 中空糸膜束 12 収納容器 13 円筒 14 底 15 ヘッダー 16 孔 17 穴 18 ろ過液出口 19 Oリング 20 集束固定部 100 ろ過装置 101 ろ過室 102 ろ過液室 103 被処理液室 104 仕切板 105 装着穴 106 気泡の排出機構 107 出口 108 固定板 109 固定穴 110 気泡の発生ノズル 111 空気の導入口 112 導入孔 113 主管 114,115,116,117 フランジ 118 導入口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空糸膜の開口端が一カ所で収納容器と
    ともに集束固定された中空糸膜型の流体分離装置であっ
    て、中空糸膜が、各々複数の交差点を有しながらループ
    状に折り返され、ループ部分は一カ所以上の凹凸を有
    し、隣り合う凹部のループの最外縁が凸部の最内縁より
    も低く、かつ形状保持部材を持たない中空糸膜束が有孔
    円筒に収納されていることを特徴とする中空糸膜型カー
    トリッジフィルター。
  2. 【請求項2】 中空糸膜束の直線状部分がループ部分の
    太さよりも大きい請求項1記載の中空糸膜型カートリッ
    ジフィルター。
  3. 【請求項3】 収納容器のデザインが定形型のカートリ
    ッジフィルターである請求項1記載の中空糸膜型カート
    リッジフィルター。
JP28584995A 1995-11-02 1995-11-02 中空糸膜型カートリッジフィルター Pending JPH09122454A (ja)

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