JPH09121897A - 病原性クラミジア検出用または菌種同定用オリゴヌクレオチドおよびその用途 - Google Patents
病原性クラミジア検出用または菌種同定用オリゴヌクレオチドおよびその用途Info
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- JPH09121897A JPH09121897A JP7286062A JP28606295A JPH09121897A JP H09121897 A JPH09121897 A JP H09121897A JP 7286062 A JP7286062 A JP 7286062A JP 28606295 A JP28606295 A JP 28606295A JP H09121897 A JPH09121897 A JP H09121897A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 病原性クラミジア (Chlamydia)属細菌の検出
または菌種同定を直接的で簡便、迅速かつ確実なものと
する。 【解決手段】 配列表・配列番号1〜4に記載の核酸配
列の一部もしくは全部、またはその相補配列の一部もし
くは全部を含有するオリゴヌクレオチドを増幅用プライ
マーとして、PCRを行なう。配列番号5〜10に記載
の核酸配列の一部もしくは全部、またはその相補配列の
一部もしくは全部を含有するオリゴヌクレオチドを核酸
プローブとして、PCR反応液中のクラミジア属細菌の
検出、菌種の同定を行う。
または菌種同定を直接的で簡便、迅速かつ確実なものと
する。 【解決手段】 配列表・配列番号1〜4に記載の核酸配
列の一部もしくは全部、またはその相補配列の一部もし
くは全部を含有するオリゴヌクレオチドを増幅用プライ
マーとして、PCRを行なう。配列番号5〜10に記載
の核酸配列の一部もしくは全部、またはその相補配列の
一部もしくは全部を含有するオリゴヌクレオチドを核酸
プローブとして、PCR反応液中のクラミジア属細菌の
検出、菌種の同定を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は臨床診断上、ヒトに
病原性を有するクラミジア属細菌、例えばトラコーマク
ラミジア (Chlamydia trachomatis)、オウム病クラミジ
ア (Chlamydia psittaci) 、クラミジア・ニューモニエ
(Chlamydia pneumoniae) を迅速、確実かつ簡便に検出
または菌種同定するためのオリゴヌクレオチド、該オリ
ゴヌクレオチドを使用する検出または菌種同定方法およ
びその検出用または菌種同定用試薬キットに関する。
病原性を有するクラミジア属細菌、例えばトラコーマク
ラミジア (Chlamydia trachomatis)、オウム病クラミジ
ア (Chlamydia psittaci) 、クラミジア・ニューモニエ
(Chlamydia pneumoniae) を迅速、確実かつ簡便に検出
または菌種同定するためのオリゴヌクレオチド、該オリ
ゴヌクレオチドを使用する検出または菌種同定方法およ
びその検出用または菌種同定用試薬キットに関する。
【0002】
【従来の技術】クラミジア属は偏性細胞寄生性の細菌で
あり、宿主細胞の細胞質内でのみ増殖し、特異な増殖サ
イクルを持っている。まず、感染力はあるがそのままで
は増殖しない基本小体(elementary body) が宿主細胞に
感染し、網様体(reticulate body) となって細胞内で二
分裂を繰り返す。そして封入体(inclusion body)を形成
し、基本小体を放出する。このため培養には宿主細胞が
必要であり、発育鶏卵卵黄嚢での培養の他、放射線、サ
イクロヘキサマイド(cyclohexamide) 、ハイドロコーチ
ゾン(hydrocortisone)などで処理したMcCoy細胞、
Hela細胞やMK細胞などを用いて培養する。
あり、宿主細胞の細胞質内でのみ増殖し、特異な増殖サ
イクルを持っている。まず、感染力はあるがそのままで
は増殖しない基本小体(elementary body) が宿主細胞に
感染し、網様体(reticulate body) となって細胞内で二
分裂を繰り返す。そして封入体(inclusion body)を形成
し、基本小体を放出する。このため培養には宿主細胞が
必要であり、発育鶏卵卵黄嚢での培養の他、放射線、サ
イクロヘキサマイド(cyclohexamide) 、ハイドロコーチ
ゾン(hydrocortisone)などで処理したMcCoy細胞、
Hela細胞やMK細胞などを用いて培養する。
【0003】クラミジア属細菌にはトラコーマクラミジ
ア (Chlamydia trachomatis)、オウム病クラミジア (Ch
lamydia psittaci) 、クラミジア・ニューモニエ (Chla
mydia pneumoniae) およびクラミジア・ペコラム(Chla
mydia pecorum )の4種が知られているが、これらのう
ちヒトに病原性を持っているのはトラコーマクラミジ
ア、オウム病クラミジアおよびクラミジア・ニューモニ
エの3種であり、臨床上問題になるのもこの3種であ
る。
ア (Chlamydia trachomatis)、オウム病クラミジア (Ch
lamydia psittaci) 、クラミジア・ニューモニエ (Chla
mydia pneumoniae) およびクラミジア・ペコラム(Chla
mydia pecorum )の4種が知られているが、これらのう
ちヒトに病原性を持っているのはトラコーマクラミジ
ア、オウム病クラミジアおよびクラミジア・ニューモニ
エの3種であり、臨床上問題になるのもこの3種であ
る。
【0004】トラコーマクラミジア(Chlamydia trachom
atis) はトラコーマ、封入体結膜炎、鼠径リンパ肉芽腫
症、尿道炎、直腸炎、新生児肺炎などの起因菌である。
特に性行為感染症の一つである「非淋菌性尿道炎」の起
因菌として重要であり、該疾患起因菌中の約30〜50%を
占める。したがって臨床における該菌の分離頻度は高
い。
atis) はトラコーマ、封入体結膜炎、鼠径リンパ肉芽腫
症、尿道炎、直腸炎、新生児肺炎などの起因菌である。
特に性行為感染症の一つである「非淋菌性尿道炎」の起
因菌として重要であり、該疾患起因菌中の約30〜50%を
占める。したがって臨床における該菌の分離頻度は高
い。
【0005】オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)
は主に呼吸器感染症を引き起こす。人畜共通感染症の一
つで、鳥類からヒトに感染する「オウム病」の起因菌と
して知られている。クラミジア・ニューモニエ(Chlamyd
ia pneumoniae)は最近、同定された菌種であり、やはり
呼吸器感染症の起因菌である。
は主に呼吸器感染症を引き起こす。人畜共通感染症の一
つで、鳥類からヒトに感染する「オウム病」の起因菌と
して知られている。クラミジア・ニューモニエ(Chlamyd
ia pneumoniae)は最近、同定された菌種であり、やはり
呼吸器感染症の起因菌である。
【0006】これらクラミジア属細菌の分離培養には、
前述したように技術的に困難な部分があり、また必ずし
も検出感度が高いとはいえず、しかも菌種同定まで4〜
5日を要するなど迅速性にも欠ける。直接標本による塗
抹染色法(ギムザ染色、マキアベロ染色など)、ヨウ素
染色法などもあるが、検出感度に難がある上、これらの
方法でははっきりと菌種を同定することは困難である。
最近、蛍光抗体を用いた検出方法などが開発されている
が、やはり感度不足が問題になる。また、オウム病クラ
ミジアなどでは、最適なモノクローナル抗体が未だ開発
されていないのが現状である。
前述したように技術的に困難な部分があり、また必ずし
も検出感度が高いとはいえず、しかも菌種同定まで4〜
5日を要するなど迅速性にも欠ける。直接標本による塗
抹染色法(ギムザ染色、マキアベロ染色など)、ヨウ素
染色法などもあるが、検出感度に難がある上、これらの
方法でははっきりと菌種を同定することは困難である。
最近、蛍光抗体を用いた検出方法などが開発されている
が、やはり感度不足が問題になる。また、オウム病クラ
ミジアなどでは、最適なモノクローナル抗体が未だ開発
されていないのが現状である。
【0007】尿路感染症の場合、クラミジア属細菌のう
ち、起因菌になるのはほとんどの場合トラコーマクラミ
ジアであり、淋病菌(Neisseria gonorrhoeae) 、トラコ
ーマクラミジアのどちらが原因であるかが問題となる場
合が多い。しかし、呼吸器感染症の場合、3種のクラミ
ジア属細菌のいずれもが起因菌となり得るため、菌種の
同定には注意を要する。化学療法を行う場合、治療方針
は菌種によって大きく左右される。またクラミジア属細
菌について、迅速で確実な検出方法が望まれるのはいう
までもない。
ち、起因菌になるのはほとんどの場合トラコーマクラミ
ジアであり、淋病菌(Neisseria gonorrhoeae) 、トラコ
ーマクラミジアのどちらが原因であるかが問題となる場
合が多い。しかし、呼吸器感染症の場合、3種のクラミ
ジア属細菌のいずれもが起因菌となり得るため、菌種の
同定には注意を要する。化学療法を行う場合、治療方針
は菌種によって大きく左右される。またクラミジア属細
菌について、迅速で確実な検出方法が望まれるのはいう
までもない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、直接
的で簡便、迅速かつ確実なクラミジア属細菌の検出また
は菌種同定方法、それに用いる新規なオリゴヌクレオチ
ドおよびその検出用または同定用試薬を提供することで
ある。
的で簡便、迅速かつ確実なクラミジア属細菌の検出また
は菌種同定方法、それに用いる新規なオリゴヌクレオチ
ドおよびその検出用または同定用試薬を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、クラミジ
ア属細菌の様々な遺伝子配列に関して種々の検討を重ね
た結果、クラミジア属細菌の検出と菌種同定に適当な核
酸配列を得、それを用いた検出または菌種同定方法を確
立し、本発明を完成させるに至った。
ア属細菌の様々な遺伝子配列に関して種々の検討を重ね
た結果、クラミジア属細菌の検出と菌種同定に適当な核
酸配列を得、それを用いた検出または菌種同定方法を確
立し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち本発明は、クラミジア(Chlamydi
a) 属細菌の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(O
MP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得ることを
特徴とするオリゴヌクレオチドである。本発明のオリゴ
ヌクレオチドは、トラコーマクラミジア、オウム病クラ
ミジア、クラミジア・ニューモニエなどの、ヒトに対し
て病原性を持っているクラミジア属細菌を検出し、ある
いは菌種同定するためのオリゴヌクレオチドである。該
60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子
の核酸配列については、Infect.Immun.;38巻1181頁(19
82年)など多くの文献に記載されている。
a) 属細菌の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(O
MP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得ることを
特徴とするオリゴヌクレオチドである。本発明のオリゴ
ヌクレオチドは、トラコーマクラミジア、オウム病クラ
ミジア、クラミジア・ニューモニエなどの、ヒトに対し
て病原性を持っているクラミジア属細菌を検出し、ある
いは菌種同定するためのオリゴヌクレオチドである。該
60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子
の核酸配列については、Infect.Immun.;38巻1181頁(19
82年)など多くの文献に記載されている。
【0011】本発明のオリゴヌクレオチドは、望ましく
は、配列表・配列番号1、配列番号2、配列番号3また
は配列番号4に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、
Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。ま
た、任意の位置のTはウラシル(U)と置換されていて
もよい。以下、配列表に記載の核酸配列について同様)
の一部もしくは全部、またはその相補配列の一部もしく
は全部を含有することを特徴とするオリゴヌクレオチド
である。さらに望ましくは、これらの配列のうち、少な
くとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有する。
は、配列表・配列番号1、配列番号2、配列番号3また
は配列番号4に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、
Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。ま
た、任意の位置のTはウラシル(U)と置換されていて
もよい。以下、配列表に記載の核酸配列について同様)
の一部もしくは全部、またはその相補配列の一部もしく
は全部を含有することを特徴とするオリゴヌクレオチド
である。さらに望ましくは、これらの配列のうち、少な
くとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有する。
【0012】また本発明のオリゴヌクレオチドは、クラ
ミジア属細菌の中でも特に、トラコーマクラミジア(Chl
amydia trachomatis) の60kDa システインリッチ外膜タ
ンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし
得ることを特徴とするオリゴヌクレオチドである。望ま
しくは、配列表・配列番号5または配列番号6に記載の
核酸配列の一部もしくは全部、またはその相補配列の一
部もしくは全部を含有することを特徴とするオリゴヌク
レオチドである。さらに望ましくは、これらの配列のう
ち、少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含
有する。
ミジア属細菌の中でも特に、トラコーマクラミジア(Chl
amydia trachomatis) の60kDa システインリッチ外膜タ
ンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし
得ることを特徴とするオリゴヌクレオチドである。望ま
しくは、配列表・配列番号5または配列番号6に記載の
核酸配列の一部もしくは全部、またはその相補配列の一
部もしくは全部を含有することを特徴とするオリゴヌク
レオチドである。さらに望ましくは、これらの配列のう
ち、少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含
有する。
【0013】また本発明のオリゴヌクレオチドは、クラ
ミジア属細菌の中でも特に、オウム病クラミジア(Chlam
ydia psittaci)の60kDa システインリッチ外膜タンパク
質(OMP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得るこ
とを特徴とするオリゴヌクレオチドである。望ましく
は、配列表・配列番号7または配列番号8に記載の核酸
配列の一部もしくは全部、またはその相補配列の一部も
しくは全部を含有することを特徴とするオリゴヌクレオ
チドである。さらに望ましくは、これらの配列のうち、
少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有す
る。
ミジア属細菌の中でも特に、オウム病クラミジア(Chlam
ydia psittaci)の60kDa システインリッチ外膜タンパク
質(OMP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得るこ
とを特徴とするオリゴヌクレオチドである。望ましく
は、配列表・配列番号7または配列番号8に記載の核酸
配列の一部もしくは全部、またはその相補配列の一部も
しくは全部を含有することを特徴とするオリゴヌクレオ
チドである。さらに望ましくは、これらの配列のうち、
少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有す
る。
【0014】また本発明のオリゴヌクレオチドは、クラ
ミジア属細菌の中でも特に、クラミジア・ニューモニエ
(Chlamydia pneumoniae)の60kDa システインリッチ外膜
タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズ
し得ることを特徴とするオリゴヌクレオチドである。望
ましくは、配列表・配列番号9または配列番号10に記
載の核酸配列の一部もしくは全部、またはその相補配列
の一部もしくは全部を含有することを特徴とするオリゴ
ヌクレオチドである。さらに望ましくは、これらの配列
のうち、少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列
を含有する。
ミジア属細菌の中でも特に、クラミジア・ニューモニエ
(Chlamydia pneumoniae)の60kDa システインリッチ外膜
タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズ
し得ることを特徴とするオリゴヌクレオチドである。望
ましくは、配列表・配列番号9または配列番号10に記
載の核酸配列の一部もしくは全部、またはその相補配列
の一部もしくは全部を含有することを特徴とするオリゴ
ヌクレオチドである。さらに望ましくは、これらの配列
のうち、少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列
を含有する。
【0015】また本発明は、クラミジア(Chlamydia) 属
細菌の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)
遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得るオリゴヌクレ
オチドを、特に配列表・配列番号1、配列番号2、配列
番号3または配列番号4に記載の核酸配列の一部もしく
は全部、またはその相補配列の一部もしくは全部を含有
するオリゴヌクレオチドを増幅用プライマーとして用い
て、試料中の核酸を増幅することを特徴とする核酸の増
幅法である。望ましくは、配列番号1に記載の核酸配列
を有するオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーと
して、配列番号2に記載の核酸配列を有するオリゴヌク
レオチドをリバースプライマーとして用いて、クラミジ
ア(Chlamydia) 属細菌の60kDa システインリッチ外膜タ
ンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列の特定領域を共通増
幅する。また、配列番号1に記載の核酸配列を有するオ
リゴヌクレオチドをフォワードプライマーとして、配列
番号3に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチドお
よび配列番号4に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレ
オチドをリバースプライマーとして用いて、クラミジア
(Chlamydia) 属細菌の60kDa システインリッチ外膜タン
パク質(OMP2)遺伝子の核酸配列の特定領域を共通増幅
する。クラミジア属細菌の中でも、トラコーマクラミジ
ア、オウム病クラミジアおよびクラミジア・ニューモニ
エからなる群から選択された細菌の60kDa システインリ
ッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列の特定領
域を増幅あるいは共通増幅するのが望ましい。
細菌の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)
遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得るオリゴヌクレ
オチドを、特に配列表・配列番号1、配列番号2、配列
番号3または配列番号4に記載の核酸配列の一部もしく
は全部、またはその相補配列の一部もしくは全部を含有
するオリゴヌクレオチドを増幅用プライマーとして用い
て、試料中の核酸を増幅することを特徴とする核酸の増
幅法である。望ましくは、配列番号1に記載の核酸配列
を有するオリゴヌクレオチドをフォワードプライマーと
して、配列番号2に記載の核酸配列を有するオリゴヌク
レオチドをリバースプライマーとして用いて、クラミジ
ア(Chlamydia) 属細菌の60kDa システインリッチ外膜タ
ンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列の特定領域を共通増
幅する。また、配列番号1に記載の核酸配列を有するオ
リゴヌクレオチドをフォワードプライマーとして、配列
番号3に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチドお
よび配列番号4に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレ
オチドをリバースプライマーとして用いて、クラミジア
(Chlamydia) 属細菌の60kDa システインリッチ外膜タン
パク質(OMP2)遺伝子の核酸配列の特定領域を共通増幅
する。クラミジア属細菌の中でも、トラコーマクラミジ
ア、オウム病クラミジアおよびクラミジア・ニューモニ
エからなる群から選択された細菌の60kDa システインリ
ッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列の特定領
域を増幅あるいは共通増幅するのが望ましい。
【0016】また本発明は、クラミジア(Chlamydia) 属
細菌、特にトラコーマクラミジア、オウム病クラミジア
およびクラミジア・ニューモニエからなる群から選択さ
れた細菌の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OM
P2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得るオリゴヌ
クレオチドを、望ましくは配列番号1〜10のいずれか
に記載される核酸配列を有するオリゴヌクレオチドをプ
ライマーまたはプローブとして使用することを特徴とす
るクラミジア属細菌の検出または菌種同定方法である。
細菌、特にトラコーマクラミジア、オウム病クラミジア
およびクラミジア・ニューモニエからなる群から選択さ
れた細菌の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OM
P2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得るオリゴヌ
クレオチドを、望ましくは配列番号1〜10のいずれか
に記載される核酸配列を有するオリゴヌクレオチドをプ
ライマーまたはプローブとして使用することを特徴とす
るクラミジア属細菌の検出または菌種同定方法である。
【0017】また本発明は、トラコーマクラミジア、オ
ウム病クラミジア、クラミジア・ニューモニエからなる
群から選択された細菌の60kDa システインリッチ外膜タ
ンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし
得るオリゴヌクレオチドを標識化した標識核酸プローブ
を、望ましくは配列番号5〜10のいずれかに記載され
る核酸配列を有するオリゴヌクレオチドを標識化した標
識核酸プローブを試料中のDNAまたはRNAとハイブ
リダイズさせ、ハイブリダイズした結合体の標識を測定
することを特徴とするクラミジア属細菌の検出または菌
種同定方法である。
ウム病クラミジア、クラミジア・ニューモニエからなる
群から選択された細菌の60kDa システインリッチ外膜タ
ンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし
得るオリゴヌクレオチドを標識化した標識核酸プローブ
を、望ましくは配列番号5〜10のいずれかに記載され
る核酸配列を有するオリゴヌクレオチドを標識化した標
識核酸プローブを試料中のDNAまたはRNAとハイブ
リダイズさせ、ハイブリダイズした結合体の標識を測定
することを特徴とするクラミジア属細菌の検出または菌
種同定方法である。
【0018】また本発明は、クラミジア(Chlamydia) 属
細菌の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)
遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得るオリゴヌクレ
オチドである増幅用プライマー、望ましくは配列番号1
〜4のいずれかに記載される核酸配列の一部もしくは全
部、またはその相補配列の一部もしくは全部を含有する
オリゴヌクレオチドである増幅用プライマーである。さ
らに本発明は、トラコーマクラミジア、オウム病クラミ
ジアおよびクラミジア・ニューモニエからなる群から選
択された細菌の60kDa システインリッチ外膜タンパク質
(OMP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得るオリ
ゴヌクレオチドである核酸プローブ、望ましくは配列番
号5〜10のいずれかに記載される核酸配列を有するオ
リゴヌクレオチドである核酸プローブである。また、該
オリゴヌクレオチドを標識化した標識核酸プローブであ
る。
細菌の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)
遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得るオリゴヌクレ
オチドである増幅用プライマー、望ましくは配列番号1
〜4のいずれかに記載される核酸配列の一部もしくは全
部、またはその相補配列の一部もしくは全部を含有する
オリゴヌクレオチドである増幅用プライマーである。さ
らに本発明は、トラコーマクラミジア、オウム病クラミ
ジアおよびクラミジア・ニューモニエからなる群から選
択された細菌の60kDa システインリッチ外膜タンパク質
(OMP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得るオリ
ゴヌクレオチドである核酸プローブ、望ましくは配列番
号5〜10のいずれかに記載される核酸配列を有するオ
リゴヌクレオチドである核酸プローブである。また、該
オリゴヌクレオチドを標識化した標識核酸プローブであ
る。
【0019】また本発明は、上記標識核酸プローブを含
むことを特徴とするクラミジア属細菌の検出用または菌
種同定用試薬キットである。より具体的には、上記増幅
用プライマー、上記標識核酸プローブ、核酸合成酵素、
dNTPおよび/またはrNTP、標識検出物質ならび
に緩衝液を含むことを特徴とするクラミジア属細菌の検
出用または菌種同定用試薬キットである。
むことを特徴とするクラミジア属細菌の検出用または菌
種同定用試薬キットである。より具体的には、上記増幅
用プライマー、上記標識核酸プローブ、核酸合成酵素、
dNTPおよび/またはrNTP、標識検出物質ならび
に緩衝液を含むことを特徴とするクラミジア属細菌の検
出用または菌種同定用試薬キットである。
【0020】本発明者らは、現在までに報告されている
トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis) 、オウ
ム病クラミジア(Chlamydia psittaci)およびクラミジア
・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)の60kDa システ
インリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列を
詳細に検討し、各種内(血清型など)および各種間の遺
伝子配列の相同性を理論的検証し、実験的検証を重ねた
結果、60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)
遺伝子の特定領域が、トラコーマクラミジア、オウム病
クラミジアおよびクラミジア・ニューモニエの各菌種に
特徴的であり、各菌種の検出・同定に有用であることを
見い出した。菌種同定に有用な配列の要件として、菌種
間で識別できる程度の違いがあること、菌種内では違い
がほとんどないことの二点が挙げられるが、今回、見い
出した領域はこの要件を十分に満たしている。これらの
知見をもとに、トラコーマクラミジアの検出・同定に使
用可能なオリゴヌクレオチド(例えば配列表・配列番号
5または配列番号6に記載の核酸配列)、オウム病クラ
ミジアの検出・同定に使用可能なオリゴヌクレオチド
(例えば配列表・配列番号7または配列番号8に記載の
核酸配列)、クラミジア・ニューモニエの検出・同定に
使用可能なオリゴヌクレオチド(例えば配列表・配列番
号9または配列番号10に記載の核酸配列)、それらを
利用した各クラミジア属細菌の検出・菌種同定用核酸プ
ライマーおよび標識プローブを開発した。これらのオリ
ゴヌクレオチドがハイブリダイズし得る核酸配列の、60
kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子内
における位置は、各菌種によって若干異なるが、コード
領域内の翻訳開始点下流およそ 100塩基対から 160塩基
対の間に存在する。
トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis) 、オウ
ム病クラミジア(Chlamydia psittaci)およびクラミジア
・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)の60kDa システ
インリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列を
詳細に検討し、各種内(血清型など)および各種間の遺
伝子配列の相同性を理論的検証し、実験的検証を重ねた
結果、60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)
遺伝子の特定領域が、トラコーマクラミジア、オウム病
クラミジアおよびクラミジア・ニューモニエの各菌種に
特徴的であり、各菌種の検出・同定に有用であることを
見い出した。菌種同定に有用な配列の要件として、菌種
間で識別できる程度の違いがあること、菌種内では違い
がほとんどないことの二点が挙げられるが、今回、見い
出した領域はこの要件を十分に満たしている。これらの
知見をもとに、トラコーマクラミジアの検出・同定に使
用可能なオリゴヌクレオチド(例えば配列表・配列番号
5または配列番号6に記載の核酸配列)、オウム病クラ
ミジアの検出・同定に使用可能なオリゴヌクレオチド
(例えば配列表・配列番号7または配列番号8に記載の
核酸配列)、クラミジア・ニューモニエの検出・同定に
使用可能なオリゴヌクレオチド(例えば配列表・配列番
号9または配列番号10に記載の核酸配列)、それらを
利用した各クラミジア属細菌の検出・菌種同定用核酸プ
ライマーおよび標識プローブを開発した。これらのオリ
ゴヌクレオチドがハイブリダイズし得る核酸配列の、60
kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子内
における位置は、各菌種によって若干異なるが、コード
領域内の翻訳開始点下流およそ 100塩基対から 160塩基
対の間に存在する。
【0021】さらに本発明者らは同様に、同じく現在ま
でに報告されているクラミジア属細菌の60kDa システイ
ンリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列を詳
細に検討し、各種内および各種間の遺伝子配列の相同性
を理論的検証し、実験的検証を重ねた結果、60kDa シス
テインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の特定領域
を、三種すべてのクラミジア属細菌について増幅させる
ことが可能な核酸プライマーセットを開発した。これら
の核酸プライマーに用いる配列に求められる要件として
は、共通に増幅させるために、プライマーとして用いる
場合の3’末端が特に一致していること、感度よく検出
できるようにするために、増幅領域が小さい(望ましく
は 500塩基以内)こと、フォワードプライマーとリバー
スプライマーで解離温度(Tm値)が比較的揃っている
ことなどが挙げられる。本発明の核酸プライマーセット
は、理論的にこの要件を満たし、実験的にも、使用に耐
え得ることを確認している。
でに報告されているクラミジア属細菌の60kDa システイ
ンリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列を詳
細に検討し、各種内および各種間の遺伝子配列の相同性
を理論的検証し、実験的検証を重ねた結果、60kDa シス
テインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の特定領域
を、三種すべてのクラミジア属細菌について増幅させる
ことが可能な核酸プライマーセットを開発した。これら
の核酸プライマーに用いる配列に求められる要件として
は、共通に増幅させるために、プライマーとして用いる
場合の3’末端が特に一致していること、感度よく検出
できるようにするために、増幅領域が小さい(望ましく
は 500塩基以内)こと、フォワードプライマーとリバー
スプライマーで解離温度(Tm値)が比較的揃っている
ことなどが挙げられる。本発明の核酸プライマーセット
は、理論的にこの要件を満たし、実験的にも、使用に耐
え得ることを確認している。
【0022】具体的には、配列表・配列番号1に記載の
核酸配列を有するオリゴヌクレオチドと配列表・配列番
号2に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチドを核
酸プライマーとして使用すれば、PCRなどの核酸増幅
技術により、トラコーマクラミジア(Chlamydia trachom
atis) 、オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)およ
びクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)の
三種すべてについて、60kDa システインリッチ外膜タン
パク質(OMP2)遺伝子の特定領域を増幅することができ
る。増幅される領域は菌種によって異なり、トラコーマ
クラミジアではコード領域内の翻訳開始点下流 2塩基対
から 363塩基対、オウム病クラミジアではコード領域内
の翻訳開始点下流 2塩基対から 393塩基対、クラミジア
・ニューモニエではコード領域内の翻訳開始点下流 2塩
基対から 390塩基対の間である。
核酸配列を有するオリゴヌクレオチドと配列表・配列番
号2に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチドを核
酸プライマーとして使用すれば、PCRなどの核酸増幅
技術により、トラコーマクラミジア(Chlamydia trachom
atis) 、オウム病クラミジア(Chlamydia psittaci)およ
びクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)の
三種すべてについて、60kDa システインリッチ外膜タン
パク質(OMP2)遺伝子の特定領域を増幅することができ
る。増幅される領域は菌種によって異なり、トラコーマ
クラミジアではコード領域内の翻訳開始点下流 2塩基対
から 363塩基対、オウム病クラミジアではコード領域内
の翻訳開始点下流 2塩基対から 393塩基対、クラミジア
・ニューモニエではコード領域内の翻訳開始点下流 2塩
基対から 390塩基対の間である。
【0023】さらには、配列表・配列番号3に記載の核
酸配列を有するオリゴヌクレオチドはトラコーマクラミ
ジア用の核酸プライマーであり、PCRなどの核酸増幅
技術で配列表・配列番号1に記載の核酸配列を有するオ
リゴヌクレオチドと組み合わせることにより、トラコー
マクラミジアの60kDa システインリッチ外膜タンパク質
(OMP2)遺伝子の特定領域(コード領域内の翻訳開始点
下流 2塩基対から 222塩基対の間)を血清型などの如何
に関わらず増幅することができる。一方、配列表・配列
番号4に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチドは
オウム病クラミジアとクラミジア・ニューモニエで共通
に使用できる核酸プライマーであり、PCRなどの核酸
増幅技術で配列表・配列番号1に記載の核酸配列を有す
るオリゴヌクレオチドと組み合わせることにより、オウ
ム病クラミジアおよびクラミジア・ニューモニエの60kD
a システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の特
定領域(オウム病クラミジアについてはコード領域内の
翻訳開始点下流 2塩基対から 245塩基対の間、クラミジ
ア・ニューモニエについてはコード領域内の翻訳開始点
下流 2塩基対から 242塩基対の間)を上記両菌種につい
て、血清型などの如何に関わらず増幅することができ
る。これらはそれぞれ、別々に使用しても非常に有用で
あることは明白であるが、配列表・配列番号3に記載の
核酸配列を有するオリゴヌクレオチド、配列表・配列番
号4に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチド、お
よび配列表・配列番号1に記載の核酸配列を有するオリ
ゴヌクレオチドを混合して使用することにより、一回の
核酸増幅反応でトラコーマクラミジア、オウム病クラミ
ジアおよびクラミジア・ニューモニエの3種すべてにつ
いて、上記の60kDa システインリッチ外膜タンパク質
(OMP2)遺伝子の特定領域を増幅することが可能であ
る。
酸配列を有するオリゴヌクレオチドはトラコーマクラミ
ジア用の核酸プライマーであり、PCRなどの核酸増幅
技術で配列表・配列番号1に記載の核酸配列を有するオ
リゴヌクレオチドと組み合わせることにより、トラコー
マクラミジアの60kDa システインリッチ外膜タンパク質
(OMP2)遺伝子の特定領域(コード領域内の翻訳開始点
下流 2塩基対から 222塩基対の間)を血清型などの如何
に関わらず増幅することができる。一方、配列表・配列
番号4に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチドは
オウム病クラミジアとクラミジア・ニューモニエで共通
に使用できる核酸プライマーであり、PCRなどの核酸
増幅技術で配列表・配列番号1に記載の核酸配列を有す
るオリゴヌクレオチドと組み合わせることにより、オウ
ム病クラミジアおよびクラミジア・ニューモニエの60kD
a システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の特
定領域(オウム病クラミジアについてはコード領域内の
翻訳開始点下流 2塩基対から 245塩基対の間、クラミジ
ア・ニューモニエについてはコード領域内の翻訳開始点
下流 2塩基対から 242塩基対の間)を上記両菌種につい
て、血清型などの如何に関わらず増幅することができ
る。これらはそれぞれ、別々に使用しても非常に有用で
あることは明白であるが、配列表・配列番号3に記載の
核酸配列を有するオリゴヌクレオチド、配列表・配列番
号4に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチド、お
よび配列表・配列番号1に記載の核酸配列を有するオリ
ゴヌクレオチドを混合して使用することにより、一回の
核酸増幅反応でトラコーマクラミジア、オウム病クラミ
ジアおよびクラミジア・ニューモニエの3種すべてにつ
いて、上記の60kDa システインリッチ外膜タンパク質
(OMP2)遺伝子の特定領域を増幅することが可能であ
る。
【0024】感染症の検査では一般的に、核酸増幅技術
を利用した遺伝子診断法を適用すれば、培養することな
く検体から直接に、迅速に病原体を同定できることが知
られており、前述したようにクラミジア属細菌について
も遺伝子診断法の有用性は非常に高い。しかし本発明の
オリゴヌクレオチドは、各々単独に使用しても、このよ
うに有用であることは明らかであるが、有機的に組み合
わせることによってさらに有用性を高めることが考えら
れる。例えば、呼吸器感染症の検体を検査する場合、ク
ラミジア属細菌については、トラコーマクラミジア、オ
ウム病クラミジアおよびクラミジア・ニューモニエの3
種すべてに起因菌の可能性がある。一般にはこれらの菌
種各々に特異的な遺伝子配列を利用して、別々に核酸増
幅を行い、これらを別々に検出するのが普通である。し
かし本発明のオリゴヌクレチドを利用すれば、上記3種
に特異的な遺伝子配列を共通に増幅し、検出段階で各菌
種に特異的な標識核酸プローブを用いて菌種を識別する
ことができる。つまり、遺伝子診断法の中で一般的に最
もコストと時間を要する核酸増幅の工程を、上記三種に
ついて共通に行えるため、コストと時間の大幅な節約に
なるのである。もっとも、有用な組合せはこれだけには
とどまらない。
を利用した遺伝子診断法を適用すれば、培養することな
く検体から直接に、迅速に病原体を同定できることが知
られており、前述したようにクラミジア属細菌について
も遺伝子診断法の有用性は非常に高い。しかし本発明の
オリゴヌクレオチドは、各々単独に使用しても、このよ
うに有用であることは明らかであるが、有機的に組み合
わせることによってさらに有用性を高めることが考えら
れる。例えば、呼吸器感染症の検体を検査する場合、ク
ラミジア属細菌については、トラコーマクラミジア、オ
ウム病クラミジアおよびクラミジア・ニューモニエの3
種すべてに起因菌の可能性がある。一般にはこれらの菌
種各々に特異的な遺伝子配列を利用して、別々に核酸増
幅を行い、これらを別々に検出するのが普通である。し
かし本発明のオリゴヌクレチドを利用すれば、上記3種
に特異的な遺伝子配列を共通に増幅し、検出段階で各菌
種に特異的な標識核酸プローブを用いて菌種を識別する
ことができる。つまり、遺伝子診断法の中で一般的に最
もコストと時間を要する核酸増幅の工程を、上記三種に
ついて共通に行えるため、コストと時間の大幅な節約に
なるのである。もっとも、有用な組合せはこれだけには
とどまらない。
【0025】従来から、クラミジア属細菌を核酸プライ
マー、プローブで検出しようという試みが報告されてい
る。例えばトラコーマクラミジアのプラスミドDNAの
配列を利用した核酸プライマーやプローブが公知である
(特開平3-206898号公報、特表平7-502414号公報など)
。これらの方法では当然のことながらトラコーマクラ
ミジアしか検出できない。またプラスミドの性質上、ト
ラコーマクラミジアでありながら、このプラスミドを持
っていない株が出現する可能性も考えられる。
マー、プローブで検出しようという試みが報告されてい
る。例えばトラコーマクラミジアのプラスミドDNAの
配列を利用した核酸プライマーやプローブが公知である
(特開平3-206898号公報、特表平7-502414号公報など)
。これらの方法では当然のことながらトラコーマクラ
ミジアしか検出できない。またプラスミドの性質上、ト
ラコーマクラミジアでありながら、このプラスミドを持
っていない株が出現する可能性も考えられる。
【0026】一方、主要外膜タンパク質(MOMP、OMP1な
どと呼ばれている)遺伝子の核酸配列を利用した核酸プ
ライマーやプローブが公知である (特開平4-335900号公
報や特開平5-317097号公報など) 。MOMPはクラミジ
アの菌体表面抗原としてよく調べられているものであ
り、三種のクラミジア属細菌全てにMOMP遺伝子の存
在が確認されている。しかしMOMPおよびその遺伝子
配列は非常に多様に変異しているため、理想的な検出系
を組み立てることが困難である。まず菌種間での変異が
大きいため、三種共通の部分が少なく、共通増幅プライ
マーを設定しにくい。さらに、同一菌種内でもかなり変
異しているため、一種のプライマーやプローブで同一菌
種内の全ての型を検出することも困難である。菌種内の
血清型を調べるには有効であるが、菌種同定という目的
には不向きである。
どと呼ばれている)遺伝子の核酸配列を利用した核酸プ
ライマーやプローブが公知である (特開平4-335900号公
報や特開平5-317097号公報など) 。MOMPはクラミジ
アの菌体表面抗原としてよく調べられているものであ
り、三種のクラミジア属細菌全てにMOMP遺伝子の存
在が確認されている。しかしMOMPおよびその遺伝子
配列は非常に多様に変異しているため、理想的な検出系
を組み立てることが困難である。まず菌種間での変異が
大きいため、三種共通の部分が少なく、共通増幅プライ
マーを設定しにくい。さらに、同一菌種内でもかなり変
異しているため、一種のプライマーやプローブで同一菌
種内の全ての型を検出することも困難である。菌種内の
血清型を調べるには有効であるが、菌種同定という目的
には不向きである。
【0027】また、rRNAおよびその遺伝子配列を用
いた方法が公知である (特表昭64-500083 号公報や特表
平4-500309号公報など) 。確かにrRNAなどは、菌種
間でもよく保存された部分と、菌種間で変異している部
分とを持ち、菌種同定に適した性質を備えている。しか
しrRNAは全ての生物が保有しているものであるか
ら、十分な理論的検証に加え、十分な実験的検証を行わ
ないと、未知のものも含め、全く他の種類の細菌を検出
してしまう虞れなどがある。本発明においてはクラミジ
ア属細菌の検出または菌種同定に、60kDa システインリ
ッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子を使用することによ
り、上記欠点が解消された。
いた方法が公知である (特表昭64-500083 号公報や特表
平4-500309号公報など) 。確かにrRNAなどは、菌種
間でもよく保存された部分と、菌種間で変異している部
分とを持ち、菌種同定に適した性質を備えている。しか
しrRNAは全ての生物が保有しているものであるか
ら、十分な理論的検証に加え、十分な実験的検証を行わ
ないと、未知のものも含め、全く他の種類の細菌を検出
してしまう虞れなどがある。本発明においてはクラミジ
ア属細菌の検出または菌種同定に、60kDa システインリ
ッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子を使用することによ
り、上記欠点が解消された。
【0028】本発明における検出および同定とは、トラ
コーマクラミジア、オウム病クラミジアおよびクラミジ
ア・ニューモニエのそれぞれの60kDa システインリッチ
外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の特定領域の配列を検出
することにより、喀痰、スワブ、尿、血液などの各種臨
床材料中のトラコーマクラミジア、オウム病クラミジア
およびクラミジア・ニューモニエの存在をそれぞれ検出
することである。また、単離、培養された菌体の菌種を
判定することなども含まれる。本発明における試料には
上記の各種臨床材料や培養菌体の他、これらから単離、
精製された核酸なども含まれる。さらに、増幅された核
酸であってもよい。
コーマクラミジア、オウム病クラミジアおよびクラミジ
ア・ニューモニエのそれぞれの60kDa システインリッチ
外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の特定領域の配列を検出
することにより、喀痰、スワブ、尿、血液などの各種臨
床材料中のトラコーマクラミジア、オウム病クラミジア
およびクラミジア・ニューモニエの存在をそれぞれ検出
することである。また、単離、培養された菌体の菌種を
判定することなども含まれる。本発明における試料には
上記の各種臨床材料や培養菌体の他、これらから単離、
精製された核酸なども含まれる。さらに、増幅された核
酸であってもよい。
【0029】本発明における核酸プローブとして使用す
るオリゴヌクレオチドは、必ずしも配列表に記載の配列
またはその相補配列の全域を使用する必要はなく、使用
する核酸ハイブリダイゼーション条件に合わせて解離温
度(Tm値)などを計算し、適当な領域を適当な長さで
使用すればよい。しかし、プローブに十分な特異性を付
与させるのであれば、望ましくは10塩基以上、さらに
望ましくは15塩基程度以上の長さが必要となる。本発
明における核酸プライマーに使用するオリゴヌクレオチ
ドも、配列表の配列とその相補配列から、適当な長さの
配列を使用して作製すればよい。また、使用する条件、
目的などに応じて、オリゴヌクレオチド中にある程度の
置換を行ってもよい場合があることは容易に予想でき
る。
るオリゴヌクレオチドは、必ずしも配列表に記載の配列
またはその相補配列の全域を使用する必要はなく、使用
する核酸ハイブリダイゼーション条件に合わせて解離温
度(Tm値)などを計算し、適当な領域を適当な長さで
使用すればよい。しかし、プローブに十分な特異性を付
与させるのであれば、望ましくは10塩基以上、さらに
望ましくは15塩基程度以上の長さが必要となる。本発
明における核酸プライマーに使用するオリゴヌクレオチ
ドも、配列表の配列とその相補配列から、適当な長さの
配列を使用して作製すればよい。また、使用する条件、
目的などに応じて、オリゴヌクレオチド中にある程度の
置換を行ってもよい場合があることは容易に予想でき
る。
【0030】本発明のオリゴヌクレオチドは化学合成に
より調製できるので、クローン化したオリゴヌクレオチ
ドまたはポリヌクレオチドに比べ、容易、大量且つ安価
に一定品質のオリゴヌクレオチドを得ることが可能であ
る。本発明のオリゴヌクレオチドはデオキシリボ核酸
(DNA)でもリボ核酸(RNA)でもよい。リボ核酸
の場合はチミジン残基(T)をウリジン残基(U)と読
み替えることは言うまでもない。また合成に際して任意
の位置のTをUに変えて合成を行ない、ウリジン残基を
含むDNAであってもよい。同様に任意の位置のUをT
に変えたチミジン残基を含むRNAであってもよい。ま
たオリゴヌクレオチド中に欠失、挿入あるいは置換とい
った点突然変異や、修飾ヌクレオチドがあってもよい。
より調製できるので、クローン化したオリゴヌクレオチ
ドまたはポリヌクレオチドに比べ、容易、大量且つ安価
に一定品質のオリゴヌクレオチドを得ることが可能であ
る。本発明のオリゴヌクレオチドはデオキシリボ核酸
(DNA)でもリボ核酸(RNA)でもよい。リボ核酸
の場合はチミジン残基(T)をウリジン残基(U)と読
み替えることは言うまでもない。また合成に際して任意
の位置のTをUに変えて合成を行ない、ウリジン残基を
含むDNAであってもよい。同様に任意の位置のUをT
に変えたチミジン残基を含むRNAであってもよい。ま
たオリゴヌクレオチド中に欠失、挿入あるいは置換とい
った点突然変異や、修飾ヌクレオチドがあってもよい。
【0031】標識物として放射性物質、酵素、蛍光物
質、発光物質など公知の標識を用いることができる。標
識化の方法は末端標識でも、配列の途中に標識してもよ
い。また糖、リン酸基、塩基部分への標識であってもよ
い。例えば、リンカーアームを有するヌクレオチドを配
列のオリゴヌクレオチドの一員として置換することによ
り酵素標識化することができる(Nucleic Acids Res.;1
4 巻6115頁1986年)。その一例として、5位にリンカー
アームを有するウリジンを特開昭60-500717 号公報に開
示された合成法により、デオキシウリジンから化学合成
し、上記オリゴヌクレオチドに導入することもできる。
質、発光物質など公知の標識を用いることができる。標
識化の方法は末端標識でも、配列の途中に標識してもよ
い。また糖、リン酸基、塩基部分への標識であってもよ
い。例えば、リンカーアームを有するヌクレオチドを配
列のオリゴヌクレオチドの一員として置換することによ
り酵素標識化することができる(Nucleic Acids Res.;1
4 巻6115頁1986年)。その一例として、5位にリンカー
アームを有するウリジンを特開昭60-500717 号公報に開
示された合成法により、デオキシウリジンから化学合成
し、上記オリゴヌクレオチドに導入することもできる。
【0032】本発明のオリゴヌクレオチドを固相担体に
結合して、捕捉プローブとして用いることもできる。こ
の場合、捕捉プローブと標識プローブとの組合せでサン
ドイッチアッセイ(特開昭58-40099号公報参照)を行っ
てもよいし、標的核酸を標識して捕捉する方法(特開昭
62-265999 号公報参照)もある。またオリゴヌクレオチ
ドをビオチンで標識し、ハイブリダイズ後にアビジン結
合担体で捕捉する方法もある。
結合して、捕捉プローブとして用いることもできる。こ
の場合、捕捉プローブと標識プローブとの組合せでサン
ドイッチアッセイ(特開昭58-40099号公報参照)を行っ
てもよいし、標的核酸を標識して捕捉する方法(特開昭
62-265999 号公報参照)もある。またオリゴヌクレオチ
ドをビオチンで標識し、ハイブリダイズ後にアビジン結
合担体で捕捉する方法もある。
【0033】オリゴヌクレオチドを核酸プライマーとし
て使用する場合、DNAポリメラーゼなどによる核酸増
幅(例えばPCR;特開昭60-281号公報参照)を行うこ
とにより、トラコーマクラミジア、オウム病クラミジア
およびクラミジア・ニューモニエのそれぞれの60kDa シ
ステインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の特定領
域の配列を個別に、あるいは共通に増幅することができ
る。前述したように、これらの増幅産物を標識核酸プロ
ーブなどで検出することにより、個別増幅産物の検出、
共通増幅産物の検出および同定などを行うことができ
る。その他、反応時に放射性標識ヌクレオチドを取り込
ませる方法や、増幅産物を電気泳動により分画して特異
なバンドを検出することで容易に60kDa システインリッ
チ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の特定領域を検出する
ことができる。また前述の標識オリゴヌクレオチドをプ
ライマーとして用いれば増幅産物を直接検出することも
可能である。
て使用する場合、DNAポリメラーゼなどによる核酸増
幅(例えばPCR;特開昭60-281号公報参照)を行うこ
とにより、トラコーマクラミジア、オウム病クラミジア
およびクラミジア・ニューモニエのそれぞれの60kDa シ
ステインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の特定領
域の配列を個別に、あるいは共通に増幅することができ
る。前述したように、これらの増幅産物を標識核酸プロ
ーブなどで検出することにより、個別増幅産物の検出、
共通増幅産物の検出および同定などを行うことができ
る。その他、反応時に放射性標識ヌクレオチドを取り込
ませる方法や、増幅産物を電気泳動により分画して特異
なバンドを検出することで容易に60kDa システインリッ
チ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の特定領域を検出する
ことができる。また前述の標識オリゴヌクレオチドをプ
ライマーとして用いれば増幅産物を直接検出することも
可能である。
【0034】RNAポリメラーゼなどを組み合わせた核
酸増幅法(例えばNASBA(Nucleic acid sequence b
ased amplification) ;特開平2-5864号公報、Nature;3
50巻91頁1991年)などにも、当然、本発明のオリゴヌク
レオチドは使用可能である。この場合、核酸プライマー
にRNAポリメラーゼの転写プロモーターなどの配列を
付加しなければならないことがある。
酸増幅法(例えばNASBA(Nucleic acid sequence b
ased amplification) ;特開平2-5864号公報、Nature;3
50巻91頁1991年)などにも、当然、本発明のオリゴヌク
レオチドは使用可能である。この場合、核酸プライマー
にRNAポリメラーゼの転写プロモーターなどの配列を
付加しなければならないことがある。
【0035】本発明のトラコーマクラミジア、オウム病
クラミジアおよびクラミジア・ニューモニエの検出用ま
たは同定用試薬キットは、本発明の標識核酸プローブお
よび/またはプライマーを含む。さらに他の成分として
核酸合成酵素(DNAポリメラーゼ、RNAポリメラー
ゼ、逆転写酵素など)、その他の酵素、酵素に応じた基
質(dNTP、rNTPなど)などを含む。また標識検
出物質や緩衝液なども含んでもよい。
クラミジアおよびクラミジア・ニューモニエの検出用ま
たは同定用試薬キットは、本発明の標識核酸プローブお
よび/またはプライマーを含む。さらに他の成分として
核酸合成酵素(DNAポリメラーゼ、RNAポリメラー
ゼ、逆転写酵素など)、その他の酵素、酵素に応じた基
質(dNTP、rNTPなど)などを含む。また標識検
出物質や緩衝液なども含んでもよい。
【0036】
【実施例】以下に、実施例によって、本発明を具体的に
説明する。実施例1 (1)病原性クラミジアOMP2遺伝子共通増幅用PC
Rプライマーの合成ABI社DNAシンセサイザー39
2型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列表・配列
番号1に示される配列を有するオリゴヌクレオチド(以
下、プライマーFと呼ぶ)、配列表・配列番号2に示さ
れる配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、プライマ
ーRと呼ぶ)、配列表・配列番号3に示される配列を有
するオリゴヌクレオチド(以下、プライマーR2Tと呼
ぶ)および配列表・配列番号4に示される配列を有する
オリゴヌクレオチド(以下、プライマーR2Pと呼ぶ)
を合成した。手法はABI社マニュアルに従い、各種オ
リゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃一夜
実施した。精製はファルマシア社製FPLCで陰イオン
交換カラムにて実施した。
説明する。実施例1 (1)病原性クラミジアOMP2遺伝子共通増幅用PC
Rプライマーの合成ABI社DNAシンセサイザー39
2型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列表・配列
番号1に示される配列を有するオリゴヌクレオチド(以
下、プライマーFと呼ぶ)、配列表・配列番号2に示さ
れる配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、プライマ
ーRと呼ぶ)、配列表・配列番号3に示される配列を有
するオリゴヌクレオチド(以下、プライマーR2Tと呼
ぶ)および配列表・配列番号4に示される配列を有する
オリゴヌクレオチド(以下、プライマーR2Pと呼ぶ)
を合成した。手法はABI社マニュアルに従い、各種オ
リゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃一夜
実施した。精製はファルマシア社製FPLCで陰イオン
交換カラムにて実施した。
【0037】(2)試料の調製 以下に示すDNAをPCRの試料として使用した。細菌
はいずれも臨床分離株であり、培養後、コロニーの形状
や従来の各種生化学的試験などによって菌種がすでに鑑
別されているものである。以下の細菌、生物試料につい
て、それぞれのDNA抽出・精製の常法(フェノール抽
出などを基本とする)に従い調製したものを、PCR反
応液中、最終1ng/μl になるように使用した。 1.トラコーマクラミジア (Chlamydia trachomatis) 2.オウム病クラミジア (Chlamydia psittaci) 3.クラミジア・ニューモニエ (Chlamydia pneumoniae) 4.ヒト型結核菌 (Mycobacterium tuberculosis) 5.トリ型結核菌 (Mycobacterium avium) 6.マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobact
erium intracellulare) 7.マイコバクテリウム・カンサシイ (Mycobacterium k
ansasii) 8.枯草菌 (Bacillus subtilis) 9.クロストリジウム・スティックランディ (Clostridi
um sticklandii) 10.エンテロバクター・アエロゲネス (Enterobacter a
erogenes) 11.エンテロコッカス・フェーカリス (Enterococcus f
aecalis) 12.大腸菌 (Escherichia coli) 13.肺炎桿菌 (Klebsiella pneumoniae) 14.緑膿菌 (Pseudomonas aeruginosa) 15.黄色ブドウ球菌 (Staphyrococcus aureus) 16.ストレプトコッカス・フェシウム (Streptococcus
faecium) 17.腸炎ビブリオ (Vibrio parahaemolyticus) 18.ヒト胎盤DNA 19.ウシ胸腺DNA 20.サケ精子DNA 21.ニシン精子DNA
はいずれも臨床分離株であり、培養後、コロニーの形状
や従来の各種生化学的試験などによって菌種がすでに鑑
別されているものである。以下の細菌、生物試料につい
て、それぞれのDNA抽出・精製の常法(フェノール抽
出などを基本とする)に従い調製したものを、PCR反
応液中、最終1ng/μl になるように使用した。 1.トラコーマクラミジア (Chlamydia trachomatis) 2.オウム病クラミジア (Chlamydia psittaci) 3.クラミジア・ニューモニエ (Chlamydia pneumoniae) 4.ヒト型結核菌 (Mycobacterium tuberculosis) 5.トリ型結核菌 (Mycobacterium avium) 6.マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobact
erium intracellulare) 7.マイコバクテリウム・カンサシイ (Mycobacterium k
ansasii) 8.枯草菌 (Bacillus subtilis) 9.クロストリジウム・スティックランディ (Clostridi
um sticklandii) 10.エンテロバクター・アエロゲネス (Enterobacter a
erogenes) 11.エンテロコッカス・フェーカリス (Enterococcus f
aecalis) 12.大腸菌 (Escherichia coli) 13.肺炎桿菌 (Klebsiella pneumoniae) 14.緑膿菌 (Pseudomonas aeruginosa) 15.黄色ブドウ球菌 (Staphyrococcus aureus) 16.ストレプトコッカス・フェシウム (Streptococcus
faecium) 17.腸炎ビブリオ (Vibrio parahaemolyticus) 18.ヒト胎盤DNA 19.ウシ胸腺DNA 20.サケ精子DNA 21.ニシン精子DNA
【0038】(3)病原性クラミジア3種共通PCR
(1) 反応液組成は上記DNAサンプルの他に、プライマー
F、プライマーRを各 1μM 、10mM Tris-HCl(pH8.9)、
1.5mM MgCl2 、80mM KCl、 500μg/ml BSA、 0.1%コー
ル酸ナトリウム、0.1 % TritonX-100、それぞれ 0.2mM
のdATP、dCTP、dGTP、dTTPおよびTth DNA ポリメラーゼ
(東洋紡製)40単位/ml である。反応条件は次の通りで
ある。 熱変性: 94℃、1分 アニーリング:45℃、2分 重合反応: 75℃、1分 を30回行った。これらの操作はパーキン・エルマー/
シータス(Perkin-Elmer/Cetus)社のDNAサーマルサ
イクラーを用いて行った。
(1) 反応液組成は上記DNAサンプルの他に、プライマー
F、プライマーRを各 1μM 、10mM Tris-HCl(pH8.9)、
1.5mM MgCl2 、80mM KCl、 500μg/ml BSA、 0.1%コー
ル酸ナトリウム、0.1 % TritonX-100、それぞれ 0.2mM
のdATP、dCTP、dGTP、dTTPおよびTth DNA ポリメラーゼ
(東洋紡製)40単位/ml である。反応条件は次の通りで
ある。 熱変性: 94℃、1分 アニーリング:45℃、2分 重合反応: 75℃、1分 を30回行った。これらの操作はパーキン・エルマー/
シータス(Perkin-Elmer/Cetus)社のDNAサーマルサ
イクラーを用いて行った。
【0039】(4)病原性クラミジア3種共通PCR
(2) 反応液組成は上記DNAサンプルの他に、プライマー
F、プライマーR2TおよびプライマーR2Pを各 1μ
M 、10mM Tris-HCl(pH8.9)、1.5mM MgCl2 、80mMKCl、5
00 μg/ml BSA、 0.1%コール酸ナトリウム、0.1 % Tr
itonX-100、それぞれ0.2mM のdATP、dCTP、dGTP、dTTP
およびTth DNA ポリメラーゼ(東洋紡製)40単位/ml で
ある。反応条件は次の通りである。 熱変性: 94℃、1分 アニーリング:45℃、2分 重合反応: 75℃、1分 を30回行った。これらの操作はパーキン・エルマー/
シータス(Perkin-Elmer/Cetus)社のDNAサーマルサ
イクラーを用いて行った。
(2) 反応液組成は上記DNAサンプルの他に、プライマー
F、プライマーR2TおよびプライマーR2Pを各 1μ
M 、10mM Tris-HCl(pH8.9)、1.5mM MgCl2 、80mMKCl、5
00 μg/ml BSA、 0.1%コール酸ナトリウム、0.1 % Tr
itonX-100、それぞれ0.2mM のdATP、dCTP、dGTP、dTTP
およびTth DNA ポリメラーゼ(東洋紡製)40単位/ml で
ある。反応条件は次の通りである。 熱変性: 94℃、1分 アニーリング:45℃、2分 重合反応: 75℃、1分 を30回行った。これらの操作はパーキン・エルマー/
シータス(Perkin-Elmer/Cetus)社のDNAサーマルサ
イクラーを用いて行った。
【0040】(5)検出 5μlの反応液を1.5%アガロースゲル電気泳動し、
エチジウムブロマイド染色した後、紫外線での蛍光を検
出した。泳動の電気的条件は、定電圧100V、時間は
30分行った。操作方法ならびに他の条件は Maniatis
らの MolecularCloning(1982年)に記載の方法に従っ
た。反応液の他に分子量マーカーも同時に泳動し、相対
泳動度の比較により、検出されたDNA断片の長さを算
出した。
エチジウムブロマイド染色した後、紫外線での蛍光を検
出した。泳動の電気的条件は、定電圧100V、時間は
30分行った。操作方法ならびに他の条件は Maniatis
らの MolecularCloning(1982年)に記載の方法に従っ
た。反応液の他に分子量マーカーも同時に泳動し、相対
泳動度の比較により、検出されたDNA断片の長さを算
出した。
【0041】(6)病原性クラミジア3種共通PCR
(1) の結果 アガロースゲル電気泳動し、エチジウムブロマイド染色
した後、紫外線で350〜400塩基対の蛍光バンドが
確認されたものを陽性とする。この結果、トラコーマク
ラミジア (Chlamydia trachomatis)の試料(1.)、オウム
病クラミジア (Chlamydia psittaci) の試料(2.)および
クラミジア・ニューモニエ (Chlamydiapneumoniae) の
試料(3.)で350〜400塩基対の蛍光バンドが確認で
き、陽性と判定できたのに対して、その他の細菌、生物
の試料 (4.〜21.)はいずれにも該当する蛍光バンドがみ
られず、陰性と判断できた。正確には、トラコーマクラ
ミジアのPCR産物は362塩基対、オウム病クラミジ
アのPCR産物は392塩基対、クラミジア・ニューモ
ニエのPCR産物は389塩基対であるが、上記アガロ
ースゲル電気泳動の条件では、辛うじてトラコーマクラ
ミジアの違いは判別できるものの、オウム病クラミジア
とクラミジア・ニューモニエの違いは判別できない。
(1) の結果 アガロースゲル電気泳動し、エチジウムブロマイド染色
した後、紫外線で350〜400塩基対の蛍光バンドが
確認されたものを陽性とする。この結果、トラコーマク
ラミジア (Chlamydia trachomatis)の試料(1.)、オウム
病クラミジア (Chlamydia psittaci) の試料(2.)および
クラミジア・ニューモニエ (Chlamydiapneumoniae) の
試料(3.)で350〜400塩基対の蛍光バンドが確認で
き、陽性と判定できたのに対して、その他の細菌、生物
の試料 (4.〜21.)はいずれにも該当する蛍光バンドがみ
られず、陰性と判断できた。正確には、トラコーマクラ
ミジアのPCR産物は362塩基対、オウム病クラミジ
アのPCR産物は392塩基対、クラミジア・ニューモ
ニエのPCR産物は389塩基対であるが、上記アガロ
ースゲル電気泳動の条件では、辛うじてトラコーマクラ
ミジアの違いは判別できるものの、オウム病クラミジア
とクラミジア・ニューモニエの違いは判別できない。
【0042】(7)病原性クラミジア3種共通PCR
(2) の結果 アガロースゲル電気泳動し、エチジウムブロマイド染色
した後、紫外線で220〜250塩基対の蛍光バンドが
確認されたものを陽性とする。この結果、PCR(1) と
同様、トラコーマクラミジア (Chlamydia trachomatis)
の試料(1.)、オウム病クラミジア (Chlamydia psittac
i)の試料(2.)およびクラミジア・ニューモニエ (Chlam
ydia pneumoniae) の試料(3.)で220〜250塩基対
の蛍光バンドが確認でき、陽性と判定できたのに対し
て、その他の細菌、生物の試料 (4.〜21.)はいずれにも
該当する蛍光バンドがみられず、陰性と判断できた。正
確には、トラコーマクラミジアのPCR産物は221塩
基対、オウム病クラミジアのPCR産物は244塩基
対、クラミジア・ニューモニエのPCR産物は241塩
基対であるが、上記アガロースゲル電気泳動の条件で
は、やはりその違いを識別することは困難であった。
(2) の結果 アガロースゲル電気泳動し、エチジウムブロマイド染色
した後、紫外線で220〜250塩基対の蛍光バンドが
確認されたものを陽性とする。この結果、PCR(1) と
同様、トラコーマクラミジア (Chlamydia trachomatis)
の試料(1.)、オウム病クラミジア (Chlamydia psittac
i)の試料(2.)およびクラミジア・ニューモニエ (Chlam
ydia pneumoniae) の試料(3.)で220〜250塩基対
の蛍光バンドが確認でき、陽性と判定できたのに対し
て、その他の細菌、生物の試料 (4.〜21.)はいずれにも
該当する蛍光バンドがみられず、陰性と判断できた。正
確には、トラコーマクラミジアのPCR産物は221塩
基対、オウム病クラミジアのPCR産物は244塩基
対、クラミジア・ニューモニエのPCR産物は241塩
基対であるが、上記アガロースゲル電気泳動の条件で
は、やはりその違いを識別することは困難であった。
【0043】以上のことから、本発明の配列表・配列番
号1に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(プ
ライマーF)、配列表・配列番号2に記載の核酸配列を
有するオリゴヌクレオチド(プライマーR)、配列表・
配列番号3に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチ
ド(プライマーR2T)および配列表・配列番号4に記
載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(プライマー
R2P)をプライマーとしてPCRに用いることによ
り、病原性クラミジア三種を一回の反応で同時に検出で
きることが判明し、臨床上、病原性クラミジアの迅速な
検出が可能であることが示された。また、PCRなどの
核酸増幅による検出は高感度が期待できるため、細菌を
単離する前の臨床材料などからの直接検出が可能であ
り、従来の培養に要していた時間(数日間)が不要にな
ることが考えられる。菌種の同定は、下記実施例2およ
び実施例3に記載するようなハイブリダイゼーション法
を組み合わせることによって達成される。
号1に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(プ
ライマーF)、配列表・配列番号2に記載の核酸配列を
有するオリゴヌクレオチド(プライマーR)、配列表・
配列番号3に記載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチ
ド(プライマーR2T)および配列表・配列番号4に記
載の核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(プライマー
R2P)をプライマーとしてPCRに用いることによ
り、病原性クラミジア三種を一回の反応で同時に検出で
きることが判明し、臨床上、病原性クラミジアの迅速な
検出が可能であることが示された。また、PCRなどの
核酸増幅による検出は高感度が期待できるため、細菌を
単離する前の臨床材料などからの直接検出が可能であ
り、従来の培養に要していた時間(数日間)が不要にな
ることが考えられる。菌種の同定は、下記実施例2およ
び実施例3に記載するようなハイブリダイゼーション法
を組み合わせることによって達成される。
【0044】また、フォワードプライマーにプライマー
Fを用い、リバースプライマーに配列表・配列番号5〜
10に記載の核酸配列の相補配列を有するオリゴヌクレ
オチドのいずれかを用いれば、同様にして、そのリバー
スプライマーにより特定の菌種のみを核酸増幅させるこ
とが可能である。
Fを用い、リバースプライマーに配列表・配列番号5〜
10に記載の核酸配列の相補配列を有するオリゴヌクレ
オチドのいずれかを用いれば、同様にして、そのリバー
スプライマーにより特定の菌種のみを核酸増幅させるこ
とが可能である。
【0045】実施例2 (1)リンカーアームを有するヒト型結核菌検出用オリ
ゴヌクレオチドの合成 ABI社DNAシンセサイザー392型を用いて、ホス
ホアミダイト法にて、配列表・配列番号5に示される配
列を有するオリゴヌクレオチド(以下、プローブTR1
と呼ぶ)、配列表・配列番号6に示される配列を有する
オリゴヌクレオチド(以下、プローブTR2と呼ぶ)、
配列表・配列番号7に示される配列を有するオリゴヌク
レオチド(以下、プローブPS1と呼ぶ)、配列表・配
列番号8に示される配列を有するオリゴヌクレオチド
(以下、プローブPS2と呼ぶ)、配列表・配列番号9
に示される配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、プ
ローブPN1と呼ぶ)および配列表・配列番号10に示
される配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、プロー
ブPN2と呼ぶ)を合成した。この際、特表昭60-50071
7 号公報に開示された合成法によりデオキシウリジンか
ら化学合成により調製した、5位にリンカーアームを有
するウリジンを、上記オリゴヌクレオチドに導入した。
このウリジンはオリゴヌクレオチド内の任意のTを置換
し得るが、今回はいずれも5’末端のTを置換し、5’
末端がTではない場合は5’末端に付加した。合成され
たリンカーオリゴヌクレオチドはアンモニア水で50
℃、一夜脱保護処理を施した後、ファルマシア社製FP
LCで陰イオン交換カラムを用いて精製した。
ゴヌクレオチドの合成 ABI社DNAシンセサイザー392型を用いて、ホス
ホアミダイト法にて、配列表・配列番号5に示される配
列を有するオリゴヌクレオチド(以下、プローブTR1
と呼ぶ)、配列表・配列番号6に示される配列を有する
オリゴヌクレオチド(以下、プローブTR2と呼ぶ)、
配列表・配列番号7に示される配列を有するオリゴヌク
レオチド(以下、プローブPS1と呼ぶ)、配列表・配
列番号8に示される配列を有するオリゴヌクレオチド
(以下、プローブPS2と呼ぶ)、配列表・配列番号9
に示される配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、プ
ローブPN1と呼ぶ)および配列表・配列番号10に示
される配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、プロー
ブPN2と呼ぶ)を合成した。この際、特表昭60-50071
7 号公報に開示された合成法によりデオキシウリジンか
ら化学合成により調製した、5位にリンカーアームを有
するウリジンを、上記オリゴヌクレオチドに導入した。
このウリジンはオリゴヌクレオチド内の任意のTを置換
し得るが、今回はいずれも5’末端のTを置換し、5’
末端がTではない場合は5’末端に付加した。合成され
たリンカーオリゴヌクレオチドはアンモニア水で50
℃、一夜脱保護処理を施した後、ファルマシア社製FP
LCで陰イオン交換カラムを用いて精製した。
【0046】(2)リンカーオリゴヌクレオチドの酵素
・アルカリ性ホスファターゼによる標識化 上記リンカーオリゴヌクレオチドと、そのリンカーアー
ムを介してのアルカリ性ホスファターゼとの結合を、文
献 (Nucleic Acids Res.; 14巻6115頁1986年)に従って
行なった。リンカーオリゴヌクレオチド1.5 A 260を 0.
2M NaHCO 3 12.5μl に溶解し、ここへ 10mg/mlスベリ
ン酸ジスクシニミジル(DSS)25μl を加えて室温、
2分間反応させた。反応液を1mM CH 3 COONa(pH5.0)で
平衡化した Sephadex G-25(ファルマシア社)カラム(1c
mφx30cm)でゲル濾過して過剰のDSSを除去した。末
端のアミノ基が活性化されたリンカーオリゴヌクレオチ
ドを、さらにモル比で2倍量のアルカリ性ホスファター
ゼ(ベーリンガーマンハイム社、(100mM NaHCO3 、3M N
aCl)に溶解したもの)と室温、16時間反応させること
でアルカリ性ホスファターゼ標識核酸プローブを得た。
得られた標識プローブは、ファルマシア社製FPLCで
陰イオン交換カラムを用いて精製した。標識プローブを
含む画分を集め、セントリコン30K(アミコン社)を
用いて限外濾過法により濃縮した。
・アルカリ性ホスファターゼによる標識化 上記リンカーオリゴヌクレオチドと、そのリンカーアー
ムを介してのアルカリ性ホスファターゼとの結合を、文
献 (Nucleic Acids Res.; 14巻6115頁1986年)に従って
行なった。リンカーオリゴヌクレオチド1.5 A 260を 0.
2M NaHCO 3 12.5μl に溶解し、ここへ 10mg/mlスベリ
ン酸ジスクシニミジル(DSS)25μl を加えて室温、
2分間反応させた。反応液を1mM CH 3 COONa(pH5.0)で
平衡化した Sephadex G-25(ファルマシア社)カラム(1c
mφx30cm)でゲル濾過して過剰のDSSを除去した。末
端のアミノ基が活性化されたリンカーオリゴヌクレオチ
ドを、さらにモル比で2倍量のアルカリ性ホスファター
ゼ(ベーリンガーマンハイム社、(100mM NaHCO3 、3M N
aCl)に溶解したもの)と室温、16時間反応させること
でアルカリ性ホスファターゼ標識核酸プローブを得た。
得られた標識プローブは、ファルマシア社製FPLCで
陰イオン交換カラムを用いて精製した。標識プローブを
含む画分を集め、セントリコン30K(アミコン社)を
用いて限外濾過法により濃縮した。
【0047】(3)試料の調製 実施例1の(3)の操作で得られたPCR反応液(プラ
イマーFとプライマーRによるPCR産物)および実施
例1の(4)の操作で得られたPCR反応液(プライマ
ーF、プライマーR2TおよびプライマーR2Pによる
PCR産物)をそのまま使用した。
イマーFとプライマーRによるPCR産物)および実施
例1の(4)の操作で得られたPCR反応液(プライマ
ーF、プライマーR2TおよびプライマーR2Pによる
PCR産物)をそのまま使用した。
【0048】(4)ドットブロットハイブリダイゼーシ
ョン 実施例1の(3)および(4)の操作で得られたPCR
反応液をそのままナイロン膜(Hybond N+ 、アマシャム
社)に滴下し、0.4N NaOH で核酸を変性、ナイロン膜に
固定した。これをプローブの種類に見合う数だけ用意す
る。中和後、これらの膜をそれぞれハイブリダイゼーシ
ョンバック(BRL社) に移し、上記アルカリ性ホスファタ
ーゼ標識核酸プローブ液(プローブTR1、プローブT
R2、プローブPS1、プローブPS2、プローブPN
1、プローブPN2)をそれぞれ含むハイブリダイゼー
ションバッファー(5xSSC 、0.5 %ウシ血清アルブミ
ン、0.5 %ポリビニールピロリドン、1 %ドデシル硫酸
ナトリウム)を加えてポリシーラーでシールし、50℃
15分間ハイブリダイゼーションを行なった。それぞれ
の膜をポリバッグから取り出し、洗浄液1(2xSSC 、1
%ドデシル硫酸ナトリウム)で50℃、10分間振とう
洗浄した。さらに洗浄液2(1xSSC 、0.5 % TritonX-1
00)で室温、10分間振とう洗浄した。最後に洗浄液3
(1xSSC)で室温5分間振とう洗浄した。膜を新しいハイ
ブリダイゼーションバッグに移し、基質液(0.1M Tris-
HCl 、0.1M NaCl 、0.1M MgCl 2 、0.3mg/mlニトロブル
ーテトラゾリウム、0.3mg/mlブロムクロロインドフェリ
ールホスフェート(pH7.5))を入れ、ポリシーラーでシー
ルし、37℃で1時間インキュベートした。
ョン 実施例1の(3)および(4)の操作で得られたPCR
反応液をそのままナイロン膜(Hybond N+ 、アマシャム
社)に滴下し、0.4N NaOH で核酸を変性、ナイロン膜に
固定した。これをプローブの種類に見合う数だけ用意す
る。中和後、これらの膜をそれぞれハイブリダイゼーシ
ョンバック(BRL社) に移し、上記アルカリ性ホスファタ
ーゼ標識核酸プローブ液(プローブTR1、プローブT
R2、プローブPS1、プローブPS2、プローブPN
1、プローブPN2)をそれぞれ含むハイブリダイゼー
ションバッファー(5xSSC 、0.5 %ウシ血清アルブミ
ン、0.5 %ポリビニールピロリドン、1 %ドデシル硫酸
ナトリウム)を加えてポリシーラーでシールし、50℃
15分間ハイブリダイゼーションを行なった。それぞれ
の膜をポリバッグから取り出し、洗浄液1(2xSSC 、1
%ドデシル硫酸ナトリウム)で50℃、10分間振とう
洗浄した。さらに洗浄液2(1xSSC 、0.5 % TritonX-1
00)で室温、10分間振とう洗浄した。最後に洗浄液3
(1xSSC)で室温5分間振とう洗浄した。膜を新しいハイ
ブリダイゼーションバッグに移し、基質液(0.1M Tris-
HCl 、0.1M NaCl 、0.1M MgCl 2 、0.3mg/mlニトロブル
ーテトラゾリウム、0.3mg/mlブロムクロロインドフェリ
ールホスフェート(pH7.5))を入れ、ポリシーラーでシー
ルし、37℃で1時間インキュベートした。
【0049】(5)結果 アルカリ性ホスファターゼにより生じる紫色色素のスポ
ットを目視により判定した。スポットの確認できたもの
を陽性とした。その結果、トラコーマクラミジア (Chla
mydia trachomatis)検出用プローブであるプローブTR
1およびプローブTR2では、(1.)トラコーマクラミジ
ア (Chlamydia trachomatis)のスポットのみが発色し、
陽性と判定できた。オウム病クラミジア (Chlamydia ps
ittaci) 検出用プローブであるプローブPS1およびプ
ローブPS2では、(2.)オウム病クラミジア (Chlamydi
a psittaci)のスポットのみが発色し、陽性と判定でき
た。クラミジア・ニューモニエ (Chlamydia pneumonia
e) 検出用プローブであるプローブPN1およびプロー
ブPN2では、(3.)クラミジア・ニューモニエ(Chlamy
dia pneumoniae)のスポットのみが発色し、陽性と判定
できた。これらの結果から、上記のプローブを用いれ
ば、実施例1のPCR反応液から病原性クラミジアの菌
種を同定することが可能であることが示された。各プロ
ーブとも、それぞれに特異的な菌種のPCR産物にのみ
反応し、紫色色素のスポットが確認できて、極めて明確
に陽性と判定できたのに対して、他の病原性クラミジ
ア、それに加えて他の属の細菌・生物の試料(4.〜21.)
のPCR産物はいずれにもスポットがみられず、陰性と
判断できた。もっとも実施例1に示すように、PCR増
幅の段階で核酸プライマーの特異性が発揮され、他の属
の細菌・生物の試料(4.〜21.)では増幅が起こっていな
い。また、実施例1の(3)の操作で得られたPCR反
応液と、実施例1の(4)の操作で得られたPCR反応
液はどちらも同様に反応し、実施例1の(3)のPCR
条件と実施例1の(4)のPCR条件のどちらでも使用
可能であることが示された。
ットを目視により判定した。スポットの確認できたもの
を陽性とした。その結果、トラコーマクラミジア (Chla
mydia trachomatis)検出用プローブであるプローブTR
1およびプローブTR2では、(1.)トラコーマクラミジ
ア (Chlamydia trachomatis)のスポットのみが発色し、
陽性と判定できた。オウム病クラミジア (Chlamydia ps
ittaci) 検出用プローブであるプローブPS1およびプ
ローブPS2では、(2.)オウム病クラミジア (Chlamydi
a psittaci)のスポットのみが発色し、陽性と判定でき
た。クラミジア・ニューモニエ (Chlamydia pneumonia
e) 検出用プローブであるプローブPN1およびプロー
ブPN2では、(3.)クラミジア・ニューモニエ(Chlamy
dia pneumoniae)のスポットのみが発色し、陽性と判定
できた。これらの結果から、上記のプローブを用いれ
ば、実施例1のPCR反応液から病原性クラミジアの菌
種を同定することが可能であることが示された。各プロ
ーブとも、それぞれに特異的な菌種のPCR産物にのみ
反応し、紫色色素のスポットが確認できて、極めて明確
に陽性と判定できたのに対して、他の病原性クラミジ
ア、それに加えて他の属の細菌・生物の試料(4.〜21.)
のPCR産物はいずれにもスポットがみられず、陰性と
判断できた。もっとも実施例1に示すように、PCR増
幅の段階で核酸プライマーの特異性が発揮され、他の属
の細菌・生物の試料(4.〜21.)では増幅が起こっていな
い。また、実施例1の(3)の操作で得られたPCR反
応液と、実施例1の(4)の操作で得られたPCR反応
液はどちらも同様に反応し、実施例1の(3)のPCR
条件と実施例1の(4)のPCR条件のどちらでも使用
可能であることが示された。
【0050】以上のことから、本発明によるオリゴヌク
レオチドを核酸プライマーと標識プローブとして用いる
ことにより、病原性クラミジアを検出し、且つ菌種まで
特定できることが示された。核酸増幅法の感度により、
培養を経ることなく、臨床検体から直接病原性クラミジ
アの検出および菌種同定が可能であることが期待でき
る。この方法ならば、従来、培養などで4〜5日間かか
っていた病原性クラミジアの検出および菌種同定を、1
日以内に終わらせることができる。しかも本実施例のよ
うな組合せによって、核酸増幅1回でトラコーマクラミ
ジア、オウム病クラミジア、クラミジア・ニューモニエ
の三種の病原性クラミジアすべての菌種同定が可能にな
り、もっともコストがかかる核酸増幅工程を少なくする
ことができる。また、未知のものも含め他の属の細菌・
生物の核酸に対しては、核酸増幅とハイブリダイゼーシ
ョン検出の二段階に特異性が発揮されるので、非特異反
応がきわめて少なくなる特徴がある。
レオチドを核酸プライマーと標識プローブとして用いる
ことにより、病原性クラミジアを検出し、且つ菌種まで
特定できることが示された。核酸増幅法の感度により、
培養を経ることなく、臨床検体から直接病原性クラミジ
アの検出および菌種同定が可能であることが期待でき
る。この方法ならば、従来、培養などで4〜5日間かか
っていた病原性クラミジアの検出および菌種同定を、1
日以内に終わらせることができる。しかも本実施例のよ
うな組合せによって、核酸増幅1回でトラコーマクラミ
ジア、オウム病クラミジア、クラミジア・ニューモニエ
の三種の病原性クラミジアすべての菌種同定が可能にな
り、もっともコストがかかる核酸増幅工程を少なくする
ことができる。また、未知のものも含め他の属の細菌・
生物の核酸に対しては、核酸増幅とハイブリダイゼーシ
ョン検出の二段階に特異性が発揮されるので、非特異反
応がきわめて少なくなる特徴がある。
【0051】実施例3 (1)リンカーアームを有するヒト型結核菌検出用オリ
ゴヌクレオチドの合成 実施例2の(1)と全く同様に、配列表・配列番号5に
示される配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、プロ
ーブTR1と呼ぶ)、配列表・配列番号6に示される配
列を有するオリゴヌクレオチド(以下、プローブTR2
と呼ぶ)、配列表・配列番号7に示される配列を有する
オリゴヌクレオチド(以下、プローブPS1と呼ぶ)、
配列表・配列番号8に示される配列を有するオリゴヌク
レオチド(以下、プローブPS2と呼ぶ)、配列表・配
列番号9に示される配列を有するオリゴヌクレオチド
(以下、プローブPN1と呼ぶ)および配列表・配列番
号10に示される配列を有するオリゴヌクレオチド(以
下、プローブPN2と呼ぶ)を合成した。
ゴヌクレオチドの合成 実施例2の(1)と全く同様に、配列表・配列番号5に
示される配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、プロ
ーブTR1と呼ぶ)、配列表・配列番号6に示される配
列を有するオリゴヌクレオチド(以下、プローブTR2
と呼ぶ)、配列表・配列番号7に示される配列を有する
オリゴヌクレオチド(以下、プローブPS1と呼ぶ)、
配列表・配列番号8に示される配列を有するオリゴヌク
レオチド(以下、プローブPS2と呼ぶ)、配列表・配
列番号9に示される配列を有するオリゴヌクレオチド
(以下、プローブPN1と呼ぶ)および配列表・配列番
号10に示される配列を有するオリゴヌクレオチド(以
下、プローブPN2と呼ぶ)を合成した。
【0052】(2)リンカーオリゴヌクレオチドの酵素
・アルカリ性ホスファターゼによる標識 上記(1)のプローブTR1、プローブPS1およびプ
ローブPN1について、そのリンカーアームを介しての
アルカリ性ホスファターゼとの結合を、実施例2の
(2)と全く同様に行った。
・アルカリ性ホスファターゼによる標識 上記(1)のプローブTR1、プローブPS1およびプ
ローブPN1について、そのリンカーアームを介しての
アルカリ性ホスファターゼとの結合を、実施例2の
(2)と全く同様に行った。
【0053】(3)リンカーオリゴヌクレオチドのマイ
クロタイタープレートへの結合 上記(1)のプローブTR2、プローブPS2およびプ
ローブPN2について、それぞれ50mM ほう酸バッファ
ー(pH10)・100mM MgCl2 の溶液に 0.05pmol/μl にな
るように希釈し、マイクロタイタープレート(マイクロ
ライト2、ダイナテック社)に各 100μl ずつ分注し、
15時間程度室温に放置することで各プローブのリンカ
ーオリゴヌクレオチドをマイクロタイタープレート内面
に結合させる。その後、0.1pmol dNTP・0.5% PVP・5xSS
C に置換して、非特異反応を抑えるためのブロッキング
を室温で2時間程度行う。最後に 1xSSCで洗浄して乾燥
させる。これによって、プローブTR2が結合したマイ
クロタイタープレート、プローブPS2が結合したマイ
クロタイタープレートおよびプローブPN2が結合した
マイクロタイタープレートが作成された。
クロタイタープレートへの結合 上記(1)のプローブTR2、プローブPS2およびプ
ローブPN2について、それぞれ50mM ほう酸バッファ
ー(pH10)・100mM MgCl2 の溶液に 0.05pmol/μl にな
るように希釈し、マイクロタイタープレート(マイクロ
ライト2、ダイナテック社)に各 100μl ずつ分注し、
15時間程度室温に放置することで各プローブのリンカ
ーオリゴヌクレオチドをマイクロタイタープレート内面
に結合させる。その後、0.1pmol dNTP・0.5% PVP・5xSS
C に置換して、非特異反応を抑えるためのブロッキング
を室温で2時間程度行う。最後に 1xSSCで洗浄して乾燥
させる。これによって、プローブTR2が結合したマイ
クロタイタープレート、プローブPS2が結合したマイ
クロタイタープレートおよびプローブPN2が結合した
マイクロタイタープレートが作成された。
【0054】(4)試料の調製 実施例1の(4)の操作で得られたPCR反応液(プラ
イマーFとプライマーR2TおよびプライマーR2Pに
よるPCR産物)をそのまま使用した。
イマーFとプライマーR2TおよびプライマーR2Pに
よるPCR産物)をそのまま使用した。
【0055】(5)マイクロタイタープレート中でのサ
ンドイッチハイブリダイゼーション 上記(4)のPCR反応液を0.3N NaOH 中で変性させ、
20μl を 200mM クエン酸リン酸バッファー(pH6.0)・
2 %スクラーフAG(日本精化株式会社)・750mM NaC
l ・0.1% NaN3 の溶液 100μl に加えて、上記(3)の
マイクロタイタープレートに投入する。1つの試料を、
それぞれ3種(プローブTR2、プローブPS2および
プローブPN2)のマイクロタイタープレートに投入す
る。蒸発を防ぐため流動パラフィンを重層し、50℃で
1時間振盪させる。これによって、サンプルDNAが固
定化されたプローブ2によって特異的にマイクロタイタ
ープレートに捕捉される。次に、上記(2)のアルカリ
性ホスファターゼ標識したプローブを 2fmol/ μl の濃
度で含む 5xSSC(pH7.0) 、0.1% スクラーフAG、0.5%
PVP、10mM MgCl 2、1mM ZnCl2 、0.1 % NaN3 の溶液 1
00μl と置換し、同様に蒸発を防ぐため流動パラフィン
を重層し、50℃で1時間振盪させた(プローブTR2
のマイクロタイタープレートには標識プローブTR1を
投入し、以下、トラコーマクラミジア検出系と呼ぶ。プ
ローブPS2のマイクロタイタープレートには標識プロ
ーブPS1を投入し、以下、オウム病クラミジア検出系
と呼ぶ。プローブPN2のマイクロタイタープレートに
は標識プローブPN1を投入し、以下、クラミジア・ニ
ューモニエ検出系と呼ぶ。)。これによって、捕捉され
たサンプルDNAにアルカリ性ホスファターゼ標識した
プローブが特異的に結合した。その後、2xSSC(pH7.0)、
0.1 %スクラーフAGに置換し、50℃で10分保温、
さらに 1xSSCに置換し洗浄した。洗浄液排出後、アルカ
リ性ホスファターゼの発光基質である Lumiphos 480(Lu
migen 社) 100μl を注入し、37℃で15分保温後に
暗室中でフォトンカウンター(浜松ホトニクス社)で発
光量を測定した。
ンドイッチハイブリダイゼーション 上記(4)のPCR反応液を0.3N NaOH 中で変性させ、
20μl を 200mM クエン酸リン酸バッファー(pH6.0)・
2 %スクラーフAG(日本精化株式会社)・750mM NaC
l ・0.1% NaN3 の溶液 100μl に加えて、上記(3)の
マイクロタイタープレートに投入する。1つの試料を、
それぞれ3種(プローブTR2、プローブPS2および
プローブPN2)のマイクロタイタープレートに投入す
る。蒸発を防ぐため流動パラフィンを重層し、50℃で
1時間振盪させる。これによって、サンプルDNAが固
定化されたプローブ2によって特異的にマイクロタイタ
ープレートに捕捉される。次に、上記(2)のアルカリ
性ホスファターゼ標識したプローブを 2fmol/ μl の濃
度で含む 5xSSC(pH7.0) 、0.1% スクラーフAG、0.5%
PVP、10mM MgCl 2、1mM ZnCl2 、0.1 % NaN3 の溶液 1
00μl と置換し、同様に蒸発を防ぐため流動パラフィン
を重層し、50℃で1時間振盪させた(プローブTR2
のマイクロタイタープレートには標識プローブTR1を
投入し、以下、トラコーマクラミジア検出系と呼ぶ。プ
ローブPS2のマイクロタイタープレートには標識プロ
ーブPS1を投入し、以下、オウム病クラミジア検出系
と呼ぶ。プローブPN2のマイクロタイタープレートに
は標識プローブPN1を投入し、以下、クラミジア・ニ
ューモニエ検出系と呼ぶ。)。これによって、捕捉され
たサンプルDNAにアルカリ性ホスファターゼ標識した
プローブが特異的に結合した。その後、2xSSC(pH7.0)、
0.1 %スクラーフAGに置換し、50℃で10分保温、
さらに 1xSSCに置換し洗浄した。洗浄液排出後、アルカ
リ性ホスファターゼの発光基質である Lumiphos 480(Lu
migen 社) 100μl を注入し、37℃で15分保温後に
暗室中でフォトンカウンター(浜松ホトニクス社)で発
光量を測定した。
【0056】(6)結果 トラコーマクラミジア検出系では、(1.)トラコーマクラ
ミジア(Chlamydia trachomatis) のPCR反応液での
み、 900,000〜1,000,000cpsの発光量が測定され、明ら
かに陽性と判定できたのに対し、他の病原性クラミジ
ア、それに加えて他の属の細菌、生物の試料(4.〜21.)
はいずれも 800cps 未満の発光量しか測定されなかっ
た。蒸留水を用いたブランクは約 600cps であったか
ら、これらの試料は陰性と判断できた。オウム病クラミ
ジア検出系では、(2.)オウム病クラミジア (Chlamydia
psittaci) のPCR反応液でのみ 500,000〜600,000cps
の発光量が測定され、明らかに陽性と判定できたのに対
し、他の病原性クラミジア、それに加えて他の属の細
菌、生物の試料(4.〜21. )はいずれも 800cps 未満の
発光量しか測定されなかった。蒸留水を用いたブランク
は約 600cps であったから、これらの試料は陰性と判断
できた。クラミジア・ニューモニエ検出系では、(3.)ク
ラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)のP
CR反応液でのみ 300,000〜400,000cpsの発光量が測定
され、明らかに陽性と判定できたのに対し、他の病原性
クラミジア、それに加えて他の属の細菌、生物の試料
(4.〜21. )はいずれも 800cps 未満の発光量しか測定
されなかった。蒸留水を用いたブランクは約 600cps で
あったから、これらの試料は陰性と判断できた。数値は
若干異なるが、実施例1の(3)の操作で得られたPC
R反応液(プライマーFとプライマーRによるPCR産
物)を用いた場合でも同様の結果を得ている。
ミジア(Chlamydia trachomatis) のPCR反応液での
み、 900,000〜1,000,000cpsの発光量が測定され、明ら
かに陽性と判定できたのに対し、他の病原性クラミジ
ア、それに加えて他の属の細菌、生物の試料(4.〜21.)
はいずれも 800cps 未満の発光量しか測定されなかっ
た。蒸留水を用いたブランクは約 600cps であったか
ら、これらの試料は陰性と判断できた。オウム病クラミ
ジア検出系では、(2.)オウム病クラミジア (Chlamydia
psittaci) のPCR反応液でのみ 500,000〜600,000cps
の発光量が測定され、明らかに陽性と判定できたのに対
し、他の病原性クラミジア、それに加えて他の属の細
菌、生物の試料(4.〜21. )はいずれも 800cps 未満の
発光量しか測定されなかった。蒸留水を用いたブランク
は約 600cps であったから、これらの試料は陰性と判断
できた。クラミジア・ニューモニエ検出系では、(3.)ク
ラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)のP
CR反応液でのみ 300,000〜400,000cpsの発光量が測定
され、明らかに陽性と判定できたのに対し、他の病原性
クラミジア、それに加えて他の属の細菌、生物の試料
(4.〜21. )はいずれも 800cps 未満の発光量しか測定
されなかった。蒸留水を用いたブランクは約 600cps で
あったから、これらの試料は陰性と判断できた。数値は
若干異なるが、実施例1の(3)の操作で得られたPC
R反応液(プライマーFとプライマーRによるPCR産
物)を用いた場合でも同様の結果を得ている。
【0057】以上のことから、本発明によるオリゴヌク
レオチドを核酸プライマーと固定化および標識プローブ
に用いることにより、病原性クラミジアを検出し、且つ
菌種まで特定できることが示された。基本的には、実施
例2のドットブロットと同じ結果が得られ、同様の効果
が期待できる。それに加え、この方法は検出の自動化シ
ステムに対応したものであり、検査の迅速化、自動化お
よび省力化に有力な手段を与えるものである。また、検
出系のダイナミックレンジが広いため、定量検出系とし
ても応用可能である。
レオチドを核酸プライマーと固定化および標識プローブ
に用いることにより、病原性クラミジアを検出し、且つ
菌種まで特定できることが示された。基本的には、実施
例2のドットブロットと同じ結果が得られ、同様の効果
が期待できる。それに加え、この方法は検出の自動化シ
ステムに対応したものであり、検査の迅速化、自動化お
よび省力化に有力な手段を与えるものである。また、検
出系のダイナミックレンジが広いため、定量検出系とし
ても応用可能である。
【0058】実施例4 (1)試料の調製 実施例1のPCR操作の感度を確認するために、タイト
レーションを行ったトラコーマクラミジア(Chlamydia t
rachomatis) 、オウム病クラミジア(Chlamydiapsittac
i)およびクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumon
iae)のDNA抽出試料を、フェノール抽出を基本とする
常法に従って作成した。試料を順次希釈し、 106コピー
相当から10-3コピー相当まで、10倍ごとの希釈系列を作
成した。
レーションを行ったトラコーマクラミジア(Chlamydia t
rachomatis) 、オウム病クラミジア(Chlamydiapsittac
i)およびクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumon
iae)のDNA抽出試料を、フェノール抽出を基本とする
常法に従って作成した。試料を順次希釈し、 106コピー
相当から10-3コピー相当まで、10倍ごとの希釈系列を作
成した。
【0059】(2)病原性クラミジア3種共通PCR
(1) 反応液組成は上記希釈系列DNAサンプルの他に、プラ
イマーF、プライマーRを各 1μM 、10mM Tris-HCl(pH
8.9)、1.5mM MgCl2 、80mM KCl、 500μg/ml BSA、 0.1
%コール酸ナトリウム、0.1 % TritonX-100、それぞれ
0.2mM のdATP、dCTP、dGTP、dTTPおよびTth DNA ポリメ
ラーゼ(東洋紡製)40単位/ml である。反応条件は次の
通りである。 熱変性: 94℃、1分 アニーリング:45℃、2分 重合反応: 75℃、1分 を40回行った。これらの操作はパーキン・エルマー/
シータス(Perkin-Elmer/Cetus)社のDNAサーマルサ
イクラーを用いて行った。
(1) 反応液組成は上記希釈系列DNAサンプルの他に、プラ
イマーF、プライマーRを各 1μM 、10mM Tris-HCl(pH
8.9)、1.5mM MgCl2 、80mM KCl、 500μg/ml BSA、 0.1
%コール酸ナトリウム、0.1 % TritonX-100、それぞれ
0.2mM のdATP、dCTP、dGTP、dTTPおよびTth DNA ポリメ
ラーゼ(東洋紡製)40単位/ml である。反応条件は次の
通りである。 熱変性: 94℃、1分 アニーリング:45℃、2分 重合反応: 75℃、1分 を40回行った。これらの操作はパーキン・エルマー/
シータス(Perkin-Elmer/Cetus)社のDNAサーマルサ
イクラーを用いて行った。
【0060】(3)病原性クラミジア3種共通PCR
(2) 反応液組成は上記希釈系列DNAサンプルの他に、プラ
イマーF、プライマーR2TおよびプライマーR2Pを
各1 μM 、10mM Tris-HCl(pH8.9)、1.5mM MgCl 2 、80mM
KCl、500 μg/ml BSA、 0.1%コール酸ナトリウム、0.
1 % TritonX-100、それぞれ0.2mM のdATP、dCTP、dGT
P、dTTPおよびTth DNA ポリメラーゼ(東洋紡製)40単
位/ml である。反応条件は次の通りである。 熱変性: 94℃、1分 アニーリング:45℃、2分 重合反応: 75℃、1分 を40回行った。これらの操作はパーキン・エルマー/
シータス(Perkin-Elmer/Cetus)社のDNAサーマルサ
イクラーを用いて行った。
(2) 反応液組成は上記希釈系列DNAサンプルの他に、プラ
イマーF、プライマーR2TおよびプライマーR2Pを
各1 μM 、10mM Tris-HCl(pH8.9)、1.5mM MgCl 2 、80mM
KCl、500 μg/ml BSA、 0.1%コール酸ナトリウム、0.
1 % TritonX-100、それぞれ0.2mM のdATP、dCTP、dGT
P、dTTPおよびTth DNA ポリメラーゼ(東洋紡製)40単
位/ml である。反応条件は次の通りである。 熱変性: 94℃、1分 アニーリング:45℃、2分 重合反応: 75℃、1分 を40回行った。これらの操作はパーキン・エルマー/
シータス(Perkin-Elmer/Cetus)社のDNAサーマルサ
イクラーを用いて行った。
【0061】(4)ドットブロットハイブリダイゼーシ
ョン 上記(2)および(3)の操作で得られたPCR反応液
をそのままナイロン膜(Hybond N+ 、アマシャム社)に
滴下し、実施例2の(4)と同様の操作でドットブロッ
トハイブリダイゼーションを実施した。使用したプロー
ブはプローブTR1、プローブTR2、プローブPS
1、プローブPS2、プローブPN1およびプローブP
N2である。
ョン 上記(2)および(3)の操作で得られたPCR反応液
をそのままナイロン膜(Hybond N+ 、アマシャム社)に
滴下し、実施例2の(4)と同様の操作でドットブロッ
トハイブリダイゼーションを実施した。使用したプロー
ブはプローブTR1、プローブTR2、プローブPS
1、プローブPS2、プローブPN1およびプローブP
N2である。
【0062】(5)結果 アルカリ性ホスファターゼにより生じる紫色色素のスポ
ットを目視により判定した。スポットの確認できたもの
を陽性とした。その結果、上記(2)の操作で得られた
PCR反応液では、各菌種とも10コピー相当のサンプル
まで(TR1およびTR2、PS1およびPS2、PN
1およびPN2)、スポットが確認できた。上記(3)
の操作で得られたPCR反応液では、トラコーマクラミ
ジア(Chlamydia trachomatis )では1 コピー相当のサ
ンプル(TR1およびTR2)、オウム病クラミジア
(Chlamydia psittaci)およびクラミジア・ニューモニ
エ(Chlamydia pneumoniae)では10コピー相当のサンプ
ルまで(PS1およびPS2、PN1およびPN2)、
スポットが確認できた。
ットを目視により判定した。スポットの確認できたもの
を陽性とした。その結果、上記(2)の操作で得られた
PCR反応液では、各菌種とも10コピー相当のサンプル
まで(TR1およびTR2、PS1およびPS2、PN
1およびPN2)、スポットが確認できた。上記(3)
の操作で得られたPCR反応液では、トラコーマクラミ
ジア(Chlamydia trachomatis )では1 コピー相当のサ
ンプル(TR1およびTR2)、オウム病クラミジア
(Chlamydia psittaci)およびクラミジア・ニューモニ
エ(Chlamydia pneumoniae)では10コピー相当のサンプ
ルまで(PS1およびPS2、PN1およびPN2)、
スポットが確認できた。
【0063】以上のことから、上記(2)および上記
(3)のPCR操作は、10コピー程度のターゲットから
増幅が可能であることが示された。これは、臨床検体か
らの直接検出に十分使用可能な感度であると考えられ
る。上記(3)のプライマーセット(プライマーFとプ
ライマーR2TおよびプライマーR2P)の方が、上記
(2)のプライマーセット(プライマーFとプライマー
R)よりも若干感度が良いようである。
(3)のPCR操作は、10コピー程度のターゲットから
増幅が可能であることが示された。これは、臨床検体か
らの直接検出に十分使用可能な感度であると考えられ
る。上記(3)のプライマーセット(プライマーFとプ
ライマーR2TおよびプライマーR2P)の方が、上記
(2)のプライマーセット(プライマーFとプライマー
R)よりも若干感度が良いようである。
【0064】
【発明の効果】本発明のオリゴヌクレオチドを使用する
ことにより、直接的で簡便、迅速かつ確実な病原性クラ
ミジアの検出および菌種同定が可能となった。本発明の
オリゴヌクレオチドの配列またはその相補配列の、一部
または全部を有するオリゴヌクレオチドは、DNA増幅
反応のプライマーとしても、直接検出用のプローブとし
ても、またはその組合せとしても用いることが可能であ
り、簡便で、且つ再現性のある確実な結果が得られる。
しかも核酸増幅などにより、喀痰や血液などの臨床材料
から直接検出することが可能となるので、従来、4〜5
日間もかかった培養試験などに比べて、時間を大幅に短
縮することができ、その臨床的意義は大きい。また、共
通増幅・菌種同定検出の組合せにより、三菌種をすべて
試験するにしても、コストのかかる核酸増幅工程を一回
で行うことが可能になる。
ことにより、直接的で簡便、迅速かつ確実な病原性クラ
ミジアの検出および菌種同定が可能となった。本発明の
オリゴヌクレオチドの配列またはその相補配列の、一部
または全部を有するオリゴヌクレオチドは、DNA増幅
反応のプライマーとしても、直接検出用のプローブとし
ても、またはその組合せとしても用いることが可能であ
り、簡便で、且つ再現性のある確実な結果が得られる。
しかも核酸増幅などにより、喀痰や血液などの臨床材料
から直接検出することが可能となるので、従来、4〜5
日間もかかった培養試験などに比べて、時間を大幅に短
縮することができ、その臨床的意義は大きい。また、共
通増幅・菌種同定検出の組合せにより、三菌種をすべて
試験するにしても、コストのかかる核酸増幅工程を一回
で行うことが可能になる。
【0065】
配列番号:1 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..21 特徴を決定した方法:S 他の特徴:クラミジア (Chlamydia)属細菌の60kDa シス
テインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列
と相補的な配列を有する。 配列 TGTACAAACT CATCAGACGA G 21
テインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列
と相補的な配列を有する。 配列 TGTACAAACT CATCAGACGA G 21
【0066】配列番号:2 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..21 特徴を決定した方法:S 他の特徴:クラミジア (Chlamydia)属細菌の60kDa シス
テインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列
と相補的な配列を有する。 配列 AATAGGATAA GGAGATCCTA C 21
テインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列
と相補的な配列を有する。 配列 AATAGGATAA GGAGATCCTA C 21
【0067】配列番号:3 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..17 特徴を決定した方法:S 他の特徴:クラミジア (Chlamydia)属細菌の60kDa シス
テインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列
と相補的な配列を有する。 配列 CGGAGCAACC TCTTTAC 17
テインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列
と相補的な配列を有する。 配列 CGGAGCAACC TCTTTAC 17
【0068】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..20 特徴を決定した方法:S 他の特徴:クラミジア (Chlamydia)属細菌の60kDa シス
テインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列
と相補的な配列を有する。 配列 GGATAAAATT CTTTATCACA 20
テインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸配列
と相補的な配列を有する。 配列 GGATAAAATT CTTTATCACA 20
【0069】配列番号:5 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..25 特徴を決定した方法:S 他の特徴:トラコーマクラミジア (Chlamydia trachoma
tis)の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)
遺伝子の核酸配列と相補的な配列を有する。 配列 TCTCTACAAA CGTTATTAGC TTAGC 25
tis)の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)
遺伝子の核酸配列と相補的な配列を有する。 配列 TCTCTACAAA CGTTATTAGC TTAGC 25
【0070】配列番号:6 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..24 特徴を決定した方法:S 他の特徴:トラコーマクラミジア (Chlamydia trachoma
tis)の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)
遺伝子の核酸配列と相補的な配列を有する。 配列 AAGCGAAAGA CAACACTTCT CATA 24
tis)の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)
遺伝子の核酸配列と相補的な配列を有する。 配列 AAGCGAAAGA CAACACTTCT CATA 24
【0071】配列番号:7 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..23 特徴を決定した方法:S 他の特徴:オウム病クラミジア (Chlamydia psittaci)
の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝
子の核酸配列と相補的な配列を有する。 配列 TTGCTACAAG ATTCATTGCC AGT 23
の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝
子の核酸配列と相補的な配列を有する。 配列 TTGCTACAAG ATTCATTGCC AGT 23
【0072】配列番号:8 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..24 特徴を決定した方法:S 他の特徴:オウム病クラミジア (Chlamydia psittaci)
の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝
子の核酸配列と相補的な配列を有する。 配列 CAGATGACAA TGTTTTTCAA GCAA 24
の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝
子の核酸配列と相補的な配列を有する。 配列 CAGATGACAA TGTTTTTCAA GCAA 24
【0073】配列番号:9 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..24 特徴を決定した方法:S 他の特徴:クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneu
moniae)の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OM
P2)遺伝子の核酸配列と相補的な配列を有する。 配列 TGATTACTAA GATCGTCGCT AGTG 24
moniae)の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OM
P2)遺伝子の核酸配列と相補的な配列を有する。 配列 TGATTACTAA GATCGTCGCT AGTG 24
【0074】配列番号:10 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..21 特徴を決定した方法:S 他の特徴:クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneu
moniae)の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OM
P2)遺伝子の核酸配列と相補的な配列を有する。 配列 AAGCCAGCAC CTGTTCCTAT G 21
moniae)の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OM
P2)遺伝子の核酸配列と相補的な配列を有する。 配列 AAGCCAGCAC CTGTTCCTAT G 21
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:01) (C12Q 1/04 C12R 1:01)
Claims (24)
- 【請求項1】 クラミジア (Chlamydia)属細菌の60kDa
システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核酸
配列とハイブリダイズし得ることを特徴とする病原性ク
ラミジア検出用または菌種同定用オリゴヌクレオチド。 - 【請求項2】 クラミジア(Chlamydia) 属細菌が、トラ
コーマクラミジア (Chlamydia trachomatis)、オウム病
クラミジア (Chlamydia psittaci) およびクラミジア・
ニューモニエ (Chlamydia pneumoniae) からなる群から
選択された細菌である、請求項1記載のオリゴヌクレオ
チド。 - 【請求項3】 配列表・配列番号1、配列番号2、配列
番号3または配列番号4に記載の核酸配列(但し、Aは
アデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを
表す。また、任意の位置のTはウラシル(U)と置換さ
れていてもよい。)の一部もしくは全部、またはその相
補配列の一部もしくは全部を含有する、請求項1記載の
オリゴヌクレオチド。 - 【請求項4】 配列表・配列番号1、配列番号2、配列
番号3または配列番号4に記載の核酸配列(但し、Aは
アデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを
表す。また、任意の位置のTはウラシル(U)と置換さ
れていてもよい。)のうち、少なくとも連続した10残
基よりなる核酸配列を含有する、請求項1記載のオリゴ
ヌクレオチド。 - 【請求項5】 トラコーマクラミジア (Chlamydia trac
homatis)の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OM
P2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得ることを特
徴とする病原性クラミジア検出用または菌種同定用オリ
ゴヌクレオチド。 - 【請求項6】 配列表・配列番号5または配列番号6に
記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、
Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置の
Tはウラシル(U)と置換されていてもよい。)の一部
もしくは全部、またはその相補配列の一部もしくは全部
を含有する、請求項5記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項7】 配列表・配列番号5または配列番号6に
記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、
Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置の
Tはウラシル(U)と置換されていてもよい。)のう
ち、少なくとも連続した10残基よりなる核酸配列を含
有する、請求項5記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項8】 オウム病クラミジア (Chlamydia psitta
ci) の60kDa システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)
遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得ることを特徴と
する病原性クラミジア検出用または菌種同定用オリゴヌ
クレオチド。 - 【請求項9】 配列表・配列番号7または配列番号8に
記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、
Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置の
Tはウラシル(U)と置換されていてもよい。)の一部
もしくは全部、またはその相補配列の一部もしくは全部
を含有する、請求項8記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項10】 配列表・配列番号7または配列番号8
に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシ
ン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位
置のTはウラシル(U)と置換されていてもよい。)の
うち、少なくとも連続した10残基よりなる核酸配列を
含有する、請求項8記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項11】 クラミジア・ニューモニエ (Chlamydi
a pneumoniae) の60kDa システインリッチ外膜タンパク
質(OMP2)遺伝子の核酸配列とハイブリダイズし得るこ
とを特徴とするオリゴヌクレオチド。 - 【請求項12】 配列表・配列番号9または配列番号1
0に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシ
ン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位
置のTはウラシル(U)と置換されていてもよい。)の
一部もしくは全部、またはその相補配列の一部もしくは
全部を含有することを特徴とする請求項11記載のオリ
ゴヌクレオチド。 - 【請求項13】 配列表・配列番号9または配列番号1
0に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシ
ン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位
置のTはウラシル(U)と置換されていてもよい。)の
うち、少なくとも連続した10残基よりなる核酸配列を
含有する、請求項11記載のオリゴヌクレオチド。 - 【請求項14】 請求項1記載のオリゴヌクレオチドを
増幅用プライマーとして用いて、試料中の核酸を増幅す
ることを特徴とする核酸増幅法。 - 【請求項15】 配列表・配列番号1に記載の核酸配列
(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、
Tはチミンを表す。また、任意の位置のTはウラシル
(U)と置換されていてもよい。)を有するオリゴヌク
レオチドをフォワードプライマーとして、配列表・配列
番号2に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシ
トシン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意
の位置のTはウラシル(U)と置換されていてもよ
い。)を有するオリゴヌクレオチドをリバースプライマ
ーとして用いて、クラミジア (Chlamydia)属細菌の60kD
a システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核
酸配列の特定領域を共通増幅することを特徴とする核酸
増幅法。 - 【請求項16】 配列表・配列番号1に記載の核酸配列
(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、
Tはチミンを表す。また、任意の位置のTはウラシル
(U)と置換されていてもよい。)を有するオリゴヌク
レオチドをフォワードプライマーとして、配列表・配列
番号3に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシ
トシン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意
の位置のTはウラシル(U)と置換されていてもよ
い。)を有するオリゴヌクレオチドおよび配列表・配列
番号4に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシ
トシン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意
の位置のTはウラシル(U)と置換されていてもよ
い。)を有するオリゴヌクレオチドをリバースプライマ
ーとして用いて、クラミジア (Chlamydia)属細菌の60kD
a システインリッチ外膜タンパク質(OMP2)遺伝子の核
酸配列の特定領域を共通増幅することを特徴とする核酸
増幅法。 - 【請求項17】 クラミジア (Chlamydia)属細菌が、ト
ラコーマクラミジア (Chlamydia trachomatis)、オウム
病クラミジア (Chlamydia psittaci) 、クラミジア・ニ
ューモニエ (Chlamydia pneumoniae) からなる群から選
択された細菌である、請求項15または16記載の核酸
増幅法。 - 【請求項18】 配列表・配列番号1、配列番号2、配
列番号3または配列番号4に記載の核酸配列(但し、A
はアデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミン
を表す。また、任意の位置のTはウラシル(U)と置換
されていてもよい。)の一部または全部、またはその相
補配列の一部または全部を含有することを特徴とする病
原性クラミジア検出または菌種同定のための増幅用プラ
イマー。 - 【請求項19】 請求項1、5、8または11に記載さ
れるオリゴヌクレオチドをプライマーまたはプローブと
して使用することを特徴とするクラミジア属細菌の検出
または菌種同定方法。 - 【請求項20】 請求項5、8または11に記載される
オリゴヌクレオチドを標識化した標識核酸プローブを試
料中のDNAまたはRNAとハイブリダイズさせ、ハイ
ブリダイズした結合体の標識を測定することを特徴とす
るクラミジア属細菌の検出または菌種同定方法。 - 【請求項21】 請求項5、8または11に記載される
オリゴヌクレオチドである核酸プローブ。 - 【請求項22】 請求項5、8または11に記載される
オリゴヌクレオチドを標識化した標識核酸プローブ。 - 【請求項23】 請求項5、8または11に記載される
オリゴヌクレオチドを標識化した標識核酸プローブを含
むことを特徴とするクラミジア属細菌の検出用または菌
種同定用試薬キット。 - 【請求項24】 請求項1に記載されるオリゴヌクレオ
チドである増幅用プライマー、請求項5、8または11
に記載されるオリゴヌクレオチドを標識化した標識核酸
プローブ、核酸合成酵素、dNTPおよび/またはrN
TP、標識検出物質ならびに緩衝液を含むことを特徴と
するクラミジア属細菌の検出用または菌種同定用試薬キ
ット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7286062A JPH09121897A (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 病原性クラミジア検出用または菌種同定用オリゴヌクレオチドおよびその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7286062A JPH09121897A (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 病原性クラミジア検出用または菌種同定用オリゴヌクレオチドおよびその用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09121897A true JPH09121897A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17699466
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7286062A Pending JPH09121897A (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 病原性クラミジア検出用または菌種同定用オリゴヌクレオチドおよびその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09121897A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005000162A (ja) * | 2003-05-19 | 2005-01-06 | Canon Inc | 核酸のpcr増幅方法、pcrプライマー・セット、pcr増幅産物、ならびに、該増幅方法を利用する核酸の検出方法 |
JP2021158989A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 東洋紡株式会社 | 病原性クラミジア属菌の検出方法 |
-
1995
- 1995-11-02 JP JP7286062A patent/JPH09121897A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005000162A (ja) * | 2003-05-19 | 2005-01-06 | Canon Inc | 核酸のpcr増幅方法、pcrプライマー・セット、pcr増幅産物、ならびに、該増幅方法を利用する核酸の検出方法 |
JP2021158989A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 東洋紡株式会社 | 病原性クラミジア属菌の検出方法 |
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