JPH07155200A - 抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用オリゴヌクレオチド - Google Patents

抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用オリゴヌクレオチド

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JPH07155200A
JPH07155200A JP5310665A JP31066593A JPH07155200A JP H07155200 A JPH07155200 A JP H07155200A JP 5310665 A JP5310665 A JP 5310665A JP 31066593 A JP31066593 A JP 31066593A JP H07155200 A JPH07155200 A JP H07155200A
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mycobacterium
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JP5310665A
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Masaya Segawa
昌也 瀬川
Yutaka Takarada
裕 宝田
Hideji Shibata
秀司 柴田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直接的で簡便、迅速かつ確実な抗酸菌属細菌
の検出及び菌種同定の方法と、それに用いる新規なオリ
ゴヌクレオチドを提供する。 【構成】 配列表・配列番号1〜19に記載の核酸配列
の一部または全部、または、その相補配列の一部または
全部を含有することを特徴とする抗酸菌属細菌の検出及
び菌種同定用オリゴヌクレオチドおよび該オリゴヌクレ
オチドを標識化した標識オリゴヌクレオチド、および該
オリゴヌクレオチドまたは該標識オリゴヌクレオチドを
使用する抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定の方法および
試薬キット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は臨床診断上、ヒト型結核
菌(Mycobacterium tuberculosis)をはじめとする抗酸
菌属(Mycobacterium 属)細菌を迅速、確実かつ簡便に
検出及び菌種同定するオリゴヌクレオチド、該オリゴヌ
クレオチドを利用する方法ならびにその試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】抗酸菌属(Mycobacterium 属)は抗酸性
の性質を持つグラム陽性桿菌であり、結核菌やらい菌な
ど、重篤な病変を引き起こす病原菌が多い。一般に抗酸
菌は発育が遅く、培養にはかなりの時間を要する。
【0003】この中でもヒト型結核菌はヒトに結核を起
こす病原体であり、その検査は臨床上極めて重要であ
る。肺結核が圧倒的に多いが、ほとんど全ての臓器に結
核性病変を起こし、結核性胸膜炎、結核性髄膜炎、カリ
エス、腸結核、腎結核、関節結核などを起こす。感染源
は患者であり、飛沫感染などによって経気道的に感染す
る。従来、結核菌の検査は培養法によっていた。一般的
には小川培地上で分離培養し、培地上の性状(増殖速度
・温度、コロニーの形状や色素産生など)、ナイアシン
テスト、硝酸還元試験、耐熱カタラーゼ試験、ツイーン
80水解試験などの結果から菌種を同定する。しかしヒ
ト型結核菌は増殖が遅く、分離培養だけで3〜4週間を
要し、その後の各種試験でさらに2〜3週間を要する。
そのため、ヒト型結核菌の検出・同定検査はその臨床上
の重要性・緊急性にもかかわらず1カ月以上を要し、機
動的な診断や投薬に大きな制約となっていた。最近、ヒ
ト型結核菌が産生するタンパク質を抗原抗体反応で検出
する方法などが開発されているが、未だ十分な菌種同定
を行うまでに至っておらず、しかも感度的に問題がある
ため分離培養が必要なことは変わりない。
【0004】ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculos
is)の他にも、トリ型結核菌(Mycobacterium avium)、
マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacter
iumintracellulare)、マイコバクテリウム・カンサシ
イ(Mycobacterium kansasii)、マイコバクテリウム・
スクロフラセウム(Mycobacterium scrofulaceum)、マ
イコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium
fortuitum)などの非定型抗酸菌がヒトに病原性を示すこ
とが知られている。症状は結核に比べて軽く、感染力も
弱いが、抗結核剤に耐性であり有効な薬剤はない。これ
らは結核菌と同様にヒトの肺、リンパ節、皮膚などを冒
し、特に肺感染症が多い。肺結核との鑑別は臨床症状、
病理組織学的所見からは極めて困難であるため、菌の同
定によってなされなければならない。
【0005】ヒト結核菌と同様、小川培地上で分離培養
し、培地上の性状(増殖速度・温度、コロニーの形状や
色素産生など)、ナイアシンテスト、硝酸還元試験、耐
熱カタラーゼ試験、ツイーン80水解試験、光発光テス
トなどの結果から菌種を同定する。これらも一般的に増
殖が遅く、菌種の同定までに1カ月以上要することが多
い。
【0006】ヒト型結核菌と非定型抗酸菌の同定は、臨
床上極めて重要である。ヒト型結核菌は病状が重篤であ
るが、ストレプトマイシン、リファンピシン、エタンブ
トール、イソニコチン酸ヒドラジドなどの抗結核剤投与
が有効なため、早期に治療を開始する必要がある。一
方、非定型抗酸菌は一般にこれらの薬剤に対して耐性で
ある。菌種の同定はその後の治療方針を大きく左右する
のである。しかしながら前述したように、これらの菌は
増殖が遅く、菌種同定には数週間を要する。また、スメ
グマ菌(Mycobacterium smegmatis)など、類似の非病原
性菌が検出されることもある。迅速で確実な検出及び菌
種同定法が望まれるのはこのためである。
【0007】抗酸菌属に含まれる細菌が起こす病気とし
ては、この他にらい(ハンセン氏病)がある。これは、
ヒトらい菌(Mycobacterium leprae)が病原体であり、
皮膚、神経、粘膜に増殖性炎症を起こす。ヒトらい菌は
培養法がなく、らい結節からのらい菌の検出(チール・
ネルゼン法等の抗酸菌染色と検鏡による)やレプロミン
反応(らい結節抽出液を抗原として用いた皮内反応)に
よって診断する。このため、ヒトらい菌も迅速で確実な
検出及び菌種同定法が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、直接
的で簡便、迅速かつ確実な抗酸菌属細菌の検出及び菌種
同定法と、それに用いる新規なオリゴヌクレオチドなら
びにその検出用試薬を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抗酸菌属
(Mycobacterium 属)細菌とその他の生物の16SrR
NA(リボゾーマルRNA)遺伝子に関して種々の検討
を重ねた結果、抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定に適当
な核酸配列を得、それを用いた検出方法を確立し、本発
明を完成させるに至った。
【0010】すなわち本発明は、抗酸菌属細菌の16S
rRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダイズすることを
特徴とする抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用オリゴヌ
クレオチドである。本発明における抗酸菌属細菌(Myco
bacterium 属)とは、ヒト型結核菌(Mycobacterium tu
berculosis)、トリ型結核菌(Mycobacterium avium)、
マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacter
ium intracellulare)、マイコバクテリウム・カンサシ
イ(Mycobacterium kansasii)、マイコバクテリウム・
スクロフラセウム(Mycobacterium scrofulaceum)、マ
イコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobacterium
fortuitum)などの非定型抗酸菌を含む。上記オリゴヌレ
オチドとしては、望ましくは、配列表・配列番号1に記
載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、G
はグアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置のT
はウラシル(U)と置換されていてもよい。)の一部ま
たは全部、または、その相補配列の一部または全部を含
有する。
【0011】さらに望ましくは、配列表・配列番号2、
配列番号3、配列番号4または配列番号5に記載の核酸
配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニ
ン、Tはチミンを表す。また、任意の位置のTはウラシ
ル(U)と置換されていてもよい。)の一部または全
部、または、それらの相補配列の一部または全部を含有
する。
【0012】また本発明は、ヒト型結核菌(Mycobacter
ium tuberculosis)の16SrRNA遺伝子の核酸配列
と特異的にハイブリダイズすることを特徴とする抗酸菌
属細菌の検出及び菌種同定用オリゴヌクレオチドであ
る。
【0013】望ましくは、配列表・配列番号1に記載の
核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグ
アニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置のTはウ
ラシル(U)と置換されていてもよい。)の一部または
全部、または、その相補配列の一部または全部を含有す
ることを特徴とする、ヒト型結核菌の16SrRNA遺
伝子の核酸配列と特異的にハイブリダイズするオリゴヌ
クレオチドである。
【0014】さらに望ましくは、配列表・配列番号6、
配列番号7、配列番号8または配列番号9に記載の核酸
配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニ
ン、Tはチミンを表す。また、任意の位置のTはウラシ
ル(U)と置換されていてもよい。)の一部または全
部、または、それらの相補配列の一部または全部を含有
することを特徴とする、ヒト型結核菌の16SrRNA
遺伝子の核酸配列と特異的にハイブリダイズするオリゴ
ヌクレオチドである。
【0015】また本発明は、トリ型結核菌(Mycobacter
ium avium)の16SrRNA遺伝子の核酸配列と特異的
にハイブリダイズすることを特徴とする抗酸菌属細菌の
検出及び菌種同定用オリゴヌクレオチドである。望まし
くは、配列表・配列番号10または配列番号11に記載
の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gは
グアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置のTは
ウラシル(U)と置換されていてもよい。)の一部また
は全部、または、それらの相補配列の一部または全部を
含有することを特徴とする、トリ型結核菌の16S r
RNA遺伝子の核酸配列と特異的にハイブリダイズする
オリゴヌクレオチドである。
【0016】また本発明は、マイコバクテリウム・イン
トラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare)の1
6SrRNA遺伝子の核酸配列と特異的にハイブリダイ
ズすることを特徴とする抗酸菌属細菌の検出及び菌種同
定用オリゴヌクレオチドである。望ましくは、配列表・
配列番号12または配列番号13に記載の核酸配列(但
し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tは
チミンを表す。また、任意の位置のTはウラシル(U)
と置換されていてもよい。)の一部または全部、また
は、それらの相補配列の一部または全部を含有すること
を特徴とする、マイコバクテリウム・イントラセルラー
レの16SrRNA遺伝子の核酸配列と特異的にハイブ
リダイズするオリゴヌクレオチドである。
【0017】また本発明は、マイコバクテリウム・カン
サシイ(Mycobacterium kansasii)の16SrRNA遺
伝子の核酸配列と特異的にハイブリダイズすることを特
徴とする抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用オリゴヌク
レオチドである。望ましくは、配列表・配列番号14ま
たは配列番号15に記載の核酸配列(但し、Aはアデニ
ン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。
また、任意の位置のTはウラシル(U)と置換されてい
てもよい。)の一部または全部、または、それらの相補
配列の一部または全部を含有することを特徴とする、マ
イコバクテリウム・カンサシイの16SrRNA遺伝子
の核酸配列と特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレ
オチドである。
【0018】また本発明は、ヒトらい菌(Mycobacteriu
m leprae)の16SrRNA遺伝子の核酸配列と特異的
にハイブリダイズすることを特徴とする抗酸菌属細菌の
検出及び菌種同定用オリゴヌクレオチドである。望まし
くは、配列表・配列番号16または配列番号17に記載
の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gは
グアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置のTは
ウラシル(U)と置換されていてもよい。)の一部また
は全部、または、それらの相補配列の一部または全部を
含有することを特徴とする、ヒトらい菌の16SrRN
A遺伝子の核酸配列と特異的にハイブリダイズする抗酸
菌属細菌の検出及び菌種同定用オリゴヌクレオチドであ
る。
【0019】また本発明は、スメグマ菌(Mycobacteriu
m smegmatis)の16SrRNA遺伝子の核酸配列と特異
的にハイブリダイズすることを特徴とする抗酸菌属細菌
の検出及び菌種同定用オリゴヌクレオチドである。望ま
しくは、配列表・配列番号18または配列番号19に記
載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、G
はグアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置のT
はウラシル(U)と置換されていてもよい。)の一部ま
たは全部、または、それらの相補配列の一部または全部
を含有することを特徴とする、スメグマ菌の16SrR
NA遺伝子の核酸配列と特異的にハイブリダイズするオ
リゴヌクレオチドである。
【0020】また本発明は、抗酸菌属(Mycobacterium
属)細菌の16SrRNA遺伝子の核酸配列と特異的に
ハイブリダイズすることを特徴とする抗酸菌属細菌の検
出及び菌種同定用オリゴヌクレオチドである。望ましく
は、配列表・配列番号1に記載の核酸配列(但し、Aは
アデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを
表す。また、任意の位置のTはウラシル(U)と置換さ
れていてもよい。)の一部または全部、または、その相
補配列の一部または全部を、抗酸菌の菌種によって改変
することにより得られる配列を含有することを特徴とす
る、各種抗酸菌の16SrRNA遺伝子の核酸配列と特
異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドである。
【0021】また本発明は、上記オリゴヌクレオチドを
プローブまたはプライマーとして使用することを特徴と
する抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定方法である。さら
に本発明は、上記オリゴヌクレオチドを含有する標識プ
ローブである。さらに本発明は、上記オリゴヌクレオチ
ドを含有する核酸プライマーである。
【0022】本発明は、上記プローブを含むことを特徴
とする抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用試薬キットで
ある。さらに本発明は、上記核酸プライマーを含むこと
を特徴とする抗酸菌属(Mycobacterium属)細菌の検出
及び菌種同定用試薬キットである。
【0023】本発明者らは、現在までに決定された抗酸
菌属(Mycobacterium 属)細菌とその他の生物の16S
rRNA(リボゾーマルRNA)遺伝子配列(J.Bacter
iol.;172巻 116頁1989年、Int.J.Syst.Bacteriol.;40巻
217頁1990年、Int.J.Syst.Bacteriol.;40巻 323頁1990
年、Nucleic Acids Res.; 17巻7843頁1989年、Nucleic
Acids Res.; 18巻5558頁1990年など)を参考に、各種間
の遺伝子配列の相同性の理論的検証と実験的検証を重ね
た結果、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)
の16SrRNA遺伝子においては16番目から218
番目までの203塩基対の領域に当たる部分、すなわ
ち、配列表・配列番号1に記載の核酸配列に相当する部
分が、抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定に適当な核酸配
列であることを見い出した。つまり、このヒト型結核菌
の203塩基対の領域に相当する部分(ヒト型結核菌で
は203塩基対であるが、他の種では長さが異なる場合
がある)は、抗酸菌属細菌種間で保存されている相同性
の高い部分(以下、抗酸菌属共通領域と呼ぶ)と、抗酸
菌属内でも種によって配列が大きく異なる部分(以下、
種特異的領域と呼ぶ)から成り、本発明者らはこれらの
領域の配列を検出することで抗酸菌属細菌の検出及び菌
種同定を可能とした。
【0024】上記の抗酸菌属共通領域は、抗酸菌属内で
はよく保存されているが他の生物とは配列の相違があ
り、本発明者らはこの領域の抗酸菌属細菌に共通する配
列を検出することで、抗酸菌属細菌の存在を検出するこ
とが可能であることを実験的に確認した。具体的には、
この抗酸菌属共通領域内の核酸配列またはその相補配列
である、配列表・配列番号2、配列番号3、配列番号4
または配列番号5に記載の核酸配列(但し、Aはアデニ
ン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。
また、任意の位置のTはウラシル(U)と置換されてい
てもよい。)の一部または全部を含有することを特徴と
するオリゴヌクレオチドを核酸プライマーや標識プロー
ブとして使用することにより、抗酸菌属細菌を検出す
る。これによって、1回の測定で全ての抗酸菌を検出す
ることが出来る。ただし、この測定だけでは菌種までは
同定できない。
【0025】一方、上記の種特異的領域は、抗酸菌属内
でも菌種間で配列の相違があり、本発明者らはこの領域
の特定の菌種に特異的な配列を検出することで、その細
菌の存在を検出することが可能であることを実験的に確
認した。具体的には、ヒト型結核菌の種特異的領域内の
核酸配列またはその相補配列である、配列表・配列番号
6、配列番号7、配列番号8または配列番号9に記載の
核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグ
アニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置のTはウ
ラシル(U)と置換されていてもよい。)の一部または
全部を含有することを特徴とするオリゴヌクレオチドを
核酸プライマーや標識プローブとして使用することによ
り、ヒト型結核菌を検出する。
【0026】抗酸菌属細菌の他の菌種についても、それ
ぞれの菌種に特異的な配列を検出することにより、ヒト
型結核菌と同様に検出することが出来る。例えば、ヒト
型結核菌では配列表・配列番号8、配列番号9に記載の
核酸配列のそれぞれの領域に相当する配列は、トリ型結
核菌(Mycobacterium avium)では配列表・配列番号1
0、配列番号11に記載の核酸配列であり、マイコバク
テリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intrac
ellulare)では配列表・配列番号12、配列番号13に
記載の核酸配列であり、マイコバクテリウム・カンサシ
イ(Mycobacterium kansasii)では配列表・配列番号1
4、配列番号15に記載の核酸配列であり、ヒトらい菌
(Mycobacterium leprae)では配列表・配列番号16、
配列番号17に記載の核酸配列であり、スメグマ菌(My
cobacterium smegmatis)では配列表・配列番号18、配
列番号19に記載の核酸配列である。
【0027】それゆえ、配列表・配列番号10または配
列番号11に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、C
はシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、
任意の位置のTはウラシル(U)と置換されていてもよ
い。)の一部または全部を含有することを特徴とするオ
リゴヌクレオチドを核酸プライマーや標識プローブとし
て使用すれば、トリ型結核菌を検出することが出来る。
また、配列表・配列番号12または配列番号13に記載
の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gは
グアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置のTは
ウラシル(U)と置換されていてもよい。)の一部また
は全部を含有することを特徴とするオリゴヌクレオチド
を核酸プライマーや標識プローブとして使用すれば、マ
イコバクテリウム・イントラセルラーレを検出すること
が出来る。さらに、配列表・配列番号14または配列番
号15に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシ
トシン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意
の位置のTはウラシル(U)と置換されていてもよ
い。)の一部または全部を含有することを特徴とするオ
リゴヌクレオチドを核酸プライマーや標識プローブとし
て使用すれば、マイコバクテリウム・カンサシイを検出
することが出来る。
【0028】配列表・配列番号16または配列番号17
に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシ
ン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位
置のTはウラシル(U)と置換されていてもよい。)の
一部または全部を含有することを特徴とするオリゴヌク
レオチドを核酸プライマーや標識プローブとして使用す
れば、ヒトらい菌を検出することが出来る。配列表・配
列番号18または配列番号19に記載の核酸配列(但
し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tは
チミンを表す。また、任意の位置のTはウラシル(U)
と置換されていてもよい。)の一部または全部を含有す
ることを特徴とするオリゴヌクレオチドを核酸プライマ
ーや標識プローブとして使用すれば、スメグマ菌を検出
することが出来る。
【0029】本発明における検出とは、この16SrR
NA遺伝子の配列を検出することにより、喀痰、血液な
どの各種臨床材料中の抗酸菌属細菌全体及び各種抗酸菌
を検出することであるが、単離、培養された菌体の菌種
を判定することなども含まれることはいうまでもない。
また、本発明における試料には、上記の各種臨床材料や
培養菌体の他、これらより単離、精製された核酸なども
含まれる。また、増幅された核酸でもよい。
【0030】本発明における核酸プローブに使用するオ
リゴヌクレオチドは、配列表に記載の配列またはその相
補配列の全域を使用する必要はなく、使用する核酸ハイ
ブリダイゼーション条件に合わせて解離温度(Tm値)
などを計算し、適当な領域を適当な長さで使用すればよ
い。しかし、プローブに十分な特異性を持たせたいのな
らば、望ましくは10塩基以上、さらに望ましくは20
塩基以上の長さが必要となる。本発明における核酸プラ
イマーに使用するオリゴヌクレオチドも、配列表の配列
とその相補配列から、適当な長さの配列を使用して作製
すればよい。また、使用する条件、目的などに応じて、
オリゴヌクレオチド中にある程度の置換を行ってもよい
場合があることは容易に予想できる。
【0031】本発明のオリゴヌクレオチドは化学合成に
より調製できるので、クローン化したオリゴヌクレオチ
ドまたはポリヌクレオチドに比べ、容易、大量且つ安価
に一定品質のオリゴヌクレオチドを得ることが可能であ
る。本発明のオリゴヌクレオチドはデオキシリボ核酸
(DNA)でもリボ核酸(RNA)でもよい。リボ核酸
の場合はチミジン残基(T)をウリジン残基(U)と読
み替えることは言うまでもない。また合成に際して任意
の位置のTをUに変えて合成を行ない、ウリジン残基を
含むDNAであってもよい。同様に任意の位置のUをT
に変えたチミジン残基を含むRNAであってもよい。ま
たオリゴヌクレオチド中に欠失、挿入あるいは置換とい
った点突然変異や、修飾ヌクレオチドがあってもよい。
【0032】標識物として放射性物質や酵素、蛍光物
質、発光物質など公知の標識をもちいることができる。
標識の仕方は末端標識でも、配列の途中に標識してもよ
い。また糖、リン酸基、塩基部分への標識であってもよ
い。例えば、リンカーアームを有するヌクレオチドを配
列のオリゴヌクレオチドの一員として置換することによ
り酵素標識化することができる(Nucleic Acids Res.;
14巻6115頁1986年)。その一例として5位にリンカーア
ームを有するウリジンを特開昭60-500717 号公報に開示
された合成法によりデオキシウリジンから化学合成し、
上記オリゴヌクレオチドに導入することもできる。
【0033】本発明のオリゴヌクレオチドを固相担体に
結合して、捕捉プローブとして用いることもできる。こ
の場合、捕捉プローブと標識プローブの組合せでサンド
イッチアッセイ(特開昭58-40099号公報参照)を行って
もよいし、標的核酸を標識して捕捉する方法(特開昭62
-265999 号公報参照)もある。またオリゴヌクレオチド
をビオチンで標識し、ハイブリダイゼーション後アビジ
ン結合担体で捕捉する方法もある。
【0034】オリゴヌクレオチドをプライマーとして使
用する場合、DNAポリメラーゼ等による核酸増幅(例
えばPCR;特開昭60-281号公報参照)を行うことによ
り抗酸菌属のみについて特定の領域の配列を増幅するこ
とや、ヒト型結核菌など特定の菌種に特異的な配列のみ
を増幅することができる。PCRに際しては、反応時に
放射性標識ヌクレオチドを取り込ませる方法や、増幅産
物を電気泳動により分画して特異なバンドを検出するこ
とで容易に16SrRNA遺伝子の配列を検出すること
ができる。また前述の標識オリゴヌクレオチドをプライ
マーとして用いれば増幅産物を直接検出することも可能
である。
【0035】上記の抗酸菌属共通領域の配列を利用した
抗酸菌属細菌の検出と、上記の種特異的領域の特定の抗
酸菌種に特異的な配列を利用した特定の抗酸菌種の検出
は、それぞれのみでも臨床診断上有用であるが、これら
を有機的に組み合わせることによってさらにその有用性
を高めることが出来る。例えば、配列表・配列番号2と
配列番号3に記載の核酸配列を含有するオリゴヌクレオ
チドを核酸プライマーとして用い、臨床検体のPCRを
行えば、抗酸菌属細菌についてのみ16SrRNA遺伝
子の配列の一部を有するDNAが増幅される。このDN
Aを、アガロースゲル電気泳動や、抗酸菌属細菌に共通
する配列である配列表・配列番号4や配列番号5に記載
の核酸配列を有する標識プローブでハイブリダイゼーシ
ョンアッセイにより検出することで、抗酸菌属細菌の存
在を検出することが出来る。さらに、この増幅したDN
Aは菌種によって配列が異なる部分を含有しているの
で、配列表・配列番号8、配列番号9、配列番号12、
配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号
16、配列番号17、配列番号18及び配列番号19な
どの核酸配列を含む標識プローブでハイブリダイゼーシ
ョンアッセイによりこのDNAを検出することで、臨床
検体中の抗酸菌の菌種を同定することが出来るのであ
る。
【0036】この方法ならば、1カ月以上を要していた
従来の培養法に比べて極めて短時間(1日以内)に抗酸
菌属細菌の検出と菌種同定を行うことが可能となる。具
体的には、喘息様患者などの臨床検体などを配列表・配
列番号2と配列番号3に記載の核酸配列を含有する核酸
プライマーでDNA増幅し、16SrRNA遺伝子の配
列の一部を有するDNAが増幅されれば抗酸菌属細菌の
存在が証明される。さらに、この増幅されたDNAがハ
イブリダイゼーションアッセイにおいて配列表・配列番
号8、配列番号9の核酸配列を含む標識プローブに反応
すればヒト型結核菌の存在が証明され、病原体として疑
われる。反応しなければ非定型抗酸菌が病原体として疑
われる。この菌種を同定するには、増幅したDNAをさ
らに別の標識プローブで調べればよい。
【0037】従来、16SrRNAそのものをハイブリ
ダイゼーションアッセイで検出することにより菌種を同
定する方法(特表平1-503356号公報参照)などが開発さ
れているが、やはり感度が低く、培養を必要とする。し
かもRNAは分解し易いので菌体から抽出する操作が難
しく、しかもそのRNAサンプルは保存や扱いが難し
い。このため再現性に問題がある。本発明は、16Sr
RNAの遺伝子DNAを検出する。DNAは極めて安定
であり、簡単な操作で抽出することができ、保存性もよ
い。DNA増幅も容易である。
【0038】
【実施例】以下に、本発明の実施例を例示することによ
って、本発明の効果をより一層明確なものとする。
【0039】実施例1 (1)抗酸菌属細菌検出用PCRプライマーの合成 ABI社DNAシンセサイザー392型を用いて、ホス
ホアミダイト法にて、配列表・配列番号2に示される配
列を有するオリゴヌクレオチド(以下、抗酸菌属プライ
マーFと呼ぶ)及び配列表・配列番号3に示される配列
を有するオリゴヌクレオチド(以下、抗酸菌属プライマ
ーRと呼ぶ)を合成した。手法はABI社マニュアルに
従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水
で55℃一夜実施した。精製はファルマシア社製FPL
Cで陰イオン交換カラムにて実施した。
【0040】(2)試料の調製 以下に示すDNAをPCRの試料として使用した。細菌
はいずれも臨床分離株であり、培養後、コロニーの形状
や従来の各種生化学的試験などによって菌種がすでに鑑
別されているものである。抗酸菌属細菌は、小川培地上
のコロニーを水に懸濁し、オートクレーブ処理(120
℃・2気圧、20分)した後、遠心分離した上清を適量
使用した。その他の細菌、生物試料についてはそれぞれ
のDNA抽出・精製の常法に従い調製したものを、PC
R反応液中、最終1ng/μl になるように使用した。 1.ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis) 2.ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis) 3.ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis) 4.ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis) 5.ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis) 6.ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis) 7.トリ型結核菌(Mycobacterium avium) 8.マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobact
erium intracellulare)
【0041】9.マイコバクテリウム・カンサシイ(Myco
bacterium kansasii) 10.マイコバクテリウム・セロネイ(Mycobacterium ch
elonei) 11.マイコバクテリウム・マリナム(Mycobacterium ma
rinum) 12.マイコバクテリウム・フォーチュイタム(Mycobact
erium fortuitum) 13.マイコバクテリウム・スクロフラセウム(Mycobact
erium scrofulaceum) 14.スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis) 15.枯草菌(Bacillus subtilis) 16.クロストリジウム・スティックランディ(Clostrid
ium sticklandii) 17.エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter a
erogenes) 18.エンテロコッカス・フェーカリス(Enterococcus f
aecalis) 19.大腸菌(Escherichia coli) 20.肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae) 21.緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa) 22.黄色ブドウ球菌(Staphyrococcus aureus) 23.ストレプトコッカス・フェシウム(Streptococcus
faecium) 24.腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus) 25.ヒト胎盤DNA 26.ウシ胸腺DNA 27.サケ精子DNA 28.ニシン精子DNA
【0042】(3)PCR 反応液組成はプライマーF・プライマーR各1μM 、10
mM Tris-HCl(pH8.9)、1.5mM MgCl2 、80mM KCl、500 μ
g/ml BSA、 0.1% コール酸ナトリウム、0.1% TritonX-1
00、それぞれ0.2mM のdATP、dCTP、dGTP、dTTPおよびTt
h DNA ポリメラーゼ(東洋紡製)40単位/ml である。反
応条件は次の通りである。 熱変性: 94℃、0.5分 アニーリング:55℃、1分 重合反応: 75℃、0.5分 を30回行った。これらの操作はパーキン−エルマー/
シータス(Perkin-Elmer/Cetus)社のDNAサーマルサ
イクラーを用いて行った。
【0043】(4)検出 5μlの反応液を1.5%アガロースゲル電気泳動し、
エチジウムブロマイド染色した後、紫外線での蛍光を検
出した。泳動の電気的条件は、定電圧100V、時間は
30分行った。操作方法並びに他の条件はManiatisらの
Molecular Cloning (1982年)に記載の方法に従った。
反応液の他に分子量マーカーも同時に泳動し、相対泳動
度の比較により、検出されたDNA断片の長さを算出し
た。
【0044】(5)結果 アガロースゲル電気泳動し、エチジウムブロマイド染色
した後、紫外線で203塩基対の蛍光バンドが確認され
たものを陽性とする。この結果、抗酸菌属(Mycobacter
ium属)細菌の試料(1.〜14.)はすべて203塩基対の
蛍光バンドが確認でき、陽性と判定できたのに対して、
その他の細菌や生物の試料(15.〜28.)はいずれにも
蛍光バンドがみられず、陰性と判断できた。以上のこと
から、本発明によるオリゴヌクレオチドをPCRに用い
ることにより、抗酸菌属細菌を特異的に検出することが
出来ると判明した。また、PCRなどの核酸増幅による
検出は高感度が期待できるため、細菌を単離する前の臨
床材料などからの直接検出が可能であり、従来の培養に
要していた時間(数週間)が不要になることが考えられ
る。
【0045】実施例2 (1)結核菌群細菌(ヒト型結核菌、ウシ型結核菌)検
出用PCRプライマーの合成 実施例1の(1)と全く同様の方法で、配列表・配列番
号6に示される配列を有するオリゴヌクレオチド(以
下、結核菌群プライマーFと呼ぶ)と配列表・配列番号
7に示される配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、
結核菌群プライマーRと呼ぶ)を合成、精製した。
【0046】(2)試料の調製 実施例1の(2)と同一の試料を、全く同一の条件で使
用した。 (3)PCR プライマー以外は、実施例1の(3)と全く同一の条件
で実施した。 (4)検出 実施例1の(4)と全く同一の条件で実施した。
【0047】(5)結果 アガロースゲル電気泳動し、エチジウムブロマイド染色
した後、紫外線で120塩基対の蛍光バンドが確認され
たものを陽性とする。この結果、ヒト型結核菌(Mycoba
cterium tuberculosis)の試料(1.〜5.)と、分類学的
にヒト型結核菌に極めて近縁であるウシ型結核菌(Myco
bacterium bovis)の試料(6.)で120塩基対の蛍光バ
ンドが確認でき、陽性と判定できたのに対して、その他
の抗酸菌属細菌や他の属の細菌、生物の試料(7.〜28.)
はいずれにも蛍光バンドがみられず、陰性と判断でき
た。
【0048】以上のことから、本発明によるオリゴヌク
レオチドをPCRに用いることにより、結核菌群細菌
(ヒト型結核菌、ウシ型結核菌)を特異的に検出するこ
とが出来ると判明した。また、PCRなどの核酸増幅に
よる検出は高感度が期待できるため、細菌を単離する前
の臨床材料などからの直接検出が可能であり、従来の培
養に要していた時間(数週間)が不要になることが考え
られる。
【0049】実施例3 (1)リンカーアームを有する抗酸菌属細菌の検出及び
菌種同定用オリゴヌクレオチドの合成 ABI社DNAシンセサイザー392型を用いて、ホス
ホアミダイト法にて、配列表・配列番号5に示される配
列を有するオリゴヌクレオチド(以下、抗酸菌属プロー
ブ1と呼ぶ)及び配列表・配列番号9に示される配列を
有するオリゴヌクレオチド(以下、結核菌群プローブ1
と呼ぶ)を合成した。この際、特表昭60-500717 号公報
に開示された合成法によりデオキシウリジンから化学合
成により調製した、5位にリンカーアームを有するウリ
ジンを、上記オリゴヌクレオチドに導入した。このウリ
ジンはオリゴヌクレオチド内の任意のTを置換しうる
が、今回は5’末端のTを置換した。合成されたリンカ
ーオリゴヌクレオチドはアンモニア水で50℃、一夜脱
保護処理を施した後、ファルマシア社製FPLCで陰イ
オン交換カラムを用いて精製した。
【0050】(2)リンカーオリゴヌクレオチドの酵素
・アルカリ性ホスファターゼによる標識 上記リンカーオリゴヌクレオチドと、そのリンカーアー
ムを介してのアルカリ性ホスファターゼとの結合を、文
献 (Nucleic Acids Res.; 14巻6115頁1986年)に従って
行なった。リンカーオリゴヌクレオチド1.5 A260を 0.2
M NaHCO3 12.5 μl に溶解し、ここへ10mg/ml スベリン
酸ジスクシニミジル(DSS)25μl を加えて室温、2
分間反応させた。反応液を1mM CH3COONa(pH5.0)で平衡
化したSephadex G-25 (ファルマシア社)カラム(1cm
φx30cm)でゲル濾過して過剰のDSSを除去した。
【0051】末端のアミノ基が活性化されたリンカーオ
リゴヌクレオチドを、更にモル比で2倍量のアルカリ性
ホスファターゼ(ベーリンガーマンハイム社、(100mM N
aHCO3 、3M NaCl)に溶解したもの)と室温、16時間反
応させることでアルカリ性ホスファターゼ標識核酸プロ
ーブを得た。得られた標識プローブは、ファルマシア社
製FPLCで陰イオン交換カラムを用いて精製した。標
識プローブを含む画分を集め、セントリコン30K(ア
ミコン社)を用いて限外濾過法により濃縮した。
【0052】(3)試料の調製 実施例1の(1)〜(3)の操作で得られたPCR反応
液(抗酸菌属プライマーFと抗酸菌属プライマーRによ
るPCR産物)を使用した。 (4)ドットブロットハイブリダイゼーション 実施例1の(1)〜(3)の操作で得られたPCR反応
液をそのままナイロン膜(Hybond N+ 、アマシャム社)
に滴下し、0.4N NaOH で核酸を変性、ナイロン膜に固定
した。これを、抗酸菌属プローブ1用と結核菌群プロー
ブ1用の2枚作成した。この膜を中和後ハイブリダイゼ
ーションバック(BRL社) に移し、上記各アルカリ性ホス
ファターゼ標識核酸プローブ液(抗酸菌属プローブ1、
結核菌群プローブ1)をそれぞれ含むハイブリダイゼー
ションバッファー(5xSSC 、0.5%ウシ血清アルブミン、
0.5%ポリビニールピロリドン、1%ドデシル硫酸ナトリウ
ム)を加えてポリシーラーでシールし50℃15分間ハ
イブリダイゼーションを行なった。
【0053】それぞれの膜をポリバッグから取り出し、
洗浄液1(2xSSC 、1%ドデシル硫酸ナトリウム)で50
℃、10分間振とう洗浄した。更に洗浄液2(1xSSC 、
0.5%TritonX-100)で室温、10分間振とう洗浄した。
最後に洗浄液3(1xSSC )で室温5分間振とう洗浄し
た。膜を新しいハイブリダイゼーションバッグに移し、
基質液(0.1M Tris-HCl 、0.1M NaCl 、0.1M MgCl2、0.
3mg/mlニトロブルーテトラゾリウム、0.3mg/mlブロムク
ロロインドフェリールホスフェート(pH7.5))を入れポリ
シーラーでシールし37℃で1時間インキュベートし
た。
【0054】(4)結果 アルカリ性ホスファターゼにより生じる紫色色素のスポ
ットを目視により判定した。スポットの確認できたもの
を陽性とした。この結果、抗酸菌属プローブ1を用いた
場合、抗酸菌属(Mycobacterium 属)細菌の試料(1.〜
14.)は全てに同程度の紫色色素のスポットが確認され、
陽性と判定されたのに対して、その他の細菌や生物の試
料(15. 〜28.)はいずれもスポットがみられず、すべて
陰性と判定された。
【0055】一方、結核菌群プローブ1を用いた場合、
ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の試料
(1.〜5.)と、分類学的にヒト型結核菌に極めて近縁で
あるウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)の試料(6.)
でのみ紫色色素のスポットが確認でき、陽性と判定でき
たのに対して、その他の抗酸菌属細菌や他の属の細菌、
生物の試料(7.〜28.)はいずれにもスポットがみられ
ず、陰性と判断できた。
【0056】以上のことから、本発明によるオリゴヌク
レオチドを標識プローブに用いることにより、抗酸菌属
細菌の検出や菌種同定が可能であることが判明した。し
かも、結核菌群プローブ1の代わりに、同様の方法で作
成した、配列表・配列番号11、配列番号13、配列番
号15、配列番号17及び配列番号19に示される配列
やその部分に相当する配列などを有するオリゴヌクレオ
チドプローブを用いれば、全く同様に、それぞれに特異
的な菌種のみを検出することが出来る。(配列表・配列
番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16
及び配列番号18に示される配列やその部分に相当する
配列もこの目的に使用できる。)これにより、実施例1
の(1)〜(3)の操作で得られるPCR反応液1種類
で、その後のハイブリダイゼーション操作によって多く
種類の抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定が可能である。
これは、高価な試薬や酵素が必要なPCR反応を各菌種
毎でなく1回で済ませられることを意味しており、検査
費用の低減とさらなる検査時間の短縮を可能とするもの
である。この方法ならば、従来、培養などで数週間かか
っていた抗酸菌属細菌の検出と菌種同定を、1日以内に
終わらせることができる。
【0057】
【発明の効果】本発明により、直接的で簡便、迅速かつ
確実な抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定が可能となっ
た。本発明の配列またはその相補配列の一部または全部
を有するオリゴヌクレオチドはDNA増幅反応のプライ
マーとしても、直接検出用のプローブとしても、または
その組合せとしても用いることが可能であり、従来、数
週間もかかった培養とその後の生化学的試験などに比べ
て、時間を大幅に短縮することができ、簡便で、且つ再
現性のある確実な結果が得られる。しかも核酸増幅など
により、喀痰や血液などの臨床材料から直接検出するこ
とが可能となるので、その臨床的意義は大きい。
【0058】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:203 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..203 特徴を決定した方法: 他の特徴:ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosi
s)16SrRNA遺伝子の配列と相補的な配列を有す
る。 配列 ACATGCAAGT CGAACGGAAA GGTCTCTTCG GAGATACTCG AGTGGCGAAC GGGTGAGTAA 60 CACGTGGGTG ATCTGCCCTG CACTTCGGGA TAAGCCTGGG AAACTGGGTC TAATACCGGA 120 TAGGACCACG GGATGCATGT CTTGTGGTGG AAAGCGCTTT AGCGGTGTGG GATGAGCCCG 180 CGGCCTATCA GCTTGTTGGT GGG 203
【0059】配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..20 特徴を決定した方法:S 他の特徴:抗酸菌属(Mycobacterium 属)細菌16Sr
RNA遺伝子の配列と相補的な配列を有する。 配列 ACATGCAAGT CGAACGGAAA 20
【0060】配列番号:3 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..20 特徴を決定した方法:S 他の特徴:抗酸菌属(Mycobacterium 属)細菌16Sr
RNA遺伝子の配列と相補的な配列を有する。 配列 CCCACCAACA AGCTGATAGG 20
【0061】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..20 特徴を決定した方法:S 他の特徴:抗酸菌属(Mycobacterium 属)細菌16Sr
RNA遺伝子の配列と相補的な配列を有する。 配列 TTACTCACCC GTTCGCCACT 20
【0062】配列番号:5 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..22 特徴を決定した方法:S 他の特徴:抗酸菌属(Mycobacterium 属)細菌16Sr
RNA遺伝子の配列と相補的な配列を有する。 配列 TTAGACCCAG TTTCCCAGGC TT 22
【0063】配列番号:6 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..20 特徴を決定した方法:S 他の特徴:ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosi
s)16SrRNA遺伝子の配列と相補的な配列を有す
る。 配列 GGGTGAGTAA CACGTGGGTG 20
【0064】配列番号:7 配列の長さ:17 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..17 特徴を決定した方法:S 他の特徴:ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosi
s)16SrRNA遺伝子の配列と相補的な配列を有す
る。 配列 CCACACCGCT AAAGCGC 17
【0065】配列番号:8 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..19 特徴を決定した方法:S 他の特徴:ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosi
s)16SrRNA遺伝子の配列と相補的な配列を有す
る。 配列 TGCATCCCGT GGTCCTATC 19
【0066】配列番号:9 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..20 特徴を決定した方法:S 他の特徴:ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosi
s)16SrRNA遺伝子の配列と相補的な配列を有す
る。 配列 TAAAGCGCTT TCCACCACAA 20
【0067】配列番号:10 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..19 特徴を決定した方法:S 他の特徴:トリ型結核菌(Mycobacterium avium)16S
rRNA遺伝子の配列と相補的な配列を有する。 配列 TGCGTCTTGA GGTCCTATC 19
【0068】配列番号:11 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..18 特徴を決定した方法:S 他の特徴:トリ型結核菌(Mycobacterium avium)16S
rRNA遺伝子の配列と相補的な配列を有する。 配列 AAAAGCTTTC CACCAGAA 18
【0069】配列番号:12 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..19 特徴を決定した方法:S 他の特徴:マイコバクテリウム・イントラセルラーレ
(Mycobacterium intracellulare)16SrRNA遺伝
子の配列と相補的な配列を有する。 配列 TGCGCCTAAA GGTCCTATC 19
【0070】配列番号:13 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..18 特徴を決定した方法:S 他の特徴:マイコバクテリウム・イントラセルラーレ
(Mycobacterium intracellulare)16SrRNA遺伝
子の配列と相補的な配列を有する。 配列 AAAAGCTTTC CACCTAAA 18
【0071】配列番号:14 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..19 特徴を決定した方法:S 他の特徴:マイコバクテリウム・カンサシイ(Mycobact
erium kansasii)16SrRNA遺伝子の配列と相補的
な配列を有する。 配列 TGCGCCAAGT GGTCCTATC 19
【0072】配列番号:15 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..18 特徴を決定した方法:S 他の特徴:マイコバクテリウム・カンサシイ(Mycobact
erium kansasii)16SrRNA遺伝子の配列と相補的
な配列を有する。 配列 AAAAGCTTTC CACCACAA 18
【0073】配列番号:16 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..19 特徴を決定した方法:S 他の特徴:ヒトらい菌(Mycobacterium leprae)16S
rRNA遺伝子の配列と相補的な配列を有する。 配列 TGCGCCTTGA AGTCCTATC 19
【0074】配列番号:17 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..19 特徴を決定した方法:S 他の特徴:ヒトらい菌(Mycobacterium leprae)16S
rRNA遺伝子の配列と相補的な配列を有する。 配列 AAAAAGCTTT CCACCACAA 19
【0075】配列番号:18 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..20 特徴を決定した方法:S 他の特徴:スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)16
SrRNA遺伝子の配列と相補的な配列を有する。 配列 TGCGACCAGC AGGGTGTATT 20
【0076】配列番号:19 配列の長さ:19 配列の型:核酸 鎖の数:両形態 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴 存在位置:1..19 特徴を決定した方法:S 他の特徴:スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)16
SrRNA遺伝子の配列と相補的な配列を有する。 配列 AAAAGCTTTC CCCTACCAG 19
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:32) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:325) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:34) C12R 1:32) (C12N 15/00 ZNA A C12R 1:325) (C12N 15/00 ZNA A C12R 1:34)

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗酸菌属(Mycobacterium 属)細菌の1
    6SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダイズするこ
    とを特徴とする抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用オリ
    ゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 抗酸菌属(Mycobacterium 属)細菌の1
    6SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダイズするオ
    リゴヌクレオチドが、配列表・配列番号1に記載の核酸
    配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニ
    ン、Tはチミンを表す。また、任意の位置のTはウラシ
    ル(U)と置換されていてもよい。)の一部または全
    部、または、その相補配列の一部または全部を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の抗酸菌属細菌の検出及
    び菌種同定用オリゴヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 抗酸菌属(Mycobacterium 属)細菌の1
    6SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダイズするオ
    リゴヌクレオチドが、配列表・配列番号2、配列番号
    3、配列番号4または配列番号5に記載の核酸配列(但
    し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tは
    チミンを表す。また、任意の位置のTはウラシル(U)
    と置換されていてもよい。)の一部または全部、また
    は、それらの相補配列の一部または全部を含有すること
    を特徴とする請求項1記載の抗酸菌属細菌の検出及び菌
    種同定用オリゴヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 ヒト型結核菌(Mycobacterium tubercul
    osis)の16SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダ
    イズすることを特徴とする抗酸菌属細菌の検出及び菌種
    同定用オリゴヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 ヒト型結核菌(Mycobacterium tubercul
    osis)の16SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダ
    イズするオリゴヌクレオチドが、配列表・配列番号1に
    記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、
    Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置の
    Tはウラシル(U)と置換されていてもよい。)の一部
    または全部、または、その相補配列の一部または全部を
    含有することを特徴とする請求項4記載の抗酸菌属細菌
    の検出及び菌種同定用オリゴヌクレオチド。
  6. 【請求項6】 ヒト型結核菌(Mycobacterium tubercul
    osis)の16SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダ
    イズするオリゴヌクレオチドが、配列表・配列番号6、
    配列番号7、配列番号8または配列番号9に記載の核酸
    配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニ
    ン、Tはチミンを表す。また、任意の位置のTはウラシ
    ル(U)と置換されていてもよい。)の一部または全
    部、または、それらの相補配列の一部または全部を含有
    することを特徴とする請求項4記載の抗酸菌属細菌の検
    出及び菌種同定用オリゴヌクレオチド
  7. 【請求項7】 トリ型結核菌(Mycobacterium avium)の
    16SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダイズする
    ことを特徴とする抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用オ
    リゴヌクレオチド
  8. 【請求項8】 トリ型結核菌(Mycobacterium avium)の
    16SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダイズする
    オリゴヌクレオチドが、配列表・配列番号10または配
    列番号11に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、C
    はシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、
    任意の位置のTはウラシル(U)と置換されていてもよ
    い。)の一部または全部、または、それらの相補配列の
    一部または全部を含有することを特徴とする請求項7記
    載の抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用オリゴヌクレオ
    チド
  9. 【請求項9】 マイコバクテリウム・イントラセルラー
    レ(Mycobacterium intracellulare)の16SrRNA
    遺伝子の核酸配列とハイブリダイズすることを特徴とす
    抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用オリゴヌクレオチ
  10. 【請求項10】 マイコバクテリウム・イントラセルラ
    ーレ(Mycobacteriumintracellulare)の16SrRN
    A遺伝子の核酸配列とハイブリダイズするオリゴヌクレ
    オチドが、配列表・配列番号12または配列番号13に
    記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、
    Gはグアニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置の
    Tはウラシル(U)と置換されていてもよい。)の一部
    または全部、または、それらの相補配列の一部または全
    部を含有することを特徴とする請求項9記載の抗酸菌属
    細菌の検出及び菌種同定用オリゴヌクレオチド
  11. 【請求項11】 マイコバクテリウム・カンサシイ(My
    cobacterium kansasii)の16SrRNA遺伝子の核酸
    配列とハイブリダイズすることを特徴とする抗酸菌属細
    菌の検出及び菌種同定用オリゴヌクレオチド
  12. 【請求項12】 マイコバクテリウム・カンサシイ(My
    cobacterium kansasii)の16SrRNA遺伝子の核酸
    配列とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドが、配列
    表・配列番号14または配列番号15に記載の核酸配列
    (但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグアニン、
    Tはチミンを表す。また、任意の位置のTはウラシル
    (U)と置換されていてもよい。)の一部または全部、
    または、それらの相補配列の一部または全部を含有する
    ことを特徴とする請求項11記載の抗酸菌属細菌の検出
    及び菌種同定用オリゴヌクレオチド
  13. 【請求項13】 ヒトらい菌(Mycobacterium leprae)
    の16SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダイズす
    ることを特徴とする抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用
    オリゴヌクレオチド
  14. 【請求項14】 ヒトらい菌(Mycobacterium leprae)
    の16SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダイズす
    るオリゴヌクレオチドが、配列表・配列番号16または
    配列番号17に記載の核酸配列(但し、Aはアデニン、
    Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。ま
    た、任意の位置のTはウラシル(U)と置換されていて
    もよい。)の一部または全部、または、それらの相補配
    列の一部または全部を含有することを特徴とする請求項
    13記載の抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用オリゴヌ
    クレオチド
  15. 【請求項15】 スメグマ菌(Mycobacterium smegmati
    s)の16SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダイズ
    することを特徴とする抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定
    用オリゴヌクレオチド
  16. 【請求項16】 スメグマ菌(Mycobacterium smegmati
    s)の16SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダイズ
    するオリゴヌクレオチドが、配列表・配列番号18また
    は配列番号19に記載の核酸配列(但し、Aはアデニ
    ン、Cはシトシン、Gはグアニン、Tはチミンを表す。
    また、任意の位置のTはウラシル(U)と置換されてい
    てもよい。)の一部または全部、または、それらの相補
    配列の一部または全部を含有することを特徴とする請求
    項15記載の抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定用オリゴ
    ヌクレオチド
  17. 【請求項17】 抗酸菌属(Mycobacterium 属)細菌の
    16SrRNA遺伝子の核酸配列とハイブリダイズする
    オリゴヌクレオチドが、配列表・配列番号1に記載の核
    酸配列(但し、Aはアデニン、Cはシトシン、Gはグア
    ニン、Tはチミンを表す。また、任意の位置のTはウラ
    シル(U)と置換されていてもよい。)の一部または全
    部、または、その相補配列の一部または全部を、抗酸菌
    の菌種によって改変することにより得られる配列を含有
    することを特徴とする抗酸菌属細菌の検出及び菌種同定
    用オリゴヌクレオチド
  18. 【請求項18】 請求項1〜17に記載されるオリゴヌ
    クレオチドをプローブまたはプライマーとして使用する
    ことを特徴とする抗酸菌属(Mycobacterium 属)細菌の
    検出及び菌種同定法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜17に記載されるオリゴヌ
    クレオチドを含有する標識プローブ。
  20. 【請求項20】 請求項1〜17に記載されるオリゴヌ
    クレオチドを含有する核酸プライマー。
  21. 【請求項21】 請求項19に記載される標識プローブ
    を含むことを特徴とする抗酸菌属(Mycobacterium 属)
    細菌の検出及び菌種同定用試薬キット。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載される核酸プライマ
    ーを含むことを特徴とする抗酸菌属(Mycobacterium
    属)細菌の検出及び菌種同定用試薬キット。
  23. 【請求項23】 請求項19に記載される標識プローブ
    および請求項20に記載される核酸プライマーを含むこ
    とを特徴とする抗酸菌属(Mycobacterium 属)細菌の検
    出及び菌種同定用試薬キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1431400A3 (en) * 2002-12-19 2004-07-07 Tosoh Corporation Method of detecting acid-fast bacteria using ribosomal RNA as target
JP2006061155A (ja) * 2004-07-28 2006-03-09 Bml Inc 抗酸菌属細菌同定キット
US7361746B2 (en) 1999-12-15 2008-04-22 Gen-Probe Incorporated Methods and compositions for detection of Mycobacterium avium complex species
US8202978B2 (en) 2004-11-09 2012-06-19 Gen-Probe Incorporated Compositions for detecting group A streptococci

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