JPH09121858A - 免疫的寛容誘導剤 - Google Patents
免疫的寛容誘導剤Info
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- JPH09121858A JPH09121858A JP7309692A JP30969295A JPH09121858A JP H09121858 A JPH09121858 A JP H09121858A JP 7309692 A JP7309692 A JP 7309692A JP 30969295 A JP30969295 A JP 30969295A JP H09121858 A JPH09121858 A JP H09121858A
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- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/14—Hydrolases (3)
- C12N9/48—Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
- C12N9/50—Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
- C12N9/64—Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue
- C12N9/6421—Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue from mammals
- C12N9/6472—Cysteine endopeptidases (3.4.22)
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- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P37/00—Drugs for immunological or allergic disorders
- A61P37/02—Immunomodulators
- A61P37/06—Immunosuppressants, e.g. drugs for graft rejection
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- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K38/00—Medicinal preparations containing peptides
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 哺乳動物の胎盤を破砕してホモジネート
を得、該ホモジネートを遠心分離し、得られる上清液を
アフィニティクロマトグラフィー(I)、イオン交換クロ
マトグラフィー、ゲルクロマトグラフィーおよびアフィ
ニティクロマトグラフィー(II)に順次かけることにより
得られ、以下の理化学的性質を有するSH−依存性プロ
テアーゼ。 作用:L-prolyl-L-phenylalanyl-L-arginine 4-methyl-
coumaryl-7-amideを分解してL-prolyl-L-phenylalanyl-
L-arginineおよび7-amino-4-methyl-coumarinを生成す
る;最適pH範囲:5.6〜6.5;作用適温範囲:36.5〜37.5
℃;安定性:−80℃で30日間以上活性を保持し、100
℃、3分間の加熱処理によって完全に失活する;分子
量:30kDa。 【効果】 本発明により新規SH−依存性プロテアーゼ
および該プロテアーゼを有効成分として含む免疫的寛容
誘導剤が提供される。
を得、該ホモジネートを遠心分離し、得られる上清液を
アフィニティクロマトグラフィー(I)、イオン交換クロ
マトグラフィー、ゲルクロマトグラフィーおよびアフィ
ニティクロマトグラフィー(II)に順次かけることにより
得られ、以下の理化学的性質を有するSH−依存性プロ
テアーゼ。 作用:L-prolyl-L-phenylalanyl-L-arginine 4-methyl-
coumaryl-7-amideを分解してL-prolyl-L-phenylalanyl-
L-arginineおよび7-amino-4-methyl-coumarinを生成す
る;最適pH範囲:5.6〜6.5;作用適温範囲:36.5〜37.5
℃;安定性:−80℃で30日間以上活性を保持し、100
℃、3分間の加熱処理によって完全に失活する;分子
量:30kDa。 【効果】 本発明により新規SH−依存性プロテアーゼ
および該プロテアーゼを有効成分として含む免疫的寛容
誘導剤が提供される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規SH−依存性
プロテアーゼおよび該プロテアーゼを有効成分として含
む免疫的寛容誘導剤に関するものである。
プロテアーゼおよび該プロテアーゼを有効成分として含
む免疫的寛容誘導剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、医療目的で使用されている免疫抑
制剤としては、アザチオプリン、サイクロスポリンA、
FK-506、15−デオキシスペルグアリン等が知られてお
り、いずれも免疫抑制効果は強大である(Murray et a
l.: New Engl.J.Med.268: 1315, 1963; Lems & Koene:
IRCS Medical Science 7: 184,1979; Inamura et al.:
Transplantation 45: 206,1988; Dickneite et al.: Tr
ansplantation Proceedings19: 4244,1987) 。
制剤としては、アザチオプリン、サイクロスポリンA、
FK-506、15−デオキシスペルグアリン等が知られてお
り、いずれも免疫抑制効果は強大である(Murray et a
l.: New Engl.J.Med.268: 1315, 1963; Lems & Koene:
IRCS Medical Science 7: 184,1979; Inamura et al.:
Transplantation 45: 206,1988; Dickneite et al.: Tr
ansplantation Proceedings19: 4244,1987) 。
【0003】しかし、これら従来の免疫抑制剤は、いず
れも免疫的寛容を十分に誘導するものではない。そのた
め、免疫抑制にあたり、長期間の継続的な投与が必要で
ある。その結果、副作用として腎尿細管障害、血管炎、
肝障害、膵外分泌障害、消化管障害等をもたらすという
問題点がある。そこで、上記諸問題を解決し得る免疫抑
制剤の開発が望まれている。
れも免疫的寛容を十分に誘導するものではない。そのた
め、免疫抑制にあたり、長期間の継続的な投与が必要で
ある。その結果、副作用として腎尿細管障害、血管炎、
肝障害、膵外分泌障害、消化管障害等をもたらすという
問題点がある。そこで、上記諸問題を解決し得る免疫抑
制剤の開発が望まれている。
【0004】システインプロテアーゼは、SH基が活性
中心に存在するプロテアーゼの総称であり、これは免疫
抑制作用を有することが知られている(Hamajima et a
l.: Parasite Immunology 16: 261, 1994)。しかし、
システインプロテアーゼが寄生虫由来のものである場合
は、ヒトや哺乳動物にとって異物となり、該システイン
プロテアーゼを免疫抑制剤として使用しても副作用を招
く等の恐れがあるため、必ずしも好ましいものであると
はいえない。これに対し、哺乳動物由来のシステインプ
ロテアーゼは、ほ乳動物にとっては遺伝的に類似してい
るので、生体に注射しても抗体ができ難く副作用が少な
いと考えられる。
中心に存在するプロテアーゼの総称であり、これは免疫
抑制作用を有することが知られている(Hamajima et a
l.: Parasite Immunology 16: 261, 1994)。しかし、
システインプロテアーゼが寄生虫由来のものである場合
は、ヒトや哺乳動物にとって異物となり、該システイン
プロテアーゼを免疫抑制剤として使用しても副作用を招
く等の恐れがあるため、必ずしも好ましいものであると
はいえない。これに対し、哺乳動物由来のシステインプ
ロテアーゼは、ほ乳動物にとっては遺伝的に類似してい
るので、生体に注射しても抗体ができ難く副作用が少な
いと考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、哺乳動物よ
り精製した新規SH−依存性プロテアーゼおよび該プロ
テアーゼを有効成分として含む免疫的寛容誘導剤を提供
することを目的とする。
り精製した新規SH−依存性プロテアーゼおよび該プロ
テアーゼを有効成分として含む免疫的寛容誘導剤を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
基づいて鋭意研究を行った結果、哺乳動物の胎盤より新
規SH−依存性プロテアーゼを精製し、更に該プロテア
ーゼが優れた免疫的寛容の誘導作用を有することを見い
出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、哺乳動物の胎盤を破砕してホモジネートを得、該ホ
モジネートを遠心分離し、得られる上清液をアフィニテ
ィクロマトグラフィー(I)、イオン交換クロマトグラフ
ィー、ゲルクロマトグラフィーおよびアフィニティクロ
マトグラフィー(II)に順次かけることにより得られるも
のであり、以下の理化学的性質を有するプロテアーゼで
ある。
基づいて鋭意研究を行った結果、哺乳動物の胎盤より新
規SH−依存性プロテアーゼを精製し、更に該プロテア
ーゼが優れた免疫的寛容の誘導作用を有することを見い
出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、哺乳動物の胎盤を破砕してホモジネートを得、該ホ
モジネートを遠心分離し、得られる上清液をアフィニテ
ィクロマトグラフィー(I)、イオン交換クロマトグラフ
ィー、ゲルクロマトグラフィーおよびアフィニティクロ
マトグラフィー(II)に順次かけることにより得られるも
のであり、以下の理化学的性質を有するプロテアーゼで
ある。
【0007】(1) 作用:β−メルカプトエタノールの存
在下において、L−プロリル−L−フェニルアラニル−
L−アルギニン 4−メチル−クマリル−7−アミドを
加水分解してL−プロリル−L−フェニルアラニル−L
−アルギニンおよび7−アミノ−4−メチル−クマリン
を生成する下記の酵素反応を触媒する。L−プロリル−
L−フェニルアラニル−L−アルギニン 4−メチル−
クマリル−7−アミド + H2O → L−プロリル−
L−フェニルアラニル−L−アルギニン + 7−アミ
ノ−4−メチル−クマリン
在下において、L−プロリル−L−フェニルアラニル−
L−アルギニン 4−メチル−クマリル−7−アミドを
加水分解してL−プロリル−L−フェニルアラニル−L
−アルギニンおよび7−アミノ−4−メチル−クマリン
を生成する下記の酵素反応を触媒する。L−プロリル−
L−フェニルアラニル−L−アルギニン 4−メチル−
クマリル−7−アミド + H2O → L−プロリル−
L−フェニルアラニル−L−アルギニン + 7−アミ
ノ−4−メチル−クマリン
【0008】(2) 最適pH範囲:最適pHは、Pro-Phe-
Arg-MCA を基質とした場合、pH5.6〜6.5である。 (3) 作用適温の範囲:36.5〜37.5℃の範囲にある。 (4) 安定性:5mM酢酸緩衝液、pH 5.0中における精製
酵素は−80℃において少なくとも30日間以上その活性を
完全に保持している。また、100℃、3分間の加熱処理
によって完全に失活する。
Arg-MCA を基質とした場合、pH5.6〜6.5である。 (3) 作用適温の範囲:36.5〜37.5℃の範囲にある。 (4) 安定性:5mM酢酸緩衝液、pH 5.0中における精製
酵素は−80℃において少なくとも30日間以上その活性を
完全に保持している。また、100℃、3分間の加熱処理
によって完全に失活する。
【0009】(5) 分子量:SDS存在下におけるポリア
クリルアミド電気泳動の蛋白染色およびビオチン標識コ
ンカナバリンAによるウエスタンブロット検出法で測定
した結果、30kDaである。ここで、上記アフィニティク
ロマトグラフィー(I)に用いるカラムとしてはAffi Gel
501カラムが挙げられ、イオン交換クロマトグラフィー
に用いるカラムとしてはCM-Toyopearl 650Mカラムが挙
げられ、ゲルクロマトグラフィーに用いるカラムとして
はToyopeal HW-50s カラムが挙げられ、アフィニティク
ロマトグラフィー(II)に用いるカラムとしてはCon A-Se
pharose 4Bカラムが挙げられる。
クリルアミド電気泳動の蛋白染色およびビオチン標識コ
ンカナバリンAによるウエスタンブロット検出法で測定
した結果、30kDaである。ここで、上記アフィニティク
ロマトグラフィー(I)に用いるカラムとしてはAffi Gel
501カラムが挙げられ、イオン交換クロマトグラフィー
に用いるカラムとしてはCM-Toyopearl 650Mカラムが挙
げられ、ゲルクロマトグラフィーに用いるカラムとして
はToyopeal HW-50s カラムが挙げられ、アフィニティク
ロマトグラフィー(II)に用いるカラムとしてはCon A-Se
pharose 4Bカラムが挙げられる。
【0010】さらに、本発明は、上記プロテアーゼを有
効成分として含む免疫的寛容誘導剤である。以下、本発
明を詳細に説明する。本発明のプロテアーゼは、哺乳動
物の胎盤を破砕してホモジネートを得、該ホモジネート
を遠心分離し、得られる上清液を以下の各クロマトグラ
フィーにかけることにより分離精製することができる。
効成分として含む免疫的寛容誘導剤である。以下、本発
明を詳細に説明する。本発明のプロテアーゼは、哺乳動
物の胎盤を破砕してホモジネートを得、該ホモジネート
を遠心分離し、得られる上清液を以下の各クロマトグラ
フィーにかけることにより分離精製することができる。
【0011】まず、原料である哺乳動物を開腹後、胎盤
を摘出する。哺乳動物としては、例えばマウス、ラッ
ト、ウサギ、ヒト等が挙げられる。摘出した胎盤組織片
を破砕器を用いて破砕し、ホモジネートを調製する。
尚、組織片の破砕には、通常のホモジナイザー、例えば
ポッター・エルベージェムホモジナイザー等を用いるこ
とができる。また、破砕時に用いる緩衝液としては、例
えば0.2 %トリトンX−100 と0.15M 塩化ナトリウムと
を含む20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.2)が適している。
を摘出する。哺乳動物としては、例えばマウス、ラッ
ト、ウサギ、ヒト等が挙げられる。摘出した胎盤組織片
を破砕器を用いて破砕し、ホモジネートを調製する。
尚、組織片の破砕には、通常のホモジナイザー、例えば
ポッター・エルベージェムホモジナイザー等を用いるこ
とができる。また、破砕時に用いる緩衝液としては、例
えば0.2 %トリトンX−100 と0.15M 塩化ナトリウムと
を含む20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.2)が適している。
【0012】次に、得られるホモジネートを遠心分離法
により上清液を得る。遠心分離としては超遠心分離が好
ましく、例えば4℃、105,000×gにおいて60分間行
う。このようにして得られた上清液をクロマトグラフィ
ーにかけてシステインプロテアーゼの精製を行う。クロ
マトグラフィーはアフィニティクロマトグラフィー
(I)、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルクロマトグ
ラフィーおよびアフィニティクロマトグラフィー(II)の
4段階で構成され、それぞれ、順に行うものである。各
クロマトグラフィーで得られた画分は、適宜脱塩透析、
濃縮を行う。
により上清液を得る。遠心分離としては超遠心分離が好
ましく、例えば4℃、105,000×gにおいて60分間行
う。このようにして得られた上清液をクロマトグラフィ
ーにかけてシステインプロテアーゼの精製を行う。クロ
マトグラフィーはアフィニティクロマトグラフィー
(I)、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルクロマトグ
ラフィーおよびアフィニティクロマトグラフィー(II)の
4段階で構成され、それぞれ、順に行うものである。各
クロマトグラフィーで得られた画分は、適宜脱塩透析、
濃縮を行う。
【0013】アフィニティクロマトグラフィー(I)に
は、例えばAffi Gel 501カラム(Bio Rad社)または同
等の性能を有するアフィニティ担体等のカラムを用いる
ことができ、イオン交換クロマトグラフィーには、例え
ばCM-Toyopearl 650M カラム(東ソー社製)、CM-Toyop
earl 650s (東ソー社製)等のカラムを用いることがで
き、ゲルクロマトグラフィーには、例えばToyopeal HW-
50s カラム(東ソー社製)または同等の分離性能を有す
るゲルろ過担体等のカラムを用いることができ、アフィ
ニティクロマトグラフィー(II)には、Con A-Sepharose
4Bカラム(Pharmacia 社製)、その他コンカナバリンA
を固定化した担体等のカラムを用いることができる。
は、例えばAffi Gel 501カラム(Bio Rad社)または同
等の性能を有するアフィニティ担体等のカラムを用いる
ことができ、イオン交換クロマトグラフィーには、例え
ばCM-Toyopearl 650M カラム(東ソー社製)、CM-Toyop
earl 650s (東ソー社製)等のカラムを用いることがで
き、ゲルクロマトグラフィーには、例えばToyopeal HW-
50s カラム(東ソー社製)または同等の分離性能を有す
るゲルろ過担体等のカラムを用いることができ、アフィ
ニティクロマトグラフィー(II)には、Con A-Sepharose
4Bカラム(Pharmacia 社製)、その他コンカナバリンA
を固定化した担体等のカラムを用いることができる。
【0014】それぞれのクロマトグラフィーの操作につ
いては、各製造業者の説明書に従って行う。このように
して最終的にSH−依存性プロテアーゼを精製する。得
られた精製物は、以下の理化学的性質を有するものであ
る。
いては、各製造業者の説明書に従って行う。このように
して最終的にSH−依存性プロテアーゼを精製する。得
られた精製物は、以下の理化学的性質を有するものであ
る。
【0015】(1) 作用:β−メルカプトエタノールの存
在下において、L−プロリル−L−フェニルアラニル−
L−アルギニン 4−メチル−クマリル−7−アミド
(L-prolyl-L-phenylalanyl-L-arginine 4-methyl-coum
aryl-7-amide) を加水分解してL−プロリル−L−フェ
ニルアラニル−L−アルギニン(L-prolyl-L-phenylalan
yl-L-arginine)および7−アミノ−4−メチル−クマリ
ン(7-amino-4-methyl-coumarin) を生成する下記の酵素
反応を触媒する。L−プロリル−L−フェニルアラニル
−L−アルギニン 4−メチル−クマリル−7−アミド
+ H2O → L−プロリル−L−フェニルアラニル
−L−アルギニン + 7−アミノ−4−メチル−クマ
リン
在下において、L−プロリル−L−フェニルアラニル−
L−アルギニン 4−メチル−クマリル−7−アミド
(L-prolyl-L-phenylalanyl-L-arginine 4-methyl-coum
aryl-7-amide) を加水分解してL−プロリル−L−フェ
ニルアラニル−L−アルギニン(L-prolyl-L-phenylalan
yl-L-arginine)および7−アミノ−4−メチル−クマリ
ン(7-amino-4-methyl-coumarin) を生成する下記の酵素
反応を触媒する。L−プロリル−L−フェニルアラニル
−L−アルギニン 4−メチル−クマリル−7−アミド
+ H2O → L−プロリル−L−フェニルアラニル
−L−アルギニン + 7−アミノ−4−メチル−クマ
リン
【0016】(2) 最適pH範囲:最適pHは、Pro-Phe-
Arg-MCA〔MCA : 4-メチル-クマリル-7-アミド(4-methyl
-7-amide) 〕を基質とした場合、pH5.6〜6.5である。 (3) 作用適温の範囲:36.5〜37.5℃の範囲にある。 (4) 安定性:5mM酢酸緩衝液、pH 5.0中における精製
酵素は−80℃において少なくとも30日間以上その活性を
完全に保持している。また、100℃、3分間の加熱処理
によって完全に失活する。
Arg-MCA〔MCA : 4-メチル-クマリル-7-アミド(4-methyl
-7-amide) 〕を基質とした場合、pH5.6〜6.5である。 (3) 作用適温の範囲:36.5〜37.5℃の範囲にある。 (4) 安定性:5mM酢酸緩衝液、pH 5.0中における精製
酵素は−80℃において少なくとも30日間以上その活性を
完全に保持している。また、100℃、3分間の加熱処理
によって完全に失活する。
【0017】(5) 分子量:SDS存在下におけるポリア
クリルアミド電気泳動の蛋白染色およびビオチン標識コ
ンカナバリンAによるウエスタンブロット検出法で測定
した結果、30kDaである。 以上のことから、精製された酵素標品はSH−依存性プ
ロテアーゼであると判断した。
クリルアミド電気泳動の蛋白染色およびビオチン標識コ
ンカナバリンAによるウエスタンブロット検出法で測定
した結果、30kDaである。 以上のことから、精製された酵素標品はSH−依存性プ
ロテアーゼであると判断した。
【0018】精製標品が0.2 M の酢酸ナトリウム緩衝液
(pH6.0) 中におけるペプチド基質(Pro-Phe-Arg-MCA)の
加水分解には、還元剤であるβ−メルカプトエタノール
の存在が必須であることから、本発明のプロテアーゼ
(以下、「本酵素」という)はSH-依存性プロテアーゼ
であることが示唆される。また、本酵素はSDS-ポリアク
リルアミドゲル電気泳動のクーマシーブルーによる蛋白
染色(図9参照)又は銀染色法のいずれによっても30kD
aの単一バンドとして検出される。
(pH6.0) 中におけるペプチド基質(Pro-Phe-Arg-MCA)の
加水分解には、還元剤であるβ−メルカプトエタノール
の存在が必須であることから、本発明のプロテアーゼ
(以下、「本酵素」という)はSH-依存性プロテアーゼ
であることが示唆される。また、本酵素はSDS-ポリアク
リルアミドゲル電気泳動のクーマシーブルーによる蛋白
染色(図9参照)又は銀染色法のいずれによっても30kD
aの単一バンドとして検出される。
【0019】なお、本酵素のウエスタンブロット検出に
おいて、本酵素はビオチン標識−コンカナバリンAによ
っても30kDaの単一バンドを示すことを確かめた。この
結果は、本酵素がマンノース又はグルコース残基を含有
する糖タンパク質であることを示唆するものである。次
に、本発明の免疫的寛容誘導剤について説明する。
おいて、本酵素はビオチン標識−コンカナバリンAによ
っても30kDaの単一バンドを示すことを確かめた。この
結果は、本酵素がマンノース又はグルコース残基を含有
する糖タンパク質であることを示唆するものである。次
に、本発明の免疫的寛容誘導剤について説明する。
【0020】本酵素を免疫的寛容誘導剤として使用する
場合には、投与する対象を特に限定しない。例えば、各
アレルギー疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、気管支喘
息、アレルギー性鼻炎、全身性エリテマトーデス、慢性
関節リウマチ等)や臓器移植による拒絶反応(例えば骨
髄、皮膚、心臓、肝臓、腎臓移植における、移植片に対
する拒絶反応等)を予防又は治療することを目的として
用いることができる。また、投与する方法は非経口で、
注射(例えば静脈注射、皮下注射、筋肉注射、点滴
等)、坐剤、クリーム剤、パップ剤等を含む。また、そ
の投与量は、動物かヒトかによって、さらに年齢、投与
経路、投与回数により異なり、広範囲に変えることがで
きる。この場合、本酵素の有効量と適切な希釈剤および
薬理学的に使用し得る担体の組成物として投与される有
効量は10μg〜1000μg/kg/日であり、1日1回〜数回に
分けて投与される。
場合には、投与する対象を特に限定しない。例えば、各
アレルギー疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、気管支喘
息、アレルギー性鼻炎、全身性エリテマトーデス、慢性
関節リウマチ等)や臓器移植による拒絶反応(例えば骨
髄、皮膚、心臓、肝臓、腎臓移植における、移植片に対
する拒絶反応等)を予防又は治療することを目的として
用いることができる。また、投与する方法は非経口で、
注射(例えば静脈注射、皮下注射、筋肉注射、点滴
等)、坐剤、クリーム剤、パップ剤等を含む。また、そ
の投与量は、動物かヒトかによって、さらに年齢、投与
経路、投与回数により異なり、広範囲に変えることがで
きる。この場合、本酵素の有効量と適切な希釈剤および
薬理学的に使用し得る担体の組成物として投与される有
効量は10μg〜1000μg/kg/日であり、1日1回〜数回に
分けて投与される。
【0021】本発明の免疫的寛容誘導剤を非経口投与す
る場合、安定剤、緩衝剤、保存剤、等張化剤等の添加剤
を含有し、通常、単位投与量アンプル若しくは多投与量
容器又はチューブの状態で提供される。上記組成物は、
使用する際に適当な担体、例えば発熱不含の滅菌水で再
溶解させる粉体であってもよい。本酵素が免疫的寛容誘
導剤として有用であることを裏付ける薬理試験例を以下
に記載する。
る場合、安定剤、緩衝剤、保存剤、等張化剤等の添加剤
を含有し、通常、単位投与量アンプル若しくは多投与量
容器又はチューブの状態で提供される。上記組成物は、
使用する際に適当な担体、例えば発熱不含の滅菌水で再
溶解させる粉体であってもよい。本酵素が免疫的寛容誘
導剤として有用であることを裏付ける薬理試験例を以下
に記載する。
【0022】〔試験例1〕 細胞性免疫反応に対する免
疫的寛容の誘導 まず、本酵素による細胞性免疫反応の抑制に関する試験
を行った。マウスを免疫するため、抗原としてヒツジ赤
血球(SRBC)を投与することとした。抗原の投与日を0日
目とする。0日目から起算して15日前、5日前、4日
前、1日前および1日後に本酵素を投与する群をそれぞ
れ設けた。本酵素の各投与群では、12週齢のC3H/Heマウ
ス(雌) を6匹ずつ用いた。尚、対照群として本酵素を
投与しないマウスを用いた。
疫的寛容の誘導 まず、本酵素による細胞性免疫反応の抑制に関する試験
を行った。マウスを免疫するため、抗原としてヒツジ赤
血球(SRBC)を投与することとした。抗原の投与日を0日
目とする。0日目から起算して15日前、5日前、4日
前、1日前および1日後に本酵素を投与する群をそれぞ
れ設けた。本酵素の各投与群では、12週齢のC3H/Heマウ
ス(雌) を6匹ずつ用いた。尚、対照群として本酵素を
投与しないマウスを用いた。
【0023】上記それぞれの日に各群のマウスの腹腔に
本酵素(50μg/kg) を投与した(図1A,a〜f参照)
。次に、0日目に抗原であるSRBC(1×108個)を含む
食塩水0.1ml を腹腔投与して免疫を行った(図1A)。
1日後に本酵素を投与する群については、SRBCでの免疫
後に本酵素を投与した。さらに、0日目から起算して5
日後にSRBC(5×107個)を含む食塩水0.05mlを、各マ
ウスの足蹠に足蹠反応(腫れ)の誘導のための投与を行
い、翌日から4日間にわたって足蹠の腫れ(厚さ)を測
定した(図1A)。なお、図1において、「Day 0」と
あるのは第1回目の免疫の当日、負の数字は免疫前の日
(例えば、「Day -1」とあるのは免疫1日前)、正の数
字は免疫後の日(例えば、「Day 1」とあるのは免疫1
日後)であることを示す。
本酵素(50μg/kg) を投与した(図1A,a〜f参照)
。次に、0日目に抗原であるSRBC(1×108個)を含む
食塩水0.1ml を腹腔投与して免疫を行った(図1A)。
1日後に本酵素を投与する群については、SRBCでの免疫
後に本酵素を投与した。さらに、0日目から起算して5
日後にSRBC(5×107個)を含む食塩水0.05mlを、各マ
ウスの足蹠に足蹠反応(腫れ)の誘導のための投与を行
い、翌日から4日間にわたって足蹠の腫れ(厚さ)を測
定した(図1A)。なお、図1において、「Day 0」と
あるのは第1回目の免疫の当日、負の数字は免疫前の日
(例えば、「Day -1」とあるのは免疫1日前)、正の数
字は免疫後の日(例えば、「Day 1」とあるのは免疫1
日後)であることを示す。
【0024】その結果、腹腔への抗原投与1日前に本酵
素を投与した群、0日目に本酵素を投与した群および1
日後に本酵素を投与した群では、対照群と比較してその
足蹠反応(腫れ)が有意に抑制され(t−検定, P<0.
01) 、本酵素投与が、SRBCに対する細胞性免疫である遅
延型過敏症反応を抑制していることを示した(図2)。
図2において、「△」は抗原投与15日前の本酵素投与
群、「□」は抗原投与5日前又は4日前の本酵素投与
群、「▲」は抗原投与1日前の本酵素投与群、「●」は
抗原投与0日目の本酵素投与群、「■」は抗原投与1日
後の本酵素投与群、「○」は対照群を示す。各結果はマ
ウス6匹あたりの平均値±標準誤差を示す。
素を投与した群、0日目に本酵素を投与した群および1
日後に本酵素を投与した群では、対照群と比較してその
足蹠反応(腫れ)が有意に抑制され(t−検定, P<0.
01) 、本酵素投与が、SRBCに対する細胞性免疫である遅
延型過敏症反応を抑制していることを示した(図2)。
図2において、「△」は抗原投与15日前の本酵素投与
群、「□」は抗原投与5日前又は4日前の本酵素投与
群、「▲」は抗原投与1日前の本酵素投与群、「●」は
抗原投与0日目の本酵素投与群、「■」は抗原投与1日
後の本酵素投与群、「○」は対照群を示す。各結果はマ
ウス6匹あたりの平均値±標準誤差を示す。
【0025】次に、同様にして第1回目の抗原投与1日
前に本酵素を投与したマウス群について、第1回目の抗
原投与日(0日目)から3カ月後に第2回目の免疫を行
った。抗原は、第1回目と同様、SRBC(1×108個)を
含む食塩水0.1ml を腹腔投与し、5日後に各マウスの足
蹠に足蹠反応(腫れ)を誘導するためにSRBCの5×107
個を含む生理的食塩水0.05mlを注射し、翌日(24時間
後)、足蹠の腫れ(厚さ)を測定した。また、本酵素を
抗原投与4日前に投与した群および無処理群についても
同様にして足蹠の腫れを測定した。
前に本酵素を投与したマウス群について、第1回目の抗
原投与日(0日目)から3カ月後に第2回目の免疫を行
った。抗原は、第1回目と同様、SRBC(1×108個)を
含む食塩水0.1ml を腹腔投与し、5日後に各マウスの足
蹠に足蹠反応(腫れ)を誘導するためにSRBCの5×107
個を含む生理的食塩水0.05mlを注射し、翌日(24時間
後)、足蹠の腫れ(厚さ)を測定した。また、本酵素を
抗原投与4日前に投与した群および無処理群についても
同様にして足蹠の腫れを測定した。
【0026】その結果、第2回目の抗原投与を行った場
合、第1回目の抗原投与1日前に本酵素を投与した群
は、第2回目の抗原投与1日前に本酵素を新たに投与し
なくても、SRBCに対する免疫反応の抑制効果の持続が認
められ、免疫寛容を誘導することが明らかになった(表
1)。
合、第1回目の抗原投与1日前に本酵素を投与した群
は、第2回目の抗原投与1日前に本酵素を新たに投与し
なくても、SRBCに対する免疫反応の抑制効果の持続が認
められ、免疫寛容を誘導することが明らかになった(表
1)。
【0027】
【表1】
【0028】〔試験例2〕液性抗体産生に対する免疫的
寛容の誘導 本酵素による液性免疫反応の抑制に関する試験を行っ
た。マウスの免疫、本酵素の投与スケジュール、投与
量、試験マウス群および対照群の使用については、試験
例1と同様に行った。第1回目の免疫5日後に、これら
各群のマウスから採血し、SRBCに対する血清中の抗体価
(HA)を測定した。抗体価の測定は、公知の方法(Se
ver: J. Immunology, 88: 320, 1962)に従って、SRBCを
抗原としてマイクロタイター法による赤血球凝集反応に
よって行った。
寛容の誘導 本酵素による液性免疫反応の抑制に関する試験を行っ
た。マウスの免疫、本酵素の投与スケジュール、投与
量、試験マウス群および対照群の使用については、試験
例1と同様に行った。第1回目の免疫5日後に、これら
各群のマウスから採血し、SRBCに対する血清中の抗体価
(HA)を測定した。抗体価の測定は、公知の方法(Se
ver: J. Immunology, 88: 320, 1962)に従って、SRBCを
抗原としてマイクロタイター法による赤血球凝集反応に
よって行った。
【0029】その結果、本酵素を免疫4日前に投与した
群では、対照群と比較してその抗体産生が有意に抑制さ
れ(t−検定、P<0.05)、本酵素を投与することによ
りSRBCに対する液性抗体産生を抑制することがわかった
(図3)。図3中、-15、-5、-4、-1、0 および1とあ
るのは、本酵素を投与する日を示しており、それぞれ第
1回目の免疫15日前、5日前、4日前、1日前、当日お
よび1日後である。また、結果はマウス各6匹の平均値
±標準誤差である。さらに、同様に本酵素を第1回目の
免疫4日前に投与した群では、第1回目の免疫から3カ
月後における免疫(第2回目免疫)を行った場合でも、
前記と同様に、本酵素を新たに投与しなくてもSRBCに対
する免疫反応の抑制効果の持続が認められ、免疫寛容を
誘導することが明らかになった(表1)。
群では、対照群と比較してその抗体産生が有意に抑制さ
れ(t−検定、P<0.05)、本酵素を投与することによ
りSRBCに対する液性抗体産生を抑制することがわかった
(図3)。図3中、-15、-5、-4、-1、0 および1とあ
るのは、本酵素を投与する日を示しており、それぞれ第
1回目の免疫15日前、5日前、4日前、1日前、当日お
よび1日後である。また、結果はマウス各6匹の平均値
±標準誤差である。さらに、同様に本酵素を第1回目の
免疫4日前に投与した群では、第1回目の免疫から3カ
月後における免疫(第2回目免疫)を行った場合でも、
前記と同様に、本酵素を新たに投与しなくてもSRBCに対
する免疫反応の抑制効果の持続が認められ、免疫寛容を
誘導することが明らかになった(表1)。
【0030】〔試験例3〕本酵素と他のプロテアーゼと
の免疫抑制の比較 本酵素と他のプロテアーゼとの免疫抑制の比較試験を行
った。他のプロテアーゼとしてトリプシン、プラスミ
ン、コラゲナーゼおよびシステインプロテアーゼを使用
し、また、無処理群を対照群として使用した。12週令マ
ウスC3H/He(♀)の腹腔にこれらのプロテアーゼ(50μ
g/kg)を投与し、1日後に抗原としてSRBC(1×10
8個)を含む食塩水0.1ml をマウス腹腔に注射して免疫
した。さらに、免疫5日後にSRBC(5×107 )を含む食
塩水0.05mlを足蹠に注射して、SRBCに対する足蹠の腫れ
(厚さ)を測定した。
の免疫抑制の比較 本酵素と他のプロテアーゼとの免疫抑制の比較試験を行
った。他のプロテアーゼとしてトリプシン、プラスミ
ン、コラゲナーゼおよびシステインプロテアーゼを使用
し、また、無処理群を対照群として使用した。12週令マ
ウスC3H/He(♀)の腹腔にこれらのプロテアーゼ(50μ
g/kg)を投与し、1日後に抗原としてSRBC(1×10
8個)を含む食塩水0.1ml をマウス腹腔に注射して免疫
した。さらに、免疫5日後にSRBC(5×107 )を含む食
塩水0.05mlを足蹠に注射して、SRBCに対する足蹠の腫れ
(厚さ)を測定した。
【0031】その結果、抗原投与1日前に本酵素および
他のシステインプロテアーゼを投与した群では、対照群
と比較して足蹠反応(腫れ)が有意に抑制され(t−検
定、P<0.01)、本酵素および他のシステインプロテア
ーゼの投与がSRBCに対する細胞性免疫である遅延型過敏
症反応の抑制を誘導していることを示した(表2)。し
かし、システインプロテアーゼファミリー以外のトリプ
シン、プラスミンおよびコラゲナーゼのいずれのプロテ
アーゼを投与しても、対照群との有意差はなく、免疫抑
制されなかった(表2)。
他のシステインプロテアーゼを投与した群では、対照群
と比較して足蹠反応(腫れ)が有意に抑制され(t−検
定、P<0.01)、本酵素および他のシステインプロテア
ーゼの投与がSRBCに対する細胞性免疫である遅延型過敏
症反応の抑制を誘導していることを示した(表2)。し
かし、システインプロテアーゼファミリー以外のトリプ
シン、プラスミンおよびコラゲナーゼのいずれのプロテ
アーゼを投与しても、対照群との有意差はなく、免疫抑
制されなかった(表2)。
【0032】
【表2】
【0033】次に、これらのプロテアーゼによるSRBCに
対する液性抗体産生の抑制について、比較試験を行っ
た。各プロテアーゼ(50μg/kg)を、抗原投与15日前お
よび4日前に2回マウス腹腔に投与し、次いで、0日目
にSRBC(1×108個)を含む食塩水0.1ml をマウス腹腔
に投与して免疫した。そして、免疫5日後に、これら各
群のマウスにおけるSRBCに対する血清中の抗体価(H
A)を測定した。抗体価の測定方法は前記と同様であ
る。
対する液性抗体産生の抑制について、比較試験を行っ
た。各プロテアーゼ(50μg/kg)を、抗原投与15日前お
よび4日前に2回マウス腹腔に投与し、次いで、0日目
にSRBC(1×108個)を含む食塩水0.1ml をマウス腹腔
に投与して免疫した。そして、免疫5日後に、これら各
群のマウスにおけるSRBCに対する血清中の抗体価(H
A)を測定した。抗体価の測定方法は前記と同様であ
る。
【0034】その結果、本酵素および他のシステインプ
ロテアーゼを投与した群では、対照群と比較して抗体産
生が有意に抑制された(t−検定、P<0.05)(表
2)。本酵素および他のシステインプロテアーゼの投与
がSRBCに対する液性抗体産生を抑制することを明らかに
した。しかし、トリプシン、プラスミンおよびコラゲナ
ーゼの投与では対照群との有意差はなく、免疫抑制され
なかった(表2)。
ロテアーゼを投与した群では、対照群と比較して抗体産
生が有意に抑制された(t−検定、P<0.05)(表
2)。本酵素および他のシステインプロテアーゼの投与
がSRBCに対する液性抗体産生を抑制することを明らかに
した。しかし、トリプシン、プラスミンおよびコラゲナ
ーゼの投与では対照群との有意差はなく、免疫抑制され
なかった(表2)。
【0035】〔試験例4〕自己免疫疾患発症の抑制 7週令のマウスMRL-lpr/lpr(♀) に、抗原を投与する4
日前および1日前に本酵素(各100μg/kg)を腹腔投与
し、0日目に抗原として22週令マウスMRL-lpr/lpr(♀)
の脾臓細胞(1×108個)を腹腔投与した。さらに抗原
投与1日後および15日後に本酵素(各100μg/kg)を腹
腔投与した(図1B)。
日前および1日前に本酵素(各100μg/kg)を腹腔投与
し、0日目に抗原として22週令マウスMRL-lpr/lpr(♀)
の脾臓細胞(1×108個)を腹腔投与した。さらに抗原
投与1日後および15日後に本酵素(各100μg/kg)を腹
腔投与した(図1B)。
【0036】抗原投与後21週令までのマウスの生存の有
無を調べ、22週令のマウスにおいて、自己免疫疾患の指
標となる腎障害スコアを測定した。腎障害スコアの測定
は次のように行った。まず、各腎臓を10%ホルマリン液
で固定し、パラフィン切片をつくり、ヘマトキシリンお
よびエオジンで染色し、プレパラート標本を作製した。
さらに、それらの標本の腎組織の糸球体20個を検鏡し、
その腎炎を示す像を点数化し(正常糸球体:1点、富核
化像:2点、増殖性腎炎像:3点、硝子体形成:4点お
よび半月形成:5点)、各像の数にそれぞれの点数を乗
じて各標本のスコアを計算し、各群の平均腎炎スコアを
算出した。
無を調べ、22週令のマウスにおいて、自己免疫疾患の指
標となる腎障害スコアを測定した。腎障害スコアの測定
は次のように行った。まず、各腎臓を10%ホルマリン液
で固定し、パラフィン切片をつくり、ヘマトキシリンお
よびエオジンで染色し、プレパラート標本を作製した。
さらに、それらの標本の腎組織の糸球体20個を検鏡し、
その腎炎を示す像を点数化し(正常糸球体:1点、富核
化像:2点、増殖性腎炎像:3点、硝子体形成:4点お
よび半月形成:5点)、各像の数にそれぞれの点数を乗
じて各標本のスコアを計算し、各群の平均腎炎スコアを
算出した。
【0037】その結果、本酵素を投与した群(試験群)
では、マウスMRL-lpr/lpr の自己免疫疾患(21週令マウ
スの死亡率および22週令マウスの腎障害)の発症を抑制
することができ、免疫的寛容を誘導することができた
(表3:χ2 −検定(P<0.01);図4:t−検定(P
<0.05))。なお、P値は試験群と対照群との比較によ
るものである。
では、マウスMRL-lpr/lpr の自己免疫疾患(21週令マウ
スの死亡率および22週令マウスの腎障害)の発症を抑制
することができ、免疫的寛容を誘導することができた
(表3:χ2 −検定(P<0.01);図4:t−検定(P
<0.05))。なお、P値は試験群と対照群との比較によ
るものである。
【0038】
【表3】
【0039】〔試験例5〕皮膚生着の延長を及ぼす免疫
的寛容の誘導試験 C3H/He(♀)マウスにAKR(♀)の皮膚を移植したとき
の、皮膚生着に及ぼす本酵素の免疫的寛容の誘導効果を
試験した。8週令のマウスC3H/He(♀)の腹腔に皮膚を
移植する4日前および1日前に本酵素(100 μg/kg)を
注射し、これに6週令のマウスAKR(♀)の皮膚を移植し
た(図1C)。さらに、皮膚移植15日後に本酵素(100
μg/kg)を投与し、各マウスにおける皮膚移植片の生存
期間を測定した。なお、本酵素を投与しない群を対照と
して使用した。
的寛容の誘導試験 C3H/He(♀)マウスにAKR(♀)の皮膚を移植したとき
の、皮膚生着に及ぼす本酵素の免疫的寛容の誘導効果を
試験した。8週令のマウスC3H/He(♀)の腹腔に皮膚を
移植する4日前および1日前に本酵素(100 μg/kg)を
注射し、これに6週令のマウスAKR(♀)の皮膚を移植し
た(図1C)。さらに、皮膚移植15日後に本酵素(100
μg/kg)を投与し、各マウスにおける皮膚移植片の生存
期間を測定した。なお、本酵素を投与しない群を対照と
して使用した。
【0040】その結果、対照群の皮膚の平均生着時間
(MST)が17.5±0.4 日であるのに対し、本酵素を投
与した群のMSTは41.7±10.3日であり、有意(t−検
定,P<0.05)に長期間に亘って皮膚を生着させること
ができた(表4)。
(MST)が17.5±0.4 日であるのに対し、本酵素を投
与した群のMSTは41.7±10.3日であり、有意(t−検
定,P<0.05)に長期間に亘って皮膚を生着させること
ができた(表4)。
【0041】
【表4】
【0042】これらの結果から、本酵素のマウス腹腔投
与はその前後に注射または移植された抗原や組織に対し
て免疫的寛容を誘導することを示した。以上の試験か
ら、本酵素投与が抗原および移植組織に対する抗体産生
を抑制し、生体の免疫的寛容を誘導することが確認され
た。なお、上記の各試験例においては、哺乳動物の胎盤
から直接抽出したSH−依存性プロテアーゼを用いた。
但し、本発明の商業的規模の実施には動物の培養細胞ま
たは遺伝子工学的手法(組換えDNA技法)を用いて、
遺伝子組換え体から多量に調製したものをも用いること
ができる。
与はその前後に注射または移植された抗原や組織に対し
て免疫的寛容を誘導することを示した。以上の試験か
ら、本酵素投与が抗原および移植組織に対する抗体産生
を抑制し、生体の免疫的寛容を誘導することが確認され
た。なお、上記の各試験例においては、哺乳動物の胎盤
から直接抽出したSH−依存性プロテアーゼを用いた。
但し、本発明の商業的規模の実施には動物の培養細胞ま
たは遺伝子工学的手法(組換えDNA技法)を用いて、
遺伝子組換え体から多量に調製したものをも用いること
ができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されな
い。 〔実施例1〕哺乳動物由来のSH−依存性プロテアーゼ
の精製 C3Hマウスの胎盤6個(約5g)を、0.2% Triton X-10
0 と0.15 M NaCl とを含む20mM Tris-HCl 緩衝液、pH7.
2 (以下「TBS-7.2 」という) で破砕し、得られるホモ
ジネート20mlを4℃、1時間、105,000×gにおいて遠
心した。
説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されな
い。 〔実施例1〕哺乳動物由来のSH−依存性プロテアーゼ
の精製 C3Hマウスの胎盤6個(約5g)を、0.2% Triton X-10
0 と0.15 M NaCl とを含む20mM Tris-HCl 緩衝液、pH7.
2 (以下「TBS-7.2 」という) で破砕し、得られるホモ
ジネート20mlを4℃、1時間、105,000×gにおいて遠
心した。
【0044】次に、この上清の粗抽出液をTBS-7.2であ
らかじめ平衡化した Affi Gel 501カラム(2.5×3.8cm
;Bio Rad 社製) に吸着させ、これをカラム容積の10
倍量のTBS-7.2を用いて洗浄し、そのカラムから非吸着
蛋白を洗浄除去した。さらに、カラム担体に弱い親和性
で吸着している蛋白を、40mM EDTA(disodium ethylendi
amine tetraacetate)を含むTBS-7.2で洗浄除去した。
次に、カラムに特異的に結合したSH含有蛋白を、10mM
β−メルカプトエタノールおよび40mM EDTAを含むTBS-
7.2で溶出させた(図5)。
らかじめ平衡化した Affi Gel 501カラム(2.5×3.8cm
;Bio Rad 社製) に吸着させ、これをカラム容積の10
倍量のTBS-7.2を用いて洗浄し、そのカラムから非吸着
蛋白を洗浄除去した。さらに、カラム担体に弱い親和性
で吸着している蛋白を、40mM EDTA(disodium ethylendi
amine tetraacetate)を含むTBS-7.2で洗浄除去した。
次に、カラムに特異的に結合したSH含有蛋白を、10mM
β−メルカプトエタノールおよび40mM EDTAを含むTBS-
7.2で溶出させた(図5)。
【0045】溶出結果を図5に示す。図5中、「━━」
で示す範囲の活性画分(分画番号26〜31)を分取した。
図5中、矢印(i) で示される時点で担体と弱く結合して
いる非酵素蛋白をEDTAにより溶出除去した後に、矢印(i
i)で示される時点において、EDTAおよびβ−メルカプト
エタノールによって活性を含むSH蛋白を溶出させた。
で示す範囲の活性画分(分画番号26〜31)を分取した。
図5中、矢印(i) で示される時点で担体と弱く結合して
いる非酵素蛋白をEDTAにより溶出除去した後に、矢印(i
i)で示される時点において、EDTAおよびβ−メルカプト
エタノールによって活性を含むSH蛋白を溶出させた。
【0046】Affi Gel 501カラムを用いたアフィニティ
クロマトグラフィーから分取した部分精製酵素溶液(図
中の活性画分の上部に示す「━━」の部分;分画番号26
〜31)を、20mM 酢酸緩衝液、pH 4.6(以下「AB-4.6」
という) で12時間透析した。透析した酵素画分液をAB-
4.6により平衡化した陽イオン交換担体であるCM-toyope
arl 650M カラム(1.3×3.0cm ;東ソー社製)に吸着さ
せ、AB-4.6で非吸着蛋白を洗浄除去し、その吸着蛋白
を、75mM NaCl を含むAB-4.6によってカラムから溶出し
た(図6)。
クロマトグラフィーから分取した部分精製酵素溶液(図
中の活性画分の上部に示す「━━」の部分;分画番号26
〜31)を、20mM 酢酸緩衝液、pH 4.6(以下「AB-4.6」
という) で12時間透析した。透析した酵素画分液をAB-
4.6により平衡化した陽イオン交換担体であるCM-toyope
arl 650M カラム(1.3×3.0cm ;東ソー社製)に吸着さ
せ、AB-4.6で非吸着蛋白を洗浄除去し、その吸着蛋白
を、75mM NaCl を含むAB-4.6によってカラムから溶出し
た(図6)。
【0047】図6において、まず陽イオン交換担体に対
する非酵素蛋白を洗浄溶出させた後に、矢印(↓)で示
した時点より75mM NaCl で活性画分を溶出させた。ここ
で、「━━」にて示した画分(分画番号16〜20)を部分
精製酵素として分取した。CM-toyopearlイオン交換クロ
マトグラフィーから得たこの酵素液を限外濾過法によっ
て1mlに濃縮し、この濃縮した酵素液を、0.15M NaClを
含む20mM 酢酸緩衝液、pH5.0(以下「ABS-5.0」とい
う)で平衡化したToyopearl HW-50sカラム(1.5×48c
m;東ソー社製)によりゲルクロマトグラフィーを行っ
た(図7)。
する非酵素蛋白を洗浄溶出させた後に、矢印(↓)で示
した時点より75mM NaCl で活性画分を溶出させた。ここ
で、「━━」にて示した画分(分画番号16〜20)を部分
精製酵素として分取した。CM-toyopearlイオン交換クロ
マトグラフィーから得たこの酵素液を限外濾過法によっ
て1mlに濃縮し、この濃縮した酵素液を、0.15M NaClを
含む20mM 酢酸緩衝液、pH5.0(以下「ABS-5.0」とい
う)で平衡化したToyopearl HW-50sカラム(1.5×48c
m;東ソー社製)によりゲルクロマトグラフィーを行っ
た(図7)。
【0048】図中の活性を示す画分の中、夾雑蛋白を除
くために「━━」で示した活性部(分画番号27〜31)を
分取した。次に、ゲルクロマトグラフィーカラムから酵
素をABS-5.0で溶出した。溶出して得られた酵素活性の
ある溶出液について、1mM CaCl2および1mM MnCl2を含
むABS-5.0で平衡化した Con A-Sepharose 4B (1.5×3.5
cm;Pharmacia 社製)アフィニティクロマトグラフィー
を行い、まず、そのカラムの非吸着蛋白を洗浄除去し、
酵素を1mM CaCl2、1mM MnCl2および0.2M Tris-HCl(pH
7.2)を含む0.1M メチルマンノースで特異的に溶出した
(図8)。
くために「━━」で示した活性部(分画番号27〜31)を
分取した。次に、ゲルクロマトグラフィーカラムから酵
素をABS-5.0で溶出した。溶出して得られた酵素活性の
ある溶出液について、1mM CaCl2および1mM MnCl2を含
むABS-5.0で平衡化した Con A-Sepharose 4B (1.5×3.5
cm;Pharmacia 社製)アフィニティクロマトグラフィー
を行い、まず、そのカラムの非吸着蛋白を洗浄除去し、
酵素を1mM CaCl2、1mM MnCl2および0.2M Tris-HCl(pH
7.2)を含む0.1M メチルマンノースで特異的に溶出した
(図8)。
【0049】コンカナバリンAに親和性を示さない少量
の活性および夾雑蛋白等を洗浄除去した後に、矢印
(↓)の時点より0.1 M メチルマンノースによって酵素
を特異的に溶出させた。「━━」にて示した画分(分画
番号15〜18)を分取した。溶出液(精製酵素(150μg
蛋白))12mlを5mM 酢酸緩衝液、pH5.0 に対し透析し
(4℃,6〜9時間)、限外濾過法により0.2mlに濃縮
し、精製酵素を得た。このようにして精製された酵素は
電気泳動(蛋白染色)によって30kDaの分子量を示す単
一標品として認められた(図9)。
の活性および夾雑蛋白等を洗浄除去した後に、矢印
(↓)の時点より0.1 M メチルマンノースによって酵素
を特異的に溶出させた。「━━」にて示した画分(分画
番号15〜18)を分取した。溶出液(精製酵素(150μg
蛋白))12mlを5mM 酢酸緩衝液、pH5.0 に対し透析し
(4℃,6〜9時間)、限外濾過法により0.2mlに濃縮
し、精製酵素を得た。このようにして精製された酵素は
電気泳動(蛋白染色)によって30kDaの分子量を示す単
一標品として認められた(図9)。
【0050】
【発明の効果】本発明により新規SH−依存性プロテア
ーゼおよび該プロテアーゼを有効成分として含む免疫的
寛容誘導剤が提供される。本発明の免疫的寛容誘導剤
は、哺乳動物に数回の投与によって抗原および移植組織
に対する抗体産生を抑制し、また、免疫的寛容を誘導す
ることができる。したがって、従来の免疫的寛容誘導剤
の欠点である長期的投与の必要性はなく、そのため副作
用の心配を解消できるという優れた効果を奏するもので
ある。
ーゼおよび該プロテアーゼを有効成分として含む免疫的
寛容誘導剤が提供される。本発明の免疫的寛容誘導剤
は、哺乳動物に数回の投与によって抗原および移植組織
に対する抗体産生を抑制し、また、免疫的寛容を誘導す
ることができる。したがって、従来の免疫的寛容誘導剤
の欠点である長期的投与の必要性はなく、そのため副作
用の心配を解消できるという優れた効果を奏するもので
ある。
【図1】免疫抑制試験計画を示す図である。
【図2】マウスの足蹠反応を抑制する結果を示す図であ
る。
る。
【図3】羊赤血球に対する抗体産生を抑制する結果を示
す図である。
す図である。
【図4】マウスの腎障害に対する抑制効果を示す図であ
る。
る。
【図5】酵素粗抽出液のAffi Gel 501によるアフィニテ
ィークロマトグラフィーの結果を示す図である。
ィークロマトグラフィーの結果を示す図である。
【図6】部分精製酵素のCM-Toyopearl 650M による陽イ
オン交換クロマトグラフィーの結果を示す図である。
オン交換クロマトグラフィーの結果を示す図である。
【図7】酵素画分のToyopearl HW 50sによるゲルろ過の
結果を示す図である。
結果を示す図である。
【図8】酵素画分のCon A-Sepharose 4Bによるアフィニ
ティークロマトグラフィーの結果を示す図である。
ティークロマトグラフィーの結果を示す図である。
【図9】精製酵素のSDS存在下におけるポリアクリル
アミド電気泳動の写真である。
アミド電気泳動の写真である。
Claims (6)
- 【請求項1】 哺乳動物の胎盤を破砕してホモジネート
を得、該ホモジネートを遠心分離し、得られる上清液を
アフィニティクロマトグラフィー(I)、イオン交換クロ
マトグラフィー、ゲルクロマトグラフィーおよびアフィ
ニティクロマトグラフィー(II)に順次かけることにより
得られ、以下の理化学的性質を有するSH−依存性プロ
テアーゼ。 (1) 作用:β−メルカプトエタノールの存在下におい
て、L−プロリル−L−フェニルアラニル−L−アルギ
ニン 4−メチル−クマリル−7−アミドを加水分解し
てL−プロリル−L−フェニルアラニル−L−アルギニ
ンおよび7−アミノ−4−メチル−クマリンを生成する
下記の酵素反応を触媒する。L−プロリル−L−フェニ
ルアラニル−L−アルギニン 4−メチル−クマリル−
7−アミド + H2O → L−プロリル−L−フェニ
ルアラニル−L−アルギニン + 7−アミノ−4−メ
チル−クマリン (2) 最適pH範囲:最適pHは、Pro-Phe-Arg-MCA を基
質とした場合、pH5.6〜6.5である。 (3) 作用適温の範囲:36.5〜37.5℃の範囲にある。 (4) 安定性:5mM酢酸緩衝液、pH 5.0中における精製
酵素は−80℃において少なくとも30日間以上その活性を
完全に保持している。また、100℃、3分間の加熱処理
によって完全に失活する。 (5) 分子量:SDS存在下におけるポリアクリルアミド
電気泳動の蛋白染色およびビオチン標識コンカナバリン
Aによるウエスタンブロット検出法で測定した結果、30
kDaである。 - 【請求項2】 アフィニティクロマトグラフィー(I)がA
ffi Gel 501カラムを用いたものである請求項1記載の
SH−依存性プロテアーゼ。 - 【請求項3】 イオン交換クロマトグラフィーがCM-Toy
opearl 650 Mカラムを用いたものである請求項1記載の
SH−依存性プロテアーゼ。 - 【請求項4】 ゲルクロマトグラフィーがToyopearl HW
-50sカラムを用いたものである請求項1記載のSH−依
存性プロテアーゼ。 - 【請求項5】 アフィニティクロマトグラフィー(II)が
Con A-Sepharose 4Bカラムを用いたものである請求項1
記載のSH−依存性プロテアーゼ。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のS
H−依存性プロテアーゼを有効成分として含む免疫的寛
容誘導剤。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7309692A JPH09121858A (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | 免疫的寛容誘導剤 |
EP96307916A EP0771869A1 (en) | 1995-11-06 | 1996-10-31 | Immunological tolerance inducing agent |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7309692A JPH09121858A (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | 免疫的寛容誘導剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09121858A true JPH09121858A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17996141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7309692A Pending JPH09121858A (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | 免疫的寛容誘導剤 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0771869A1 (ja) |
JP (1) | JPH09121858A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DK2691411T3 (da) | 2011-03-29 | 2020-05-11 | Glaxosmithkline Llc | Buffersystem til proteinoprensning |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2700088B2 (ja) * | 1991-07-25 | 1998-01-19 | 房則 濱島 | 免疫抑制剤 |
JPH08239324A (ja) * | 1995-03-03 | 1996-09-17 | Fusanori Hamashima | 免疫抑制剤 |
-
1995
- 1995-11-06 JP JP7309692A patent/JPH09121858A/ja active Pending
-
1996
- 1996-10-31 EP EP96307916A patent/EP0771869A1/en not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0771869A1 (en) | 1997-05-07 |
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