JPH09121574A - リニア駆動機構 - Google Patents

リニア駆動機構

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Publication number
JPH09121574A
JPH09121574A JP7300436A JP30043695A JPH09121574A JP H09121574 A JPH09121574 A JP H09121574A JP 7300436 A JP7300436 A JP 7300436A JP 30043695 A JP30043695 A JP 30043695A JP H09121574 A JPH09121574 A JP H09121574A
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JP
Japan
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grip
slider
piezoelectric element
gripping
moving
Prior art date
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Pending
Application number
JP7300436A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuro Sakano
哲朗 坂野
Hiroya Terajima
洋也 寺嶋
Koji Hayano
浩次 早野
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Publication date
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  • Micromachines (AREA)
  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工精度を緩和し、効率よくグリップ力を発
生させ、グリップ部の磨耗が発生してもグリップ力を余
り低下させないリニア駆動機構を提供すること。 【解決手段】 同一形状、寸法の構造体A、Bでアクチ
ュエータ1を構成する。移動用圧電素子3によってグリ
ップ部10を図中左右に移動させ、グリップ用圧電素子
4によってグリップ部10、10を図中上下方向に開閉
させる。門形のスライダのばね性のあるグリップ板でグ
リップ部10、10を挟む。2つの構造体のグリップ部
を交互に開きスライダのグリップ板を押し開いてグリッ
プし、このグリップしているときの移動用圧電素子の作
用よる変位によりスライダを移動方向(図中左右方向)
に移動させる。グリップ部をスライダのグリップ板が押
圧しているから、グリップ部の変位量がグリップ力とな
りグリップ力を増大させスライダの推力を増す。スライ
ダのグリップ板がグリップ部を押圧する構成であるから
スライダのグリップ面の加工精度を格別高精度に加工す
る必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電素子、磁歪素
子、形状記憶合金等を用い、大きな推力を発生できる直
線駆動機構に関するもので、高精度位置決め用超小型リ
ニアステージなどの駆動に適したリニア駆動機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】圧電素子を駆動源としたリニアアクチュ
エータには、(1)圧電素子をそのまま利用する方法
と、(2)圧電素子により励振された弾性体と移動体間
の摩擦を利用する方法が知られている。しかし、上記
(1)の方法は変位量が小さく大きなストロークが得ら
れないこと、上記(2)の方法はエネルギー効率が悪
く、大きな推力を発生できないこと等の欠点があった。
そこで、本願発明者は、大きな推力を発生させることが
でき、かつ、微小な変位量の制御ができると共に、大き
なストロークをも達成可能なグリップ型リニアアクチュ
エータを開発し、特願平6−129867号、特願平6
−256050号としてすでに特許出願した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した特願平6−1
29867号、特願平6−256050号に記載された
グリップ型リニアアクチュエータにおいては、該グリッ
プ型リニアアクチュエータのグリップ部をグリップ用圧
電素子によって移動させ、駆動しようとするスライダ
(直線移動体)をグリップした状態で、移動用圧電素子
を駆動して該グリップ部を微小量スライダ移動方向に移
動させてスライダを直線移動させ、次にグリップ部によ
るスライダのグリップを解きグリップ部をスライダの移
動方向とは逆方向に移動させて元の位置に戻す、という
動作を繰り返すことによってスライダを移動させるもの
である。そのため、グリップ部によるスライダのグリッ
プを解き、リリース状態にあるときには、該グリップ部
はスライダの移動方向とは逆方向に移動するものである
からグリップ部がスライダのグリップ面と接触しないよ
うに空間を有しなければならない。
【0004】一方、グリップ部がスライダのグリップ面
をグリップしようとして移動するとき、この空間部分の
移動はグリップ力には何等反映されず、無駄な空走距離
である。グリップ部とグリップ面が接触した後、グリッ
プ用圧電素子の作用でさらにグリップ部が移動しようと
するとき、リニアアクチュエータを構成する構造体のブ
リップ部の機構の撓みによってグリップ力が発生するも
のであるから、できるだけ大きなグリップ力を発生させ
るには上記空間(グリップ部の空走距離)を小さくする
必要がある。
【0005】しかし、スライダに対するグリップ部によ
るグリップ点はスライダの移動によって順次変わるもの
であるから、グリップ部がグリップを解きリリース状態
に在るときにスライダのグリップ面との接触を避けるた
めに上記空間を形成するには、スライダのグリップ面は
非常に高精度に加工する必要がある。例えば、スライダ
を上記出願の実施例に記載された門型のスライダで構成
し、リニアアクチュエータのグリップ部によって門型ス
ライダの内側をグリップする場合にはこの門型スライダ
の内側のグリップ面を高精度に加工し、グリップ面間の
距離を均一にする必要があり、特にリニア駆動機構を小
型化する場合に、グリップ部の変位も小さくなることか
ら、上記スライダのグリップ面間の距離も小さくなりそ
の分加工精度を高精度にする必要がある。さらに、グリ
ップ部の磨耗が進むと上記空間(グリップ部の空走距
離)が大きくなりグリップ力が低下し、それに比例して
推力が低下するという問題もある。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記問題点を改
善し、スライダのグリップ面の加工精度を緩和し、効率
よくグリップ力を発生させ、グリップ部の磨耗が発生し
てもグリップ力を余り低下させないリニア駆動機構を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、スライダをグ
リップするグリップ部を有し該グリップ部をスライダの
移動方向に対して直角方向に開閉させるグリップ用圧電
素子と、上記グリップ部をスライダの移動方向に往復動
させると移動用圧電素子とを備える構造体を2個1組と
して少なくとも1組ベースに併設し、上記スライダは該
スライダの移動方向に平行に配置されたグリップ板を有
し、該グリップ板は上記2つの構造体のグリップ部を押
圧するようにばね力が付与され、どちらか一方の構造体
のグリップ部がグリップ用圧電素子の作用により上記グ
リップ板のばね力に抗してグリップ板を移動させたと
き、他方の構造体ののグリップ用圧電素子の作用を逆の
状態にしてグリップ部とグリップ板との接触を解き、グ
リップ部がグリップ板を押圧している構造体の移動用圧
電素子の作用によってグリップ部を移動させてスライダ
を移動させるようにする。
【0008】これにより、スライダを2つの構造体で交
互にグリップし、グリップしたときのグリップ部の移動
を同一方向になるように各構造体の移動用圧電素子を駆
動することによってスライダを長い距離直線移動させ
る。また、上記構造体は、グリップ部の変位量を拡大す
るために、グリップ用圧電素子の作動による該グリップ
用圧電素子の変位を拡大してグリップ部に伝達する拡大
機構を設ける。さらに、スライダの移動方向中心線と構
造体のグリップ部の開閉方向と垂直な線とがずれて1組
のグリップ部の一方に強く、他方に弱くグリップ板が片
当たりすることを防止し、移動用圧電素子の変位を効率
よくグリップ部に伝達するために構造体をベースに固定
する固定部に対して揺動可能とし、グリップ部がスライ
ダの移動方向と垂直な方向に移動できるようにする。
【0009】また、構造体は一体的に形成されたフレー
ムと、該フレームにグリップ用圧電素子および移動用圧
電素子を取り付けて構成する。一方の構造体のグリップ
部がグリップ板のばね力に抗してグリップ板を移動させ
たとき他方の構造体のグリップ部がグリップ板の撓み等
によってに接触しないように、該グリップ板のグリップ
部が当接する位置に補強板を固着して撓みを防止し、一
方のグリップ部がグリップ板を移動されたとき他方のグ
リップ部とグリップ板とが非接触になることを確実にす
る。また、上記グリップ用又は移動用の圧電素子に代え
てどちらか一方、若しくは両方を磁気の変化によって変
形する磁歪素子もしくは熱によって変形する形状記憶合
金を用いることもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明のリニア駆動機構の
アクチュエータ1の一例の平面図である。本発明に使用
されるアクチュエータ1は形状、構成及び寸法が同一の
2つの構造体A,Bで構成され、各構造体A,Bは中心
線(後述するグリップ部の開閉方向に垂直な方向でスラ
イダを搬送する方向の構造体中心線であり、以下この中
心線を構造体中心線という)に対して対象な形状に構成
されている。構造体A、Bは弾性を有する金属やプラス
チック等の弾性材料で一体的に成形されたフレーム2と
該フレーム2に固着された移動用圧電素子3、グリップ
用圧電素子4とで構成されている。フレーム2には切込
溝等によって厚みを薄くした部分で弾性ヒンジh1〜h
4が形成されている。
【0011】構造体A、Bは大きく3つの機能部分に分
けられる。取付穴5,5にボルト等を挿入して該構造体
A、Bをベースに取り付ける固定部Fと該固定部Fに連
接し該アクチュエータ1で駆動するスライダを移動させ
るためのモーション機構部M、及びグリップ機構部Gに
分けられる。モーション機構部Mは、該モーション機構
部Mの基部6が弾性ヒンジh1を介して固定部Fに連接
されている。移動用圧電素子3は該移動用圧電素子3の
伸縮方向中心線と構造体中心線とが一致するように上記
基部6とグリップ機構部Gの基部8の間に配置され、該
移動用圧電素子3のそれぞれの端部が基部6、8にそれ
ぞれ固着されている。また該圧電素子3の他方の両端部
側のフレーム2は上記基部6、8間を半円弧状の形状で
連接しこの半円弧状の形状によってばね機構7、7を構
成し、このばね機構7、7によって移動用圧電素子3に
対し圧縮する方向に予圧を与えている。圧電素子は伸び
る方向には大きな力を発生することができるが、縮む方
向には発生力は弱いことから上記ばね機構7、7によっ
て縮む方向の力を補強するようにしている。
【0012】グリップ機構部Gは、上記基部8の両端か
ら伸びたアーム9、9を有し、該アーム9、9の先端外
側に後述するスライダをグリップするグリップ部10、
10が設けられている。また上記アーム9、9の中間部
には弾性ヒンジh2、h2が設けられている。上記グリ
ップ機構部Gの基部8にはグリップ用圧電素子4が該グ
リップ用圧電素子4の伸縮方向中心線と該構造体中心線
とが一致するように固着され、該グリップ用圧電素子4
の他端は接続部11に固着され、接続部11と上記量ア
ーム9、9の先端内側間は弾性ヒンジh3、h3、リン
ク部12、12、弾性ヒンジh4、h4を介して接続さ
れている。この接続部11、弾性ヒンジh3、h3、リ
ンク部12、12、弾性ヒンジh4、h4によって変位
拡大機構を構成し、グリップ用圧電素子4の伸縮(図1
における左右方向)の変位を上記変位拡大機構によって
グリップ部10、10の図1中上下方向(スライダをグ
リップするグリップ方向)の変位に拡大伝達する構造と
なっている。
【0013】移動用圧電素子3に電圧を印加すると該圧
電素子3は伸長し半円弧状形状によるばね機構7、7の
圧縮方向のばね力に抗してグリップ機構部G自体を図1
中、構造体Aでは右方向、構造体Bでは左方向に移動さ
せ、当然グリップ部10、10も同方向に移動させる。
また、移動用圧電素子3への電圧印加をオフにすると該
圧電素子3は縮小すると共に半円弧状形状によるばね機
構7、7の圧縮力によってグリップ機構部G、及びグリ
ップ部10、10を構造体Aでは左方向に構造体Bでは
右方向に移動させることになる。一方グリップ用圧電素
子4を作動させると、該グリップ用圧電素子4の伸縮に
よってリンク12、12等の変位拡大機構を介してアー
ム9、9は弾性ヒンジh3、h3の位置より開閉し、グ
リップ部10、10を図1中上下方向に移動することに
なる。
【0014】図1においては、構造体Aに対してのみ符
号を付しているが、構造体Bの要素も構造体Aと同一で
ある。そして、以下構造体Aと構造体Bの各要素を区別
する必要がある場合には、各要素を示す符号に添字a、
bを付す。例えば、構造体Aの移動用圧電素子は3a、
グリップ用圧電素子は4a、グリップ部は10aと記
し、構造体Bの移動用圧電素子は3b、グリップ用圧電
素子は4b、グリップ部は10bと記載する。本発明の
リニア駆動機構のアクチュエータは上記同一の2つの構
造体A、Bによって構成され、構造体中心線が一致し、
アーム9、9の先端面が対向するように、すなわち2つ
の構造体A、Bのグリップ部10a、10a、グリップ
部10b、10bが近接するようにベースに固定される
ものである。
【0015】なお、固定部Fとモーション機構部との間
に弾性ヒンジh1を設けているから、2つの構造体A、
Bの構造体中心線とスライダの移動方向中心線とずれて
構造体A、B、スライダが取り付けられたとき、この弾
性ヒンジh1の部分でモーション機構部M及びグリップ
機構部G全体が曲がりそのずれを吸収し、スライダのグ
リップ板への片当たりすることを防止し、移動用圧電素
子3の変位を効率よくグリップ部に伝達することができ
る。これによりスライダとアクチュエータの取り付け精
度が緩和され取付作業が容易となり、信頼性が向上す
る。
【0016】このアクチュエータの一例として、2つの
構造体A、Bを合わせた長さが26mm、幅が6mm、
厚さが3mmで構成し、移動用、グリップ用の圧電素子
3、4を変位する方向の長さが2mm、太さが3mm×
3mmを使用し、圧電素子3,4に電圧を60vかける
と、圧電素子3,4は2μm伸長し、グリップ部10、
10間はその幅が5μm外側に開くものが得られる。本
発明のリニア駆動機構を構成するスライダの一例を図2
に示す。図2(a)はスライダ20の正面図、図2
(b)は側面図である。スライダ20は門形の形状を
し、基板21の両側に該スライダ20の移動方向と平行
になるようにグリップ板22、22が平行に固着されて
いる。このグリップ板22、22は、金属等のばね性の
ある材料で構成し、2つのグリップ板22、22の間隔
は上記アクチュエータ1のグリップ部9a(9b)、9
a(9b)間よりも狭くなるように構成する。
【0017】図3はスライダ20と図1に示したアクチ
ュエータ1を組み合わせたリニア駆動機構の斜視図であ
る。ベース30にアクチュエータ1が固着され、スライ
ダ20のグリップ板22、22の間にアクチュエータ1
を挟むようにスライダ20が挿入されてグリップ板2
2、22によってアクチュエータ1のグリップ部10、
10を押圧状態で保持している。なお、スライダ20を
移動進行方向にガイドするリニアガイド機構をスライダ
の基板21等に設ける必要があるが、図3では省略して
いる。
【0018】図4は、アクチュエータ1の2つの構造体
A、Bのグリップ用圧電素子4a、4b及び移動用圧電
素子3a、3bに印加する電圧波形を示すもので、両移
動用圧電素子3a、3bに対しては、同一位相の三角波
波形の電圧を印加し、グリップ用圧電素子4aとグリッ
プ用圧電素子4bに対しては位相を逆転した略台形状の
電圧を印加する。圧電素子3a、3b、4a、4bに電
圧を印加していないアクチュエータ1の非動作中は、2
つの構造体A、Bは形状、寸法が同一であるから2つの
構造体A、Bのグリップ部10a、10a、及びグリッ
プ部10b、10bの間隔は同一であり、スライダ20
のグリップ板22、22によって両グリップ部10a。
10a、10b、10bは均等に押圧され、スライダ2
0はグリップ部10a、10a、10b、10bで保持
され停止している。
【0019】そこで、図4に示す用に各圧電素子に電圧
が印加されたとすると、まず、構造体Aのグリップ用圧
電素子4a、4aに略台形波の電圧が印加され、その結
果リンク12、12等の変位拡大機構を介してグリップ
部10a、10aは外方向に変位しスライダ20のグリ
ップ板22を押し開く。その結果、構造体Bのグリップ
部10b、10bは、当該構造体Bのグリップ用圧電素
子4bに電圧が印加されていないから、該グリップ部1
0b、10bとグリップ板22、22との当接が解かれ
リリース状態となり、スライダは構造体Aのグリップ部
10a、10aによってのみでグリップされることにな
る。なお、以下グリップ用圧電素子4に電圧が印加され
グリップ部10、10が外方向に変位する状態をグリッ
プ部が開くと表現し、グリップ用圧電素子4への電圧印
加が解かれグリップ部10、10が内方向に変位する状
態をグリップ部が閉じると表現する。
【0020】一方、構造体のAのグリップ用圧電素子4
aに電圧が印加されると略同時に移動用圧電素子3a、
3bに三角波形状の電圧が印加され、該電圧が上昇する
につれて移動用圧電素子3a、3bは伸長し、構造体A
のグリップ部10a、10aは、図1において右方向に
移動する。また、構造体Bのグリップ部10b、10b
は、構造体Bが構造体Aとは逆方向に配設されているか
ら左方向に移動する。構造体Aのグリップ部10a、1
0aはスライダ20をグリップし構造体Bのグリップ部
10b、10bはスライダ20をリリースしているか
ら、スライダ20は構造体Aのグリップ部10a、10
aと共に図1中右方向に移動する。
【0021】次に、構造体Aのグリップ用圧電素子4a
の電圧印加がオフになると共に構造体Bのグリップ用圧
電素子4bに電圧が印加され、構造体Bのグリップ部1
0b、10bは開き、スライダ20をグリップし、構造
体Aのグリップ部10a、10aは閉じ、スライダ20
をリリースする。これと同期して移動用圧電素子3a、
3bに印加される電圧が減少を開始すると、移動用圧電
素子3a、3bは縮小し構造体Aのグリップ部10a、
10aは左方向に移動し、構造体Bのグリップ部10
b、10bは右方向に移動する。スライダ20は構造体
Bのグリップ部10b、10bでグリップされ、構造体
Aのグリップ部10a、10aとはリリースされている
から、スライダ20は、図1において右方向に移動する
ことになる。以下この移動用圧電素子3a、3bに印加
する三角波電圧の1周期(グリップ用圧電素子4a、4
bへの電圧印加のオンオフを1周期)とする動作を、繰
り返すことによってスライダ20を図1において右方向
に長い距離移動させることができる。
【0022】また、グリップ用圧電素子4a、4bへの
電圧印加を逆相にすれば、すなわち、移動用圧電素子3
a、3bに印加する三角波電圧が上昇する区間に、構造
体Bのグリップ用圧電素子4bに電圧を印加し、構造体
Aのグリップ用圧電素子4aへの電圧印加をオフし、三
角波電圧が減少する区間に、構造体Bのグリップ用圧電
素子4bへの電圧印加をオフにし、構造体Aのグリップ
用圧電素子4aに電圧を印加すれば、スライダ20は図
1において左方向に移動することになる。
【0023】先に示した例で、圧電素子3、4に60V
の電圧を印加し、移動用圧電素子3が2μm変位し、印
加する電圧波形の周波数を1kHzとしたとき、スライ
ダ20の移動速度は4mm/secとなる。
【0024】図5は、本発明のリニア駆動機構のアクチ
ュエータを構成する構造体の別な形態を示すものであ
る。図1に示した構造体A若しくはBと同一構成の部分
は同一の符号を付している。この図5で示す構造体も金
属やプラスチック等の弾性材料で一体的に成形されたフ
レームと該フレームに固着された移動用圧電素子3、グ
リップ用圧電素子4で構成され、固定部Fの構成、モー
ション機構部Mの構成は図1で示す構造体A若しくはB
と同一であり、グリップ機構Gが異なるものである。グ
リップ機構部Gの基部8の両端からのびたアーム15、
15は略中間部に設けられた弾性ヒンジh5、h5より
先端側は幅広く内側に伸びて形成され、弾性ヒンジh
6、h6を介してグリップ用圧電素子4の伸縮方向の面
に固着されている。そして、上記アーム15、15の先
端外側端にはグリップ部16、16が設けられた構造と
なっている。この図5で示す構造体はグリップ用圧電素
子4の変位を拡大してグリップ部16、16に伝達する
変位拡大機構がシンプルに構成され、グリップ用圧電素
子4の変位を拡大してグリップ部16、16に伝達し、
グリップ部16、16を開閉される構成となっている。
【0025】この図5に示す構造体を図1の構造体A及
びBの代わりに用いてアクチュエータを構成しリニア駆
動機構を構成しても、このリニア駆動機構の動作は前述
した図1のアクチュエータで構成されるリニア駆動機構
と同一である。図6は、さらに別の構造体の構成を示す
図である。この構造体も固定部F、モーション機構部M
の構成は図1に示す構造体と同一であり、グリップ機構
部Gの構成が異なるものである。グリップ基部8の両側
に弾性ヒンジh7、h7を介してアーム17、17が伸
び、該アーム19、19の先端外側端にはグリップ部1
8、18が設けられ上記アームの内側はグリップ用圧電
素子4の伸縮方向端面が固着されている。グリップ用圧
電素子4の作動によってグリップ部18、18が開閉す
るもので、図1及び図5に示す構造体と比較しグリップ
圧電素子4の伸縮方向がグリップ部18、18の開閉方
向と同一方向となるようにグリップ用圧電素子4が配置
され、変位の拡大機構がない点で相違するものである。
この構造体では、変位拡大機構がないことからグリップ
圧電素子4の変位をグリップ部18、18に拡大して伝
達しないが、グリップ部の強度を大きくすることができ
る。グリップ用圧電素子4の変位がそのままグリップ部
18、18にそのまま伝達され、グリップ力はスライダ
20のグリップ板22、22のばね力によって決まり、
グリップ機構部の剛性を大きくする必要がないから、特
に小型のアクチュエータを構成する場合に適する。
【0026】この図6に示す構造体を図1の構造体A及
びBの代わりに用いてアクチュエータを構成しリニア駆
動機構を構成した場合も、このリニア駆動機構の動作は
前述した図1のアクチュエータで構成されるリニア駆動
機構と同一である。図7は、スライダの別の形態を示す
図で、図6(a)は正面図、図7(b)は側面図であ
る。このスライダ20は図2示すようなスライダにおい
てグリップ板22、22が薄くて撓み安い場合におい
て、アクチュエータの一方の構造体のグリップ部が開い
てグリップ板22、22を押し開いたとき、グリップ板
の撓みのために、他方の構造体の閉じているグリップ部
に当接し、リリース状態にならないことを避けるため
に、グリップ部が当接するグリップ板22、22の箇所
に補強板23、23を固着したものである。これによ
り、一方のグリップ部が開いたとき他方の閉じたグリッ
プ部とグリップ板の当接を解除しリリースを確実にする
ものである。また、上記補強板23、23はセラミック
などの固い素材で構成し磨耗を防止し信頼性を向上させ
ることができる。
【0027】以上のように本発明のリニア駆動機構は、
2つの構造体A、Bのグリップ用圧電素子4に電圧が印
加されずグリップ部10、10が閉じているときでも、
スライダ20のグリップ板22、22によってグリップ
部10,10は押圧され、グリップ力が発生している。
そのため、リニア駆動機構を停止した状態、すなわちア
クチュエータ1の駆動を停止した状態でもスライダ20
はフリーとならず保持されているから、スライダ20を
保持するためにブレーキ等を設ける必要はない。
【0028】また、一方の構造体のグリップ用圧電素子
4に電圧を印加しグリップ部を開く場合、グリップ部1
0、10はスライダ20のグリップ板22、22により
押圧されている状態から開くものであるから、グリップ
用圧電素子4の移動変位に対応するグリップ部の移動に
は、空走距離がなく、グリップ用圧電素子4の全移動変
位をグリップ力発生に寄与させることができる。グリッ
プ力はスライダのグリップ板22、22の弾性力によっ
て発生することから大きなグリップ力を発生させること
ができる。移動用圧電素子3の伸縮による力をグリップ
部10、10とグリップ板22、22の摩擦力を介して
スライダ20に伝達し移動させるものであるから、スラ
イダ20の推力はグリップ力にほぼ比例することにな
り、グリップ力が大きくなることによりスライダの推力
も大きくすることができる。
【0029】また、アクチュエータのグリップ機構部は
グリップ板の押圧力に対向できる強度を確保すればよい
ので、アクチュエータを小型化することができ、超小型
のリニア駆動機構を構成することができる。なお、アク
チュエータを構成する2つの構造体は、図1、図5、図
6で示した構造のもの以外にも、すでに、特願平6−1
29867号、特願平6−256050号で提案してい
る構造体で構成してもよい。また、アクチュエータを駆
動する駆動源として、上記例では、圧電素子を用いた
が、磁気の変化によって変形する磁歪素子、若しくは熱
によって変形する形状記憶合金等を圧電素子の代わりに
用いてもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明は、スライダのグリップ板がアク
チュエータのグリップ部を押圧する構造となっているの
で、グリップ部を駆動するグリップ用圧電素子の変位が
すべてグリップ力の増大として寄与するから、グリップ
力を大きくすることができる。その結果スライダの推力
を増大することができる。またグリップ部に磨耗が生じ
てもグリップ力は格別低下しない。そして、スライダの
グリップ板のばね力によってグリップ力を発生させるも
のであるから、アクチュエータの剛性を小さくすること
も可能になりアクチュエータの小型化が可能となる。そ
の結果リニア駆動機構自体を小型化することができる。
また、スライダのグリップ板でグリップ部を押圧する構
造とし、アクチュエータを構成する2つの構造体のグリ
ップ部で交互にグリップ板を押し開いてグリップしスラ
イダを移動させるものであるから、グリップ板間の距離
を正確に加工する必要はなく、加工も容易となる。さら
に、アクチュエータの駆動が停止している状態でもスラ
イダは2つの構造体のグリップでグリップされているか
らスライダはフリーとならず保持されることになり、ブ
レーキ装置を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリニア駆動機構の一実施形態のアクチ
ュエータの平面図である。
【図2】同実施形態におけスライダの正面図と側面図で
ある。
【図3】同実施形態の斜視図である。
【図4】同実施形態における圧電素子駆動電圧波形を示
す図である。
【図5】アクチュエータを構成する構造体の別な形態の
平面図である。
【図6】アクチュエータを構成する構造体の他の別な形
態の平面図である。
【図7】スライダのグリップ板に補強板を固着した形態
を示す図である。
【符号の説明】
1 アクチュエータ A 構造体 B 構造体 2 フレーム 3 移動用圧電素子 4 グリップ用圧電素子 5 取付孔 F 固定部 M モーション機構部 G グリップ機構部 10、16、18 グリップ部 h1〜h7 弾性ヒンジ 16 移動用圧電素子固定部 20 スライダ 21 基盤 22 グリップ板 23 補強板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライダをグリップするグリップ部を有
    し該グリップ部をスライダの移動方向に対して直角方向
    に開閉させるグリップ用圧電素子と、上記グリップ部を
    スライダの移動方向に往復動させると移動用圧電素子と
    を備える構造体を2個1組としてアクチュエータを構成
    し、少なくとも1つのアクチュエータをベースに併設
    し、上記スライダは該スライダの移動方向に平行に配置
    されたグリップ板を有し、該グリップ板は上記2つの構
    造体のグリップ部を押圧するようにばね力が付与され、
    どちらか一方の構造体のグリップ部がグリップ用圧電素
    子の作用により上記グリップ板のばね力に抗してグリッ
    プ板を移動させたとき、他方の構造体のグリップ用圧電
    素子の作用を逆の状態にしてグリップ部とグリップ板と
    の接触を解き、グリップ部がグリップ板を押圧している
    構造体の移動用圧電素子の作用によってグリップ部を移
    動させてスライダを移動させるリニア駆動機構。
  2. 【請求項2】 上記構造体は上記グリップ用圧電素子の
    作動による該グリップ用圧電素子の変位を拡大してグリ
    ップ部に伝達する拡大機構を備える請求項1記載のリニ
    ア駆動機構。
  3. 【請求項3】 上記構造体のグリップ部は該上記構造体
    をベースに固定する固定部に対して揺動可能とし、グリ
    ップ部がスライダの移動方向と垂直な方向に移動できる
    ようにした請求項1又は請求項2記載のリニア駆動機
    構。
  4. 【請求項4】 上記構造体は一体的に形成されたフレー
    ムにグリップ用圧電素子および移動用圧電素子が取り付
    けられている請求項1、請求項2又は請求項3記載のリ
    ニア駆動機構。
  5. 【請求項5】 上記スライダのグリップ板にはグリップ
    部が当接する位置に補強板が固着されている請求項1、
    請求項2、請求項3又は請求項4記載のリニア駆動機
    構。
  6. 【請求項6】 上記グリップ用又は移動用の圧電素子に
    代えてどちらか一方、若しくは両方を磁気の変化によっ
    て変形する磁歪素子を用いる請求項1乃至請求項5の内
    いずれか1項に記載のリニア駆動機構。
  7. 【請求項7】 上記グリップ用又は移動用の圧電素子に
    代えてどちらか一方、若しくは両方を熱によって変形す
    る形状記憶合金を用いる請求項1乃至請求項5の内いず
    れか1項に記載のリニア駆動機構。
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