JPH09120711A - スルーホール基板穴埋め用導体ペースト - Google Patents

スルーホール基板穴埋め用導体ペースト

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JPH09120711A
JPH09120711A JP30080095A JP30080095A JPH09120711A JP H09120711 A JPH09120711 A JP H09120711A JP 30080095 A JP30080095 A JP 30080095A JP 30080095 A JP30080095 A JP 30080095A JP H09120711 A JPH09120711 A JP H09120711A
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JP
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copper
filling
polymer
hole
weight
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Application number
JP30080095A
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English (en)
Inventor
Masato Kawahara
正人 川原
Masayuki Ogino
昌幸 荻野
Toru Noguchi
徹 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • H05K1/092Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/40Forming printed elements for providing electric connections to or between printed circuits
    • H05K3/4038Through-connections; Vertical interconnect access [VIA] connections
    • H05K3/4053Through-connections; Vertical interconnect access [VIA] connections by thick-film techniques
    • H05K3/4061Through-connections; Vertical interconnect access [VIA] connections by thick-film techniques for via connections in inorganic insulating substrates

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  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導体をセラミックス基板に設けたスルーホー
ルを穴埋めしてスルーホールに固着することができ、か
つ導体の電気抵抗値を低下させたスルーホール基板穴埋
め用導体ペーストを提供する。 【解決手段】 セラミックス基板に設けたスルーホール
に穴埋し、焼成することにより固着することができるス
ルーホール基板穴埋め用導体ペーストである。この該導
体ペーストは、超微粒子化した銅酸化物、銅、もしくは
これらの混合物を高分子内に凝集することなく分散させ
て得られた高分子複合物と、平均粒子径範囲1〜10μ
mのベース銅粉を主にしこれにより平均粒子径範囲の小
さい補助銅粉を少なくとも1種類以上添加した混合銅粉
と、ごく少量のガラス粉末と、有機溶剤からなり、上記
高分子と有機溶剤からなる有機分が2〜16重量%の範
囲にあって、しかも含有している全ての銅粉と超微粒子
化した銅酸化物、銅、もしくはこれらの混合物の合計量
が84〜98重量%の範囲にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスルーホール基板穴
埋め用導体ペーストに係り、詳しくはセラミックス基板
に設けたスルーホールを穴埋めし、焼成することにより
固着することができるスルーホール基板穴埋め用導体ペ
ーストに関する。
【0002】
【従来の技術】基板に設けた貫通穴であるスルーホール
に導体を穴埋めするために、導体ペーストが用いられて
いる。この導体ペーストとしては、銀とパラジウムを主
成分とするAg−Pd系ペーストを始め、銀系ペース
ト、金系ペースト、銀と白金を主成分とするAg−Pt
系ペースト、銅系ペーストがある。
【0003】このうち、Ag−Pd系ペーストは配線用
途として代表的なものであるが、いくつかの不具合点も
備えている。例えば、ペーストを基板上の配線に使用し
た場合、空気中の水分などを介して銀がイオン化し、こ
のイオン化した銀が隣の導体路へ移行して回路をショー
トさせるマイグレーションと呼ばれる現象が発生してい
た。このため、導体路間の距離を狭くできなかった。ま
た、導体路上に他の部品を搭載したり接続するためのハ
ンダ付け部分では、銀がハンダに浸食されやすく、耐ハ
ンダ性が劣っていた。
【0004】また、上記ペーストを基板へ接着する場合
には、本来ミクロンサイズの金属微粒子は、セラミック
ス基板と反応接着することができないために、ペースト
内に約4〜10重量%のガラスフリットを配合し、印刷
後基板にあるガラスフリットが焼成後に基板と金属膜と
を接着する役割を与えていた。しかし、その反面ガラス
フリットが焼成後の金属膜内にも多量に残存するため、
金属膜の電気抵抗値が高くなり、またガラス層で金属膜
と基板とを接着しているため、熱膨張差による歪みが出
やすくなって、熱衝撃性が弱くなると言った問題が発生
した。
【0005】このような不具合点を一部解消したペース
トとして銅系ペーストが知られている。このペースト
は、例えば特開昭60−70746号公報に記載されて
いるように、銅、ガラスフィリット、そしてタングステ
ン、モリブデン、レニウム等の非銅系物質を有機溶媒中
に分散させた組成からなっており、また特公平3−50
365号公報に記載されているように、銅酸化物を被覆
した金属銅粒子、銅酸化物粒子、ガラス等のガラス粉体
を有機溶媒中に分散させた組成からなっている。
【0006】また、他のスルーホールを穴埋めした基板
の製造方法としては、アルミナのスルーホールにタング
ステンを埋設したものを同時に焼成する方法が提案され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記銅系ペーストもガ
ラス粉体として好ましくは4〜10重量%の多くのガラ
スフリットを添加して基板と導体との接着の役割を果し
ている。しかし、上記ペーストをスルーホールの中に穴
埋めした後に焼成してこの中を充填する場合には、ガラ
スフリットが焼成後のスルーホール中の導体内に多量に
残存するために導体の電気抵抗値が高く、更に導体と基
板との界面に存在するガラス層が熱膨張差による歪みが
出やすくて耐熱性や耐熱衝撃性が弱く、充填された導体
がスルーホールに付着しない問題があった。この耐熱衝
撃性は、導体をもつ基板を低温雰囲気から高温雰囲気
へ、またその逆方向へ繰り返し移動させた後における導
体と基板との接着力から評価される。
【0008】また、上記ガラスフリットも低い軟化点を
有する硼珪酸鉛ガラスが使用されていることから、酸化
防止やAuワイヤボンディングのために行うメッキ工程
では、上記ガラス内の鉛がメッキを阻害していた。更
に、タングステンを埋設したものを同時に焼成して得た
基板は、メッキ等の後加工がしにくい問題が指摘されて
いる。
【0009】本発明は、このような問題点を改善するも
のであり、導体をセラミックス基板に設けたスルーホー
ルに穴埋めできるとともに、スルーホールに固着するこ
とができ、かつ導体の電気抵抗値を低下させたスルーホ
ール基板穴埋め用導体ペーストを提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、セラミ
ックス基板に設けたスルーホールに穴埋し、焼成するこ
とにより固着することができるスルーホール基板穴埋め
用導体ペーストにおいて、該導体ペーストが、超微粒子
化した銅酸化物、銅、もしくはこれらの混合物を高分子
内に凝集することなく分散させて得られた高分子複合物
と、平均粒子径範囲1〜10μmのベース銅粉を主にし
これにより平均粒子径範囲の小さい補助銅粉を少なくと
も1種類以上添加した混合銅粉と、有機溶剤からなり、
上記高分子と有機溶剤からなる有機分が2〜16重量%
の範囲にあり、しかも含有している全ての銅粉と超微粒
子化した銅酸化物、銅、もしくはこれらの混合物の合計
量が84〜98重量%の範囲にある。
【0011】本発明は、ガラス粉末が全ての銅粉と超微
粒子化した銅酸化物、銅、もしくはこれらの混合物の合
計量100重量部に対して0.1〜1.5重量部添加さ
れる場合や、高分子複合物が熱力学的に非平衡化した高
分子層を作製し、この高分子層の表面に銅の金属層を密
着した後、上記高分子層を加熱して高分子層を安定化さ
せることで該金属層から超微粒子化した銅酸化物、銅、
もしくはこれらの混合物の超微粒子を高分子内に凝集さ
せることなく分散させることによって得られた場合を含
む。
【0012】また、本発明はセラミックス基板に設けた
スルーホールに穴埋し、焼成することにより固着するこ
とができるスルーホール基板穴埋め用導体ペーストにお
いて、該導体ペーストが、粒径100nm以下の超微粒
子化した銅酸化物、銅、もしくはこれらの混合物と、平
均粒子径範囲1〜10μmのベース銅粉を主にしこれに
より平均粒子径範囲の小さい補助銅粉を少なくとも1種
類以上添加した混合銅粉と、有機溶剤からなり、上記高
分子と有機溶剤からなる有機分が2〜16重量%の範囲
にあり、しかも含有している全ての銅粉と超微粒子化し
た銅酸化物、銅、もしくはこれらの混合物の合計量が8
4〜98重量%の範囲にある場合や、ガラス粉末が全て
の銅粉と超微粒子化した銅酸化物、銅、もしくはこれら
の混合物の合計量100重量部に対して0.1〜1.5
重量部添加されている場合も含む。
【0013】
【作用】本発明のスルーホール基板穴埋め用導体ペース
トでは、粒径100nm以下の銅酸化物の超微粒子が高
分子との相互作用によりペースト中で分離や分散が起こ
らず、平均粒子径範囲の異なった混合銅粉を添加するこ
とにより、含有している全ての銅粉と超微粒子化した銅
酸化物、銅、もしくはこれらの混合物の合計量が84〜
98重量%の範囲にすることにより、補助銅粉がベース
銅粉の配列により生じる間隙や空隙を充填し、内部欠陥
がなく、焼き締まりも良好な導体を得ることができる。
しかも、上記高分子と有機溶剤からなる有機分が2〜1
6重量%の範囲に設定されて導体ペーストの粘度が調節
されているために、スルーホールに充填しやすく、しか
もスルーホールに充填されたペーストの焼成後の体積変
化も少ないことから穴埋め性が良好で、しかも高水準の
接着力が維持できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における導体ペーストの第
1の成分となる高分子複合物は、熱力学的に非平衡化し
た高分子層を作製し、この高分子層の表面に少なくとも
銅金属を密着した後、上記高分子層を加熱して高分子層
を安定化させることで銅金属から粒径が100nm以
下、好ましくは1〜50nmの超微粒子化したCu2
あるいはCuOからなる銅酸化物、銅、もしくはこれら
の混合物を高分子内に凝集させることなく分散させたも
のである。銅酸化物の超微粒子の含有量は90重量%以
下、好ましくは10〜90重量%である。超微粒子の銅
酸化物、銅、もしくはこれらの混合物は低温で高反応性
を有しており、銅粉同志の焼結を促進させるとともに、
基板と反応接着して接着力の大きな導体膜を形成する。
【0015】上記高分子複合物を得る場合において、高
分子層を熱力学的に非平衡化した状態に成形する必要が
ある。具体的には、これは高分子を真空中で加熱して融
解し蒸発させて基板の上に高分子層を固化する真空蒸着
方法、あるいは熱分解法、高分子を融解温度以上で融解
し、この状態のまま直ちに液体窒素等に投入して急冷
し、基板の上に高分子層を付着させる融解急冷固化方法
などがある。
【0016】そのうち真空蒸着方法の場合には、通常の
真空蒸着装置を使用して10-4〜10-6Torrの真空
度、蒸着速度0.1〜100μm/分、好ましくは0.
5〜5μm/分で、ガラス等の基板の上に高分子層を得
ることができる。
【0017】熱分解法は、減圧下にある閉鎖した空間で
原材料である高分子を熱分解して気化し、この気化物を
固化することで熱力学的に非平衡化した状態(準安定構
造を有する)再生高分子を製造する方法であり、投入し
た所定量の高分子を熱分解して気化した後、この気化物
を加熱処理領域で再生高分子に凝集し、凝集しなかった
気化物を冷却領域にてオイル状の低分子量物に凝集する
ことにより、オイル状の低分子量物が混在しない再生高
分子を得る方法である。
【0018】また、融解急冷固化方法では、高分子を融
解し、該高分子固有の臨界冷却速度以上の速度で冷却し
て高分子層を得る。このようにして得られた高分子層は
熱力学的に不安定な非平衡化した状態におかれ、時間の
経過につれて平衡状態へ移行する。
【0019】本発明で使用する高分子は、例えばナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン69、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリビニルアルコール、ポリフェニレンスルフィド(P
PS)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート、ポ
リメチルメタクリレート等であって、分子凝集エネルギ
ーとして2000cal/mol以上有するものが好ま
しい。この高分子は、通常言われている結晶性高分子や
非晶性高分子も含む。尚、分子凝集エネルギーについて
は、日本化学会編 化学便覧応用編(1974年発行)
の第890頁に詳細に定義されている。
【0020】続いて、前記熱力学的に非平衡化した高分
子層は、その表面に銅の金属層を密着させる工程へと移
される。この工程では真空蒸着装置によって銅の金属層
を高分子層に蒸着させるか、もしくはその金属箔、金属
板を直接高分子層に密着させる等の方法で銅の金属層を
高分子層に積層させる。
【0021】上記銅の金属層と高分子層とが密着した複
合物を、高分子のガラス転移点以上、流動温度以下の温
度で加熱して高分子層を安定状態へ移行させる。その結
果、銅の金属層は、100nm以下で、1〜50nmの
領域に粒子径分布の最大をもつ銅酸化物、銅、もしくは
これらの混合物の超微粒子となって高分子層内へ拡散浸
透し、この状態は高分子層が完全に安定するまで続き、
高分子層に付着している銅の金属層はその厚さも減少し
て最終的に無くなる。上記超微粒子は凝集することなく
高分子層内に分布している。尚、この工程で高分子層を
加熱すると、高分子層が銅酸化物、銅、もしくはこれら
の混合物の超微粒子との相互作用で固有の着色を示し、
上記超微粒子が高分子層内へ浸透していることがわか
る。また、この色は銅酸化物、銅、もしくはこれらの混
合物からなる超微粒子の粒子径、高分子の種類により変
化しうる。
【0022】本発明では、高分子複合物の製造方法は上
記の方法だけでなく、例えば溶融気化法に属する気相
法、沈殿法に属する液相法、固相法、分散法で銅酸化
物、銅、もしくはこれらの混合物の超微粒子を作製し、
この超微粒子を溶液あるいは融液からなる高分子と機械
的に混合する方法、あるいは高分子と超微粒子とを同時
に蒸発させ、気相中で混合する方法等がある。
【0023】また、粒径100nm以下の超微粒子化し
た銅酸化物、銅もしくはこれらの混合物を溶剤中に分散
させたものを使用することができる。これはチャンバ内
にヘリウム不活性ガスを導入して銅を蒸発させて、不活
性ガスとの衝突により冷却させて凝縮して得られるが、
この場合生成直後の粒子が孤立状態にある段階でα−テ
レピネオール等の有機溶剤の蒸気を導入して粒子表面を
被覆したものである。上記超微粒子の添加量は、任意に
選択することができ、特に制限されない。
【0024】また、本発明の導体ペーストの第2の成分
である混合銅粉は、平均粒子径1〜10μmの銅粉をベ
ースにし、これより平均粒子径範囲の小さい補助銅粉を
少なくとも1〜3種類以上添加したものである。具体的
な混合銅粉は、平均粒子径範囲2〜10μmで最も平均
粒子径が大きいベース銅粉と、平均粒子径範囲1〜2μ
mで次に平均粒子径が大きい第1の補助銅粉と、そして
平均粒子径範囲0.5〜1μmで最も平均粒子径が小さ
い第2の補助銅粉から構成されている。この混合銅粉で
は、混合銅粉中、ベース銅粉が80〜98重量%に対し
て第1の補助銅粉が1〜19重量%、第2の補助銅粉が
1〜19重量%になっている。特に、補助銅粉について
は、これに限定されることなく、平均粒子径範囲0.5
μm以下の第3の補助銅粉を使用してもよい。
【0025】上記補助銅粉の各銅粉は、比較的球形に近
いものが望ましい。これは各銅粉が空隙を少なくして配
列するためである。平均粒子径の異った銅粉を使用する
と、平均粒子径の小さな補助銅粉が平均粒子径の最も大
きなベース銅粉が配列したときに生じる隙間や空隙を充
填するため、焼成後の導体は内部欠陥が少なく、焼き締
まりも良好になる効果がある。
【0026】ベース銅粉の平均粒子径が10μmを超え
るにつれ、酸化の影響を受けにくく焼成条件設定が広く
なるが、低い温度では充分に焼結せず焼き締まり不足が
生じて導体と基板との接着力が低下する。また、インク
ロール工程で銅粉がつぶれてしまって銅箔状となり、ス
クリーン印刷時にメッシュずまりが発生することがあ
る。一方、ベース銅粉の平均粒子径が1μm未満では、
混合銅粉の総粒子面積が大きくなり過ぎて、酸化の影響
が大きくなり、電気抵抗値が高くなる。
【0027】ベース銅粉の添加量が98重量%を超える
と、低い温度では充分に焼結せずに焼き締まり不足が生
じて導体と基板、またスルーホールとの接着力が低下
し、一方80重量%未満では混合銅粉の総粒子面積が大
きくなり過ぎることになり、前述と同様の不具合が起こ
る。尚、補助銅粉はベース銅粉が配列したときに生じる
間隙や空隙を充填するために添加するものであり、その
平均粒子径と添加量はベース銅粉のそれらに大きく影響
を受ける。
【0028】本発明の導体ペーストの第3の成分である
溶媒としては、メタクレゾール、ジメチルイミダゾリジ
ノン、ジメチルホルムアミド、カルビトール、ターピノ
ール、ジアセトンアルコール、トリエチレングリコー
ル、パラキシレン等の高沸点の有機溶剤である。
【0029】本発明に添加される第4の成分であるガラ
ス粉末は、導体のひび割れを改善したり、焼き締めを改
善する補助的な役割を担持させるために添加してもよ
い。このガラス粉末は、鉛を含有しておらず、平均粒径
1〜10μmで軟化点200〜700°Cを有してお
り、その添加量は全ての銅粉と超微粒子化した銅酸化
物、銅、もしくはこれらの混合物の合計量100重量部
に対して0.1〜1.5重量部が好ましい。1.5重量
部を超えると、ガラス粉末が焼成後の導体内に残存する
ため、導体の電気抵抗値が上昇する傾向があり、また導
体と基板との界面にガラス層が形成さ、熱膨張による歪
みをおこしやすく、熱衝撃性が弱くなる。一方、0.1
未満では、導体のひび割れや焼き締めの改善が期待でき
ない。
【0030】そして、本発明の導体ペーストは、高分子
複合物の高分子と有機溶剤からなる有機分が2〜16重
量%の範囲にある。有機分が2重量%未満の場合には、
導体ペーストの粘度が高くなり、スルーホールに充填さ
れにくくなり、また有機分が14重量%を超えると、ス
ルーホールに充填されたペーストが焼成により収縮する
ため、穴埋め性が悪くなる。
【0031】また、含有している全ての銅粉と超微粒子
化した銅酸化物、銅、もしくはこれらの混合物が84〜
98重量%の範囲にある。98重量%を超えると、ペー
ストが高粘度となり焼き締まり不足が生じて導体と基
板、またスルーホールとの接着力が低下し、一方84重
量%未満ではスルーホールに充填されたペーストが焼成
により収縮するために、前述と同様の不具合が起こる。
【0032】このようにして得られた導体ペーストは、
アルミナ、窒化アルミ、炭化珪素、窒化珪素、サイアロ
ン、チタン酸バリウム、PBZT等のセラミクス基板に
スクリーン印刷等の方法で塗布される。スクリーン印刷
の手順は、水平に置かれたスクリーン(例えば、ステン
レス平織物、300メッシュ)の下に、数ミリメートル
の間隔をもたせて印刷基板を設置する。このスクリーン
の上に導体ペーストをのせた後、スキージーを用いてス
クリーン全面に広げる。この時には、スクリーンと印刷
基板とは間隔を有している。続いて、スクリーンが印刷
基板に接触する程度にスキージーでスクリーンを押さえ
付けて移動させ、印刷をする。以後これを繰り返す。
【0033】これを100〜200°Cに設定したオー
ブンに入れて乾燥する。この工程では、この設定温度か
ら300°Cまで昇温速度2〜20°C/分で徐々に上
昇させた後、この温度で最大60分間保持し、この間に
有機成分の分解挙動を調整する。これが終わると、基板
をベルト炉に入れ、窒素中、600〜1000°Cの温
度で5〜20分間(ピーク保持時間)焼成し、銅粉を焼
結させるとともに基板と反応接着させる。
【0034】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例により更に詳
細に説明する。 実施例1〜3、比較例1 (高分子複合物の作製)真空蒸着装置を用いて、ナイロ
ン11のポリマーペレット5gをタングステンボード中
に入れ、10-6Torrに減圧する。次いで、電圧を印
加してタングステンボードを真空中で加熱してポリマー
を融解させ、取り付け台の上部に設置した基板(ガラス
板)上に、10-4〜10-6Torrの真空度で約1μm
/分の速度で厚さ約5μmの蒸着膜の高分子層を得た。
この高分子層の分子量は前記ポリマーペレットの1/2
〜1/10程度になっている。
【0035】更に、銅チップをハース中に入れて電子ビ
ームにより加熱融解して10-4〜10-6Torrの真空
度で蒸着を行って高分子層の上に銅蒸着膜を付着させ
た。これを真空蒸着装置から取り出し、120°Cに保
持した恒温槽中に10分間放置して複合物を得た。その
結果、この高分子複合物にはCu2 Oが40重量%含有
し、その粒径は1〜15nmであった。
【0036】(導体ペーストの作製)前記Cu2 Oを4
0重量%含有する高分子複合物、混合銅粉、そしてガラ
ス粉を表1に示すように混合した。混合銅粉としてベー
ス銅粉と2種類の補助銅粉からなる3種を使用した。こ
れらを有機溶剤であるメタクレゾール中に混合攪拌し溶
解させた後、更にインクロールにて均一に混合すること
によって茶色の導体ペーストを作製した。得られた導体
ペースト中の有機分は表1に示している。
【0037】(導体の作製)導体ペーストをステンレス
300のスクリーンを用いて直径0.3、0.4、そし
て0.5mmの3種のスルーホールをそれぞれ複数個有
するアルミナ基板上にスクリーン印刷して、スルーホー
ル内に導体ペーストを押し込んだ。これを80°Cに設
定したオーブンに入れ、260°Cまで昇温速度5°C
/分で昇温し、15分間保持して乾燥した。その後、基
板をベルト炉に入れ、窒素中で酸素濃度0〜10pp
m、850°Cの焼成温度でピーク保持時間15分間焼
成して導体を充填したスルーホール基板を作製した。
【0038】(評価方法)焼成後の導体の接着力および
導体の電気抵抗値を以下の方法で測定した。 1.焼成後の導体膜の接着力(L型ピール強度) 導体の表面に直径0.6mmのスズメッキ銅線を2mm
×2mmの大きさでハンダ付して固定し、垂直に折り曲
げた銅線の付着力をバネ計りで計測し基板と導体間の接
着力を求めた。 2.穴埋め性 スルーホールの穴埋め部を顕微鏡で観察した。評価は三
段階で、◎は優、○は良、△は不良である。 3.スルーホール穴埋め部の接着性 スルーホール穴埋め部をテーバー摩耗試験機にて100
0回摩耗した後の状態を肉眼で観察した。評価は三段階
で、◎は優、○は良、△は不良である。 4.導体の電気抵抗値 スルーホールに充填している厚さ0.635mm、直径
0.3mmの導体を用いて、二探針法により電気抵抗値
を測定した。上記の評価方法によって得られた結果を表
1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】この結果によると、実施例は有機分が2〜
16重量%の範囲になっているため、スルーホールに充
填しやすく、しかもスルーホールに充填されたペースト
は、焼成後、穴埋め性が良好で、しかも接着力も良好で
ある。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明のスルーホール基
板穴埋め用導体ペーストでは、補助銅粉がベース銅粉の
配列により生じる間隙や空隙を充填し、内部欠陥がな
く、焼き締まりも良好な導体を得ることができ、しかも
上記高分子と有機溶剤からなる有機分が所定範囲に設定
されて導体ペーストの粘度が調節されているために、ス
ルーホールに充填しやすく、しかもスルーホールに充填
されたペーストは穴埋め性が良好で、電気抵抗値が小さ
く、接着力も良好で、しかもチップ部分の発熱を停滞さ
せずに逃がすことができ、このペーストで穴埋めされた
基板はチップ・サイズ・パッケージ基板等に適用できる
効果がある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス基板に設けたスルーホール
    に穴埋し、焼成することにより固着することができるス
    ルーホール基板穴埋め用導体ペーストにおいて、該導体
    ペーストが、超微粒子化した銅酸化物、銅、もしくはこ
    れらの混合物を高分子内に凝集することなく分散させて
    得られた高分子複合物と、平均粒子径範囲1〜10μm
    のベース銅粉を主にしこれにより平均粒子径範囲の小さ
    い補助銅粉を少なくとも1種類以上添加した混合銅粉
    と、有機溶剤からなり、上記高分子と有機溶剤からなる
    有機分が2〜16重量%の範囲にあり、しかも含有して
    いる全ての銅粉と超微粒子化した銅酸化物、銅、もしく
    はこれらの混合物の合計量が84〜98重量%に範囲に
    あることを特徴とするスルーホール基板穴埋め用導体ペ
    ースト。
  2. 【請求項2】 ガラス粉末が全ての銅粉と超微粒子化し
    た銅酸化物、銅、もしくはこれらの混合物の合計量10
    0重量部に対して0.1〜1.5重量部添加されている
    請求項1記載のスルーホール基板穴埋め用導体ペース
    ト。
  3. 【請求項3】 高分子複合物が熱力学的に非平衡化した
    高分子層を作製し、この高分子層の表面に銅の金属層を
    密着した後、上記高分子層を加熱して高分子層を安定化
    させることで該金属層から超微粒子化した銅酸化物、
    銅、もしくはこれらの混合物の超微粒子を高分子内に凝
    集させることなく分散させることによって得られた請求
    項1または2記載のスルーホール基板穴埋め用導体ペー
    スト。
  4. 【請求項4】 セラミックス基板に設けたスルーホール
    に穴埋し、焼成することにより固着することができるス
    ルーホール基板穴埋め用導体ペーストにおいて、該導体
    ペーストが、粒径100nm以下の超微粒子化した銅酸
    化物、銅、もしくはこれらの混合物と、平均粒子径範囲
    1〜10μmのベース銅粉を主にしこれにより平均粒子
    径範囲の小さい補助銅粉を少なくとも1種類以上添加し
    た混合銅粉と、有機溶剤からなり、上記高分子と有機溶
    剤からなる有機分が2〜16重量%の範囲にあり、しか
    も含有している全ての銅粉と超微粒子化した銅酸化物、
    銅、もしくはこれらの混合物の合計量が84〜98重量
    %の範囲にあることを特徴とするスルーホール基板穴埋
    め用導体ペースト。
  5. 【請求項5】 ガラス粉末が全ての銅粉と超微粒子化し
    た銅酸化物、銅、もしくはこれらの混合物の合計量10
    0重量部に対して0.1〜1.5重量部添加されている
    請求項4記載のスルーホール基板穴埋め用導体ペース
    ト。
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