JPH09120047A - 映像投射装置 - Google Patents

映像投射装置

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JPH09120047A
JPH09120047A JP7276074A JP27607495A JPH09120047A JP H09120047 A JPH09120047 A JP H09120047A JP 7276074 A JP7276074 A JP 7276074A JP 27607495 A JP27607495 A JP 27607495A JP H09120047 A JPH09120047 A JP H09120047A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LCDパネルを照明する際に中央と周辺との
明るさの差を解決し、画面上の色の不均一性を解消して
より美しい投射画像を得る。 【解決手段】 光源部1から出射された光束は偏光ビー
ムスプリッタ2を透過した後に、光拡散素子4に照射さ
れる。光拡散素子4は偏光ビームスプリッタ2からの光
束の中で最も明るい部分をプリズム4aで屈折発散させ
るとともに、偏光ビームスプリッタ2に配置された1/
2波長板3を透過した光束をプリズム4b,4cで屈折
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は映像投射装置に関
し、特に光源部からの光束を映像表示体に照射し、映像
表示体を透過した光束を投射レンズによってスクリーン
上に拡大投影する映像投射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の映像投射装置としては、
液晶プロジェクタ(LCD・PJ:Liquid Cr
ystal Display Device ・ Pr
ojector)がある。
【0003】この液晶プロジェクタでは、図8に示すよ
うに、光源部1と、偏光ビームスプリッタ(PBS:P
olarized light Beam Split
ter)2と、集光用コンデンサレンズ11と、偏光板
12と、LCDパネル13と、検光板14と、投射レン
ズ16とから構成されている。
【0004】光源部1から出射された光束は偏光ビーム
スプリッタ2を通して集光用コンデンサレンズ11に照
射され、集光用コンデンサレンズ11で平行光束が収束
される。集光用コンデンサレンズ11で収束された光束
は偏光板12で無偏光成分が一定方向の振動偏光のみに
分離される。この場合、偏光板12で振動偏光のみに分
離された時に透過しなかった残りの偏光成分は偏光板1
2上で熱となって残留する。
【0005】偏光板12で任意の偏光に分離されて、振
動偏光のみとなった光束はLCDパネル13に照射され
る。LCDパネル13では液晶ライトバルブの効果によ
って画素単位で光を透過または遮断することで、任意の
画像を表現する。
【0006】LCDパネル13を透過した光は検光板1
4を透過し、投射レンズ15を通して図示せぬ前方スク
リーンに投影される。これによって、LCDパネル13
で表現された任意の画像が前方スクリーン上に投影され
る。ここで、検光板14は偏光板12の偏光方向が90
度変位した別の偏光板である。
【0007】偏光ビームスプリッタ2は光源部1として
高出力の光源ランプを使用する際に、偏光板12を透過
しなかった残りの偏光成分が熱となって残留する時の高
熱から偏光板12を守るために光源部1の出射部直後に
配置される。
【0008】すなわち、偏光ビームスプリッタ2は、図
10に示すように、プリズム2a,2bを貼り合わせる
際にその貼り合わせ面2cに特殊なコートを施したもの
であり、入射光20を偏光方向の異なる2つの偏光成分
に分離する。
【0009】この2つの偏光成分の光のうち、通常、貼
り合わせ面2cを透過する偏光をP波21、貼り合わせ
面2cで反射する偏光をS波22と呼ぶ。偏光ビームス
プリッタ2はこの偏光分離を行うことで、偏光板12の
熱負担を軽減している。
【0010】一方、前方スクリーンでカラー表示を行う
ための方式としては単板方式と三板方式とがある。単板
方式はLCDパネル13表面に画素単位で三原色(RG
B)に分けたカラーフィルタを貼り付けことでカラー表
示を行う。
【0011】また、三板方式は、図9に示すように、ダ
イクロイックミラー16a,16bと全反射ミラー18
aとRGB3色に対応するLCDパネル13a〜13c
とで白色光をRGB3色に分離し、ダイクロイックミラ
ー17a,17bと全反射ミラー18bとで合成して投
射レンズ15から投射することでカラー表示を行う。
【0012】偏光ビームスプリッタ2において分離され
たS波22を再利用する方法としては、図11に示すよ
うに、偏光ビームスプリッタ2の貼り合わせ面で反射し
たS波22の出射面側に反射ミラー23を配置するとと
もに、反射ミラー23のLCDパネル13側に1/2波
長板3を配置する。
【0013】これによって、偏光ビームスプリッタ2の
貼り合わせ面で反射したS波22は反射ミラー23でL
CDパネル13側に反射され、1/2波長板3を透過す
ることで、その偏光方向がP波21の偏光方向に変位さ
れ、LCDパネル13において照明光として再利用され
る。この照明光としての再利用によって、一層明るい画
面を実現することができる。
【0014】上記のような技術としては、液晶表示素子
の偏光板による光の利用効率の低下を改善し、明るい拡
大画像を得るために、偏光ビームスプリッタで分離した
P波とS波とのうちいずれか一方を他方に変換するため
の2個の直角プリズムと、偏光ビームスプリッタ及び2
個の直角プリズムから出射される光を拡大して液晶表示
素子上で合成する2枚の偏心レンズとを配置した例が、
特開平5−323236号公報に開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の映像投
射装置では、光源部からの光束でLCDパネルを照明し
た場合、パネルの中央と周辺(特に端部)とおいて照明
光の明るさに差が生ずる。そのため、単色画面等(特に
白)を映した場合には見た目にも照明光の明るさの差
(輝度差)によって画面上の色の均一性が損なわれてし
まう。
【0016】特に、高出力かつ指向性の高い光源ランプ
を用いると、この現象が顕著に現れる。そのため、LC
Dパネルを照明する際に、その中央と周辺との明るさの
差を解決することが課題となっている。
【0017】現在のところ、この課題は光源部内のラン
プ発光管表面に擦りガラス処理(フロスト)を施すこと
でLCDの照明を均一化して対処している。すなわち、
光源部として、図12に示すようなフロストランプを用
いることで上記の課題に対処している。
【0018】このフロストランプでは発光管表面24が
擦りガラス状になっており、発光管内部の発光部25か
ら出射された光を発光管表面24で乱反射させてLCD
の照明を均一化させている。
【0019】その場合、発光部25から出射された光は
発光管表面24で進行方向が無差別となるので、意識的
にLCDパネルの部分的な照明効率を上げることは困難
である。また、発光部25から出射された光は発光管表
面24を透過することで光の利用効率も低下する。
【0020】そこで、本発明の目的は上記の問題点を解
消し、LCDパネルを照明する際に中央と周辺との明る
さの差を解決することができ、画面上の色の不均一性を
解消してより美しい投射画像を得ることができる映像投
射装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明による映像投射装
置は、光源部からの光束を映像表示体に照射し、前記映
像表示体を透過した光束を投射レンズによってスクリー
ン上に拡大投影する映像投射装置であって、前記光源部
と前記映像表示体との間に配設されかつ前記光源部から
の光束の中央部を拡散する光拡散素子を備えている。
【0022】本発明による他の映像投射装置は、上記の
構成のほかに、前記光拡散素子の周辺部に配設されかつ
前記光源部からの光束を屈折させて前記映像表示体に照
射するプリズムを具備している。
【0023】本発明による別の映像投射装置は、光源部
からの無偏光成分の光束を偏光変換素子で偏光方向の異
なる2つの偏光成分に分離してから再合成して映像表示
体に照射し、前記映像表示体を透過した光束を投射レン
ズによってスクリーン上に拡大投影する映像投射装置で
あって、前記偏光変換素子と前記映像表示体との間に配
設されかつ前記偏光変換素子からの光束の中央部を拡散
する光拡散素子を備えている。
【0024】本発明によるさらに別の映像投射装置は、
上記の構成のほかに、前記光拡散素子の周辺部に配設さ
れかつ前記偏光変換素子からの光束を屈折させて前記映
像表示体に照射するプリズムを具備している。
【0025】
【発明の実施の形態】まず、本発明の作用について以下
に述べる。
【0026】本発明では光源からの平行光束で中央部の
最も強力な部分のみをLCDパネルの周辺部に拡散して
分配することで、画面の中央と周辺との明るさの差を小
さくし、投射映像の中央と周辺との光量の差(明るさの
差)から起こる画面上の色の不均一性をなくすととも
に、その明るさの差から生ずる色の不均一性を解消して
いる。
【0027】また、従来、光源部からの発散成分光がL
CDパネルに入射できずに終わっているのに対し、その
発散光を屈折させてLCDパネル周辺部の照明光として
利用することで、LCDパネル周辺部の照明光量を向上
させ、LCDパネルの中央部との明るさの差を均一化さ
せている。
【0028】次に、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す構成
図である。図において、本発明の第1の実施例による映
像投射装置は光源部1と、偏光ビームスプリッタ2と、
1/2波長板3と、光拡散素子4と、コンデンサレンズ
5と、LCDパネル6とから構成されている。尚、図に
おいて、前方スクリーンと、LCDパネル6で表される
映像を前方スクリーンに投射する投射レンズとは省略し
てある。
【0029】光源部1から出射された光束は偏光ビーム
スプリッタ2を透過した後に、光拡散素子4に照射され
る。光拡散素子4は偏光ビームスプリッタ2からの光束
の中で最も明るい部分(光源中央部からの光束であり、
図においては実線の矢印で示す)をプリズム4aで屈折
発散させている。
【0030】よって、光拡散素子4のプリズム4aで屈
折発散された光はコンデンサレンズ5に照射されるの
で、コンデンサレンズ5で収束された平行光束はLCD
パネル6の周辺部を照明することとなる。プリズム4a
における光量の分配を調整することによって、画面全体
の明るさの差を小さくすることが可能となる。
【0031】また、偏光ビームスプリッタ2に配置され
た1/2波長板3を透過した光束(偏光ビームスプリッ
タ2でS波に分離され、1/2波長板3でP波に変換さ
れた光束であり、図においては破線の矢印で示す)は、
光拡散素子4のプリズム4b,4cで屈折され、コンデ
ンサレンズ5を通してLCDパネル6に入射する。
【0032】これによって、従来、LCDパネル6を照
明することができなかった成分をLCDパネル6の周辺
部の照明に利用することが可能となるので、画面全体の
明るさの均一性を向上させることができる。
【0033】図2は本発明の第2の実施例による光拡散
素子を示す図である。図2(a)は本発明の第2の実施
例による光拡散素子の斜視図であり、図2(b)は図2
(a)の上面図である。
【0034】これらの図において、本発明の第2の実施
例による光拡散素子はガラス基板7と、ガラス基板7中
央部に配設されたプリズム形状の光拡散素子8とから構
成されており、偏光ビームスプリッタ2及び1/2波長
板3の出射面直後に配置されている。
【0035】これによって、光源中央部から出射され、
偏光ビームスプリッタ2を透過した光束の中で最も明る
い部分は、プリズム形状の光拡散素子8で屈折発散され
てLCDパネル6側に出射される。よって、プリズム形
状の光拡散素子8で屈折発散された光束はLCDパネル
6の周辺部を照明することとなるので、光量の分配を調
整することによって、画面全体の明るさの差を小さくす
ることが可能となる。
【0036】図3は本発明の第3の実施例による光拡散
素子を示す図である。図3(a)は本発明の第3の実施
例による光拡散素子の平面図であり、図3(b)は図3
(a)の上面図である。
【0037】これらの図において、本発明の第3の実施
例による光拡散素子はガラス基板7と、ガラス基板7中
央部に配設された複数の凹レンズ面からなる光拡散素子
9とから構成されており、偏光ビームスプリッタ2及び
1/2波長板3の出射面直後に配置されている。
【0038】これによって、光源中央部から出射され、
偏光ビームスプリッタ2を透過した光束の中で最も明る
い部分は、光拡散素子9の複数の凹レンズ面で夫々屈折
発散されてLCDパネル6側に出射される。よって、光
拡散素子9の複数の凹レンズ面で屈折発散された光束は
LCDパネル6の周辺部を照明することとなるので、光
量の分配を調整することによって、画面全体の明るさの
差を小さくすることが可能となる。
【0039】図4は本発明の第4の実施例による光拡散
素子を示す図である。図4(a)は本発明の第4の実施
例による光拡散素子の斜視図であり、図4(b)は図4
(a)の上面図である。
【0040】これらの図において、本発明の第4の実施
例による光拡散素子は偏光ビームスプリッタ2の中央部
の出射面に配設されたプリズム状の光拡散素子8から構
成されている。
【0041】これによって、光源中央部から出射され、
偏光ビームスプリッタ2を透過した光束の中で最も明る
い部分は、プリズム状の光拡散素子8で屈折発散されて
LCDパネル6側に出射される。よって、プリズム状の
光拡散素子8で屈折発散された光束はLCDパネル6の
周辺部を照明することとなるので、光量の分配を調整す
ることによって、画面全体の明るさの差を小さくするこ
とが可能となる。
【0042】図5は本発明の第5の実施例による光拡散
素子を示す図である。図5(a)は本発明の第5の実施
例による光拡散素子の斜視図であり、図5(b)は図5
(a)の上面図である。
【0043】これらの図において、本発明の第5の実施
例による光拡散素子は偏光ビームスプリッタ2の中央部
の出射面に配設された複数の凹レンズ面からなる光拡散
素子9から構成されている。
【0044】これによって、光源中央部から出射され、
偏光ビームスプリッタ2を透過した光束の中で最も明る
い部分は、光拡散素子9の複数の凹レンズ面で夫々屈折
発散されてLCDパネル6側に出射される。よって、光
拡散素子9の複数の凹レンズ面で屈折発散された光束は
LCDパネル6の周辺部を照明することとなるので、光
量の分配を調整することによって、画面全体の明るさの
差を小さくすることが可能となる。
【0045】図6は本発明の第6の実施例による光拡散
素子を示す図である。図6(a)は本発明の第6の実施
例による光拡散素子の斜視図であり、図6(b)は図6
(a)の上面図である。
【0046】これらの図において、本発明の第6の実施
例による光拡散素子はガラス基板7と、ガラス基板7中
央部に配設されたプリズム形状の光拡散素子または複数
の凹レンズ面からなる光拡散素子(図示せず)と、ガラ
ス基板7周辺部に配設されたプリズム10a〜10dと
から構成されており、偏光ビームスプリッタ2及び1/
2波長板3の出射面直後に配置されている。
【0047】これによって、光源中央部から出射され、
偏光ビームスプリッタ2を透過した光束の中で最も明る
い部分は、プリズム形状の光拡散素子または複数の凹レ
ンズ面からなる光拡散素子で屈折発散されてLCDパネ
ル6側に出射される。
【0048】また、偏光ビームスプリッタ2でS波に分
離され、1/2波長板3でP波に変換された光束は、プ
リズム10a,10bで屈折されてLCDパネル6側に
出射される。
【0049】さらに、偏光ビームスプリッタ2を透過し
た光束の中でLCDパネル6側に出射されずに発散して
しまう光束は、プリズム10c,10dで屈折されてL
CDパネル6側に出射される。
【0050】よって、プリズム形状の光拡散素子または
複数の凹レンズ面からなる光拡散素子で屈折発散された
光束はLCDパネル6の周辺部を照明することとなるの
で、光量の分配を調整することによって、画面全体の明
るさの差を小さくすることが可能となる。
【0051】同時に、従来、LCDパネル6を照明する
ことができなかった成分が1/2波長板3でP波に変換
されてからプリズム10a,10bで屈折されてLCD
パネル6側に出射されるので、LCDパネル6の周辺部
の照明に利用することが可能となり、画面全体の明るさ
の均一性を向上させることが可能となる。
【0052】また、従来、偏光ビームスプリッタ2を透
過した光束の中でLCDパネル6を照明することができ
なかった光がプリズム10c,10dで屈折されてLC
Dパネル6側に出射されるので、偏光ビームスプリッタ
2を透過した光束を効率よく利用することが可能とな
る。
【0053】図7は本発明の第7の実施例による光拡散
素子を示す図である。図7(a)は本発明の第7の実施
例による光拡散素子の斜視図であり、図7(b)は図7
(a)の上面図である。
【0054】これらの図において、本発明の第7の実施
例による光拡散素子は、偏光ビームスプリッタ2の中央
部に配設されたプリズム形状の光拡散素子または複数の
凹レンズ面からなる光拡散素子(図示せず)と、1/2
波長板3の出射面に配設されたプリズム10a,10b
と、偏光ビームスプリッタ2の上側及び下側の周辺部の
出射面に配設されたプリズム10c,10dとから構成
されている。
【0055】これによって、光源中央部から出射され、
偏光ビームスプリッタ2を透過した光束の中で最も明る
い部分は、プリズム形状の光拡散素子または複数の凹レ
ンズ面からなる光拡散素子で屈折発散されてLCDパネ
ル6側に出射される。
【0056】また、偏光ビームスプリッタ2でS波に分
離され、1/2波長板3でP波に変換された光束は、プ
リズム10a,10bで屈折されてLCDパネル6側に
出射される。
【0057】さらに、偏光ビームスプリッタ2を透過し
た光束の中でLCDパネル6側に出射されずに発散して
しまう光束は、プリズム10c,10dで屈折されてL
CDパネル6側に出射される。
【0058】よって、プリズム形状の光拡散素子または
複数の凹レンズ面からなる光拡散素子で屈折発散された
光束はLCDパネル6の周辺部を照明することとなるの
で、光量の分配を調整することによって、画面全体の明
るさの差を小さくすることが可能となる。
【0059】同時に、従来、LCDパネル6を照明する
ことができなかった成分が1/2波長板3でP波に変換
されてからプリズム10a,10bで屈折されてLCD
パネル6側に出射されるので、LCDパネル6の周辺部
の照明に利用することが可能となり、画面全体の明るさ
の均一性を向上させることが可能となる。
【0060】また、従来、偏光ビームスプリッタ2を透
過した光束の中でLCDパネル6を照明することができ
なかった光がプリズム10c,10dで屈折されてLC
Dパネル6側に出射されるので、偏光ビームスプリッタ
2を透過した光束を効率よく利用することが可能とな
る。
【0061】このように、光源部1からの平行光束のう
ち中央部が最も明るい光となるが、この光束が偏光ビー
ムスプリッタ2を透過した後に光拡散素子8,9で周辺
に屈折発散させることで、スクリーン投射時に画像中心
の強力な明るさをその周辺に分配して照明することがで
きる。
【0062】よって、画面全体における明るさの差(中
央と周辺との明るさの差)を縮小することができるの
で、その明るさの差からくる画面上の色の不均一性を解
消し、より美しい投射画面を得ることが可能となる。
【0063】この場合、プリズム形状の光拡散素子8及
びプリズム10a〜10dにおいて、角度や寸法、及び
材質(屈折率)を異なるものに交換することで、中央部
の光束の発散量や方向、あるいは周辺部の光束または1
/2波長板3で変換された光束の屈折量や方向等を変え
ることが可能となる。
【0064】また、複数の凹レンズ面からなる光拡散素
子9の場合、プリズム状の光拡散素子8による周辺への
屈折発散が一定方向であるのに対し、全方向に屈折発散
させることができるので、LCDパネル6への照明をよ
り均一にすることが可能となる。
【0065】さらに、光源部1からの発散成分や1/2
波長板3で変換される偏光ビームスプリッタ2での分離
成分を屈折させ、LCDパネル6周辺部に入射させて照
明することによって、画面の明るさや色の均一性をさら
に向上させることができる。
【0066】ここで、上記の説明においては液晶プロジ
ェクタについて説明したが、液晶パネルと同機能の部品
によって構成される他の映像投射装置においても、上述
した光拡散素子8,9やプリズム10a〜10dを用い
ることで、同様の効果を得ることができる。
【0067】尚、請求項の記載に関連して本発明はさら
に次の態様をとりうる。
【0068】(1)光源部からの無偏光成分の光束を偏
光変換素子で偏光方向の異なる2つの偏光成分に分離し
てから再合成して映像表示体に照射し、前記映像表示体
を透過した光束を投射レンズによってスクリーン上に拡
大投影する映像投射装置であって、前記偏光変換素子と
前記映像表示体との間に配設されかつ前記偏光変換素子
から出射される前記2つの偏光成分のうちの一方の偏光
成分の光束の中央部を拡散する光拡散素子と、前記偏光
変換素子で分離された他方の偏光成分の光束を前記一方
の偏光成分の光束に変換する変換素子と、前記変換素子
で変換された光束の屈折させて前記映像表示体に照射す
るプリズムとを有することを特徴とする映像投射装置。
【0069】(2)前記光拡散素子は、ガラス基板と、
前記ガラス基板上に形成されかつ前記偏光変換素子から
の光束の中央部を拡散する複数のレンズとからなること
を特徴とする(1)記載の映像投射装置。
【0070】(3)前記光拡散素子は、前記偏光変換素
子の光束出射面上に形成されかつ前記偏光変換素子から
の光束の中央部を拡散する複数のレンズからなることを
特徴とする(1)記載の映像投射装置。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明の映像投射装
置によれば、光源部からの光束を映像表示体に照射し、
映像表示体を透過した光束を投射レンズによってスクリ
ーン上に拡大投影する映像投射装置において、光源部と
映像表示体との間に、光源部からの光束の中央部を拡散
する光拡散素子を配設することによって、LCDパネル
を照明する際に中央と周辺との明るさの差を解決するこ
とができ、画面上の色の不均一性を解消してより美しい
投射画像を得ることができるという効果がある。
【0072】また、本発明による他の映像投射装置によ
れば、上記の構成のほかに、光源部からの光束を屈折さ
せて映像表示体に照射するプリズムを光拡散素子の周辺
部に配設することによって、従来、映像表示体を照明す
ることができなかった成分を映像表示体の周辺部の照明
に利用することができ、画面全体の明るさの均一性を向
上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す構成図である。
【図2】(a)は本発明の第2の実施例による光拡散素
子の斜視図、(b)は(a)の上面図である。
【図3】(a)は本発明の第3の実施例による光拡散素
子の平面図、(b)は(a)の上面図である。
【図4】(a)は本発明の第4の実施例による光拡散素
子の斜視図、(b)は(a)の上面図である。
【図5】(a)は本発明の第5の実施例による光拡散素
子の斜視図、(b)は(a)の上面図である。
【図6】(a)は本発明の第6の実施例による光拡散素
子の斜視図、(b)は(a)の上面図である。
【図7】(a)は本発明の第7の実施例による光拡散素
子の斜視図、(b)は(a)の上面図である。
【図8】従来の一例を示す構成図である。
【図9】従来の他の例を示す構成図である。
【図10】偏光ビームスプリッタの構成例を示す図であ
る。
【図11】偏光ビームスプリッタの他の構成例を示す図
である。
【図12】発光部の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 光源部 2 偏光ビームスプリッタ 3 1/2波長板 4 光拡散素子 4a〜4c,10a〜10d プリズム 5 コンデンサレンズ 6 LCDパネル 7 ガラス基板 8 プリズム上の光拡散素子 9 凹レンズ面からなる光拡散素子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源部からの光束を映像表示体に照射
    し、前記映像表示体を透過した光束を投射レンズによっ
    てスクリーン上に拡大投影する映像投射装置であって、
    前記光源部と前記映像表示体との間に配設されかつ前記
    光源部からの光束の中央部を拡散する光拡散素子を有す
    ることを特徴とする映像投射装置。
  2. 【請求項2】 前記光拡散素子は、ガラス基板と、前記
    ガラス基板上に形成されかつ前記光源部からの光束の中
    央部を拡散する複数のレンズとからなることを特徴とす
    る請求項1記載の映像投射装置。
  3. 【請求項3】 前記光拡散素子の周辺部に配設されかつ
    前記光源部からの光束を屈折させて前記映像表示体に照
    射するプリズムを含むことを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の映像投射装置。
  4. 【請求項4】 光源部からの無偏光成分の光束を偏光変
    換素子で偏光方向の異なる2つの偏光成分に分離してか
    ら再合成して映像表示体に照射し、前記映像表示体を透
    過した光束を投射レンズによってスクリーン上に拡大投
    影する映像投射装置であって、前記偏光変換素子と前記
    映像表示体との間に配設されかつ前記偏光変換素子から
    の光束の中央部を拡散する光拡散素子を有することを特
    徴とする映像投射装置。
  5. 【請求項5】 前記光拡散素子は、ガラス基板と、前記
    ガラス基板上に形成されかつ前記偏光変換素子からの光
    束の中央部を拡散する複数のレンズとからなることを特
    徴とする請求項4記載の映像投射装置。
  6. 【請求項6】 前記光拡散素子は、前記偏光変換素子の
    光束出射面上に形成されかつ前記偏光変換素子からの光
    束の中央部を拡散する複数のレンズからなることを特徴
    とする請求項4記載の映像投射装置。
  7. 【請求項7】 前記光拡散素子の周辺部に配設されかつ
    前記偏光変換素子からの光束を屈折させて前記映像表示
    体に照射するプリズムを含むことを特徴とする請求項4
    から請求項6のいずれか記載の映像投射装置。
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