JPH09118798A - 水性架橋型樹脂組成物、その製造方法及びそれを使用した材 - Google Patents

水性架橋型樹脂組成物、その製造方法及びそれを使用した材

Info

Publication number
JPH09118798A
JPH09118798A JP27557995A JP27557995A JPH09118798A JP H09118798 A JPH09118798 A JP H09118798A JP 27557995 A JP27557995 A JP 27557995A JP 27557995 A JP27557995 A JP 27557995A JP H09118798 A JPH09118798 A JP H09118798A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylenically unsaturated
water
monomer
unsaturated monomer
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP27557995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3346128B2 (ja
Inventor
Akira Murakawa
昭 村川
Jun Shiraga
潤 白髪
Shigeyoshi Miura
重義 三裏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP27557995A priority Critical patent/JP3346128B2/ja
Publication of JPH09118798A publication Critical patent/JPH09118798A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3346128B2 publication Critical patent/JP3346128B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐水性に優れた水性樹脂組成物を得る。 【解決手段】塩基性窒素原子含有エチレン性不飽和単量
体(a)3〜15重量%と、該単量体(a)1モルに対
して1/10〜1/2モルのカルボキシル基含有エチレ
ン性不飽和単量体(b)と、その他のエチレン性不飽和
単量体(c)を共重合成分とする重合体粒子の水性分散
液(A)と、多官能性エポキシ樹脂(B)とを含み、且
つ系のpHが2〜5であることを特徴とする水性架橋型
樹脂組成物及びその製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐水性が良いことを
特徴とする水性架橋型樹脂組成物、その製造方法及びそ
れを使用した材に関し、さらに詳しくは繊維、紙、金
属、プラスチック、無機質材料などの表面コーティング
剤または植毛用接着剤または紙、繊維などの含浸加工用
または結束用接着剤として適する水性架橋型樹脂組成
物、その製造方法及びそれを使用した材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水性架橋型樹脂として、アミノ基
を含有する重合体に多官能性エポキシ樹脂を架橋剤とし
て添加して架橋せしめる方法が提案され、種々の用途で
利用されている。
【0003】例えば、特公昭55−30552号公報で
は第三級アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物とカ
ルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物を必須成
分として重合した重合体にポリエポキサイド化合物を添
加する水溶性樹脂塗料組成物が開示されている。
【0004】しかし該技術では主剤である重合体を水溶
化するために、カルボキシル基を有するエチレン性不飽
和化合物を多量に共重合しているため、ポリエポキサイ
ド化合物を添加して架橋させた場合においても、得られ
た皮膜の耐水性が低いという問題がある。
【0005】また、エポキシ系樹脂を架橋剤とする水性
架橋型樹脂組成物として、特開平4−65421号公報
では、カルボキシル基を含有するモノマーと塩基性窒素
原子を含有するモノマーを必須とした単量体成分を乳化
重合により製造した重合体に、エポキシ樹脂架橋剤と、
架橋促進剤としてイミダゾール系化合物を添加した水性
架橋型樹脂組成物が開示されている。
【0006】しかし該技術では、主剤(カルボキシル基
を含有する重合体)と、架橋剤(エポキシ樹脂)との架
橋密度が低く、所望とする耐久性が得られないという欠
点がある。
【0007】また特公昭55−30552号公報及び特
開平4−65421号公報に開示されている水性架橋型
樹脂は、いずれも耐水性が悪いという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐水性に優
れた水性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる従来
技術に鑑みて鋭意研究した結果、上記目的を達成できる
樹脂組成物を見出し本発明を完成させたものである。
【0010】すなわち本発明は、塩基性窒素原子含有エ
チレン性不飽和単量体(a)とカルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体(b)を主成分とした重合体粒子の
水性分散液(A)と、多官能性エポキシ樹脂(B)を含
む水性架橋型樹脂組成物及びその製造方法を提供するも
のである。
【0011】さらに詳しくは、本発明は塩基性窒素原子
含有エチレン性不飽和単量体(a)3〜15重量%(全
エチレン性不飽和単量体に対する重量%)と、該単量体
(a)1モルに対して1/10〜1/2モルのカルボキ
シル基含有エチレン性不飽和単量体(b)と、その他の
エチレン性不飽和単量体(c)を共重合して得られる、
重合体粒子の水性分散液(A)と、多官能性エポキシ樹
脂(B)とを含み、且つ系のpHが2〜5である水性架
橋型樹脂組成物及びその製造法を提供するものである。
さらにこの水性架橋型樹脂組成物を使用した材を提供す
るものである。
【0012】また、本発明は、塩基性窒素原子含有エチ
レン性不飽和単量体(a)3〜15重量%(全エチレン
性不飽和単量体に対する重量%)と、該単量体(a)1
モルに対して、1/10〜1/2モルのカルボキシル基
含有エチレン性不飽和単量体(b)と、その他のエチレ
ン性不飽和単量体(c)を水性媒体中で重合して重合体
粒子水性分散液(A)を製造し、その重合体粒子水性分
散液のpHを2〜5に調整した後に、多官能性エポキシ
樹脂(B)を添加することを特徴とする水性架橋型樹脂
組成物の製造方法に関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における水性架橋型樹脂組
成物の主剤である重合体粒子水性分散液中の構成成分で
ある塩基性窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(a)
は、その塩基性窒素原子含有基を後述する多官能性エポ
キシ樹脂(B)で硬化させる際の架橋性反応基に利用す
るものであり、分子内に塩基性窒素原子含有基とエチレ
ン性不飽和基を有するものであれば特に限定されず、例
えば(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピ
ル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノプロピ
ル等の(メタ)アクリル酸エステル類、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の
(メタ)アクリルアミド類が挙げられ、これらの1種ま
たは2種以上の混合物を使用することができる。
【0014】特に下記一般式(1)で表される、塩基性
窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(a)の塩基性窒
素原子が多官能性エポキシ樹脂(B)のエポキシ基と架
橋反応性が高く、皮膜の耐水性が非常に向上するので、
好ましい。
【0015】
【化2】
【0016】(式中、R1、R2、R3が水素原子もしく
はアルキル基を示し、nは1〜8の整数である)
【0017】塩基性窒素原子含有エチレン性不飽和単量
体(a)の使用量は、全エチレン性不飽和単量体中3〜
15重量部とすることが必要である。3重量部未満の場
合、後述する多官能性エポキシ架橋剤との架橋性が低く
なり、所望とする耐久性が得られ難くなる。また、塩基
性窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(a)の使用量
が全エチレン性不飽和単量体に対して15重量%を越え
ると、得られる製品の耐水性が著しく低下するため好ま
しくない。
【0018】本発明における水性架橋型樹脂組成物の必
須の成分とするカルボキシル基含有エチレン性不飽和単
量体(b)としては、分子内にカルボキシル基とエチレ
ン性不飽和基を有するものであれば特に限定されず、例
えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マ
レイン酸、フマル酸もしくはこれらの半エステルまたは
これらの塩等が挙げられ、これらの1種または2種以上
の混合物を使用することができる。
【0019】カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量
体(b)は重合体粒子の重合安定性の点より塩基性窒素
原子含有エチレン性不飽和単量体(a)1モルに対して
1/10〜1/2モルを使用することが必要である。
【0020】本発明では上記の単量体(a)及び(b)
の他に、その他のエチレン性飽和単量体(c)を必須成
分とするが、該単量体(c)は、重合体中の単量体
(a)と単量体(b)の量を調節するために用い、単量
体(a)及び単量体(b)と共重合性のあるものであれ
ば特に限定されず、例えばメチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)
アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
タニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート等のアクリル酸
エステル類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)
アクリレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピ
ル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフル
オロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオ
ロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含
有ビニル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビ
ニルブチラート、バーサチック酸ビニル等のビニルエス
テル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビ
ニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和
カルボン酸のニトリル類;スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチ
レン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香族
環を有するビニル化合物;イソプレン、クロロプレン、
ブタジエン、N−ビニルピロリドン、グリシジル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポ
キシ基含有重合性単量体;2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の
水酸基含有重合性単量体;アミノエチル(メタ)アクリ
レート、N−モノアルキルアミノアルキル(メタ)アク
リレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)
アクリレート等のアミノ基含有重合性単量体;N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)
アクリルアミド等のメチロールアミド基及びそのアルコ
キシ化物含有重合性単量体;ビニルトリクロロシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン等のシリル基含有重合性単量体;2−アジリジニル
エチル(メタ)アクリレート等のアジリジニル基含有重
合性単量体;(メタ)アクリロイルイソシアナート、
(メタ)アクリロイルイソシアナートエチルのフェノー
ル付加物等のイソシアナート基及び/またはブロック化
イソシアナート基含有重合性単量体;2−イソプロペニ
ル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン
等のオキサゾリン基含有重合性単量体;(メタ)アクリ
ルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等のアミド
基含有重合性単量体;ジシクロペンテニル(メタ)アク
リレート等のシクロペンテニル基含有重合性単量体;ア
クロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のカ
ルボニル基含有重合性単量体;アセトアセトキシエチル
(メタ)アクリレート等のアセトアセチル基含有重合性
単量体等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混
合物を使用することができる。
【0021】その他のエチレン性不飽和単量体(c)と
して、重合体粒子を架橋せしめ分子量を高くして、耐久
性を向上することを目的に、エチレン性不飽和基を2つ
以上持つ多官能性エチレン性不飽和単量体を併用するこ
とも可能であり、この多官能性エチレン性不飽和単量体
としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ア
リル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジビ
ニルベンゼン等が挙げられる。
【0022】その他のエチレン性不飽和単量体としては
上述した単量体の1種または2種以上の混合物として使
用することができる。
【0023】本発明における水性架橋型樹脂組成物の製
造方法は、エチレン性不飽和単量体のフリーラジカル重
合により製造するが、その方法はその性状に応じて懸濁
重合、乳化重合、いずれの方法でも製造することができ
る。
【0024】特に、本発明の手段である親水性の強い架
橋性反応基の量を最少に抑制した条件下で重合体粒子と
して水に安定に分散させる必要があることから、水性媒
体中で行う懸濁重合法や乳化重合法で製造することが好
ましく、さらに、重合時の粒子の安定性や、得られる重
合体粒子水性分散液の貯蔵安定性の点から、乳化重合法
を用いることが好ましい。
【0025】重合体粒子を水性媒体中で製造する際に
は、乳化剤やその他の分散安定剤を全く使用せずに重合
することができるが、重合中の粒子の分散安定性や得ら
れる重合体水性分散液の安定性の点から、必要に応じて
乳化剤及びその他の分散安定剤を使用することできる。
【0026】乳化剤としては特に制限はされず、陽イオ
ン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、ノニオン性反応性乳化
剤、両性乳化剤の公知のものが使用できる。例えば、陽
イオン性乳化剤としては、アルキルアンモニウムクロラ
イド(ライオン(株)製 アーカード12−50)等が
挙げられる。
【0027】ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレンブロック共重合体等が挙げらる。
【0028】また、ノニオン性反応性乳化剤としては、
第一工業製薬(株)製アクアロンRN−10、RN−2
0、RN−50、旭電化工業(株)製アデカリアソープ
NE−10、NE−20、NE−30等が挙げられる。
【0029】乳化剤としては、これらの1種または2種
以上の混合物を使用することができる。特に、重合体水
性分散液製造時の安定性の点から、ノニオン性乳化剤を
使用することが好ましい。
【0030】また、乳化剤以外のその他の分散安定剤と
しては、例えば、ポリビニルアルコール、繊維素エーテ
ル、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アル
キッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミ
ド、水溶性アクリル樹脂等の合成或いは天然の水溶性高
分子物質が挙げられ、これらの1種または2種以上の混
合物を使用することができる。
【0031】上記乳化剤及び分散安定剤は、重合時の安
定性及び貯蔵安定性を向上させる目的で使用されるが、
エマルジョン皮膜の耐水性等の面からその使用量を極力
少なくする必要があり、その使用量は重合体粒子の固形
分に対して5重量%以下とすることが好ましい。
【0032】重合体粒子を重合する際の水性媒体として
は、特に限定されるものではないが、水のみを使用して
もよいし、或いは、水と水溶性溶剤の混合溶液として使
用してもよい。ここで用いる水溶性溶剤としては、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、エチルカルビトール、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類、N−メチルピ
ロリドン等の極性溶剤が挙げられ、これらの1種または
2種以上の混合物が使用できる。水と水溶性溶剤の混合
物を使用する場合の水溶性溶剤の使用量は、重合時の安
定性の点から任意に選択することができるが、得られる
重合体水性分散液の引火の危険性、安全衛生性等の面か
ら水溶性溶剤の使用量は極力少なくすることが好まし
い。これらの理由から、なかでも水単独で使用すること
が好ましい。
【0033】重合体粒子を水性媒体中で製造する方法と
しては、水、塩基性窒素原子含有エチレン性不飽和単量
体(a)、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体
(b)を必須の成分とする重合性単量体混合物、重合触
媒(必要に応じて乳化剤及び分散安定剤)を一括混合し
て重合する方法や、水、重合性単量体、乳化剤を予め混
合したものを滴下するいわゆるプレエマルジョン法や、
モノマー滴下法等の方法により製造することができる。
【0034】特に、製造時の安定性の点から、モノマー
プレエマルジョン法で行うことが好ましい。
【0035】モノマープレエマルジョン法によって重合
体粒子を合成する具体的な方法としては、例えば、滴下
漏斗の付いた攪拌式反応器に、水性媒体を入れ、次い
で、重合温度まで反応器を昇温させた後、重合開始剤を
入れ、滴下漏斗より塩基性窒素原子含有エチレン性不飽
和単量体(a)、カルボキシル基含有エチレン性不飽和
単量体(b)、その他のエチレン性不飽和単量体
(c)、乳化剤の混合物を滴下する方法が挙げられる。
【0036】単量体(a)の塩基性窒素原子は、中和せ
ずにそのまま重合に用いてもよいが、重合時の安定性の
面から塩基性窒素原子の一部を酸性物質で中和して使用
する方法が好ましい。
【0037】中和に用いる酸性物質の量は特に限定され
ないが、重合時の安定性の点から塩基性窒素原子含有エ
チレン性不飽和単量体(a)中の塩基性窒素原子が50
〜100モル%中和されていることが好ましい。
【0038】但し、本発明においては、塩基性窒素原子
含有エチレン性不飽和単量体(a)を中和し得るカルボ
キシル基含有エチレン性不飽和単量体(b)を使用する
ため、中和に必要な酸性物質の量は塩基性窒素原子含有
エチレン性不飽和単量体(a)がカルボキシル基含有エ
チレン性不飽和単量体(b)で中和される量を減じた量
を添加することが好ましい。
【0039】中和剤として使用する酸性物質としては、
通常無機酸及び有機酸を用いることができ、無機酸とし
ては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が使用で
き、有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン
酸、乳酸、しゅう酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、
酒石酸、リンゴ酸等の有機酸が挙げられ、これらの1種
または2種以上の混合物を使用することができる。
【0040】エマルジョン皮膜の耐水性をより向上させ
たい場合は、常温或いは加熱により容易に蒸発する、例
えば塩酸、蟻酸等の低沸点の酸性物質を使用することが
好ましい。
【0041】低沸点の酸性物質を用いることにより、臭
気が問題となる用途で使用する場合は、クエン酸、酒石
酸、リンゴ酸、乳酸等の揮発性の少ない酸性物質を使用
することが好ましい。
【0042】重合に用いられる反応器内は、開放系であ
ってもよいが、窒素等の不活性ガスで置換されているこ
とが好ましい。
【0043】また、重合温度は、使用する単量体の種
類、重合開始剤の種類等によって異なるが、通常は30
〜90℃の温度範囲が適当であり、より好ましくは40
℃〜80℃の範囲が挙げられる。
【0044】また、本発明の効果を損なわない範囲で重
合体粒子の乳化重合の際、親水性溶剤、疎水性溶剤を加
えること及び公知の添加剤を加えることも可能である。
【0045】重合体粒子の重合の際に用いる重合開始剤
としてはラジカル重合開始剤が用いられる。ラジカル重
合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム等の過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、ク
メンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過酸化
水素等が挙げられる。ラジカル重合はこれら過酸化物の
みを用いるか、或いは前記過酸化物と酸性亜硫酸ナトリ
ウム、チオ硫酸ナトリウムのような還元剤とを併用した
レドックス重合開始剤系によっても重合でき、また、
4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,
2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等の
水溶性アゾ化合物を使用することも可能である。
【0046】特に、水溶性アゾ系化合物を使用すると重
合時の安定性が良いため好ましい。
【0047】また、重合体粒子の分子量を調整する必要
がある場合は、重合体粒子を合成する際に分子量調整剤
として連鎖移動能を有する化合物、例えばメルカプタン
類等を添加してもよい。
【0048】硬化性重合体の水性分散液の固型分濃度
は、20〜70重量%が好ましく、20〜60重量%で
あることがより好ましい。
【0049】即ち、固型分濃度を70重量%以下とする
ことにより、重合中の系の粘度の異常な上昇が抑制で
き、単量体の重合時における発熱の除熱も容易であり安
定に重合体水性分散液が製造し易くなる。また、固型分
濃度を60重量%以下とすると、硬化性重合体水性分散
液の粘度が各種用途で実用上要求される範囲で得られる
ため好ましい。
【0050】重合した水性架橋型樹脂組成物のpHは、
2〜5であることが必要である。このpHの調節によ
り、後述する多官能エポキシ樹脂(B)を水性架橋型樹
脂組成物に添加した時のポットライフを長くすることが
できる。
【0051】pH調節剤として使用する酸性物質として
は、通常無機酸及び有機酸を用いることができ、無機酸
としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が使用
でき、有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸、乳酸、しゅう酸、マロン酸、コハク酸、クエン
酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸が挙げられ、これらの
1種または2種以上の混合物を使用することができる。
【0052】エマルジョン皮膜の耐水性をより向上させ
たい場合は、常温或いは加熱により容易に蒸発する、例
えば塩酸、蟻酸等の低沸点の酸性物質を使用することが
好ましい。
【0053】低沸点の酸性物質を用いることにより、臭
気の発生が問題となる用途で使用する場合はクエン酸、
酒石酸、リンゴ酸、乳酸等の揮発性の少ない酸性物質を
使用することが好ましい。
【0054】一方、本発明の硬化性重合体水性分散液を
用途上コーティング加工で利用(塗料、接着剤、紙加工
剤等)する場合、塗膜の膜厚の点から重合体水性分散液
の固型分濃度は20重量%以上であることが好ましく、
また、経済面から考えた場合の生産性の点からも、固型
分濃度を20重量%以上とすることが好ましい。
【0055】硬化性重合体水性分散液中に分散する重合
体粒子の粒子径は、特に制限されるものではないが、数
平均粒子径が30〜500nmであることが、エマルジ
ョン皮膜の造膜性の点から好ましい。
【0056】単量体(a)と単量体(b)と単量体
(c)からなる重合体粒子のガラス転移温度(Tg)
は、特に制限を受けるものではないが、−60〜30℃
の範囲とすることが好ましい。
【0057】本発明における多官能エポキシ樹脂(B)
は、重合体粒子中の塩基性窒素原子及びカルボキシル基
を架橋性反応点として利用し、分子内に多官能性グリシ
ジル基を有するものであれば特に限定されず、例えばネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリプロ
ピレンジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビス
フェノールFジグリシジルエーテル、ダイマー酸ジグリ
シジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、テ
トラグリシジルアミノジフェニルメタン、(ポリ)エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオール
ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグ
リシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテ
ル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、テ
トラエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,6−
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、及びこれらの
エポキシ樹脂を乳化剤もしくは保護コロイドを用いたエ
マルジョンなどが挙げられ、これらのエポキシ樹脂は通
常単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0058】多官能エポキシ樹脂としては、水溶性エポ
キシ樹脂が好ましい。このエポキシ樹脂の水溶率は50
%以上が好ましい。エポキシ樹脂の水溶率とは、室温に
て水90部に対してエポキシ樹脂10部を溶解したとき
の溶解率をいう。
【0059】本発明の硬化性重合体水性分散液は、それ
自体常温もしくは加熱により自己架橋して、耐水性、耐
溶剤性の良好な硬化皮膜を形成するものであるが、必要
に応じて、水溶性、或いは水分散性の架橋剤を添加して
使用することができ、架橋剤としては、例えば、多官能
性エポキシ化合物、多官能性メラミン化合物、多官能性
ポリアミン化合物、多官能性ポリエチレンイミン化合
物、多官能性(ブロック)イソシアネート化合物、ジヒ
ドラジン化合物、金属塩化合物等が挙げられ、これらの
1種または2種以上の混合物として使用することができ
る。
【0060】また、上述した架橋剤の他に水溶性または
水分散性の熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等を混和して使用す
ることもできる。
【0061】また、必要に応じて本発明の所望の効果を
阻害しない範囲で、充填剤、顔料、pH調整剤、皮膜形
成助剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等公知
のものを適宜添加して使用することができる。
【0062】本発明の硬化性重合体水性分散液は、耐水
性、耐溶剤性、力学的強度に優れた硬化物を与えるもの
であり、その用途は多岐に渡るが、特に、耐水性、耐溶
剤性の要求される分野において有用なものであり、塗
料、接着剤、繊維工業用樹脂(不織布用バインダー、植
毛加工用バインダー等)、紙加工用樹脂、ガラス繊維加
工用樹脂(ガラス繊維集束剤、ガラスペーパー用バイン
ダー等)、モルタル改質用樹脂等として利用できる。特
に、塗料、接着、繊維工業用樹脂、紙加工用樹脂等の応
用分野におけるコーティング加工で利用される用途にお
いて、既述の通り極めて優れた効果を発現する。
【0063】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるもので
はない。以下、例中特に断らない限り、「%」は重量
%、「部」は重量部をそれぞれ示すものとする。
【0064】合成例1 <塩基性窒素原子含有基及びカルボキシル基を含有する
重合体の水性分散液の製造>攪拌機、還流冷却管、窒素
導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン
水300部を入れ、乳化剤として、エマルゲン950
(花王(株)製;ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、固型分100%)3部を添加し、攪拌下窒素
を吹き込みながら80℃まで昇温して乳化剤を溶解し
た。
【0065】攪拌下、2,2’−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)二塩酸塩0.2部を添加し、続いてメチル
メタクリレート90部、n−ブチルアクリレート90
部、塩基性窒素原子含有エチレン性不飽和単量体(a)
としてジメチルアミノエチルメタクリレート18部を酢
酸4部で中和したもの、及びカルボキシル基含有エチレ
ン性不飽和単量体(b)としてメタクリル酸2部からな
る単量体混合物を反応容器内温を80±2℃に保ちなが
ら6時間かけて滴下した。
【0066】単量体混合物滴下終了後、2,2’−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.1部を添加
して同温度にて2時間攪拌し、残存する単量体を反応さ
せた。
【0067】その後、内容物を冷却し、固型分濃度が4
0.0%になるように脱イオン水で調整し後、100メ
ッシュ金網で濾過した。得られた重合体水性分散液は、
固型分濃度39.8%、pH5.4であり、100メッ
シュ金網不通過の凝集物は、0.1%(対生成分散液
比)であった。この水性分散液を[A−1]とする。
【0068】合成例2〜8 <塩基性窒素原子含有基及びカルボキシル基を含有する
重合体の水性分散液8の製造>単量体混合物として下記
表1に示されるものを用いた以外は、合成例1と全く同
様にしてカルボキシル基含有重合体の水性分散液[A−
2]〜[A−8]を得た。
【0069】この[A−2]〜[A−8]に含まれる重
合体の組成、固形分濃度、pHは表1に併記されるとお
りであった。 実施例1 合成例1で得られた塩基性窒素原子含有基及びカルボキ
シル基を含有する重合体の水性分散液[A−1]500
重量部に、酢酸5重量部を添加して重合体の水性分散液
のpHを4.5以下に調整した。
【0070】次いで多官能性エポキシ樹脂(B)として
デナコールEX−313(ナガセ化成工業(株)製;グ
リセロールポリグリシジルエーテル;水溶率99%、エ
ポキシ当量140)10部を添加して水性架橋型樹脂組
成物[B−1]とした。
【0071】実施例2〜4及び比較例1〜4 合成例2〜8で得られた塩基性窒素原子含有基及びカル
ボキシル基を含有する重合体の水性分散液[A−2]〜
[A−8]500重量部に、酢酸5重量部を添加して重
合体の水性分散液のpHを5.0以下に調整した。
【0072】次いで多官能性エポキシ樹脂(D)として
デナコールEX−313を10部を添加して水性架橋型
樹脂組成物[B−2]〜[B−8]としたものを3ミル
アプリケーターにてガラス板に塗布し、常温乾燥後12
0℃、5分で処理し水に24時間浸漬して白化を観察し
た。
【0073】24時間後全く白化しなかったものを
「5」、白化膨潤したものを「1」とし5段階で評価し
た。 応用例1 <静電植毛機による植毛加工法>植毛加工法はアップ法
で行った。アップ法は上下に電極を配置し、下部電極上
にパイルを置き、上部電極に水性架橋型樹脂組成物[B
−1]〜[B−8]をコーティングした軟質塩ビにコー
ティング面を下にして取り付ける。電極間距離は10c
m、電圧は45kVで10秒間処理し、120℃で5分
間処理をした。
【0074】<植毛加工布の植毛強度の評価方法>植毛
強度の試験はJIS L 1084に準拠し、乾燥時の植
毛強度及び水湿潤時の植毛強度を測定した。乾燥時の植
毛強度測定試料はJIS Z 8703の標準温湿度状態
2級(温度20℃±2℃,相対湿度65±2%)の試験
室に放置し、水分平衡に至らせて測定する。水湿潤時の
植毛強度測定試料は試験片を水中に15分間浸漬した
後、濡れた状態で測定した。
【0075】<植毛加工布の植毛強度の測定方法>植毛
加工布の植毛強度の測定方法は摩擦試験機法で行った。
摩擦試験機法はエッジ法とフラット法がある。エッジ法
には1.5R法と45R法があり前者は染色堅牢度試験
用摩擦試験機を用い、摩擦布(綿かなきん3号)を2枚
重ねて弧面上に取り付ける。2×6cmの試験片を曲率
半径1.5mmの摩擦子に取り付け、全荷重3.92N
(400gf)で摩擦布上を毎分30回往復の速度で摩
擦し、試験片の接着剤層の一部が露出するまでの摩擦回
数を測定する。後者は曲率半径45mm,全荷重4.9
0N(500gf)の摩擦子に大きさ2×7cmの試験
片を取り付ける。その他の方法は1.5R法に準じる。
フラット法は染色堅牢度試験用摩擦試験機を用い、3×
22cmの試験片を弧面上に取り付ける。摩擦子に綿か
なきん3号布を取り付け、全荷重4.90N(500g
f)で試験片上を毎分30回往復の速度で摩擦し、試験
片の接着剤層の一部が露出するまでの摩擦回数を測定し
た。
【0076】その結果を表1及び表2に示す。
【0077】
【表1】
【0078】表中、植毛強度の数字は試験片の接着剤層
の一部が露出するまでの回数を示し、DM;N,N−ジ
メチルアミノエチルメタアクリレート MAA;メタア
クリル酸 BA;ブチルアクリレート MMA;メチル
メタクリレートを示す。またアデカノール UH−46
2はノニオン系増粘剤[旭電化工業(株)製]である。
【0079】
【表2】
【0080】実施例5〜10及び比較例5 実施例1で得られた水性架橋型樹脂組成物[B−1]及
び、合成例1で得られた塩基性窒素原子含有基及びカル
ボキシル基を含有する重合体の水性分散液[A−1]5
00部に酢酸の添加量を0〜5部に変えたもの、また酸
の種類として酒石酸、乳酸を酢酸5部と等モル量を添加
したものに多官能性エポキシ樹脂(B)としてデナコー
ルEX−313を2部添加したものを水性架橋型樹脂組
成物[B−9]〜[B−15]とした。次いで水性架橋
型樹脂組成物[B−9]〜[B−15]を3ミルアプリ
ケーターにてガラス板に塗布し、常温乾燥後120℃、
5分で処理し水に24時間浸漬して白化を観察した。
【0081】24時間後全く白化しなかったものを
「5」、白化膨潤したものを「1」とし5段階で評価し
た。水性架橋型樹脂組成物[B−9]〜[B−15]の
粘度経時変化を40℃の恒温水槽に入れ、1日後及び2
日後の粘度をBM型粘度計にて測定をした。
【0082】また、植毛強度については応用例1に準じ
て測定した。その結果を表3、表4に示す。
【0083】
【表3】
【0084】表中、植毛強度の数字は試験片の接着剤層
の一部が露出するまでの回数を示し、DM;N,N−ジ
メチルアミノエチルメタアクリレート MAA;メタア
クリル酸 BA;ブチルアクリレート MMA;メチル
メタクリレートを示す。またアデカノール UH−46
2はノニオン系増粘剤[旭電化工業(株)製]である。
【0085】
【表4】
【0086】表中、植毛強度の数字は試験片の接着剤層
の一部が露出するまでの回数を示し、DM;N,N−ジ
メチルアミノエチルメタアクリレート MAA;メタア
クリル酸 BA;ブチルアクリレート MMA;メチル
メタクリレートを示す。またアデカノール UH−46
2はノニオン系増粘剤[旭電化工業(株)製]である。
【0087】実施例11〜13 実施例1で得られた水性架橋型樹脂組成物[B−1]及
び、合成例1で得られた塩基性窒素原子含有基及びカル
ボキシル基を含有する重合体の水性分散液[A−1]5
00部に酢酸を5部添加した後、多官能性エポキシ樹脂
(B)としてデナコールEX−911(ナガセ化成工業
(株)製;プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル;水溶率75%、エポキシ当量150)、デナコール
EX−211(ナガセ化成工業(株)製;ネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテル;水溶率26%、エポ
キシ当量140)、CR−5L(大日本インキ化学工業
(株)製;ソルビトールポリグリシジルエーテル;水溶
率85%、エポキシ当量170)を10部添加した水性
架橋型樹脂組成物[B−16]〜[B−18]を3ミル
アプリケーターにてガラス板に塗布し、常温乾燥後12
0℃、5分で処理し水に24時間浸漬して白化を観察し
た。
【0088】24時間後全く白化しなかったものを
「5」、白化膨潤したものを「1」とし5段階で評価し
た。また、植毛強度については応用例1に準じて測定し
た。
【0089】その結果を表5に示す。
【0090】
【表5】
【0091】表中、植毛強度の数字は試験片の接着剤層
の一部が露出するまでの回数を示し、DM;N,N−ジ
メチルアミノエチルメタアクリレート MAA;メタア
クリル酸 BA;ブチルアクリレート MMA;メチル
メタクリレートを示す。またアデカノール UH−46
2はノニオン系増粘剤[旭電化工業(株)製]である。
【0092】以上の結果から、本発明の水性架橋型樹脂
組成物からなる皮膜は耐水性に優れていることがわか
る。
【0093】
【発明の効果】本発明の水性架橋型樹脂組成物は耐水性
に優れ、かつノンホルマリン型であることを特徴とし、
繊維、紙、金属、プラスチック、無機質材料などの表面
コーティング剤または植毛用接着剤または紙、繊維など
の含浸加工用または結束用接着剤として適するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 133/14 JDE C09J 133/14 JDE 163/00 JFP 163/00 JFP

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基性窒素原子含有エチレン性不飽和単量
    体(a)3〜15重量%と、該単量体(a)1モルに対
    して1/10〜1/2モルのカルボキシル基含有エチレ
    ン性不飽和単量体(b)と、その他のエチレン性不飽和
    単量体(c)を共重合成分とする重合体粒子の水性分散
    液(A)と、多官能性エポキシ樹脂(B)とを含み、且
    つ系のpHが2〜5であることを特徴とする水性架橋型
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】塩基性窒素原子含有エチレン性不飽和単量
    体(a)が、下記一般式(1)で表される化合物である
    ことを特徴とする請求項1記載の水性架橋型樹脂組成
    物。 【化1】 (式中、R1、R2、R3が水素原子もしくはアルキル基
    を示し、nは1〜8の整数である)
  3. 【請求項3】多官能性エポキシ樹脂(B)が、水溶性エ
    ポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の水性架橋型樹脂組成物。
  4. 【請求項4】塩基性窒素原子含有エチレン性不飽和単量
    体(a)3〜15重量%と、該単量体(a)1モルに対
    して1/10〜1/2モルのカルボキシル基含有エチレ
    ン性不飽和単量体(b)と、その他のエチレン性不飽和
    単量体(c)を水性媒体中で重合して重合体粒子の水性
    分散液を製造し、その重合体粒子水性分散液のpHを2
    〜5に調整した後に、多官能性エポキシ樹脂(B)を添
    加することを特徴とする水性架橋型樹脂組成物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の樹脂を主成分としてなる接
    着剤。
  6. 【請求項6】請求項1記載の樹脂を主成分としてなる植
    毛加工用バインダー。
JP27557995A 1995-10-24 1995-10-24 水性架橋型樹脂組成物、その製造方法及びそれを使用した材 Expired - Fee Related JP3346128B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27557995A JP3346128B2 (ja) 1995-10-24 1995-10-24 水性架橋型樹脂組成物、その製造方法及びそれを使用した材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27557995A JP3346128B2 (ja) 1995-10-24 1995-10-24 水性架橋型樹脂組成物、その製造方法及びそれを使用した材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09118798A true JPH09118798A (ja) 1997-05-06
JP3346128B2 JP3346128B2 (ja) 2002-11-18

Family

ID=17557429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27557995A Expired - Fee Related JP3346128B2 (ja) 1995-10-24 1995-10-24 水性架橋型樹脂組成物、その製造方法及びそれを使用した材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3346128B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002206041A (ja) * 2001-01-10 2002-07-26 Chuo Rika Kogyo Corp 水性樹脂組成物
JP2002322218A (ja) * 2001-04-25 2002-11-08 Chuo Rika Kogyo Corp アクリル樹脂エマルジョン及びその製造方法
GB2396865A (en) * 2002-10-29 2004-07-07 Nat Starch Chem Invest Binder composition
US7611737B2 (en) * 2004-04-30 2009-11-03 Kao Corporation Antiwrinkle agent and skin cosmetic composition
CN110951426A (zh) * 2019-08-07 2020-04-03 东洋油墨Sc控股株式会社 粘接用组合物、粘接用组合物的应用、粘接用组合物的制造方法和施工方法
KR20210017266A (ko) * 2019-08-07 2021-02-17 토요잉크Sc홀딩스주식회사 접착용 조성물, 접착용 조성물의 사용, 접착용 조성물의 제조방법, 및 시공방법

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002206041A (ja) * 2001-01-10 2002-07-26 Chuo Rika Kogyo Corp 水性樹脂組成物
JP4615737B2 (ja) * 2001-01-10 2011-01-19 中央理化工業株式会社 水性樹脂組成物
JP2002322218A (ja) * 2001-04-25 2002-11-08 Chuo Rika Kogyo Corp アクリル樹脂エマルジョン及びその製造方法
GB2396865A (en) * 2002-10-29 2004-07-07 Nat Starch Chem Invest Binder composition
GB2396865B (en) * 2002-10-29 2007-08-08 Nat Starch Chem Invest Fiberglass nonwoven binder
US7611737B2 (en) * 2004-04-30 2009-11-03 Kao Corporation Antiwrinkle agent and skin cosmetic composition
US8084064B2 (en) 2004-04-30 2011-12-27 Kao Corporation Antiwrinkle agent and skin cosmetic composition
CN110951426A (zh) * 2019-08-07 2020-04-03 东洋油墨Sc控股株式会社 粘接用组合物、粘接用组合物的应用、粘接用组合物的制造方法和施工方法
KR20210017266A (ko) * 2019-08-07 2021-02-17 토요잉크Sc홀딩스주식회사 접착용 조성물, 접착용 조성물의 사용, 접착용 조성물의 제조방법, 및 시공방법
CN110951426B (zh) * 2019-08-07 2022-03-29 东洋油墨Sc控股株式会社 粘接用组合物、粘接用组合物的应用、粘接用组合物的制造方法和施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3346128B2 (ja) 2002-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3259147B2 (ja) 水性樹脂組成物および硬化方法
JP3108442B2 (ja) 水性常乾架橋型塗料用樹脂組成物
JP3346128B2 (ja) 水性架橋型樹脂組成物、その製造方法及びそれを使用した材
JP3513985B2 (ja) 硬化性重合体水性分散液の製造方法及び硬化性重合体水性分散液
JP3666615B2 (ja) 硬化性重合体水性分散液およびその製造方法
JP3215329B2 (ja) 水性樹脂分散体の製造方法
JP4507043B2 (ja) 壁紙用防汚コート剤組成物
JPH11246640A (ja) 水系分散体およびインクジェット記録用コーティング材ならびにインクジェット記録用シート
JP2000109703A (ja) 水系分散体
JP2003020409A (ja) 感温性樹脂組成物
JPH1171527A (ja) 硬化性重合体水性分散液、その製造方法及び塗料
JPH0762190A (ja) 水性重合体分散液及び水性重合体組成物
JPH02308807A (ja) 自己分散型含シリコーン樹脂水性エマルションの製造方法
JPH09296122A (ja) 樹脂組成物水分散体の製造方法
JPH10130450A (ja) 水系分散体
JP3807069B2 (ja) 水性架橋型樹脂組成物
JP2657216B2 (ja) 塗料組成物
JP3885898B2 (ja) 硬化性重合体水性分散液及びその製造方法
JP3582920B2 (ja) 路面標示用水性塗料組成物
JP4019683B2 (ja) 樹脂組成物
JPH0477565A (ja) 水性塗料組成物
JP7129481B2 (ja) 水性分散体、その製造方法、塗料組成物及び塗膜
JP2004010645A (ja) 耐水性カチオン性微粒子樹脂組成物及びその製造方法
JPH10279768A (ja) 水系分散体
JP2827086B2 (ja) 常温架橋型水性2液型塗料用樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080906

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080906

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090906

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090906

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100906

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110906

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110906

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120906

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120906

Year of fee payment: 10

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120906

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120906

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120906

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130906

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees