JPH09118197A - ウエビング巻取装置 - Google Patents

ウエビング巻取装置

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JPH09118197A
JPH09118197A JP7279048A JP27904895A JPH09118197A JP H09118197 A JPH09118197 A JP H09118197A JP 7279048 A JP7279048 A JP 7279048A JP 27904895 A JP27904895 A JP 27904895A JP H09118197 A JPH09118197 A JP H09118197A
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JP
Japan
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webbing
gear
inertia
rotation
plate
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JP7279048A
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English (en)
Inventor
Akira Kadoyashiki
晃 角屋敷
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Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウエビング引出加速度でVギヤの回転を停止
させるウエビング巻取装置であって、部品点数を減ら
し、大型の慣性体で大きな慣性モーメントを得る。 【解決手段】 ウエビングの急激な引出しで弾性変形し
慣性プレート78へVギヤ26に対する慣性遅れを生じ
させる板バネ27を、慣性プレートとVギヤとの間に配
する。通常時、板バネで慣性プレートがVギヤの回転に
追随し、慣性プレートがVギヤと一体的に回転し、ウエ
ビングの引出し、巻取りを自由に行う。車両急減速時の
ウエビング引出加速度が作用すると、慣性プレートがV
ギヤに対し回転遅れを生じて相対移動し、板バネが半径
方向外方へ突出してW歯24Aに係合し、Vギヤの引出
方向の回転が阻止される。従って、Vギヤの引出方向の
回転を阻止する部品を慣性プレート,板バネの2点とで
き、部品点数が減り、大型の慣性プレートで大きな慣性
モーメントを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のシートベル
ト装置に用いられ、ウエビングの急激な引出しに対する
慣性ロック機構が設けられたウエビング巻取装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ウエビング巻取装置では、通常は、ウエ
ビングの引き出し巻き取りを自由としているが、車両急
減速時には、ウエビングの引き出しを阻止して乗員の拘
束を図る。このため、ウエビング巻取装置には、次のよ
うな構造が採用されているものがある。
【0003】ウエビングが巻き取られる巻取軸に、慣性
体が追随可能に付勢されている。ウエビングが急速に引
出されると、その加速度によって慣性体が回転遅れを生
じて慣性体自体に形成されたパウル爪または慣性体に配
置されたパウルが、主ロック機構へ伝達されて巻取軸の
ウエビング引出方向回転が阻止される。これは、ウエビ
ング感応方式のイナーシヤロック機構(W感知イナーシ
ヤロック機構)と称される。
【0004】図5に示すようなW感知イナーシヤロック
機構は、半円状に形成された慣性体80が巻取軸の一部
又は巻取軸の回転が伝達される回転体82の中心孔82
Cに対して偏心される位置にピン軸84を介して回転可
能に軸支されている。慣性体80の径方向の一方の周面
にはパウル爪80Aが形成されている。慣性体80及び
回転体82等を覆い隠すようにパウル爪80Aと係合す
る内歯86Aが固定配置されている。
【0005】慣性体80には、パウル爪80Aの径方向
の反対側の面80Bにピン80Cが突設されており、こ
のピン80Cにコイルスプリング88の一端が挿入され
る。慣性体80には、コイルスプリング88の他端を受
けるための受け部82Aが面80Bに対向して配置され
ている。この受け部82Aには、ピン82Bがピン80
Cに対向して取り付けられ、このピン82Bにコイルス
プリング88の他端が挿入される。ピン80Cおよび8
2Bは、コイルスプリング88を位置決めするものであ
る。
【0006】通常時には、コイルスプリング88が慣性
体80を回転体82の回転に追随付勢させるので、慣性
体80が回転体82と一体的に回転し、ウエビングの引
出しまたは巻き取りを自由に行うことができる。
【0007】図5(B)に示すように、車両急減速時の
ウエビング引出加速度が作用するときには、慣性体80
が回転体82に対し回転遅れを生じて相対移動するの
で、慣性体80はピン軸84の移動に伴って移動する。
しかし、慣性体80自体は図5(A)の状態に保持され
るので、矢印P方向の半径方向外方へ突出し、図5
(B)に示すように、パウル爪80Aが内歯86Aと係
合されて回転体82のウエビング引出方向(矢印Q方
向)の回転が阻止される。
【0008】次に、図6に示すようなW感知イナーシヤ
ロック機構は、回転体89に棒状のパウル92が配置さ
れている。このパウル92の一端には、係合部92Aが
形成されている。回転体89および慣性体90(図では
想像線で示す)の回りに内歯94Aが固定配置されてお
り、内歯94Aにパウル92の係合部92Aが係合され
て回転体96のウエビング引出方向(矢印Q方向)の回
転が阻止される。
【0009】図6の構成を詳述すると、慣性体90は、
環状に形成されており、回転体89と同軸上に配置され
ている。回転体89に配置されたパウル92の他端面9
2Bにはピン92Cが突設されており、このピン92C
に一端が挿入されるコイルスプリング98が配置されて
いる。他端面92Bに対向する回転体89の部位にはコ
イルスプリング98の他端を受ける受け部96Aが配置
されており、この受け部96Aにはピン92Bに対向し
てピン96Bが取り付けられている。
【0010】パウル92は回転体89に支軸100を介
して回転可能に軸支されており、支軸100はコイルス
プリング98の軸線L1に対してパウル92の軸心L2
が交わるような位置に配されている。
【0011】慣性体90には、そのパウル92の係合部
92Aに対応する部位にピン102が突設されている。
即ち、慣性体90とパウル92との位置関係は、係合部
92Aがピン102に当接され、かつ、慣性体90の回
転状態ではパウル92と慣性体90が一体的に回転する
ように設定されている。
【0012】通常時には、コイルスプリング98がパウ
ル92を慣性体90の回転に追随付勢させるので、パウ
ル92が慣性体90と一体的に回転し、図示しないウエ
ビングの引出しまたは巻き取りを自由に行うことができ
る。図6(B)に示すように、車両急減速時のウエビン
グ引出加速度により慣性体90がパウル92に対し回転
遅れを生じて相対移動する。即ち、慣性体90のピン1
02は図6(A)の位置に維持されているので、コイル
スプリング98が受け部96Aと回転遅れのパウル92
の他端面92Bとに圧縮され、パウル92を支軸100
を中心に反時計方向に回転させる。そのため、パウル9
2はコイルスプリング98の付勢力で図6(B)に示す
矢印P方向の半径方向外方へ突出して係合部92Aが内
歯94Aと係合されて慣性体90のウエビング引出方向
(矢印Q方向)の回転が阻止される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5の例で
は、半円状の慣性体80を回転体82の中心孔82Cに
対して偏心させた位置で支軸84で軸支させる構成であ
るので、慣性体80の慣性モーメントが小さくなる。そ
のため、コイルスプリング88も慣性体80に対応させ
て小さくする必要がある。従って、車両急減速時のウエ
ビング引出加速度に適応して作動させるためにはコイル
スプリング88のバネ定数,慣性体80の質量や支軸8
4の取付位置等に高い精度が要求されると共に、慣性体
80を作動させるタイミングの調整が困難となる。
【0014】また、図5の例では、W感知イナーシヤロ
ック機構の内で回転体82のウエビング引出方向(矢印
Q方向)の回転を阻止する部品は、慣性体80およびコ
イルスプリング88の2点である。
【0015】一方、図6の例では、慣性体90が環状に
形成されており、かつ、回転体91と同軸上に配置され
ているので、図5の例に比べて慣性モーメントが大きく
なり、そのため、コイルスプリング88を大きくしても
よい。従って、パウル92を作動させるタイミングの微
調整が不要となり、W感知イナーシヤロック機構の製作
が簡単となるため、慣性体90は大きい方がよい。
【0016】しかし、慣性体90を回転体91と同軸上
に配置することにより、内歯94Aと噛み合わせるパウ
ル92を別体として配置する必要がある。即ち、W感知
イナーシヤロック機構の内で回転体91のウエビング引
出方向(矢印Q方向)の回転を阻止する部品は、慣性体
90,パウル92,及びコイルスプリング98の3点で
ある。従って、図6の例において、部品点数を減らすこ
とができれば、W感知イナーシヤロック機構を安価かつ
簡易に製造することができる。
【0017】そこで、本発明は上記事実を考慮し、ウエ
ビング引出加速度により回転体の回転を停止させるため
のウエビング巻取装置であって、部品点数を減らし、か
つ、大型の慣性体で大きな慣性モーメントを得ることを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係るウエビング
巻取装置は、フレームに回転可能に支持され、乗員拘束
用のウエビングの一端を係止してウエビングを巻き取る
巻取軸と、この巻取軸と同軸上に配置され、巻取軸に追
随して回転すると共に、ウエビング巻取方向へ巻取軸と
相対的に回転可能な回転体と、環状に形成され、前記回
転体へ相対移動可能に保持された慣性体と、前記慣性体
と前記回転体との間に配置され、ウエビングの急激な引
出しで弾性変形し慣性体へ回転体に対する慣性遅れを生
じさせる弾性体と、前記弾性変形した弾性体と係合し、
前記回転体を巻取軸に対して相対回転させるラチエット
ホイルと、前記回転体の巻取軸に対する相対回転で巻取
軸の回転を停止させるためのパウルとラチエット歯とを
備えた主ロック手段と、を有することを特徴とする。
【0019】通常時には、弾性体によって慣性体が回転
体の回転に追随しているので、慣性体が回転体と一体的
に回転し、ウエビングの引出しまたは巻き取りを自由に
行うことができる。
【0020】車両急減速時のウエビング引出加速度が作
用するときは、慣性体が回転体に対し回転遅れを生じて
相対移動し、弾性体がその付勢力に抗して変形しラチエ
ットホイルに係合する。そのため、回転体が回転を阻止
され、主ロック手段が作動して巻取軸のウエビング引出
方向の回転が阻止される。
【0021】従って、回転体のウエビング引出方向の回
転を阻止する部品を慣性体および弾性部材の2点とする
ことができるので、部品点数が減り、かつ、大型の慣性
体で大きな慣性モーメントを得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例に係るウエビン
グ巻取装置を図1乃至図4に基づき説明する。図中、車
両前方を矢印FRで、車両後方を矢印REで、車両幅方
向を矢印Wで、車両上方を矢印UPでそれぞれ示す。
【0023】図1に示すように、フレーム12は、背片
13と対向する一対の脚片14、16とを備えてコ字型
に形成され、車体側壁下部にボルト止めされている。脚
片14、16は、車両前方及び後方に配置されて互いに
対向し、脚片14、16間には車両前後方向を軸方向と
する巻取軸18が掛け渡されている。
【0024】巻取軸18は、両端に支軸20、22をそ
れぞれ備える。一方の支軸20は脚片14外面に取り付
けられるカバーとしてのセンサカバー24に軸支され、
他方の支軸22は脚片16外面に取り付けられるゼンマ
イばねカバー(図示を省略)に軸支される。これによ
り、巻取軸18は支軸20、22を中心として回転自在
とされる。
【0025】巻取軸18には、スリット孔23が軸方向
に沿って形成されており、スリット孔23内にはウエビ
ング25の一端が挿入されてウエビング25の離脱が阻
止されている。スリット孔23に係止されたウエビング
25は巻取軸18の外周に巻き取られ、巻取軸18の回
転に伴いウエビング25が引き出し又は巻き取られる
(ウエビング引出方向を矢印Aで図示する)。
【0026】ゼンマイばねカバー内には、支軸22に嵌
合したゼンマイばね(図示を省略)が収容されて、ゼン
マイばねは、巻取軸18をウエビング巻取方向(矢印A
と反対の向き)へ回転付勢する。すなわち、ウエビング
25は、巻き取り側へ付勢されている。
【0027】センサカバー24の内部には、回転体とし
てのVギヤ26が収容され、Vギヤ26は、支軸20の
外周面と嵌合して、巻取軸18と同軸上に軸支され,巻
取軸18に対して相対回転可能とされる。Vギヤ26の
外周には、係合歯30が形成される。
【0028】センサカバー24内にはまた、Vギヤ26
の外周に対応して加速度センサ34が設けられ、加速度
センサ34は、車両急減速により加速度を受けて車両前
方へ慣性移動するボール36を備えるとともに、ボール
36の慣性移動に伴い上方(図1の矢印B方向)へ向け
て回動するVパウル40を備える。
【0029】Vパウル40はVギヤ26の係合歯30と
対向し(図2に示す)、Vパウル40の上方への回動に
より係合歯30と係合される(図3に示す)。Vパウル
40とVギヤ26の係合歯30との係合により、Vギヤ
26のウエビング引出方向の回転が阻止される。これ
は、車体加速度感応方式のイナーシヤロック機構(V感
知イナーシヤロック機構)のセンサ部としての機能を果
たす。
【0030】この場合に、どの時点でVパウル40がV
ギヤ26とかみ合ってもロックプレート55のロック爪
66がロック歯68の歯先ではなく、ロック歯68の歯
底へとかみ合うように各部品の相対位置が決められてい
る(位相が同期されている)。
【0031】図1に示すように、Vギヤ26の巻取軸1
8と反対側には、捩じりばね42が設けられ、捩じりば
ね42の中央部44は支軸20の回りに円弧状に湾曲さ
れ、捩じりばね42の一端部46は、Vギヤ26の端面
に向けて屈曲され、Vギヤ26の端面に形成された係止
孔48内に係止されるとともに、捩じりばね42の他端
部50は、Vギヤ26の端面に向けて屈曲され、Vギヤ
26の端面に形成された貫通孔52内を貫通し、巻取軸
18の端面に形成された係止孔54内に係止される。捩
じりばね42は、通常は、Vギヤ26を巻取軸18に追
随回転させる。
【0032】Vギヤ26のウエビング引出方向(図1で
は矢印A方向)の回転が阻止された状態で巻取軸18が
ウエビング引出方向へ回転すると、捩じりばね42の他
端部50が巻取軸18の回転力で貫通孔52内を捩じり
ばね42の縮径方向側へ周方向に移動され、巻取軸18
は捩じりばね42の付勢力に抗してウエビング引出方向
へ先行しVギヤ26に対して相対回転する。
【0033】Vギヤ26と巻取軸18との間には、主ロ
ック手段のパウルとしてのロックプレート55が設けら
れる。図4に示すように、ロックプレート55は、外周
の一部にフォーク状とされて形成された凹部56を備
え、凹部56に対応して巻取軸18の端面には円柱状の
凸部58が突出形成されて、凹部56内に凸部58が係
合される。
【0034】また、ロックプレート55は、凹部56と
反対側に、Vギヤ26の支軸であるハブ26Aを通過さ
せる凹部(図示省略)を備え、凹部の左右両側には、一
対の案内ピン62をVギヤ26の端面に向けて突出させ
ている。
【0035】案内ピン62に対応してVギヤ26の端面
には案内凹部64が凹設され、案内ピン62が案内凹部
64内に係合される。ロックプレート55の外周にはま
た、複数のロック爪66が形成され、ロック爪66に対
応しては、脚片14に、巻取軸18と同軸的に内歯で構
成される主ロック手段のラチエット歯としてのロック歯
68が形成される。ロック歯68は上記ロックプレート
55と共に主ロック手段を構成する。
【0036】案内凹部64は、Vギヤ26の軸方向と直
角の方向へ長く形成され、巻取軸18とVギヤ26とが
一体的に回転するときは、案内ピン62が案内凹部64
の一端部に位置し、ロックプレート55は巻取軸18及
びVギヤ26と共に回転し、ロック爪66はロック歯6
8と離間されている(図4(A)参照)。
【0037】Vギヤ26のウエビング引出方向の回転が
阻止された状態で巻取軸18がウエビング引出方向(図
4では矢印A方向)へ先行してVギヤ26と相対的に回
転すると、ロックプレート55が巻取軸18及びVギヤ
26のいずれとも相対的に移動する。
【0038】すなわち、ロックプレート55の凹部56
が巻取軸18の凸部58に押されて移動するとともに、
案内ピン62が案内凹部64内を他端部へ向けて移動す
る。すると、ロックプレート55のロック爪66がロッ
ク歯68と係合される(図4(B)参照)。この係合に
よって、巻取軸18のウエビング引出方向の回転が阻止
され、ウエビング25の引き出しが止められて、乗員の
拘束がなされる。
【0039】図2に示される如く、Vギヤ26とセンサ
カバー24との隙間には、慣性体としての慣性プレート
78が配置されており、慣性プレート78は、巻取軸1
8の支軸20を通過させる通過孔79を有した環状とさ
れている。慣性プレート78には、支軸20の軸心に対
して径方向外側にピン軸78Aが突出されており、ピン
軸82に後述する板バネ27の他端部27Cが当接して
いる。
【0040】なお、センサカバー24には、巻取軸18
の同軸な周上にラチエットホイルである内歯状のW歯2
4Aを備える。
【0041】また、Vギヤ26には、慣性プレート78
の側面との間に隙間ができるように、その軸部20側の
外側に突部20Cが形成されている。図2に示すよう
に、この隙間には、弾性体としての板バネ27が配置さ
れている。
【0042】即ち、図3に示すように、Vギヤ26に
は、支軸20よりも径方向外側にVギヤ26の端面から
軸方向にピン軸26Aとピン軸26Bがそれぞれ突設さ
れている。ピン軸26Bはピン軸26Aから径方向外側
に位置しており、ピン軸26A,26Bは板バネ27を
所定位置に保持する。
【0043】板バネ27の一端部27AはU字状に折曲
げられており、この一端部27Aがピン軸26Aに嵌め
込まれている。一端部27Aの先端27Bは、このピン
軸26Bに当接し、かつ、ピン軸26Bの外周に沿うよ
うに折曲げられている。
【0044】これによって、一端部27Aからピン軸7
8Aへと至る板バネ27は、支軸20及び慣性プレート
78の半径方向から所定角度θだけ傾いて停止するよう
に図示しないストッパが慣性プレート78とVギヤ26
との間に設けられている。
【0045】図3(A)に示すように、通常の、すなわ
ち加速度を生ずることなくウエビングを引出し又は巻き
取る場合には、ピン軸27Aとピン軸82との位置関係
は、板バネ27が角度θを維持するようになっており、
板バネ27の他端部27Cの先端がW歯24Aの歯先に
当たらない配置となっている。即ち、板バネ27がピン
軸78Aを付勢することにより、通常は、慣性プレート
78がVギヤ26と一体に回転可能とされる。
【0046】一方、図3(B)に示すように、車両急減
速時のようにウエビングに引出加速度が作用する場合に
は、慣性プレート78がVギヤ26に対して慣性遅れを
生ずるので、図3(A)の状態からVギヤ26が慣性プ
レート78に対して時計方向へ回転して図3(B)の状
態となる。従って、板バネ27の形成する角度θが小さ
くなり、他端部27Cがセンサカバー24のW歯24A
と噛み合うように径方向外方へ突出するようになる。
【0047】そのため、他端部27CがW歯24Aと係
合され、これにより、Vギヤ26のウエビング引出方向
の回転が阻止される。これは、ウエビング感応方式のイ
ナーシヤロック機構(W感知イナーシヤロック機構)の
センサ部としての機能を果たす。
【0048】なお、Vギヤ26のウエビング引出方向
(矢印A方向)の回転が阻止されることにより、上述と
同様に、巻取軸18とVギヤ26との相対移動に伴い、
ロックプレート55が巻取軸18とVギヤ26との両者
と相対的に移動してロック爪66がロック歯68と係合
される。
【0049】この場合に、板バネ27がW歯24Aへか
み合った状態で、Vギヤ26の巻取軸18に対する相対
回転でロックプレート55のロック爪66がロック歯6
8へかみ合うと、このロック爪66はその歯先が確実に
ロック歯68の歯底にかみ合うように、すなわちどの時
点でウエビング25が急激に引出されてもロック爪66
がロック歯68の歯先でなく、歯底へかみ合うように各
部品の相対位置が決められている(位相が同期されてい
る)。
【0050】なお、本実施形態では、慣性プレート78
が、Vギヤ26と同様に、軸部20に挿入軸支されてい
るのみの構成であるが、Vギヤ26に慣性プレート78
を同軸上に回転可能に支持する支持部材を配置してもよ
い。
【0051】次に、本実施例の作用を説明する。通常時
には、板バネ27によって慣性プレート78がVギヤ2
6の回転に追随しているので、慣性プレート78がVギ
ヤ26と一体的に回転し、ウエビング25の引出しまた
は巻き取りを自由に行うことができる。
【0052】車両急減速時に乗員の慣性移動でウエビン
グ引出加速度が作用するときは、慣性プレート78がV
ギヤ26に対し回転遅れを生じて相対移動し、板バネ2
7がその付勢力に抗してピン軸78Aによって圧縮され
て半径方向外方へ突出するようになり、他端部27Cが
センサカバー24のW歯24Aに係合する。そのため、
Vギヤ26のウエビング引出方向の回転が阻止される。
【0053】これによって、Vギヤ26と巻取軸18の
相対回転が生じ、図4(A)に示すロックプレート55
の凹部56が巻取軸18の凸部58に押されて移動する
とともに、案内ピン62が案内凹部64内を他端部へ向
けて移動する。すると、図4(B)に示すように、ロッ
クプレート55のロック爪66がロック歯68と係合さ
れる。この係合によって、巻取軸18のウエビング引出
方向の回転が阻止されるので、ウエビング25の引き出
しが阻止される。
【0054】従って、本実施形態によれば、Vギヤ26
のウエビング引出方向の回転を阻止する部品を慣性プレ
ート78および板バネ27の2点とすることができるの
で、部品点数が減り、かつ、大型の慣性プレート78で
大きな慣性モーメントを得ることができる。また、本実
施形態によれば、弾性体として板バネが適用されている
ので、安価となる。
【0055】なお、上記実施形態では弾性体を板バネ2
7とした例であるが、本発明の弾性体はこれに限定され
ず、断面が角形、円形等の棒状であって、その曲げ力を
弾性的に支持する弾性体であれば、板バネに限らず、線
ばね等の他の弾性体も同様に適用できる。また、慣性プ
レート78としては金属,合成樹脂等のほかに、巻取軸
18の急激な引出しで慣性遅れを生じさせる質量を有す
る材料であれば、すべて適用できる。
【0056】上記実施形態に係るウエビング巻取装置
は、V感知イナーシヤロック機構およびW感知イナーシ
ヤロック機構の双方が適用されたものであるが、本発明
はW感知イナーシヤロック機構のみを備えたウエビング
巻取装置へ適用するものであってもよい。
【0057】W歯24Aはセンサカバー24に設けなく
ても脚片14等の他の部分へ設けてもよい。さらに本発
明は板バネ27とW歯24Aとの比較的低い係合力を利
用してVギヤ26を巻取軸18と相対回転させ、これに
よってロックプレート55とロック歯68による大きな
係合力を得る主ロック手段を作動させるようになってお
り、主ロック手段としては他の機構も適用できる。
【0058】
【発明の効果】本発明のウエビング巻取装置によれば、
Vギヤのウエビング引出方向の回転を阻止する部品を慣
性体および弾性部材の2点とすることができるので、部
品点数が減り、かつ、大型の慣性体で大きな慣性モーメ
ントを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエビング巻取装置の一実施形態を示
す分解斜視図である。
【図2】本実施形態に係るウエビング巻取装置の要部を
示す断面図である。
【図3】本実施形態に係るW感知イナーシヤロック機構
の作動状態を示し、(A)は通常時の状態を示す正面
図、(B)は車両急減速時の状態を示す正面図である。
【図4】本実施形態に係る主ロック手段を示し、(A)
は通常時の状態を示す正面図、(B)は車両急減速時の
状態を示す正面図である。
【図5】従来例に係る半円状の慣性体を偏心させたW感
知イナーシヤロック機構を示し、(A)は通常時の状態
を示す正面図、(B)は車両急減速時の状態を示す正面
図である。
【図6】従来例に係る環状の慣性体を同軸上に配置させ
たW感知イナーシヤロック機構を示し、(A)は通常時
の状態を示す正面図、(B)は車両急減速時の状態を示
す正面図である。
【符号の説明】
12 フレーム 18 巻取軸 24A W歯(ラチエットホイル) 25 ウエビング 26 Vギヤ(回転体) 27 板バネ(弾性部材) 55 ロックプレート(主ロック手段のパウ
ル) 68 ロック歯(主ロック手段のラチエット
歯) 78 慣性プレート(慣性体)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームに回転可能に支持され、乗員拘
    束用のウエビングの一端を係止してウエビングを巻き取
    る巻取軸と、 この巻取軸と同軸上に配置され、巻取軸に追随して回転
    すると共に、ウエビング巻取方向へ巻取軸と相対的に回
    転可能な回転体と、 環状に形成され、前記回転体へ相対移動可能に保持され
    た慣性体と、 前記慣性体と前記回転体との間に配置され、ウエビング
    の急激な引出しで弾性変形し慣性体へ回転体に対する慣
    性遅れを生じさせる弾性体と、 前記弾性変形した弾性体と係合し、前記回転体を巻取軸
    に対して相対回転させるラチエットホイルと、 前記回転体の巻取軸に対する相対回転で巻取軸の回転を
    停止させるためのパウルとラチエット歯とを備えた主ロ
    ック手段と、 を有することを特徴とするウエビング巻取装置。
JP7279048A 1995-10-26 1995-10-26 ウエビング巻取装置 Pending JPH09118197A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999035006A1 (fr) * 1996-07-11 1999-07-15 Ashimori Kogyo Kabushiki Kaisha Systeme de cloisonnement retractable pour vehicule
US6155621A (en) * 1996-07-11 2000-12-05 Ashimori Kogyo Kabushiki Kaisha Automotive roll-up partitioning system
JP2007314161A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Delphi Korea Corp シートベルトのウェビングロッキング防止装置

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