JPH09117790A - 下水道放水用排水処理方法 - Google Patents

下水道放水用排水処理方法

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JPH09117790A
JPH09117790A JP7300432A JP30043295A JPH09117790A JP H09117790 A JPH09117790 A JP H09117790A JP 7300432 A JP7300432 A JP 7300432A JP 30043295 A JP30043295 A JP 30043295A JP H09117790 A JPH09117790 A JP H09117790A
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tank
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  • Activated Sludge Processes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の活性汚泥処理方法のような工程及
び設備を一切要せず、下水道に直接放流される排水の性
質に合わせて、極めて簡易な構成で前記排水の処理を効
率的に行う。 【解決手段】 原水を注入する処理槽1を、槽底部及び
水面の双方から所定距離を有して位置する中間部に導水
路5が形成される仕切体4により、一次処理部2と二次
処理部3とに分ける。前記一次処理部2において、超微
細気泡を下方から吹き上げることにより原水の油脂分及
び油脂分解菌を上昇かつ滞留させ、滞留した油脂分を油
脂分解菌で分解させつつ、一次処理部2の中間部の処理
水を前記仕切体4の導水路5を介して前記二次処理部3
に導水させ、該二次処理部3において、導水した一次処
理水を攪拌させつつその一部を前記処理槽1に返送させ
るとともに、他の一部を槽底部から排出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、下水道に排水を
直接放流するような施設の排水処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、レストランや食品加工工場の排水
などは下水道に直接放流されるが、それらの排水に関し
ても、pH,BOD,SS,N−Hex等の規制が設けら
れている。例えば、東京都の場合、排水量が50m3/日以
上であれば、pH:5〜9,BOD:600mg/l以下,S
S:600mg/l以下,N−Hex:30mg/l以下とする規準が設
けられるため、それらの施設ではその規準を満たす排水
処理が必要となる。
【0003】そして、そのような排水処理方法として
は、活性汚泥処理方法が広く採用されている。図4はそ
の代表的な装置構成であり、それに基づき説明すると、
まずスクリーン後の原水を前処理として油水分離槽(図
示なし)に注入し、そこに中和剤、凝集剤を添加して懸
濁物質を凝集フロック化し、気泡の吹き上げにより懸濁
物質を上昇させ、そのスカムを連続的に掻き取って廃棄
するとともに残部原水を調整槽12に注入する。調整槽12
から曝気槽13に原水を注入し、そこで長時間曝気するこ
とによって活性汚泥を作る。曝気槽13内では活性汚泥の
周りに有機物が付着し、それを曝気によって好気性細菌
が分解していき、活性汚泥が増加するとともに、液中の
有機物が減少していく。次に、その液を沈殿分離槽14に
注入し、そこで下部に堆積する活性汚泥と上澄液とが分
離され、上澄液が放流される。活性汚泥の一部は返送汚
泥として曝気槽に戻されるが、残部は余剰汚泥として処
理した後廃棄される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、下水道に直
接放流される排水(特に食品加工工場やレストラン、大
食堂等)の処理前の汚濁物質を調べると、BODやSS
については規準値以下の場合が殆どで、N−Hex値のみ
規準を大幅に上回ることが分かった。
【0005】一方、前記活性汚泥処理法はBODやSS
の減少に主眼をおく処理であり、油脂分の除去は専ら、
図4にすら示されない前処理工程の凝集・加圧分離処理
で行われるものである。そして、活性汚泥処理方法は近
時改良が施されてきているものの、基本的には、活性汚
泥を沈殿分離する方式であるので処理のコントロールが
困難という問題があること、またそれに要する施設は図
4に示すように、調整槽、曝気槽、沈殿槽、汚泥処理・
廃棄設備等多数あってその工程も煩雑であり、特に余剰
汚泥の処理・除去等も必要なうえ、設置コストや稼動コ
ストも多大にかかることから、下水道に排水を直接放流
する施設の排水処理として、活性汚泥処理を行うのは適
当なものでないということになる。
【0006】そこでこのような問題に対し、前処理工程
の凝集・加圧分離処理のみで排水処理を行うことも考え
られる。しかし、この方法のみによっても、凝集に用い
る中和剤、凝集剤の選定や調整作業が複雑で専門担当者
をおく必要があり、また浮上した凝集フロックの掻取作
業及び貯留作業を要すほか、それを脱水したりさらに廃
棄する作業及び設備が必要となる。
【0007】他方、高濃度の油脂分の除去処理としてグ
リーストラップと呼ばれる処理方法がある。これは処理
槽に油脂分を堆積させそれを掻き取って廃棄するという
ものである。しかし、この処理法は排水量が50m3/日未
満の施設の場合に用いられる簡易的な処理法であり、あ
まりにも簡易的がゆえに完全に油脂分を除去できず、さ
らに活性汚泥処理方法における余剰汚泥の除去作業と同
様に、油脂分の掻取・廃棄作業及び設備を要する。
【0008】この発明は従来技術の以上のような問題に
鑑み創案されたもので、従来の活性汚泥処理方法のよう
な工程及び設備を一切要せず、下水道に直接放流される
排水の性質に合わせて、極めて簡易な構成で前記排水の
処理を効率的に行い得る排水処理方法を提供しようとす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述のように、活性汚泥
処理方法に要する施設等は比較的大規模である。ところ
が、このような方法は、公共下水道処理施設などの大規
模な施設だけでなく、下水道に排水を直接放流するよう
な食品加工工場やレストラン、大食堂等の施設でも広く
採用されているのである。
【0010】このため、本発明者らは、下水道に排水を
直接放流するような諸施設においても活性汚泥処理方法
を採用する必要があるのか否かを検討するべく、まず下
水道に直接放流される排水(特に食品加工工場やレスト
ラン、大食堂等)の処理前の汚濁物質を調べると、BO
DやSSについては規準値以下の場合が殆どで、N−He
x値のみ規準を大幅に上回ることが分かった(後述する
第2試験例の試料成分を示す表2からも明らかであ
る)。
【0011】このことは、このような諸施設では排水中
の油脂分処理が重要であることを示すものである。一
方、前記活性汚泥処理方法は油脂分の除去についてはあ
まり効率的な処理方法ではない。
【0012】そこでこのような見地に立ち、本発明者ら
は、汚泥を利用せず、より簡易な方法で、排水中の油脂
分を効率的に処理できる処理技術を鋭意検討・研究した
結果、汚泥をほとんど利用しない処理槽構造にするとと
もに、その構造において油脂分解菌と超微細気泡とを有
効に利用することにより、極めて簡易にかつ有効に油脂
分が除去できる本発明を創案するに至ったものである。
【0013】このため、本発明に係る下水道放水用排水
処理方法は、原水を注入する処理槽を、槽底部及び水面
の双方から所定距離を有して位置する中間部に導水路が
形成される仕切体により、一次処理部と二次処理部とに
分け、前記一次処理部において、超微細気泡を下方から
吹き上げることにより原水の油脂分及び油脂分解菌を上
昇かつ滞留させ、滞留した油脂分を油脂分解菌で分解さ
せつつ、一次処理部の中間部の処理水を前記仕切体の導
水路を介して前記二次処理部に導水させ、該二次処理部
において、導水した一次処理水を攪拌させつつその一部
を前記処理槽に返送させるとともに、他の一部を槽底部
から排出させることを特徴とする。
【0014】ここで、超微細気泡を吹き上げる態様とし
ては、ブロアでエアを槽底部に配した超微細孔を有した
散気管から吹き出させる態様等がまず考えられるが、原
水にエアを混合して高圧下した加圧空気水を槽底部から
吹き出させる態様とすれば、加圧空気水が一気に減圧状
態となる槽底部で吹き出されるためその気泡がミクロン
単位となって油脂分の上昇効率及び分解効率を最大限に
発揮させることになり、より好ましい態様となる。また
ブロアでエアを吹き付けて超微細気泡を作り出すために
は、散気管に超微細孔を形成させる必要があるが、その
超微細孔に目詰まり等が生じた際はその補修作業は処理
槽内で行わざるを得ない。これに対し、加圧空気水を利
用する態様では、それを処理槽底部から吹き出させるだ
けで超微細気泡が生じるため、散気管に超微細孔を形成
する必要がないばかりか、その補修作業に要する手間が
省けるというメリットを有している。
【0015】次に本発明の作用を説明する。まず処理槽
の一次処理部に、スクリーンで濾過後の原水を注入す
る。一次処理部では、超微細気泡が下方から吹き上げら
れる。この超微細気泡により原水中の油脂分は上昇す
る。一次処理部には連続的に油脂分解菌を注入するが、
その中間部に接触材を配置し、そこに油脂分解菌を付着
させてもよい。この接触材が配置されている構成では、
接触材中で油脂分解菌が増殖するとともに、超微細気泡
の吹き上げにより油脂分と一緒に一部の油脂分解菌が上
昇することになり、効率よく処理を行える。
【0016】一次処理部の水面近くでは、上昇した油脂
分が油脂分解菌により分解される。特に吹き上げられる
気泡が超微細であるため、油脂分及び油脂分解菌は水面
上で滞留しつつ、超微細気泡の分解促進作用によって、
油脂分の分解効率が最大限に発揮できるものとなる。
【0017】一方、仕切体の中間部には導水路が形成さ
れており、その導水路を介して一次処理部の処理水は二
次処理部へと導水する。この導水路は、槽底部及び水面
の双方から所定距離を有して位置する中間部に形成され
ていることから、特に次のような作用が認められる。ま
ず、槽底部から所定距離を有していることにより、一次
処理部の底部に堆積する汚泥がそのまま二次処理部に流
れ込まないことになる。本発明が対象とする、下水道に
直接放流されるような排水は汚泥含有量も少ないことか
ら汚泥に関してはそのまま排出しても問題ないが、一次
処理部のすべての汚泥が二次処理部に流れ込むとする
と、二次処理部では汚泥の堆積量が著しく増加し高濃度
となって、それをそのまま排出することはできなくな
り、結局活性汚泥処理方法における余剰汚泥の除去と同
様の煩雑な処理が必要となる。すなわち、導水路が槽底
部から所定距離を有していることにより、常に適量の汚
泥濃度の処理水が二次処理部に流れるものとなり、よっ
て二次処理部では汚泥の処理をしないまま排出すること
ができるものとなる。なお、一次処理部の底部には汚泥
が堆積するものの、その堆積量が導水路まで達すれば二
次処理部に流れ込み、堆積量は常に一定値以下となるの
で、それを除去するまでには至らない。
【0018】次に、導水路が水面から所定距離を有して
いることにより、一次処理部の水面近傍で行われている
油脂分解作用を確保している。すなわち、一次処理部の
水面近傍では、油脂分とその分解菌とが超微細気泡によ
って上昇され、かつ超微細気泡による滞留作用で効率的
な分解反応が行われるが、導水路が水面から所定距離を
有していることにより、水面近傍では仕切体による閉鎖
によって分解反応中の処理水が二次処理部に流入するの
を阻止し、滞留作用を確実に行わせて油脂分解作用を確
保しているものである。
【0019】二次処理部に導水された処理水は、そこで
散気攪拌される。処理水中には油脂分解菌が混入してい
るため分解反応が生じる。その一部は前記一次処理部に
返送してそこで再度分解処理を行わせる。この繰り返し
により、油脂分の分解効率を格段に向上させるものとな
る。
【0020】二次処理部からの処理水の排出は、槽底部
から行う。これは、上述の導水路の作用によって処理水
の汚泥濃度が適量となっていることから、その濃度で排
出しても汚泥に関しては問題なく、また槽上部から排出
するとすると、槽底部に汚泥が堆積してしまい、その堆
積した汚泥の除去作業が必要となるので、槽底部から汚
泥を含んだまま排出するものとしている。すなわち、本
発明では、油脂分解菌の油脂分解作用のみを利用して汚
泥を利用しないのみならず、前記導水路の形成構成及び
槽底部からの排出構成によって汚泥処理を一切要さない
ものとなっている。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態を図面に
基づき説明する。なお、本発明は以下の形態に何ら限定
されるものではない。
【0022】図1は本発明が適用できる処理設備の一例
を示した概略図であり、図中、1は処理槽、2は一次処
理部、3は二次処理部、4は仕切体である仕切板、5は
導水路、6は超微細気泡用散気管、7は接触材、8は超
微細気泡作成装置、9,10はポンプ、11は粗大気泡用散
気管である。なお、処理槽1に注入される原水はすでに
ネット状スクリーン(網目2〜5mm)で濾過しているも
のとする。
【0023】処理槽1は、その底部に散気管6,11を配
置できればどのような形状,大きさでもよく、例えば従
来活性汚泥処理法で用いていた曝気槽なども十分転用可
能である。
【0024】処理槽1は、その中央部において仕切板4
が配置され、該仕切板4によって処理槽1は一次処理部
2と二次処理部3とに分けられている。
【0025】一次処理部2の上部には原水が注入される
導入管が配置されるとともに、槽底部には散気管6が、
また該散気管6の上部に接触材7がそれぞれ配置され
る。
【0026】仕切板4は導水路5となる間隙が形成さ
れ、その間隙の形成位置は、槽底部及び水面の双方から
所定距離を有する中間部となっている。
【0027】散気管6は、超微細気泡作成装置8からの
加圧空気水を散水させる管である。超微細気泡作成装置
8は、原水用ポンプ81と、エア取入バルブ82と、加圧タ
ンク83と、加背圧バルブ84とからなり、ポンプ81で処理
槽1から汲み上げた原水にバルブ82からエアを取り入れ
て混合させ、ポンプ81とバルブ84とで加圧タンク83内で
エア混合水を加圧させて加圧空気水を作成する。この加
圧空気水を前記散気管6に通してやると、処理槽1内で
は一気に減圧状態となるため、加圧空気水の混合エアが
ミクロン単位の超微細気泡となって上昇することにな
る。なお、超微細気泡作成装置8の他の構成としては、
エアのみブロアで散気管6から吹き出させるようにする
ことが考えられる。ただし、その態様では散気管6の孔
を超微細に形成する必要があり、その構成としては例え
ば膨張させたゴムを孔を有した管周囲に被包してなるも
のなどが考えられる。
【0028】接触材7は、油脂分解菌をそこに付着させ
て培養増殖させる場所であり、このため菌の培養に適し
た材質、例えばセラミック材や軽石、花崗岩などが好ま
しい。また使用する油脂分解菌は公知のものでよい。
【0029】二次処理部3は、下部に返送用のポンプ10
が配置されるとともに、槽底部に排出用ポンプ9と散気
管11が配置される。
【0030】二次処理部3の散気管11は、一次処理部2
の散気管6と異なり、粗大な気泡を通過させる多数の孔
を有した管よりなり、連通管を介してブロア20に接続さ
れる。この散気管11から吹き上げられる気泡は粗大とな
り、二次処理部3内の処理水を十分に攪拌することにな
る。
【0031】以上のような簡易な設備構成における処理
を次に説明する。
【0032】原水が注入される一次処理部2内におい
て、油脂分解菌を連続的に投入するとともに、超微細気
泡作成装置8から加圧空気水を散気管6に送り、散気管
6の微少孔よりミクロン単位の超微細気泡が吹き上がる
ようにする。原水中の油脂分は、その超微細気泡により
効率的に上昇することになる。また超微細気泡は接触材
7をも通過するが、予め接触材7には適量の油脂分解菌
を付着させており、このためそこで増殖している油脂分
解菌の一部も超微細気泡ににより上昇する。油脂分と油
脂分解菌は一次処理部2の水面まで上昇するが、上昇す
る気泡がミクロン単位の超微細なため両者は水面近傍で
滞留することになる。この超微細気泡の滞留作用と分解
促進作用とが相俟って、水面近傍では油脂分の分解が効
率よく行われる。
【0033】一次処理部2の処理水は、仕切板4の導水
路5を介して二次処理部3へと導水される。この導水路
5は、槽底部及び水面の双方から所定距離を有して位置
する中間部に形成されていることから、まず、一次処理
部2の底部に堆積する汚泥がそのまま二次処理部3に流
れ込まず、導水路5の高さまで堆積して始めて流出す
る。したがって、汚泥濃度が常に適量となって二次処理
部3へ流れ込むことになる。一次処理部2の槽底部にお
いては、導水路5の高さまでは汚泥が堆積するが、それ
以上になれば上述のように処理水とともに流出するの
で、高濃度で堆積するということがなく、汚泥除去する
処理は不要である。次に、導水路5が水面からも所定距
離を有していることにより、水面近傍では仕切板4によ
る閉鎖によって分解反応中の処理水が二次処理部3に流
入するのを阻止し、超微細気泡による滞留作用を確実に
行わせて油脂分解作用を確保させている。
【0034】二次処理部3では散気管11から粗大気泡が
吹き上げられており、この吹き上げによって、導水され
た処理水が攪拌される。一次処理部2からの処理水には
油脂分解菌も含まれており、このため粗大気泡による攪
拌によって油脂分の分解をより促進させる。さらに、攪
拌水をポンプ10で返送管を介して一次処理部2に返送
し、再度一次処理部2内で油脂分の分解処理を行う。こ
のような処理を行った後、二次処理部3の槽底部からポ
ンプ9により処理水を汲み上げ、下水道に放流する。槽
底部の処理水の排出を行うことに関しては、前記導水路
5の作用によって処理水の汚泥濃度が適量となっている
ことからそれを排出しても問題がないばかりでなく、二
次処理部3の槽底部に汚泥が堆積するのを防ぎ、煩雑な
汚泥除去作業を不要としている。
【0035】このように本実施形態では、汚泥濃度を低
く維持させ、槽底部に汚泥を必要以上に堆積させないた
め、汚泥処理を一切要しない極めて簡易な設備構成なが
ら、原水中の油脂分を効率よく分解させることができる
ものとなっており、後述する実施例に示すように、排水
を下水道に直接放水するような施設の排水処理規制に十
分適用できるものとなっている。
【0036】
【実施例】前記実施形態の設備構成において、次のよう
な施設仕様により排水の試験を行った。 処理槽:150m3,加圧タンク:3〜7Kg/cm2G,ブロ
ア:2.2m3/min,ポンプ:150l/min また、処理水の規準は、次の保証水質を規準とした。 pH : 5〜9 BOD :600mg/l以下 SS :600mg/l以下 N−Hex抽出物質 : 30mg/l以下
【0037】◎第1試験例:食堂施設に付設されるグリ
ーストラップ槽(油水分離のための貯水槽で、油分は上
面に浮上した後底部に沈み堆積する)から油分を含めて
抽出した厨房排水を用いた。水質は、pH:6.9,CO
D:7800mg/l,N−Hex抽出物質:40300mg/l(通常の厨
房排水では100〜200mg/l)であり、これを約100倍に希
釈して調整した(N−Hex抽出物質:400mg/l)。処理槽
1への、油脂分解菌の添加量は製剤よりなるものを0.03
5g/l、菌栄養剤は0.3g/lであった。このような処理槽1
に、前記調整した試験試料20lを注入して処理を行っ
た。この試験結果を表1(N−Hex値のみ図2のグラフ
に示す)に示す。なお、表1中の単位は、pH以外はす
べてmg/lである。
【0038】
【表1】
【0039】上記表1より明らかなように、12時間経
過後にN−Hex値が許容最大規準値とほぼ同程度とな
り、24時間以内に許容規準値(東京都)となった。4
8時間経過後は3mg/lとその濃度が極端に減少した。
【0040】◎第2試験例:東京大井町にある百貨店内
レストラン及び社員食堂のそれぞれの排水を、7:3の
比率で混合したものを試料として用いた。水質は、表2
の通りである。表2の水質中、pH値のみその値が低か
ったので7.1に調整した。処理槽1への、油脂分解菌の
添加量は製剤よりなるものを0.035g/l、菌栄養剤は0.3g
/lであった。このような処理槽1に、前記調整した試験
試料20lを注入して処理を行った。この試験結果を表3
(N−Hex値のみ図3のグラフに示す)に示す。なお、
表2及び表3中の単位は、pH以外はすべてmg/lであ
る。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】上記表3より明らかなように、12時間経
過後にN−Hex値が許容規準値内(東京都)となり、2
4時間経過後では4mg/lとその濃度が極端に減少した。
なお、BOD値は12時間経過後に当初の数値よりやや
上回ったものの、それでも規準値600mg/lより大幅に低
く、またSS値も24時間経過後ではやや上昇したがこ
れも規準値600mg/lより大幅に低いものとなっている。
【0044】また、同一条件の試験を、平成7年5月30
日から9月29日の期間内のうち任意の6日間を選択し
て、その選択した日の午後12時における原水と処理水と
のN−Hex値を調べた結果、N−Hex値除去率は最高で85
%(6月29日)、最低でも45%(5月30日)であり、平
均で約72%と極めて効果的な除去率が認められた。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る下水
道放水用排水処理方法によれば、油脂分のみ規準値以上
である下水道放水用排水の性質に最適な処理が、極めて
簡易な装置構成で行えることになる。
【0046】すなわち、次のような効果が得られるもの
となる。 処理に要する設備は、基本的に1の処理槽内を2に分
ければ足りるので、従来の活性汚泥処理方法のように、
調整槽、曝気槽、沈殿槽、汚泥処理・廃棄設備等多数の
構成を揃える必要がなく、またその前処理工程の凝集・
加圧分離処理と比較しても、凝集に用いる中和剤、凝集
剤の選定や調整作業のための専門担当者をおく必要もな
く、浮上したスカムの掻取作業及び貯留作業やそれを脱
水したりさらに廃棄する作業及び設備も不要である。す
なわち、本発明法では従来方法と比べて極めて簡易な装
置構成で足り、このため設置及び稼動コストも格段に減
少するものとなっている(同一規模で概算すると、設備
コストが1/4、稼動コストが1/7程度減少すると推測され
る)。 工程としても、活性汚泥処理方法のように、多くの処
理を必要とせず、特に煩雑な汚泥処理(汚泥量の調整、
余剰汚泥の処理・除去等)が一切不要であって設備のメ
ンテナンスも容易になっている。 超微細気泡を吹き上げられる工程によって、油脂分を
水面近傍に上昇かつ滞留させ、これにより、水面近傍で
油脂分解菌との分解反応を促進させるものであるため、
その処理効率の向上が顕著に行われる。よって、油脂分
のみ規準値以上である下水道放水用排水の処理に最適な
処理方法となっている。 もちろん、従来の簡易処理法であったグリーストラッ
プ処理と比較しても、それに要する掻取・廃棄作業及び
設備は不要であって、簡易な構成となるものであり、し
かも、単に油水分離槽で油脂分を除去するのと異なっ
て、本発明では油脂分を分解して除去するので、油脂分
減少効率は格段に向上する。 また処理槽内には、基本的に所定の仕切体を配すると
ともに、超微細気泡の吹き上げ手段と攪拌手段を設けれ
ば足りることからその設置も容易であり、また従来使用
していた曝気槽や沈殿槽を転用することも簡単に行える
というメリットも有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る処理設備の概略を示し
た説明図である。
【図2】第1試験例のN−Hex抽出物質値の推移を示し
たグラフである。
【図3】第2試験例のN−Hex抽出物質値の推移を示し
たグラフである。
【図4】活性汚泥処理方法に要する処理設備の概略を示
した説明図である。
【符号の説明】
1 処理槽 2 一次処理部 3 二次処理部 4 仕切板 5 導水路 6 超微細気泡用散気管 8 超微細気泡作成装置 11 粗大気泡用散気管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水を注入する処理槽を、槽底部及び水
    面の双方から所定距離を有して位置する中間部に導水路
    が形成される仕切体により、一次処理部と二次処理部と
    に分け、前記一次処理部において、超微細気泡を下方か
    ら吹き上げることにより原水の油脂分及び油脂分解菌を
    上昇かつ滞留させ、滞留した油脂分を油脂分解菌で分解
    させつつ、一次処理部の中間部の処理水を前記仕切体の
    導水路を介して前記二次処理部に導水させ、該二次処理
    部において、導水した一次処理水を攪拌させつつその一
    部を前記処理槽に返送させるとともに、他の一部を槽底
    部から排出させることを特徴とする下水道放水用排水処
    理方法。
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