JPH09117753A - 多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置およびその運用方法 - Google Patents
多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置およびその運用方法Info
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- JPH09117753A JPH09117753A JP7275237A JP27523795A JPH09117753A JP H09117753 A JPH09117753 A JP H09117753A JP 7275237 A JP7275237 A JP 7275237A JP 27523795 A JP27523795 A JP 27523795A JP H09117753 A JPH09117753 A JP H09117753A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】海水淡水化装置の運転停止中における保管作業
を、装置内で生成した淡水を利用し、自動的に装置内を
水洗できる構造の多段フラッシュ蒸発による海水淡水化
装置およびその運用方法を提供する。 【解決手段】多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置
において、ブライン循環系の配管に設けられているブラ
イン循環ポンプの入口部に、生成した淡水を循環もしく
は取り出す淡水循環ポンプと、淡水循環切換弁を設けた
淡水循環配管を接続し、淡水化装置の運転停止の際に、
生成した淡水をブライン循環系に循環してブラインを淡
水に置換し、淡水をフラッシュ蒸発させることにより装
置内を自動的に水洗する手段を少なくとも備える。
を、装置内で生成した淡水を利用し、自動的に装置内を
水洗できる構造の多段フラッシュ蒸発による海水淡水化
装置およびその運用方法を提供する。 【解決手段】多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置
において、ブライン循環系の配管に設けられているブラ
イン循環ポンプの入口部に、生成した淡水を循環もしく
は取り出す淡水循環ポンプと、淡水循環切換弁を設けた
淡水循環配管を接続し、淡水化装置の運転停止の際に、
生成した淡水をブライン循環系に循環してブラインを淡
水に置換し、淡水をフラッシュ蒸発させることにより装
置内を自動的に水洗する手段を少なくとも備える。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は多段フラッシュ蒸発
による海水淡水化装置の保管操作の自動化をはかり、海
水淡水化装置の運転を停止することなく、装置の保管操
作に要する時間および費用を著しく低減することが可能
な構造の海水淡水化装置およびその運用方法に関する。
による海水淡水化装置の保管操作の自動化をはかり、海
水淡水化装置の運転を停止することなく、装置の保管操
作に要する時間および費用を著しく低減することが可能
な構造の海水淡水化装置およびその運用方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の多段フラッシュ蒸発による海水淡
水化装置の系統を図２に示す。この海水淡水化装置は、
主として熱回収部１、排熱部２、ブラインヒータ３、前
処理装置４、抽気装置５およびポンプ類で構成されてい
る。海水は、海水ポンプ６から排熱部２の凝縮器１０へ
供給された後、大部分は系外に排水され、一部が補給海
水として排熱部２の蒸発器へ供給される。補給海水は、
ブライン再循環ポンプ７で昇圧し、熱回収部１の凝縮器
１１を経てブラインヒータ３に供給し、ブラインヒータ
加熱蒸気２９により加熱された後、熱回収部１の蒸発器
へ導入され、フラッシュ蒸発を行わせ、凝縮器１１にお
いて凝縮したものが生成淡水として多段フラッシュ蒸発
器の最終段に集められ、淡水ポンプ８で淡水として取り
出される。従来は、上記海水淡水化装置の運転停止に当
って、ブラインヒータ３の加熱蒸気２９による加熱を中
止し、ブラインヒータ３の温度を低下させ、フラッシュ
蒸発が起らない状態にした後に、海水の供給を中止し、
各ポンプを順次停止することで運転を終了していた。運
転終了後は、再度運転開始までの期間の長さに応じてプ
ラント保管作業を行っているが、一般的に、数日間程度
の短期間の場合には、淡水化装置の器内に残った海水お
よびブラインは排水せず、そのまま真空状態を維持し保
管している。数日間から一週間程度までの中期間保管の
場合には、装置内の海水およびブラインを、多段フラッ
シュ蒸発器の各段に設けている排水管から系外へ排出
し、装置内を抽気装置５で真空に維持して真空保管を行
っている。また、長期間保管の場合には、淡水化装置の
多段フラッシュ蒸発器の各段の内部を開放し、系外から
の洗浄水で人力により洗浄した後、乾燥させて密閉す
る、いわゆる乾燥保管を実施している。
水化装置の系統を図２に示す。この海水淡水化装置は、
主として熱回収部１、排熱部２、ブラインヒータ３、前
処理装置４、抽気装置５およびポンプ類で構成されてい
る。海水は、海水ポンプ６から排熱部２の凝縮器１０へ
供給された後、大部分は系外に排水され、一部が補給海
水として排熱部２の蒸発器へ供給される。補給海水は、
ブライン再循環ポンプ７で昇圧し、熱回収部１の凝縮器
１１を経てブラインヒータ３に供給し、ブラインヒータ
加熱蒸気２９により加熱された後、熱回収部１の蒸発器
へ導入され、フラッシュ蒸発を行わせ、凝縮器１１にお
いて凝縮したものが生成淡水として多段フラッシュ蒸発
器の最終段に集められ、淡水ポンプ８で淡水として取り
出される。従来は、上記海水淡水化装置の運転停止に当
って、ブラインヒータ３の加熱蒸気２９による加熱を中
止し、ブラインヒータ３の温度を低下させ、フラッシュ
蒸発が起らない状態にした後に、海水の供給を中止し、
各ポンプを順次停止することで運転を終了していた。運
転終了後は、再度運転開始までの期間の長さに応じてプ
ラント保管作業を行っているが、一般的に、数日間程度
の短期間の場合には、淡水化装置の器内に残った海水お
よびブラインは排水せず、そのまま真空状態を維持し保
管している。数日間から一週間程度までの中期間保管の
場合には、装置内の海水およびブラインを、多段フラッ
シュ蒸発器の各段に設けている排水管から系外へ排出
し、装置内を抽気装置５で真空に維持して真空保管を行
っている。また、長期間保管の場合には、淡水化装置の
多段フラッシュ蒸発器の各段の内部を開放し、系外から
の洗浄水で人力により洗浄した後、乾燥させて密閉す
る、いわゆる乾燥保管を実施している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従来の海水淡水化装置
の運転停止中の保管は、上述したごとく、主に人力によ
って行われ、また、短期ないしは中期間の保管において
は装置内にブラインおよび海水を残留したままの状態で
保管されるため、保管中に装置内部に腐食が発生する可
能性があると共に、海水およびブライン中の不純物が凝
縮管内、蒸発器内に付着堆積し、淡水化装置の性能低下
を招く恐れがある。また、長期間の保管作業において
は、蒸発器および凝縮器の海水およびブラインの排出操
作、マンホール等の開放操作、洗浄水による洗浄操作等
を人力により実施しなければならず、多大の時間および
費用を必要とする問題があった。
の運転停止中の保管は、上述したごとく、主に人力によ
って行われ、また、短期ないしは中期間の保管において
は装置内にブラインおよび海水を残留したままの状態で
保管されるため、保管中に装置内部に腐食が発生する可
能性があると共に、海水およびブライン中の不純物が凝
縮管内、蒸発器内に付着堆積し、淡水化装置の性能低下
を招く恐れがある。また、長期間の保管作業において
は、蒸発器および凝縮器の海水およびブラインの排出操
作、マンホール等の開放操作、洗浄水による洗浄操作等
を人力により実施しなければならず、多大の時間および
費用を必要とする問題があった。
【０００４】本発明の目的は、上記従来技術における問
題点を解消し、海水淡水化装置の運転停止中における保
管作業を、上記装置内で生成した淡水を利用することに
より、自動的に装置内を水洗することができる構造の多
段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置およびその運用
方法を提供するものである。
題点を解消し、海水淡水化装置の運転停止中における保
管作業を、上記装置内で生成した淡水を利用することに
より、自動的に装置内を水洗することができる構造の多
段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置およびその運用
方法を提供するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構
成とするものである。すなわち、本発明は請求項１に記
載のように、多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置
において、該淡水化装置のブライン循環系の配管に設け
られているブライン循環ポンプの入口部に、生成した淡
水を循環もしくは取り出す淡水循環ポンプと、淡水循環
切換弁を設けた淡水循環配管を接続して、上記淡水化装
置の運転停止の際に、生成した淡水を上記ブライン循環
系に循環してブラインを淡水に置換し、フラッシュ蒸発
させることにより装置内を自動的に水洗する手段を少な
くとも備えた多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置
とするものである。このような構造の淡水化装置とする
ことにより、装置の水洗保管操作を自動化することがで
き、従来の多大の労力および費用を必要としていた人力
による保管操作が不要となり、淡水によるフラッシュ蒸
発洗浄を行うことによって装置内の洗浄効果が上がり、
腐食の発生をほぼ完全に抑止できる効果がある。また、
本発明は請求項２に記載のように、多段フラッシュ蒸発
による海水淡水化装置の運転停止の際に、生成した淡水
をブライン循環系統へ供給することにより、上記装置の
熱回収部の凝縮器内、ブラインヒータ伝熱管内および熱
回収部内、排熱部の蒸発器内のブラインを排出しながら
生成した淡水により置換し、上記各部の水洗操作を、多
段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置に具備されてい
るポンプ類をそのまま使用し、かつ生成した淡水をフラ
ッシュ蒸発させることにより、上記装置内の洗浄操作を
自動的に行い、上記装置の腐食の発生を防止して保守、
保管を行う海水淡水化装置の運用方法とするものであ
る。このような装置の運用方法とすることにより、海水
淡水化装置の中期ないし長期にわたる運転停止による保
管においても、装置内の腐食の発生を抑制することがで
き、装置の保管の実効を上げることができる。また、簡
単に保管操作が自動的に、かつ容易に行えるので海水淡
水化装置の使用方法を種々拡大できるメリットが生じ
る。本発明は、海水淡水化装置の停止の際の水洗操作を
自動化するために、生成した淡水をブライン循環系統へ
供給することにより、淡水化装置の熱回収部の凝縮器
内、ブラインヒータ伝熱管内および熱回収部、排熱部の
蒸発器内のブラインを排出しながら生成した淡水に置換
し、各部分の水洗操作を、多段フラッシュ蒸発による海
水淡水化装置に具備されているポンプ類等をそのまま利
用し、かつ、生成した淡水をフラッシュ蒸発させること
により装置内の洗浄効果を上げ、海水淡水化装置の停止
時における装置の腐食を防止し、装置の保管の万全をは
かるものである。多段フラッシュ蒸発による海水淡水化
装置の蒸発器は、幾つかの部屋（多段）に仕切られてお
り、また凝縮器も各段階に分けられて設置されている。
したがって、従来は、上記装置の内部を水洗する操作
は、多段フラッシュ蒸発器の各段に設けられたマンホー
ルを開放した後、人力による水洗方法が採られていた。
本発明は、上記の水洗操作を自動的、かつ効果的に実施
するために、海水淡水化装置自身が製造した淡水を、装
置内のブライン循環系に循環供給することによりブライ
ンを系外に排出し、淡水をフラッシュ蒸発させることに
より、外部からエネルギーを供給することなく自動的に
水洗操作が行えるようにしたものである。
するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構
成とするものである。すなわち、本発明は請求項１に記
載のように、多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置
において、該淡水化装置のブライン循環系の配管に設け
られているブライン循環ポンプの入口部に、生成した淡
水を循環もしくは取り出す淡水循環ポンプと、淡水循環
切換弁を設けた淡水循環配管を接続して、上記淡水化装
置の運転停止の際に、生成した淡水を上記ブライン循環
系に循環してブラインを淡水に置換し、フラッシュ蒸発
させることにより装置内を自動的に水洗する手段を少な
くとも備えた多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置
とするものである。このような構造の淡水化装置とする
ことにより、装置の水洗保管操作を自動化することがで
き、従来の多大の労力および費用を必要としていた人力
による保管操作が不要となり、淡水によるフラッシュ蒸
発洗浄を行うことによって装置内の洗浄効果が上がり、
腐食の発生をほぼ完全に抑止できる効果がある。また、
本発明は請求項２に記載のように、多段フラッシュ蒸発
による海水淡水化装置の運転停止の際に、生成した淡水
をブライン循環系統へ供給することにより、上記装置の
熱回収部の凝縮器内、ブラインヒータ伝熱管内および熱
回収部内、排熱部の蒸発器内のブラインを排出しながら
生成した淡水により置換し、上記各部の水洗操作を、多
段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置に具備されてい
るポンプ類をそのまま使用し、かつ生成した淡水をフラ
ッシュ蒸発させることにより、上記装置内の洗浄操作を
自動的に行い、上記装置の腐食の発生を防止して保守、
保管を行う海水淡水化装置の運用方法とするものであ
る。このような装置の運用方法とすることにより、海水
淡水化装置の中期ないし長期にわたる運転停止による保
管においても、装置内の腐食の発生を抑制することがで
き、装置の保管の実効を上げることができる。また、簡
単に保管操作が自動的に、かつ容易に行えるので海水淡
水化装置の使用方法を種々拡大できるメリットが生じ
る。本発明は、海水淡水化装置の停止の際の水洗操作を
自動化するために、生成した淡水をブライン循環系統へ
供給することにより、淡水化装置の熱回収部の凝縮器
内、ブラインヒータ伝熱管内および熱回収部、排熱部の
蒸発器内のブラインを排出しながら生成した淡水に置換
し、各部分の水洗操作を、多段フラッシュ蒸発による海
水淡水化装置に具備されているポンプ類等をそのまま利
用し、かつ、生成した淡水をフラッシュ蒸発させること
により装置内の洗浄効果を上げ、海水淡水化装置の停止
時における装置の腐食を防止し、装置の保管の万全をは
かるものである。多段フラッシュ蒸発による海水淡水化
装置の蒸発器は、幾つかの部屋（多段）に仕切られてお
り、また凝縮器も各段階に分けられて設置されている。
したがって、従来は、上記装置の内部を水洗する操作
は、多段フラッシュ蒸発器の各段に設けられたマンホー
ルを開放した後、人力による水洗方法が採られていた。
本発明は、上記の水洗操作を自動的、かつ効果的に実施
するために、海水淡水化装置自身が製造した淡水を、装
置内のブライン循環系に循環供給することによりブライ
ンを系外に排出し、淡水をフラッシュ蒸発させることに
より、外部からエネルギーを供給することなく自動的に
水洗操作が行えるようにしたものである。
【０００６】
【発明の実施の形態】図１に、本発明の実施の形態で例
示する海水淡水化装置の系統を示す。本発明による多段
フラッシュ蒸発による海水淡水化装置は、従来の装置に
対して、淡水循環配管１８、淡水循環仕切弁１９を設け
ることにより、生成した淡水をブライン再循環系へ供給
できるようにすると共に、蒸発器の最終段階にブライン
濃度検出器２０を設置し、ブライン濃度によって、ブラ
イン流量調節弁１３およびブラインブロー調節弁１４が
作動するように構成されている。本発明による淡水化装
置の運転停止の前に行う水洗自動化操作は、まず、淡水
ホットウェル２７に付設されている淡水レベル調整器２
６のレベル調整を、淡水トレイ２８の上部レベルに相当
する高さに設定値を上げることにより、淡水化装置内へ
通常の運転時に比べ多量の生成淡水を保有することがで
きる構造としている。また、上記操作と同時に、蒸発器
の最終段階に付設されているブラインレベル調整器１７
の設定値を、蒸発器底面に近いレベルにまで下げること
により、蒸発器内のブライン保有量を減少させる操作を
行うことができる。これ等の操作を終了した時点におい
て、補給海水調節弁１２を全閉操作することにより蒸発
器内への補給海水の供給を停止する。次のステップとし
て、淡水回収切換弁１５を全閉にすると共に、淡水循環
配管１８の経路中に設けられている淡水循環切換弁１９
を開くことにより、ブラインポンプ出口管２５、熱回収
部の凝縮器１１、ブラインヒータ３の伝熱管内に残留し
ているブラインを蒸発器内へ送り出すことにより、ブラ
インを淡水と自動的に置換することができる。本操作中
において、淡水レベル調整器２６の設定値は、上記淡水
レベル操作とは逆に設定値を順次下げ、淡水トレイ２８
および淡水ホットウェル２７内に貯蔵されている淡水を
凝縮器および蒸発器に供給する。蒸発器の初段階に供給
された淡水は、フラッシュ蒸発すると共に、ブラインを
多段フラッシュ蒸発器の次段へと順次最終段に押し出
す。フラッシュ蒸発した淡水は、装置内の洗浄を行うと
共に、蒸気は凝縮器において再度淡水に戻り、再循環さ
れ、未蒸発淡水は次段でフラッシュ蒸発する。この運転
中において、最終段のフラッシュ蒸発器に設置されたブ
ライン濃度検出器２０の設定値が、淡水化装置の保管上
要求されている洗浄水としての水質を満足する塩分濃度
以下となった時点において、ブラインブロー調節弁１４
を閉じることにより本格的な洗浄操作に入る。水洗操作
は、淡水を装置内に数回循環させることによって終了す
る。水洗操作が終了するとブラインヒータ加熱蒸気２９
を停止し、ポンプを停止すると共に、系外へ接続された
各系の調節弁を全閉とした後、抽気装置５を停止するこ
とで淡水化装置の保管準備は完了する。本発明の他の実
施の形態としては、図１に示す淡水ポンプ８の入口配管
に、洗浄水補給配管２１を設けるものである。また、他
の実施の形態として、淡水ホットウェル２７の淡水保有
量を、通常の装置に比べ大容量化することによって、装
置器内への生成淡水の保有量を増加させることも可能で
あり、水洗操作に要する水を充分に確保することができ
る。また、洗浄水を外部から補給する系統を設けても良
い。これは、多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置
の装置規模によって、これらの手段の設置を考慮するこ
とにより、いっそう洗浄効果を上げることが可能とな
る。
示する海水淡水化装置の系統を示す。本発明による多段
フラッシュ蒸発による海水淡水化装置は、従来の装置に
対して、淡水循環配管１８、淡水循環仕切弁１９を設け
ることにより、生成した淡水をブライン再循環系へ供給
できるようにすると共に、蒸発器の最終段階にブライン
濃度検出器２０を設置し、ブライン濃度によって、ブラ
イン流量調節弁１３およびブラインブロー調節弁１４が
作動するように構成されている。本発明による淡水化装
置の運転停止の前に行う水洗自動化操作は、まず、淡水
ホットウェル２７に付設されている淡水レベル調整器２
６のレベル調整を、淡水トレイ２８の上部レベルに相当
する高さに設定値を上げることにより、淡水化装置内へ
通常の運転時に比べ多量の生成淡水を保有することがで
きる構造としている。また、上記操作と同時に、蒸発器
の最終段階に付設されているブラインレベル調整器１７
の設定値を、蒸発器底面に近いレベルにまで下げること
により、蒸発器内のブライン保有量を減少させる操作を
行うことができる。これ等の操作を終了した時点におい
て、補給海水調節弁１２を全閉操作することにより蒸発
器内への補給海水の供給を停止する。次のステップとし
て、淡水回収切換弁１５を全閉にすると共に、淡水循環
配管１８の経路中に設けられている淡水循環切換弁１９
を開くことにより、ブラインポンプ出口管２５、熱回収
部の凝縮器１１、ブラインヒータ３の伝熱管内に残留し
ているブラインを蒸発器内へ送り出すことにより、ブラ
インを淡水と自動的に置換することができる。本操作中
において、淡水レベル調整器２６の設定値は、上記淡水
レベル操作とは逆に設定値を順次下げ、淡水トレイ２８
および淡水ホットウェル２７内に貯蔵されている淡水を
凝縮器および蒸発器に供給する。蒸発器の初段階に供給
された淡水は、フラッシュ蒸発すると共に、ブラインを
多段フラッシュ蒸発器の次段へと順次最終段に押し出
す。フラッシュ蒸発した淡水は、装置内の洗浄を行うと
共に、蒸気は凝縮器において再度淡水に戻り、再循環さ
れ、未蒸発淡水は次段でフラッシュ蒸発する。この運転
中において、最終段のフラッシュ蒸発器に設置されたブ
ライン濃度検出器２０の設定値が、淡水化装置の保管上
要求されている洗浄水としての水質を満足する塩分濃度
以下となった時点において、ブラインブロー調節弁１４
を閉じることにより本格的な洗浄操作に入る。水洗操作
は、淡水を装置内に数回循環させることによって終了す
る。水洗操作が終了するとブラインヒータ加熱蒸気２９
を停止し、ポンプを停止すると共に、系外へ接続された
各系の調節弁を全閉とした後、抽気装置５を停止するこ
とで淡水化装置の保管準備は完了する。本発明の他の実
施の形態としては、図１に示す淡水ポンプ８の入口配管
に、洗浄水補給配管２１を設けるものである。また、他
の実施の形態として、淡水ホットウェル２７の淡水保有
量を、通常の装置に比べ大容量化することによって、装
置器内への生成淡水の保有量を増加させることも可能で
あり、水洗操作に要する水を充分に確保することができ
る。また、洗浄水を外部から補給する系統を設けても良
い。これは、多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置
の装置規模によって、これらの手段の設置を考慮するこ
とにより、いっそう洗浄効果を上げることが可能とな
る。
【０００７】
【発明の効果】本発明は請求項１に記載のように、多段
フラッシュ蒸発による海水淡水化装置のブライン循環系
の配管に設けられているブライン循環ポンプの入口部
に、生成した淡水を循環もしくは取り出す淡水循環ポン
プと、淡水循環切換弁を設けた淡水循環配管を接続し、
上記淡水化装置の運転停止の際に、生成した淡水を上記
ブライン循環系に循環してブラインを淡水に置換し、フ
ラッシュ蒸発させることにより装置内を自動的に水洗す
る手段を少なくとも備えた多段フラッシュ蒸発による海
水淡水化装置とするものである。このような構造とする
ことにより、装置の水洗保管操作を自動化することがで
き、従来の多大の労力および費用を必要としていた人力
による保管操作が不要となり、淡水によるフラッシュ蒸
発洗浄を行うことによって装置内の洗浄効果が上がり、
腐食の発生を抑止できる効果がある。また、本発明は請
求項２に記載のように、多段フラッシュ蒸発による海水
淡水化装置の運転停止の際に、生成した淡水をブライン
循環系統へ供給することにより、上記装置の熱回収部の
凝縮器内、ブラインヒータ伝熱管内および熱回収部内、
排熱部の蒸発器内のブラインを排出しながら生成した淡
水により置換し、上記各部の水洗操作を、多段フラッシ
ュ蒸発による海水淡水化装置に具備されているポンプ類
をそのまま使用し、かつ生成した淡水をフラッシュ蒸発
させることにより、上記装置内の洗浄操作を自動的に行
い、上記装置の腐食の発生を防止して保守、保管を行う
海水淡水化装置の運用方法とするものである。このよう
な運用方法をとることにより、海水淡水化装置の中期な
いし長期にわたる運転停止による保管においても、装置
内の腐食の発生をほぼ完全に抑止することができ、装置
保管の実効を上げることができる。また、簡単に保管操
作が自動的に、かつ容易に行えるので海水淡水化装置の
使用方法を種々拡大できるメリットが生じる。
フラッシュ蒸発による海水淡水化装置のブライン循環系
の配管に設けられているブライン循環ポンプの入口部
に、生成した淡水を循環もしくは取り出す淡水循環ポン
プと、淡水循環切換弁を設けた淡水循環配管を接続し、
上記淡水化装置の運転停止の際に、生成した淡水を上記
ブライン循環系に循環してブラインを淡水に置換し、フ
ラッシュ蒸発させることにより装置内を自動的に水洗す
る手段を少なくとも備えた多段フラッシュ蒸発による海
水淡水化装置とするものである。このような構造とする
ことにより、装置の水洗保管操作を自動化することがで
き、従来の多大の労力および費用を必要としていた人力
による保管操作が不要となり、淡水によるフラッシュ蒸
発洗浄を行うことによって装置内の洗浄効果が上がり、
腐食の発生を抑止できる効果がある。また、本発明は請
求項２に記載のように、多段フラッシュ蒸発による海水
淡水化装置の運転停止の際に、生成した淡水をブライン
循環系統へ供給することにより、上記装置の熱回収部の
凝縮器内、ブラインヒータ伝熱管内および熱回収部内、
排熱部の蒸発器内のブラインを排出しながら生成した淡
水により置換し、上記各部の水洗操作を、多段フラッシ
ュ蒸発による海水淡水化装置に具備されているポンプ類
をそのまま使用し、かつ生成した淡水をフラッシュ蒸発
させることにより、上記装置内の洗浄操作を自動的に行
い、上記装置の腐食の発生を防止して保守、保管を行う
海水淡水化装置の運用方法とするものである。このよう
な運用方法をとることにより、海水淡水化装置の中期な
いし長期にわたる運転停止による保管においても、装置
内の腐食の発生をほぼ完全に抑止することができ、装置
保管の実効を上げることができる。また、簡単に保管操
作が自動的に、かつ容易に行えるので海水淡水化装置の
使用方法を種々拡大できるメリットが生じる。
【図１】本発明の実施の形態で例示した多段フラッシュ
蒸発による海水淡水化装置の系統を示す図。
蒸発による海水淡水化装置の系統を示す図。
【図２】従来の多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装
置の系統を示す図。
置の系統を示す図。
１…熱回収部 ２…排熱部 ３…ブラインヒータ ４…前処理装置 ５…抽気装置 ６…海水ポンプ ７…ブライン循環ポンプ ８…淡水ポンプ ９…復水ポンプ １０…排熱部の凝縮器 １１…熱回収部の凝縮器 １２…補給海水調節弁 １３…ブライン流量調節弁 １４…ブラインブロー調節弁 １５…淡水回収切換弁 １６…淡水排出切換弁 １７…ブラインレベル調整器 １８…淡水循環配管 １９…淡水循環切換弁 ２０…ブライン濃度検出器 ２１…洗浄水補給配管 ２２…本体排水管 ２３…水室排水管 ２４…淡水ポンプ出口管 ２５…ブラインポンプ出口管 ２６…淡水レベル調整器 ２７…淡水ホットウエル ２８…淡水トレイ ２９…ブラインヒータ加熱蒸気
Claims (2)
- 【請求項１】多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置
において、該海水淡水化装置のブライン循環系の配管に
設けられているブライン循環ポンプの入口部に、生成し
た淡水を循環もしくは取り出す淡水循環ポンプと、淡水
循環切換弁を設けた淡水循環配管を接続し、上記淡水化
装置の運転停止の際に、生成した淡水を上記ブライン循
環系に循環してブラインを淡水に置換し、再度フラッシ
ュ蒸発させることにより装置内を自動的に水洗する手段
を少なくとも備えたことを特徴とする多段フラッシュ蒸
発による海水淡水化装置。 - 【請求項２】多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置
の運転停止の際に、生成した淡水をブライン循環系統へ
供給することにより、上記装置の熱回収部の凝縮器内、
ブラインヒータ伝熱管内および熱回収部内および排熱部
の蒸発器内のブラインを排出しながら生成した淡水によ
り置換し、上記各部の水洗操作を、多段フラッシュ蒸発
による海水淡水化装置に具備されているポンプ類をその
まま使用し、かつ生成した淡水をフラッシュ蒸発させる
ことにより、上記装置内の洗浄操作を自動的に行い、上
記装置の腐食の発生を防止して保守、保管を行うことを
特徴とする海水淡水化装置の運用方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7275237A JPH09117753A (ja) | 1995-10-24 | 1995-10-24 | 多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置およびその運用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7275237A JPH09117753A (ja) | 1995-10-24 | 1995-10-24 | 多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置およびその運用方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09117753A true JPH09117753A (ja) | 1997-05-06 |
Family
ID=17552614
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7275237A Pending JPH09117753A (ja) | 1995-10-24 | 1995-10-24 | 多段フラッシュ蒸発による海水淡水化装置およびその運用方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09117753A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006095397A1 (ja) * | 2005-03-07 | 2006-09-14 | Hitachi Zosen Corporation | 多段フラッシュ式海水淡水化装置 |
| WO2008026354A1 (fr) * | 2006-08-29 | 2008-03-06 | Hitachi Zosen Corporation | Usine de dessalement de type à entraînement multistade |
| CN104058474A (zh) * | 2014-03-31 | 2014-09-24 | 大连理工大学 | 脉动闪蒸自然循环太阳能海水淡化装置 |
| CN116081738A (zh) * | 2023-02-28 | 2023-05-09 | 西安热工研究院有限公司 | 一种海水淡化装置停运保养系统及保养方法 |
-
1995
- 1995-10-24 JP JP7275237A patent/JPH09117753A/ja active Pending
Cited By (6)
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| JP2008055244A (ja) * | 2006-08-29 | 2008-03-13 | Hitachi Zosen Corp | 多段フラッシュ式造水装置 |
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| CN104058474B (zh) * | 2014-03-31 | 2016-08-24 | 大连理工大学 | 脉动闪蒸自然循环太阳能海水淡化装置 |
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