JPH09117460A - 歯科用治療器具及び歯科用治療器具の製造方法 - Google Patents

歯科用治療器具及び歯科用治療器具の製造方法

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JPH09117460A
JPH09117460A JP7279945A JP27994595A JPH09117460A JP H09117460 A JPH09117460 A JP H09117460A JP 7279945 A JP7279945 A JP 7279945A JP 27994595 A JP27994595 A JP 27994595A JP H09117460 A JPH09117460 A JP H09117460A
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    • A61C5/40Implements for surgical treatment of the roots or nerves of the teeth; Nerve needles; Methods or instruments for medication of the roots
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回転操作によって根管壁の整形を行なうと共に
根管内にある異物を完全に除去し且つ根尖まで正確に整
形する歯科用治療器具と、該器具の製造方法を提供す
る。 【解決手段】シャフト部1と、シャフト部1に連続して
予め設定された先端径Dとテーパを有する作業部2から
なる本体Aを形成し、作業部2のシャフト部1側から所
定長さ部分に螺旋刃部2aを形成すると共に該螺旋刃部
2aの先端側の端部と作業部2の先端との間に平坦面4
と円筒面5とで構成される非螺旋部2bを形成する。非
螺旋部2bには平坦面4の軸方向の両側に軸心7と平行
で、回転時に推進力を発生することのないエッジ6が形
成される。本体Aのシャフト部1をシャンクBに一体的
に接合してハンドピースによって把持し得るように構成
する。線材21に砥石22を圧接させ、線材21を回転させつ
つ軸方向に移動させて螺旋刃部2aを形成し、線材21の
回転を停止して軸方向に移動させて非螺旋部を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転操作によって
根管壁を切削することを実現した歯科用治療器具と、こ
の歯科用治療器具の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】根管治療用の器具としてHファイルがあ
る。Hファイルは、根管壁に沿って柔軟に屈曲して根尖
までの根管壁を削除する機能を有するものであり、一端
に医師が操作するためのハンドルを設けた軸状のシャフ
ト部と、シャフト部の端部に連続して形成されたテーパ
状の作業部とからなり、作業部の全長にわたってネジリ
角の大きい螺旋状の刃が形成されている。
【0003】Hファイル51には所定のテーパを有する素
材を研削することによって螺旋状の刃52が所定のネジリ
角を持って形成されており、図6(a)に示すように、
Hファイル51を軸心51aに沿って切断したとき、刃52は
刃先52a,すくい面52b,刃先52aとすくい面52bを結
ぶ研削面によって形成された逃げ面52cからなる鋸刃状
に形成され、各刃52の刃先52aを結ぶ線53は、予め設定
されたテーパ上に配置されている。また刃52のすくい面
52bは軸心51aに対し直角方向に形成され、刃先52aと
すくい面52bの底部を結ぶ面が逃げ面52cとして形成さ
れる。従って、Hファイル51の軸51aに沿った方向に於
ける刃52のすくい角は0度となり、すくい面52bと逃げ
面52cのなす角は90度以下となる。
【0004】また同図(b)に示すように、Hファイル
51を軸51aに直角に切断したとき、刃52のすくい面52b
は半径上に形成されすくい角は0度となり、且つ刃先52
aに於けるすくい面52aと周方向の研削面からなる逃げ
面52dのなす角は90度以下となる。
【0005】上記Hファイルでは、回転操作及び軸方向
の往復移動操作(押し引き操作)の何れの操作を行って
も根管壁を切削することが出来る。然し、Hファイルを
回転させて根管壁を切削した場合、刃が根管壁に接触し
たとき、刃のネジリ角に応じた推力が作用して該刃が根
管壁に食い込み、過大な捩じり力を受けて折損したり破
損する危険が大きい。特に、作業部が根管内で折損した
場合、根管内に残置されたHファイルを除去することが
必要となり、外科的な手術を行なうことが要求されると
いう問題が派生する。このため、Hファイルは押し引き
操作によって根管壁を切削するのが原則である。
【0006】根管壁を切削するに際し、Hファイルの押
し引き操作に伴って鋭く尖った作業部の先端により根管
壁にレッジを形成したり、甚だしいときは穿孔してしま
うという問題がある。この問題を解決することを目的と
して、作業部の先端に切削機能を有することのない部分
を形成したHファイルが提案されている。
【0007】例えば、実開昭62−180415号公報に開示さ
れた技術は、切削刃(作業部に形成した螺旋状の刃)の
先端に断面が円或いは長円の導進部を形成したものであ
る。また特公昭61-106号公報に開示された技術は、作動
長さの一部に延在する切削部分と、先端に歯冠の中へ案
内するための滑らかな先端部分とを有するものである。
これらの技術は、作業部の先端に切削機能を有しない案
内部を設け、この案内部によって作業部を根管に沿って
導入するものである。
【0008】Hファイルは作業部の先端部分と中間部分
が根管壁に当接して屈曲する。このため、押し引き操作
によって根管壁の少なくとも2箇所を切削することにな
る。然し、根管壁の2箇所を同時に切削することが好ま
しくない場合もある。この問題を解決するために、作業
部の先端を滑らかで丸く形成すると共に、該作業部に形
成された多数の刃の一側面を除去して平面状に形成した
Hファイルも提案されている(特公平5-10943号公
報)。
【0009】Hファイルを回転操作したとき、特に作業
部の先端の刃が根管壁に食い込んで折損したり破損する
危険がある。この問題を解決するために、切刃のピッチ
を大きく変化させる技術も提案されている(実公昭62-6
51号公報)。この技術は、切刃のピッチを作業部の軸方
向に大きく変化させることで、Hファイルの回転操作に
伴って切刃が根管壁に食い込んだ場合であっても、ピッ
チの変化部分で食い込み長さを制限することより、折損
や破損を防止するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記実開昭62−180415
号公報,特公昭61-106号公報や特公平5-10943号公報に
開示されたHファイルのように、作業部の先端を中実の
非切削部としたのでは、根管壁を根尖に至るまで正確に
整形することが出来ず、且つ根管内にある異物を除去す
ることも出来ないという問題が生じる。
【0011】また実公昭62-651号公報に開示されるよう
に、切刃のピッチを大きく変化させたHファイルでは、
部分的に切削性能が変化することになり、根管壁を良好
に整形することが困難になる虞がある。特に、この技術
は本来押し引き操作が基本であるHファイルを回転操作
した場合に生じる折損や破損を防止することを目的とす
るものであり、Hファイルを回転操作に耐え得るように
したものではない。
【0012】上記の如く、従来のHファイルは全て回転
操作して根管の治療を行なうという思想はなく、押し引
き操作による治療を行なう際に生じる問題を解決するも
のであり、回転操作に伴う諸問題を解決しようとする技
術は存在しないのが実情である。
【0013】然し、Hファイルは他の根管治療用の器具
に比較して刃の捩じり角が大きく、円周方向にも高い切
削性能を有しているため、Hファイルを回転操作するこ
とで効果的な根管整形を実施し得るであろうことは想像
に難くない。即ち、円周方向の切削性能が高いことに起
因する種々の問題を解決すれば、Hファイルをより有効
な根管治療器具とすることが出来る。
【0014】上記解決すべき問題の1つに、根管壁に接
触して屈曲したHファイルを回転させた場合、Hファイ
ルには回転に伴って繰り返し曲げ応力が作用し、素材に
曲げ疲労が生じて破損する虞が生じる点がある。従っ
て、根管壁に沿ってしなやかに屈曲し且つ曲げに対し充
分な強度を有する素材の選択も解決すべき重要な課題と
なる。
【0015】またHファイルを回転操作する場合、医師
の手動操作よりもハンドピースと呼ばれる回転駆動装置
を用いることが好ましい。然し、従来のHファイルは医
師による押し引き操作が基本であり、ハンドピースに装
着して用いるという思想はない。
【0016】本発明の目的は、回転操作によって根管壁
の整形を行なうと共に根管内にある異物を完全に除去す
ることが出来、且つ根尖まで正確に整形し得る歯科用治
療器具を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る歯科用治療
器具は、シャフト部と、前記シャフト部に連続して形成
され予め設定された先端径とテーパを有する作業部とか
らなり、前記作業部のシャフト部側から所定長さ部分に
形成された螺旋刃部と、前記螺旋刃部の先端側の端部と
作業部の先端との間に形成された平坦面と円筒面とで構
成される非螺旋部とを有して構成されるものである。
【0018】上記歯科用治療器具(以下『Hファイル』
という)では、予め設定された先端径とテーパを有する
作業部のシャフト側から所定長さ部分に螺旋刃部を形成
すると共に、該螺旋刃部と先端部との間に平坦面と円筒
面とで構成される非螺旋部を形成したので、螺旋刃部に
は円周方向にすくい角が0度の切刃が形成され、この螺
旋刃部の先端側の端部と作業部の先端との間には平坦面
と円筒面とからなる非螺旋部が形成される。この非螺旋
部では、平坦面の軸方向に沿った両側にすくい角が0度
で逃げ面が素材の円筒面となるエッジが形成される。
【0019】このため、Hファイルを根管内に挿入して
作業部の先端部分を根尖に到達させたとき、この先端部
分に形成された非螺旋部を構成する平坦面と根管壁との
間に間隙が形成され、該間隙を介して根管の根尖部分に
ある異物を除去することが出来る。またHファイルの回
転操作に伴って平坦面の軸方向に沿った両側に形成され
たエッジにより根管壁を整形することが出来る。
【0020】特に、作業部の先端部分が平坦面として形
成されるため、作業部の先端が根管壁に接触している状
態でHファイルを回転操作しても、この先端が根管壁に
食い込むことがない。即ち、作業部の先端部分に形成さ
れたエッジは略直線状であり殆どリードがないため、H
ファイルを回転操作して根管壁を切削する場合であって
も、回転に伴ってHファイルを推進する方向に作用する
力(推力)が発生することがなく、根管壁に食い込むこ
とがない。
【0021】また本発明に係る歯科用治療器具(Hファ
イル)の製造方法は、シャフト部に対応するストレート
部分と作業部に対応する予め設定された先端径とテーパ
を有する部分からなる線材を形成し、目的の歯科用治療
器具のすくい面と逃げ面を形成し得るように成形した砥
石を前記線材の作業部に対応する位置に圧接させ、該線
材を回転させつつ軸方向に移動させて作業部を構成する
螺旋刃部を形成すると共に、線材の回転を停止させて軸
方向に移動させて非螺旋部を形成することを特徴とする
ものである。
【0022】上記製造方法では、Hファイルのシャフト
部に対応するストレート部分と作業部に対応する予め設
定された先端径とテーパを有する部分とからなる線材を
研削等の手段によって形成しておき、また目的のHファ
イルの螺旋刃部を構成する1ピッチも刃に対応したすく
い面と逃げ面を研削し得るように成形した砥石を用意
し、この砥石を作業部に対応する位置に配置して線材に
圧接させ、線材を回転させると同時に該線材を刃のピッ
チに対応させて軸方向に移動させることで、螺旋刃部を
形成することが出来る。また非螺旋部を形成する場合に
は、線材を回転させることなく軸方向に移動させること
で、非螺旋部を形成することが出来る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、上記Hファイルの最適な実
施形態について図を用いて説明する。図1はHファイル
の全体構成を説明する図、図2は作業部の構成を説明す
る図であり非螺旋部を側面から見た図、図3は作業部の
構成を説明する図であり非螺旋部を平面的に見た図、図
4は作業部の構成を説明する図であり非螺旋部を先端側
から見た図、図5はHファイルの製造工程を模式的に説
明する図である。
【0024】本発明に係るHファイルは、ハンドピース
等の回転駆動装置に装着して回転駆動しつつ根管壁を切
削し得るように構成したものであり、根管壁の成形に要
する時間を短縮して歯科治療を容易に行なえるようにし
たものである。このため、本発明では作業部の先端部分
を平坦面と円筒面からなる非螺旋部とし、該部分が回転
しつつ根管壁に接触しても推力を発生し得ないように構
成している。またシャフト部をハンドピースに把持され
るシャンクと一体的に構成することで、Hファイルをハ
ンドピースに装着して回転駆動し得るように構成してい
る。
【0025】図1〜図4により本発明に係るHファイル
の構成について具体的に説明する。図1に示すように、
Hファイルは本体AとシャンクBを互いに一体的に接続
して構成されており、歯科医師が把持して操作する図示
しないハンドピース等のチャックにシャンクBを装着
し、該ハンドピースを駆動することで根管壁を回転切削
し得るように構成されている。
【0026】本体Aは、シャフト部1と、Hファイルの
サイズに対応して予め設定された先端径Dと予め設定さ
れたテーパを有する作業部2とを有して構成されてい
る。前記作業部2は、更に、シャフト部1と連続して所
定の長さ範囲に螺旋状の刃を形成した螺旋刃部2aと、
螺旋刃部2aと作業部2の先端との間に形成された非螺
旋部2bとに分割されている。
【0027】本体AはシャンクBとの接合部位から先端
までの長さは25mmを標準として設定され、作業部2の長
さは16mm、シャフト部1の標準長さは9mmに夫々設定さ
れている。また作業部2のテーパは 2/100に設定され、
先端径Dは0.08mm〜1.40mmの範囲内で段階的に20種類の
サイズが設定されている。従って、シャフト部1は先端
径Dに0.32mmを加えた径を持った軸状に形成されてい
る。
【0028】作業部2に於ける螺旋刃部2aには、図
2,図3に示すように、刃3が螺旋状に形成されてい
る。刃3は、作業部2のテーパ面を螺旋状に研削するこ
とで形成された研削面(すくい面3a)と、研削される
ことなく残置されたテーパ面(逃げ面3b)とによって
構成されている。従って、刃3の刃先3cに於ける円周
方向のすくい角は0度となり、刃先3cに於けるすくい
面3aと逃げ面3bのなす角が90度であることから、円
周方向の逃げ角も0度となる。また軸方向の逃げ角は、
tan(1/100)であり約4分となる。即ち、螺旋刃部2aに
形成された刃3は円周方向のすくい角,逃げ角が0度
で、且つ軸方向のすくい角が0度,逃げ角は約0度とな
る。
【0029】上記の如く構成された刃3では、周方向及
び軸方向に操作して根管壁を切削することが可能であ
る。然し、周方向及び軸方向共にすくい角及び逃げ角が
0度となり、従来のHファイルに比較して切込み可能深
さは小さくなる。
【0030】作業部2に於ける螺旋刃部2aはシャフト
部1側を起点として14mm〜15mmの長さを持って形成され
ており、該螺旋刃部2aの先端側の端部と作業部2の先
端との間に1mm〜2mmの非螺旋部2bが形成されてい
る。この非螺旋部2bは、平坦面4と、素材の表面から
なる円筒面5と、平坦面4と円筒面5とによって該平坦
面4の両側に軸方向に沿って形成されたエッジ6とによ
って構成されている。
【0031】平坦面4は作業部2の先端側であって非螺
旋部2bに対応する部分を軸心7と平行に研削すること
で形成され、この研削によって残置された部分が円筒面
5を形成している。また非螺旋部2bに対応するテーパ
状の部分を研削することで形成された平坦面4の軸方向
に沿った両側には、該平坦面4と円筒面5とによって軸
心7と平行なエッジ6が形成される。従って、このエッ
ジ6は非螺旋状に形成される。
【0032】平坦面4の軸心7からの距離は特に限定す
るものではなく、エッジ6が軸心7と平行な非螺旋状に
形成し得るものであれば良い。然し、製造工程上の視点
から、螺旋刃部2aを構成する刃3の研削と連続して平
坦面4を研削することが好ましい。このため、平坦面4
の軸心7からの距離は、非螺旋部2bと隣接する刃3の
底部8と軸心7との距離と等しい値であることが好まし
い。
【0033】平坦面4を上記の如く構成することで、単
一の研削工具を用いて同一工程で刃3と平坦面4,エッ
ジ6を形成することが可能である。即ち、予め作業部2
に対応する部分を所定のテーパに仕上げた本体Aを構成
する素材を用意し、この素材に回転する研削工具を押圧
しつつ、刃3のネジリ角及びテーパ(軸心7に対する勾
配)に従って素材,研削工具を相対的に素材の軸方向及
び軸心7と直交する方向に移動させることで刃3を形成
する。螺旋刃部2aに対応する部分に刃3を形成した
後、研削工具の回転を維持して素材の回転を停止させ、
この状態で素材と研削工具を軸方向に相対的に移動させ
ることで、非螺旋部2bに対応する部分に平坦面4を形
成すると共に該面4の軸方向に沿った両側にエッジ6を
形成する。従って、同一の研削工具を用いた同一の工程
で刃3と平坦面4を形成することが可能である。
【0034】上記の如く構成された非螺旋部2bでは、
軸心7から離隔した位置に平坦面4が形成され、該面4
と円筒面5によって軸心7と平行なエッジ6が形成され
ている。前記平坦面4の軸心7からの距離が非螺旋部2
bと隣接する刃3の底部8を同一である場合、エッジ6
に於ける平坦面4と円筒面5のなす角は90度以上の鈍角
となる。
【0035】上記エッジ6に於いて、該エッジ6は軸心
7と平行に形成され、且つすくい角が0度であり逃げ角
が鈍角となる。このため、エッジ6を根管壁に接触させ
て本体Aを回転操作したとき、根管壁を切削して切削屑
を排除し、或いは根尖部に存在する異物を排除すること
が可能である。然し、根管壁に食い込むことはなく、例
え食い込んだとしてもエッジ6が非螺旋状に形成される
ことから、推力を作用させて深く食い込むことはない。
また本体Aを押し引き操作したとき、エッジ6は切削力
を発揮しない。
【0036】上記の如く、作業部2の先端に平坦面4と
円筒面からなる非螺旋部2bを設けることによって、本
体Aを回転操作した場合であっても作業部2の根管壁に
対する食い込みを防止することが可能である。このた
め、作業部2の先端部分(非螺旋部2bの先端部分)の
形状は、図2に示すように球又は平面からなる鈍であっ
ても良く、また尖った形状であっても良い。作業部2の
先端が前記何れの形状であっても、該作業部2が根管壁
に食い込むことはない。このように本体Aを押し引き操
作或いは回転操作して根管壁を切削することが可能であ
る。
【0037】例えば上記本体A用い、押し引き操作に限
定したHファイルを構成する場合、本体Aを構成する材
料として従来のHファイルと同様にステンレス鋼やバネ
鋼を用いると共に、シャフト部1に歯科医師が把持して
操作し得るハンドルを取り付けることで構成することが
可能である。
【0038】また上記本体Aを用い、回転操作及び押し
引き操作して根管壁を切削するHファイルを構成する場
合、本体Aを構成する材料として可撓性を有し且つ曲げ
疲労に対する強度を有することが必要である。このよう
な材料としては、冷間線引き加工して組織をファイバー
状に伸長させたステンレス鋼、或いは超弾性合金があ
る。特に、超弾性合金を用いて本体Aを構成した場合に
は、治療を行う際にしなやかな曲げを実現することが可
能となり好ましいHファイルを構成することが可能であ
る。
【0039】本件発明者等は、#25のHファイル(素材
径 0.6mm, 先端径D0.25mm)に対応する超弾性合金から
なる本体Aとステンレス鋼からなる本体Aの耐久性の比
較実験を行った。この実験では、夫々の本体Aをチャッ
クから25mm突出させてハンドピースに装着すると共に該
突出部分を先端から12mmの位置を60度に屈折させた内径
0.82mmのステンレスパイプに挿通し、125r.p.m. で回転
させて破断に至る時間と回転数を計測した。各本体Aの
サンプル数は3とした。
【0040】上記実験の結果、超弾性合金からなる本体
Aでは、破断に至る平均時間は2分31秒であり、このと
きの回転数は 314回であった。これに対しステンレス鋼
からなる本体Aでは、破断に至る時間は10秒であり、こ
のときの回転数は21回であった。
【0041】上記実験結果から、本例では本体Aを構成
する材料としてニッケル−チタン合金からなる超弾性合
金を用いている。そして前記超弾性合金に所定の加工を
施し後記憶熱処理を施して本体Aを構成し、或いは予め
記憶熱処理を施した超弾性合金に所定の加工を施して本
体Aを構成している。超弾性合金に対する記憶熱処理と
加工工程の順序は特に制限されるものではない。
【0042】本体Aを常温で超弾性を発揮させるため、
形状回復温度を摂氏0度に設定している。この条件を満
足させる記憶熱処理は、本体Aの形状に加工され、或い
は加工される以前の超弾性合金を直針状に保持して摂氏
400度〜摂氏 500度に加熱し、該温度を一定時間維持す
ることで行われる。
【0043】本体Aを超弾性合金によって構成すること
で、該本体Aは作用する外力に応じてしなやかに変形
し、根管壁を過剰に切削することがない。このため、ス
テンレス鋼からなる本体Aによる根管壁の切削と比較し
て極めて治療が容易となる。また治療が終了して本体A
を根管から離脱させると、該本体Aは直ちに記憶形状で
ある直針状に復帰する。
【0044】本体AはシャンクBに対し一体的に接合さ
れている。本体AとシャンクBはかしめ或いは接着によ
り接合されることが好ましい。即ち、記憶熱処理を施さ
れた本体Aでは摂氏 600度まで昇温すると記憶形状が消
失するため、溶着等の手段を用いることは好ましくはな
い。従って、シャンクBに予め穴を形成しておき、該穴
に本体Aのシャフト部1を挿入して穴の周囲をかしめ、
或いは接着剤により接着することで、本体Aとシャンク
Bを一体的に接合している。
【0045】シャンクBは装着すべきハンドピースのチ
ャック形状に応じた形状を持って構成されている。本例
では、図1に示すように、シャンクBの胴部11はチャッ
クが把持し得る太さを有しており、該胴部11の後端(図
1に於ける右側)には回転力が伝達される切欠部12が形
成されている。また胴部11には本体Aのサイズに対応さ
せた溝13が全周にわたって形成されている。
【0046】上記の如く構成されたHファイルでは、シ
ャンクBを歯科医師が操作するハンドピースによって把
持し、本体Aの作業部2を根管内に挿入して該本体Aを
回転させ、或いは本体Aを回転させつつ押し引き操作す
ることで、根管壁を切削することが可能である。そして
本体Aが回転するにも関わらず、作業部2の先端に非螺
旋部2bの作用によって該作業部2が根管壁に食い込む
ことがなく、従って、本体Aが折損する虞がない。この
ため、根管壁の成形を短時間で行うことが可能となり、
患者に苦痛を強いることがない。
【0047】次に上記Hファイルの本体Aを製造する方
法について図5により説明する。同図(a)に示すよう
に、本体Aの素材となる線材21は研削等の手段によっ
て、シャフト部1に対応する太さと長さを持ったストレ
ート部21aと、作業部2に対応する長さ及び予め設定さ
れた先端径とテーパを持ったテーパ部21bとが形成され
ている。
【0048】砥石22は同図(b)に示すように、螺旋刃
部2aに於ける刃3のすくい面3aと逃げ面3bを形成
し得るように、これらの面3a,3bのなす角と略等し
い角度を持ったテーパ状に形成されており、図示しない
駆動装置によって一方向(矢印a方向)に回転されてい
る。また線材21は一方向(矢印b方向)に回転可能で且
つ線材21の軸方向(矢印c方向)に移動可能なチャック
23に把持されている。そして砥石22をストレート部21a
とテーパ部21bの境界に配置し、砥石22及び線材21を夫
々矢印a,b方向に回転させて砥石22を線材21に圧接さ
せることで研削を開始し、同時に線材21を矢印c方向に
移動させる。
【0049】上記の如くして線材21に対する研削加工を
継続することで、同図(c)に示すように複数の刃3か
らなる螺旋刃部2aを形成することが可能である。予め
設定された螺旋刃部2aの長さに対応する研削加工が終
了したとき、同図(d)に示すように、砥石22の回転を
継続させた状態で線材21の回転を停止させ、該線材21を
矢印c方向に移動させることで、螺旋刃部2aの先端側
に平坦面4と円筒面5からなる非螺旋部2bを形成する
ことが可能である。
【0050】尚、作業部2を形成する際の研削順位は上
記順位に限定するものではなく、砥石22を線材21の先端
側に配置して圧接させ、該線材21を回転させることなく
軸方向に移動させて先に非螺旋部2bを形成し、次いで
線材21を回転させると同時に軸方向に移動させて螺旋刃
部2aを形成しても良い。
【0051】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
歯科用治療器具では、作業部の先端に平坦面と円筒面に
よって構成される非螺旋部を形成したので、この非螺旋
部が根管壁に接触して回転しても推進力を発生すること
がない。このため、作業部が根管壁に食い込むことがな
く、この食い込みに起因する折損の発生を防止すること
が出来る。従って、本体を回転させて根管壁を切削する
ことが可能となり、根管の成形を短時間で実施すること
が出来、患者に苦痛を強いることなく、容易に且つ確実
に治療を施すことが出来る。
【0052】また本体を構成するシャフト部をシャンク
と一体的に構成することによって、歯科用治療器具をハ
ンドピース等の回転駆動装置に把持し、該装置を駆動す
ることで回転させて根管壁を切削することが出来る。こ
のため、歯科医師の操作が容易となり、正確で且つ合理
的な治療を施すことが出来る。
【0053】また本発明に係る歯科用治療器具の製造方
法では、すくい面と逃げ面を形成し得るように成形した
砥石を線材に圧接させ、該線材を回転させると同時に軸
方向に移動させることで螺旋刃部を形成し、且つ線材の
回転を停止させて軸方向に移動させることで非螺旋部を
形成することが出来る。このため、螺旋刃部及び非螺旋
部を一工程で加工することが出来る等の特徴を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Hファイルの全体構成を説明する図である。
【図2】作業部の構成を説明する図であり非螺旋部を側
面から見た図である。
【図3】作業部の構成を説明する図であり非螺旋部を平
面的に見た図である。
【図4】作業部の構成を説明する図であり非螺旋部を先
端側から見た図である。
【図5】Hファイルの製造方法を模式的に説明する図で
ある。
【図6】従来のHファイルの構成を説明する断面図であ
る。
【符号の説明】
A 本体 B シャンク 1 シャフト部 2 作業部 2a 螺旋刃部 2b 非螺旋部 3 刃 3a すくい面 3b 逃げ面 3c 刃先 4 平坦面 5 円筒面 6 エッジ 7 軸心 8 非螺旋部2bと隣接する刃3の底部 11 胴部 12 切欠部 13 溝 21 線材 21a ストレート部 21b テーパ部 22 砥石 23 チャック

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフト部と、前記シャフト部に連続し
    て形成され予め設定された先端径とテーパを有する作業
    部とからなり、前記作業部のシャフト部側から所定長さ
    部分に形成された螺旋刃部と、前記螺旋刃部の先端側の
    端部と作業部の先端との間に形成された平坦面と円筒面
    とで構成される非螺旋部とを有することを特徴とする歯
    科用治療器具。
  2. 【請求項2】 シャフト部に対応するストレート部分と
    作業部に対応する予め設定された先端径とテーパを有す
    る部分からなる線材を形成し、目的の歯科用治療器具の
    すくい面と逃げ面を形成し得るように成形した砥石を前
    記線材の作業部に対応する位置に圧接させ、該線材を回
    転させつつ軸方向に移動させて作業部を構成する螺旋刃
    部を形成すると共に、線材の回転を停止させて軸方向に
    移動させて非螺旋部を形成することを特徴とする歯科用
    治療器具の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109623518A (zh) * 2019-01-29 2019-04-16 博海康源(北京)科技发展有限公司 用于微刀成形的循迹变触点等时刃磨法和装置

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