JP3118437U - 根管内物質除去用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】根管を不必要に拡大してしまうことなく、根管における特に根尖孔に残留する根管充填材であっても確実に掻き出すことのできる歯科用根管充填材除去具の提供。
【解決手段】棒状部13の先端側に有する針部16を根管に差し込んで根管内物質を除去清掃する歯科用の根管内物質除去用器具11であって、上記針部16を、その軸方向における基部15側から先端側へかけて略同径、若しくは、徐々に細径に形成し、上記針部の軸方向における上記先端部近傍部位22の径に対して、根管内物質を係合可能な太径を有する段状部24を、上記針部16の軸方向における先端部23に具備して形成した根管内物質除去用器具11。
【選択図】図4

Description

この考案は、根管内物質の除去に用いる歯科用の根管内物質除去用器具に関し、さらに詳しくは、再根管治療の際に根尖付近に充填された古い根管充填材の除去に最適な根管内物質除去用器具に関する。
歯科治療における根管形成は、種々の歯科根管形成機器を用いて行われる中で、特に、リーマーやファイルなどの根管形成具が広く使用されている。そして、このような根管形成具を用いて行われる歯科治療における根管拡大は、歯牙の根管内に存在している神経組織の壊死組織片・食片等を除去して病変の拡大の防止と治癒とを目的として行われるものであり、上記根管形成具を処置の進行に従い順次細いものから太いものへと交換しながら根管を拡大して行くのである。
このように、根管形成は、最初は細径の針部を根管における根尖側にまで差し込んで行うが、歯の根管は、根尖に向かって次第に細くなりつつ、湾曲する形状を有しており、この湾曲形状は、個人差が大きく、根管形成中において、目視することができない。
にも関わらず、根管拡大の作業は、根管形成具を操作しながら手指感覚で行われているのが実状であり、ひどい場合には根管壁を穿孔してしまうことや、根管の側面を著しく削り取ってしまうこともあった。
このように、歯科治療における根管形成は、非常に困難な作業であるが、この段階でしっかりと歯髄などを除去しておかなければ、根管形成を終えた根管に対して根管充填材を充填したとき、根管内に隙間が存在してしまう要因になり、ひどい場合には、その周辺の根の部分に病巣が発生する、いわゆる根尖病巣の要因になってしまうこともある。
このような背景に対して、よりスムーズに根管形成が行われるよう様々な文献が開示されている。
中でも、下記特許文献1において「歯の根管清掃、及び、整形用歯内治療器具」(以下、歯内治療器具と称す)が開示されている。
上記「歯内治療器具」は、主として軸方向にかけて複数の小さなテーパ部を形成した棒状部(特許文献1の図5中、57参照)、或いは、軸方向に大きなテーパ部を1つ形成した棒状部(特許文献1の例えば図5中、51〜56参照)を有するものが存在し、上記いずれの棒状部におけるテーパ部にも、その周囲に切削刃を配している。
但し、上記「歯内治療器具」は、このテーパ部の付いた棒状部に、その周方向における1縦側面から上記切削刃を除去して切削刃のない上記安全面を形成している。さらに、柄における周方向の一部位にも上記棒状部に形成した安全面に対応すべく、位置決め用の面を形成している。
上記特許文献1によれば、このように構成される「歯内治療器具」は、柄における位置決め用の面の位置に基づいて、棒状部にける安全面の位置を判断できるため、棒状部における切削刃が形成されていない安全面を、根管の側面に当接させた状態で棒状部を上下動させることにより、根管の側面を切り取ることがなく根管清掃を行うことができる旨の記載がされている。
しかし、軸方向にかけて小さなテーパ部を複数、形成した棒状部(特許文献1の図5中、57参照)に着目した場合、以下に示すような課題を有する。根管は、上述したように根尖側へ進むに従って細くて曲がっており、このような根管における根尖側にまで棒状部の先端を差し込んだ場合、棒状部は、根尖側における側面形状に追従して変形してしまう、若しくは、棒状部を予め、根管における側面形状に従って変形させておく必要がある。
このため、棒状部における安全面を根管の側面に常時、当接させた状態を維持した状態で根管の根尖側の根管拡を継続することは困難であるといえ、棒状部における切削刃が不必要に他の根管の側面に当接して削り取ってしまうという課題を有する。
また、軸方向に大きなテーパ部を1つ形成した棒状部(特許文献1の図5中、51〜56参照)に着目した場合、棒状部の先端側には、切削刃が形成されていないものの、根管の根尖側における壊死組織片を削り取ったり、掻き出したりすることが充分にできないという課題を有する。
上述したとおり、上記特許文献における「歯内治療器具」は、切削用の根管形成具の範疇を脱しておらず、清掃用として用いるには課題が多く、まだまだ改善の余地があるといわざるを得ない。
続いて、再根管治療において現在、有している課題について言及する。
根管形成が完了した根管に対して充填したガッタパーチャポイントなどの根管充填材が外れた場合は、再根管治療を行う必要がある。ちなみに、再根管治療においては、基本的に、一度、根管形成を完成させているため、基本的に根管の側面を再度、切削して根管拡大する必要性は低いといえる。
但し、根管充填材が外れた状態の根管は、通常、その古い根管充填材の一部が根管内の例えば根尖側に残留したままの状態となり、このような状態の根管に対して新たに根管充填材を充填すれば、根尖病巣を誘発する要因となるため、再根管治療においては、根管充填材を充填する前に根管内に残留している古い根管充填材を完全に除去しておく必要がある。
ところが、再根管治療であっても、上述した根管治療における根管拡大の処置と同様に、上述したように、根尖孔は、細い径であるとともに目視できず、手指感で作業を行う必要があるなどの困難性を有し、作業労力、作業時間を要していた。
しかも、根管内に1度充填した根管充填材が外れて、再度、充填する再根管治療が行われる頻度は、根管治療が行われた数全体に対して30パーセント程度というデータもあり、かなり高い頻度で行われているのが現状である。
にも関わらず、根管の根尖側に残留する根管充填材を除去する際には、細径であるものの切削用の根管形成具により賄われているのが臨床現場における実状であり、根管壁を不必要に拡大してしまうこともあった。
特開昭63−59948号公報
そこで本考案では、根管を不必要に拡大してしまうことなく、根管における特に根尖孔に残留する根管充填材であっても確実に掻き出すことのできる歯科用根管充填材除去具の提供を目的とする。
本考案における歯科用根管充填材除去具は、針部を根管内に差し込んで根管内物質を除去清掃する歯科用の根管内物質除去用器具であって、上記針部を、その軸方向における基部側から先端側へかけて略同径、若しくは、徐々に細径に形成し、上記針部の軸方向における上記先端部近傍部位の径に対して、根管内物質を係合可能な太径を有する段状部を、上記針部の軸方向における先端部に具備して形成したことを特徴とする。
上記根管内物質とは、例えば、壊死した神経繊維などの歯髄、根管充填材、食片など根管内に有する根管治療時に除去すべき物質を示す。
さらに、上記根管充填材としては、特定のものに限定しないが、例えば、ガッタパーチャポイントや、このガッタパーチャポイントを充填する際に同時に用いるシーラーなどの材料を挙げることができる。勿論、上記シーラーは、レジン系、アパタイト系のいずれの場合であっても適用することができる。
また、上記先端部は、上記段状部に対して先端側へ進むに従って徐々に細径となる形状により形成することが好ましい。
さらに、上記段状部は、上記針部の軸方向における上記先端部近傍部位に対して鍔状に形成するとともに、上記先端部における上記段状部に対して先端側を、曲面状に形成することができる。
また、本考案における歯科用根管充填材除去具は、上記針部を先端側に有する棒状部が保持される保持部を具備し、上記保持部の一端側に上記棒状部を取り外し可能に取り付ける取付け部を有して形成するとともに、上記棒状部の基部側に上記取付け部に取り付けられる被取付け部を具備して形成することができる。
さらに、本考案における歯科用根管充填材除去具は、根管内物質除去用器具上記針部を先端側に有する棒状部における基部に、該基部の軸方向に対して上記針部が斜め前方へ伸びるよう少なくとも1つの屈曲部を介して形成することが好ましい。
また、上記鉢部、或いは、該針部を先端側に有する棒状部は、たわみ変形させたとき、高い曲げ弾性力を発揮する弾性素材により形成することができる。
ここで、上記弾性素材としては、例えば、ニッケル(Ni)―チタン(Ti)を含む形状記憶合金が好ましい。
但し、上記弾性素材は、上記形状記憶合金に限定せず、たわみ変形させたとき、優れた曲げ弾性力を発揮する弾性(コシ)を有し、強度など他の観点からも根管治療に適した素材であれば、適用することができる。
若しくは、上記鉢部、或いは、該針部を先端側に有する棒状部は、たわみ変形させたとき、その形状に塑性変形可能な塑性素材により形成することもできる。
ここで、上記塑性素材としては、例えば、スレンレス鋼や硬鋼線が好ましい。
但し、上記塑性素材は、針部を根管に差し込む前に予め、根管形状に従って先端部が追従するように湾曲変形した形状を維持することができ、強度など他の観点からも根管治療に適した素材であれば、適用することができる。
請求項1に記載の考案によれば、針部には、その周方向の全ての部位において切削部を形成しておらず、軸方向において先端部を除いた部位に段状部を具備していない形態を採る。このため、根管に差し込んだ針部を軸方向に動作させても、根管壁を不必要に削り取ってしまうことがない。
さらに、先端部においては、根管内物質を係合可能な径大に形成した段状部を具備して形成しているため、例えば、根管の根尖側に付着した根管充填材であっても確実に掻き出すことができる。
請求項2に記載の考案によれば、先端部を段状部から先端側へ進むに従って徐々に細径となる形状で形成しているため、針部を根管内における根尖孔などの細孔へ挿入する際において、根管壁に先端部が引っ掛かることがなくスムーズに挿入することができる。このため、針部自体を細径で形成しても該針部が根管内で折れてしまうこともない。
請求項3に記載の考案によれば、先端部における先端側を、曲面状に形成しているため、例えば、歯科医が針部を根管に差し込みすぎても、先端部が根尖孔(根管の最深部)に当接したことを認識することができるため、さらに針部を歯茎にまで刺し込んでしまうことを防止することができる。
従って、根管の深さを正確に把握することは、困難であったが、請求項3に記載の考案に係る根管内物質除去用器具を用いれば、根尖孔の奥に残留する根管内物質であっても、安全、且つ確実に掻き出すことができる。
さらに、段状部を鍔状に形成することにより、根管壁を削りすぎてしまうことがなく根管に残留する根管内物質を係合して取り除くことができる。
請求項4に記載の考案によれば、棒状部は、上述したように保持部に対して取り外し可能に形成しているため、保持部に対する装着を、他の形態の棒状部と適宜、交換することができるとともに、勿論、リーマー、ファイルなどの切削用の根管形成器具にも交換することもできる。
請求項5に記載の考案によれば、根管内物質除去用器具は、上記基部側に該基部の軸方向に対して針部が斜め前方に伸びるよう屈曲部を介して形成している。このため、針部を根管の奥まで刺し込み易くなるとともに、歯科医に対して手前側の根管壁に付着する根管充填材に対しても係合させ易くなるため、確実に根管内物質を除去することができるとともに、スムーズに作業を行うことができる。
請求項6に記載の考案によれば、上記鉢部、或いは、上記棒状部を、高い曲げ弾性力を発揮する弾性素材により形成することにより、根管が根尖側で湾曲した形状であっても、針部を上下させることで、根管形状に従って先端部が追従させることができる。よって、本考案における鉢部、或いは、棒状部を用いれば、根管の根尖側に付着している根管内物質であっても容易に除去清掃することができる。
請求項7に記載の考案によれば、上記鉢部、或いは、上記棒状部を、塑性変形可能な塑性素材により形成しているため、針部を、根管の形状に対応させた形状となるよう予め、湾曲させた形状に留めた状態で、根管に差し込むことができるため、差し込み易い。ちなみに、上記鉢部、或いは、上記棒状部がステンレス製であれば、上記鉢部、或いは、上記棒状部は、耐久性に優れ、疲労などに対しても目視により状態を認識でき、安全なうちに取り換えることができるという効果も有する。
この考案の実施形態を、以下図面を用いて説明する。
本実施形態における根管充填材除去用器具11は、図1に示したような外観で形成している。
上記根管充填材除去用器具11は、歯科医が歯の治療の際に把持する保持部12(ホルダ)、及び、該保持部12の軸方向における一端側に棒状部13を具備して構成している。
上記保持部12は、その軸方向における一端側に上記棒状部13を取り付けるための取付け部14を具備している。
また、図2に示したように上記棒状部13は、その基部における軸方向の先端側から斜め前方へ伸びる針部16を有して形成している。上記棒状部13の基部後方側には、上記に保持部12における上記取付け部14に対して差し込み可能な棒状の被取付け片15aを具備している。
ちなみに、図2(a),(b),(c),(d),(e)は、それぞれ拡大した棒状部13の正面図、左側面図、平面図、右側面図、底面図を示す。
上記棒状部13の基部15における先端側には、2つの屈曲部17,18を具備している。
具体的に、上記棒状部13には、上記被取付け片15aの軸方向における先端側から屈曲させた第1屈曲部17を介して上記被取付け片15aの軸方向に対して例えば、21°斜め前方に基部先端側部位15bを具備している。さらに、上記基部先端側部位15bの軸方向における先端側から該基部先端側部位15とは上記被取付け片15aの軸方向に対して略対象となる斜め前方側へ例えば66°屈曲させた第2屈曲部18を介して針部16を具備している。
上記針部16は、その外周を基部側から先端側へ進むにつれて徐々に細径となる緩やかなテーパ状に形成している。
さらに、上記針部16における先端部23は、針部16の先端側から半球面状に突き出した形態により形成している。
具体的に、図3(a),(b),(c)に示した、上記先端部23は、針部16の軸方向における先端部23に達する手前側に相当する先端部近傍部位22に対して段状となるよう、該先端部近傍部位22の径に対して太径に形成した段状部24を具備している。さらに、上記先端部23における上記段状部24よりも先端側部位を、半球面状に形成している。
ちにみに、本実施例においては、上述した棒状部13における基部先端側部位15bの長さを11.6mm、針部16の長さ(作業長)を22mm、針部16のテーパを0.02、針部16における先端部近傍部位22の径を0.3mm、先端部23における段状部24の径を0.5mmで形成している。
勿論、棒状部13における上記各部の寸法は、上記値に限定しない。例えば、先端部23における段状部24は、根管充填材、歯髄などの根管内物質を係合でき、しかも、根管内の根尖側の深くにまで達することができるサイズであれば特に限定しない。
上記形態により構成する棒状部13は、ニッケル(Ni)―チタン(Ti)を含む形状記憶合金で形成し、優れた弾性(コシ)を有しているものを用いている。本実施例における棒状部13は、上述した材質を用いて一体成形により形成している。
最後に、棒状部13を保持部12に対して着脱するための構成、及び、着脱方法について簡単に説明しておく。保持部12における取付け部14は、保持部12の軸方向の一端に螺合により取り付いている回転部材14aを有している(図1参照)。該回転部材14aに棒状部13における被取付け片15aを差し込み、回動部材14aを締めることにより棒状部13が回転しないように固定することができる。また、回転部材14aを緩めることにより、棒状部13を保持部12から取り外すことができる。
本実施例における根管充填材除去用器具11は、上述したように形成している。
次に、再根管治療時における古い根管充填材の除去処置を通じて本実施例における根管充填材除去用器具11が奏することのできる作用、効果について説明する。
すなわち、古い根管充填材が根管に残留したまま、再度、新たな根管充填材を充填してしまうと、根管内に隙間が残り、その隙間に細菌などが溜まり、結果的に根管病巣の要因となるおそれを有してしまうことになる。
よって、再根管治療時においては、根管に残留する古い根管充填材を完全に除去しておく必要があり、本実施例における根管内物質除去処置は、根管形成は完了しているものの、一部、根管内に付着している古い根管充填材の除去処置を対象とする。
ちなみに、本実施例において除去対象となる根管充填材についても特に限定しなが、ガッタパーチャポイント(GPP)、或いは、該ガッタパーチャポイントとともに、これと同時に使用する、酸化亜鉛やユージノールや水酸化カルシウムを主成分としたシーラーを挙げることができる。
図4(a)に示したように、臼歯Xの根管Yは、根尖側に進むに従って細孔であり湾曲している。このような根管Yの根尖側に残留する古い根管充填材Aを除去する場合において、まず、歯科医は、根管充填材除去用器具11の針部16を根管壁形状に追従するよう上下動させながら撓み変形させて根尖側へ差し込んでいく。
針部16の先端部23が根管内に残留する根管充填材Aにまで到達すれば、図4(b),(c)に示したように、針部16の根管Yへ差し込む深さをその深さ付近に維持した状態で、さらに上下動させることにより、根管壁に付着した根管充填材Aを先端部23における段状部24に確実に係合させることができる。
そして、根管Yに付着していた根管充填材Aは、段状部24に係合させた状態のまま根管Yから掻き出すことができる。
ここで、上述したように、針部16を根管Yに差し込む場合、及び、根管Yに付着した根管充填材Aを段状部24に係合させる場合のいずれの場合においても先端部23を根管壁に従って追従させるべく、該針部16がたわみ変形した状態で針部16を上下動させながら行うことになる。
このとき、針部16は、上述したように形状記憶合金で形成しているため、撓み変形させたとき、元の形状に戻ろうとする作用(コシ)があり、反発力(復元力)が発生するため、除去処置の間、根管Yにおける側面部位に当接させておくことは困難であるといえる。よって、例えば、針部16の周方向における1部位にでも切削刃を形成していれば、根管壁を切削してしまうことが充分、考えられる。
ところが、本実施例における針部16には、その周方向において切削刃を具備しておらず、しかも、軸方向おいて先端部23を除いて細径に形成している。
このため、針部16の周方向におけるいずれの部位が根管における側面に当接しても(図4の針部16の仮想線参照)、従来のリーマー、ファイルなどの切削用の根管形成具のように不必要に、根管壁を削り取ってしまうことがない。
さらに本実施例における根管充填材除去用器具11は、根管壁に針部16が引っ掛かることなしにスムーズに処置を進めることができるという効果を得ることができる。
その他にも、本実施例における根管充填材除去用器具11は、上述したように針部16における先端部23の先端側に球面部25を有して形成している。このため、針部16を根管Yに差し込みすぎて針部16の先端が根管壁に食い込んでしまうことや、根尖孔(根管Yの最深部Ya)から突き出して歯肉組織を裂傷し、歯周炎を起すおそれがないといった効果も有することができる。
また、本実施例における根管充填材除去用器具11は、上述した実施形態に限定せず、様々な形態により形成することができる。
以下では、他の実施形態における根管充填材除去用器具11について説明するが、上記実施例1における根管充填材除去用器具11と同様の形態を採る構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
実施例2における先端部33は、図5(a),(b),(c)に示したように傘状に形成している。
具体的に、先端部33における段状部34は、その外周縁部34aについては、根管内に付着した根管充填材を係合可能な鋭角状に形成している。さらに、先端部33は、段状部34から先端部33の内側を切り欠いた形状により形成し、段状部34の内周側34bには、係合した後の根管充填材を収容する収容空間Bを有している。
上記構成により、実施例2における先端部33は、上述した実施例1における先端部23の形態により奏することができる効果に加えて、一旦、段状部34により係合させた根管充填材を、収容空間Bに留めておくことができるため、取りこぼすことなしに確実に根管の外側へ掻き出すことができるという効果を得ることができる。
さらに、上記段状部34における外周縁部34aを鋭角状に形成しているため、根管内に付着している根管充填材を容易に係合させることができるといった効果も有する。
実施例3における先端部43は、図6に示したように形成することができる。
具体的に、本実施例における先端部43には、その軸方向に段状部44a,44b,44cを3つ連設させ、各段状部44a,44b,44cに対して先端側を半球面状に形成している。
上記形態により、根尖孔に残留する根管充填材であっても先端部43に有する3つの各段状部44a,44b,44cにより確実に係合することができる。
しかも、上述したように、針部16における先端部43のみに、3つの段状部44a,44b,44cを集中的に形成し、針部16の軸方向における先端部43を除いた部位は、細径であり、切削刃を形成していない。
このため、根管に差し込んで、針部16をたわみ変形した状態のまま上下動させて、針部16の周方向におけるいずれの部位が根管壁に接触しても、不必要に根管壁を削り取ってしまうおそれがない。
ちなみに、実施例3においては、上述したように先端部43に3つの段状部44a,44b,44cを具備して形成した形態例について説明したが、段状部44は、先端部43に3つ形成するに限定せず、2つ、或いは、4つ以上、連設させた形態であってもよく、又、他の形態の各段状部を組み合わせて形成してもよい。
実施例4における先端部53は、図7に示したように形成することもできる。
すなわち、本実施例における先端部53には、鍔状の段状部54を形成するとともに、その先端側には、平面状に形成した平面部55を有している。
上記形態を採る先端部53は、先端側に平面部55を有して形成しているため、先端側を半球状に形成した先端部と比較して、根管における根尖孔から突き出したり、歯肉組織を押圧しすぎたりすることがなく、より段状部54を根管の深くにまで到達させて、根管充填材を掻き出すことができるという特長を有する。
実施例5における先端部63は、図8に示したように形成することができる。
具体的に本実施例における先端部63は、その後端に鍔状の段状部64を形成し、該段状部64に対して先端側を先端に進むにつれて徐々に細径になる錐部65を有して形成している。
上記構成を採る先端部63は、例えば、根管に付着した根管充填材が根管内を閉塞している場合においても、針部16を上下動作させることにより、先端部63における錐部65が根管充填材を突くことができ、該根管充填材により閉塞された根管内を効果的に連通させることができる。
その後、根管に残留した根管充填材を、段状部64により係合させて容易に掻き出すことができる。
以上のように、本考案における特に先端部は、様々な形態により形成することができ、上記実施例における先端部の形態に限定せず、その他にも様々な形態により形成することができる。例えば、図9に示したように先端部73における段状部74は、先端部の後端から先端側へ進むにつれて半球状の湾曲面を側面に有する末広がり状(釣鐘状)に形成することができる。
このように、先端部は、根管充填材などの根管内物質を係合できる形態であればよく、上述したように様々な形態により形成することができる。
勿論、本考案における根管充填材除去用器具11は、先端部以外の部位においても様々な形態により形成することができる。
例えば、針部をはじめとする棒状部の寸法は、上述した値に限定しない。
目安として、針部の長さは、20から25mmの範囲で、針部外周に形成したテーパは、0.02から0.08の範囲で、先端部における段状部の直径は、0.3から1.0mmの範囲で設定することが好ましい。
さらに例えば、棒状部13は、上述したようにニッケル(Ni)―チタン(Ti)を含む形状記憶合金を素材とするに限らず、例えば、スレンレス鋼や硬鋼線を素材として形成することができる。
ちなみに、上記棒状部13がスレンレス鋼や硬鋼線を素材として形成した場合は、根管に差し込む前に予め、根管形状に従って先端部が追従するように針部16を湾曲変形させて用いられる。
また、本考案における根管充填材除去用器具は、図10に示したように形成してもよい。
具体的に、根管充填材除去用器具81は、棒状部83を軸方向において屈曲させずに直線状に形成するとともに、上記保持部12の代わりに棒状部83の基部側に、歯科医が親指と人指し指で抓むことができる樹脂製の取手82を取り付けた形態により形成したものであってもよい。
さらに、本考案における根管充填材除去用器具は、図示しないが、棒状部13,83の針部16における基部側にゴムなどからなる板状のストッパープレートを取り付けて、各人により異なる根管に針部16を差し込みすぎないように構成してもよい。
また、棒状部13,83は、上述したように保持部12,82に対して取り外し可能に形成しているため、保持部12に対する装着を、上述した各実施例における棒状部13(器具)と適宜、交換することができるとともに、リーマー、ファイルなどの切削用の根管形成器具にも交換することもできるが、勿論、保持部と一体に形成したものであってもよい。
また、本実施例においては、再根管治療時における根管に残留する古い根管充填材の除去処置を対象としたが、上記除去処置に限定せず、本考案における根管充填材除去用器具は、例えば、根管形成時に壊死した歯髄などの除去処置にも適用することができる。
上述の実施形態と、この考案の構成との対応において、この実施形態の根管充填材Aは、この考案の根管内物質に対応し、以下同様に、
根管充填材除去用器具11,81は、根管内物質除去用器具に対応し、
被取付け片15aは、被取付け部に対応し、
第1屈曲部17、及び、第2屈曲部18は、少なくとも1つの屈曲部に対応するも、この考案は、上述の実施形態の形態のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
実施例1における根管充填材除去用器具の外観図。 実施例1における根管充填材除去用器具の棒状部を示す説明図。 図2(a)のA−A部分拡大図(a)、図3(a)のB−B線視図(b),図3(a)の縦断面図(c)。 実施例1における根管充填材除去用器具を用いた除去処置の様子を断面で示した作用説明図。 実施例2における根管充填材除去用器具の図2(a)のA−A部分拡大図に相当する図(a)、図5(a)のC−C線視図(b)、図5(a)の縦断面図(c)。 実施例3における根管充填材除去用器具の図2(a)のA−A部分拡大図に相当する図(a)、図6(a)のD−D線視図(b)、図6(a)の縦断面図(c)。 実施例4における根管充填材除去用器具の図2(a)のA−A部分拡大図に相当する図(a)、図7(a)のE−E線視図(b)、図7(a)の縦断面図(c)。 実施例5における根管充填材除去用器具の図2(a)のA−A部分拡大図に相当する図(a)、図8(a)のF−F線視図(b)、図8(a)の縦断面図(c)。 他の実施例における根管充填材除去用器具の図2(a)のA−A部分拡大図に相当する図(a)、図9(a)のG−G線視図(b)、図9(a)の縦断面図(c)。 他の実施例を示す根管充填材除去用器具の正面図。
符号の説明
11…根管充填材除去用器具
12…保持部
13…棒状部
15…基部
16…針部
17…第1屈曲部
18…第2屈曲部
23,33,43,53,63,73…先端部
22…先端部近傍部位
24,34,44,54,64,74…段状部

Claims (7)

  1. 針部を根管内に差し込んで根管内物質を除去清掃する歯科用の根管内物質除去用器具であって、
    上記針部を、その軸方向における基部側から先端側へかけて略同径、若しくは、徐々に径細に形成し、
    上記針部の軸方向における上記先端部近傍部位の径に対して、根管内物質を係合可能な太径を有する段状部を、上記針部の軸方向における先端部に具備して形成した
    根管内物質除去用器具。
  2. 上記先端部を、上記段状部に対して先端側へ進むに従って徐々に細径となる形状により形成した
    請求項1に記載の根管内物質除去用器具。
  3. 上記段状部を、上記針部の軸方向における上記先端部近傍部位に対して鍔状に形成するとともに、上記先端部における上記段状部に対して先端側を、曲面状に形成した
    請求項1又は請求項2に記載の根管内物質除去用器具。
  4. 上記針部を先端側に有する棒状部が保持される保持部を具備し、
    上記保持部の一端側に上記棒状部を取り外し可能に取り付ける取付け部を有して形成するとともに、
    上記棒状部の基部側に上記取付け部に取り付けられる被取付け部を具備して形成した
    請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の根管内物質除去用器具。
  5. 上記針部を先端側に有する棒状部における基部に、該基部の軸方向に対して上記針部が斜め前方へ伸びるよう少なくとも1つの屈曲部を介して形成した
    請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の根管内物質除去用器具。
  6. 上記鉢部、或いは、該針部を先端側に有する棒状部を、たわみ変形させたとき、高い曲げ弾性力を発揮する弾性素材により形成した
    請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の根管内物質除去用器具。
  7. 上記鉢部、或いは、該針部を先端側に有する棒状部を、たわみ変形させたとき、その形状に塑性変形可能な塑性素材により形成した
    請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の根管内物質除去用器具。
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