JPH09116302A - 高次モード結合器 - Google Patents

高次モード結合器

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JPH09116302A
JPH09116302A JP29208595A JP29208595A JPH09116302A JP H09116302 A JPH09116302 A JP H09116302A JP 29208595 A JP29208595 A JP 29208595A JP 29208595 A JP29208595 A JP 29208595A JP H09116302 A JPH09116302 A JP H09116302A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直交する2つの高次モードをそれぞれ抽出す
るための結合器は多数本の副導波管が必要とされるた
め、小型化が困難になる。 【解決手段】 高次モードの伝搬が可能な円形の主導波
管101と、主導波管の外周部に配置された1以上の矩
形副導波管102と、主導波管と副導波管とを電磁結合
させる複数の結合孔103とを備える高次モード結合器
において、主導波管101は互いに直交する2つの高次
モードを伝搬し得る内径を有し、結合孔103は2つの
高次モードのうち一方を主導波管内の高次モードの進行
方向と同一の方向に結合し、他方は進行方向と逆の方向
に結合するように構成し、副導波管の両端からそれぞれ
一方と他方の各モードを抽出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は衛星通信地球局アン
テナの自己追尾装置に用いられる高次モード結合器に関
し、特に小型化を可能にした高次モード結合器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】衛星通信地球局アンテナの自己追尾装置
には、誤差角度信号、すなわち「地球局アンテナのビー
ム方向が衛星方向から何度ずれているか」を表す信号を
抽出する装置が必要である。この誤差角度信号抽出装置
として、従来から高次モード結合器が用いられている。
このような高次モード結合器として、図5に示すような
TE21モード結合器がある。円形の主導波管201の
外周部に4本の副導波管202が互いに90度の角度で
配置されており、主導波管201と副導波管202の接
触面には複数の結合孔203が配列されている。なお、
通常は、両導波管の断面寸法は、目的とする高次モード
の主導波管201内での遮断波長と、副導波管202の
遮断波長とが一致するように設計されている。
【0003】このように設計することで、主導波管20
1内の円形高次モードの管内波長と副導波管202内の
管内波長とが一致され、各結合孔203での主、副導波
管の結合は高次モードの進行方向と同一方向(以下、前
方と称する)で同位相となり、副導波管出力端子204
へ導かれる。一方、高次モードの進行方向と逆の方向
(以下、後方と称する)では同位相とならないよう各結
合孔203の間隔が設定されているため、後方へ導かれ
る電力は少なくなる。これら4本の副導波管202から
出力される信号は、図6に示すような合成回路205に
より合成され、合成回路出力端子511へ出力される。
なお、副導波管の本数は必ずしも4本である必要はない
が、本数を低減すれば高次モードの結合量も低減され
る。
【0004】ところで、衛星からの受信信号が円偏波の
場合、図7に示すような、円形TM01、TE21、T
E01等の高次モードのうちの1つだけを抽出すれば誤
差角度信号を得ることができる。しかし、衛星からの受
信信号が直線偏波の場合には、直交する2つの高次モー
ド、例えば円形TM01モードとTE01モード、或い
はTE21モードとTE21*モードを抽出する必要が
ある。このような互いに直交する2つの高次モードを抽
出するために、特開昭57−153275号公報では、
図8に示されるように、各々の高次モードを抽出する2
つの高次モード結合器MC1,MC2を縦続接続した構
成がとられている。しかしながら、この構成では、高次
モード結合器が軸方向に大きくなり、小口径アンテナへ
の実装が困難になるという問題が生じる。
【0005】これに対し、特開昭60−35803号公
報では、図9に示すように、1つの高次モード結合器で
直交する2つの高次モード、すなわちTE21モードと
TE21*モードを抽出可能にしたものが示されてい
る。これは、1つの主導波管301の周囲に8本の副導
波管302を配設して結合孔302で結合したものであ
り、各4本の副導波管302の出力端子304からそれ
ぞれの高次モードを抽出可能としたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公
報に記載のものは、8本の副導波管302を配設してい
ることにより結合器が径寸法及び軸回りに大型化し、し
かも各副導波管の出力を合成するための合成回路が複雑
になり、混雑して物理的に干渉したり、電気調整が非常
に困難になるという問題がある。なお、図10に示すよ
うに、副導波管302の数を例えば4本の低減すること
は可能であるが、この場合でも図7の場合と同様に高次
モードの結合量が低減されてしまうことになる。
【0007】本発明の目的は、高次モードの結合量が低
減されることなく副導波管の数を削減し、高次モード結
合器の小型化を可能にした高次モード結合器を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の高次モード結合
器は、高次モードの伝搬可能な円形の主導波管と、前記
主導波管の外周部に配置された1以上の矩形副導波管
と、前記主導波管と副導波管とを電磁結合させる複数の
結合孔とを備えており、かつ主導波管は互いに直交する
2つの高次モードを伝搬し得る内径を有し、結合孔は2
つの高次モードのうち一方を主導波管内の高次モードの
進行方向と同一の方向に結合し、他方は進行方向と逆の
方向に結合するように構成したことを特徴とする。
【0009】例えば、結合高次モードとして円形TM0
1モードと円形TE01モードを使用し、TE10モー
ドを高次モードの進行方向と同一方向に結合し、TM0
1モードを逆の方向に結合する。或いは、円形TE21
モードと円形TE21*モードを使用し、TE21モー
ドを高次モードの進行方向と同一方向に結合し、TE2
1*モードを逆の方向に結合する。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の実施形態の一部を破
断した斜視図である。円形の主導波管101と、この主
導波管101の周囲にそれぞれ90度の角度で配設され
た4本の矩形の副導波管102とで構成され、主導波管
101と副導波管102の接触部には両者を電磁結合す
るための複数の結合孔103が設けられる。前記主導波
管101は、互いに直交する2つの高次モード、例えば
ここでは円形TM01モードと、円形TE01モードが
伝搬可能な内径に形成されている。また、副導波管10
2はTE10モード及びTE01モードを伝搬可能な断
面寸法に形成されている。
【0011】そして、前記主導波管101と副導波管1
02の断面寸法と、前記結合孔103の間隔は、その使
用周波数帯域において次の条件が満たされるように設計
されている。ここで、主導波管101の内部の2つの直
交高次モードのうちの一方をモード(1)、他方をモー
ド(2)と称する。また、副導波管内のTE10,TE
01モードのうちの一方をモード[1]、他方をモード
[2]と称する。
【0012】〔条件1〕 λM c1=λS c1 〔条件2〕 L/λM g2 +L/λS g2 =n ただし、 n:1,2,3,… L:結合孔103の配列間隔 λM c1:主導波管モード(1)の遮断波長 λS c1:副導波管モード[1]の遮断波長 λM g2:主導波管モード(2)の管内波長 λS g2:副導波管モード[2]の管内波長
【0013】前記〔条件1〕は、主導波管101内の高
次モード(1)と、副導波管102のモード[1]の遮
断波長が一致していることを示しており、この条件が満
たされていれば、各々の導波管内でのモード(1)とモ
ード[1]の伝搬定数は自動的に一致するから、各結合
孔103でのモード(1)からモード[1]への変換
は、図2(a)に示されるように前方へ同位相で合成さ
れる。
【0014】一方、〔条件2〕は、結合孔103の間隔
Lの間の高次モード(2)及びモード[2]のそれぞれ
の波数の和が自然数になることを意味する。この条件が
満たされていれば、図2(b)のように、各結合孔10
3においてモード(2)からモード[2]へと変換され
た電力は副導波管の後方にて同位相となるため、後方へ
と伝搬される。
【0015】このように、主導波管101と副導波管1
02の断面寸法と、結合孔103の間隔Lを設定するこ
とにより、主導波管101に入力された高次モードのう
ちの一方は副導波管102の前方へ、他方の直交高次モ
ードは副導波管102の後方へと結合される。したがっ
て、2つの高次モードが1本の副導波管102へ結合さ
れ、結合された各高次モードは副導波管102の前方と
後方からそれぞれ出力されるため、主導波管101に付
設する副導波管102の本数を低減しても、結合量が低
減されることはない。これにより、高次モード結合器の
構造の簡素化が可能となり、その小型化が実現できる。
【0016】なお、副導波管102の両端はそれぞれ異
なる断面寸法の矩形出力導波管104,105として構
成されており、前方の出力導波管104と後方の出力導
波管105はそれぞれ異なるモードを遮断し、特定のモ
ードを伝搬させる寸法に設定されている。
【0017】
【実施例】図2は本発明の実施例1を示しており、主導
波管101の高次モード(1),(2)としてそれぞれ
円形TE01モード、TM01モードを選び、副導波管
102のモード[1]、モード[2]をそれぞれ矩形T
E01モード、TE10モードとした場合を示す。この
実施例においては、前記した導波管101,102の断
面寸法及び結合孔103の間隔が満たすべき〔条件
1〕,〔条件2〕は次のようになる。
【0018】〔条件1〕 πD/χ[01]=2B ただし、χ[01]=3.831706 〔条件2〕 L/λM g(01) +L/λS g[1
0] =n ただし、 n:1,2,3,… λM g(01)=λ/√〔1−(λ/λM c(01))
2 〕 λM c(01)=πD/χ(01) χ(01)=2.404826 λS g[01]=λ/√〔1−(λ/2A)2 〕 λ:自由空間波長 D:主導波管の内径 A:副導波管の横幅 B:副導波管の縦幅 L:結合孔の間隔
【0019】この構成による高次モード結合量の計算結
果の一例を図3に示す。同図において、(a)は前方へ
の結合量、(b)は後方への結合量を示し、それぞれ横
軸は周波数、縦軸は結合レベルを示している。また、図
中の実線は円形TE01モードから矩形TE01モード
への結合を、破線は円形TM01モードから矩形TE0
1モードへの結合を表している。この図から判るよう
に、副導波管102の前方にはTE01モードが、後方
にはTM01モードが主に結合しており、両者の結合レ
ベルは一定の周波数帯域にわたり略同じである。逆に前
方へのTM01モードの結合と、後方へのTE01モー
ドの結合は十分に小さいものとなっている。
【0020】したがって、この実施例の場合、図1に示
した副導波管102の出力導波管104ではTE10モ
ードが遮断されTE01モードのみが伝搬され、出力導
波管105ではTE01モードが遮断されTE10モー
ドのみが伝搬される。したがって、主導波管101に導
かれた円形TE01モード,TM01モードのうち、円
形TE01モードは副導波管の矩形TE01モードを経
て前方のみへ導かれ、円形TM01モードは副導波管の
矩形TE10モードを経て後方のみへ導かれる。
【0021】図4は本発明の実施例2を示しており、主
導波管101の高次モード(1),(2)としてそれぞ
れTE21モード、TE21*モードを選び、副導波管
102のモード[1],[2]をそれぞれTE10モー
ド、TE01モードとした例である。この場合、前記
〔条件1〕,〔条件2〕はそれぞれ次のようになる。
【0022】〔条件1〕 πD/χ[21]=2B ただし、χ[21]=3.054237 〔条件2〕 L/λM g[21] +L/λS g[2
1] =n ただし、 n:1,2,3,… λM g[21]=λ/√〔1−(λ/λM c[21])
2 〕 λM c[21]=πD/χ[21] λS g[21]=λ/√〔1−(λ/2A)2 〕 λ:自由空間波長 D:主導波管の内径 A:副導波管の横幅 B:副導波管の縦幅 L:結合孔の間隔
【0023】この実施例では、主導波管101に導かれ
た円形TE21モード、TE21*モードのうち、円形
TE21モードは副導波管102の矩形TE01モード
を経て前方のみへ導かれ、円形TE21*モードは副導
波管102の矩形TE10モードを経て後方のみへと導
かれる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、主導波管
は互いに直交する2つの高次モードを伝搬し得る内径と
し、主導波管と副導波管を結合する結合孔は2つの高次
モードのうち一方を主導波管内の高次モードの進行方向
と同一の方向に結合し、他方は進行方向と逆の方向に結
合するように構成しているので、2つの直交高次モード
を副導波管に結合させ、かつそれぞれを反対側の端部か
ら出力させることができる。これにより、高次モードの
結合量を低減させることなく副導波管の本数を削減する
ことができ、高次モード結合器の構造を簡素化するとと
もに、小型化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高次モード結合器の一実施形態の斜視
図である。
【図2】本発明の実施例1における電界の分布と伝搬の
様子を説明する図である。
【図3】本発明の実施例1の特性を示す図である。
【図4】本発明の実施例2における電界の分布と伝搬の
様子を説明する図である。
【図5】従来の高次モード結合器の一例の斜視図であ
る。
【図6】図5の結合器の模式構造とその合成回路を示す
図である。
【図7】主要な円形高次モードの電界及び磁界の分布を
示す図である。
【図8】従来の直線偏波対応モード結合器のブロック図
である。
【図9】従来の直線偏波対応モード結合器の一例の斜視
図である。
【図10】図9の結合器の改良構造の斜視図である。
【符号の説明】
101 主導波管 102 副導波管 103 結合孔 104,105 出力導波管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高次モードの伝搬可能な円形の主導波管
    と、前記主導波管の外周部に配置された1以上の矩形副
    導波管と、前記主導波管と副導波管とを電磁結合させる
    複数の結合孔とを備える高次モード結合器において、前
    記主導波管は互いに直交する2つの高次モードを伝搬し
    得る内径を有し、前記結合孔は2つの高次モードのうち
    一方を主導波管内の高次モードの進行方向と同一の方向
    に結合し、他方は進行方向と逆の方向に結合するように
    構成したことを特徴とする高次モード結合器。
  2. 【請求項2】 主導波管及び副導波管におけるモードと
    結合孔の間隔との間に次の〔条件1〕,〔条件2〕を満
    たす関係が存在する請求項1の高次モード結合器。 〔条件1〕 λM c1=λS c1 〔条件2〕 L/λM g2 +L/λS g2 =n ただし、 n:1,2,3,… L:結合孔の配列間隔 λM c1:主導波管における直交高次モードの一方のモ
    ードの遮断波長 λS c1:副導波管における一方のTEモードの遮断波
    長 λM g2:主導波管における直交高次モードの他方のモ
    ードの管内波長 λS g2:副導波管における他方のTEモードの管内波
  3. 【請求項3】 結合高次モードとして円形TM01モー
    ドと円形TE01モードを使用し、TE10モードを高
    次モードの進行方向と同一方向に結合し、TM01モー
    ドを逆の方向に結合する請求項1または2の高次モード
    結合器。
  4. 【請求項4】 結合高次モードとして円形TE21モー
    ドと円形TE21*モードを使用し、TE21モードを
    高次モードの進行方向と同一方向に結合し、TE21*
    モードを逆の方向に結合する請求項1または2の高次モ
    ード結合器。
  5. 【請求項5】 副導波管は、主導波管における高次モー
    ドの進行方向と同一の方向の端部には一方の高次モード
    を伝搬させ、他方の高次モードを遮断する寸法の出力導
    波管が設けられ、他方の端部には他方の高次モードを伝
    搬させ、一方の高次モードを遮断する寸法の出力導波管
    が設けられる請求項1ないし4のいずれかの高次モード
    結合器。
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