JPH091157A - 地下水中に含有されている第1鉄イオンの酸化方法 - Google Patents

地下水中に含有されている第1鉄イオンの酸化方法

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JPH091157A
JPH091157A JP7174507A JP17450795A JPH091157A JP H091157 A JPH091157 A JP H091157A JP 7174507 A JP7174507 A JP 7174507A JP 17450795 A JP17450795 A JP 17450795A JP H091157 A JPH091157 A JP H091157A
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aeration tank
groundwater
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aeration
carrier
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Hirotsugu Tsuchiya
博嗣 土屋
Kenichiro Mizuno
健一郎 水野
Tatsuo Takechi
辰夫 武智
Yoshihide Kageyama
佳秀 蔭山
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地下水中に含有されている第1鉄イオンを、
短時間で効率的に酸化する。 【構成】 エアレーション槽2内の地下水中に担体5を
添加し、エアレーション槽2の下部から吹き込まれる空
気により地下水と共に担体5を流動化させることによっ
て、地下水中に生成したオキシ水酸化鉄を担体5の表面
上に付着させ、その表面上にオキシ水酸化鉄が担持され
た触媒を形成し、この触媒によって、地下水中に存在す
る第1鉄イオンを短時間で効率的に酸化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地下水の上水処理、
工水処理、排水処理等の水処理分野の前処理として行わ
れる、地下水中に含有されている第1鉄イオンの酸化方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地下水の上水処理、工水処理、排水処理
等の水処理分野においては、水の浄化処理を、凝集・沈
澱処理、および、砂濾過や膜濾過等の濾過処理によって
行っている。
【0003】しかしながら、地下水は、一般に地表水に
比べて多量の鉄分を含有しており、その鉄分の多くは、
地下水が嫌気性状態にあるために還元され、第1鉄イオ
ンとして存在している。そのために、通常の水処理法で
は、地下水中の鉄分を除去することができず、水中に存
在する第1鉄イオンを酸化して析出させた後、これを固
液分離手段により除去しなければならない。
【0004】このような、水中に存在する鉄分の酸化方
法として、次の方法が知られている。 (1) エアレーションによる酸化 (2) 塩素注入による酸化 (3) 接触濾過による酸化 (4) 鉄バクテリアによる酸化 (5) 過マンガン酸カリウム注入による酸化 (6) オゾン注入による酸化
【0005】上記方法のうち、コスト面から一般に実施
されている方法は、(1) のエアレーションによる酸化、
(2) の塩素注入による酸化および(3) の接触濾過による
酸化の各方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】水中の鉄分は、塩素に
よって瞬時に酸化されるので、上記(2) の塩素注入によ
る酸化がもっとも容易な方法である。しかしながら、こ
の方法には、水中に存在する有機物質の濃度が高い場合
に、塩素の注入によって、人体に有害なトリハロメタン
等の有機塩素化合物が生成し、また、鉄濃度の変動が激
しい場合に、塩素注入率の制御が困難である等の問題が
ある。
【0007】上記(3) の接触濾過による酸化方法は、鉄
を酸化させるだけでなく、その除去まで行うことができ
る点で優れている。しかしながら、この方法は、濾過速
度が小さいために広い面積の濾過層を必要とし、濁質や
原水中の鉄濃度が大きい場合には、濾過層における目詰
まりが激しく、頻繁な洗浄を必要とし、且つ、濾過層の
洗浄のための洗浄水によるロスが多い等、設備面および
運転面で問題がある。
【0008】「用水と除鉄・除マンガン処理」(高井
雄、中西 弘著 産業用水調査会発行)誌には、接触濾
過の運用限界について、次のように記載されている。
「H2S を含有する地下水を通水していくと、次第に濾材
が劣化してくる。接触濾過のみでは遊離炭酸を除去する
ことができない。」
【0009】特公昭49-33843号公報には、フミン質系有
機物を含有水中の鉄の除去方法として、「鉄を含みかつ
フミン質系有機物を含有する水を気曝後3分以内に接触
除鉄濾材層へ通水することにより、第一鉄の該有機物と
の結合を避けて除鉄することを特徴とする方法」が開示
されている。この方法は、固液分離能力が劣る砂濾過を
基本とした接触濾過塔固有の問題であり、固液分離に膜
濾過を使用した場合にはこのような処理を必要とする問
題は生じない。
【0010】特公昭57-35078号公報には、空気酸化によ
る除鉄処理方法として、「有機物、硫化水素等の被酸化
物を含む原水を濾材層に通水して空気酸化による原水の
除鉄処理を行うについて、濾材層に溶存酸素を含む水を
送水することにより濾材層内を常に好気的雰囲気に保ち
つつ原水の除鉄を行う方法」が開示されている。しかし
ながら、この方法は、除鉄の対象ではない水を余分に通
水する必要があるため、原水の滞留時間が短くなるとい
う問題を有している。
【0011】実公昭56-20075号公報には、除鉄装置とし
て、「槽内に垂設されたドラフトチューブを介して液を
循環させることにより、酸化鉄の沈降性および濃縮性を
改良する装置」が開示されている。しかしながら、この
装置におけるドラフトチューブには、酸化鉄の触媒作用
はなく、仮にその表面に触媒が付いたとしても、単位容
積当りの接触面積が小さく、効率的ではない。
【0012】特公昭49-21040号公報には、水酸化鉄の製
造方法として、「水酸化鉄粒子のスラリ中に空気または
酸素ガスを吹込み、必要に応じてアルカリ剤を注入した
後、第一鉄イオンを含む原液を、スラリ中の第一鉄イオ
ンの存在しないときに加えて第一鉄イオンを酸化せし
め、生成したスラジの一部をスラリー中に返送する方
法」が開示されている。しかしながら、この方法は、水
酸化鉄の製造を目的としており、接触効率を高めるため
に、水酸化鉄スラリーの濃度を極めて高く維持する必要
がある。従って、この方法により用水処理をした場合に
は、反応速度が遅いために、広い設備面積を必要とする
問題が生ずる。
【0013】更に、水質によっては、空気注入時に、酸
化された酸化鉄の粒径が小さくなり、固液分離に関して
は砂濾過と同じである接触濾過では、十分な処理水質を
維持することができない場合がある。従って、膜濾過と
比べ固液分離の絶対性において水質面で大きく見劣りす
ることがあり、そのために、接触濾過に導入する前に凝
集剤を添加することが必要になる。
【0014】しかしながら、凝集剤の添加によって、除
去すべき濁質の量が増大するため、凝集剤注入率の厳密
な制御が必要になり、汚泥量が増大する上、凝集剤の添
加によって、触媒機能を有するオキシ水酸化鉄以外の成
分が導入されることになり、接触濾過塔における濾材の
触媒機能が低下する等の問題が生ずる。
【0015】上記(1) のエアレーションによる酸化方法
は、地下水の鉄濃度の変動による影響はあまりないが、
その水質によっては、エアレーション用の空気を大量に
必要とし、且つ、エアレーション槽中に地下水を長時間
滞留させなければならない問題がある。
【0016】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、地下水中に含有されている第1鉄イオンを、
短時間で効率的に酸化、除去することができる、地下水
中に含有されている第1鉄イオンの酸化方法を提供する
ことにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記
載の方法は、エアレーション槽内に処理すべき地下水を
供給し、前記エアレーション槽の下部から空気または酸
素を吹込むことにより前記地下水をエアレーションし、
前記地下水中に含有されている第1鉄イオンを酸化させ
る方法において、前記エアレーション槽内の地下水中に
担体を添加し、前記エアレーション槽の下部から吹き込
まれた空気または酸素により、前記地下水と共に前記担
体を流動化させることによって、前記地下水中に生成し
たオキシ水酸化鉄を前記担体の表面上に付着させて、そ
の表面上にオキシ水酸化鉄が担持された触媒を形成し、
このようにして形成された触媒によって、前記地下水中
に存在する第1鉄イオンを、短時間で効率的に酸化させ
ることに特徴を有するものである。
【0018】この発明の請求項2および請求項3に記載
の方法は、エアレーション槽内において、触媒の存在下
でエアレーションすることにより、第1鉄イオンを酸
化、析出させた地下水を、膜濾過装置に導き、膜濾過装
置においてこれを濾過すると共に、オキシ水酸化鉄が濃
縮された循環水を前記エアレーション槽に戻し、また、
前記膜濾過装置を、一定間隔毎に逆圧洗浄し、逆圧洗浄
によって生じた、オキシ水酸化鉄が濃縮された洗浄水の
一部も前記エアレーション槽に戻し、かくして、エアレ
ーション槽内のオキシ水酸化鉄を高濃度に維持して、エ
アレーション槽内における第1鉄イオンの酸化を促進さ
せることに特徴を有するものである。
【0019】この発明の請求項4に記載の方法は、前記
エアレーション槽の空気または酸素吹込み位置よりも下
部に排泥機構を設け、エアレーションを中断したときに
沈降する酸化鉄を、前記排泥機構により排泥することに
特徴を有するものである。
【0020】
【作用】この発明の方法においては、エアレーション槽
内の地下水中に担体を添加し、エアレーション槽の下部
から吹き込まれた空気または酸素により、地下水と共に
担体を流動化させる。その結果、空気または酸素により
酸化された、地下水中のオキシ水酸化鉄が、担体の表面
上に付着し、その表面上にオキシ水酸化鉄が担持された
触媒が形成される。このようにして形成された触媒に、
地下水中に存在する第1鉄イオンが高速度で反応する結
果、第1鉄イオンは短時間で効率的に酸化される。
【0021】この発明において、エアレーション槽の下
部から吹き込まれた空気または酸素によるエアレーショ
ンにより、次のような作用が生ずる。 地下水中の第1鉄イオンを酸化させるに十分な量の
溶存酸素を供給することができる。 地下水中に存在する遊離炭酸を除去して、地下水の
pH値を上昇させ、第1鉄イオンの酸化を促進することが
できる。 担体を流動化させることができる。
【0022】地下水中の第1鉄イオンを酸化させるため
に必要な溶存酸素量は、飽和溶存酸素量と比較して十分
に少ないので、担体を流動化させる程度にエアレーショ
ンを行うことにより、容易に溶存酸素を供給することが
できる。従って、エアレーション槽中に空気を吹込むこ
とによって、第1鉄イオンを酸化させることができる。
なお、必要に応じ、酸素を吹き込んでもよいことは勿論
である。
【0023】空気または酸素の吹込みによる第1鉄イオ
ンの酸化反応速度は下記式によって表される。 ーd〔Fe(II)〕/dt=k〔Fe(II)〕・〔O2 〕・〔OH- 2 (注)出典:「用水の除鉄・除マンガン処理」(出版
産業用水調査会) 上記反応式から明らかなように、第1鉄イオン(2価鉄
イオン)の減少は、〔OH- 〕の2乗に比例しているこ
とから、第1鉄イオンの酸化反応は、地下水のpH値に大
きく影響される。即ち、エアレーションにより遊離炭酸
を除去して、地下水のpH値を上昇させれば、反応速度は
急上昇する。
【0024】エアレーション槽内の地下水中に担体を添
加する理由は、空気により酸化された地下水中のオキシ
水酸化鉄を、担体の表面上に付着せしめて、その表面上
にオキシ水酸化鉄が担持された触媒となし、このように
して形成された触媒によって、地下水中に存在する第1
鉄イオンを高速度で反応させ、短時間で効率的に酸化さ
せるためである。
【0025】担体の材質は、合成繊維、ガラス、樹脂、
セラミックス等で、その表面上にオキシ水酸化鉄が付着
しやすいように、単位体積当りの表面積が大きい中空構
造等であることが好ましい。なお、担体の比重は必ずし
も1以下である必要はなく、エアレーション槽内におい
て、吹き込まれる空気により流動化できればよい。
【0026】エアレーション槽内の担体を、槽の下部か
ら吹き込まれた空気等により流動化させることにより、
次のような作用が生ずる。 未酸化の第1鉄イオンが担体と接触することによっ
て、その反応効率が向上する。 反応によって生成したオキシ水酸化鉄と接触し、担
体に効率的に触媒が付着する。反応の進行と共に、担体
に付着するオキシ水酸化鉄の量が増加するが、エアレー
ションによってその一定量以上は担体表面から自然に剥
離する結果、自動的にほぼ一定の付着量に制御される。
万一、オキシ水酸化鉄が過剰に付着した場合には、エア
レーション空気量を一時的に増大させ、または、エアレ
ーションを間欠運転することにより、過剰なオキシ水酸
化鉄は担体表面から除去される。 担体表面の触媒層に、一時的に不純物や濁質の付着
することがあっても、エアレーションにより担体表面か
ら剥離し、付着が増加することはない。 エアレーションによる流動化によって偏流の生ずる
おそれがなく、槽全体が反応槽として有効に使用され
る。
【0027】図1は、この発明の方法の第1実施態様を
示す概略工程図である。図1に示すように、エアレーシ
ョン槽2内には、その一側下部から、導管1を通って地
下水が供給されており、地下水中には担体5が添加され
ている。エアレーション槽2内に、その下部から、ブロ
ワ4により散気管3を通って吹き込まれた空気により、
担体5は地下水と共に流動化し、エアレーション槽2内
に均一に分布する。
【0028】その結果、前述したように、エアレーショ
ン槽2内において、空気により酸化され生成した地下水
中のオキシ水酸化鉄が、担体5の表面上に付着し、担体
5は、その表面上にオキシ水酸化鉄が担持された触媒と
なる。引き続き行われるエアレーションによって、地下
水中に存在する第1鉄イオンは、上記触媒により高速度
で反応し、短時間で効率的に酸化される。
【0029】図示はしないが、エアレーション槽2の内
部を、その幅方向に所定間隔をあけて取付けられた複数
枚の垂直な仕切板によって、複数のエアレーション室に
区画し、各エアレーション室の下部に設けられた散気管
3から噴出する空気により、各エアレーション室内の地
下水を担体5と共に流動化させるようにしてもよい。こ
の場合、分割された複数の室の全部においてエアレーシ
ョンを行う必要はなく、処理水の出側に近い室において
はエアレーションを行わなくてもよい。
【0030】エアレーション槽2の他側上部に設けられ
た排出口には、担体5がエアレーション槽2から流出す
るのを防止するために、担体分離用スクリーン6が取り
付けられている。スクリーン6の網目は、担体5のサイ
ズよりも小さいことが必要である。
【0031】エアレーションにより酸化されて生成した
オキシ水酸化鉄はコロイド状であり、一般的に使用され
ている砂濾過では完全には除去できない場合がある。図
2は、このような場合に好適な、この発明の方法の第2
および第3実施態様を示す概略工程図である。この方法
においては、図2に示すように、エアレーション槽2の
下流側に膜濾過装置8および膜濾過水槽10が設けられて
おり、エアレーション槽2内において、触媒との接触に
より第1鉄イオンが酸化、析出された地下水を、導管15
により膜濾過装置8に導く。7は導管15の途中に設けら
れたポンプである。エアレーション槽2から流出した酸
化鉄は、膜濾過装置8において完全に除去され、鉄分を
全く含まない清浄な膜濾過水が得られる。
【0032】膜濾過装置8はクロスフロー方式で運転さ
れ、酸化鉄が濃縮された水は、導管9を通ってエアレー
ション槽2に返送される。従って、エアレーション槽2
は、酸化触媒であるオキシ水酸化鉄が高濃度に維持され
る。なお、この場合は、エアレーション槽2に担体分離
用スクリーン6を設けなくてもよい。即ち、担体5がエ
アレーション槽2から流出しても、膜濾過装置8によっ
て捕捉され、エアレーション槽2に戻される。
【0033】10は、膜濾過装置8の下流側に設けられた
膜濾過水槽である。膜濾過装置8において一定間隔で行
われる膜の逆圧洗浄等により、膜面に付着したオキシ水
酸化鉄は剥離されるので、その一部をエアレーション槽
2に返送することにより、触媒濃度を高めることができ
る。膜を逆圧洗浄したときの洗浄排水をエアレーション
槽2に返送する場合における、膜濾過装置8の通水方式
は、全量濾過方式でもよい。また、空気による逆圧洗浄
を行っても同様の効果が得られる。
【0034】このようにして、エアレーション槽2にお
いて、第1鉄イオンの触媒機能を有するオキシ水酸化鉄
を高濃度に維持して、第1鉄イオンの酸化を促進させ、
未酸化の第1鉄イオンを酸化させると共に、酸化された
鉄粒子の粒径が、攪拌・混合により大きくなり、膜によ
り除去される汚泥の沈降性を増大させる。
【0035】膜濾過装置8の濾過膜8aに形成されている
濾過孔の径は、0.2 μm 以下であることが必要である。
濾過孔の孔径が、0.2 μm 超であると、エアレーション
により生成した酸化鉄を、完全には除去することができ
なくなる。濾過膜8aとしては、管状膜、中空糸膜、マル
チルーメン膜、平膜等が使用され、また、精密濾過膜、
限外濾過膜、逆浸透膜等を使用することができる。
【0036】図3は、この発明の方法の第4実施態様を
示す概略工程図である。第4実施態様の方法において
は、図3に示すように、エアレーション槽2の下部の空
気または酸素吹込み位置よりも下部に、排泥管12が設け
られており、エアレーションを中断したときに沈降する
酸化鉄を、エアレーション槽2の下部に沈降させ、排泥
管12から排出させるようになっている。
【0037】
【実施例】
〔実施例1〕次に、この発明を実施例によって、更に説
明する。図1に示したこの発明の方法により、セラミッ
クス製の担体を使用し、下記条件で地下水中に含有され
ている第1鉄イオンの酸化処理を行った。 地下水(原水)中の第1鉄イオン濃度 :21mg/l 流量 :17.2l/分 エアレーション槽の見かけ担体充填率 :40% エアレーション槽における吹込み空気量:30l/分
【0038】その結果、地下水(原水)中の第1鉄イオ
ン濃度を0.01mg/l未満まで酸化させるに必要
な、エアレーション槽における滞留時間は25分であっ
た。なお、エアレーション処理水を、孔径0.2μm の
精密濾過膜によって濾過した結果、膜濾過水の第1鉄イ
オン濃度は0.01mg/l未満であった。
【0039】比較のために、エアレーション槽内に担体
を充填しないほかは上記と同じ条件で、地下水中に含有
されている第1鉄イオンの酸化処理を行った結果、地下
水(原水)中の第1鉄イオン濃度を0.01mg/l未
満まで酸化させるために、地下水をエアレーション槽内
に200分以上滞留させなければならなかった。
【0040】〔実施例2〕同じく図1に示したこの発明
の方法により、ポリプロピレン製の担体を使用し、下記
条件で地下水中に含有されている第1鉄イオンの酸化処
理を行った。 地下水(原水)中の第1鉄イオン濃度 :21mg/l 流量 :16.5l/分 エアレーション槽の見かけ担体充填率 :40% エアレーション槽における吹込み空気量:30l/分
【0041】その結果、地下水(原水)中の第1鉄イオ
ン濃度を、0.01mg/l未満まで酸化させるに必要
な、エアレーション槽における滞留時間は26分であっ
た。なお、エアレーション処理水を、孔径0.2μm の
精密濾過膜によって濾過した結果、膜濾過水の第1鉄イ
オン濃度は0.01mg/l未満であった。
【0042】〔比較例〕図5に示した、接触濾過層14を
有する接触濾過塔13からなる従来の工程により、下記条
件で地下水中に含有されている第1鉄イオンの酸化処理
を行った。 原水中の第1鉄イオン濃度 :21mg/l 流量 :14.3l/分 エアレーション槽における吹込み空気量:30l/分
【0043】その結果、原水中の第1鉄イオン濃度を
0.01mg/l未満まで酸化させるに45分を要し
た。処理水の総鉄濃度は0.5mg/lであった。
【0044】上述した実施例1、2および比較例におけ
る、エアレーション槽の滞留時間と処理水の第1鉄イオ
ン濃度との関係を図4に示した。図4から明らかなよう
に、本発明の実施例1および2は、比較例と比べて、槽
内における地下水の滞留時間が顕著に短く、地下水中に
含有されている第1鉄イオンを、効率的に酸化処理する
ことができた。
【0045】〔実施例3〕図2に示したこの発明の方法
により、下記条件で地下水中に含有されている第1鉄イ
オンの酸化処理を行った。なお、ポリプロピレン製中空
糸膜からなる膜濾過装置を使用し全量濾過を行った。 地下水(原水)中の第1鉄イオン濃度 :21mg/l 流量 :18.7l/分 エアレーション槽の見かけ担体充填率 :40% エアレーション槽における吹込み空気量:30l/分 膜濾過流速 :0.5m/分 膜濾過物理洗浄間隔 :30分
【0046】その結果、地下水(原水)中の第1鉄イオ
ン濃度を、0.01mg/l未満まで酸化させるに必要
な、エアレーション槽における滞留時間は23分であっ
た。エアレーション処理水を、ポリプロピレン製中空糸
膜を使用し全量濾過を行った結果、膜濾過水の全鉄濃度
は0.01mg/l未満であった。なお、エアレーショ
ン槽に返送された濃縮水(逆圧洗浄水を含む)の水量と
膜濾過水量との比率は2であった。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の方法によ
れば、地下水中に含有されている第1鉄イオンを、短時
間で効率的に酸化、除去することができる、工業上有用
な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法の第1実施態様を示す概略工程
図である。
【図2】この発明の方法の第2および第3実施態様を示
す概略工程図である。
【図3】この発明の方法の第4実施態様を示す概略工程
図である。
【図4】エアレーション槽の滞留時間と処理水の第1鉄
イオン濃度との関係を示すグラフである。
【図5】従来の接触濾過塔を使用した方法示す概略工程
図である。
【符号の説明】
1 導管 2 エアレーション槽 3 散気管 4 ブロア 5 担体 6 担体分離スクリーン 7 ポンプ 8 膜濾過装置 9 導管 10 膜濾過水槽 11 洗浄用ポンプ 12 排泥管 13 接触濾過塔 14 接触濾過層 15 導管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 9/00 504 C02F 9/00 504B (72)発明者 蔭山 佳秀 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアレーション槽内に処理すべき地下水
    を供給し、前記エアレーション槽の下部から空気または
    酸素を吹込むことにより前記地下水をエアレーション
    し、前記地下水中に含有されている第1鉄イオンを酸化
    させる方法において、 前記エアレーション槽内の地下水中に担体を添加し、前
    記エアレーション槽の下部から吹き込まれた空気または
    酸素により、前記地下水と共に前記担体を流動化させる
    ことによって、前記地下水中に生成したオキシ水酸化鉄
    を前記担体の表面上に付着させ、その表面上にオキシ水
    酸化鉄が担持された触媒を形成し、 このようにして形成された触媒によって、前記地下水中
    に存在する第1鉄イオンを、短時間で効率的に酸化させ
    ることを特徴とする、地下水中に含有されている第1鉄
    イオンの酸化方法。
  2. 【請求項2】 前記エアレーション槽内において、前記
    触媒の存在下でエアレーションすることにより、第1鉄
    イオンを酸化、析出させた地下水を、膜濾過装置に導
    き、膜濾過装置においてこれを濾過すると共に、オキシ
    水酸化鉄が濃縮された循環水を前記エアレーション槽に
    戻し、かくして、前記エアレーション槽内のオキシ水酸
    化鉄を高濃度に維持して、前記エアレーション槽内にお
    ける第1鉄イオンの酸化を促進させる、請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記膜濾過装置を、一定間隔毎に逆圧洗
    浄し、逆圧洗浄によって生じた、オキシ水酸化鉄が濃縮
    された洗浄水の一部を前記エアレーション槽に戻す、請
    求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記エアレーション槽の空気または酸素
    吹込み位置よりも下部に排泥機構を設け、エアレーショ
    ンを中断したときに沈降する酸化鉄を、前記排泥機構に
    より排泥する、請求項1から3の何れか1つに記載の方
    法。
JP7174507A 1995-06-16 1995-06-16 地下水中に含有されている第1鉄イオンの酸化方法 Pending JPH091157A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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