JPH0911511A - サーマルプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 糊等の粘着材により貼着くされた２枚の用紙
からなる複写用紙にサーマルプリンタにて印字した後、
この複写用紙の２枚の用紙を引き剥がすのに簡単に引き
剥がせるようにしたサーマルプリンタを提供する。 【構成】 ２枚の用紙を粘着材を介して貼着してなる複
写用紙の、記録後前記２枚の用紙を引き剥がす位置とな
る部分をサーマルヘッドをダウン状態として、かつ非通
電状態で複数回トレースするようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はサーマルプリンタに関す
るもので、特に２枚の重ねられた用紙に複写印字を可能
とした熱転写プリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】サーマルプリンタは、取り扱いが簡単で
メンテナンスが容易なこと、また低騒音であることから
日本語ワープロ等に広く使用されている。

【０００３】このサーマルプリンタにあっては、２枚の
重ねられた用紙に同じ印字を行なういわゆる複写印字は
行なわれていなかったが、通常の１枚印字とはサーマル
ヘッドに与える通電エネルギーを増やし、また印字スピ
ードを遅くすることにより、２枚重ねられた感熱紙（感
熱複写機）あるいは感熱紙と普通紙とを重ねた用紙に複
写印字が可能となってきている。ただ、単に２枚の用紙
を重ねた複写用紙を用いると、プリンタ内にて完全に一
体化して２枚の用紙が送られないため（紙送りローラあ
るいは小ローラとの摩擦係数等の差、及びサーマルヘッ
ドの圧接・移動により直接サーマルヘッドと接する上の
用紙とそうでない下の用紙との摩擦係数の差などが原
因）、この２枚の用紙を糊等の粘着材により貼り合わせ
て使用し、記録後引き剥がす必要がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、印字後
に上述したところの貼り合わせた用紙を引き剥がすこと
は簡単ではなく、かなり手間がかかるという不具合があ
った。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の不具合を
解決するためになされたもので、サーマルプリンタにお
いて、２枚の用紙を粘着材を介して貼着してなる用紙
の、記録後この２枚の用紙を引き剥がす位置となる部分
をサーマルヘッドにて複数回トレースするようにしたこ
とを特徴とする。

【０００６】また、前記複数回のトレースは、サーマル
ヘッドがダウンした状態で、かつ、非通電状態もしくは
感熱紙が発色しない程度の通電状態で行なわれることを
特徴とする。

【０００７】

【作用】上記手段は以下のように作用する。

【０００８】複写用紙を引き剥がす位置を、サーマルヘ
ッドにより複数回トレースすることにより、複写用紙の
トレースされた部分にしわが入り、２枚の用紙が離れる
ことでその引き剥がしが極めて容易になる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。

【００１０】図１はシリアル式サーマルプリンタ１の概
略構成を示す斜視図であり、図２はその側部断面構成を
示す説明図である。図示したように、平板状のプラテン
２に沿って往復移動されるキャリッジ３上には、サーマ
ルヘッド４が配設されており、更に普通紙等の記録紙に
印字する場合にはインクリボンを収納したリボンカセッ
ト（図示せず）が搭載されるようになっている。このリ
ボンカセットは、感熱紙を用いて印字する場合は、キャ
リッジ３上から取り外され、サーマルヘッド４が直接感
熱紙に作用し印字が行なわれる。サーマルヘッド４は、
図示しないヘッドアップダウン機構によりプラテン２に
対して圧接する位置（ダウン位置）と離間した位置（ア
ップ位置）との間を移動するように構成されており、ダ
ウンした状態でキャリッジ３を移動させながらサーマル
ヘッド４を駆動することにより印字がなされ、アップ状
態では印字しないようになっている。

【００１１】また、前記プラテン２の後方には、用紙を
プラテン２の前方に送る導入部となる用紙挿入口５が形
成されており、この用紙挿入口５から記録部（プラテン
２とサーマルヘッド４との対向部）までの紙送り経路に
は、図示しないステッピングモータにより伝達機構を介
して回転駆動される用紙搬送を行なうための紙送りロー
ラ６が配設されている。この紙送りローラ６の下方に
は、この紙送りローラ６に圧接される圧接ローラ７が回
転自在に配設されており、前記紙送りローラ６とこの圧
接ローラ７との間に用紙挿入口５から挿入される用紙を
挟持して用紙の搬送が行なわれる。

【００１２】また、用紙挿入口５と紙送りローラ６との
間には用紙の有無を検出するための用紙検出センサ（図
示せず）が配設されており、用紙の先端及び後端を合わ
せて検出するようになっている。用紙挿入口５から挿入
された用紙は紙送りローラ６と圧接ローラ７等で構成さ
れた紙送り機構８により記録部に搬送され印字された
後、図示しない排紙ローラ等によりプリンタ本体の外部
に排出される。

【００１３】次に作用について説明する。

【００１４】まず、使用する用紙が複写用紙であるか通
常の１枚の用紙であるかをスイッチ等によりユーザーが
選択する。ここでは複写用紙を選択した場合について説
明する。使用する複写用紙１５は図３及び図４に示すよ
うに２枚の用紙１２、１３が糊等の粘着材により貼り合
わされたものであり、用紙１２、１３とも感熱紙とする
場合と、上面の用紙１２は普通紙を用いて、下面の用紙
１３のみを感熱紙とする場合とがある。この複写用紙１
５を用紙挿入口５より挿入し紙送り機構８により搬送す
ると用紙検出センサによりその先端が検出される。用紙
検出センサと記録部との距離は決まっているので、その
距離分だけ用紙が搬送されるように紙送りローラ６をス
テッピングモータにより回転させ、用紙の先端が記録部
に位置するように用紙を送る。この状態でサーマルヘッ
ド４をダウン状態にし、サーマルヘッド４には通電しな
いでキャリッジ３を複数回移動（トレース）させる。そ
の後所定の印字開始位置まで用紙を送り、通常の複写印
字を行なう。この複写印字は通常の印字と比較するとキ
ャリッジ３の移動速度は約半分であり、１ドット当たり
に印加される通電エネルギーは約２倍となるように制御
されるものである。そして、使用する複写用紙が予め所
定の長さに設定されたカット紙の場合、印字を終えた用
紙は、排紙ローラにより外部に排出される。

【００１５】また、この排出する前に、用紙の後端部
を、サーマルヘッド４を圧接した状態で複数回トレース
するようにしてもよい。

【００１６】さらに、サーマルヘッドには感熱紙が発色
しない程度の通電エネルギを付与した状態でもよい。

【００１７】さらにまた、複写用紙１５がロール紙等の
連続紙の場合、図示しないカッタ等で切断される位置が
サーマルヘッド４と対向するようにしてから複数回のト
レース動作を行ない、その後用紙を送り、このトレース
した部分をカッタ等で切断するようにしてもよい。

【００１８】上述の実施例においては、シリアル式サー
マルプリンタについて説明したが、次に第２の実施例で
あるライン式のサーマルプリンタについて説明する。

【００１９】図５はライン式のサーマルプリンタの要部
構成を示す説明図で、図示したようにこのライン式のサ
ーマルプリンタにおいては、印字幅分の発熱素子が形成
されたサーマルヘッド２０を用紙２１を介して紙送りロ
ーラを兼ねたプラテン２２に圧接した状態で、プラテン
２２を回転させ用紙を送りながらサーマルヘッド２０を
駆動して印字を行なうものである。また、サーマルヘッ
ド２０及びプラテン２２を挟んで紙送り方向の上下流側
には用紙搬送ローラ２３と排出ローラ２４とが備えられ
ている。

【００２０】このライン式サーマルプリンタにて複写用
紙に印字を行なう場合も、まず用紙の先頭部が記録部に
位置した時点でサーマルヘッド２０をダウン状態とし、
非通電状態でプラテン２２及び用紙搬送ローラ２３を同
期させて正逆回転させ用紙を往復移動させトレース動作
を行なう。その後、印字開始位置から通常の印字よりも
遅い印字速度と大きな通電エネルギーで複写印字を行な
う。そして印字を終えた用紙は排出ローラ２４により本
体外部に排出する。なお、この場合も、上述のシリアル
式のサーマルプリンタと同様に用紙の後端部あるいは切
断位置となる部分をトレースするようにしてもよい。

【００２１】またシリアル式、ライン式いずれにおいて
も、感熱紙が２枚重ねられた複写用紙と、感熱紙と普通
紙とが重ねられた複写用紙とを使用する場合では、使用
する複写用紙に応じてインクリボンカセットを取り外す
か、装着した状態で印字させるかを選択するだけでよ
い。

【００２２】

【効果】以上説明したように、本発明においては上述の
トレース動作により、トレースされた位置にしわが入り
２枚の用紙は離れるので、そこから簡単に用紙を引き剥
がすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】シリアルタイプのサーマルプリンタの概略構成
を示す斜視図である。

【図２】シリアルタイプのサーマルプリンタの要部構成
を説明するための側部断面図である。

【図３】複写用紙の構成を説明する斜視図である。

【図４】複写用紙の断面構成図である。

【図５】ラインタイプのサーマルプリンタの要部構成を
説明するための斜視図である。

【符号の説明】

２ プラテン ３ キャリッジ ４ サーマルヘッド １５ 複写用紙 ２０ サーマルヘッド ２２ プラテン

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２枚の用紙を粘着材を介して貼着してな
   る複写用紙の、記録後前記２枚の用紙を引き剥がす位置
   となる部分をサーマルヘッドにて複数回トレースするよ
   うにしたことを特徴とするサーマルプリンタ。
2. 【請求項２】 前記複数回のトレースは、サーマルヘッ
   ドがダウンした状態で、かつ、非通電状態で行なわれる
   ことを特徴とする請求項１のサーマルプリンタ。
3. 【請求項３】 前記複数回のトレースは、サーマルヘッ
   ドがダウンした状態で、かつ、感熱紙が発色しない程度
   の通電状態で行なわれることを特徴とする請求項１のサ
   ーマルプリンタ。
4. 【請求項４】 前記複写用紙は感熱紙が２枚貼着された
   感熱複写紙であることを特徴とする請求項２または３の
   サーマルプリンタ。
5. 【請求項５】 前記複写用紙は感熱紙の感熱面上に粘着
   材を介して普通紙が貼着された重ね用紙であることを特
   徴とする請求項２または３のサーマルプリンタ。