JPH09112683A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

Info

Publication number
JPH09112683A
JPH09112683A JP26828595A JP26828595A JPH09112683A JP H09112683 A JPH09112683 A JP H09112683A JP 26828595 A JP26828595 A JP 26828595A JP 26828595 A JP26828595 A JP 26828595A JP H09112683 A JPH09112683 A JP H09112683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
input
output
rotational speed
output side
disk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26828595A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Ito
裕之 伊藤
Takashi Machida
尚 町田
Takashi Imanishi
尚 今西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP26828595A priority Critical patent/JPH09112683A/ja
Publication of JPH09112683A publication Critical patent/JPH09112683A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Friction Gearing (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラクションオイルの供給不良等によりスリ
ップが発生した場合に運転者に警報を発し、重大な故障
に結び付くのを防止する。 【構成】 実変速比算出手段36が、入力側回転速度検
出手段34が検出する入力側回転速度と、出力側回転速
度検出手段35が検出する出力側回転速度とにより、実
際の変速比を算出する。設定変速比算出手段38が、傾
斜角度検出手段37が検出するパワーローラの傾斜角度
により、得られるべき変速比を算出する。比較手段39
がこれら両変速比を比較し、その差が大きくなった場合
に、スリップの発生を警報すべく警報手段40を作動さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るトロイダル型無段
変速機は、例えば自動車用の変速機として利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図5〜6に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開
昭62−71465号公報に開示されている様に、入力
軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1
と同心に配置された出力軸3の端部に出力側ディスク4
を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケー
シングの内側には、前記入力軸1並びに出力軸3に対し
て捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するト
ラニオン6、6を設けている。
【0003】各トラニオン6、6は、両端部外側面に上
記枢軸5、5を設けている。又、各トラニオン6、6の
中心部には変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸
5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させる事
により、各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在として
いる。各トラニオン6、6に支持された変位軸7、7の
周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支
持している。そして、各パワーローラ8、8を、上記入
力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。
【0004】入力側、出力側両ディスク2、4の互いに
対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢
軸5を中心とする円弧を回転させて得られる凹面をなし
ている。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ
8、8の周面8a、8aは、上記内側面2a、4aに当
接させている。
【0005】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9
は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11
により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、
12とから構成されている。上記カム板10の片側面
(図5〜6の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であ
るカム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外側面
(図5〜6の右側面)にも、同様のカム面14を形成し
ている。そして、上記複数個のローラ12、12を、上
記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回
転自在に支持している。
【0006】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回
転すると、カム面13によって複数個のローラ12、1
2が、入力側ディスク2外側面のカム面14に押圧され
る。この結果、上記入力側ディスク2が、上記複数のパ
ワーローラ8、8に押圧されると同時に、上記1対のカ
ム面13、14と複数個のローラ12、12との押し付
け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回転する。
そして、この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパ
ワーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達さ
れ、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転す
る。
【0007】入力軸1と出力軸3との回転速度を変える
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6
を揺動させる。そして、上記各パワーローラ8、8の周
面8a、8aが図5に示す様に、入力側ディスク2の内
側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4
aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸
7、7を傾斜させる。
【0008】反対に、増速を行なう場合には、上記各ト
ラニオン6、6を減速時とは反対方向に揺動させる。そ
して、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図
6に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄
り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分
とに、それぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜さ
せる。各変位軸7、7の傾斜角度を図5と図6との中間
にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比
を得られる。例えば、上記各変位軸7、7の方向を入力
軸1及び出力軸3に直交する向きとすれば、上記入力軸
1と出力軸3との変速比が1となり、出力軸3が入力軸
1と同速で回転する。
【0009】更に、図7〜8は、より具体化されたトロ
イダル型無段変速機を示している。入力側ディスク2と
出力側ディスク4とは円管状の入力軸15の周囲に、そ
れぞれニードル軸受16、16を介して回転自在に支持
している。又、カム板10は上記入力軸15の端部(図
7の左端部)外周面にスプライン係合し、端板17によ
って上記入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻
止されている。そして、このカム板10とローラ12、
12とにより、上記入力軸15の回転に基づいて上記入
力側ディスク2を、出力側ディスク4に向けて押圧しつ
つ回転させる、ローディングカム型の押圧装置9を構成
している。上記出力側ディスク4には出力歯車18を、
キー19により結合し、これら出力側ディスク4と出力
歯車18とが同期して回転する様にしている。
【0010】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の
支持板20、20に、揺動並びに軸方向(図7の表裏方
向、図8の左右方向)に亙る変位自在に支持している。
そして、上記各トラニオン6、6の中間部に形成した円
孔23、23部分に、変位軸7、7を支持している。各
変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持軸部2
1、21と枢支軸部22、22とを、それぞれ有する。
このうちの支持軸部21、21を上記各円孔23、23
の内側に、ニードル軸受24、24を介して、回転自在
に支持している。又、上記各枢支軸部22、22の周囲
にパワーローラ8、8を、別のニードル軸受25、25
を介して回転自在に支持している。
【0011】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部22、22が支持軸
部21、21に対し偏心している方向は、上記入力側、
出力側両ディスク2、4の回転方向に対して同方向(図
8で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入
力軸15の配設方向に対してほぼ直交する方向としてい
る。従って上記各パワーローラ8、8は、上記入力軸1
5の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。この
結果、構成部品の弾性変形等に起因して上記各パワーロ
ーラ8、8が前記入力軸15の軸方向(図7の左右方
向、図8の表裏方向)に変位する傾向となった場合で
も、構成各部品に無理な力を加える事なく、この変位を
吸収できる。
【0012】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
前記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸
受26、26とスラストニードル軸受27、27とを設
けている。このうちのスラスト玉軸受26、26は、上
記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を
支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容
するものである。この様なスラスト玉軸受26、26は
それぞれ、複数個ずつの玉29、29と、各玉29、2
9を転動自在に保持する円環状の保持器28、28と、
円環状の外輪30、30とから構成されている。各スラ
スト玉軸受26、26の内輪軌道は前記各パワーローラ
8、8の外側面に、外輪軌道は上記各外輪30、30の
内側面に、それぞれ形成している。
【0013】更に、前記各トラニオン6、6の一端部
(図8の右端部)にはそれぞれ駆動ロッド31、31を
結合し、各駆動ロッド31、31の中間部外周面に駆動
ピストン32、32を固設している。そして、これら各
駆動ピストン32、32を、それぞれ駆動シリンダ3
3、33内に油密に嵌装している。これら駆動シリンダ
33、33内には、ステッピングモータ、スプール弁等
から構成される制御手段50を介して油圧の給排を行な
う。
【0014】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の場合には、入力軸15の回転は押圧装置9を介し
て入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側
ディスク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介し
て出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディス
ク4の回転が、出力歯車18より取り出される。
【0015】入力軸15と出力歯車18との間の回転速
度比を変える場合には、上記1対の駆動ピストン32、
32を互いに逆方向に同じストローク分だけ変位させ
る。これら各駆動ピストン32、32の変位に伴って前
記1対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に変位
し、例えば図8の下側のパワーローラ8が同図の右側
に、同図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、それ
ぞれ変位する。この結果、これら各パワーローラ8、8
の周面8a、8aと上記入力側ディスク2及び出力側デ
ィスク4の内側面2a、4aとの当接部に作用する、接
線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの
変化に伴って上記各トラニオン6、6が、支持板20、
20に枢支された枢軸5、5を中心として、互いに逆方
向に揺動する。
【0016】この結果、前述の図5〜6に示した様に、
上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記各内
側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸15
と出力歯車18との間の回転速度比が変化する。尚、ト
ロイダル型無段変速機の場合、動力伝達時には入力側デ
ィスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4aと各
パワーローラ8、8の周面8a、8aとの当接部にトラ
クションオイルを供給する。入力側ディスク2から出力
側ディスク4には、上記各パワーローラ8、8及びこの
トラクションオイルの薄膜を介して動力が伝達される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用するトロイダル型無段変速機で、ポンプ等の故障によ
り入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2
a、4aと各パワーローラ8、8の周面8a、8aとの
当接部へのトラクションオイルの供給が不良になると、
この当接部でスリップが発生する。この様なスリップが
発生すると、エンジン回転数の増大に拘らず車速が上昇
せず、運転者に大きな違和感を与える。この様な違和感
を感じた運転者が自動車を停止させて修理を依頼すれば
良いが、違和感発生の原因が分からずに、自然回復を期
待してアクセルを踏み込む様な行動に出た場合には、ト
ロイダル型無段変速機が修理不能な程に大きなダメージ
を受ける可能性が高くなる。本発明のトロイダル型無段
変速機は、上述の様な事情に鑑みて発明したもので、修
理不能な程に大きなダメージを受ける事を防止すべく、
上記スリップの発生を検知して運転者に警告を与えるも
のである。
【0018】
【課題を解決する為の手段】本発明のトロイダル型無段
変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と同
様に、互いの内側面同士を対向させた状態で、互いに同
心に、且つ互いに独立した回転を自在に支持された入力
側ディスク及び出力側ディスクと、これら入力側ディス
ク及び出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位置にある
枢軸を中心として揺動するトラニオンと、このトラニオ
ンの内側面に突設された変位軸によりこのトラニオンの
内側面部分に回転自在に支持されて、上記入力側ディス
ク及び出力側ディスクの内側面同士の間に挟持されたパ
ワーローラとを備える。
【0019】特に、本発明のトロイダル型無段変速機
は、入力側ディスク及び出力側ディスクの内側面と各パ
ワーローラの周面との当接部にスリップが発生している
か否かを検出し、スリップの発生時に運転者に警告を発
生すべく、図1のブロック図に示す様な制御回路を有す
る。この制御回路を構成する入力側回転速度検出手段3
4は、上記入力側ディスク若しくはこの入力側ディスク
の回転速度に比例した回転速度で回転する部材の回転速
度を検出する。又、出力側回転速度検出手段35は、上
記出力側ディスク若しくはこの出力側ディスクの回転速
度に比例した回転速度で回転する部材の回転速度を検出
する。又、実変速比算出手段36は、上記入力側回転速
度検出手段34が検出する入力側回転速度と上記出力側
回転速度検出手段35が検出する出力側回転速度とによ
り、実際の変速比を算出する。又、傾斜角度検出手段3
7は、上記変位軸の傾斜角度を検出する。そして、設定
変速比算出手段38は、上記傾斜角度検出手段37が検
出した上記変位軸の傾斜角度に基づいて、得られるべき
変速比を算出する。又、比較手段39は、この設定変速
比算出手段38が算出する得られるべき変速比と、上記
実変速比算出手段36が算出する実際の変速比とを比較
する。更に、警報手段40は、上記比較手段39が比較
する2種類の変速比に所定値以上の差が生じた場合に警
報を発する。警報手段40としては、警告灯、ブザー
等、異常が発生した事を運転者に対して確実に知らせる
事ができるものを使用する。
【0020】尚、トロイダル型無段変速機内に前進・後
退切換機構及びニュートラル機構を組み込む場合で、入
力側回転速度検出手段34及び出力側回転速度検出手段
35を、これら前進・後退切換機構及びニュートラル機
構を挟んで配置する場合には、上記図1に示した制御回
路は、これら両機構の状態を勘案しつつ機能する。具体
的には、前進・後退切換機構の切り換えに伴う変速比の
変化に応じて、上記設定変速比算出手段38が算出す
る、得られるべき変速比を変える。又、ニュートラル機
構の作動時には、上記制御回路の機能を停止する。但
し、上記前進・後退切換機構及びニュートラル機構を、
上記入力側回転速度検出手段34と出力側回転速度検出
手段35との間に設けない場合には、これら両機構の存
在を無視する事もできる。
【0021】
【作用】上述の様に構成される本発明のトロイダル型無
段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と
同様の作用に基づき、パワーローラを介して入力側ディ
スクと出力側ディスクとの間で回転力の伝達を行なう。
又、このパワーローラを支承した変位軸の傾斜角度を変
える事により、これら入力側ディスクと出力側ディスク
との回転速度比を変える。
【0022】特に、本発明のトロイダル型無段変速機
は、例えば図2のフローチャートに示す様に作用して、
入力側ディスク及び出力側ディスクの内側面と各パワー
ローラの周面との当接部にスリップが発生した場合に、
警報手段が警報を発生して、運転者に自動車の運行停止
を促す。尚、図2のフローチャートは、トロイダル型無
段変速機に前進・後退切換機構及びニュートラル機構を
組み込んだ場合の作用に就いて示している。
【0023】先ず、ステップ1では、入力側回転速度検
出手段34から入力側回転速度N1を、出力側回転速度
検出手段35から出力側回転速度N2 を、それぞれ入力
する。続くステップ2では、トロイダル型無段変速機の
シフトポジションが前進位置であるか否かを判定する。
このステップ2でシフトポジションが前進位置にないと
判定された場合には、ステップ3に移って、シフトポジ
ションが後退位置にあるか否かを判定する。このステッ
プ3でシフトポジションが後退位置にないと判定された
場合には、ステップ4でシフトポジションはニュートラ
ル位置(パーキング位置を含む)にあると判定し、再び
ステップ1に戻る。
【0024】一方、上記ステップ2でシフトポジション
が前進位置にあると判定された場合、並びに上記ステッ
プ3でシフトポジションが後退位置にあると判定された
場合は、ステップ5に移り、上記ステップ1で取り込ん
だ入力側回転速度N1 と出力側回転速度N2 とから、実
変速比i1 (=N1 /N2 )を算出する。続くステップ
6では、傾斜角度検出手段37が検出した上記変位軸の
傾斜角度θを取り込み、続くステップ7で、当該傾斜角
度θに対応して得られるべき変速比i2 (=f(θ))
を算出する。この際、シフトポジションが前進位置であ
るか後退位置であるかにより、算出する変速比i2 は異
なる。
【0025】続くステップ8では、上記出力側回転速度
2 が零であるか否か、零でないとすれば上記実変速比
1 と得られるべき変速比i2 との間に無視できない程
の差があるか否か(i1 /i2 が無視できない程大きい
か否か)を判定する。そして、上記出力側回転速度N2
が零でなく、しかもこれら両変速比i1 、i2 の差が無
視できる程に小さい場合には、ステップ9で異常なしと
判定し、そのままステップ1に戻る。一方、上記出力側
回転速度N2 が零であったり、或はこれら両変速比i
1 、i2 の差が無視できない程大きい(i1 /i2 ≧k
>1)場合には、入力側ディスク及び出力側ディスクの
内側面と各パワーローラの周面との当接部がスリップし
ていると考えられるので、ステップ10で警報手段40
を作動させ、運転者に自動車の運行停止を促す。即ち、
トラクションオイルの供給不良等により上記当接部にス
リップが発生すると、出力側回転速度検出手段35が検
出する出力側回転速度N2 が、変位軸の傾斜角度に基づ
いて本来得られるべき回転速度に比べて遅くなる。この
結果、設定変速比算出手段38が算出する得られるべき
変速比に比べて、実変速比算出手段36が算出する実際
の変速比が、出力側回転速度N2 が遅くなる方向にず
れ、変速比i1 、i2 同士の比k(=i1 /i2)が大
きくなる。そこで、このずれが無視できない程に大きく
なった場合、上記警報手段40を作動させて運転者に、
自動車の運行を停止すべく、警報を発する。尚、上記k
の値は、自動車の駆動系を構成するトルクコンバータ
等、或る程度のスリップを生じる機構の存在を勘案しつ
つ設計的に定められる、1よりも大きな正の値である。
【0026】
【実施例】図3は本発明の第一実施例を示している。エ
ンジン41のクランクシャフト42の回転駆動力は、ト
ルクコンバータ、発進クラッチ等の発進補助手段43を
介して、トロイダル型無段変速機44の入力軸45に伝
達される。入力軸45に伝達された回転駆動力は、上記
トロイダル型無段変速機44を構成する入力側ディスク
2、パワーローラ8、8、出力側ディスク4を介して出
力軸46を回転駆動する。更にこの出力軸46に伝達さ
れた回転駆動力は、ドライブシャフト47を介して駆動
輪48、48に伝達され、自動車を駆動する。
【0027】上述の様に構成される自動車の駆動系のう
ち、クランクシャフト42と入力軸45とのうちの少な
くとも一方には、入力側回転速度検出手段34、34を
付設している。この入力側回転速度検出手段34、34
としては、従来から一般的に知られている各種回転検出
器の他、近接スイッチ等、上記クランクシャフト42や
入力軸45が1回転するのに要する時間を測定可能な、
各種素子を利用できる。勿論、エンジンのタコメータ用
の信号を利用する事もできる。要は、クランクシャフト
42や入力軸45の回転速度を直接的或は間接的に測定
できるものであれば良い。測定精度は特に高度である必
要はない。そして、この入力側回転速度検出手段34、
34により、入力側ディスク2の回転速度に比例した回
転速度で回転する部材である、クランクシャフト42と
入力軸45とのうちの少なくとも一方の回転速度を検出
自在としている。尚、入力側回転速度検出手段34、3
4は、少なくとも1個設ければ良いが、複数個設けた場
合には、何れかが故障した際に他方がバックアップする
様に構成する事により、フェイルセーフを図れる。
【0028】一方、上記出力軸46とドライブシャフト
47とのうちの少なくとも一方には、上記入力側回転速
度検出手段34、34と同様構成の、出力側回転速度検
出手段35を付設している。そして、この出力側回転速
度検出手段35により、出力側ディスク4の回転速度に
比例した回転速度で回転する部材である、出力軸46と
ドライブシャフト47とのうちの少なくとも一方の回転
速度を検出自在としている。上記出力側回転速度検出手
段35としては、アンチロックブレーキ装置(ABS)
やトラクションコントロール装置(TCS)を制御すべ
く、駆動輪に付設した回転速度検出装置を利用する事も
できる。
【0029】又、上記パワーローラ8、8を枢支した変
位軸7、7(図5〜8)のうちの少なくとも1個の変位
軸7には、傾斜角度検出手段37を付設して、当該変位
軸7の傾斜角度を検出自在としている。尚、この傾斜角
度検出手段37は、上記変位軸7の傾斜角度に対応して
変位する部材の変位量を測定できるものであれば良い。
従って、上記変位軸7の傾斜角度を直接測定する他、ト
ラニオン6(図5〜8)の端部に設けた枢軸5(図5、
6、8)の変位角度を測定したり、更には駆動ロッド3
1(図8)の変位角度を測定する変位センサを、上記傾
斜角度検出手段37とする事もできる。
【0030】更に、前記トロイダル型無段変速機44が
前進・後退切換機構及びニュートラル機構を組み込んだ
ものである場合には、シフトポジション検知手段49を
設ける。このシフトポジション検知手段49は、上記ト
ロイダル型無段変速機44の内部又は外部に設ける。例
えば自動変速機付自動車の場合、ダッシュボード上にシ
フトポジションを表すインジケータを設ける場合が多
い。上記シフトポジション検知手段49を、このインジ
ケータ用の信号を利用して構成すれば、特に新たな検知
素子を組み込む必要はない。
【0031】上述の様に自動車の駆動系に組み込まれる
入力側回転速度検出手段34と、出力側回転速度検出手
段35と、傾斜角度検出手段37とは、前記図1に示す
様な制御回路を構成する。そして、シフトポジション検
知手段49の検知信号と共に、前記図2に示す様な作用
により、入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側
面2a、4aと各パワーローラ8、8の周面8a、8a
との当接部にスリップが発生しているか否かを判定し、
スリップが発生した場合には、警報手段40が警報を発
生して、運転者に自動車の運行停止を促す。
【0032】次に、図4は本発明の第二実施例を示して
いる。本実施例の場合には、出力軸46とドライブシャ
フト47との間に発進補助手段43を設けている。そし
て、これら出力軸46とドライブシャフト47との少な
くとも一方に、出力側回転速度検出手段35、35を設
けている。その他の構成及び作用は、上述した第一実施
例と同様である。
【0033】尚、上述した各実施例の場合には、変位軸
7、7(図5〜8)の傾斜角度を全範囲に亙って測定
し、入力軸45と出力軸46との間の変速比がどの様な
値の場合でも変速比i1 、i2 同士の比k(=i1 /i
2 )を比較する様にしている。この様に構成した場合に
は、例えば減速時(図5の状態)或は増速時(図6の状
態)に急にスリップが発生した場合でも、これを直ちに
検知できる。但し、実際上はスリップは徐々に発生する
ものであり、しかも入力軸45と出力軸46との間の変
速比は1を中心として常に変化するものであるから、必
ずしも上記傾斜角度を全範囲に亙って測定し続ける必要
はない。例えば、上記変位軸7が中立位置となった状態
(上記変速比を1とすべく、変位軸7、7が入力軸45
及び出力軸46と直交する状態)を境としてON、OF
Fするスイッチを設け、このスイッチを傾斜角度検出手
段37とする事も可能である。
【0034】但し、この様なスイッチを使用してスリッ
プの有無を判断する場合、入力軸45と出力軸46との
間で増速を行なう際には、上記スイッチが例えばONさ
れたままとなる。この為、設定変速比算出手段38が算
出する得られるべき変速比i2 は1として、実変速比算
出手段36が算出する実変速比i1 (=N1 /N2 )と
の間での大小を比較する。又、入力軸45と出力軸46
との間で減速を行なう際には、上記スイッチが例えばO
FFされたままとなる。この為、設定変速比算出手段3
8が算出する得られるべき変速比i2 は、最大減速比と
して、実変速比算出手段36が算出する実変速比i1
の間での大小を比較する。
【0035】この様なON、OFFのみを行なうスイッ
チを傾斜角度検出手段37として使用した場合には、ス
リップが比較的大きくなってから検出される可能性があ
る。但し、実際にスリップが発生する場合、その初期段
階では、入力軸45に加わえられるトルクが急に増大し
た(アクセルが急に踏み込まれた)状態でスリップが大
きくなる。この場合には、上述の様な近似的な制御で
も、十分にスリップの発生を検出できる。又、発進後、
定常運行に移る過程では、必ず上記変速比が1の状態を
通過する。従って、傾斜角度検出手段37として、エン
コーダに比較して安価なスイッチを使用しても、十分に
実用的な装置を構成できる。
【0036】
【発明の効果】本発明のトロイダル型無段変速機は、以
上に述べた通り構成され作用する為、トラクションオイ
ルの供給不良等により入力側ディスク及び出力側ディス
クの内側面と各パワーローラの周面との当接部にスリッ
プが発生した状態のまま自動車の運行を継続する可能性
を少なくできる。この為、スリップ発生時にもトロイダ
ル型無段変速機に修理不能な程重大な故障を発生させる
可能性を低くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトロイダル型無段変速機に組み込まれ
る制御回路の1例を示すブロック図。
【図2】この制御回路の作用を示すフローチャート。
【図3】各検出手段の設置状態の第一実施例を示す略平
面図。
【図4】同第二実施例を示す略平面図。
【図5】従来から知られたトロイダル型無段変速機の基
本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図6】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図7】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図8】図7のA−A断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13、14 カム面 15 入力軸 16 ニードル軸受 17 端板 18 出力歯車 19 キー 20 支持板 21 支持軸部 22 枢支軸部 23 円孔 24、25 ニードル軸受 26 スラスト玉軸受 27 スラストニードル軸受 28 保持器 29 玉 30 外輪 31 駆動ロッド 32 駆動ピストン 33 駆動シリンダ 34 入力側回転速度検出手段 35 出力側回転速度検出手段 36 実変速比算出手段 37 傾斜角度検出手段 38 設定変速比算出手段 39 比較手段 40 警報手段 41 エンジン 42 クランクシャフト 43 発進補助手段 44 トロイダル型無段変速機 45 入力軸 46 出力軸 47 ドライブシャフト 48 駆動輪 49 シフトポジション検知手段 50 制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 59:68

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いの内側面同士を対向させた状態で、
    互いに同心に、且つ互いに独立した回転を自在に支持さ
    れた入力側ディスク及び出力側ディスクと、これら入力
    側ディスク及び出力側ディスクの中心軸に対し捻れの位
    置にある枢軸を中心として揺動するトラニオンと、この
    トラニオンの内側面に突設された変位軸によりこのトラ
    ニオンの内側面部分に回転自在に支持されて、上記入力
    側ディスク及び出力側ディスクの内側面同士の間に挟持
    されたパワーローラとを備えるトロイダル型無段変速機
    に於いて、上記入力側ディスク若しくはこの入力側ディ
    スクの回転速度に比例した回転速度で回転する部材の回
    転速度を検出する入力側回転速度検出手段と、上記出力
    側ディスク若しくはこの出力側ディスクの回転速度に比
    例した回転速度で回転する部材の回転速度を検出する出
    力側回転速度検出手段と、上記入力側回転速度検出手段
    が検出する入力側回転速度と上記出力側回転速度検出手
    段が検出する出力側回転速度とにより、実際の変速比を
    算出する実変速比算出手段と、上記変位軸の傾斜角度を
    検出する為の傾斜角度検出手段と、この傾斜角度検出手
    段が検出した上記変位軸の傾斜角度に基づいて、得られ
    るべき変速比を算出する設定変速比算出手段と、この設
    定変速比算出手段が算出する得られるべき変速比と上記
    実変速比算出手段が算出する実際の変速比とを比較する
    比較手段と、この比較手段が比較する2種類の変速比に
    所定値以上の差が生じた場合に警報を発する警報手段と
    を備える事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
JP26828595A 1995-10-17 1995-10-17 トロイダル型無段変速機 Pending JPH09112683A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26828595A JPH09112683A (ja) 1995-10-17 1995-10-17 トロイダル型無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26828595A JPH09112683A (ja) 1995-10-17 1995-10-17 トロイダル型無段変速機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09112683A true JPH09112683A (ja) 1997-05-02

Family

ID=17456418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26828595A Pending JPH09112683A (ja) 1995-10-17 1995-10-17 トロイダル型無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09112683A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001057417A1 (fr) * 2000-02-02 2001-08-09 Koyo Seiko Co., Ltd. Transmission a variation continue de type toroidale
JP2011038646A (ja) * 2010-11-24 2011-02-24 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機及び無段変速装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001057417A1 (fr) * 2000-02-02 2001-08-09 Koyo Seiko Co., Ltd. Transmission a variation continue de type toroidale
US6666790B2 (en) 2000-02-02 2003-12-23 Koyo Seiko Co., Ltd. Toroidal type continuously variable transmission
JP2011038646A (ja) * 2010-11-24 2011-02-24 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機及び無段変速装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6390946B1 (en) Toroidal type automatic transmission for motor vehicles
US6074320A (en) Continuously variable transmission
US6261200B1 (en) Continuously variable transmission
JPH11502591A (ja) 連続可変変速比変速機に関する改良
JP2004301251A (ja) フルトロイダル型無段変速機
JP2604422B2 (ja) トロイダル式無段変速機のローディングガム装置
US4821601A (en) Differential controlling device for differential gear
JPH09112683A (ja) トロイダル型無段変速機
JPH10281269A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4010145B2 (ja) トロイダル型無段変速機及び無段変速装置
JP3633398B2 (ja) トロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置
JPS6032056B2 (ja) 軸方向負荷装置
CN113390633B (zh) 一种差速器锁止机构试验方法和台架
JP5794479B2 (ja) 無段変速機における異常判定装置
JP3465521B2 (ja) トロイダル型無段変速機の変速制御装置
JP2007298098A (ja) トロイダル型無段変速機
JP3734150B2 (ja) フルトロイダル型無段変速機
JPH09112643A (ja) トロイダル型無段変速機
JP4003678B2 (ja) トロイダル型無段変速機を有する車両
JPH0979369A (ja) 無段変速機搭載車の変速異常対策装置
JP3840079B2 (ja) トロイダル型無段変速機のスリップ防止装置
JPH10299852A (ja) トロイダル型無段変速機
JP3413899B2 (ja) 走行装置
JP3293306B2 (ja) トロイダル型無段変速機
JP2000257686A (ja) トロイダル型無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040309