JPH09111413A - 靭性に優れた核融合炉用耐熱鋼及びその製造方法 - Google Patents

靭性に優れた核融合炉用耐熱鋼及びその製造方法

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JPH09111413A
JPH09111413A JP7270998A JP27099895A JPH09111413A JP H09111413 A JPH09111413 A JP H09111413A JP 7270998 A JP7270998 A JP 7270998A JP 27099895 A JP27099895 A JP 27099895A JP H09111413 A JPH09111413 A JP H09111413A
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toughness
less
resistant steel
steel
fusion reactor
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JP7270998A
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Toshinaga Hasegawa
俊永 長谷川
Hidesato Mabuchi
秀里 間渕
Yukio Tomita
幸男 冨田
Akira Kayama
晃 香山
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、低誘導放射化、高温クリープ強度
に優れ且つ使用中での靭性劣化が少なく安全性の高い核
融合炉第一壁用耐熱鋼及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 誘導放射能の少ない化学成分で構成され
た鋼において熱処理まま及び時効後の靭性劣化を防ぐた
めに、不純物元素としてのB,Nb,Mo,P,Cu,
Sn,Sb,Asを厳密に制御することを特徴とする靭
性に優れた核融合炉用耐熱鋼。及び、前記鋼を下記式に
示すT1 (℃) 【数1】 の温度以上に加熱して圧延し、かつ焼きならし温度90
0〜1150℃、焼き戻し温度600〜850℃で熱処
理することを特徴とする前記耐熱鋼の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低誘導放射化、高
温クリープ強度及び靭性に優れ、さらに長時間使用によ
る靭性劣化の少ない核融合炉第一壁等に用いる耐熱鋼及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】核融合炉は、実験研究炉として実績があ
り既に臨界プラズマ条件を達成している。現在、その第
一壁材料としてオーステナイト系のSUS316が用い
られている。しかし、商用炉で想定される中性子照射量
では、照射で生じる原子空孔の集合体(ボイド)によっ
て材料の体積が膨張するボイドスエリングの問題からS
US316は使用できないため、代わってSUS316
にTiを添加したJPCA鋼や、フェライト系であるた
めボイドスエリングの少ないHT−9鋼(12Cr−1
Mo−W−V)が開発された。
【0003】さらに、「Journal of Nuclear Materials
133 & 134 (1985) 149-155)」に記載されているよう
に、使用中の補修やシャットダウン後廃棄処分時の放射
能汚染の低減が経済的に著しく有利であることから、第
一壁材料として誘導放射化の少ない低放射化材料が要求
されるようになり、フェライト鋼で且つ誘導放射能の高
い元素であるNi,Cu,Mo,Nb等を極力低減させ
た鋼が要求されるようになった。
【0004】低放射化鋼としては、「Alloy Developmen
t for Irradiation Performance/Semiannual Progress
Report For Period Ending September 30. 1985; U.S.D
epartment of Energy, p117-123 」に記載されている9
Cr−2W−Ta−V鋼、「耐熱材料第123委員会研
究報告Vol.27 No.1 pp105−117」に記載さ
れている9Cr−2W鋼、及び特公平3−61749号
公報に記載されているような8Cr−2W−Ta−V鋼
等のマルテンサイト組織を有するフェライト系鋼が開発
されている。これらの鋼はWの固溶強化に加えてTa炭
窒化物、V炭窒化物による分散強化によって高温強度を
HT−9並みにしようとするものである。
【0005】フェライト系鋼はボイドスエリングの点で
はオーステナイト系鋼よりも有利であるが、BCC構造
であるが故に、へき開破壊を生じやすいため、靭性の確
保に留意する必要がある。特に核融合炉のような過酷な
使用環境中においても靭性の劣化が生じないようにする
ことがフェライト系鋼の課題である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ボイドスエリングの問
題が小さく、従来の商用核融合炉用材料として有望なフ
ェライト系耐熱鋼が具備すべき特性としては、長時間の
中性子照射に対して誘導放射能が低いことはもちろん、
材料特性が高温長時間の使用に対して安定であることが
挙げられる。
【0007】特に長時間のクリープ強度が従来フェライ
ト系耐熱鋼と同等以上であり、且つ長時間使用後におい
ても良好な靭性を保持して、構造材料としての安全性が
保たれる必要がある。本発明はこれらの特性を同時に満
足する優れた核融合炉の第一壁用フェライト系耐熱鋼を
提供することを目的とするものである。
【0008】従来技術による材料では、操業時間が長期
にわたらず、管理が比較的容易な実験研究炉では使用に
耐えられるものもあるが、将来の商用炉においては一層
の安全性が要求されるはずであり、上記課題を解決した
安全性の高い核融合炉用材料の開発が期待される。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明においては、低放
射化のために従来耐熱鋼のクリープ強度向上に用いられ
るMo,NbをW,Taに代替し、その含有量及び他の
合金元素量とを最適化することにより高温クリープ強度
と低放射化特性を両立させるとともに、W,Taを含有
する鋼における長時間の使用中の材料特性の安定性、脆
化に影響を及ぼす因子の探求の結果、特に該低放射化鋼
においては、不純物レベルの微量のB,Nb,Moが最
も強く時効による靭性劣化を引き起こし、次いで、P,
Cu,Sn,Sb,Asの悪影響が大きく、これらの不
純物元素を厳密に制御することで使用中脆化が防げるこ
とを知見し、発明するに至ったものであり、その要旨と
するところは、次の通りである。
【0010】(1)重量%でC:0.04〜0.15
%、Si:0.02〜0.25%、Mn:0.01〜
1.0%、S:0.007%以下、Cr:6〜10%、
W:1.5〜2.2%、V:0.05〜0.25%、T
a:0.02〜0.10%、N:0.02〜0.06%
を含有し、不純物としてのB,Nb,Moの含有量が、
B:0.0004%以下、Nb:0.005%以下、M
o:0.01%以下で、残部Fe及び不可避的不純物か
らなることを特徴とする靭性に優れた核融合炉用耐熱
鋼。
【0011】(2)不純物としてのP,Cu,Sn,S
b,Asの含有量が重量%で、P:0.01%以下、C
u:0.01%以下、Sn:0.01%以下、Sb:
0.01%以下、As:0.01%以下であることを特
徴とする前記(1)記載の靭性に優れた核融合炉用耐熱
鋼。
【0012】(3)重量%でTi:0.005〜0.2
%、Al:0.005〜0.2%の1種または2種を含
有することを特徴とする前記(1)または(2)記載の
靭性に優れた核融合炉用耐熱鋼。
【0013】(4)
【数2】 温度以上に加熱し圧延を行い、且つ焼きならし温度:9
00〜1150℃、焼き戻し温度:600〜850℃、
の条件で熱処理をすることにより、前記(1)〜(3)
のいずれかに記載の鋼板を製造することを特徴とする靭
性に優れた核融合炉用耐熱鋼の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。先ず、化学成分の限定理由は以下の通りである。C
は固溶強化元素としてまた炭化物を生成し高温クリープ
強度を向上させる。またδフェライトの生成を抑制し靭
性を向上させる。δフェライトはγ/α変態で生じるB
CC相と異なり熱処理によってもマルテンサイト化しな
い相であり、本発明鋼のようなマルテンサイト主体組織
鋼においてδフェライトが存在すると、熱処理中にδフ
ェライト中に粗大な脆化相を生じやすいために靭性に対
して好ましくない。δフェライト生成を抑制するために
はCは0.04%以上必要である。
【0015】一方0.15%を超えるとδフェライト抑
制効果が飽和する一方、C自体の悪影響により靭性が劣
化し、また、溶接性も劣化するため、0.04〜0.1
5%に限定した。特に溶接性、靭性確保に留意する場合
はCの上限は0.09%とすることが好ましい。
【0016】Siは脱酸元素として必要であり、鋼の健
全性を確保するために、0.02%以上必要である。一
方0.25%を超えると靭性が低下するため、0.02
〜0.25%に限定した。
【0017】Mnは脱酸剤として0.01%以上添加す
る必要がある。一方1.0%を超えるとMn偏析が顕著
になり靭性を低下させるため、0.01〜1.0%に限
定した。Sは延性及び靭性の低下を招くため0.007
%以下に限定した。できる限り低い方が望ましい。
【0018】Crは耐熱鋼の具備すべき特性のうち、高
温強度特性とともに最も重要な高温での耐食性、耐酸化
性を向上させるために不可欠の元素である。高温での耐
食性、耐酸化性の向上のためにはCr量は多いほど好ま
しいが、フェライト鋼において中性子照射脆化を抑制す
るためにはCr量を6〜10%とする必要がある。
【0019】一方10%を超えると、δフェライトを生
成し靭性を低下させるため、6〜10%に限定した。な
お、高温強度、クリープ強度確保の観点からより好まし
くはCrは8%以上とする。このCrの範囲であれば、
核融合炉で想定される環境中での高温腐食、高温酸化の
問題は生じない。
【0020】Wは固溶強化により高温クリープ破断強度
を著しく向上させる。逆に添加量が過剰になると粗大な
金属間化合物(Fe2 W)をつくり靭性を著しく低下さ
せるため、1.5〜2.2%に限定した。
【0021】Vは固溶強化及び析出強化によって高温ク
リープ強度特にHAZの高温クリープ強度を高める。そ
の効果は0.05%以上で顕著となるが、0.25%を
超える添加はδフェライトの生成による靭性低下を招き
且つ溶接性を低下させるため、0.05〜0.25%に
限定した。
【0022】TaはTaN,TaCとしての析出強化に
より高温クリープ強度を向上させる。また固溶している
Taは靭性を向上させる。このためには0.02%以上
必要である。一方0.10%を超える添加は高温クリー
プ強度が逆に低下し、且つ溶接性を低下させるため、
0.02〜0.10%に限定した。ただし、短時間高温
強度確保のためにはTaの下限値を0.05%とするこ
とが好ましい。
【0023】Nはδフェライトの生成を抑制し靭性を高
め、且つTaN,VN等の微細な析出物を形成し高温ク
リープ強度を高める。そのためには0.02%以上必要
である。一方0.06%を超える添加は鋳造性、靭性を
低下させるため、0.02〜0.06%に限定した。
【0024】核融合炉材料は高温に長時間曝され、さら
に中性子照射量も莫大であるため、耐長時間時効脆化特
性、及び耐中性照射脆化特性に優れている必要がある。
そのためには、Nb,Mo等の誘導放射性の強い元素の
添加は極力低減する必要があるが、特に、Bは不純物レ
ベルに近い含有量でもこれらの長時間の特性安定性に悪
影響があり、不純物としてのB量を特に厳密に低減する
必要がある。
【0025】即ち、Bは核融合炉内における中性子照射
環境条件で中性子照射を受けると核変換によりヘリウム
を形成しボイドスエリングの原因となるとともに、長時
間時効による靭性劣化を特に助長する。実験結果によれ
ば、不純物としてのBを0.0004%以下とすること
により長時間の特性安定性が得られ、さらに0.000
3%以下とすることにより効果が顕著となる。
【0026】不純物としてのBは少ないほど好ましい
が、通常は製鋼時に原料等からの混入が避けられず、B
を低減することは製鋼上の制約が多く経済上好ましくな
い。特性確保と経済性を勘案して、本発明においては不
純物としてのB量を0.0004%以下に限定する。経
済上の制約を無視すれば0.0003%以下にすること
が好ましい。
【0027】Nb,Moも中性子照射による誘導放射
能、組織安定性の観点から可能な限り低減することが好
ましいが、Nbは0.005%以下、Moは0.01%
以下にすれば中性子照射による悪影響は無視できるほど
であるため、本発明においてはNbは0.005%以
下、Moは0.01%以下に限定する。
【0028】長時間時効による靭性劣化抑制のためには
さらに好ましくは不純物としてのP,Cu,Sn,S
b,Asを低減する必要がある。即ち、Pを0.01%
以下、Cuを0.01%以下、Snを0.01%以下、
Sbを0.01%以下、Asを0.01%以下に限定す
ることにより、400〜700℃程度の温度に1000
h以上時効される場合の靭性劣化量を50℃以下に抑制
することが可能になる。
【0029】Ti及びAlは組織安定性、ボイドスエリ
ングの抑制の点で有効な元素である。いずれか一方また
は両者の含有により効果を発揮するが、Ti,Alとも
0.005%未満では効果が明確でなく、0.2%超で
は粗大な酸化物を形成して靭性を劣化させるため、0.
005〜0.2%の範囲に限定する。
【0030】次に、本発明の靭性に優れた核融合炉用フ
ェライト系耐熱鋼の製造に際しての限定理由を述べる。 (1)式に示された圧延加熱温度T1 は、靭性及び溶接
性の確保のためにCを低めに押えた高Cr系フェライト
鋼の強度靭性を確保するために発見した圧延加熱におけ
る下限の加熱温度を示す指標である。T1 以上に加熱し
て圧延した場合は、Ta,V,C,Nが十分に固溶し、
圧延時に導入された転位上に炭窒化物が微細に析出し
て、高温クリープ強度及び靭性を向上させる。
【0031】T1 より加熱温度が低い場合は炭窒化物が
比較的粗大化し高温クリープ強度が十分確保できない。
そのため圧延加熱温度は
【数3】 で示されるT1 以上に限定した。
【0032】焼きならし温度は、900℃未満の低すぎ
る温度であると、析出物の分布がクリープ中に変化する
ため長時間のクリープ強度が低下する。一方、1150
℃超に加熱した場合、圧延時に形成された微細な炭窒化
物の効果が全くなくなってしまう。
【0033】1150℃以下の加熱温度であると、たと
え炭窒化物が再固溶しても、再析出した時に圧延後析出
した炭窒化物が微細である傾向を受け継いでいる。よっ
て焼きならし温度は900〜1150℃に限定した。
【0034】焼き戻し温度は、600℃未満であると焼
き戻しの効果が十分でないため靭性が低下するととも
に、析出物の分散も十分でなく、クリープ強度の向上が
計られない。一方、850℃超であると析出物が粗大化
するため靭性、クリープ強度のいずれも劣化する。その
ため、焼き戻し温度は600〜850℃に限定した。
【0035】
【実施例】表1に示す化学成分の鋼を50kg真空溶解炉
により溶製し、厚さ25mmに熱間圧延し空冷後、焼きな
らし、焼き戻しを行い鋼板を作成した。鋼番A1〜A1
3は本発明を満足する鋼、鋼番B1〜B17は本発明の
範囲外の化学成分を有する鋼である。表2には鋼板の製
造条件及び機械的性質が示されている。試験記号1〜2
1は本発明鋼であり、試験記号22〜38は比較例であ
る。
【0036】機械的性質はいずれも板厚方向に直角な方
向で板厚中心部から採取した試験片を用いて行った。引
張試験は直径6mmで評点距離30mmの丸棒引張試験片を
用い常温で行った。クリープ破断試験は同じ直径6mmで
評点距離30mmの丸棒引張試験片で行い、600℃にお
ける10,000時間の破断強度を求めた。靭性は2mm
Vノッチシャルピー衝撃試験の破面遷移温度(vTrs)で
評価し、焼きならし+焼き戻しまま及び600℃×30
00時間の時効材について調査した。
【0037】結果を表2に示す。表2から分かるように
本発明例である試験記号1〜21はクリープ破断強度が
高く且つ靭性が熱処理まま及び時効後も良好である。試
験記号6〜21は製造条件についても請求項4に示す製
造要件を満足しており、特にクリープ強度の一層の向上
が図られている。一方、比較例の試験記号22〜38の
鋼板は本発明により製造されていないため、クリープ強
度、熱処理まま靭性、時効後靭性のいずれかあるいは全
ての特性が劣る。
【0038】即ち、試験記号22はCが下限未満である
ため、固溶強化、析出強化が不足し、クリープ強度が劣
るとともに、不純物としてのBが過剰であるために時効
後の靭性が劣る。試験記号23はCが過剰であり、且
つ、不純物としてのBが過剰であるために熱処理まま及
び時効後の靭性が劣る。
【0039】試験記号24はSiが過剰であり、且つ、
不純物としてのBが過剰であるために熱処理まま及び時
効後の靭性が劣る。試験記号25は不純物としてのB及
びPが過剰であるため時効による靭性劣化が大きい。
【0040】試験記号26はSが過剰であり、且つ、不
純物としてのBが過剰であるために熱処理まま及び時効
後の靭性が劣る。試験記号27は不純物としてのB及び
Moが過剰であるため、また試験記号28は不純物とし
てのB,Nb,Moが過剰であるため熱処理ままでの靭
性は良好であるものの、時効による靭性劣化が大きい。
【0041】試験記号29は不純物としてのB,Nb,
Pが過剰であるため時効による靭性劣化量が大きい。試
験記号30は不純物としてのB,Nb,P,Cuが過剰
であるため時効による靭性劣化量が大きい。
【0042】試験記号31は不純物としてのB,Sn,
Sbが過剰であるため時効による靭性劣化量が大きい。
試験記号32は不純物としてのB,Sn,Sb,Asが
過剰であるため時効による靭性劣化量が大きい。
【0043】試験記号33はCrが上限を超えているた
め、δフェライトの生成により熱処理まま及び時効後の
靭性が劣る。試験記号34はWが下限未満であるため、
固溶強化が十分でなくクリープ強度が低下している。
【0044】試験記号35はWが過剰であるため、粗大
な金属間化合物が析出し、熱処理まま及び時効後の靭性
が劣る。試験記号36はTaが上限を超えているため、
クリープ強度が不十分である。試験記号37はNが下限
未満であるため、析出強化が不十分でクリープ強度が低
下している。また、δフェライトの析出のために靭性の
劣化も生じている。試験記号38はNが過剰に添加され
ているため、熱処理まま及び時効後の靭性が劣る。
【0045】以上の実施例によれば、本発明により製造
された鋼は高いクリープ強度を有するとともに、長時間
の時効による靭性劣化も少なく、安全性に優れているこ
とが明らかである。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【発明の効果】本発明に係る高温強度に優れた核融合炉
用鋼は、現在核融合炉用材料の候補として考慮されてい
る鋼に比べ高温強度、特に高温クリープ破断強度が大幅
に改善され、しかも長時間の特性、特に靭性の安定性に
優れているため、核融合炉第一壁材料として極めて有用
である。なお、本発明鋼は核融合炉用としてだけでな
く、高速増殖炉用の材料としても、また、ボイラー用等
の汎用の耐熱鋼としても当然使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香山 晃 奈良市学園大和町5丁目730−142

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C :0.04〜0.15%、 Si:0.02〜0.25%、 Mn:0.01〜1.0%、 S :0.007%以下、 Cr:6〜10%、 W :1.5〜2.2%、 V :0.05〜0.25%、 Ta:0.02〜0.10%、 N :0.02〜0.06% を含有し、不純物としてのB,Nb,Moの含有量が、 B :0.0004%以下、 Nb:0.005%以下、 Mo:0.01%以下 で、残部Fe及び不可避的不純物からなることを特徴と
    する靭性に優れた核融合炉用耐熱鋼。
  2. 【請求項2】 不純物としてのP,Cu,Sn,Sb,
    Asの含有量が、重量%で P :0.01%以下、 Cu:0.01%以下、 Sn:0.01%以下、 Sb:0.01%以下、 As:0.01%以下 であることを特徴とする請求項1記載の靭性に優れた核
    融合炉用耐熱鋼。
  3. 【請求項3】 重量%で Ti:0.005〜0.2%、 Al:0.005〜0.2% の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1
    または2記載の靭性に優れた核融合炉用耐熱鋼。
  4. 【請求項4】 【数1】 温度以上に加熱し圧延を行い、且つ 焼きならし温度:900〜1150℃ 焼き戻し温度 :600〜850℃ の条件で熱処理をすることにより請求項1〜3のいずれ
    かに記載の鋼板を製造することを特徴とする靭性に優れ
    た核融合炉用耐熱鋼の製造方法。
JP7270998A 1995-10-19 1995-10-19 靭性に優れた核融合炉用耐熱鋼及びその製造方法 Pending JPH09111413A (ja)

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