JPH09111112A - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

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JPH09111112A
JPH09111112A JP29921795A JP29921795A JPH09111112A JP H09111112 A JPH09111112 A JP H09111112A JP 29921795 A JP29921795 A JP 29921795A JP 29921795 A JP29921795 A JP 29921795A JP H09111112 A JPH09111112 A JP H09111112A
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weight
resin
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polyphenylene ether
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JP29921795A
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Kazunari Inoue
一成 井上
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
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GE Plastics Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工性、機械的性質等に優れた、ポリフ
ェニレンエーテル(PPE)系樹脂および液晶ポリエステル
を含む樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (1) (A)PPE系樹脂またはこれとポリスチ
レン系樹脂75〜99重量部、(B) サーモトロピック液晶ポ
リエステル1〜25重量部、および(A)+(B) 100 重量部に
対して(C) エポキシ変性ポリスチレン系樹脂1〜50重量
部を含む樹脂組成物。(2) (A)PPE系樹脂またはこれとポ
リスチレン系樹脂75〜99重量部、(B) サーモトロピック
液晶ポリエステル1〜25重量部、および(A)+(B) 100 重
量部に対して(D) 多価エポキシ化合物0.1 〜20重量部を
含む樹脂組成物。(3) (A)PPE系樹脂またはこれとポリス
チレン系樹脂25〜98重量部、(B) サーモトロピック液晶
ポリエステル1〜25重量部、(C) エポキシ変性ポリスチ
レン系樹脂1〜50重量部および(A)+(B)+(C)100重量部に
対して(D) 多価エポキシ化合物0.1 〜10重量部を含む樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ポリエステル
を含むポリフェニレンエーテル(以下、PPEと称する
ことがある)系樹脂組成物に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】PPE系樹脂は、耐熱
性、機械的性質および電気的性質に優れた樹脂として広
く知られており、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン
(HIPS)等を配合してその成形加工性を改善した、
変性PPE系樹脂として広く使用されている。
【0003】PPE系樹脂は、上記の優れた特性の故
に、自動車部品、電気部品、事務機器等の用途に広範に
用いられている。これらの用途で、特に高い剛性を必要
とする場合には、従来、ガラス繊維、カーボン繊維など
の繊維状充填剤、あるいはタルク、マイカ、クレーなど
の無機充填剤による強化が行われている。しかしなが
ら、充填剤を用いた場合には、高い剛性は得られるもの
の、成形品表面外観の低下、溶融流動性の低下、および
比重の増加が避けられず、その用途は限られていた。
【0004】一方、液晶ポリエステルは、剛直な分子骨
格を有し、溶融状態でも絡み合いを起こさず液晶状態を
示し、低剪断で分子鎖が流れ方向に配向するため、溶融
流動性に優れ、かつ成形品は高強度、高剛性を示す。し
かしながら、機械的特性の異方性が大きく、ウェルド強
度、耐衝撃性に劣る。また、一般に、高価であることも
問題であった。
【0005】そこで、PPE系樹脂の有する優れた耐熱
性、機械的性質に、液晶ポリエステルの有する優れた成
形加工性、機械的性質を組合せることが考えられる。例
えばPPEに液晶ポリエステルを配合して成形加工性を
改良する試み(特公平3-45107 号公報)や、各種アミン
変性PPE系樹脂に液晶ポリエステルを配合する試み
(特開平6-322258号公報、特開平6-329900号公報および
特開平7-70394 号公報)がなされている。
【0006】しかしながら、PPE系樹脂に液晶ポリエ
ステルを単に配合しただけでは、成形加工性は改善され
るものの、両者の相溶性の悪さのために、十分な物性を
有する成形品は得られていなかった。また、相溶性向上
のために、アミン変性PPE系樹脂を用いる上記の後者
の方法では、アミン変性PPE系樹脂を製造する工程お
よびその後液晶ポリエステルを配合する工程で、有害な
アミン化合物を取り扱う必要があり、実用上制約が大き
いという問題があった。
【0007】本発明は、成形加工性、機械的性質等に優
れた、PPE系樹脂および液晶ポリエステルを含む樹脂
組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は第1に、(A)
ポリフェニレンエーテル系樹脂またはこれとポリスチレ
ン系樹脂75〜99重量部、(B)サーモトロピック液晶ポ
リエステル1〜25重量部、ならびに(A)および(B)
の合計100 重量部に対して、(C)エポキシ基を有する
化合物によって変性されたポリスチレン系樹脂1〜50重
量部を含むポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供
する。
【0009】本発明は第2に(A)ポリフェニレンエー
テル系樹脂またはこれとポリスチレン系樹脂75〜99重量
部、(B)サーモトロピック液晶ポリエステル1〜25重
量部、ならびに(A)および(B)の合計100 重量部に
対して、(D)多価エポキシ化合物0.1 〜20重量部を含
むポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供する。
【0010】本発明は第3に(A)ポリフェニレンエー
テル系樹脂またはこれとポリスチレン系樹脂25〜98重量
部、(B)サーモトロピック液晶ポリエステル1〜25重
量部、(C)エポキシ基を有する化合物によって変性さ
れたポリスチレン系樹脂1〜50重量部、ならびに
(A)、(B)および(C)の合計100 重量部に対し
て、(D)多価エポキシ化合物0.1 〜10重量部を含むポ
リフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】まず上記した3つの本発明におい
て使用する各成分について説明する。
【0012】成分(A)におけるPPE系樹脂はいずれ
も、公知のものが使用できる。PPE系樹脂とは、例え
ば一般式(I):
【0013】
【化1】 (上記式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 はそれぞれ独
立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコ
キシ基およびハロゲン原子とフェニル環との間に少くと
も2個の炭素原子を有するハロアルキル基またはハロア
ルコキシ基で第3級α‐炭素を含まないものから選ばれ
た一価置換基を表し、nは重合度を表わす整数である)
で示される重合体の総称であって、上記一般式で示され
る重合体の一種単独であっても、二種以上が組合わされ
た共重合体であってもよい。好ましい具体例ではR1
よびR2 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R3
およびR4 が水素原子もしくは炭素原子数1〜4のアル
キル基である。例えばポリ(2,6‐ジメチル‐1,4 ‐フェ
ニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジエチル‐1,4 ‐フェニ
レン)エ―テル、ポリ(2‐メチル‐6‐エチル‐1,4
‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐メチル‐6‐プロ
ピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジプロ
ピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐エチル
‐6‐プロピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、などが
挙げられる。またPPE共重合体としては上記ポリフェ
ニレンエ―テル繰返し単位中にアルキル三置換フェノ―
ル例えば 2,3,6‐トリメチルフェノ―ルを一部含有する
共重合体を挙げることができる。またこれらのPPE
に、スチレン系化合物がグラフトした共重合体であって
もよい。スチレン系化合物グラフト化ポリフェニレンエ
―テルとしては上記PPEにスチレン系化合物として、
例えばスチレン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、クロルスチレンなどをグラフト重合して得られる共
重合体である。
【0014】本発明においてはいずれも、成分(A)は
上記したPPE系樹脂またはこれとポリスチレン(P
S)系樹脂である。ポリスチレン系樹脂はそれ自体公知
であり、一般式(II):
【0015】
【化2】 (式中Rは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル
基であり、Zはハロゲン原子または炭素原子数1〜4の
アルキル基である置換基を表し、pは0〜5の整数であ
る)で示される芳香族ビニル化合物から誘導された繰返
し構造単位を、その重合体中に少くとも25重量%以上有
するものでなければならない。かかるスチレン系重合体
としては、スチレンもしくはその誘導体例えばp‐メチ
ルスチレン、α‐メチルスチレン、α‐メチル‐p‐メ
チルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等の単
独重合体および共重合体が挙げられる。共重合体として
は、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ブチルゴ
ム、EPDM、エチレン‐プロピレン共重合体、天然ゴ
ム、エピクロロヒドリンの如き天然または合成エラスト
マ―物質の混合あるいはこれらで変性したスチレン系重
合体、更には、スチレン含有共重合体、例えば、スチレ
ン‐アクリロニトリル共重合体(SAN)、スチレン‐
ブタジエン共重合体、スチレン‐無水マレイン酸共重合
体、スチレン‐アクリロニトリル‐ブタジエン共重合体
(ABS)を挙げることができる。本発明のために好ま
しいスチレン系重合体はホモポリスチレンおよびゴム強
化ポリスチレンである。
【0016】PPE系樹脂とPS系樹脂とは任意の割合
で配合できるが、好ましくはその配合比率はPPE系樹
脂20〜100重量部に対してPS系樹脂0〜80重量
部である。
【0017】本発明において使用する(B)サーモトロ
ピック液晶ポリエステルは、下記構造を有するセグメン
トを含むポリエステルの群より選択することができる。
【0018】 −O−X−O− −CO−X−CO− −O−X−CO− ここでXは、それぞれ下記の群より選択することができ
る。
【0019】
【化3】 また、上記Xにおける芳香環、脂肪族基、脂環族基等は
以下の群より選択される置換基によって置換されていて
もよい。
【0020】
【化4】 ここでポリエステルは、公知の芳香族ポリエステル系樹
脂であることができる。芳香族ポリエステル系樹脂と
は、芳香環を重合体の連鎖単位に有するポリエステル
で、芳香族ジカルボン酸およびジオール(あるいはそれ
らのエステル形成性誘導体)とを主成分とする重縮合反
応により得られる重合体もしくは共重合体である。
【0021】本発明において使用する(C)エポキシ基
を有する化合物によって変性されたポリスチレン系樹脂
とは、上記成分(A)の記載において言及したポリスチ
レン系樹脂を、エポキシ基を有する化合物で変性したも
のである。
【0022】変性剤であるエポキシ基を有する化合物と
しては、不飽和エポキシ化合物が使用でき、例えばグリ
シジルエステル(例えばグリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート)、グリシジルエーテル(例えば
ビニルグリシジルエーテルおよびヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート)などが挙げられ、これらを1種
単独でまたは2種以上組合せて使用できる。好ましく
は、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリ
レートから選択される。
【0023】上記変性剤化合物によるポリスチレン系樹
脂の変性は、公知の方法により行うことができ、例えば
上記変性剤化合物を上記樹脂に、要すればラジカル重合
触媒の存在下でグラフト重合させることにより行う。ポ
リスチレン系樹脂に対する変性剤化合物の量は特に限定
されないが、本発明の効果を発揮するためには、0.05〜
20重量%、特には0.2 〜15重量%の量が好ましい。
【0024】本発明において使用する(D)多価エポキ
シ化合物は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化
合物である。好ましくは多価エポキシ化合物は、エポキ
シ当量100 〜1000の多官能エポキシ化合物から選択され
る。そのような多価エポキシ化合物としては、例えばノ
ボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボ
ラック等)とエピクロルヒドリンとを反応させて得られ
るノボラック型エポキシ化合物が挙げられる。または、
1分子に2個以上の活性水素を有する化合物とエピクロ
ルヒドリンまたは2-メチルエピクロルヒドリンとを反応
させて得られる化合物が挙げられる。1分子に2個以上
の活性水素を有する化合物としては、例えば多価フェノ
ール類(ビスフェノールA、ビスヒドロキシジフェニル
メタン、レゾルシン、ビスヒドロキシジフェニルエーテ
ル、テトラブロモビスフェノールA等)、多価アルコー
ル類(エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ビスフェノールA‐エチレンオキシド付加物、ト
リスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、アミノ化
合物(例えばエチレンジアミン、アニリン等)、多価カ
ルボキシ化合物(例えばアジピン酸、フタル酸、イソフ
タル酸等)が挙げられる。そのような多価エポキシ化合
物の例としては、例えばテレフタル酸ジグリシジルエス
テル、トリグリシジルシアヌレート、ヒドロキノンジグ
リシジルエーテル、N,N'- ジグリシジルアニリン等が挙
げられる。その他に、線状脂肪族エポキシ化合物、例え
ばブタジエンダイマージエポキシド、エポキシ化大豆油
など、脂環式エポキシ化合物、例えばビニルシクロヘキ
センジオキシド、ジシクロペンタジエンジエポキシド等
などが挙げられる。これらを単独でまたは2種以上組合
せて使用する。
【0025】第1の発明においては、上記した成分
(A)75〜99重量部に対して成分(B)1〜25重量部を
使用する。好ましくは(A)80〜98重量部に対して
(B)2〜20重量部を使用する。(A)の量が多すぎる
かまたは(B)の量が少なすぎると、成形性、剛性が不
十分な成形品が得られ、また(A)の量が少なすぎるか
(B)の量が多すぎる場合には、コスト高となるので実
用的でない。また、成分(C)は、(A)および(B)
の合計100 重量部に対して、1重量部以上、好ましくは
3重量部以上、かつ50重量部以下、好ましくは30重量部
以下配合される。(C)の量が上記の上限を超えると成
形性向上効果が得られにくくなり、また上記下限より少
ないと、PPE系樹脂と液晶ポリエステルの十分な相溶
性が得られず、成形品の耐衝撃性の低下、層状剥離など
を生じる恐れがある。
【0026】第2の発明においては、上記した成分
(A)75〜99重量部に対して成分(B)1〜25重量部を
使用する。好ましくは(A)80〜98重量部に対して
(B)2〜20重量部を使用する。(A)の量が多すぎる
かまたは(B)の量が少なすぎると、成形性、剛性が不
十分な成形品が得られ、また(A)の量が少なすぎるか
(B)の量が多すぎる場合には、コストが高くなるので
実用的でない。また、成分(D)は、(A)および
(B)の合計100 重量部に対して、0.1 重量部以上、好
ましくは0.2 重量部以上、かつ20重量部以下、好ましく
は10重量部以下配合される。
【0027】(D)の量が上記の下限未満では、PPE
系樹脂と液晶ポリエステルとの相溶化の効果が小さく、
また上記の上限を超えると機械的性質が損なわれたり、
(D)の種類によっては成形加工性が低下したり、成形
品表面へのブリードが生じたりすることがある。
【0028】第3の発明においては、(A)、(B)お
よび(C)の合計を100 重量部としたときに、上記した
成分(A)25〜98重量部、成分(B)1〜25重量部およ
び成分(C)1〜50重量部を使用する。好ましくは
(A)50〜96重量部、(B)2〜20重量部および(C)
2〜30重量部を使用する。(B)の量が上記の下限値未
満では、成形性、剛性が不十分な成形品が得られ、また
(B)の量が上記の上限値より多い場合には、コストが
高くなるので実用的でない。一方、(C)の量が上記の
下限値未満では、(A)および(B)の十分な相溶性が
得られず、成形品の耐衝撃性の低下、層状剥離などを生
じる恐れがあり、また上記の上限値より多い場合には、
耐熱性の低下を招くおそれがある。また、成分(D)
は、(A)、(B)および(C)の合計100 重量部に対
して、0.1 重量部以上、好ましくは0.2 重量部以上、か
つ10重量部以下、好ましくは5重量部以下配合される。
(D)の量が上記の下限値未満では、(A)および
(B)の相溶化不十分のために、成分(C)の配合量を
増加させるか、あるいは成分(C)におけるエポキシ変
性量を増加させることが必要となり、それによって耐熱
性の低下や成形性の低下を招く恐れがある。また上記の
上限値を超えると、成形性が低下したり、機械的性質が
損なわれたりする恐れがある。第3の発明においては、
成分(C)および(D)を特定の割合で併用することに
より、機械的性質、成形加工性、耐熱性等のバランスが
とれた組成物を得ることができる。
【0029】本発明の樹脂組成物は、第1、第2および
第3の発明のいずれの場合にも、上記した成分の他にさ
らに、スチレン系エラストマーを、耐衝撃性向上のため
に含むことができる。スチレン系エラストマー自体は公
知のものを用いることができ、例えばポリスチレンおよ
びポリブタジエンセグメントをそれぞれ1以上有するス
チレン‐ブタジエンブロック共重合体、もしくはスチレ
ンおよびイソプレンセグメントをそれぞれ1以上有する
スチレン‐イソプレン共重合体、またはこれらの不飽和
部分が選択的に水素添加されたものである。これらスチ
レンエラストマー中のポリスチレンセグメントの含有量
は15〜60重量%が好ましい。ポリスチレンセグメントの
含有量が少なすぎると、PPE系樹脂組成物との相溶性
が低下し、十分な耐衝撃性が得られない。一方、多すぎ
るとエラストマーとしての柔軟性が失われることによ
り、やはり十分な耐衝撃性が得られない。スチレン系エ
ラストマーは、樹脂組成物全体の30重量%以下の量配合
するのが好ましい。
【0030】本発明の樹脂組成物においては、第1、第
2および第3の発明のいずれの場合にも、他のポリマー
成分がさらに共重合あるいはブレンドされていてもよ
い。共重合あるいはブレンドされ得る他のポリマー成分
としては、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリスルフィド、ポリアクリレート、ポリス
ルホン、ポリエーテルケトン、ポリアクリロニトリル、
ポリオレフィン等が挙げられる。好ましくはポリエステ
ルである。
【0031】本発明の樹脂組成物は、第1、第2および
第3の発明のいずれの場合にも、その好ましい性質を大
きく損なわない限りにおいて、樹脂の混合時、成形時
に、慣用の他の添加剤、例えば着色剤(顔料、染料)、
補強剤(ガラス繊維、炭素繊維など)、充填剤(カ―ボ
ンブラック、シリカ、酸化チタンなど)、耐熱剤、酸化
劣化防止剤、耐候剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑
剤、難燃剤、流動性改良剤、帯電防止剤等を添加するこ
とができる。
【0032】本発明の樹脂組成物を製造するための方法
に特に制限はなく、通常の方法が満足に使用できる。し
かしながら一般に溶融混合法が望ましい。少量の溶剤の
使用も可能であるが、一般に必要ない。装置としては特
に押出機、バンバリ―ミキサ―、ロ―ラ―、ニ―ダ―等
を例として挙げることができ、これらを回分的または連
続的に運転する。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】なお、実施例においては次の化合物を使用
した。 成分(A): ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE):固有粘度
(クロロホルム、25℃)0.46dl/gのポリ(2,6- ジメ
チル-1,4- フェニレン)エ−テル、日本ジーイープラス
チックス社製 ハイインパクトポリスチレン(HIPS):商標;トー
ポレックス 876-HF、三井東圧化学株式会社製 ポリスチレン(PS):商標;ディックスチレン CR
−3500、大日本インキ化学工業株式会社製 成分(B): サーモトロピック液晶ポリエステル(LCP):p−ヒ
ドロキシ安息香酸、テレフタル酸およびエチレングリコ
ールよりなる液晶ポリエステル、ロッドランLC−3000
(商標、ユニチカ株式会社製) 成分(C): St−GMA(5%):5重量%のグリシジルメタクリ
レート含有スチレン共重合体、マープルーフ G−10
05S(商標、日本油脂株式会社) St−GMA(10%):10重量%のグリシジルメタクリ
レート含有スチレン共重合体、マープルーフ G−10
10S(商標、日本油脂株式会社) 成分(D): テレフタル酸ジグリシジルエステル ヒドロキノンジグリシジルエーテル トリグリシジルイソシアヌレート 比較のために次のモノエポキシ化合物を使用した: グリシジルフタルイミド実施例1〜3および比較例1〜3 表1に示す割合(重量比)の各成分を、二軸押出機を用
いて、設定温度 280℃、回転数300rpmの条件で押出し、
ペレットを作成した。このペレットから、射出成形によ
り試験片を作成し、各種評価を行った。結果を表1に併
記する。なお、各種評価は、以下のようにして行った。 (1) アイゾット衝撃強度 ASTM D256にしたがって、厚み3.2 mmの試験片
について、ノッチ無しで測定した。 (2) 引張り強度 ASTM D638にしたがって測定した。 (3) 破断伸び ASTM D638にしたがって測定した。 (4) 曲げ弾性率 1.6 mm厚の試験片について、ASTM D790にした
がって測定した。 (5) ウェルド強度 両端にゲートを有するASTM 1号ダンベルを成形
し、ASTM D638に従って、引張強度を測定し
た。 (6) 表面外観 射出成形品の表面外観を、外観の美しさおよび層状剥離
について相対評価した。
【0035】
【表1】 *1:NB=アイゾット試験片が破断しなかったことを表し、これは少なくとも 60 Kg ・cm/cm の衝撃強度を有することを示す。 *2:著しい層状剥離のため、物性評価が行える試験片が得られなかった。 上記表1から、実施例1〜3の樹脂組成物はいずれも、
PPE系樹脂と液晶ポリエステルとの相溶性が良く、耐
衝撃性、機械的特性、成形加工性に優れ、射出成形や押
出し成形等に用いるのに好適であることがわかる。それ
に対して、成分(A)のみの比較例1では曲げ弾性率が
非常に低い。また(A)および(B)の相溶化剤成分
(C)を含まない比較例2ではウェルド強度が低く、か
つ成形品の表面外観も悪い。
【0036】実施例4〜7および比較例4〜6 表2に示す割合(重量比)の各成分を、二軸押出機を用
いて、設定温度 280℃、回転数300rpmの条件で押出し、
ペレットを作成した。このペレットから、射出成形によ
り試験片を作成し、各種評価を行った。結果を表2に併
記する。なお、各種評価は、上記実施例1〜3と同一条
件にて行った。
【0037】
【表2】 上記表2から、実施例4〜7の樹脂組成物はいずれも、
PPE系樹脂と液晶ポリエステルとの相溶性が良く、耐
衝撃性、機械的特性、成形加工性に優れ、射出成形や押
出し成形等に用いるのに好適であることがわかる。それ
に対して、(A)および(B)の相溶化剤成分(D)を
含まない比較例6では、各種物性値が低く、ウェルド強
度も低く、かつ成形品の表面外観も悪い。また、成分
(D)の量が少なすぎる比較例4では相溶化効果が小さ
く、成形品外観が悪いことが分かる。一方、成分(D)
の代わりにグリシジルフタルイミド(モノエポキシ官能
性化合物)を用いても、所望の相溶化効果は得られない
ことが分かる(比較例5)。実施例8〜9および比較例7〜9 表3に示す割合(重量比)の各成分を、二軸押出機を用
いて、設定温度 280℃、回転数300rpmの条件で押出し、
ペレットを作成した。このペレットから、射出成形によ
り試験片を作成し、各種評価を行った。結果を表3に併
記する。なお、各種評価は、上記実施例1〜3と同一条
件にて行った。ただし、流動性については、以下のよう
にして評価した。
【0038】射出成形機を用いて、シリンダー設定温度
320 ℃および射出圧力1000 kg/cm2にて、肉厚1.5 mmお
よび幅6mmの流路を持つ金型(金型温度80℃)を用いて
成形したときの、最大流動長を測定した。数字が大きい
程成形性が優れていることを示す。
【0039】
【表3】
【0040】上記の表3から、実施例8〜9の樹脂組成
物はいずれも、PPE系樹脂と液晶ポリエステルとの相
溶性が良く、耐衝撃性、機械的特性、成形加工性に優
れ、射出成形や押出し成形等に用いるのに好適であるこ
とがわかる。それに対して、相溶化剤(C)および
(D)のいずれか一方しか使用していない比較例ではい
ずれも、所望の相溶化効果が得られないことが分かる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂ま
    たはこれとポリスチレン系樹脂75〜99重量部、(B)サ
    ーモトロピック液晶ポリエステル1〜25重量部、ならび
    に(A)および(B)の合計100 重量部に対して、
    (C)エポキシ基を有する化合物によって変性されたポ
    リスチレン系樹脂1〜50重量部を含むポリフェニレンエ
    ーテル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(C)において、エポキシ基を有す
    る化合物がグリシジルアクリレートおよびグリシジルメ
    タクリレートから選択される請求項1記載の樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂ま
    たはこれとポリスチレン系樹脂75〜99重量部、(B)サ
    ーモトロピック液晶ポリエステル1〜25重量部、ならび
    に(A)および(B)の合計100 重量部に対して、
    (D)多価エポキシ化合物0.1 〜20重量部を含むポリフ
    ェニレンエーテル系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (D)多価エポキシ化合物が、エポキシ
    当量100 〜1000の多官能エポキシ化合物から選択される
    請求項3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂ま
    たはこれとポリスチレン系樹脂25〜98重量部、(B)サ
    ーモトロピック液晶ポリエステル1〜25重量部、(C)
    エポキシ基を有する化合物によって変性されたポリスチ
    レン系樹脂1〜50重量部、ならびに(A)、(B)およ
    び(C)の合計100 重量部に対して、(D)多価エポキ
    シ化合物0.1 〜10重量部を含むポリフェニレンエーテル
    系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 成分(C)において、エポキシ基を有す
    る化合物がグリシジルアクリレートおよびグリシジルメ
    タクリレートから選択される請求項5記載の樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 (D)多価エポキシ化合物が、エポキシ
    当量100 〜1000の多官能エポキシ化合物から選択される
    請求項5または6記載の樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000040655A1 (en) * 1999-01-08 2000-07-13 E.I. Du Pont De Nemours And Company High arc tracking-index poly(phenylene oxide)-liquid crystalline polymer blend compositions
JP2003073530A (ja) * 2001-09-05 2003-03-12 Asahi Kasei Corp 樹脂組成物
JP2005057000A (ja) * 2003-08-01 2005-03-03 Asahi Kasei Chemicals Corp フレキシブルプリント基板用フィルム

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