JP3671408B2 - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンエーテル系樹脂は、耐熱性、剛性等種々の性能に秀でた樹脂であり、エンジニアリングプラスチックとして注目されているが、溶融粘度が高いため、溶融成形するには高温を要し、変色、酸化、劣化等の種々の問題を生じる。したがって、従来より、ポリフェニレンエーテル系樹脂は、ポリスチレン系樹脂を配合して成形加工性を改良した組成物として実用に供されている(例えば米国特許第3383435号明細書)。しかしながら、かかるポリスチレン系樹脂を配合した樹脂組成物の溶融流動性は、十分とはいい難い。
【0003】
そこで、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の溶融流動性を改良するために、種々の方策がとられてきた。たとえば、特開昭55−118956号公報、特公昭57−13584号公報、特開昭58−129050号公報、特開昭58−129051号公報、特開昭59−126460号公報、特開昭47−3136号公報等には、ポリフェニレンエーテル系樹脂に、さらにロジン、芳香族系石油樹脂、シクロペンタジエン樹脂、芳香族/シクロペンタジエン共重合樹脂またはクマロン−インデン樹脂等の低分子量炭化水素樹脂を添加することが提案されており、溶融流動性の改良は認められる。しかし、低分子量炭化水素樹脂の添加により、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂が本来的に有する耐熱性を満足できなくなる欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、溶融流動性、成形加工性に優れ、かつ耐熱性にも優れるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる組成物に、さらに特定のロジン類および/またはロジンエステル類を添加してなる組成物が、前記目的に合致することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)1〜100重量部ポリスチレン系樹脂(B)99〜0重量部、並びにガードナー色調2以下の精製安定化ロジン類と芳香環を有するアルコール化合物および/または芳香環を有するエポキシ化合物とからなるロジンエステル類(C)からなることを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるポリフェニレンエーテル系樹脂(A)(以下、(A)成分という)としては、特に限定はされず各種公知のものを使用できる。例えば、一般式(1):
【0008】
【化1】
Figure 0003671408
【0009】
(式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはフェニルを表わし、nは重合度を表す整数である)で示される重合体があげられる。
【0010】
上記一般式(1)で示される重合体の製造法は特に限定はなく、例えば、米国特許第3306874号明細書、米国特許第3257357号明細書または第3257358号明細書等に記載の方法に従ってフェノール類を反応させればよい。フェノール類としては、たとえば、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2,6−ジプロピルフェノール、2,6−ジブチルフェノール、2,6−ジラウリルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2−メチル−6−シクロヘキシルフェノール、2−メチル−6−トリルフェノール、2−メチル−6−メトキシフェノール、2−メチル−6−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5,6−テトラメチルフェノール、2,6−ジエトキシフェノール等があげられる。上記一般式(1)で示される重合体は、かかるフェノール類の1種単独の重合体であっても、二種以上が組み合わされた共重合体であってもよい。
【0011】
上記一般式(1)で示される重合体の好ましい具体例としては、R1 及びR2 が炭素原子数1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、かつR3 及びR4 が水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基からなるものである。例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−プロピル- 1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル等があげられる。また、上記ポリフェニレンエーテル繰り返し単位中に、アルキル三置換フェノール、例えば2,3,6−トリメチルフェノールを一部含有する共重合体等があげられる。
【0012】
また、本発明における(A)成分として、一般式(1)で示される前記重合体にスチレン系化合物がグラフトした共重合体を用いることもできる。該グラフト化ポリフェニレンエーテルの具体例としては、上記ポリフェニレンエーテル系樹脂にスチレン系化合物として、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどをグラフト重合して得られる各種の共重合体があげられる。
【0013】
(A)成分の重量平均分子量等は特に限定されるものではないが、通常、重量平均分子量が1000〜300000程度、好ましくは1000〜100000であり、固有粘度が0.005〜3dl/g(クロロホルム、25℃)程度、好ましくは0.005〜1dl/gである。
【0014】
本発明で用いるポリスチレン系樹脂(B)(以下、(B)成分という)としては、特に限定はされず各種公知のものを使用できる。例えば、一般式(2):
【0015】
【化2】
Figure 0003671408
【0016】
(式中、R5 は水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R6 はハロゲン原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、pは0〜5の整数を示し、qは重合度を表す整数である)で表される、芳香族ビニル化合物から誘導された繰返し構造単位をその重合体中に少なくとも25重量%有するもの、があげられる。
【0017】
(B)成分の例をより具体的に示すと、たとえば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等の芳香族ビニル化合物の1種を用いた単独重合体または2種以上を組み合わせた共重合体や、前記芳香族ビニル化合物の重合体をブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン系化合物の単独重合体、共役ジエン系化合物と不飽和ニトリル化合物または芳香族ビニル化合物との共重合体、さらには天然ゴムなどの各種のゴム成分により変性したものなどがあげられる。本発明では、前記(B)成分の具体例のなかでも、ポリスチレンまたは、スチレン70重量%以上とジエンゴム30重量%以下とからなるゴム強化ポリスチレンが好適である。なお、(B)成分としては、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合のいずれの方法により得られるものであっても使用できる。
【0018】
(B)成分の重量平均分子量等は特に限定されるものではないが、通常、重量平均分子量が1000〜1000000程度である。
【0019】
本発明においては、前記のように、(A)成分および(B)成分からなる樹脂組成物の溶融流動性などを改良する目的で、特定のロジンエステル類(C)(以下、(C)成分という)を使用することが必須とされる。(C)成分の原料であるロジン類とは、ガードナー色調2以下、好ましくは1以下の精製安定化ロジンであり、その具体例としては不均化ロジン、水素添加ロジン、脱水素化ロジンなどの安定化ロジンを蒸留して不鹸化物や夾雑物を除いてなる精製安定化ロジン類が該当する。より具体的には、特開昭63−186783号公報、特開昭64−85265号公報、特開平3−277675号公報、特開平5−171112号公報、特開平5−271622号公報などに記載されている各種が例示できる。
【0020】
(C)成分は、下記の芳香環を有するアルコール化合物および/または芳香環を有するエポキシ化合物と、前記精製安定化ロジン類とから構成される各種の反応生成物であって、それらはガードナー色調2以下、好ましくは1以下とされる。
【0021】
該アルコール化合物としては、ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加してえられた芳香環を有する2価アルコールが例示できる。これらアルコール化合物は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これらアルコール化合物は、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐熱性の点で特に好ましい。
【0022】
該エポキシ化合物としては、特に限定されず各種公知のモノエポキシ化合物や多価エポキシ化合物などが使用できる。モノエポキシ化合物としては、例えばフェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル;前記ロジン類のグリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類;スチレンオキサイド等が挙げられる。ジエポキシ化合物としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−(β−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパンジグリシジルエーテルなどの芳香族ジグリシジルエーテル類などのジエポキシ化合物が挙げられる。またテトラエポキシ化合物としては、例えば1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテルなどが挙げられる。その他のポリエポキシ化合物としてはフェノールノボラック型樹脂のポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらエポキシ化合物は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これらエポキシ化合物は、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐熱性の点で特に好ましい。
【0023】
上記アルコール化合物および/またはエポキシ化合物と前記精製安定化ロジン類との反応は、特に制限されず公知の反応条件を採用して容易に行うことができる。例えば、アルコール化合物と精製安定化ロジン類との反応は、通常、アルコール化合物の水酸基と該ロジン類のカルボキシル基の当量比〔−OH(eq)/−COOH(eq)〕が0.8〜2.0程度となるよう仕込んだ後、不活性気流下に150℃〜280℃程度に加熱し、生成水を系外に留去しながら公知のエステル化触媒の存在下または不存在下にエステル化すれば良い。また、エポキシ化合物と該ロジン類との反応の具体例としては、エポキシ化合物のエポキシ基1個が水酸基2個に相当すると換算して、該水酸基と該ロジン類のカルボキシル基の当量比〔−OH(eq)/−COOH(eq)〕が0.8〜2.0程度となるよう仕込んだ後、120〜280℃で酸価5以下、好ましくは3以下となるまでエステル化反応を続行すれば良い。該触媒としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ピリジン、2−メチルイミダゾールなどのアミン系触媒、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第4アンモニウム塩、ルイス酸、ホウ酸エステル、有機金属化合物、有機酸金属塩、トリアルキルフォスフィン、トリアリールフォスフィンなどを使用できる。
【0024】
かかる本発明の(C)成分の軟化点は、60〜160℃程度が好ましい。さらに好ましくは、70〜140℃である。軟化点が160℃を越える場合には、得られるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の溶融粘度の改良効果が不十分となり、一方、軟化点が60℃未満の場合には、ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の耐熱性の改良効果が不十分となる。また(C)成分の分子量は、通常は数平均分子量300〜10000程度とされ、好ましくは300〜5000の範囲である。数平均分子量が10000を越える場合にはポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の溶融粘度の改良効果が不十分となる。
【0025】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、前記(A)成分1〜100重量部、前記(B)成分99〜0重量部および前記(C)成分からなる。(A)成分と(B)成分の好ましい配合割合は、(A)成分10〜95重量部に対して(B)成分が90〜5重量部(両成分の合計量は100重量部)である。(C)成分の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、通常0.1〜50重量部、好ましくは、0.1〜30重量部である。(C)成分の配合量が0.1重量部未満では、溶融流動性を向上できず、一方50重量部を越えた場合には、ポリフェニレンエーテル系樹脂が本来的に有する耐熱性、剛性等種々の性能を低下させてしまい、いずれの場合も好ましくない。
【0026】
前記のように本発明では、溶融流動性などの特性を改良するため、前記(C)成分を使用することが必須とされるが、本発明の目的を逸脱しない限り、従来公知の改質剤を併用してもさしつかえはない。公知の改質剤(以下、(D)成分という)としては、例えば、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5/C9系石油樹脂、クマロン−インデン樹脂、テルペン樹脂、テルペン−スチレン樹脂、テルペン−フェノール樹脂等、およびこれらの水素化物が挙げられる。(D)成分の配合量は、通常は(C)成分の使用量の30重量%未満とされる。
【0027】
また、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、耐衝撃強度を向上させるために、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対し、70重量部以下、好ましくは50重量部以下の割合で、以下の任意成分を配合してもよい。該任意成分(以下、(E)成分という)としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン/プロピレン/1,4ヘキサジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸ブチル共重合体、エチレン/α,β−不飽和カルボン酸及び酸無水物共重合体、エチレン/α,β−不飽和カルボン酸グリシジルエステル共重合体等のオレフィン系ゴムや、ジエン系ゴム状重合体の存在下にメタクリル酸メチルとアクリロニトリルを必須成分とするビニル系単量体混合物を重合することによって得られるグラフト共重合体、A,A′が重合されたビニル系炭化水素ブロックであってBが重合された共役ジエンブロックであるA−B−A′型ブロック共重合体やそのジエンブロックB部が水素添加されたものである水素添加A−B−A′型ブロック共重合体等が挙げられる。
【0028】
また、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、前記必須成分である(A)、(B)、(C)成分並びに任意成分である(D)および(E)成分の他に、公知の各種の添加剤、例えばステアリン酸、ベヘニン酸、それらの金属塩(カルシウム、マグネシウム、亜鉛等)、エチレンビスステアリン酸アミド等を添加することもできる。また、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、ガラス繊維、金属繊維、金属フレーク、炭素繊維等の補強材や充填材、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、塑剤、可塑剤等を添加できる。
【0029】
本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物の製造方法は特に制限されず、通常公知の方法を採用することができる。すなわち、ペレット、粉末または砕片状態のポリフェニレンエーテル系樹脂(A)、ポリスチレン系樹脂(B)および前記(C)成分を、高速撹拌機等を用いて、均一混合した後、十分な混練能力のある一軸または多軸の押出し機で溶融混練する方法、またはバンバリーミキサーやゴムロール機を用いて溶融混練する方法等の種々方法を採用できる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、溶融流動性、成形加工性に優れ、かつ耐熱性にも優れるポリフェニレンエーテル樹脂組成物を提供できる。かかる本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物はエンジニアリングプラスチックとして、自動車用部品、電子・電気機器部品やそれらの製造工程中に用いることができ、その他、剛性、耐熱性、寸法安定性等が求められる各種成形品に使用することができる。
【0031】
【実施例】
以下、製造例、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、特記しない限り、部および%は重量基準である。
【0032】
製造例1(精製安定化ロジンの調製)
(1) 不均化反応
酸価172、軟化点75℃、色調ガードナー6の未精製中国産ガムロジン1000部に触媒として5%パラジウムカーボン(含水率50%)0.3部を加え、窒素シール下、280℃で4時間攪拌して不均化反応を行ない、酸価157、軟化点77℃、色調ガードナー8の不均化ロジンを得た。
(2) 精製
前記不均化ロジンを窒素シール下に3mmHgの減圧下で蒸留し、酸価178.3、軟化点85℃、色調ガードナー4の一般恒数を有する表1に示す主留を精製不均化ロジンとした。
(3) 水素化反応
前記精製不均化ロジン200部と5%パラジウムカーボン(含水率50%)0.4部を、振盪式オートクレーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を水素にて100Kg/cmに加圧し260℃まで昇温し、同温度で3時間、水素化反応を行ない、酸価169.1、軟化点86.0℃、色調ガードナー1以下(ハーゼンカラー50)の精製安定化ロジンを得た。
【0033】
製造例2(精製安定化ロジンの調製)
(1) 脱水素化反応
製造例1(2) で得た精製不均化ロジン200部と、脱水素化触媒として5%パラジウムカーボン(含水率50%)0.2部を、振盪式オートクレーブに仕込み、窒素置換して系内の酸素を除去した後、系内を260℃まで昇温し、同温度で3時間、脱水素化反応を行ない、酸価171.7、軟化点87℃、色調ガードナー1以下(ハーゼンカラー120)の精製安定化ロジンを得た。
【0034】
製造例3(精製安定化ロジンの調製)
(1) 水素化反応
製造例1(1) に記載の未精製中国産ガムロジン1000部と、水素化触媒として5%パラジウムカーボン(含水率50%)2部を、振盪式オートクレーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を水素にて100Kg/cmに加圧し、撹拌下に260℃まで昇温し、同温度で3時間、水素化反応を行ない、酸価167、軟化点74℃、色調ガードナー5の未精製水素化ロジンを得た。
(2) 精製
上記の未精製水素化ロジンを窒素シール下に3mmHgの減圧下で蒸留し、酸価175.2、軟化点83℃、色調ガードナー2の一般恒数を有する表2に示す主留を精製水素化ロジンとした。
(3) 脱水素化反応
上記の精製水素化ロジン200部と、脱水素化触媒として5%パラジウムカーボン(含水率50%)0.2部を、振盪式オートクレーブに仕込み、窒素置換して系内の酸素を除去した後、系内を250℃まで昇温し、同温度で3時間、脱水素化反応を行ない、酸価172.6、軟化点84℃、色調ガードナー1以下(ハーゼンカラー80)の精製安定化ロジンを得た。
【0035】
製造例4(精製安定化ロジンエステルの調製)
製造例1(2) で得た精製不均化ロジン500部をフラスコに仕込み、窒素シール下に180℃に昇温し、溶融撹拌下に200℃でグリセリン60部を加えた後、280℃まで昇温し、同温度で12時間エステル化を行ない、酸価3.4、軟化点99℃、色調ガードナー5の精製不均化ロジンエステルを得た。該ロジンエステルを製造例1(3) と同様の反応条件にて水素化反応を行ない、酸価8.5、軟化点99℃、色調ガードナー1以下(ハーゼンカラー150)の精製安定化ロジンエステルを得た。
【0036】
製造例5(精製安定化ロジンエステルの調製)
製造例2で得られた精製安定化ロジン500部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物(水酸基価318)336部をフラスコに仕込み、窒素気流下250℃にて12時間反応させることにより、酸価2.0、軟化点90.0、色調ガードナー1〜2の精製安定化ロジンエステル(以下、ロジンエステル(C−1)という)を得た。
【0037】
製造例6(精製安定化ロジンエステルの調製)
製造例1(3) で得られた精製安定化ロジン200部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル(エポキシ当量183.9)83.5部およびトリフェニルホスフィン0.071部をフラスコに仕込み、窒素気流下150℃にて4時間反応させた後、さらに250℃で5時間反応させることにより、酸価0.1、軟化点101℃、色調ガードナー1以下(ハーゼンカラー175)の精製安定化ロジンエステル(以下、ロジンエステル(C−2)という)を得た。
【0038】
比較製造例1
製造例1(1) で得られた未精製不均化ロジンを用いた
【0039】
比較製造例2
製造例1(1) で得られた未精製不均化ロジンを用い、これを製造例1(3) と同一の水素化条件で水素化反応を行ない、酸価157.3、軟化点79℃、色調ガードナー4の未精製安定化ロジンを得た。
【0040】
比較製造例3
製造例1(1) で得られた未精製不均化ロジンを用い、これを製造例2(1) と同一の脱水素化条件で脱水素化を行ない、酸価158、軟化点80℃、色調ガードナー5の未精製安定化ロジンを得た。
【0041】
比較製造例4
製造例1(1) で得られた未精製不均化ロジンを用い、これを製造例6のエステル化条件と同一条件にてエステル化し、次いで製造例3(1) の水素化条件と同一条件にて水素化を行ない、酸価8.1、軟化点88℃、色調ガードナー6の未精製安定化ロジンエステルを得た。
【0042】
比較製造例5
製造例1(1) で得られた未精製不均化ロジンを用い、これを製造例4のエステル化条件および水素化条件と同一条件にてエステル化と水素化を行ない、酸価8.5、軟化点95℃、色調ガードナー7の未精製安定化ロジンエステルを得た。
【0043】
実施例1〜
ポリフェニレンエーテル系樹脂(A){固有粘度[η](クロロホルム、25℃)が0.48dl/gのポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル}70部、ポリスチレン系樹脂(B){ゴム変性ポリスチレン、三菱化学(株)製、商品名HT644}30部および(C)成分{ロジンエステル(C−1)、(C−2)}を表3に示す使用割合で配合し、ブレンダーで混合し、2軸押出し機を通して溶融混練後、ペレット化した。
【0044】
比較例1
実施例1において、(C)成分であるC−1を使用しなかった他は、実施例1と同様にしてペレット化した。
【0045】
比較例2〜5
実施例1において、(C)成分であるC−1に代えて表3に示す各種樹脂を使用した他は、実施例1と同様にしてペレット化した。
【0046】
比較例6〜10
実施例1において、(C)成分であるC−1に代えて、表3に示すように比較製造例1〜5で得られたC−7〜C−11を用いた他は、実施例1と同様にしてペレット化した。
【0047】
実施例1〜および比較例1〜10で得られたペレット化したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を用い、それぞれ以下の試験に供した。これらの評価結果を表3に示す。
【0048】
(溶融流動性)
上記各種のペレットを用いて溶融粘度(300℃)を測定した。なお、数値は、比較例1((C)成分を添加しない場合)を100(実測値5200ps)とした場合の相対値で表記した。即ち、値が100よりも大きければ溶融粘度が高く、溶融流動性が悪いことを表し、値が100よりも小さければ溶融粘度が低く、溶融流動性が良いことを表す。
【0049】
(耐熱性)
上記各種のペレットを、シリンダー温度250〜300℃にセットされた射出成形機により金型温度70℃にて射出成形し、成形時の着色がなく、18.6kg/cm2 の応力下で、120℃において変形が生じないものを○、そうでないものを×とした。
【0050】
【表1】
Figure 0003671408
【0051】
【表2】
Figure 0003671408
【0052】
【表3】
Figure 0003671408
表3中、
(1):水素化C5系石油樹脂(丸善石油化学(株)製、商品名マルカレッツH505、軟化点101℃)
(2):水素化C9系炭化水素樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名アルコンP115、軟化点115)℃
(3):C9系炭化水素樹脂(三井石油化学(株)製、商品名ペトロジンPR140、軟化点140℃)
(4):クマロン−インデン樹脂(新日鉄化学(株)製、商品名エスクロンV120、軟化点120℃) を示す。
【0053】
表3より、実施例1〜の組成物は、比較例1〜10の組成物に比べて溶融流動性及び耐熱性が良好であることが認められる。

Claims (3)

  1. ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)1〜100重量部ポリスチレン系樹脂(B)99〜0重量部、並びにガードナー色調2以下の精製安定化ロジン類と芳香環を有するアルコール化合物および/または芳香環を有するエポキシ化合物とからなるロジンエステル類(C)からなることを特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
  2. (C)成分が、ガードナー色調1以下のものである請求項1記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
  3. (A)成分と(B)成分の合計100重量部に対する(C)成分の配合量が0.1〜50重量部である請求項1または2記載のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
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