JPH09110636A - 皮膚又は毛髪用泡状化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用時に液だれせず、良好な泡を形成し、使用
感に優れ、保存安定性の良好な皮膚又は毛髪用泡状化粧
料を提供すること。 【解決手段】液状油、デキストリン脂肪酸エステル、非
イオン界面活性剤を含有する原液と噴射剤を含有するこ
とを特徴とする皮膚又は毛髪用泡状化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は皮膚又は毛髪用泡状化粧
料に関し、くわしくは使用時に手に取りやすく、使用感
にすぐれ、保存安定性の良好なクレンジング、マッサ−
ジ、エッセンス、ヘアオイル、サンオイル等の化粧料と
して有用な泡状皮膚又は毛髪用化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】油成分を皮膚又は毛髪に適
用する化粧料としてクレンジング、マッサ−ジ、エッセ
ンス、ヘアオイル、サンオイル等の化粧料がある。従来
の油性化粧料は使用時にタレ落ちるという欠点があっ
た。また、ゲル化剤を用いて油性化粧料に粘性を持たせ
ることも可能であるが、この場合使用感や安定性が悪く
なる等の問題点があった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、液状油、デキストリ
ン脂肪酸エステル、及びデキストリン脂肪酸エステルを
除く非イオン界面活性剤を共存させた原液と噴射剤とを
含有した皮膚又は毛髪用泡状化粧料は、使用時に噴射す
ると良好な泡状態となって塗布しやすく、使用感に優
れ、保存安定性の良好な化粧料が得られることを見出だ
し、本発明を完成させた。

【０００４】すなわち、本発明は、液状油、デキストリ
ン脂肪酸エステル、デキストリン脂肪酸エステルを除く
非イオン界面活性剤を含有する原液と噴射剤とを含有す
ることを特徴とする皮膚又は毛髪用泡状化粧料である。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を詳述する。
本発明で使用される液状油は化粧料、医薬部外品、皮膚
外用剤等に通常用いられる原料であればよく、例えば流
動パラフィン、スクワラン等の炭化水素、ミリスチン酸
イソプロピル、ミリスチン酸パルミチル、トリオクタン
酸グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコ−ル、
リンゴ酸イソステアリル、オクタン酸セチル等の合成油
脂、大豆油、菜種油、オリ−ブ油、ホホバ油等の植物油
脂、ラノリン、ミンク油等の動物油脂、シリコ−ン油等
が挙げられる。これらは１種又は２種以上を組み合わせ
て使用される。液状油の配合量は原液全量に対して好ま
しくは６５〜９９重量％である。

【０００６】本発明で使用されるデキストリン脂肪酸エ
ステルは油溶性非イオン界面活性剤であり、これらの具
体例としては、デキストリンパルミチン酸エステル、デ
キストリンステアリン酸エステル、デキストリンパルミ
チン酸ステアリン酸エステル、デキストリンオレイン酸
エステル、デキストリンイソパルミチン酸エステル、デ
キストリンイソステアリン酸エステル等が挙げられる。
これらは１種又は２種以上を組み合わせて使用される。
市販品としてレオパールＫＬ（デキストリンパルミチン
酸エステル、千葉製粉（株）社製）などがある。デキス
トリン脂肪酸エステルの配合量は原液全量に対して好ま
しくは０．１〜１５重量％である。０．１重量％以下で
はゲル化効果がなく、１５重量％以上では安定性が悪
く、べたついた感触になり、さらには、噴射できなくな
ることがあり好ましくない。

【０００７】本発明で使用されるデキストリン脂肪酸エ
ステルを除く非イオン界面活性剤としては、例えば、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エ
チレン誘導体、プロピレングリコ−ル脂肪酸エステルの
酸化エチレン誘導体、ポリエチレングリコ−ル脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオ
キシプロピレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエ−テル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テルの酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンピログルタミン酸エステルポリ
オキシエチレングリセリンピログルタミン酸エステル等
のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤；ショ糖
脂肪酸エステル類；アルキルグルコシド類；ポリグリセ
リン脂肪酸エステル類；脂肪酸アルキロ−ルアミド類等
が挙げられる。

【０００８】より具体的には、ソルビタンモノラウレ−
ト、ソルビタンモノパルミテ−ト、ソルビタンモノステ
アレ−ト、ソルビタンセスキセテアレ−ト、ソルビタン
トリステアレ−ト、ソルビタンモノオレエ−ト、ソルビ
タンモノイソステアレ−ト、ポリオキシエチレン（３）
ヒマシ油、ポリオキシエチレン（１０）ヒマシ油、ポリ
オキシエチレン（５）硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレ
ン（１０）硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン（３０）
硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン（４０）硬化ヒマシ
油、ポリオキシエチレン（５０）硬化ヒマシ油、ポリオ
キシエチレン（６０）硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレ
ン（１５）デシルテトラデシルエ−テル、ポリオキシエ
チレン（２０）デシルテトラデシルエ−テル、ポリオキ
シエチレン（２５）デシルテトラデシルエ−テル、ポリ
オキシエチレン（１０）ヘキシルデシルエ−テル、ポリ
オキシエチレン（１５）ヘキシルデシルエ−テル、ポリ
オキシエチレン（２０）ヘキシルデシルエ−テル、ポリ
オキシエチレン（２５）ヘキシルデシルエ−テル、ポリ
オキシエチレン（１０）オクチレドデシシルエ−テル、
ポリオキシエチレン（１６）オクチレドデシシルエ−テ
ル、ポリオキシエチレン（２０）オクチレドデシシルエ
−テル、ポリオキシエチレン（２５）オクチレドデシシ
ルエ−テル、ポリオキシエチレン（１５）グリセリルモ
ノイソステアレ−ト、ポリオキシエチレン（３０）グリ
セリルモノイソステアレ−ト、ポリオキシエチレン（３
０）グリセリルトリイソステアレ−ト、ポリオキシエチ
レン（４０）グリセリルトリイソステアレ−ト、ポリオ
キシエチレン（３０）トリメチロ−ルプロパントリミリ
ステ−ト、ポリオキシエチレン（６）ソルビタンモノラ
ウレ−ト、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノ
ラウレ−ト、ポリオキシエチレン（２０）モノステアレ
−ト、ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノオレ
−ト、ポリオキシエチレン（６）ソルビト−ルヘキサス
テアレ−ト、ポリオキシエチレン（６）ソルビト−ルテ
トラオレ−ト、ポリオキシエチレン（３０）ソルビト−
ルテトラオレ−ト、ポリオキシエチレン（４０）ソルビ
ト−ルテトラオレ−ト、ポリオキシエチレン（１）モノ
ステアレ−ト、ポリオキシエチレン（２）モノステアレ
−ト、ポリオキシエチレン（４）モノステアレ−ト、ポ
リオキシエチレン（２）モノオレ−ト、ポリオキシエチ
レン（２）セチルエ−テル、ポリオキシエチレン（１
０）セチルエ−テル、ポリオキシエチレン（１５）セチ
ルエ−テル、ポリオキシエチレン（２０）セチルエ−テ
ル、ポリオキシエチレン（２５）セチルエ−テル、ポリ
オキシエチレン（２）オレイルエ−テル、ポリオキシエ
チレン（１０）オレイルエ−テル、ポリオキシエチレン
（１５）オレイルエ−テル、ポリオキシエチレン（２
０）オレイルエ−テル、ポリオキシエチレン（２５）オ
レイルエ−テル、ポリオキシエチレン（２）ステアリル
エ−テル、ポリオキシエチレン（４）ステアリルエ−テ
ル、ポリオキシエチレン（１０）ノニルフェニルエ−テ
ル、ポリオキシエチレン（２）ノニルフェニルエ−テ
ル、ポリオキシエチレン（１５）ノニルフェニルエ−テ
ル、ポリオキシエチレン（２０）ノニルフェニルエ−テ
ル、ポリオキシエチレン（２５）ノニルフェニルエ−テ
ル、ポリオキシエチレン（３）オクチルフェニルエ−テ
ル、ポリオキシエチレン（２０）コレステリルエ−テ
ル、ポリオキシエチレン（３０）コレステリルエ−テ
ル、ポリオキシエチレン（６）ソルビト−ルミツロウ、
ヤシ油脂肪酸ジエタノ−ルアミド（１：１型）、ヤシ油
脂肪酸ジエタノ−ルアミド（１：２型）、ラウリン酸ジ
エタノ−ルアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノ−ルアミ
ド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノ−ルア
ミド等が挙げられる。

【０００９】これらは１種又は２種以上を組み合わせて
使用される。非イオン界面活性剤の配合量は原液全量に
対して好ましくは０．１％〜２０％である。０．１％以
下では化粧料の保存安定性に効果がなく、２０％より多
い場合には使用感が悪くなる傾向にある。

【００１０】本発明で使用される噴射剤は、化粧料、医
薬部外品、皮膚外用剤等に通常用いられるものであれば
良く、例えば、液化石油ガス（ＬＰＧ）、プロパン、ブ
タンなどの炭化水素類、ジメチルエ−テル、ｎ−ペンタ
ン、イソペンタン、炭酸ガスとイソペンタンの混合物、
窒素ガスとｎ−ペンタンの混合物等が挙げられる。これ
らは１種又は２種以上を組み合わせて使用される。噴射
剤と、液状油、デキストリン脂肪酸エステル、デキスト
リン脂肪酸エステルを除く非イオン界面活性剤を含有す
る含有する原液の比率は、好ましくは２／９８〜２０／
８０重量比である。この範囲内においては良好な泡状化
粧料が得られる。尚、沸点が高い噴射剤を用いた場合に
は、噴射後に泡状となる、いわゆる遅発泡性の泡状化粧
料が得られる。

【００１１】本発明では化粧料、皮膚外用剤に汎用され
る薬効剤、保湿成分、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機粉、色素、香料、
水等を必要に応じてさらに配合することができる。

【００１２】本発明の皮膚又は毛髪用泡状化粧料は原液
及び噴射剤をエアゾ−ル容器、または耐圧容器に充填す
ることにより製造することができる。

【００１３】

【実施例】次に実施例を挙げて、本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

【００１４】評価方法及び評価基準は次の通りである。 評価方法及び評価基準 （泡形成状態）泡形成状態は肉眼観察によった。評価基
準は非常に良好、良好、悪いをそれぞれ◎、〇、×とし
た。 （安定性）２０℃及び４０℃の恒温槽に試作品を入れ、
１か月ごとに肉眼観察を行った。評価基準は非常に良
好、良好、悪いをそれぞれ◎、〇、×とした。 （使用感）女子２０人（専門パネラ−）が、泡状化粧料
を１週間連続使用し、使用感を評価した。

【００１５】

【００１６】実施例１，２ 表１に示す組成の原液を調製し、噴射剤としての液化石
油ガス（ＬＰＧ）とこの原液の混合比率が１５／８５重
量比となるようエアゾ−ル容器に充填して泡状クレンジ
ング化粧料を製造した。上記評価方法にしたがって評価
した結果を表１に示す。この結果から泡形成状態、安定
性、クレンジング化粧料としての使用感にすぐれている
ことがわかる。

【００１７】

【表１】

【００１８】実施例３（泡状マッサ−ジ化粧料） 下記の組成の原液を調製し、これを原液とする。噴射剤
としての液化石油ガス（ＬＰＧ）とこの原液の混合比率
が１０／９０重量比となるようエアゾ−ル容器に充填し
て泡状マッサ−ジ化粧料を製造した。前記の方法にて評
価した。いずれの項目についても優れた評価であった。 （重量％） ステアリン酸デキストリン ２．０ トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル ４．０ スクワラン １０．０ マカデミアナッツ油 ５．０ グリチルレチン酸イソステアリル ０．１ 流動パラフィン 残余

【００１９】実施例４（泡状サンオイル化粧料） 下記の組成の原液を調製し、これを原液とする。噴射剤
としてのジメチルエ−テルとこの原液の混合比率が８／
９２重量比となるようエアゾ−ル容器に充填して泡状サ
ンオイル化粧料を製造した。前記の方法にて評価した。
いずれの項目についても優れた評価であった。 （重量％） ミリスチン酸デキストリン ０．５ ポリオキシエチレン（１５） １．０ グリセリルモノイソステアレ−ト パラジメチルアミノ安息香酸２−エチルヘキシル ３．０ デカメチルシクロペンタシロキサン ２５．０ オリ−ブ油 ６０．０ 流動パラフィン 残余

【００２０】実施例５（泡状ヘアオイル化粧料） 下記の組成の原液を調製し、これを原液とする。噴射剤
としてのジメチルエ−テルとこの原液の混合比率が１２
／８８重量比となるようエアゾ−ル容器に充填して泡状
ヘアオイル化粧料を製造した。前記の方法にて評価し
た。いずれの項目も優れた評価であった。 （重量％） ステアリン酸デキストリン ３．０ ソルビタンモノイソステアレ−ト １．０ トリ−２−エチルヘキサン酸グリセリル ４０．０ ビオゾ−ル ０．１ 流動パラフィン 残余

【００２１】実施例６（泡状エッセンス化粧料） 下記の組成の原液を調製し、これを原液とする。噴射剤
としてのイソペンタンとこの原液の混合比率が２０／８
０重量比となるよう耐圧容器に充填して遅発泡性の泡状
エッセンス化粧料を製造した。前記の方法にて評価し
た。いずれの項目も優れた評価であった。 （重量％） パルミチン酸デキストリン（レオパールＫＬ） １０．０ ソルビタンモノラウレ−ト ０．５ グリチルレチン酸イソステアリル ０．１ スクワラン ２０．０ メチルポリシロキサン ２．０ マカデミアナッツ油 残余

【００２２】

【発明の効果】以上記載のごとく、本発明の泡状皮膚又
は毛髪用化粧料は泡形成状態がよく、使用時に液だれせ
ず使用しやすい化粧料である。また、化粧目的に応じ
て、添加成分を適宜選択、配合することにより、各種用
途の化粧料とすることができ、極めて商品価値の高いも
のである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液状油、デキストリン脂肪酸エステル、
   デキストリン脂肪酸エステルを除く非イオン界面活性剤
   を含有する原液と噴射剤とを含有することを特徴とする
   皮膚又は毛髪用泡状化粧料。