JPH09110615A - カテキン類配合消毒剤 - Google Patents

カテキン類配合消毒剤

Info

Publication number
JPH09110615A
JPH09110615A JP29333095A JP29333095A JPH09110615A JP H09110615 A JPH09110615 A JP H09110615A JP 29333095 A JP29333095 A JP 29333095A JP 29333095 A JP29333095 A JP 29333095A JP H09110615 A JPH09110615 A JP H09110615A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catechins
disinfectant
solution
egcg
causing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29333095A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Nomura
武男 野村
Masahiko Hara
征彦 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SUTEMU KK
Mitsui Norin Co Ltd
Original Assignee
SUTEMU KK
Mitsui Norin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SUTEMU KK, Mitsui Norin Co Ltd filed Critical SUTEMU KK
Priority to JP29333095A priority Critical patent/JPH09110615A/ja
Publication of JPH09110615A publication Critical patent/JPH09110615A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般的な消毒剤では効果の得られにくい真
菌,芽胞菌,ウイルス等への消毒、殺菌効果があり、人
畜に無害で無臭の消毒剤を提供すること。 【解決手段】 カテキン類を有効成分として含有するこ
とを特徴とする消毒剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテキン類配合消
毒剤に関し、詳しくは医療従事者や食品,医療品の製造
等に関与し、清浄を必要とする作業者の手,指などの消
毒並びにこれら分野において用いられる器具等の簡易な
消毒を行うための消毒剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】消毒
剤は、簡易で効果的な消毒手段であるため、医療現場あ
るいは公衆衛生上欠かせないものとして日常的に広く利
用されている。様々な場面で使用されている汚染菌の感
染防止の手段としての消毒剤は、消毒の対象となる物を
汚染している細菌の種類,菌数等の他、微生物以外に起
因する汚染度によっても、その選択は異なってくる。ま
た、消毒剤の濃度や作用時間などの諸条件によって、そ
の消毒効果に影響を与えるので、消毒剤の選択には種々
の配慮が必要である。消毒剤としては、微生物の菌体を
構成するタンパク質等の変性を起こして殺菌する作用を
持つ薬剤が主に用いられ、その主な作用機序として酸化
によるもの、加水分解によるもの、菌体タンパク質と塩
を形成するもの、菌体タンパク質を凝固するもの、微生
物の必須酵素系を阻害するものなどが挙げられる。
【0003】人の手,指や器具等を消毒する場合は、消
毒剤に手,指や器具等を浸漬し、手またはブラシ等で洗
う方法または手,指,器具等に消毒剤をスプレー等で吹
き付けて擦り込む等の方法が一般的である。また、小器
具,リネン類等を消毒する場合は、これらを必要時間消
毒剤の中に浸漬しておくこともある。さらに、室内の消
毒や机等の大型の器具を消毒する場合には、消毒剤を含
浸した布等で表面を拭いたり、スプレー等で噴霧する方
法が一般的である。一般に、手,指や器具等に用いられ
る消毒剤としては、消毒用アルコール(例えば76.9
〜81.4%エタノール溶液),0.05〜0.1%塩
化ベンザルコニウム,0.1〜0.5%グルコン酸クロ
ルヘキシジン,7.5〜10%ポピドンヨード,0.5
〜1%サポニンクレゾール溶液,0.5〜20%グルタ
ール,1.5〜2.3%フェノール,0.0125〜1
%次亜塩素酸ナトリウム,70〜100%イソプロパノ
ール,1〜5%ホルムアルデヒドなどが挙げられる。
【0004】これらの消毒剤は、汚染している微生物の
種類,その汚染度,消毒対象物の種類等を考慮して適宜
使い分けられている。例えば、ウイルス,真菌,芽胞菌
などのように多くの消毒剤に耐性を示す微生物には、一
般に次亜塩素酸ナトリウムが用いられる。これを有効成
分とする消毒剤の処方は以下の通りである。次亜塩素酸
ナトリウム1%溶液に安定剤として食塩を16.5%添
加したもので、実際に商品名:1%ミルトン(日本ヴィ
ックス社製)として市販されている。使用時には、この
消毒剤を10倍希釈して0.1%溶液とし、この溶液で
汚染した手指を10秒間程すすぎ、さらに80倍希釈し
て0.0125%溶液としたものですすぐ。また、この
消毒剤を床等の消毒に使用する場合は、0.0125%
溶液として用いる。さらに、器具等の消毒に用いる場合
は、汚染原因等を考慮して希釈した0.0125〜0.
1%程度の溶液を用いる。
【0005】消毒剤に求められる条件は、抗菌スペクト
ルが大きいこと、人畜に対して無害であること、化学的
に安定で保存による効果の低下がないこと、被消毒物を
損傷しないこと、使用法が簡易なこと、不快な色や臭い
がないこと、可及的に安価であること等が挙げられる。
しかし、前述の一般的に使用されている消毒剤の中には
ウイルス,真菌,芽胞菌等の殺菌効果が期待できないも
のが多く、さらには金属,ゴム等を腐食するもの、人畜
に対し有害であるものなどがある。そのため、使用目的
等により複数の消毒剤を組み合わせて使用する必要があ
る。しかし、組み合せにより効果が低下する場合もあ
り、使用に際して十分な知識が必要とされる。
【0006】例えば、一般の消毒剤では十分な効果が得
られないウイルス,真菌,芽胞菌などに対しては、常識
的に次亜塩素酸ナトリウムを有効成分とする消毒剤が用
いられている。この消毒剤は、水と接触すると、次亜塩
素酸を生成して殺菌作用を示すが、強アルカリ性である
ことや、酸化作用により粘膜障害を引き起こす等の毒性
を示すことが問題となっている。また、皮膚や粘膜を刺
激する以外にも、誤飲時には胃酸により分解が促進さ
れ、口腔,咽頭,食道,胃粘膜の障害に伴う灼熱感、疼
痛、まれには胃,食道の穿孔を起こす。しかも、塩素臭
が強い上に、金属類を腐食する。さらに、アルカリ性溶
液中では次亜塩素酸の生成が減少し、消毒,殺菌効果が
著しく低下するという欠点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来技術の抱える問題点を解消すべくなされたものであっ
て、上記の欠点ないし不都合を生じない消毒剤を提供す
ることを主たる目的とする。本発明者は、緑茶,紅茶等
の茶葉の抽出液から分画、精製して得られるカテキン類
が、人畜無害で無色、無臭であり、さらに殺菌作用を有
することに着目し、これを消毒剤に利用することを検討
した。その結果、従来の消毒剤では効果の得られにくい
ウイルス,真菌,芽胞菌等に対して消毒、殺菌効果があ
り、人畜に無害であり、無臭のカテキン類を有効成分と
して含有する消毒剤の開発に成功し、本発明を完成させ
たのである。
【0008】請求項1記載の発明は、カテキン類を有効
成分として含有することを特徴とする消毒剤であり、請
求項2記載の発明は、アルコール類を主体とした消毒剤
にカテキン類を配合することを特徴とする消毒剤であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いるカテキン類は、緑
茶,紅茶等の茶葉から水や低級アルコール,アセトン,
酢酸エチル等の有機溶媒で抽出することにより得られ、
例えば緑茶抽出液から得られる粗カテキンと、粗カテキ
ンを分画、精製して得られるエピカテキン(以下、EC
と略記する。),エピガロカテキン(以下、EGCと略
記する。),エピカテキンガレート(以下、ECgと略
記する。),エピガロカテキンガレート(以下、EGC
gと略記する。)および紅茶抽出液から得られる粗テア
フラビンと、粗テアフラビンを分画、精製して得られる
テアフラビン(以下TF1と略記する。),テアフラビ
ンモノガレートA(TF2Aと略記する。),テアフラ
ビンモノガレートB(TF2Bと略記する。),テアフ
ラビンジガレート(TF3と略記する。)などがある。
【0010】カテキン類の調製方法や組成等については
特開昭59−219384号公報,同60−13780
号公報,同61−130285号公報などに記載されて
いるが、その調製方法の1例を以下に述べる。煎茶中の
カフェインおよび色素をクロロホルムで除いた後、酢酸
エチル可溶部を抽出し、これを凍結乾燥することによっ
て粗カテキンが得られる。次いで、この粗カテキンを高
速液体クロマトグラフィーなどの手段により個々のカテ
キンに分画、精製する。また、紅茶の熱水可溶成分から
カフェインおよび色素をクロロホルムで除いた後、メチ
ルイソブチルケトン可溶部を抽出し、これを凍結乾燥す
ると粗テアフラビンが得られる。次いで、この粗テアフ
ラビンを高速液体クロマトグラフィーなどの手段により
個々のテアフラビンに分離、精製する。
【0011】上記の方法で得られたカテキン類の抗菌活
性を調べるため、該カテキン類を、1.5%寒天栄養培
地に0〜1000ppmとなるように加え、35mm径
のシャーレに平板としたものに、前培養した各種の菌液
を1白金耳塗布し、37℃にて3日間培養した後、菌の
生育の有無を調べた。その結果、黄色ブドウ球菌などに
対して1000ppm以下の濃度で明確に抗菌活性を有
していた。同様に各種微生物について、その生育至適条
件で実験を行った結果、院内感染の原因菌であるメチシ
リン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(Methicilli
n resistant Staphylococcus aureus (MRSA)),流行性感
冒の原因となるインフルエンザウイルス(influenza vir
us),乳児下痢症の原因となるロタウイルス(rota viru
s), 麻痺を起こすポリオウイルス(polio virus),発疹等
を起こすコクサッキーウイルスなどのエンテロウイルス
(entero virus), 芽胞菌で食中毒の原因となるボツリヌ
ス菌(Clostridium botulinum),セレウス菌(Bacillus ce
reus),種々の食中毒の原因菌であるビブリオ菌(Vibrio
parahaemolyticus,Vibrio metschnikovii, Vibrio fluv
ialis),ウエルシュ菌(Clostridium perfringens),プレ
シオモナス(Plesiomonas shigelloides), アエロモナス
(Aeromonas sobria), 重篤な乳幼児呼吸器感染症の一つ
である百日咳菌(Bordetella pertussis),肺炎の原因と
なるマイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae, Mycoplas
ma orale),水虫等の原因となる真菌である白癬菌(Trich
ophyton mentagrophytes, Trichophyton rubrum)等への
殺菌効果が確認された。
【0012】カテキン類が殺菌効果を奏するための有効
濃度は、対象とする微生物によって異なるが、通常は1
000ppm以下でよく、下限は100ppm程度であ
り、好ましくは100〜300ppmで抗菌効果を示
す。なお、消毒剤を原液で供給する場合、1〜10%、
好ましくは2〜5%濃度のカテキン類を含有する濃縮液
とし、使用時に希釈して用いることができる。
【0013】本発明の消毒剤は、カテキン類を有効成分
として含有するものであり、前記したような各種微生物
に対して殺菌ないし抗菌効果を奏する。カテキン類は水
やアルコール類に溶解して消毒剤とする他、前記した既
知の消毒剤に、その1成分として配合することもでき
る。具体的な剤形としては、カテキン類の100〜10
00ppm水溶液や、メタノール,エタノール等のアル
コール類にカテキン類を100〜1000ppm配合し
たものが挙げられる。特に、アルコール類を主体とした
消毒剤にカテキン類を配合することによって、より広い
抗菌スペクトルが得られ、例えば80%エタノール溶液
にカテキン類を100〜1000ppm配合したものは
各種微生物に対して殺菌効果を発揮する。また、水溶液
に比べアルコール溶液は揮発性が高いので、使用した際
の乾燥が早く操作性に優れている。
【0014】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 EGCgのメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)に対
する抗菌活性 大学病院で患者より分離したMRSA株を寒天栄養培地
に接種したものを対照区とし、試験区にはEGCgを2
50μg/mlまたは500μg/mlとなるように添
加した同培地にMRSA株を植菌したものを用い、それ
ぞれの菌の生育状態を調べた。その結果を図1に示す。
図から明らかなように、EGCg無添加の対照区では時
間の経過と共に菌数が対数的に増加したのに対し、EG
Cg添加区では菌数が経時的に漸減し、24時間後には
完全に死滅した。
【0015】なお、喀痰中にMRSAを保持する入院患
者に対し、咽頭部へEGCg水溶液を1日当たりのEG
Cg投与量が80mgとなるように2〜3回に分けて噴
霧したところ、3日間でMRSAが除菌されることを確
認した。
【0016】実施例2 EGCgまたはTF3のインフルエンザウイルス(Infl
uenza B/USSR/100/83)に対する感染阻止作用 6穴シャーレにMDCK(Madin-Darby Canine Kidney)
細胞を敷き、1穴当たり約200個のプラーク(pf
u)が生成するようにインフルエンザウイルス液を接種
し、MEM(Minimum Essential Medium) を含む寒天で
覆ったものを対照区とし、5%CO2 下、33.5℃で
4日間培養後、寒天層を除き、細胞層を染色してpfu
を数えた。
【0017】一方、インフルエンザウイルス液をMDC
K細胞に接種する前に、各種濃度のEGCgまたはTF
3と37℃で5分間あるいは60分間インキュベートし
た後、同様に操作を行い試験区とし、培養後、上記と同
様にしてpfuを数え、対照区のpfuとの比からプラ
ーク阻止率を求めた。結果を図2(a),(b)に示
す。なお、(a)はEGCg、(b)はTF3の結果を
示したもので、図中の─○─は5分間、─●─は60分
間インキュベートした場合を示す。図から明らかなよう
に、EGCg,TF3ともに10μM以下の濃度でプラ
ーク形成を100%阻止した。なお、EGCgは1μM
≒0.5ppm,TF3は1μM≒1ppmに相当する。
【0018】実施例3 EGCgまたはTF3のロタウイルスおよびエンテロウ
イルスに対する感染阻止作用 この例で用いたウイルス類は、ヒトロタウイルスのWa
(serotype 1),TMC2(serotype 2),YO(serotype
3),Hochi(serotype 4),69M(serotype 8)の
各株、およびポリオウイルス1のSabin1株、コク
サッキーウイルスA16のG−10株,同B3のNan
cy株,ECHOウイルス11のGregory株であ
る。アカゲザルの腎臓細胞を96穴シャーレに培養し、
その上にEGCgまたはTF3と混合(1時間)したウ
イルス溶液を添加し、30分後に細胞上より洗い流し
た。その後、DMEM培地(Dulbecco's Minimum Essen
tial Medium)で覆い、37℃で7日間培養し、ウイルス
増殖およびその阻止率を細胞変性効果(Cytopathic eff
ect : CPE)として観察した。得られた結果を図3
(a),(b),(c)に示す。
【0019】なお、図(a)および(b)はEGCgの
結果を、図(c)はTF3の結果を示したもので、図
(a)中の─○─はWa,─●─はTMC2,─□─は
YO,─■─はHochi,─△─は69Mを示し、図
(b)中の─○─はSabin1,─●─はG−10,
─□─はNancy,─■─はGregoryを示し、
図(c)中の─○─はWa,─●─はTMC2,─□─
はSabin1,─■─はNancyをそれぞれ示す。
図3(a),(b),(c)から明らかなように、EG
CgおよびTF3ともに250μg/ml以下の濃度
で、上記の各種ウイルス類の感染能力を抑えることがで
きる。
【0020】実施例4 カテキン類,テアフラビン類の微生物に対する最小発育
阻止濃度(MIC)カテキン類およびテアフラビン類の
各種微生物に対するMICの試験を、市販の変法TGC
培地、液体栄養培地などの各種培地を用いて行い、常法
により測定した。その結果を第1表に示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】表から明らかなように、カテキン類および
テアフラビン類は培地に対し、100〜1000ppm
の添加で、ほとんどの場合に殺菌効果を示し、抗菌剤と
して有効であることが分かった。
【0024】実施例5 EGCgまたはTF3の百日咳菌(Bordetella pertuss
is) に対する殺菌効果百日咳菌I相東浜株を2倍濃度の
Steiner & Shulte (S & S)培地中で109CFU/mlとな
るように調製した。一方、EGCgを滅菌蒸留水中で
2.0,0.4または0.1mg/mlとなるように希
釈溶液を調製し、TF3を滅菌蒸留水中で2.0,1.
0または0.2mg/mlとなるように希釈溶液を調製
した。次いで、上記菌液50μlとEGCgまたはTF
3の各希釈溶液50μlとを組織培養用平底Microplate
(96穴)の各ウエル中で等量混和し、湿潤箱中にて3
7℃で培養した。
【0025】培養0,1,3,24および48時間目に
各ウエルから培養物20μlを採取し、Miles & Misra
の方法によりB・G培地で生菌数をカウントした。これ
を少なくとも3回繰り返した実験の等比を求め、図4
(a),(b)に示した結果を得た。なお、図4(a)
はEGCgの結果を示したもので、─○─は1mg/m
l,─△─は200μg/ml,─□─は50μg/m
l,─●─は対照である。また、図4(b)はTF3の
結果を示したもので、─○─は1mg/ml,─△─は
500μg/ml,─□─は100μg/ml,─●─
は対照である。図4(a),(b)から明らかなよう
に、無添加の対照区では48時間まで継続的な増殖が見
られたが、EGCg1mg/mlの添加では24時間
で、同濃度のTF3の場合は、48時間で完全な殺菌に
至り、生菌の検出が認められなかった。また、EGCg
やTF3は、1mg/ml以下の濃度でも、濃度依存的
な殺菌効果が認められた。
【0026】実施例6 EGCgまたはTF3のマイコプラズマ3菌株(Mycopla
sma pneumoniae, M. orale, M. salivarium)に対する殺
菌効果 試験は、供試菌としてMycoplasma pneumoniae IID 817
株, M. orale IID 880株および M. salivarium IID 878
株を使用し、以下の方法で行った。Hayflick培地(馬血
清20ml,25%イースト抽出液10ml,3.4%
PPLO寒天培地70ml)に上記供試菌を植え、M. o
rale IID 880株と M. salivarium IID 878株は37℃で
4〜5日間ガスパック法で炭酸ガス培養を行った。ま
た、M. pneumoniae IID 817 株は37℃で5〜6日間好
気的に培養を行った。培養終了後、培養物を13000
rpmで50分間遠心して得た沈渣にPBSを加えて菌
液とした。
【0027】一方、EGCgまたはTF3をPBSに溶
解して2μg/ml,20μg/mlおよび100μg
/ml溶液を作成して検液とした。殺菌作用の測定は、
EGCgまたはTF3の各希釈液に同量の菌液を加え、
この混和液を10-1〜10-4まで希釈し、直後および3
7℃に3時間保温した後、Hayflickの寒天培地に10μ
lずつ滴下して培養した。培養7日後に生じた集落を顕
微鏡下(×40)でカウントし、CFU/mlで表して
殺菌作用を評価した。得られた結果を図5(a)−1,
2,3および図5(b)−1,2,3に示した。なお、
図中の1,2,3はそれぞれ M. pneumoniae, M. oral
e, M. salivarium の各菌株に対応している。また、図
5(a)はEGCgの結果を示したもので、─○─は対
照,─●─は1μg/mg,─▲─は10μg/mg,
─■─は50μg/mlである。図5(b)はTF3の
結果を示したもので、─○─は対照,─●─は1μg/
mg,─▲─は10μg/mg,─■─は50μg/m
lである。
【0028】図から明らかなように、EGCgおよびT
F3は使用量が50μg/mlの場合、混和直後から顕
著な殺菌作用を示した。また、M. pneumoniae に対し、
EGCg10μg/mlの場合、3時間保温した後には
菌は死滅したが、1μg/mlでは3時間後でも殺菌効
果は弱かった。また、M. orale, M. salivarium に対し
ては、10μg/ml以下では効果が認められなかっ
た。TF3の場合も、EGCgの場合と同様な傾向を示
した。
【0029】実施例7 EGCgまたはTF3の白癬菌(Trichophyton mentagro
phytes, Trichophytonrubrum)に対する殺菌作用 イースト・モルホロジー・アガー(Difco 社製)にEG
CgまたはTF3を所定量添加して混和したものを用
い、寒天平板を作成した。この平板上に、上記の白癬菌
の分生子菌液1×104 〜1×106 個/mlを5μl
ずつスポット法により接種し、27〜30℃で培養し、
2日あるいは4日後に判定した。得られた結果を第2表
に示した。
【0030】
【表3】
【0031】表から明らかなように、EGCgは125
0ppm、TF3は500ppmの濃度で白癬菌分生子
を完全に殺菌した。また、この実験とは別に、EGCg
またはTF3の上記の有効濃度溶液に数日間接触させた
白癬菌菌糸について観察したところ、菌糸はvoidと
なり、完全に機能を失うことが明らかにされた。
【0032】実施例8 緑茶からカテキン画分を抽出して、以下の組成を持つ粉
末(「ポリフェノンE」)を得た。 この「ポリフェノンE」を、前述した既知の消毒剤に対
して総カテキン濃度が100〜300ppmになるよう
に添加した。これを消毒剤として使用したところ、「ポ
リフェノンE」無添加のものでは得られなかった優れた
消毒作用が奏された。
【0033】実施例9 消毒用エタノール(日本薬局法)に実施例8の「ポリフ
ェノンE」を2〜5%(w/v)となるように添加し、
消毒剤原液とした。使用時に、この原液を消毒用エタノ
ール(日本薬局法)で100〜200倍に希釈して用い
ることによって、所定の微生物に対して優れた殺菌作用
を示すことができた。
【0034】実施例10 消毒用エタノール(日本薬局法)に実施例8の「ポリフ
ェノンE」を2〜5%(w/v)となるように添加し、
消毒剤原液とした。この原液を、さらに消毒用エタノー
ル(日本薬局法)で100〜200倍に希釈し、これを
用いて以下の処方により消毒用塗布剤を製造した。 ホウ砂 20g 炭酸カリウム 22g グリセリン 200ml 「ポリフェノンE」含有 希釈エタノール液 200ml 芳香剤 適量
【0035】
【発明の効果】本発明のカテキン類を含有する消毒剤
は、従来の一般的な消毒剤では効果の得られにくい真
菌,芽胞菌,ウイルス等への消毒、殺菌効果があり、人
畜に無害である上に無臭、かつ安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 EGCgのメチシリン耐性ブドウ球菌に対す
る抗菌活性を示した図である。
【図2】 (a),(b)はEGCgまたはTF3のイ
ンフルエンザウイルスに対する感染阻止作用を示した図
である。
【図3】 (a),(b),(c)はEGCgまたはT
F3のロタウイルスおよびエンテロウイルスに対する感
染阻止作用を示した図である。
【図4】 (a),(b)はEGCgまたはTF3の百
日咳菌に対する殺菌効果を示した図である。
【図5】 (a),(b)はEGCgまたはTF3のマ
イコプラズマに対する殺菌効果を示した図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カテキン類を有効成分として含有するこ
    とを特徴とする消毒剤。
  2. 【請求項2】 アルコール類を主体とした消毒剤にカテ
    キン類を配合することを特徴とする消毒剤。
  3. 【請求項3】 カテキン類を100〜1000ppmの
    割合で配合することを特徴とする請求項1または2記載
    の消毒剤。
JP29333095A 1995-10-17 1995-10-17 カテキン類配合消毒剤 Pending JPH09110615A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29333095A JPH09110615A (ja) 1995-10-17 1995-10-17 カテキン類配合消毒剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29333095A JPH09110615A (ja) 1995-10-17 1995-10-17 カテキン類配合消毒剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09110615A true JPH09110615A (ja) 1997-04-28

Family

ID=17793431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29333095A Pending JPH09110615A (ja) 1995-10-17 1995-10-17 カテキン類配合消毒剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09110615A (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1005862A1 (en) * 1998-04-21 2000-06-07 Mitsui Norin Co., Ltd. Anti-chlamydia agents
EP0891973B1 (en) * 1997-07-15 2001-10-17 Unilever Plc Improvements in or relating to producing theaflavin
JP2005314316A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Kikkoman Corp 抗sarsコロナウイルス剤
US7037535B2 (en) 2002-11-19 2006-05-02 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Method and composition for neutralizing house dust mite feces
JP2008505901A (ja) * 2004-07-07 2008-02-28 三井農林株式会社 耐久性のある殺生物剤および消毒剤
JP2009126841A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Kao Corp 抗菌剤組成物
WO2009088042A1 (ja) * 2008-01-10 2009-07-16 Jcs Inc. インフルエンザウイルス感染を予防するための散布剤
US7585518B2 (en) 2002-11-19 2009-09-08 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Products and methods for maintaining or increasing ceramide levels in skin
JP2009209116A (ja) * 2008-03-06 2009-09-17 Dover Distilleries Ltd 抗菌持続性、抗ウィルス性のある食品用アルコール除菌剤
EP2377543A3 (en) * 2002-04-04 2012-04-18 Natural Disinfectant Technologies Ophthalmic, pharmaceutical and other healthcare preparations with naturally ocurring plant compounds, extracts and derivatives
JP2013040187A (ja) * 2012-10-05 2013-02-28 Kao Corp 抗菌剤組成物
US8846116B2 (en) 2003-07-22 2014-09-30 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Wipe and methods for improving skin health
WO2014157622A1 (ja) * 2013-03-28 2014-10-02 株式会社プロテクティア 抗非膜ウイルス剤およびその用途
CN105853676A (zh) * 2016-04-08 2016-08-17 武汉艾文斯生物科技有限公司 一种没食子儿茶素棕榈酸酯和酒精复合消毒液及制备方法
CN111920801A (zh) * 2020-09-18 2020-11-13 郑州大学第一附属医院 表没食子儿茶素没食子酸酯在制备治疗和/或预防埃克病毒感染所致疾病的药物中的用途

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0891973B1 (en) * 1997-07-15 2001-10-17 Unilever Plc Improvements in or relating to producing theaflavin
EP1005862A4 (en) * 1998-04-21 2001-05-16 Mitsui Norin Kk ANTI-CHLAMYDIA MEDIUM
EP1005862A1 (en) * 1998-04-21 2000-06-07 Mitsui Norin Co., Ltd. Anti-chlamydia agents
EP2377543A3 (en) * 2002-04-04 2012-04-18 Natural Disinfectant Technologies Ophthalmic, pharmaceutical and other healthcare preparations with naturally ocurring plant compounds, extracts and derivatives
US7838025B2 (en) 2002-11-19 2010-11-23 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Products and methods for maintaining or increasing ceramide levels in skin
US7037535B2 (en) 2002-11-19 2006-05-02 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Method and composition for neutralizing house dust mite feces
US7585518B2 (en) 2002-11-19 2009-09-08 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Products and methods for maintaining or increasing ceramide levels in skin
US10022308B2 (en) 2003-07-22 2018-07-17 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Wipe and methods for improving skin health
US8846116B2 (en) 2003-07-22 2014-09-30 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Wipe and methods for improving skin health
JP2005314316A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Kikkoman Corp 抗sarsコロナウイルス剤
JP2008505901A (ja) * 2004-07-07 2008-02-28 三井農林株式会社 耐久性のある殺生物剤および消毒剤
US8652533B2 (en) 2004-07-07 2014-02-18 Mitsui Norin Co., Ltd. Durable biocides and disinfectants
JP2009126841A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Kao Corp 抗菌剤組成物
WO2009088042A1 (ja) * 2008-01-10 2009-07-16 Jcs Inc. インフルエンザウイルス感染を予防するための散布剤
JP2009209116A (ja) * 2008-03-06 2009-09-17 Dover Distilleries Ltd 抗菌持続性、抗ウィルス性のある食品用アルコール除菌剤
JP2013040187A (ja) * 2012-10-05 2013-02-28 Kao Corp 抗菌剤組成物
WO2014157622A1 (ja) * 2013-03-28 2014-10-02 株式会社プロテクティア 抗非膜ウイルス剤およびその用途
JPWO2014157622A1 (ja) * 2013-03-28 2017-02-16 株式会社プロテクティア 抗非膜ウイルス剤およびその用途
CN105853676A (zh) * 2016-04-08 2016-08-17 武汉艾文斯生物科技有限公司 一种没食子儿茶素棕榈酸酯和酒精复合消毒液及制备方法
CN111920801A (zh) * 2020-09-18 2020-11-13 郑州大学第一附属医院 表没食子儿茶素没食子酸酯在制备治疗和/或预防埃克病毒感染所致疾病的药物中的用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Borick et al. Alkalinized glutaraldehyde, a new antimicrobial agent
Al‐Adham et al. Types of microbicidal and microbistatic agents
JPH09110615A (ja) カテキン類配合消毒剤
EP2348842A2 (en) Use of cationic surfactants as sporicidal agents
US20080057136A1 (en) Disinfecting Composition and Methods of Making and Using Same
CN108391673A (zh) 一种纳米银/季铵盐复合消毒剂的制备方法
US20090232748A1 (en) Virucidal activities of cetylpyridinium chloride
CN106309412A (zh) 复方乙醇消毒液
EP1686993B1 (en) Virucidal activities of a composition comprising cetylpyridinium chloride and citric acid
US20050100612A1 (en) Virucidal activities of cetylpyridinium chloride
EP0264658A1 (en) Liquid sterilizing composition
JP3933714B2 (ja) グルタルアルデヒド組成物
CN1895672B (zh) 多元体协同增效多功能广谱消毒止痛剂及其应用
CA2861075A1 (fr) Utilisation de squalamine ou analogue comme agent desinfectant
KR102252009B1 (ko) 비자나무 잎 추출물을 포함하는 항바이러스용 또는 살균용 조성물
WO2021259211A1 (en) Antiseptic compositions
KR100456133B1 (ko) 살균 소독용 조성물
CN114929252A (zh) 抗微生物精油组合物、包含其的制品及制品的制备方法
CN113876680A (zh) 一种植物湿巾及其制备工艺
CN111328811A (zh) 一种低浓度酒精杀菌消毒液及其应用
CN111616148A (zh) 一种高效消毒剂
US11622930B2 (en) Antimicrobial agent
KR102312393B1 (ko) 천연 추출물을 포함하는 살균소독용 조성물
WO2021259215A1 (en) Antiseptic compositions
CN116473075A (zh) 一种纳米高分子聚合液晶膜安全无刺激长效消毒剂及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050531

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051004