JPH09110453A - 耐アルカリ性ガラスフレーク並びにこのガラスフレークで補強された熱可塑性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

耐アルカリ性ガラスフレーク並びにこのガラスフレークで補強された熱可塑性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH09110453A
JPH09110453A JP7277631A JP27763195A JPH09110453A JP H09110453 A JPH09110453 A JP H09110453A JP 7277631 A JP7277631 A JP 7277631A JP 27763195 A JP27763195 A JP 27763195A JP H09110453 A JPH09110453 A JP H09110453A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
alkali
weight
flake
resistant glass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7277631A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3864438B2 (ja
Inventor
Shigeki Shimada
茂樹 島田
Noriaki Sato
典明 佐藤
Jiro Hirano
次郎 平野
Kyoichi Yamanaka
享一 山中
Hidetoshi Fukuchi
英俊 福地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Glass Fiber Co Ltd
Original Assignee
Nippon Glass Fiber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Glass Fiber Co Ltd filed Critical Nippon Glass Fiber Co Ltd
Priority to JP27763195A priority Critical patent/JP3864438B2/ja
Publication of JPH09110453A publication Critical patent/JPH09110453A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3864438B2 publication Critical patent/JP3864438B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐アルカリ性に優れた耐アルカリ性ガラスフ
レークを提供する。 【解決手段】 耐アルカリガラスよりなる耐アルカリ性
ガラスフレーク。このガラスフレークで補強された熱可
塑性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物。 【効果】 耐アルカリ性に優れるため、樹脂中に浸透し
てくるアルカリ性物質によりガラスフレークが侵食され
ることがない。ガラスフレークとマトリックス樹脂との
界面の強固な接着が確保されると共に、ガラスフレーク
自体の強度低下もないため、熱可塑性樹脂成形品や熱硬
化性樹脂ライニングの耐久性を著しく高めることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐アルカリ性ガラ
スフレーク並びにこのガラスフレークで補強された熱可
塑性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスフレークはアスペクト比(平均粒
子径/平均厚さ)が2〜1000の鱗片状ガラスであ
る。従来提供されているガラスフレークのガラス組成は
特開昭63−201041号公報に記載されるように、
下記表1のCガラス、Eガラス及び板ガラス組成であ
る。なお、表2は日本板硝子(株)ガラス長繊維カタロ
グに挙げられているCガラス、Eガラスの組成範囲を示
すものである。
【0003】
【表1】
【0004】
【表2】
【0005】ガラスフレークは、従来より、熱硬化性樹
脂や熱可塑性樹脂の補強材等として広く利用されてい
る。
【0006】例えば、ビニルエステル樹脂などの熱硬化
性樹脂に、主にCガラス組成のガラスフレークを10〜
40重量%充填し、金属やコンクリート表面に塗装する
ことで、被塗装物の腐食や劣化を防ぐための防食用ライ
ニングとして用いられている。また、熱可塑性樹脂に対
しては、成形品の寸法精度、強度を改善する目的で、主
にEガラス組成のガラスフレークが使われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のCガラス組成、
Eガラス組成或いは板ガラス組成のガラスフレークは耐
アルカリ性に劣るものであり、従来において耐アルカリ
性に優れたガラスフレークは提供されていない。例え
ば、従来のガラスフレークのガラス組成では、下記試験
方法により測定した耐アルカリ性は、下記表3に示す程
度である。
【0008】試験方法:直径9μmのガラス繊維を約3
0mmの長さに切断し、10重量%NaOH水溶液に8
0℃で5時間浸漬後の重量減少率を測定する。
【0009】
【表3】
【0010】このため、例えば、Cガラス組成のガラス
フレークを充填した防食用ライニングは、Cガラスの優
れた耐酸性により酸性環境下や中性環境下で長期間防食
性能を発揮するが、アルカリ性環境下ではCガラスが耐
アルカリ性に劣るために長期の防食性能は期待できない
という問題がある。また、Eガラス組成のガラスフレー
クを用いた熱可塑性樹脂においても、Eガラスが耐アル
カリ性に劣るため、アルカリ性物質と接触する環境で
は、樹脂組成物が早期に劣化するという問題がある。例
えば、アルカリ電池のような強アルカリ性物質を入れた
密閉容器に用いた場合、容器の強度が早期に低下し、ま
た、内容物が樹脂を透過して浸出してくる。
【0011】このような樹脂の劣化は、樹脂中に浸透し
てくるアルカリ性物質によりガラスフレークが侵食さ
れ、ガラスフレークと樹脂マトリックスとの界面の接着
が損なわれると共に、ガラスフレーク自体の強度が低下
することに起因する。
【0012】なお、板ガラス組成のものは、Eガラスや
Cガラス組成のものに比べて若干耐アルカリ性に優れる
ものの、十分であるとはいえない。
【0013】本発明は上記従来の問題点を解決し、強ア
ルカリ性物質に接触する熱可塑性樹脂成形品において
は、成形品の劣化を防止して、強度、透過防止性能の長
期安定性を高めることができ、また、強アルカリ性物質
に接触する金属等を保護する熱硬化性樹脂ライニングに
おいては、ライニング寿命を大幅に延長することができ
る、耐アルカリ性ガラスフレーク、並びに、この耐アル
カリ性ガラスフレークで補強された耐アルカリ性に優れ
た熱可塑性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の耐アルカリ性ガ
ラスフレークは、耐アルカリガラス、好ましくはSiO
2 :50〜65重量%、ZrO2 :10〜25重量%及
びNa2 O:5〜20重量%を含むガラス、より好まし
くは下記組成のガラスよりなることを特徴とする。
【0015】 SiO2 :53〜63重量% ZrO2 :12〜22重量% Na2 O:10〜17重量% Al23 :0〜2重量% CaO:0〜7重量% 及び K2 O:0〜4重量% を含み、且つ、これらの合計が90%以上の組成からな
るガラス 本発明に係る耐アルカリガラスよりなるガラスフレーク
であれば、耐アルカリ性に優れるため、強アルカリ性物
質に接触する熱可塑性樹脂成形品又は強アルカリ性物質
に接触する金属等を保護するための熱硬化性樹脂ライニ
ング等に用いた場合、樹脂中に浸透してくるアルカリ性
物質によりガラスフレークが侵食されることがない。こ
のため、ガラスフレークとマトリックス樹脂との界面の
強固な接着が確保されると共に、ガラスフレーク自体の
強度低下もないため、熱可塑性樹脂成形品や熱硬化性樹
脂ライニングの耐久性を著しく高めることができる。
【0016】例えば、耐アルカリガラスの一例である下
記表4に示すI及びIIのガラス組成について、前記の耐
アルカリ性試験方法に従って測定した耐アルカリ性の程
度は、下記表5に示す通りであり、従来提供されている
Eガラス組成、Cガラス組成又は板ガラス組成のガラス
フレークに比べて、著しく耐アルカリ性が良好であるこ
とが明らかである。
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】本発明の熱可塑性樹脂組成物及び熱硬化性
樹脂組成物は、このような耐アルカリ性ガラスフレーク
を補強材として配合してなるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0021】本発明の耐アルカリ性ガラスフレークは、
好ましくはSiO2 :50〜65重量%、ZrO2 :1
0〜25重量%及びNa2 O:5〜20重量%を含むガ
ラス、より好ましくは下記組成の耐アルカリガラスか
ら、常法に従って製造されたものである。
【0022】 SiO2 :53〜63重量% ZrO2 :12〜22重量% Na2 O:10〜17重量% Al23 :0〜2重量% CaO:0〜7重量% 及び K2 O:0〜4重量% を含み、これらの合計が90重量%以上のガラス。
【0023】ガラス組成が上記範囲を外れると、十分な
耐アルカリ性を得ることができない場合がある。
【0024】上記組成範囲においてSiO2 は50重量
%未満ではガラスの失透傾向が強くなり、また65重量
%を超えると紡糸温度が1350℃を超え、白金合金か
らなるブッシングの寿命を短縮する事になり好ましくな
い。SiO2 のより好ましい範囲は53〜63重量%で
ある。Al23 はガラス原料に不純物として含まれて
おり、若干量が不可避的にガラス中に含まれるが、4重
量%を超えるとガラスの失透傾向が強くなるため不都合
である。従って、Al23 の範囲は0〜4重量%、好
ましくは0〜2重量%である。ZrO2 はガラスの耐ア
ルカリ性の向上に寄与するが、10重量%未満では耐ア
ルカリ性が不十分であり、25重量%を超えるとガラス
の失透傾向が強くなり不都合である。好ましいZrO2
の範囲は12〜22重量%である。CaOはガラスの失
透傾向を抑制すると共にガラスの耐アルカリ性を著しく
改善するが、8重量%を超えるとガラスが乳白化しやす
くなる。従ってCaOは7重量%以下とする。
【0025】その他の成分の例としては、TiO2 はガ
ラスの耐アルカリ性を向上させると共に作業温度を低下
させる効果があるが、多すぎるとガラスの失透を促進す
る。好ましい添加量は7重量%以下でかつZrO2 との
合計が18重量%以下とする。BaOもCaOと共にガ
ラスの失透性を抑制しかつ耐アルカリ性を向上させる
が、多すぎるとガラスが乳白化しやすくなるので0〜2
重量%とする。又、K2Oは5重量%を超えるとガラス
の耐アルカリ性の低下と、失透傾向の増大を生じるので
4重量%以下とする。
【0026】かかるガラスの主成分の他に、次のような
成分を合計で10重量%までの量で添加しても良い。こ
れら成分はLiO2 ,MnO,B23 ,MgO,Sr
Oなどである。但し、LiO2 ,MnO,MgO,Sr
Oはあまり多すぎるとガラスの乳白化を促進して好まし
くないので、MnO 0〜10重量%,ZnO,MgO
0〜2重量%,SrO 0〜7重量%の範囲で用い
る。B23 は3重量%を超えると耐アルカリ性の低下
及び失透傾向の増大を生じるので0〜2重量%とする。
【0027】このような耐アルカリガラスの具体的なガ
ラス組成としては、前記表4のI,IIのガラス組成の
他、下記表6のIII 〜VIIIが挙げられる。
【0028】
【表6】
【0029】本発明のガラスフレークは、平均厚さ1〜
15μmであることが望ましい。厚さが1μmより薄い
ガラスフレークはコスト面で不利であり、15μmより
厚いガラスフレークは補強効果が小さく、透過抑制効果
も低い。また、本発明のガラスフレークの平均アスペク
ト比は、5〜400であることが望ましい。平均アスペ
クト比が5より小さいと補強効果及び透過抑制効果が低
く、400より大きいと嵩密度が小さくなり取り扱い性
が悪くなる。
【0030】本発明のガラスフレークは、例えば、特開
昭59−69930号公報記載のガラスフレーク製造装
置を用いて製造することができる。この特開昭59−6
9930号公報記載のガラスフレーク製造装置は、ガラ
ス溶融槽の槽底孔から流下する溶融ガラス内に、下端吐
出口が槽底孔に臨む送気管から気体を圧送することによ
り中空状薄膜ガラスを形成し、一対のプルローラにより
これを引き込んでフィルム化した後粉砕する装置であっ
て、中空状薄膜ガラスの割れ検出器と、この検出器の作
動に基づいて送気管からの気体圧送を停止する送気制御
機構を備えたものである。
【0031】このような耐アルカリ性ガラスフレークを
配合してなる本発明の熱可塑性樹脂組成物及び熱硬化性
樹脂組成物の樹脂としては、耐アルカリ性に優れるもの
であることが好ましく、例えば、エポキシ樹脂、ビニル
エステル樹脂などの熱硬化性樹脂や、アクリルニトリル
スチレン共重合樹脂、アクリルニトリルブチレンスチレ
ン共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹
脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリプロピレン
樹脂などの熱可塑性樹脂が好適である。
【0032】これらの樹脂に対するガラスフレークの配
合割合は、樹脂100重量部に対してガラスフレーク5
〜150重量部とするのが好ましい。ガラスフレークの
割合が5重量部より少ないと、補強効果及び透過抑制効
果が低く、150重量部より多いと樹脂と混合しにくく
なる。
【0033】なお、ガラスフレークは、樹脂との混合に
際し、予めシラン系、チタン系、ジルコニア系等のカッ
プリング剤で処理するのが好ましい。
【0034】本発明のガラスフレークを熱可塑性樹脂組
成物及び熱硬化性樹脂組成物の補強材として用いる場
合、ガラスフレーク以外の強化材との併用は特に制限さ
れず、機械的強度を高めるためには、ガラス繊維との併
用が有効である。この場合、ガラス繊維としては耐アル
カリガラスの繊維が望ましい。
【0035】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物及び熱
硬化性樹脂組成物は、必要に応じて安定剤、帯電防止
剤、難燃剤、着色剤、揺変剤、消泡剤などのその他の添
加剤を含有していても良い。
【0036】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、アルカリ
電池槽などの強アルカリ物質と接触する熱可塑性樹脂成
形品に好適である。
【0037】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、強
アルカリ性物質に接触するタンク、ピット、中和槽、配
管、工場床などの樹脂ライニングに好適である。
【0038】
【実施例】以下に製造例、実施例及び比較例を挙げて本
発明をより具体的に説明する。
【0039】製造例1 前記表4のI及びIIのガラス組成の耐アルカリガラスを
各々溶融窯にて約1300℃で溶融し、前掲の実開昭5
9−69930号公報記載のフレーク製造装置にて、厚
さ5μmのガラスフィルムを作製した後、これを粉砕、
分級して平均粒子径140μmと600μmのガラスフ
レークを得た。
【0040】得られたガラスフレークをアミノシランの
3重量%水溶液又はアクリルシランの3重量%水溶液で
表面処理した。
【0041】実施例1〜3(熱可塑性樹脂の実施例) ポリプロピレン樹脂(住友化学製W501)と、アミノ
シランで表面処理した表7に示す仕様のガラスフレーク
とを、表7に示す配合割合で混合し、50mmφ一軸押
出機を用いて230℃のシリンダー温度で溶融混練しペ
レット化した。
【0042】これを35mmφ射出成形機を用いて23
0℃のシリンダー温度で成形し、厚さ1/10インチの
ダンベル試験片と厚さ1mmで70mm×70mmの透
湿度測定用試験片を得た。
【0043】これら試験片をアルカリ水溶液(23℃,
30重量%KOH水溶液)に30日間浸漬する前と後の
引張強度及び透湿度を測定し、結果を表7に示した。
【0044】なお、引張強度はダンベル試験片を用いて
JIS K6911に従って測定し、透湿度はJIS
Z0208に従って測定した。また、引張強度につい
て、浸漬前の測定値に対する浸漬後の測定値の割合を、
一方、透湿度については浸漬後の測定値に対する浸漬前
の測定値の割合を、各々、保持率として求めた。この保
持率が大きい程、耐アルカリ性に優れる。
【0045】比較例1 ガラスフレークを配合しなかったこと以外は実施例1と
同様に成形を行って、同様に引張強度及び透湿度を測定
すると共に保持率を求め、結果を表7に示した。
【0046】比較例2,3 ガラスフレークとして従来のCガラス組成(比較例2)
又はEガラス組成(比較例3)のガラスフレークを用い
たこと以外は実施例1と同様に成形を行って、同様に引
張強度及び透湿度を測定すると共に保持率を求め、結果
を表7に示した。
【0047】
【表7】
【0048】表7より、次のことが明らかである。即
ち、ガラスフレークを充填していない比較例1は引張強
度、透湿度が共に劣るが、従来のガラスフレークの低耐
アルカリ性の問題がないため保持率は良好である。従来
のガラスフレークを配合した比較例2,3では、浸漬前
の引張強度及び透湿度は良好であるが、浸漬後は、引張
強度及び透湿度の劣化が著しい。これに対して、本発明
の耐アルカリ性ガラスフレークを用いた実施例1〜3で
は、浸漬後の引張強度及び透湿度の劣化が殆どない。
【0049】実施例4〜6(熱硬化性樹脂の実施例) ビス系ビニルエステル樹脂(昭和高分子製R806)
に、アクリルシランで表面処理した表8に示す仕様のガ
ラスフレークを、表8に示す配合割合で混合し、これに
適量の促進剤と硬化剤を添加して更に混合した。混合物
をコテで薄く引き延ばし、常温硬化後、80℃で2時間
アフターキュアーし、厚さ2mmの板を得た。
【0050】この板について、実施例1と同様にして引
張強度及び透湿度を測定すると共に保持率を求め、結果
を表8に示した。
【0051】比較例4 ガラスフレークを配合しなかったこと以外は実施例4と
同様に成形を行って、同様に引張強度及び透湿度を測定
すると共に保持率を求め、結果を表8に示した。
【0052】比較例5,6 ガラスフレークとして従来のCガラス組成(比較例5)
又はEガラス組成(比較例6)のガラスフレークを用い
たこと以外は実施例1と同様に成形を行って、同様に引
張強度及び透湿度を測定すると共に保持率を求め、結果
を表8に示した。
【0053】
【表8】
【0054】表8より、次のことが明らかである。即
ち、ガラスフレークを充填していない比較例4は引張強
度、透湿度が共に劣るが、従来のガラスフレークの低耐
アルカリ性の問題がないため保持率は良好である。従来
のガラスフレークを配合した比較例5,6では、浸漬前
の引張強度及び透湿度は良好であるが、浸漬後は、引張
強度及び透湿度の劣化が著しい。これに対して、本発明
の耐アルカリ性ガラスフレークを用いた実施例4〜6で
は、浸漬後の引張強度及び透湿度の劣化が殆どない。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の耐アルカリ
性ガラスフレークは耐アルカリ性に優れるため、この耐
アルカリ性ガラスフレークを用いて補強してなる本発明
の熱可塑性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物であれ
ば、樹脂中に浸透してくるアルカリ性物質によりガラス
フレークが侵食されることがなく、このため、ガラスフ
レークとマトリックス樹脂との界面の強固な接着が確保
されると共に、ガラスフレーク自体の強度低下もないた
め、熱可塑性樹脂成形品や熱硬化性樹脂ライニングの耐
久性を著しく高めることができる。
【0056】この結果、強アルカリ性物質に接触する熱
可塑性樹脂成形品又は熱硬化性樹脂ライニングの劣化を
防止して、長期に亘り、優れた機械的特性を保つと共
に、良好な透過抑制効果、耐蝕性向上効果等を得ること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 享一 三重県津市高茶屋小森町4902番地 日本硝 子繊維株式会社内 (72)発明者 福地 英俊 三重県津市高茶屋小森町4902番地 日本硝 子繊維株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐アルカリガラスよりなることを特徴と
    する耐アルカリ性ガラスフレーク。
  2. 【請求項2】 請求項1において、耐アルカリガラスが
    SiO2 :50〜65重量%、ZrO2 :10〜25重
    量%及びNa2 O:5〜20重量%を含むことを特徴と
    する耐アルカリ性ガラスフレーク。
  3. 【請求項3】 請求項2において、耐アルカリガラスの
    組成が SiO2 :53〜63重量% ZrO2 :12〜22重量% Na2 O:10〜17重量% Al23 :0〜2重量% CaO:0〜7重量% 及び K2 O:0〜4重量% を含み、且つ、これらの合計が90重量%以上であるこ
    とを特徴とする耐アルカリ性ガラスフレーク。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の耐アルカリ性ガラスフレークで補強された熱可塑性樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の耐アルカリ性ガラスフレークで補強された熱硬化性樹
    脂組成物。
JP27763195A 1995-10-25 1995-10-25 耐アルカリ性フレーク状ガラス並びにこのフレーク状ガラスで補強された熱可塑性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3864438B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27763195A JP3864438B2 (ja) 1995-10-25 1995-10-25 耐アルカリ性フレーク状ガラス並びにこのフレーク状ガラスで補強された熱可塑性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27763195A JP3864438B2 (ja) 1995-10-25 1995-10-25 耐アルカリ性フレーク状ガラス並びにこのフレーク状ガラスで補強された熱可塑性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09110453A true JPH09110453A (ja) 1997-04-28
JP3864438B2 JP3864438B2 (ja) 2006-12-27

Family

ID=17586127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27763195A Expired - Fee Related JP3864438B2 (ja) 1995-10-25 1995-10-25 耐アルカリ性フレーク状ガラス並びにこのフレーク状ガラスで補強された熱可塑性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3864438B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001106894A (ja) * 1999-10-06 2001-04-17 Asahi Kasei Corp 帯電防止ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
WO2002028792A1 (fr) * 2000-09-29 2002-04-11 Koa Glass Co., Ltd. Verre antibacterien et procede permettant de produire ce verre
US7641730B2 (en) 2003-02-27 2010-01-05 Nippon Sheet Glass Company, Limited Glass flake and method of manufacrturing the same
JP2010013515A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Tosoh Corp ポリアリーレンスルフィド組成物
JP2014101270A (ja) * 2012-10-25 2014-06-05 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス繊維用ガラス組成物、ガラス繊維及びガラス繊維の製造方法
WO2018123327A1 (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 日本電気硝子株式会社 ガラス繊維用ガラス組成物、ガラス繊維及びガラス繊維の製造方法
WO2019039495A1 (ja) * 2017-08-24 2019-02-28 日本電気硝子株式会社 複合塗料及びガラス

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55140731A (en) * 1979-04-19 1980-11-04 Asahi Glass Co Ltd Glass for glass-lining metal pipe, container and so on
JPS63147843A (ja) * 1986-12-10 1988-06-20 Nippon Sheet Glass Co Ltd ガラス組成物
JPH0380130A (ja) * 1989-08-23 1991-04-04 Nippon Electric Glass Co Ltd 耐アルカリ性ガラス繊維組成物
JPH03162456A (ja) * 1989-11-21 1991-07-12 Nippon Glass Fiber Co Ltd 合成樹脂の強化材

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55140731A (en) * 1979-04-19 1980-11-04 Asahi Glass Co Ltd Glass for glass-lining metal pipe, container and so on
JPS63147843A (ja) * 1986-12-10 1988-06-20 Nippon Sheet Glass Co Ltd ガラス組成物
JPH0380130A (ja) * 1989-08-23 1991-04-04 Nippon Electric Glass Co Ltd 耐アルカリ性ガラス繊維組成物
JPH03162456A (ja) * 1989-11-21 1991-07-12 Nippon Glass Fiber Co Ltd 合成樹脂の強化材

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001106894A (ja) * 1999-10-06 2001-04-17 Asahi Kasei Corp 帯電防止ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
JP4502227B2 (ja) * 1999-10-06 2010-07-14 旭化成ケミカルズ株式会社 帯電防止ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
WO2002028792A1 (fr) * 2000-09-29 2002-04-11 Koa Glass Co., Ltd. Verre antibacterien et procede permettant de produire ce verre
US6831028B1 (en) * 2000-09-29 2004-12-14 Koa Glass Co., Ltd. Antibacterial glass and method for production thereof
US7641730B2 (en) 2003-02-27 2010-01-05 Nippon Sheet Glass Company, Limited Glass flake and method of manufacrturing the same
JP2010013515A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Tosoh Corp ポリアリーレンスルフィド組成物
JP2014101270A (ja) * 2012-10-25 2014-06-05 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス繊維用ガラス組成物、ガラス繊維及びガラス繊維の製造方法
WO2018123327A1 (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 日本電気硝子株式会社 ガラス繊維用ガラス組成物、ガラス繊維及びガラス繊維の製造方法
JP2018104237A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 日本電気硝子株式会社 ガラス繊維用ガラス組成物、ガラス繊維及びガラス繊維の製造方法
CN109982982A (zh) * 2016-12-27 2019-07-05 日本电气硝子株式会社 玻璃纤维用玻璃组合物、玻璃纤维和玻璃纤维的制造方法
CN109982982B (zh) * 2016-12-27 2022-05-17 日本电气硝子株式会社 玻璃纤维用玻璃组合物、玻璃纤维和玻璃纤维的制造方法
WO2019039495A1 (ja) * 2017-08-24 2019-02-28 日本電気硝子株式会社 複合塗料及びガラス

Also Published As

Publication number Publication date
JP3864438B2 (ja) 2006-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5458228B2 (ja) ガラス強化ヤーン製造のための、化学媒体に対して抵抗性を有するガラス組成物
KR101758938B1 (ko) 향상된 모듈러스의 리튬프리 유리
CN101070409B (zh) 一种聚丙烯树脂组合物及其制备方法和风扇
US7629279B2 (en) Glass fiber
US20070243995A1 (en) Corrosion-Resistant Fiberglass-Reinforced Plastic Material
CN101687692B (zh) 玻璃组合物
US4528304A (en) Polyamide resin composition
JPWO2005110695A1 (ja) ポリカーボネート樹脂強化用ガラス繊維及びポリカーボネート樹脂成形品
EP2630095B1 (en) Glass composition for producing high strength and high modulus fibers
EP2119680B1 (en) Glass composition
WO2020112398A1 (en) High performance fiberglass composition with improved elastic modulus
CN109928641B (zh) 高性能玻璃纤维组合物
EP3887328A2 (en) High performance fiberglass composition with improved specific modulus
JP2009513470A (ja) ガラスストランドの製造のための耐アルカリ及び耐酸性ガラス組成物
JPH09110453A (ja) 耐アルカリ性ガラスフレーク並びにこのガラスフレークで補強された熱可塑性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物
EP2588424B1 (en) Glass composition for producing high strength and high modulus fibers
JP4023976B2 (ja) フレーク状ガラス
EP2630094B1 (en) Glass composition for producing high strength and high modulus fibers
JP2013513547A (ja) 屈折率が制御された高強度ガラス繊維、該ガラス繊維を製造するための組成物及び該ガラス繊維から形成される複合材料
JPH0415825B2 (ja)
CN110283439B (zh) 一种玻纤改性pe管的生产工艺
JP4465705B2 (ja) ガラス組成物およびガラス繊維
CN113060938A (zh) 玻璃组合物、玻璃纤维和形成方法及增强的复合制品
JPS58120555A (ja) 押出成形用石綿セメント組成物
KR102668384B1 (ko) 고성능 섬유유리 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060620

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060912

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees