JPH0910987A - 接用溶加材粒子およびその製造方法 - Google Patents

接用溶加材粒子およびその製造方法

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JPH0910987A
JPH0910987A JP18352395A JP18352395A JPH0910987A JP H0910987 A JPH0910987 A JP H0910987A JP 18352395 A JP18352395 A JP 18352395A JP 18352395 A JP18352395 A JP 18352395A JP H0910987 A JPH0910987 A JP H0910987A
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Japan
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welding filler
welding
filler metal
particles
coating material
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Application number
JP18352395A
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English (en)
Inventor
Yukimasa Omura
幸正 大村
Kazuo Konno
和夫 今野
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Chiyuugai Yakuhin Kogyo Kk
Nara Machinery Co Ltd
Original Assignee
Chiyuugai Yakuhin Kogyo Kk
Nara Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気中に長期にわたって劣化することなく保
存でき、またフラックスと混合した状態でも長時間にわ
たって性能が低下する虞もなく、しかも安価に得ること
ができる接用溶加材粒子を提供すること。 【構成】 接用溶加材粒子は、接用溶加材基体の表面に
ロジン,レジン,ワックスの何れかを被覆している。接
用溶加材粒子は、接用溶加材基体と被覆材とを攪拌しな
がら溶加材基体の融点以下で、かつ被覆材の融点以上の
温度で加熱し、被覆材を溶融して該被覆材を接用溶加材
基体の表面に被覆する方法,被覆材を溶媒に溶かした溶
液に接用溶加材基体を漬けた後 、噴霧乾燥して溶剤を
蒸発させる方法,予め被覆材を付着させた接用溶加材基
体を高速回転させて周囲の衝突リングに衝突させ、その
衝撃力によって、被覆材を接用溶加材基体に固定化させ
る方法の何れかによって得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リフローろう接(ろう
付け,はんだ付け)に適した接用溶加材粒子およびその
製造方法に関するもので、詳しくは保護膜を被覆した接
用溶加材粒子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス産業にけるろう接、例
えばはんだ付けでは、基板のランド上にソルダーペース
トを塗布し、その上にコンデンサ,抵抗等のチップ部品
やフラットパッケージIC等の電子部品を載置し、次い
で熱を加えてソルダーペーストを溶融する、所謂リフロ
ーはんだ付けによってチップ部品や電子部品を基板に固
着させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、はんだ付け
のソルダーペーストは、はんだ粉末およびフラックスを
混練したものであるが、これらを予め混練して保存して
おくと、例えばそれらの比重差から成分の分離が起こ
り、またははんだ粉末がフラックスと反応して酸化され
る一方、フラックスの酸性度が低下して、性能の低下を
招来する。このようなことから、ソルダーペーストは、
分離防止剤や強い活性剤を用いて性能を維持していた。
また、はんだ粉末とフラックスとをそれぞれ別々に保存
し、使用に際して混合することもあった。
【0004】しかしながら、はんだ粉末は表面積がきわ
めて大きく、空気中の酸素や水分によって酸化され易
い。はんだ粉末が酸化されると、はんだボールの発生が
多くなり、十分な接合が行なえなくなるばかりか、絶縁
不良・短絡の原因になると言われている。そこで、はん
だ粉末は保存に当たって、不活性ガス(CO2 ,N2
の雰囲気の冷暗所で保管され、使用直前にフラックスと
混合される。したがって、はんだ粉末の管理に大変な手
間と神経を使っていた。
【0005】また、使用に際して、はんだ粉末とフラッ
クスが混練されたソルダーペーストを用いて、スクリー
ン印刷によって必要箇所に塗布されるが、ソルダーペー
ストが作られてから印刷される迄の時間が長引くと、ソ
ルダーペーストの粘性が高くなって、印刷に支障を来す
虞もある。
【0006】一方、はんだ粉末をパリレンで被覆し、こ
の被覆はんだ粉末とフラックスとを混合してソルダーペ
ーストを作ることが、特開平06ー007993号公報
に開示されている。この先行技術の被覆はんだ粉末は、
ソルダーペーストにした状態で長く保存させる目的で開
発されたものである。この先行技術では、パリレンを蒸
着によってはんだ粉末に被膜させている。パリレン単量
体は安定ではないので、二量体を出発物質とし、単量体
蒸気を形成するために約400〜750℃という高温で
熱分解し、その後はんだ粉末の表面に、気化,熱分解,
蒸着の3つの工程を経て、重合体または共重合体を形成
する。したがって、使用する装置が高価で、操作が複雑
であり、比較的安価なはんだ粉末の被覆には不適切であ
る。また、上記の通り、パリレンの分解温度は一般的な
はんだの融点以上であるため、リフロー時の温度で分解
せず、現実的でない。
【0007】そこで、本発明の目的は、空気中に長期に
わたって劣化することなく保存でき、またフラックスと
混合した状態でも長時間にわたって性能が低下する虞も
なく、しかも安価に得ることができる接用溶加材粒子と
その製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の接用溶加材粒子
は、接用溶加材基体の表面にロジン,レジン,ワックス
の何れかを被覆している。
【0009】接用溶加材基体は、ろう付けのろう粉末ま
たははんだ付けのはんだ粉末と同一成分で、錫,鉛,
銀,ビスマス,インジウム,アンチモン,カドミウム,
亜鉛,銅,ガリウム,アルミニウム,カルシウム,カリ
ウム,マグネシウム,金,カドミウム,ニッケル,鉄,
テルル等の中から選択された2種もしくはそれ以上の金
属の合金が採用される。接用溶加材基体の形状は球また
は楕円体で、大きさは5〜70μm程度である。
【0010】被覆材は、融点もしくは軟化点が接用溶加
材基体の融点以下のもの、例えばはんだ付けの接用溶加
材基体には、ロジン,レジン,ワックス等を採用する。
それらのうち、被覆される接用溶加材基体の融点以下の
温度で分解し、残留物が残らないものが好ましい。な
お、電子部品を基板にろう接する場合には、このような
被覆材でなくても、リフロー後の洗浄工程で容易に除去
できるもの、または残渣が僅かで電気的に問題がなけれ
ばよい。
【0011】被覆材の量は、接用溶加材基体の表面を覆
い、酸素や水分との接触を防止し、接用溶加材基体の酸
化を抑制するのに有効な量であればよく、接用溶加材粒
子が流動性を失わない範囲であることが必要で、接用溶
加材粒子の重量に対して、5重量%以下であることが好
ましい。但し、ここで、5重量%とは、通常のフラック
スを接用溶加材基体と(例えば9:91の重量比で)混
合してソルダーペーストとしたときの、フラックス中に
含まれる添加材の割合を接用溶加材基体に対する重量比
に換算した数値である。したがって、この重量比を上限
に、接用溶加材基体を被覆する被覆材(添加材)とフラ
ックス中の添加材の割合とを調整する必要がある。
【0012】ロジンとしては、ガムロジン,ウッドロジ
ン,およびそれらの誘導体等がある。レジンとしては、
セラック,アラビアゴム,カシューゴム,セオルゴム
(ガラクトースを主成分とする多糖類),漆(ウルシオ
ールを主成分とするもの),アンモニアゴム(樹脂と多
糖を主成分とするもの),チクルゴム,ジェルトン(樹
脂とゴム質を主成分とするもの),松脂,カナダバルサ
ム(精油とロジンを含むもの),ペリーバルサム,トル
ーバルサム(シンナメイン、ケイ皮酸のエステルを含む
もの),サンダラック(ビマル酸を含む軟質樹脂),マ
ニラコーバル(樹脂酸を含む硬質樹脂)(以上、天然樹
脂)、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリー4ーメチ
ルペンテンー1,アイオノマー,ポリ塩化ビニル,ポリ
塩化ビニリデン,ABS樹脂,ポリスチレン,AS樹
脂,メタクリル樹脂,ポリビニルアルコール,セルロー
ス系プラスチック,熱可塑性エラストマー,ポリアミド
樹脂,ポリアセタール,ポリカーボネート,変性ポリフ
ェニレンエーテル,熱可塑性ポリエステル樹脂,フッ素
樹脂,ポリフェニレンサルファイド,ポリサルホン,ポ
リアリレート,ポリエーテルイミド,ポリエーテルサル
フォン,ポリエーテル(エーテル)ケント,液晶ポリマ
ー,ポリアミドイミド,ポリイミド,ポリアミドビスマ
レイミド,ポリビスアミドトリアゾール(以上、合成樹
脂)、キャンデリラワックス,カルナウバワックス,ラ
イスワックス,木ろう,ホホバ油,みつろう,ラノリ
ン,鯨ろう,モンタナワックス,オゾケライト,セレシ
ン,パラフィンワックス,マイクロクリスタリンワック
ス,ペトロラタム(以上、天然ワックス)、石油系合成
ワックス(モンタンワックス),ポリエチレンワック
ス,フィッシャー・トロプシュワックス(サザールワッ
クス),硬化ひまし油(12ーヒドロキシステアリン酸
とその誘導体),脂肪酸アミド,ジアルキルケトン,脂
肪酸アミン,イミン,一価および多価アルコールの脂肪
酸エステル(以下、合成ワックス)、配合ワックス等が
ある。
【0013】被覆方法は、上記被覆材を加熱・溶融した
ときの粘性および接用溶加材粒子の大きさによって、3
種類の方法を採用する。
【0014】ワックス系の被覆材のように粘性が低い場
合には、加熱機構と攪拌機構とを有する装置に、接用溶
加材基体と被覆材とを投入し、両材料を攪拌しながら接
用溶加材基体の融点以下で、かつ被覆材の融点以上の温
度で加熱し、被覆材を溶融して該被覆材を接用溶加材基
体の表面に被覆する。一定時間経過後、冷却して接用溶
加材粒子を得る。なお、当然のことであるが、上記温度
範囲内であっても、上記処理中に被覆材が分解したり、
被覆材を劣化させる温度であってはならない。
【0015】ロジン,レジン等のように粘性または融点
が高い場合には、被覆材を適当な溶媒に溶かし、その溶
液に接用溶加材基体を漬けた後に、所定温度に加熱した
ガス流中に噴霧し、溶剤を蒸発させて乾燥し、接用溶加
材粒子を得る。なお、この方法は上記ワックス系の被覆
材を接用溶加材基体に被覆する場合にも採用することが
できる。また、同様に上記溶媒は、被覆材を分解した
り、被覆材を劣化させるものであってはならない。
【0016】
【実施例】粘性が低い被覆材を接用溶加材基体に被覆す
る装置としては、図1および図2に示した有効容積が3
リットルの高速攪拌型混合造粒機(株式会社奈良機械製
作所製NMG−3型)を使用した。なお、主攪拌羽根の
回転数を800〜1000rpm(外周速度9〜12m
/sec)、補助羽根の回転数を1500rpmとし、
アルゴン雰囲気中で行なった。
【0017】図1および図2に示した高速攪拌型混合造
粒機10のジャケット11に接用溶加材基体の融点以下
で、かつ被覆材の融点以上の所定の温度に加熱した熱交
換媒体を一定流量で供給する。そして、ジャケット11
の温度が一定になった後、上蓋12を開けて計量した接
用溶加材基体と被覆材とをチャンバ13内に投入する。
例えば、4kgの接用溶加材基体と、融点80〜86℃
のカルナウバワックス4g(0.1重量%)を投入し、
加熱媒体としては90〜95℃の温水を用いた。この状
態で、主攪拌羽根14と補助羽根15とを所定の回転数
で回転させると、両材料は主攪拌羽根14の回転に伴っ
てチャンバ13の中で水平方向に激しく回転運動をする
と同時に、遠心力を受けてチャンバ13の内周壁に到達
し、内周壁に沿って個々の粒子が転動しながらチャンバ
13の上部収縮部16による反転作用を受けてすばやく
主攪拌羽根14の中心部付近に戻る。同時にその一部の
材料は、軸を主攪拌羽根14の軸と直角方向に配設した
コ字状の補助羽根15によって攪拌される。このよう
な、いわゆる縄ない運動による対流作用と、補助羽根1
5による局所的な高速剪断混合作用との複合作用を受け
ながら、ジャケット11からの伝導伝熱により被覆材は
溶融し、接用溶加材基体の表面に被覆されていく。一定
時間経過後、加熱媒体の供給を停止し、ジャケット11
内に冷却媒体、例えば水道水等を供給することにより、
溶融した被覆材を短時間に凝固させる。十分に冷却した
後、シリンダ17を作動させて、排出弁17aを後退さ
せて、チャンバ13の排出口を開く。すると、チャンバ
13内の被覆された接用溶加材粒子は、主攪拌羽根14
によって排出口からチャンバ13の外部へ押し出され
る。このようにして押し出された接用溶加材粒子は、シ
ュート18を経て取り出される。
【0018】また、粘性が高い被覆材を接用溶加材基体
に被覆する装置としては、図3に示した内径2600m
mの本体を有するクローズドタイプのスプレードライヤ
ー(株式会社坂本技研製DCDA−260−30H)を
使用して、接用溶加材粒子を得た。なお、噴霧装置とし
て、直径70mmのRT型タービンディスクを用い、デ
ィスク回転数を8000rpm、熱風温度80℃、スラ
リー供給量400g/minとした。
【0019】図3に示したスプレードライヤー20のス
ラリー容器21において、被覆材を溶剤に溶解し、その
溶液に接用溶加材基体を投入し、スラリーを調製(例え
ば、接用溶加材基体:2kg、ポリエチレン粉体:4
g、トルエン:160g)する。ここでスラリーの濃度
は、これを定量供給ができる範囲で、溶剤の量はなるべ
く少ない方がよい。例えば、スラリーの入った容器21
において、接用溶加材基体が堆積した上面と、溶液の液
面とがほぼ同じ位置にある程度にする。次に、スプレー
ドライヤー20の本体22に、ヒータ23によって80
℃に加熱したガスを定量供給するとともに、同量のガス
量を排気する。スプレードライヤー本体22内の雰囲気
温度が所定の温度に昇温されたならば、アトマイザー
(ディスク)24を8000rpmで回転させ、このア
トマイザーの上部にスラリーを供給機25を介して定量
供給する。すると、スラリーは高速回転するアトマイザ
ー24の遠心力により、所定温度に加熱されたガス流中
に噴霧され、そこで乾燥されることにより、被覆された
接用溶加材粒子は、本体22下部の排出口26から(例
えば、ロータリバルブを介して連続的に)排出され、一
方蒸発した溶剤は気流に同伴して本体から排出され、系
外に排出されたり、溶剤回収装置27にて回収される。
本処理は、溶剤回収装置27の出口をヒータ23に連接
したクローズドタイプの装置(点線で示す)を用い、予
め機器および配管内を窒素ガスで置換した後、上記の処
理を行なった。なお、図3において、符号28はサイク
ロンを示し、符号29はバグフィルタを示している。
【0020】また、接用溶加材粒子の大きさ(平均粒子
径)が20μm程度以下の場合には、図4および図5に
示した高速気流中衝撃式粉体表面改質装置(株式会社奈
良機械製作所、ハイブリダイザーHYB−O型)を使用
する。粒子の大きさが20μmより小さくなると、上記
高速攪拌型混合造粒機10を用いる方法では、接用溶加
材粒子が転動しなくなり、個々の接用溶加材基体の表面
に被覆材を被覆することができない。また、上記スプレ
ードライヤー20を用いる方法では、被覆材をバインダ
ーとして、接用溶加材粒子が造粒されてしまう。この高
速気流中衝撃式粉体表面改質装置は、乾式で、かつ機械
的手段を用いて固体粒子の表面に該固体粒子よりも小さ
な他の固体粒子を固定化し、機能性複合化粒子を短時間
で効率よく製造するために開発された装置である。な
お、粒子の大きさが20μmより大きな場合には、接用
溶加材粒子の成分、また表面改質装置のローターの回転
数によっても異なるが、衝撃力によって粒子が粉砕され
る虞がある。また、被覆材粒子の大きさとしては、接用
溶加材基体の粒子径の1/5以下であることが好まし
く、1/10以下であることがなお好ましい。
【0021】この高速気流中衝撃式粉体表面改質装置3
0において、ミキサー・自動乳鉢等公知のプレプロセッ
サー31に接用溶加材基体と被覆材を入れ、それらを混
合して接用溶加材基体に被覆材を付着させる。被覆材が
付着された接用溶加材基体は、計量フィーダー32へ供
給される。一方、原料供給用のシュート33の途中に設
けられた開閉弁34を閉の状態にし、改質粉体排出口の
開閉弁35も閉鎖した状態にしておく。そして、例えば
外周速度80m/secでローター36を回転させる。
すると、衝撃ピン37の回転に伴って、急激な空気の流
れが生じ、この気流の遠心力に基づくファン効果によっ
て、衝撃リング38の内壁の一部に開口する入口39a
から、循環回路39を巡って前カバー40の中心部の開
口する出口39bを経て衝撃室41に戻る気流の循環流
れ、すなわち完全な自己循環の流れが形成される。この
際発生する単位時間当たりの循環風量は、衝撃室と循環
系の全容積に比べ著しく多量であるため、短時間のうち
に莫大な回数の空気流循環サイクルが形成される。例え
ば、外径118mmのローター36を80m/secの
外周速度で回転させた時の循環風量は0.48m3 /m
in、単位時間当たりの空気循環サイクルは774回/
minである。循環風量は、ローター36の外周速度に
比例するので、単位時間当たりの空気循環サイクルもロ
ーター外周速度が速くなるにつれ多くなる。ローター3
6の外周速度としては30m/sec〜150m/se
cの範囲が好ましい。30m/sec以下の速度では循
環回路に十分な空気の流れが発生せず、特にはんだ粒子
のように比重が大きい粒子を処理する場合には時間がか
かり効率が悪い。また150m/sec以上の速度を得
ることは機械的に難しい。次に開閉弁34を開き、接用
溶加材基体と被覆材との混合粉体を、計量フィーダー3
2より原料ホッパー42に短時間で投入する。なお、プ
レプロセッサー31、計量フィーダー32を用いず、計
量した接用溶加材基体と被覆材とを直接ホッパー42に
投入してもよい。該混合粉体は、原料ホッパー42から
シュート33を通り衝撃室41に入る。原料ホッパー4
2中に該混合粉体が残っていないことを確認した後、開
閉弁34を閉じる。上記混合粉体は、衝撃室41内で高
速回転するローター36の多数の衝撃ピン37によって
瞬間的な打撃作用を受け、さらに周辺の衝突リング38
に衝突する。そして、上記気流の循環流れに同伴して、
循環回路39を巡って再び衝撃室41に戻り、再度同様
の作用を受ける。このように、同じ作用を繰り返し受け
ることにより、短時間(数十秒〜数分間)で均一な固定
化処理が行なわれ、接用溶加材基体の表面に被覆材を強
固に固定化することができる。また、被覆材が低凝固点
物質の場合は、上記作用を受けた瞬間のみ該被覆材が溶
融し、接用溶加材基体の表面に膜状に固定化される。上
記固定化作業が終了した後は、開閉弁34を開くと共
に、改質粉体排出口の開閉弁35も鎖線で示す位置に移
動させて開き、被覆材が固定化された接用溶加材粒子を
排出する。この接用溶加材粒子は、それ自身に作用して
いる遠心力によって短時間(数秒)で衝撃室41および
循環回路39から排出され、排出管を通ってバッグコレ
クター43で捕集される。なお、本装置による処理を、
不活性ガス雰囲気中で行なうこともできる。そのような
場合は、予め衝撃室41と循環回路39内を不活性ガス
で置換してから操作を行なう。なお、本装置は完全回分
式の表面改質装置であるため、該装置内の雰囲気温度は
時間と共に上昇する場合がある。上記衝突リング38は
ジャケット構造44になっているので、このような場合
はそこに冷却水を流して、衝撃室41、循環回路39内
の雰囲気温度を一定に制御することもできる。
【0022】実施例として、このようにして得られた接
用溶加材粒子を大気中に約2か月間保存し、その後接用
溶加材粒子を91重量%とフラックス(イソプロピルア
ルコールを含む有機溶剤系で、一般的なフラックス)を
9重量%を混合して調製したソルダーペーストの評価
は、JISーZー3284に準拠して行なった。すなわ
ち、そのソルダーペーストを試片に塗布して室温25
℃,湿度50%の室内で、塗布後直ち(初期)に,24
時間放置した後に,120時間放置した後に、それぞれ
の試片を150℃に加熱されたホットプレート上に置
き、60秒間加熱し、引き続きホットプレートの温度を
230℃に昇温し、30秒間加熱して完全リフローさ
せ、その後試片をホットプレートから下ろしてはんだボ
ールの発生を調べた。なお、比較例として、未被覆のは
んだ粉末を窒素雰囲気中と大気中で2か月間保存したも
のを上記と同様な手順で試験を行なった。上記実施例に
用いた接用溶加材粒子は、63─Sn/37−Pb共晶
はんだ粒子(一般的なはんだ粒子)で、この粒子の平均
粒子径は30μm、真密度は8.3g/cm3 、溶融温
度は183℃である。
【0023】
【表1】
【0024】表1は、試片としてガラス強化エポキシ基
板を使用し、5×3.5cmの範囲に、大きさ,形状の
異なる複数のパターンを有するスクリーンの開口部から
試片上にソルダーペーストを押し出して印刷したもので
ある。
【0025】
【表2】
【0026】また表2は、試片としてアルミナ基板を使
用し、0.05〜0.1g(直径にして約2〜2.5m
m)の一定量のソルダーペーストをメタルマスクを用い
て試片上に押し出して印刷したものである。
【0027】表1および表2から、実施例1〜4は、未
被覆のはんだ粉末を大気中に保管したもの(比較例2,
4)に比べ明らかに良い結果を示し、N2 雰囲気中に保
管したもの(比較例1,3)とほぼ同程度の結果を示し
ている。これは、本発明に係る接用溶加材粒子は、大気
中に保管しても品質の低下が殆ど見られないことを証明
している。
【0028】カルナウバワックスを1重量%被覆した前
記共晶はんだ粒子を、攪拌寿命の短いフラックス(10
重量%)と混合したソルダーペーストを調製し、スパイ
ラル粘度計を用い、回転数10rpmで連続攪拌寿命を
測定したところ、未処理のはんだ粒子(N2 保管)の場
合に約3時間で粘度が上昇するところ、25時間後にお
いても粘度の上昇は見られなかった。したがって、フラ
ックスとはんだ粒子の化学反応を抑制し、寿命が延びる
ことが確認された。このことから、本発明の接用溶加材
粒子は、フラックスと混合した状態で保管することがで
きることが分かった。
【0029】
【発明の効果】上記したように、本発明による接用溶加
材粒子は、空気中に長期にわたって劣化することなく保
存でき、またフラックスと混合した状態でも長時間にわ
たって性能が低下する虞もなく、しかも安価に得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接用溶加材粒子を製造するための装置
を示した正面図である。
【図2】図1におけるIIーII線断面図である。
【図3】本発明の接用溶加材粒子を製造するための他の
装置を示した概念図である。
【図4】本発明の接用溶加材粒子を製造するために使用
した高速気流中衝撃式の粉体の表面改質装置を、その前
後装置と共に系統的に示した概念的な説明図である。
【図5】図4の側断面図である。
【符号の説明】
10 高速攪拌型混合造粒機 11 ジャケット 12 上蓋 13 チャンバ 14 主攪拌羽根 15 補助羽根 16 上部収縮部 17 シリンダ 17a 排出弁 18 シュート 20 スプレードライヤー 21 スラリー容器 22 本体 23 ヒータ 24 アトマイザー 25 スラリー供給機 26 排出口 27 溶剤回収装置 28 サイロン 29 バグフィルタ 30 高速気流中衝撃式粉体表面改質装置 31 プレプロセッサー 32 計量フィーダー 33 シュート 34 開閉弁 35 開閉弁 36 ローター 37 衝撃ピン 38 衝撃リング 39 循環回路 41 衝撃室 42 ホッパー 43 バッグコレクター

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接用溶加材基体の表面に融点が上記接用
    溶加材基体の融点以下であるロジン,レジン,ワックス
    の何れかの被覆材を被覆したことを特徴とする接用溶加
    材粒子。
  2. 【請求項2】 加熱機構と攪拌機構とを有する装置に、
    接用溶加材基体と被覆材とを投入し、両材料を攪拌しな
    がら接用溶加材基体の融点以下で、かつ被覆材の融点以
    上の温度で加熱し、被覆材を溶融して該被覆材を接用溶
    加材基体の表面に被覆することを特徴とする接用溶加材
    粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 被覆材を溶媒に溶かした溶液に接用溶加
    材基体を漬けた後に、噴霧乾燥して溶剤を蒸発させるこ
    とを特徴とする接用溶加材粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 周囲に衝突リングを有し、内部に回転す
    る衝撃ピンを配設した衝撃室内に、予め被覆材を付着さ
    せた接用溶加材基体を投入し、上記衝撃ピンを高速回転
    させることによって上記接用溶加材基体を上記衝突リン
    グに衝突させ、その衝撃力によって上記被覆材を上記接
    用溶加材基体に膜状に固定化させることを特徴とする接
    用溶加材粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 脱酸素雰囲気中で被覆処理を行なうこと
    を特徴とする請求項2乃至4項の何れかに記載の接用溶
    加材粒子の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114101661A (zh) * 2021-11-25 2022-03-01 重庆大学 一种填充有微纳米金属颗粒的混合浆料的制备方法及其产品和应用
CN116140860A (zh) * 2022-11-25 2023-05-23 卢世雄 一种半导体测试探针卡专用焊锡及其制作方法

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