JPH09109571A - 感光性平版印刷版の製造方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の製造方法

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JPH09109571A
JPH09109571A JP29622095A JP29622095A JPH09109571A JP H09109571 A JPH09109571 A JP H09109571A JP 29622095 A JP29622095 A JP 29622095A JP 29622095 A JP29622095 A JP 29622095A JP H09109571 A JPH09109571 A JP H09109571A
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Japan
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acid
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lithographic printing
photosensitive
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JP29622095A
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Yoko Hirai
葉子 平井
Hideyuki Nakai
英之 中井
Toshitsugu Suzuki
利継 鈴木
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、高pH且つ溶剤フリーの現像
液で現像しても、着肉性が十分でしかも塗布性も良好で
あり、印刷汚れのない感光性平版印刷版の製造方法を提
供することである。 【解決手段】(a)分子内に2個以上の付加重合性不飽
和結合を有する化合物、(b)光重合開始剤、(c)感
脂化剤を含有する感光性組成物を支持体上に塗布して得
られる感光性平版印刷版を、25℃におけるpHが12
以上で且つ実質的に有機溶媒を含まない水性アルカリ現
像液で現像した後、(d)親水性有機高分子化合物、
(e)界面活性剤0.01〜0.5重量%、及び(f)
酸を含有し且つ有機溶媒含量が0.05重量%以下の不
感脂化剤で処理することを特徴とする感光性平版印刷版
の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性平版印刷版の
製造方法に関し、詳しくはpHが12以上で且つ実質的
に有機溶媒を含まない水性アルカリ現像液で現像される
ネガ型の感光性平版印刷版の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、作業環境の改善という観点から、
刷版に使用する薬品の溶剤フリー化の開発が進められて
いる。例えば、特開昭64−56442号公報記載のよ
うに光重合性感光層を設ける感光性平版印刷版を高pH
且つ溶剤フリーの現像液で現像する技術では、湿潤が大
きく着肉性の劣化が著しいという問題点を有していた。
着肉性は印刷物の品質ばかりではなく、印刷立ち上がり
時に生じる損紙の枚数と関係し、着肉性が悪いと損紙枚
数が増加し、印刷コストの増加につながる。また、特開
平4−303839号公報記載のように光重合性感光層
を高pHの現像液で現像後、アラビアガム含有率の低い
ガム液(不感脂化剤)で処理する技術では、上記技術よ
りは着肉性は多少改善されるものの未だ十分なレベルと
は言えないものであった。さらに感脂化剤を感光層に添
加することで着肉性はさらに改善されるが、塗布性が劣
化してしまうという問題点を有していた。不感脂化剤の
塗布性が悪い版は、刷版仕上がり時の見た目が悪く、程
度がひどい場合は汚れの原因にもなるという問題を有し
ている。
【0003】現在、高pH且つ溶剤フリーの現像液で現
像しても、着肉性が十分でしかも塗布性も良好である技
術は未だ提案されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、高pH且つ溶剤フリーの現像液で現像しても、着肉
性が十分でしかも塗布性も良好であり、印刷汚れのない
感光性平版印刷版の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題は、 1.(a)分子内に2個以上の付加重合性不飽和結合を
有する化合物、(b)光重合開始剤、(c)感脂化剤を
含有する感光性組成物を支持体上に塗布して得られる感
光性平版印刷版を、25℃におけるpHが12以上で且
つ実質的に有機溶媒を含まない水性アルカリ現像液で現
像した後、(d)親水性有機高分子化合物、(e)界面
活性剤0.01〜0.5重量%、及び(f)酸を含有し
且つ有機溶媒含量が0.05重量%以下の不感脂化剤で
処理することを特徴とする感光性平版印刷版の製造方
法、
【0006】2.前記(c)感脂化剤が、スチレン−無
水マレイン酸共重合体のハーフエステル化合物、長鎖ア
ルキル基含有のノボラック樹脂、p−ヒドロキシスチレ
ンと脂肪酸のエステル化合物のいずれかであることを特
徴とする前記1記載の感光性平版印刷版の製造方法、
【0007】3.前記(e)界面活性剤がアニオン活性
剤から少なくとも1種、及びノニオン活性剤から少なく
とも1種選ばれた混合物であり、ノニオン活性剤の添加
量比がアニオン活性剤の添加量比に対し100〜500
重量%であることを特徴とする前記1又は2記載の感光
性平版印刷版の製造方法、の各々により達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳細に説明す
る。 [支持体]本発明に使用される支持体としてはアルミニ
ウムが好ましく、アルミニウム支持体には、純アルミニ
ウムおよびアルミニウム合金よりなる支持体が含まれ
る。アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、
例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜
鉛、鉛、ビスマス、ニッケル等の金属とアルミニウムの
合金が用いられる。
【0009】アルミニウム支持体は、粗面化に先立って
アルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂処理を
施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、
シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロンとトリエ
タノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処
理等が用いられる。また、脱脂処理には、苛性ソーダ等
のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に
苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いた場合、上記脱
脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去する
ことができる。
【0010】感光層との密着性を良好にし、かつ保水性
を改善するために行われる砂目立て処理方法としては、
機械的に表面を粗面化する、いわゆる機械的粗面化法
と、電気化学的に表面を粗面化する、いわゆる電気化学
的粗面化法がある。機械的粗面化法には、例えば、ボー
ル研磨、ブラシ研磨、ブラスト研磨、バフ研磨等の方法
がある。また電気化学的粗面化法には、例えば、塩酸ま
たは硝酸等を含む電解液中で交流あるいは直流によって
支持体を電解処理する方法等がある。この内いずれか1
つ、もしくは2つ以上の方法を併用することにより、支
持体を砂目立てすることができる。
【0011】前述のような砂目立て処理して得られた支
持体の表面には、スマットが生成しているので、このス
マットを除去するために適宜水洗あるいはアルカリエッ
チング等の処理を行うことが一般に好ましい。このよう
な処理としては、例えば特公昭48−28123号公報
に記載されているアルカリエッチング法や特開昭53−
12739号公報に記載されている硫酸デスマット法等
の処理方法が挙げられる。
【0012】支持体には、通常、耐摩耗性、耐薬品性、
保水性を向上させるために、陽極酸化によって酸化被膜
を形成させる。この陽極酸化では一般的に、硫酸および
/またはリン酸等を10〜50%の濃度で含む水溶液を
電解液として電流密度1〜10A/dmで電解する方
法が好ましく用いられるが、他に米国特許第1,41
2,768号明細書に記載されている硫酸中で高電流密
度で電解する方法や米国特許第3,511,661号明
細書に記載されている燐酸を用いて電解する方法等があ
る。
【0013】支持体は、陽極酸化処理の後、ケイ酸アル
カリ、熱水等による処理や、ポリビニルホスホン酸等の
水溶性高分子化合物や弗化ジルコニウム酸カリウム水溶
液への浸漬などによる表面処理を施されることが好まし
い。
【0014】次に、上記表面処理された支持体上に、下
記する感光性組成物を含む感光層を塗布することにより
感光性平版印刷版が得られる。この感光層中に用いられ
る感光性物質としては特に限定されるものはなく、通
常、感光性平版印刷版に用いられている種々のものを用
いることができる。以下、この点について説明する。
【0015】[感光層]上記表面処理された支持体上に
感光性組成物からなる感光層を塗布することにより感光
性平版印刷版が得られる。この感光層中に用いられる感
光性物質は、各種のジアゾ化合物、(a)分子内に2個
以上の付加重合性不飽和結合を有する化合物、(b)光
重合開始剤、(c)感脂化剤を含有する。
【0016】[ジアゾ化合物]この感光性組成物中のジ
アゾ化合物は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩とホルム
アルデヒドまたはアセトアルデヒドとの縮合物で代表さ
れるジアゾ樹脂である。特に好ましくは、p−ジアゾフ
ェニルアミンとホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒ
ドとの縮合物の塩、例えばヘキサフルオロホウ燐酸塩、
テトラフルオロホウ酸塩、過塩素酸塩または過ヨウ素酸
塩と前記縮合物との反応生成物であるジアゾ樹脂無機塩
や、米国特許第3,300,309号明細書中に記載さ
れているような、前記縮合物とスルホン酸類との反応生
成物であるジアゾ樹脂有機塩等が挙げられる。さらにジ
アゾ樹脂は、好ましくは結合剤と共に使用される。かか
る結合剤としては種々の高分子化合物を使用することが
できるが、好ましくは特開昭54−98613号公報に
記載されているような芳香族性水酸基を有する単量体、
例えばN−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミ
ド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミ
ド、o−、m−、またはp−ヒドロキシスチレン、o
−、m−、またはp−ヒドロキシフェニルメタクリレー
ト等と他の単量体との共重合体、米国特許第4,12
3,276号明細書中に記載されているようなヒドロキ
シエチルアクリレート単位またはヒドロキシエチルメタ
クリレート単位を主な繰り返し単位として含むポリマ
ー、シェラック、ロジン等の天然樹脂、ポリビニルアル
コール、米国特許第3,751,257号明細書中に記
載されているような線状ポリウレタン樹脂、ポリビニル
アルコールのフタレート化樹脂、ビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリンから縮合されたエポキシ樹脂、酢酸セ
ルロース、セルロースアセテートフタレート等のセルロ
ール誘導体が包含される。
【0017】さらにジアゾ化合物として好ましくは、ジ
アゾジフェニルアミンと分子内にカルボニル基、スルホ
ニル基から選ばれた少なくとも一つの基を有する芳香族
化合物との共縮合樹脂であることである。共縮合の比率
は、モル比で、ジアゾジフェニルアミン/芳香族化合物
=30/70〜95/5であり、特に好ましくはジアゾ
ジフェニルアミンとp−ヒドロキシ安息香酸との共縮合
物で、モル比が50/50〜80/20である。
【0018】[光架橋系感光性樹脂組成物]光架橋系感
光性樹脂組成物中の感光成分は、分子内に2個以上の不
飽和二重結合を有する感光性樹脂からなるもので、例え
ば米国特許第3,030,208号明細書、同第3,4
35,237号明細書及び同第3,622,320号明
細書等に記載されている如き、重合体主鎖中に感光基と
して
【0019】
【化1】 を含む感光性樹脂、及び重合体の側鎖に感光基を有する
ポリビニルシンナメート、特開昭62−294238号
に記載されている如き重合体の側鎖にマレイミド基を有
する感光性樹脂等が挙げられる。
【0020】[(a)分子内に2個以上の付加重合性不
飽和結合を有する化合物]付加重合性不飽和化合物で分
子内に2個以上の付加重合性不飽和結合を有する化合物
を含む光重合性組成物であって、二重結合を有する単量
体、または二重結合を有する単量体と高分子バインダー
とからなり、このような組成物の代表的なものは、例え
ば米国特許第2,760,863号明細書及び同第2,
791,504号明細書等に記載されている。一例を挙
げるとメタクリル酸メチルを含む組成物、メタクリル酸
メチル及びポリメチルメタクリレートを含む組成物、メ
タクリル酸メチル、ポリメチルメタクリレート及びポリ
エチレングリコールメタクリレートモノマーを含む組成
物、メタクリル酸メチル、アルキッド樹脂とポリエチレ
ングリコールジメタクリレートモノマーを含む組成物等
の光重合性組成物が用いられる。
【0021】[(b)光重合開始剤]光重合開始剤とし
ては、この技術分野で通常知られている光重合開始剤、
例えばベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導
体、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、チオキ
サントン誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘
導体等、をあげることができる。
【0022】[(c)感脂化剤](c)の感脂化剤とし
ては、感光層表面の親油性を高めるものであり、例え
ば、p−ヒドロキシスチレンと脂肪酸のエステル、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体のアルコールによるハー
フエステル化合物、長鎖アルキル基含有のノボラック樹
脂、フッ素系界面活性剤等が挙げられ、好ましいのは、
p−ヒドロキシスチレンと脂肪酸のエステル、スチレン
−無水マレイン酸共重合体のアルコールによるハーフエ
ステル化合物、長鎖アルキル基含有のノボラック樹脂で
あり、中でも長鎖アルキル基含有ノボラック樹脂(アル
キル置換フェノール樹脂)が特に好ましい。添加量はそ
の使用対象、目的によって異なるが、一般には全固形分
に対して、0.01〜30重量%である。
【0023】上記アルキル置換フェノール樹脂は、アル
キル置換フェノールと、アルデヒド類の重縮合により得
られる樹脂である。ここで用いられるアルキル置換フェ
ノールの、アルキルで置換される位置及び置換基数は任
意であるが、特に好ましくは1つのアルキル基を4位に
有する構造が挙げられる。またアルキル基の構造は鎖
状、分枝状、環状のいずれでも構わず、アルキル基を構
成する炭素数も任意であるが、好ましくは炭素数1〜2
0の範囲のアルキル基が挙げられる。またこれらのアル
キル置換フェノールは芳香環に他の置換基を有していて
も構わない。
【0024】本発明に好ましく用いられるアルキル置換
フェノールの具体例としては、o−クレゾール、m−ク
レゾール、p−クレゾール、p−エチルフェノール、p
−イソプロピルフェノール、p−n−ブチルフェノー
ル、p−tert−ブチルフェノール、p−アミルフェ
ノール、p−tert−アミルフェノール、p−ヘキシ
ルフェノール、p−オクチルフェノール、p−tert
−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−デ
シルフェノール、p−ドデシルフェノール、p−ヘキサ
デシルフェノール、p−ノナデシルフェノール、p−シ
クロヘキシルフェノール、3−メチル−4−クロロ−5
−tert−ブチルフェノール、イソプロピルクレゾー
ル、ブチルクレゾール、アミルクレゾール、ヘキシルク
レゾール、オクチルクレゾール、シクロヘキシルクレゾ
ール等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいもの
としては、構造は特に限定されるものではないが、p−
n−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノー
ル、p−オクチルフェノール、p−tert−オクチル
フェノール、p−ノニルフェノールが挙げられる。また
これらのアルキル置換フェノールは複数種を併せて用い
ることも可能である。
【0025】また、上記アルデヒド類の例としては、ホ
ルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アクロレイン、ク
ロトンアルデヒド、フルフラール等の脂肪族アルデヒド
並びに芳香族アルデヒドが挙げられる。中でも好ましい
のはホルムアルデヒドである。また、アルキル置換フェ
ノールとアルデヒド類を重縮合する際、無置換のフェノ
ールを加えて共縮合を行うことも好ましく行うことがで
きる。上記の単量体を任意の組み合わせで縮合して得ら
れるアルキル置換フェノール樹脂のうち、特に好ましい
のは下記一般式Aで表される繰り返し構造単位を有する
樹脂である。
【0026】
【化2】 (Rは炭素数1から20のアルキル基を表す。)
【0027】アルキル置換フェノールとアルデヒド類の
重縮合は、酸触媒の存在下で行われる。酸触媒として
は、塩酸、シュウ酸、硫酸、燐酸等の無機酸、有機酸が
用いられる。アルキル置換フェノールとアルデヒド類の
比率は、アルキル置換フェノール1モルに対し、アルデ
ヒド類を0.7〜1.1モル用いるのが好ましい。ま
た、縮合の際、アルキル置換フェノールと無置換フェノ
ールを併用する場合は、これらフェノール類の合計が1
モルに対し、アルデヒド類を0.7〜1.1モル用いる
のが好ましい。反応溶媒は、アルコール類、アセトン、
水、テトラヒドロフラン等が用いられる。所定温度(−
5℃〜120℃)、所定時間(3〜48時間)反応後、
減圧下加熱し、水洗後、脱水させて得るか、または反応
溶液を水中投入し結析させて、反応物を得る。
【0028】本発明に好ましく用いられるアルキル置換
フェノール樹脂の重量平均分子量Mwは、好ましくは5
00〜15000の範囲である、さらに好ましくは10
00〜10000の範囲である。重量平均分子量Mwの
測定に際しては、GPC(ゲルパーミネーションクロマ
トグラフィー)法によって行う。数平均分子量Mn及び
重量平均分子量Mwの算出は柘植盛男、宮林達也、田中
誠之著「日本化学会誌:800〜805頁(1972)
に記載の方法によりオリゴマー領域のピークを均す(ピ
ークの山と谷の中心を結ぶ)方法にて行うものとする。
本発明に好ましく用いられるアルキル置換フェノール樹
脂の感光性組成物中に占める割合は、0.5〜20重量
%が好ましく、1〜15重量%が特に好ましい。
【0029】[フィルム形成可能な高分子化合物]アル
カリ可溶性の高分子であることが好ましく、特にビニル
系モノマーの共重合体であることが好ましい。ビニル系
モノマーの共重合体は、アルカリ水溶液に対する溶解性
を向上する目的で次に示す構成モノマーを含有すること
が好ましい。即ち、メタクリル酸等の不飽和カルボン
酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアルコー
ル性OH含有モノマー、p−ヒドロキシフェニルメタク
リルアミド、p−ヒドロキシスチレン等のフェノール性
OH含有モノマーである。
【0030】[アルカリ可溶性樹脂]本発明の感光性組
成物に用いることのできるアルカリ可溶性樹脂として
は、ノボラック樹脂、フェノール性水酸基を有するビニ
ル系重合体、特開昭55−57841号公報に記載され
ている多価フェノールとアルデヒド又はケトンとの縮合
樹脂等が挙げられる。
【0031】本発明に使用されるノボラック樹脂として
は、例えばフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、クレゾ
ール・ホルムアルデヒド樹脂、特開昭55−57841
号公報に記載されているようなフェノール・クレゾール
・ホルムアルデヒド共重合体樹脂、特開昭55−127
553号公報に記載されているようなp−置換フェノー
ルとフェノールもしくは、クレゾールとホルムアルデヒ
ドとの共重合体樹脂等が挙げられる。
【0032】前記ノボラック樹脂の分子量(ポリスチレ
ン標準)は、好ましくは数平均分子量Mnが3.00×
10〜7.50×10、重量平均分子量Mwが1.
00×10〜3.00×10、より好ましくはMn
が5.00×10〜4.00×10、Mwが3.0
0×10〜2.00×10である。上記ノボラック
樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上組合せて用いて
もよい。上記ノボラック樹脂の感光性組成物中に占める
割合は5〜95重量%が好ましい。又、本発明に好まし
く用いられるフェノール性水酸基を有するビニル系共重
合体としては、該フェノール性水酸基を有する単位を分
子構造中に有する重合体であり、下記一般式[I]〜
[V]の少なくとも1つの構造単位を含む重合体が好ま
しい。
【0033】
【化3】
【0034】[式中、RおよびRはそれぞれ水素原
子、アルキル基又はカルボキシル基、好ましくは水素原
子を表わす。Rは水素原子、ハロゲン原子又はアルキ
ル基を表わし、好ましくは水素原子又はメチル基、エチ
ル基等のアルキル基を表わす。Rは水素原子、アルキ
ル基、アリール基又はアラルキル基を表わし、好ましく
は水素原子を表わす。Aは窒素原子又は酸素原子と芳香
族炭素原子とを連結する、置換基を有していてもよいア
ルキレン基を表わし、mは0〜10の整数を表わし、B
は置換基を有していてもよいフェニレン基又は置換基を
有してもよいナフチレン基を表わす。]
【0035】本発明に用いられる重合体としては共重合
体型の構造を有するものが好ましく、前記一般式[I]
〜一般式[V]でそれぞれ示される構造単位と組合せて
用いることができる単量体単位としては、例えばエチレ
ン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレ
ン等のエチレン系不飽和オフィレン類、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ク
ロロスチレン等のスチレン類、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸等のアクリル酸類、例えばイタコン、マレイン
酸、無水マレイン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸類、
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸フ
ェニル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル等のα
−メチレン脂肪族モノカルボン酸のエステル類、例えば
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル
類、例えばアクリルアミド等のアミド類、例えばアクリ
ルアニリド、p−クロロアクリルアニリド、m−ニトロ
アクリルアニリド、m−メトキシアクリルアニリド等の
アニリド類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ベンゾエ酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類、
例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
イソブチルビニルエーテル、β−クロロエチルビニルエ
ーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、ビニリデン
クロライド、ビニリデンシアナイド、例えば1−メチル
−1−メトキシエチレン、1,1−ジメトキシエチレ
ン、1,2−ジメトキシエチレン、1,1−ジメトキシ
カルボニルエチレン、1−メチル−1−ニトロエチレン
等のエチレン誘導体類、例えばN−ビニルピロール、N
−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビ
ニルピロリデン、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル
系単量体がある。これらのビニル系単量体は、不飽和二
重結合が開裂した構造で高分子化合物中に存在する。
【0036】上記の単量体のうち脂肪族モノカルボン酸
のエステル類、ニトリル類が本発明の目的に対して優れ
た性能を示し、好ましい。これらの単量体は、本発明に
用いられる重合体中にブロックまたはランダムのいずれ
かの状態で結合していてもよい。
【0037】本発明に用いられるビニル系重合体の感光
性組成物中に占める割合は0.5〜70重量%であるこ
とが好ましい。ビニル系重合体は、上記重合体を単独で
用いてもよいし、又2種以上組合せて用いてもよい。
又、他の高分子化合物等と組合せて用いることもでき
る。
【0038】[有機酸・無機酸・酸無水物]感光性組成
物には、有機酸・無機酸・酸無水物が含有されてもよ
い。本発明に使用される酸としては、例えば特開昭60
−88942号、特願昭63−293107号に記載の
有機酸と、日本化学会編「化学便覧新版」(丸善出版)
第92〜158頁に記載の無機酸が挙げられる。有機酸
の例としては、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベン
ゼンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、メタンスルホ
ン酸、エタンスルホン酸、ベンゼルスルホン酸、m−ベ
ンゼンジスルホン酸等のスルホン酸、p−トルエンスル
フィン酸、ベンジルスルフィン酸、メタンスルフィン酸
等のスルフィン酸、フェニルホスホン酸、メチルホスホ
ン酸、クロルメチルホスホン酸等のホスホン酸、ギ酸、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、ヘ
キサン酸、ヘプタン酸等の脂肪族モノカルボン酸、シク
ロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息
香酸、o−、m−、p−ヒドロキシ安息香酸、o−、m
−、p−メトキシ安息香酸、o−、m−、p−メチル安
息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、フロログリシ
ンカルボン酸、没食子酸、3,5−ジメチル安息香酸等
の芳香族モノカルボン酸が挙げられる。また、マロン
酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、イタコン酸、リンゴ酸等の飽和
または、不飽和脂肪族ジカルボン酸、テトラヒドロフタ
ル酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シ
クロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジ
カルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン
酸等を挙げることができる。
【0039】上記有機酸の内、より好ましいものは、p
−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、
メシチレンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、ベンゼルスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン
酸等のスルホン酸、またはcis−1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸、シリンガ酸等がある。無機酸の例と
しては、硝酸、硫酸、塩酸、ケイ酸、リン酸等が挙げら
れ、さらに好ましくは、硫酸、リン酸である。
【0040】酸無水物を用いる場合の、酸無水物の種類
も任意であり、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息
香酸等、脂肪族・芳香族モノカルボン酸から誘導される
もの、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル
酸、無水フタル酸等、脂肪族・芳香族ジカルボン酸から
誘導されるもの等を挙げることができる。好ましい酸無
水物は、無水グルタル酸、無水フタル酸である。これら
の化合物は、単独あるいは2種以上混合して使用でき
る。これらの酸の含有量は、全感光性組成物の全固形分
に対して、一般的に0.05〜5重量%であって、好ま
しくは、0.1〜3重量%の範囲である。
【0041】[界面活性剤]感光性組成物は界面活性剤
を含んでもよい。界面活性剤としては、両性界面活性
剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオ
ン界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を挙げることがで
きる。
【0042】上記両性界面活性剤としては、ラウリルジ
メチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒ
ドロキシエチル、イミダゾリニウムベタイン等がある。
アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸
エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキル
リン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルアリル硫酸エステル
塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキ
シエチレンアルキルリン酸エステル等がある。カチオン
界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモ
ニウム塩、アルキルベタイン等がある。ノニオン界面活
性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキ
シエチレン誘導体、オキシエチレン・オキシプロピレン
ブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノール
アミド等がある。
【0043】フッ素系界面活性剤としては、フルオロ脂
肪族基を含むアクリレートまたはメタアクリレートおよ
び(ポリオキシアルキレン)アクリレートまたは(ポリ
オキシアルキレン)メタアクリレートの共重合体等があ
る。これらの化合物は、単独あるいは2種以上混合して
使用することができる。特に好ましくはFC−430
(住友3M(株)製)フッ素系ポリエチレングリコール
#−2000(関東化学(株)製)である。感光性組成
物中に占める割合は、0.01〜10重量%であること
が好ましく、さらに好ましくは0.01〜5重量%で使
用される。
【0044】[プリントアウト材料]感光性組成物に
は、露光により可視画像を形成させるプリントアウト材
料を添加することができる。プリントアウト材料は露光
により酸もしくは遊離基を生成する化合物と相互作用す
ることによってその色調を変える有機染料よりなるもの
で、露光により酸もしくは遊離基を生成する化合物とし
ては、例えば特開昭50−36209号公報に記載のo
−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニド、
特開昭53−36223号公報に記載されているo−ナ
フトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライドと電子
吸引性置換基を有するフェノール類、またはアニリン酸
とのエステル化合物またはアミド化合物、特開昭55−
77742号公報、特開昭57−148784号公報等
に記載のハロメチルビニルオキサジアゾール化合物及び
ジアゾニウム塩等が挙げられる。
【0045】[露光により酸または遊離基を生成する化
合物]感光性組成物に用いることができる、露光により
酸または遊離基を生成する化合物としては、例えば、ハ
ロメチルオキサジアゾール化合物、ハロメチル−s−ト
リアジン化合物等が用いられる。ハロメチルオキサジア
ゾール化合物とは、オキサジアゾール類にハロメチル
基、好ましくはトリクロロメチル基を有する化合物であ
る。
【0046】これらの化合物は公知であり、例えば特公
昭57−6096号公報、同61−51788号公報、
特公平1−28369号公報、特開昭60−13853
9号公報、同60−177340号公報、同60−24
1049号公報等に記載されている。また、ハロメチル
−s−トリアジン化合物とは、s−トリアジン環に1以
上のハロメチル基、好ましくはトリクロロメチル基を有
する化合物である。
【0047】感光性組成物中における前記露光により酸
又は遊離基を生成する化合物の添加量は、0.01〜3
0重量%が好ましく、より好ましくは、0.1〜10重
量%であり、特に好ましくは、0.2〜3重量%であ
る。これらの化合物は、単独あるいは2種以上混合して
使用できる。
【0048】[色素]感光性組成物には、さらに色素を
用いることができる。該色素は、露光による可視画像
(露光可視画像)と現像後の可視画像を得ることを目的
として使用される。
【0049】該色素としては、フリーラジカルまたは酸
と反応して色調を変化するものが好ましく使用できる。
ここに「色調が変化する」とは、無色から有色の色調へ
の変化、有色から無色あるいは異なる有色の色調への変
化のいずれをも包含する。好ましい色素は酸と塩を形成
して色調を変化するものである。例えば、ビクトリアピ
ュアブルーBOH(保土谷化学社製)、オイルブルー#
603(オリエント化学工業社製)、パテントピュアブ
ルー(住友三国化学社製)、クリスタルバイオレット、
ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルバ
イオレット、メチルグリーン、エリスロシンB、ペイシ
ックフクシン、マラカイトグリーン、オイルレッド、m
−クレゾールパープル、、ローダミンB、オーラミン、
4−p−ジエチルアミノフェニルイミナフトキノン、シ
アノ−p−ジエチルアミノフェニルアセトアニリド等に
代表されるトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン
系、オキサジン系、キサンテン系、イミノナフトキノン
系、アゾメチン系またはアントラキノン系の色素が有色
から無色あるいは異なる有色の色調へ変化する変色剤の
例として挙げられる。
【0050】一方、無色から有色に変化する変色剤とし
ては、ロイコ色素及び、例えばトリフェニルアミン、ジ
フェニルアミン、o−クロロアニリン、1,2,3−ト
リフェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフ
ェニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェ
ニルアミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,p′,
p″−トリス−ジメチルアミノトリフェニルメタン、
p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニルメチルイミ
ン、p,p′,p″−トリアミノ−o−メチルトリフェ
ニルメタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニ
ル−4−アニリノナフチルメタン、p,p′,p″−ト
リアミノトリフェニルメタンに代表される第1級または
第2級アリールアミン系色素が挙げられる。上記の変色
剤の感光性組成物中に占める割合は、0.01〜10重
量%であることが好ましく、更に好ましくは0.02〜
5重量%で使用される。これらの化合物は、単独あるい
は2種以上混合して使用できる。尚、特に好ましい色素
は、ビクトリアピュアブルーBOH、オイルブルー#6
03である。
【0051】[溶媒]感光性組成物を溶解する際に使用
し得る溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、n−
ペンタノール、ヘキサノール等の脂肪族アルコール類、
アリルアルコール、ベンジルアルコール、アニソール、
フェネトール、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン等の炭化水素類、ジアセ
トンアルコール、3−メトキシ−1−ブタノール、4−
メトキシ−1−ブタノール、3−エトキシ−1−ブタノ
ール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3
−メトキシ−3−エチル−1−1ペンタノール−4−エ
トキシ−1−ペンタノール、5−メトキシ−1−ヘキサ
ノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピ
ルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
メチルペンチルケトン、メチルヘキシルケトン、エチル
ブチルケトン、ジブチルケトン、シクロペンタノン、シ
クロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、γ−ブチロ
ラクトン、3−ヒドロキシ−2−ブタノン、4−ヒドロ
キシ−2−ブタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノ
ン、5−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ
−3−ペンタノン、6−ヒドロキシ−2−ヘキサノン、
3−メチル−3−ヒドロキシ−2−ペンタノン、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリ
コール、エチレングリコールモノアセテート、エチレン
グリコールジアセテート、プロピレングリコールモノア
セテート、プロピレングリコールジアセテート、エチレ
ングリコールアルキルエーテル類およびそのアセテート
(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソ
ルブ、フェニルセロソルブ、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エ
チレングリコールジブチルエーテル、メチルセロソルブ
アセテート、エチルセロソルブアセテート)、ジエチレ
ングリコールモノアルキルエーテル類およびそのアセテ
ート(ジエチレングリコールモノメチルエーテル、モノ
エチルエーテル、モノi−プロピルエーテル、モノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート等)、ジエチレングリコールジアルキルエー
テル類(DMDG、DEDG、DBDG、MEDG)、
トリエチレングリコールアルキルエーテル類(モノメチ
ルエーテル、モノエチルエーテル、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等)、プロピ
レングリコールアルキルエーテル類およびそのアセテー
ト(モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、n−プ
ロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、モノメチルエーテルアセテー
ト、モノエチルエーテルアセテート等)、ジプロピレン
グリコールアルキルエーテル類(モノメチルエーテル、
モノエチルエーテル、n−プロピルエーテル、モノブチ
ルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル)、
ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、
プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチ
ル、酪酸エチル等のカルボン酸エステル類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、乳酸メチル、乳酸エチル、安息香酸メ
チル、安息香酸エチル、炭酸プロピレン等が挙げられ
る。これらの溶媒は、単独あるいは2種以上混合して使
用できる。
【0052】[被覆層]感光性平版印刷版は、上記感光
層上に皮膜形成能を有する水不溶性で有機溶媒可溶性の
高分子化合物から成る被覆層を形成することができる。
上記のようにして設けられた感光層の表面には、真空焼
き枠を用いた密着露光の際の真空引きの時間を短縮し、
且つ焼きボケを防ぐため、マット層を設けることが好ま
しい。具体的には、特開昭50−125805号、特公
昭57−6582号、同61−28986号の各公報に
記載されているようなマット層を設ける方法、特公昭6
2−62337号公報に記載されているような固体粉末
を熱融着させる方法等が挙げられる。また、感光層表面
に、光重合の酸素阻害を防止する目的で、ポリビニルア
ルコール、酸性セルロース類等のような酸素遮断性に優
れたポリマーからなるオーバーコート層を設けることも
できる。
【0053】[マット剤]マット層の目的は密着露光に
おける画像フィルムと感光性平版印刷版との真空密着性
を改良することにより、真空引き時間を短縮し、さらに
密着不良による露光時の微小網点のつぶれを防止するこ
とである。マット層の塗布方法としては、特開昭55−
12974号に記載されているパウダリングされた固体
粉末を熱融着する方法、特開昭58−182636号に
記載されているポリマー含有水をスプレーし乾燥させる
方法等があり、どの方法でもよいが、マット層自体がア
ルカリ現像液に溶解するか、あるいはこれにより除去可
能な物が望ましい。
【0054】[塗布]感光性組成物や被覆層又はマット
層を支持体表面に塗布する際に用いる塗布方法として
は、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー
塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、
ブレード塗布及びカーテン塗布等が用いられる。
【0055】[露光]こうして得られた感光性平版印刷
版の使用に際しては、従来から常用されている方法を適
用することができ、例えば線画像、網点画像などを有す
る透明原画を感光面に密着して露光し、次いでこれを適
当な現像液を用いて非画像部の感光性層を除去すること
によりレリーフ像が得られる。露光に好適な光源として
は、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、
ケミカルランプ、カーボンアーク灯などが使用される。
【0056】[処理]本発明において、感光性平版印刷
版の現像処理に用いられる現像液、現像補充液は25℃
におけるpH12以上で且つ実質的に有機溶媒を含まな
いものである。実質的に有機溶媒を含まない現像液と
は、有機溶媒の含有率が1重量%以下であることを言
う。
【0057】アルカリ金属の珪酸塩を含む水系アルカリ
現像液とは、アルカリ金属の珪酸塩、例えば、ケイ酸カ
リウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、メ
タケイ酸カリウムなどを含むものであって、これらアル
カリ金属の珪酸塩を含む水系アルカリ現像液には、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム第三リン酸ナトリウム、
第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム
等の他のアルカリ剤を含有させることができる。この時
のアルカリ水溶液の濃度は、感光性組成物及びアルカリ
の種類により異なるが、概して0.1〜10重量%の範
囲が適当である。
【0058】現像液において、〔SiO〕/〔M〕
(式中、〔SiO〕はSiOのモル濃度を示し、
〔M〕はアルカリ金属のモル濃度を示す)が0.5〜
1.2が好ましく、SiO濃度が総重量に対して4〜
7重量%が好ましい。現像補充液にはノニオン界面活性
剤を添加してもよい。ノニオン界面活性剤の添加量は、
0.01〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.0
2〜2重量%の範囲である。現像補充液は2液以上で構
成してもよいが、補充装置の供給部、収容タンクなどが
複雑になり、装置が大きくなる等の理由から、現像補充
液は1液構成であることが好ましい。現像液のpH(2
5℃)は、12以上13.5以下が好ましく、現像補充
液のpH(25℃)は、12.5以上14以下が好まし
く、現像補充液のpHが現像液のpHより0.5以上高
いことが好ましい。
【0059】現像補充液には、ケイ酸アルカリ以外のア
ルカリ剤を含有させることができる。そのようなアルカ
リ剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナト
リウム、第三リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、第
三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタ
ケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等のような無機ア
ルカリ剤、モノ、ジ又はトリエタノールアミン及び水酸
化テトラアルキルアンモニウムのような有機アルカリ剤
及び有機ケイ酸アンモニウムなどが挙げられる。上記ア
ルカリ剤の現像液中の含有量は0.05〜20重量%の
範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%の
範囲である。現像補充液は、〔SiO〕/〔M〕(式
中、〔SiO〕はSiOのモル濃度を示し、〔M〕
はアルカリ金属のモル濃度を示す)が0.2〜0.8で
あり、SiO濃度が総重量に対して4〜7重量%であ
る。更に、現像液、現像補充液には、公知の添加物を添
加することができる。
【0060】[不感脂化処理]本発明は、上記のように
露光・現像した感光性平版印刷版を不感脂化処理するも
のであり、不感脂化剤としては、(d)親水性有機高分
子化合物、(e)界面活性剤0.01〜0.5重量%、
及び(f)酸を含有し且つ有機溶媒含量が0.05重量
%以下のものである。
【0061】(d)の親水性有機高分子化合物として
は、従来、不感脂化剤に使用し得るものであれば好適に
使用できる。例えば、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース等のセルロースエーテル類、アルギン酸ナ
トリウムのようなアルギン酸塩、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド、ビニルメチルエーテルと無水
マレイン酸との共重合体等の合成高分子化合物、アラビ
アガム等が挙げられる。これらの内、特に好ましいのは
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)で
ある。これらの親水性有機高分子化合物は、単独又は2
種以上組み合わせて使用することができる。
【0062】(e)の界面活性剤としては、アニオン活
性剤から少なくとも1種、及びノニオン活性剤から少な
くとも1種選ばれた混合物であることが好ましく、混合
物である場合、両者の添加量の比率は、ノニオン活性剤
の添加量比がアニオン活性剤の添加量比に対し100〜
500重量%、特に好ましくは150〜300重量%で
ある。
【0063】アニオン活性剤としては、脂肪酸、アルキ
ル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク
酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキル硫酸エス
テル塩、ポリオキシアルキルフェノールエーテル硫酸
塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等が挙げら
れるが、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハ
ク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩、例え
ば、ポリオキシエチレン(エチレンオキサイドモル数が
20)オレイルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシ
エチレンアルキルエーテル塩、例えば、ポリオキシエチ
レン(エチレンオキサイドモル数が19)ノニルフェノ
ールエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンア
ルキルフェノールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン
酸塩ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸
塩等が好ましく、ポリエチレンオキサイドアルキルフェ
ノールエーテル硫酸塩が特に好ましい。ノニオン活性剤
としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、オキ
シエチレンオキシプロピレンブロックポリマー等がある
が、不感脂化剤を水溶液となすには、親水性と親油性の
バランスを表現するHLB値が約12以上であることが
好ましく、HLB値が13〜18であることが特に好ま
しい。かかるHLB値を有するものの内、ポリオキシエ
チレン(エチレンオキサイドモル数が約10〜30)ノ
ニルフェノールエーテルが特に好ましい。
【0064】(f)の酸は、使用前の不感脂化剤のpH
を酸性域、好ましくは1〜5、より好ましくは2〜3の
範囲に調製することを主目的として用いるものである。
例えば、燐酸、ピロ燐酸、ポリ燐酸、第一燐酸ナトリウ
ム、硼酸、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、例えば、こは
く酸、蓚酸、クエン酸、マレイン酸、乳酸、p−トルエ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸が使用で
き、これらは単独又は2以上組み合わせて使用すること
ができる。これらの中でも特に燐酸及びこはく酸が好ま
しい。酸の使用量は不感脂化剤のpHが酸性域となるよ
うな量で使用するが、一般的には0.01〜5重量%で
ある。
【0065】本発明に用いる不感脂化剤には染料又は顔
料のような着色剤を含有させておいてもよい。着色剤の
量は0.05重量%以下が好ましく、より好ましくは零
である。
【0066】本発明に用いられる不感脂化剤には上記
(d)、(e)、(f)の他、水溶性塩を含有させるこ
ともできる。好適な水溶性塩としては、アルカリ金属
塩、アンモニウム塩があり、酢酸アンモニウム、酢酸ナ
トリウム、酢酸カリウム、モリブデン酸ナトリウム、モ
リブデン酸カリウム、硼酸ナトリウム、硼酸アンモニウ
ム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、第
二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸カリ
ウム、第三燐酸カリウム、第三燐酸アンモニウム、ポリ
燐酸ナトリウム等が例示できる。上記の内、特に好まし
いのはモリブデン酸ナトリウム(カリウム)、硫酸カリ
ウム及び硼酸ナトリウム(アンモニウム)である。水溶
性塩は単独又は2種以上組み合わせて使用することがで
き、不感脂化剤の総重量に対して0.01〜5重量%、
より好ましくは0.1〜1重量%の範囲で使用すること
ができる。
【0067】不感脂化剤には、更に湿潤剤を含有させる
こともできる。湿潤剤としては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリ
ン等の多価アルコールが好適に使用される。湿潤剤は、
不感脂化剤の総重量に対して約0.01〜1重量%、よ
り好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲で使用でき
る。不感脂化処理された版面上のpHは印刷時の汚れ発
生の点から9以下であることが好ましく、更に7以下で
あることが特に好ましい。不感脂化剤の塗布量は乾燥塗
布重量にして0.1〜1.5g/mが好ましく、特に
0.2〜0.8g/mの範囲が好ましい。
【0068】不感脂化処理は、前記したように現像後に
行われるが、現像後は先ずスクイズして版面上の現像液
の量を少なくすることが好ましい。本発明ではスクイズ
された版面を直接不感脂化処理してもよいし、循環して
使用される水により水洗した後、もう一度スクイズして
不感脂化処理してもよい。不感脂化剤中への、感光層を
溶解した現像液の混入をより少なくするよう十分スクイ
ズすることが好ましい。不感脂化処理される版面上の液
の残存量は版面1m当り10ml以下にすることが好
ましく、更に5ml以下にすることが好ましい。
【0069】スクイズする方法としては、例えば、ゴム
のような弾性部材をローラ表面に被覆した弾性ローラ一
対の間に平版印刷版を通して、そのニップ圧により版面
の現像液或は(循環)水洗水を除去する方法、或は表面
の滑らかな弾性プラスチック材を平版印刷版の搬送路に
添わせた状態で配設し、その版面と摺接させることによ
り版面の現像液又は(循環)水洗水を掻き取る方法、エ
アーナイフにより版面上の液を掻き取る方法等を採用す
ることができる。この内、装置の簡便さ等よりローラ一
対を用いる方法が好適に用いられる。
【0070】不感脂化処理工程には、不感脂化剤で湿潤
したスポンジ等で版面を擦り、その後乾燥させる方法、
或は平版印刷版上に不感脂化剤を過剰に供給し、ローラ
一対等の間に通してスクイズし、その後、乾燥させる方
法等があるが、本発明では後者の場合が有効であり、更
に上記不感脂化剤を循環して使用する場合に特に有効で
ある。
【0071】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的
に説明する。 実施例1 (ジアゾ樹脂1の合成)氷冷した濃硫酸200gに、p
−ヒドロキシ安息香酸12.7g(0.092mol)
と4−ジアゾジフェニルアミン硫酸塩40.5g(0.
138mol)を液温が5℃を越えないように注意しな
がら攪拌溶解する。次いでパラホルムアルデヒド6.2
2g(0.207mol)を攪拌しながら1時間かけて
ゆっくりと加え、縮合反応を行う。この際も反応液が5
℃を越えないように注意する。パラホルムアルデヒドを
加え終った後、30分間5℃以下で攪拌を続ける。反応
終了後、反応液を0℃に冷却したエタノール1600m
lにゆっくりと投入すると析出物が生成する。この際、
液温が40℃を越えないように注意する。析出物を吸引
濾過で濾取し、エタノール300mlで洗浄して反応中
間体1a(ジアゾ樹脂硫酸塩)を得た。取り出した反応
中間体1aを水240mlに溶解した後、水90mlに
溶解した塩化亜鉛19.04g(0.14mol)を加
えると、再び析出物が生成する。析出物を吸引濾過で濾
取し反応中間体1b(ジアゾ樹脂塩化亜鉛複塩)を得
た。取り出した反応中間体1bを水1000mlに溶解
した後、水180mlに溶解したヘキサフルオロリン酸
アンモン24.8g(0.15mol)を加えると、析
出物が生成する。析出物を吸引濾過で濾取し、エタノー
ル300mlで洗浄した後、30℃で3日間乾燥し、ジ
アゾ樹脂1を32.4g得た。
【0072】(高分子化合物の合成)温度計、還流冷却
管、攪拌装置、加熱装置、窒素気流導入管を備えた50
0mlの四首フラスコ中に、アセトン125mlとメタ
ノール125mlの混合溶媒を入れ、モノマーとしてエ
チルアクリレート9.0g(0.09mol)、エチル
メタクリレート34.2g(0.30mol)、アクリ
ロニトリル15.9g(0.30mol),メタクリル
酸0.86g(0.01mol)、及び4−ヒドロキシ
フェニルメタクリルアミド51.6g(0.30mo
l)を溶解した。さらに重合開始剤としてアゾビスイソ
ブチロニトリル3.28g(0.02mol)を溶解
し、窒素気流下で強攪拌しながら加熱し、約60℃で6
時間還流させた。
【0073】反応終了後、反応液を室温まで冷却させた
後、水中に投じて高分子化合物を沈殿させた。これを濾
取し、50℃で24時間真空乾燥させたところ、アルカ
リ可溶アクリル共重合体が100g得られた。モノマー
合計量からの収率は90%であった。得られたアルカリ
可溶アクリル共重合体1の重量平均分子量は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりプル
ラン標準、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶
媒で測定したところ50000であった。
【0074】(支持体の作成)厚さ0.30mmのアル
ミニウム板(材質1050、調質H16)を5重量%苛
性ソーダ水溶液中で65℃で1分間脱脂処理を行った
後、水洗し、0.5モル塩酸水溶液中で25℃、電流密
度60A/dmの条件下で30秒間電解エッチング処
理を行った。次いで5重量%苛性ソーダ水溶液中で60
℃、10秒間のデスマット処理を施した後、20重量%
硫酸水溶液中で温度20℃、電流密度3A/dmの条
件下で1分間陽極酸化処理を行った。さらに水洗し、続
いて80℃の珪酸ソーダ2.5%水溶液で20秒間封孔
処理を行った後、水洗し、支持体を作成した。
【0075】上記の通り作成した支持体上に、下記組成
を有する感光液1を乾燥重量が1.6g/mになるよ
うに塗布し、80℃の気流下で2分間乾燥し、感光性平
版印刷版試料を作成した。
【0076】 感光液1 光重合開始剤(下記参照) 0.2g 付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物(ペンタエリスリトールトリ アクリレート) 3g フィルム形成可能な高分子化合物(前記高分子化合物) 7g 感脂化剤(p−オクチルフェノール/フェノール樹脂) 1g トリフェニルメタン系色素(ビクトリアピュアブルーBOH、保土谷化学社製 ) 0.2g ポリアクリル酸40%水溶液(ジュリマーAC−10L、日本純薬社製) 0.6g フッ素系界面活性剤(フロラードFC430、3M社製) 0.1g 乳酸メチル 170g プロピレングリコールモノエチルエーテル 20g ジエチレングリコールモノメチルエーテル 10g
【0077】
【化4】
【0078】得られた感光性平版印刷版試料に、イース
トマンコダック社製ステップタブレット(1ステップの
透過濃度差0.15)とネガ像フィルム原稿を通し、平
版印刷版用焼付機を用い、2KWメタルハライドランプ
を使用して8mW/cmで30秒間露光した。
【0079】露光後の試料は、コニカ社製平版印刷版自
動現像機PSZ−910により現像処理した。自動現像
機の現像槽には下記組成の現像液を仕込み、水洗槽には
水道水を仕込んだ。またガム槽にはガム液である下記組
成の不感脂化剤1を仕込んだ。このような条件で現像処
理を行い、印刷用試料を得た。このときの版面上に生じ
たガム液の塗布ムラを目視で評価し、塗布性評価とし
た。
【0080】得られた平版印刷版試料を用いて、ハイデ
ルベルグGTO印刷機で印刷し、インキ着肉性を評価し
た。インキ着肉性は、印刷の初期段階で印刷物の画像部
に正常にインキが着肉するまでの枚数を比較することに
より評価した。また、これらの評価とは別途に液の保存
性を評価した。保存性は50mlの不感脂化剤1を2℃
で2日間保存した後、室温に戻すという作業を5回繰り
返し、沈殿や分離の様子を目視で評価した。評価結果を
表1に示す。
【0081】 現像液{pH12.9(25℃)} 珪酸カリウム 20g 水酸化カリウム 25g 水 1000g
【0082】 不感脂化剤1 酵素分解デキストリン 50g クリームデキストリン 100g 燐酸デンプン 100g フッ素系界面活性剤(フロラードFC−430、3M社製) 1g 安息香酸 1g 燐酸 5g 燐酸カリウム 2g 純水 750g
【0083】実施例2 実施例1の不感脂化剤1を下記組成の不感脂化剤2に代
えた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版試料
を得、得られた感光性平版印刷版試料について実施例1
と同様に塗布性、着肉枚数、印刷汚れについて評価し
た。また不感脂化剤2について実施例1の不感脂化剤1
と同様に液保存性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0084】 不感脂化剤2 酵素分解デキストリン 50g クリームデキストリン 100g 燐酸デンプン 100g ベンジルアルコール 0.3g ジオクチルスルホコハク酸Na 2g ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 2g 安息香酸 1g 燐酸 5g 燐酸カリウム 2g 純水 750g
【0085】実施例3 実施例1の不感脂化剤1を下記組成の不感脂化剤3に代
えた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版試料
を得、得られた感光性平版印刷版試料について実施例1
と同様に塗布性、着肉枚数、印刷汚れについて評価し
た。また不感脂化剤3について実施例1の不感脂化剤1
と同様に液保存性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0086】 不感脂化剤3 酵素分解デキストリン 50g 燐酸デンプン 100g CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム塩) 5g ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 2g 安息香酸 1g 燐酸 5g 燐酸カリウム 2g 純水 750g
【0087】実施例4 実施例1の不感脂化剤1を下記組成の不感脂化剤4に代
えた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版試料
を得、得られた感光性平版印刷版試料について実施例1
と同様に塗布性、着肉枚数、印刷汚れについて評価し
た。また不感脂化剤4について実施例1の不感脂化剤1
と同様に液保存性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0088】 不感脂化剤4 酵素分解デキストリン 100g クリームデキストリン 50g CMC 10g ジオクチルスルホコハク酸Na 2g 安息香酸 1g 燐酸 5g 燐酸カリウム 2g 純水 750g
【0089】実施例5 実施例1の不感脂化剤1を下記組成の不感脂化剤5に代
えた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版試料
を得、得られた感光性平版印刷版試料について実施例1
と同様に塗布性、着肉枚数、印刷汚れについて評価し
た。また不感脂化剤5について実施例1の不感脂化剤1
と同様に液保存性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0090】 不感脂化剤5 酵素分解デキストリン 100g CMC 10g ジオクチルスルホコハク酸Na 1g ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 2g 安息香酸 1g 燐酸 5g 燐酸カリウム 2g 純水 750g
【0091】実施例6 実施例1の不感脂化剤1を下記組成の不感脂化剤6に代
えた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版試料
を得、得られた感光性平版印刷版試料について実施例1
と同様に塗布性、着肉枚数、印刷汚れについて評価し
た。また不感脂化剤6について実施例1の不感脂化剤1
と同様に液保存性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0092】 不感脂化剤6 酵素分解デキストリン 100g クリームデキストリン 50g CMC 2g ラウリル硫酸Na 1.2g ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 2g 安息香酸 1g 燐酸 5g 燐酸カリウム 2g 純水 750g
【0093】実施例7 実施例1の不感脂化剤1を下記組成の不感脂化剤7に代
えた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版試料
を得、得られた感光性平版印刷版試料について実施例1
と同様に塗布性、着肉枚数、印刷汚れについて評価し
た。また不感脂化剤7について実施例1の不感脂化剤1
と同様に液保存性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0094】 不感脂化剤7 酵素分解デキストリン 100g CMC 10g ポリオキシエチレンアルキルフェニルスルホン酸Na 1g ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 3g 安息香酸 1g 燐酸 5g 燐酸カリウム 2g 純水 750g
【0095】実施例8 実施例1の不感脂化剤1を下記組成の不感脂化剤8に代
えた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版試料
を得、得られた感光性平版印刷版試料について実施例1
と同様に塗布性、着肉枚数、印刷汚れについて評価し
た。また不感脂化剤8について実施例1の不感脂化剤1
と同様に液保存性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0096】 不感脂化剤8 酵素分解デキストリン 100g 燐酸デンプン 50g CMC 10g ドデシルベンゼンスルホン酸Na 0.7g ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 2g 安息香酸 1g 燐酸 5g 燐酸カリウム 2g 純水 750g
【0097】実施例9 実施例1の不感脂化剤1を上記不感脂化剤8に代え、感
光液1を下記組成の感光液2に代えた以外は実施例1と
同様にして感光性平版印刷版試料を得、得られた感光性
平版印刷版試料について実施例1と同様に塗布性、着肉
枚数、印刷汚れについて評価した。評価結果を表1に示
す。
【0098】 感光液2 光重合開始剤(前記参照) 0.2g 付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物(ペンタエリスリトールトリ アクリレート) 3g フィルム形成可能な高分子化合物(前記高分子化合物) 7g S−381 0.2g トリフェニルメタン系色素(ビクトリアピュアブルーBOH、保土谷化学社製 ) 0.2g ポリアクリル酸40%水溶液(ジュリマーAC−10L、日本純薬社製) 0.6g フッ素系界面活性剤(フロラードFC430、3M社製) 0.1g 乳酸メチル 170g プロピレングリコールモノエチルエーテル 20g ジエチレングリコールモノメチルエーテル 10g
【0099】比較例1 実施例1の不感脂化剤1を上記不感脂化剤8に代え、感
光液1を下記組成の感光液3に代えた以外は実施例1と
同様にして感光性平版印刷版試料を得、得られた感光性
平版印刷版試料について実施例1と同様に塗布性、着肉
枚数、印刷汚れについて評価した。評価結果を表1に示
す。
【0100】 感光液3 光重合開始剤(前記参照) 2g 付加重合性不飽和結合を有する重合可能な化合物(ペンタエリスリトールトリ アクリレート) 3g フィルム形成可能な高分子化合物(前記高分子化合物) 7g トリフェニルメタン系色素(ビクトリアピュアブルーBOH、保土谷化学社製 ) 0.2g ポリアクリル酸40%水溶液(ジュリマーAC−10L、日本純薬社製) 0.6g フッ素系界面活性剤(フロラードFC430、3M社製) 0.1g 乳酸メチル 170g プロピレングリコールモノエチルエーテル 20g ジエチレングリコールモノメチルエーテル 10g
【0101】比較例2 実施例1の不感脂化剤1を下記組成の不感脂化剤9に代
えた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版試料
を得、得られた感光性平版印刷版試料について実施例1
と同様に塗布性、着肉枚数、印刷汚れについて評価し
た。また不感脂化剤9について実施例1の不感脂化剤1
と同様に液保存性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0102】 不感脂化剤9 酵素分解デキストリン 100g 燐酸デンプン 50g ベンジルアルコール 20g ジオクチルスルホコハク酸Na 3g 安息香酸 1g 燐酸 5g 燐酸カリウム 2g 純水 750g
【0103】比較例3 実施例1の不感脂化剤1を下記組成の不感脂化剤10に
代えた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版試
料を得、得られた感光性平版印刷版試料について実施例
1と同様に塗布性、着肉枚数、印刷汚れについて評価し
た。また不感脂化剤10について実施例1の不感脂化剤
1と同様に液保存性を評価した。評価結果を表1に示
す。
【0104】 不感脂化剤10 酵素分解デキストリン 100g クリームデキストリン 50g 安息香酸 1g 燐酸 5g 燐酸カリウム 2g 純水 750g
【0105】
【表1】 評価基準 ◎ :全く問題無し ○ :◎より少し劣るが実用上問題無し ○△:○と比較し明らかに劣るが実用可能なレベル △ :実用上問題有り × :実用不可
【0106】
【発明の効果】本発明によれば、高pH且つ溶剤フリー
の現像液で現像しても、着肉性が十分でしかも塗布性も
良好であり、印刷汚れのない感光性平版印刷版の製造方
法を提供することができる。更に本発明によれば、不感
脂化剤の液保存性も良好であるという効果も有してい
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)分子内に2個以上の付加重合性不飽
    和結合を有する化合物、(b)光重合開始剤、(c)感
    脂化剤を含有する感光性組成物を支持体上に塗布して得
    られる感光性平版印刷版を、25℃におけるpHが12
    以上で且つ実質的に有機溶媒を含まない水性アルカリ現
    像液で現像した後、(d)親水性有機高分子化合物、
    (e)界面活性剤0.01〜0.5重量%、及び(f)
    酸を含有し且つ有機溶媒含量が0.05重量%以下の不
    感脂化剤で処理することを特徴とする感光性平版印刷版
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記(c)感脂化剤が、スチレン−無水マ
    レイン酸共重合体のハーフエステル化合物、長鎖アルキ
    ル基含有のノボラック樹脂、p−ヒドロキシスチレンと
    脂肪酸のエステル化合物のいずれかであることを特徴と
    する請求項1記載の感光性平版印刷版の製造方法。
  3. 【請求項3】前記(e)界面活性剤がアニオン活性剤か
    ら少なくとも1種、及びノニオン活性剤から少なくとも
    1種選ばれた混合物であり、ノニオン活性剤の添加量比
    がアニオン活性剤の添加量比に対し100〜500重量
    %であることを特徴とする請求項1又は2記載の感光性
    平版印刷版の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008076972A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Fujifilm Corp 画像形成方法および平版印刷版の作製方法

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