JPH091094A - 超音波洗浄機用洗浄物容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】密着し合って存在するリードフレーム間に隙間
を生じさせ、この隙間より前記洗浄液が侵入して洗浄を
行う洗浄物容器を提供する。 【構成】被洗浄物、例えばリードフレーム６を収納する
洗浄物容器において、前記被洗浄物例えばリードフレー
ム６と接触する前記洗浄物容器の部材４に微小突起物５
を設けたことを特徴とする。炭化水素系溶剤洗浄液のよ
うな脱脂力が小な洗浄液を用いる洗浄物容器において、
密着し合って存在するリードフレーム間に隙間を生じさ
せ、この隙間を通じて前記洗浄液が侵入し、効果的な洗
浄ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、被洗浄物を収納する超
音波洗浄機用洗浄物容器に係り、被洗浄物をＩＣおよび
トランジスタ用リードフレームとし、洗浄液に炭化水素
等を用いる超音波洗浄機用洗浄物容器に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、半導体集積回路素子のパッケージ
ングには、リードフレームが用いられている。このリー
ドフレームは、前記回路素子を積載する中央部とその周
辺の複数の外部リード部とを多数連続的に形成したもの
で、前記中央部および外部リード部の先端部には貴金属
めっきが施されている。前記リードフレームは、鉄、
銅、およびこれらの合金の薄板または条材を素材とし、
この素材をプレス打ち抜き加工を施して不要部分を除
き、前記貴金属めっきを施すことにより製造するもので
ある。

【０００３】上記貴金属めっきを行うに先立ち、前記プ
レス打ち抜き加工時のプレス油を除去し、その表面を活
性化させるため、洗浄が施されていた。前記洗浄工程は
重要な工程であり、貴金属めっき形成の良否を左右する
ものであった。

【０００４】従来においては、トリクロルエチレンまた
はテトラクロルエチレン等の油脂溶解能が大きい有機溶
剤を用いた超音波洗浄がなされていた。なお、超音波の
周波数は、数十ｋＨｚから数百ｋＨｚである。

【０００５】前記のような有機溶剤を用いる超音波洗浄
方法における被洗浄物を収納する洗浄機用洗浄物容器
（以下、単に洗浄物容器という）について、図３、４、
５を参照して説明する。図３は、従来における被洗浄物
を収納する洗浄物容器の一例を示す上面図、図４は、図
３の洗浄物容器の断面図、図５は、従来における被洗浄
物を収納する洗浄物容器の他の一例を示す説明図であ
る。

【０００６】図３、４に示す如く、ステンレス製の外枠
１の底面部に、ステンレス製の丸棒２を縦横（図示では
上下、左右）交互に組み合わせて構成した洗浄物容器を
使用していた。

【０００７】また、図５に示す如く、ステンレス製の丸
材で網目３を編んだ洗浄物容器を使用していた。

【０００８】このような洗浄物容器の底面部には隙間が
設けてあり、超音波振動の伝達が容易となるようになっ
ている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記のような洗浄物容
器は、トリクロルエチレンまたはテトラクロルエチレン
等の脱脂力の大である有機溶剤が用いられている場合に
は、なんらその機能に支障がなかった。しかし、前記ト
リクロルエチレン等の有機溶剤が毒性があること、廃液
処理に環境上の問題があること等のため、炭化水素系溶
剤が洗浄液に用いられるようになってきた。

【００１０】上記炭化水素系溶剤洗浄液は脱脂力が小で
あり、例えばリードフレームを従来の洗浄物容器に収納
して洗浄した際、この洗浄液の浸透性が劣るため、密着
しあったリードフレーム間に付着している前記プレス加
工時のプレス打ち抜き油が除去しにくいという問題があ
った。

【００１１】より具体的に説明すると、従来の洗浄物容
器に収納する場合、短冊形のリードフレームを外枠部を
下方にして密着して積載するが、洗浄時に洗浄液を浸透
させるために、いわゆるバラケさせるのは、その表面が
滑らかでないため困難であり、洗浄不足の原因となると
いう問題があった。

【００１２】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、炭化水素系溶剤洗浄液のよう
な脱脂力が小な洗浄液を用いる洗浄物容器において、密
着し合って存在するリードフレーム間に隙間を生じさ
せ、この隙間を通じて前記洗浄液が侵入し、効果的な洗
浄が行える超音波洗浄機用洗浄物容器を提供することを
その目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る超音波洗浄機用洗浄物容器の構成は、
被洗浄物を収納する超音波洗浄機用洗浄物容器におい
て、前記被洗浄物と接触する前記洗浄物容器の部材に微
小突起物を設けたことを特徴とするものである。前項１
記載の超音波洗浄機用洗浄物容器において、前記微小突
起物は、円錐状または角錐状のいずれかとし、高さを
０．３〜０．５mm、直径を０．３〜０．５mmとしたこと
を特徴とするものである。

【００１４】

【作用】上記各技術的手段の働きは次のとおりである。

【００１５】本発明の構成によれば、被洗浄物と接触す
る洗浄物容器の部材、すなわちリードフレームと接触す
るステンレス製の丸材に微小突起を設けることにより、
超音波振動エネルギーにより洗浄液が振動し、その振動
により前記微小突起がリードフレーム間に入りこみ、い
わゆるバラケさせ、隙間を生じさせる。これにより前記
リードフレームを洗浄しやすくなり、この隙間から洗浄
液が浸透し、前記リードフレームを効果的に洗浄する。

【００１６】

【実施例】以下、本発明に係る一実施例を図１および図
２を参照して説明する。

【００１７】図１は、本発明の一実施例に係る洗浄物容
器の構成部材の拡大図、図２は、図１の実施例の洗浄物
容器における被洗浄物の収納状態説明図である。図１、
２において、４は、洗浄物容器の構成部材であるステン
レス丸材、５は、ステンレス丸材に設けた微小突起、６
は、被洗浄物であるリードフレームである。

【００１８】図１に示す如く、洗浄物容器の枠を構成す
る部材であるステンレス丸材４に微小突起５を付設し
た。図２に示す如く、被洗浄物であるリードフレーム６
を前記洗浄物容器に収納する際は、前記微小突起５上に
当該リードフレーム６を密着させて隙間なく載置させ
る。

【００１９】いま、超音波洗浄機において、炭化水素系
溶剤の洗浄液中にて洗浄作業がなされると、超音波振動
により前記洗浄液が振動し、この振動により前記微小突
起５が密着しているリードフレーム６の層間に入り込
み、隙間を生じさせる。

【００２０】この隙間より前記洗浄液が侵入し、前記リ
ードフレーム６に付着している汚染物、例えばプレス打
ち抜き油が除去される。前記微小突起物は、前記リード
フレーム６の形状にもよるが、円錐状または角錐状のい
ずれかとし、高さを０．３〜０．５mm、直径を０．３〜
０．５mmとすることが効果的である。また、この微小突
起物は、溶着により容易に形成することができる。

【００２１】上記のようにして、炭化水素系溶剤の洗浄
液中においても、顕著な洗浄効果のある洗浄物容器が得
られる。

【００２２】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の構
成によれば、炭化水素系溶剤洗浄液のような脱脂力が小
な洗浄液を用いる超音波洗浄機用洗浄物容器において、
密着し合って存在するリードフレーム間に隙間を生じさ
せ、この隙間を通じて前記洗浄液が侵入し、効果的な洗
浄が行える超音波洗浄機用洗浄物容器を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る洗浄物容器の構成部材
の拡大図である。

【図２】図１の実施例の洗浄物容器における被洗浄物収
納状態説明図である。

【図３】従来における被洗浄物を収納する洗浄物容器の
一例を示す上面図である。

【図４】図３の洗浄物容器の断面図である。

【図５】従来における被洗浄物を収納する洗浄物容器の
他の一例を示す説明図である。

【符号の説明】

１ ステンレス製の外枠 ２ ステンレス製の丸棒 ３ ステンレス製の丸材の網目 ４ ステンレス丸材 ５ 微小突起 ６ リードフレーム

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被洗浄物を収納する超音波洗浄機用洗浄物
   容器において、前記被洗浄物と接触する前記洗浄物容器
   の部材に微小突起物を設けたことを特徴とする超音波洗
   浄機用洗浄物容器。
2. 【請求項２】請求項１記載の超音波洗浄機用洗浄物容器
   において、前記微小突起物は、円錐状または角錐状のい
   ずれかとし、高さを０．３〜０．５mm、直径を０．３〜
   ０．５mmとしたことを特徴とする超音波洗浄機用洗浄物
   容器。