JPH0910945A - アーク溶接用パワーケーブル - Google Patents

アーク溶接用パワーケーブル

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JPH0910945A
JPH0910945A JP15741495A JP15741495A JPH0910945A JP H0910945 A JPH0910945 A JP H0910945A JP 15741495 A JP15741495 A JP 15741495A JP 15741495 A JP15741495 A JP 15741495A JP H0910945 A JPH0910945 A JP H0910945A
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JP
Japan
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conductor
magnetic flux
power cable
conductors
cable
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JP15741495A
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Inventor
Hitoshi Matsui
仁志 松井
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】軽量性、作業性及びノイズ低減性を備えたアー
ク溶接用パワーケーブルを提供すること。 【構成】このパワーケーブル1は複数本の分割ケーブル
2を連結して構成されている。分割ケーブル2の本体部
3は、同軸的に配置された中心導体と外周導体とをも
ち、漏れ磁束低減効果を備えている。分割ケーブル2の
端末部4は、非同軸的に配置された第1導体41と第2
導体42とをもつ。隣設する第1導体41同士を端子ブ
ロック50を介して接続し、隣設する第2導体42同士
を端子ブロック55を介して接続する。接続部分は磁気
遮蔽カバー6で覆われている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパルスアーク溶接等
に使用されるアーク溶接用パワーケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】アーク溶接用パワーケーブル(以下パワ
ーケーブルともいう)として、図10に示す様に、中心
導体100と、中心導体100に対して同軸的に並走す
る外周導体200と、内絶縁層300と、外絶縁層40
0とからなるものが知られている(特開平3−8583
号公報)。
【0003】中心導体100に電流が流れるとアンペア
の右ねじの法則に基づき、中心導体100の回りに同芯
円状の磁束が発生する。この磁束はノイズの要因となり
易い。特にパルスアーク溶接の場合には、大電流である
パルス電流の立ち上がりや立ち下がりが短時間のうちに
頻繁に繰り返されるので、電磁誘導により誘導起電力が
発生し易く、ノイズの要因となり易い。従ってノイズを
嫌う信号線をパワーケーブルから相当な距離離して設置
する必要がある。この場合には、パワーケーブルの配線
と信号線の配線とを個別にしなければならず、配線コス
トのアップが誘発される。
【0004】そこで図10に示すパワーケーブルにおい
て、中心導体100の電流が流れる方向と、外周導体2
00の電流が流れる方向とを逆にすれば、中心導体10
0の回りに生成される磁束の向きと、外周導体200の
回りで生成される磁束の向きとは逆となり、互いに打ち
消し合い、相殺効果によりノイズの低減を図り得る技術
が上記公報に開示されている。
【0005】例えば、中心導体100に流れる電流に基
づいて、中心導体100の回りに時計方向の磁束が生じ
る場合には、外周導体200に流れる電流に基づいて、
外周導体200の回りに反時計方向の磁束が生じる。従
って、互いに逆向きの磁束ベクトルが打ち消し合う様に
作用するので、磁束ベクトルが相殺されて、ノイズの低
減を図り得る。従って、パワーケーブルに近接した位置
に信号線を併設することも可能となり、パワーケーブル
の配線と信号線の配線とを同時に行うことが可能とな
り、配線コストの低減に有利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
パワーケーブルによれば、中心導体100と外周導体2
00とが同軸的配置で一体的に形成されているため、ケ
ーブル本数は半分となるものの、パワーケーブル1本当
たりの重量が約2倍となる。そのため電源から負荷まで
の距離が長い場合には、重量あるパワーケーブルの長さ
が長くなり、パワーケーブルを設置する作業が面倒とな
り、設置に多人数を要する問題が生じる。
【0007】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、ノイズ低減効果をもつパワーケーブルを長さ方
向に分割した分割ケーブルを採用すると共に、漏れ磁束
を生じやすい分割ケーブルの端末部の接続に工夫をこら
すことにより、パワーケーブルを設置する作業の容易化
を図ると共に、分割ケーブルの端末部からの漏れ磁束を
抑えてノイズ低減に有利であり、従ってノイズを嫌う信
号線を併設することもできるアーク溶接用パワーケーブ
ルを提供することを、解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のアーク溶接用パ
ワーケーブルは、一端側から他端側に向けて電流が流れ
る中心導体と、中心導体に対して同軸的に並走し中心導
体の電流方向と逆の方向に電流が流れる外周導体と、外
周導体と中心導体とを電気的に絶縁する絶縁層とを備え
たアーク溶接用パワーケーブルであって、アーク溶接用
パワーケーブルは、ケーブル長方向の所望位置で分割さ
れた少なくとも2本の分割ケーブルで構成され、分割ケ
ーブルの端末部は、中心導体につながる第1導体と、第
1導体に対して離間して非同軸的に並設され外周導体に
つながる第2導体とを備え、更に分割ケーブルの端末部
は、隣設する分割ケーブルの第1導体同士を接続すると
共に第2導体同士を接続し且つ第1導体及び第2導体か
らの磁束の漏れを抑える接続手段を備えていることを特
徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明のパワーケーブルによれば、中心導体に
電流が流れる。外周導体にも、中心導体の電流方向と逆
の方向に電流が流れる。従って、中心導体に流れる電流
に基づいて発生する磁束の向きと、外周導体に流れる電
流に基づいて発生する磁束の向きは共に、同軸的である
ものの、磁束ベクトルの向きは逆である。従って両者の
磁束は実質的に相殺される。
【0010】この結果図10に示す従来技術と同様に、
パワーケーブルにおいては漏れ磁束は、低減あるいは消
失化する。しかしながら、本発明のパワーケーブルは、
搬送作業の低減、配線作業の低減等の理由により、ケー
ブル長方向の所望位置で分割した分割ケーブルを採用し
ている。そして分割ケーブルの端末部のうち、中心導体
につながる第1導体と、外周導体につながる第2導体と
は、互いに離間して非同軸的に並設されている。その理
由は、隣設する分割ケーブルの第1導体同士を電気的に
接続するため、第2導体同士を電気的に接続するためで
ある。
【0011】この様な構造の分割ケーブルの端末部にお
いては、第1導体及び第2導体が非同軸的配置であるた
め、磁束の相殺効果は薄まる。そのためノイズが誘発さ
れるおそれがある。この点本発明のパワーケーブルによ
れば、分割ケーブルの端末部は、隣設する分割ケーブル
の第1導体同士を接続すると共に第2導体同士を接続す
る接続手段を備え、接続手段は磁束の漏れを抑える機能
を備えている。そのため分割ケーブルの端末部からの漏
れ磁束は低減または回避される。
【0012】
【発明の実施の態様】本発明のパワーケーブルは次の
(1)(2)の様な態様で実施できる。 (1)この態様では、分割ケーブルの端末部は、図1に
例示した様に、隣設する分割ケーブルの第1導体同士を
第1端子ブロックを介して電気的に接続すると共に、第
2導体同士を第2端子ブロックを介して電気的に接続す
る。
【0013】ここで、第1導体及び第2導体は非同軸的
に並設されているため、第1導体及び第2導体から磁束
が外方に漏れ易い。そこでこの態様によれば、透磁率が
高い強磁性体で形成した磁気遮蔽カバーを接続手段とし
て利用し、第1導体、第2導体、第1端子ブロック及び
第2端子ブロックの回りを磁気遮蔽カバーで覆った状態
で、第1導体同士を接続すると共に第2導体同士を接続
する。これにより磁束が漏れたとしても、その磁束は磁
気遮蔽カバーを通り、結果として磁気遮蔽カバーの外方
には漏れにくくなる。そのため漏れ磁束低減効果が高ま
り、ノイズを嫌う信号線をパワーケーブルの近傍に配線
することも可能となる。 (2)この態様では、図6に例示した様に、分割ケーブ
ルの端末部に係る第1導体は1本であり、1本の第1導
体の回りの周方向において複数本の第2導体が均等間隔
で配置される様に、接続手段で第1導体同士、第2導体
同士を接続する。そして、1本の第1導体に流れる電流
の大きさと、複数本の第2導体に流れる合計電流の大き
さとを等しくする。この様にすれば第2導体の外側にお
いては、第1導体で生成した磁束と第2導体で生成した
磁束とが打ち消し合い易い。よって相殺効果により漏れ
磁束の低減に有利である。
【0014】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の実施例1を図1〜図3を参
照して説明する。本実施例のパワーケーブル1の全体構
成は図1に示されている。図1から理解できる様にパワ
ーケーブル1は、ケーブル長方向の所望位置で分割され
た複数本の分割ケーブル2を連結することにより構成さ
れている。
【0015】1本の分割ケーブル2は、所定長さ伸びる
本体部3と、本体部3の端部である端末部4とで構成さ
れている。図2は分割ケーブル2の本体部3の横断面を
示す。本体部3は、導電性をもつ中心導体30と、中心
導体30と並走する導電性をもつ外周導体31と、内絶
縁層32と、外絶縁層33とで構成されている。中心導
体30及び外周導体31の軸芯は共にP1であり、両者
は同軸的配置である。
【0016】外周導体31及び中心導体30は導電材料
で形成されている。導電材料としては銅、アルミ等の金
属を採用できる。内絶縁層32は、外周導体31と中心
導体30とを電気的に絶縁するものであり、電気絶縁材
料で形成されている。外絶縁層33は、外周導体31に
被覆されて外周導体31を電気的に絶縁するものであ
り、電気絶縁材料で形成されている。なお電気絶縁材料
としては、無機材料、ゴム、樹脂、繊維、絶縁紙、エナ
メル等の少なくとも1種を採用できる。
【0017】本実施例においては外周導体31において
電流が流れる方向と、中心導体30において電流方向の
流れる方向とは逆である。また外周導体31を流れる電
流の大きさと、中心導体30を流れる電流の大きさとは
等しくされている。図3は分割ケーブル2の端末部4の
横断面を示す。分割ケーブル2の端末部4は、第1導体
41と第2導体42とを備えている。図3に示す様に第
1導体41と第2導体42とは、ケーブル幅方向におい
て距離Aぶん離間しており、第1導体41の軸芯P2と
第2導体42の軸芯P3とは離間している。従って第1
導体41と第2導体42とは、離間したまま非同軸的に
且つ略平行に並設されている。
【0018】第1導体41は中心導体30の端末部分を
構成するものであり、中心導体30と同一材質で形成さ
れている。第2導体42は外周導体31の端末部分を構
成するものであり、外周導体31と同一材質で形成され
ている。なお図1に示す様に第1導体41には端子41
cが結着されており、第2導体42には端子42cが結
着されている。
【0019】図3から理解できる様に第1導体41には
第1絶縁層43が被着されている。第2導体42には第
2絶縁層44が被着されている。第1絶縁層43及び第
2絶縁層44は前記した電気絶縁材料で形成されてい
る。図1から理解できる様に、隣設する分割ケーブル2
の第1導体41同士は、第1端子ブロック50に止め具
により着脱可能に連結されている。従って隣設する第1
導体41同士は第1端子ブロック50を介して電気的に
接続されている。第2導体42同士は、第2端子ブロッ
ク55に止め具により着脱可能に連結されている。従っ
て隣設する第2導体42同士は第2端子ブロック55を
介して電気的に接続されている。なお第1端子ブロック
50及び第2端子ブロック55は導電材料で形成されて
いる。
【0020】更に磁気遮蔽カバー6及び接続ブロック6
0が設けられている。磁気遮蔽カバー6は、透磁率が高
い強磁性体(例えば炭素鋼板、珪素鋼板、鉄アモルファ
ス板)により箱形状に形成されている。接続ブロック6
0により第1端子ブロック50、第2端子ブロック55
が磁気遮蔽カバー6内に保持されている。従って磁気遮
蔽カバー6は、第1導体41、第2導体42、第1端子
ブロック50、第2端子ブロック55を外側から包囲し
ている。
【0021】なお第1端子ブロック50、第2端子ブロ
ック55、磁気遮蔽カバー6及び接続ブロック60が本
実施例に係る接続手段として作用する。接続手段は、第
1導体41同士を接続すると共に第2導体42同士を接
続する接続機能と、第1導体41や第2導体42からの
漏れ磁束を防止する機能とを兼ね備える。このパワーケ
ーブル1によれば、中心導体30に往路の電流が矢印X
1方向(図1参照)に流れると仮定する。よって外周導
体31には復路の電流が中心導体30の電流方向と逆の
方向、つまり矢印X2方向(図1参照)に電流が流れ
る。
【0022】従って図2に一点鎖線で模式的に示す様
に、中心導体30に流れる往路電流に基づいて、中心導
体30の軸芯P1の回りに矢印B1方向に磁束F1が発
生する。また外周導体31に流れる復路電流に基づい
て、外周導体31の軸芯P1の回りに矢印B2方向に磁
束F2が発生する。この様に磁束F1と磁束F2とは軸
芯P1を中心とするものであり、両者は同軸的つまり同
芯円状である。かつ往路電流の値と復路電流の値とは等
しいため、磁束F1と磁束F2とは、基本的に同様の大
きさである。しかし磁束F1と磁束F2の向きは逆であ
る。従って両者は磁束ベクトルが打ち消し合い、基本的
には相殺される。この様な相殺効果により、図8に示す
従来技術と同様に、パワーケーブル1の本体部3におい
て発生する漏れ磁束は、大幅に低減あるいは消失化す
る。
【0023】しかしながら図3に示す様に分割ケーブル
2の端末部4によれば、磁束の同軸性が乏しく相殺効果
が薄いため、第1導体41と第2導体42からの磁束が
漏れるおそれがある。即ち、図3に示す様に第1導体4
1と第2導体42とは距離Aぶん離間しており、非同軸
的に且つ略平行に並設されている。ここで第1導体41
に流れる往路電流に基づいて、第1導体41の軸芯P2
の回りに生じた磁束をF1a 及びF1 a ’で代表し、こ
れを図3において一点鎖線で示す。磁束F1a は軸芯P
2から半径r1 離れた位置における磁束を示し、磁束F
a ’は軸芯P2から半径r2離れた位置における磁束
を示す。磁束F1a 及びF1a ’は矢印C1方向であ
り、図2に示す矢印B1方向と同方向である。半径r1
は半径r2 よりも小さいため、磁束F1a は磁束F
a ’よりも大きい(F1a >F1a ’)。その理由
は、ビオサバールの法則によれば、電流I〔A〕が流れ
ている導体から距離r〔m〕離れた位置に生じる磁界の
強さH〔A/m〕は、rの二乗に反比例するからであ
る。
【0024】また図3においてもう一方の第2導体42
に流れる復路電流に基づいて、第2導体42の軸芯P3
の回りに生じた磁束をF2a 及びF2a ’で代表し、こ
れを図3において一点鎖線で示す。磁束F2a は軸芯P
3から半径r1 離れた位置における磁束を示す。磁束F
a ’は軸芯P3から半径r2 離れた位置における磁束
を示す。磁束F2a 及びF2a ’は矢印C2方向であ
り、図2に示す矢印B2方向と同方向である。なお半径
1 は半径r2 よりも小さいため、磁束F2a はF
a ’よりも大きい。
【0025】ところで図3から理解できる様に磁束F1
a は軸芯P2を中心とする。磁束F2a は軸芯P3を中
心とする。従って磁束F1a と磁束F2a とは非同軸的
つまり非同芯円状である。同様に磁束F1a ’と磁束F
a ’も非同軸的つまり非同芯円状である。この様に非
同軸的であれば、分割ケーブル2の端末部4において
は、逆向きの磁束ベクトルが打ち消し合って相殺する相
殺効果は薄まる。
【0026】例えば図3において軸芯P2を中心とする
α点の磁束F1a には、軸芯P3を中心とする磁束F2
a ’が逆向きで作用する。このとき磁束F1a と磁束F
a’は向きが反対であるものの、大きさは等しくな
い。つまり磁束F1a は磁束F2a ’よりも大きい(F
a >F2a ’)。従ってこの様な端末部4においては
相殺効果は薄い。
【0027】この様に端末部4においては相殺効果が薄
いため、パワーケーブル1の通電時に、端末部4から漏
れ磁束が生じ、大電流の立ち上がり、立ち下がりが頻繁
に生じると、ノイズが誘発されるおそれがある。この点
本実施例のパワーケーブル1によれば、ノイズを誘発す
るおそれがある分割ケーブル2の端末部4は、磁気遮蔽
カバー6で覆われている。そのため、第1導体41及び
第2導体42への通電に起因して生成した漏れ磁束は、
透磁率が高い強磁性体からなる磁気遮蔽カバー6の壁体
の内部を通る様になる。よってノイズの要因となる漏れ
磁束は、大幅に低減または消失化する。
【0028】そのため本実施例によれば図1に示す様
に、ノイズを嫌う信号線7を磁気遮蔽カバー6の外面に
配線することも可能となる。この場合には、取付ブラケ
ット63を介してあるいは粘着テープを介して、磁気遮
蔽カバー6に配線することができる。従ってパワーケー
ブル1の配線と信号線7の配線との併設作業が可能とな
り、配線コストの低減に有利である。なお取付ブラケッ
ト63は非磁性体で形成することが好ましい。信号線7
は、制御信号のための制御線、通信信号のための通信線
等を採用できる。
【0029】本実施例は電流の立ち上がり、立ち下がり
が頻繁に生じるパルスアーク溶接に適するものである
が、これに限られものではなく、アーク溶接一般のパワ
ーケーブルに適用できる。 (実施例2)次に、本発明の実施例2を図4〜図6を参
照して説明する。
【0030】この例は実施例1と基本的には同様の構成
である。以下異なる部分を中心として説明する。本実施
例のパワーケーブル1の全体構成は図4に示されてい
る。パワーケーブル1は、実施例1と同様に複数本の分
割ケーブル2をケーブル長方向に連結して構成されてい
る。この例においても分割ケーブル2の本体部3の横断
図は、図2と同じ形態である。
【0031】図4から理解できる様に、分割ケーブル2
の端末部4は、第1導体41と第2導体42とを備えて
いる。図4から理解できる様に、分割ケーブル2の端末
部4は保護箱66で覆われている。保護箱66は強磁性
体で形成しても良いし、樹脂やセラミックスで形成して
も良い。強磁性体で形成すれば、漏れ磁束が強磁性体を
通るので、それよりも外方へ漏れることを抑えることが
でき、実施例1と同様に磁気遮蔽効果を一層高め得る。
【0032】図5に示す様に保護箱66内において、ベ
ークライト等の電気絶縁材料で形成した固定台70が止
め具71等により固定されている。固定台70に、導電
材料からなる第1端子ブロック50及び第2端子ブロッ
ク55が保持されている。隣設する第1導体41同士
は、保護箱66内において、第1端子ブロック50に止
め具50fにより着脱可能に連結されており、第1導体
41同士は第1端子ブロック50を介して電気的に接続
されている。また保護箱66内において、隣設する第2
導体42同士は、第2端子ブロック55に止め具55f
により着脱可能に連結されており、第2導体42同士は
第2端子ブロック55を介して電気的に接続されてい
る。固定台70、第1端子ブロック50、第2端子ブロ
ック55及び保護箱66が接続手段として機能する。
【0033】図6は分割ケーブル2の端末部4付近の配
置関係を示す。図6(A)は第2導体42の配置関係を
示し、図6(B)は第1導体41を示す。図6(C)に
示す様に1本の第1導体41の軸芯P5を中心とする仮
想円N1にそって、4本の第2導体42が90度間隔で
均等配置されている。従って各第2導体42は、ケーブ
ル幅方向において第1導体41に対して距離A離間して
おり、離間したまま第1導体41に対して非同軸的に且
つ略平行に並設されている。なお各第2導体42は同径
及び同材質である。
【0034】図6(A)に示す様に軸芯P5を中心とす
る仮想円N1にそって4本の第2導体42が均等間隔で
配置されている場合には、各第2導体42に流れる復路
電流の大きさが同じで、電流の向きも同じとしたら(即
ち、前記した実施例1における第2導体42の電流の向
きと同じ)、4本の第2導体42に流れる電流に基づい
て発生する磁束は、第2導体42の外側では、基本的に
は軸芯P5の同心円状つまり同軸的であり、矢印E2方
向に向かう。
【0035】一方、図6(B)に示す様に、第1導体4
1に流れる往路電流に基づいて発生する磁束は、軸芯P
5と同心円状であり、矢印E1方向に向かう。この様な
本実施例によれば1本の第1導体41に流れる電流の大
きさと、複数本の第2導体42に流れる合計電流の大き
さとを等しくすれば、第2導体42の外側つまり仮想円
N1の外側では、互いに逆向きの磁束ベクトルが実質的
に打ち消し合って、磁束を相殺する相殺効果が高まり、
ノイズの低減に有利である。
【0036】理論上は次の様に考えられる。即ち、図6
(A)において軸芯P5から距離r 5 離れた位置におけ
る磁束の強さをHa とし、第2導体42の本数をNと
し、1本あたりの第2導体42の電流値をIn とする。
距離r5 は仮想円N1の半径よりも大きく設定する。す
ると、Ha は、Ha =(N・In )/(2π・r5 )で
基本的には示される。また図6(B)において軸芯P5
から距離r5 離れた位置における磁束の強さをHb
し、第1導体41の電流値をIとすると、Hb は、Hb
=I/(2π・r5 )で基本的には示される。ここで、
第1導体41の往路電流と第2導体42の復路電流とが
等しいため、N・In =Iとなり、従ってH a の大きさ
とHb の大きさとは等しくなる(Ha =Hb )。そして
a とHb とは向きが逆であるため、互いに相殺される
と考えられる。
【0037】更に本実施例によれば、前述した様に保護
箱66を強磁性体で形成した場合には、漏れ磁束が仮に
発生するとしても、その漏れ磁束は、透磁率が高い強磁
性体からなる保護箱66の壁体の内部を通る様になる。
よってノイズの要因となる磁束の漏れは、大幅に低減ま
たは消失化する。そのため図5に示す様にパワーケーブ
ル1に対して接近した位置において、ノイズを嫌う信号
線7を保護箱66に取付ブラケット67を介して配線す
ることも可能となる。従ってパワーケーブル1の配線と
信号線7の配線との併設作業が可能となり、配線コスト
の低減に有利である。
【0038】上記した実施例では第2導体42は4本で
あるが、これに限定されるものではない。例えば第2導
体42が6本である場合には、第1導体41の回りに6
0度間隔で均等に配置する。また第2導体42が3本で
ある場合には、第1導体41の回りに120度間隔で均
等に配置する。 (実施例3)更に場合によっては図7及び図8に示す実
施例3の様にすることもできる。この例は前記した実施
例1の変形例であり、漏れ磁束が磁気遮蔽カバー6の壁
体を通る場合に対処するものである。パルス電流がパワ
ーケーブル1に流れると、パルス電流の立ち上がり及び
立ち下がりの影響で、漏れ磁束が磁気遮蔽カバー6の壁
体を矢印L1方向及び逆方向に交番的に通る。このとき
磁気遮蔽カバー6の壁体において、磁束を囲む様に渦電
流M2が生じるおそれがある。そこで図8に例示した様
に薄板6iを積層した積層構造で磁気遮蔽カバー6を形
成すれば、この渦電流M2を抑えることができ、パルス
電流の周期が短い場合であっても、磁気遮蔽カバー6の
温度上昇を防止するのに有利である。
【0039】(適用例)図9はパルスアーク溶接機に適
用した適用例のブロック図を示す。この例ではワイヤ速
度設定器90の信号、平均電圧設定器91の信号はパル
ス電流制御回路93に入力される。また電圧検出器96
pからの信号もパルス電流制御回路93に入力される。
これらの信号に基づいてパルス電流制御回路93はパル
ス電流を設定し、その設定信号をアーク溶接電源94に
出力する。アーク溶接電源94とコンタクトチップ95
とはパワーケーブル1の中心導体30を介して接続され
ており、アーク溶接電源94と電流検出器96とはパワ
ーケーブル1の外周導体31を介して接続されている。
故にアーク溶接電源94から、ベース電流IB とパルス
電流IP とを重畳したアーク電流がパワーケーブル2を
介してコンタクトチップ95に給電される。
【0040】パルスアーク溶接機の種類によっても相違
するものの、一般的にはパルス電流IP の周期は5〔m
s〕〜20〔ms〕であり、パルス電流IP の給電時間
は1〔ms〕〜5〔ms〕である。ワイヤ送給装置96
eからの信号は送給モータ97を制御し、一対の送給ロ
ーラ98の回転を制御する。よってワイヤリール99に
多重に巻回されていたワイヤWは、コンタクトチップ9
5及びトーチ95cを経て被溶接物K3に向けて送給さ
れる。前記したパルス電流IP に基づいてワイヤ先端部
W1と被溶接物K3との間でアークM3が発生し、アー
クM3の熱で溶滴が生成し、溶接が行われる。
【0041】この様なパルス溶接機では大電流であるパ
ルス電流の立ち上がり、立ち下がりが数〔ms〕〜数1
0〔ms〕の時間的間隔で頻繁になされるため、電磁誘
導によりノイズを誘発するおそれがある。しかし前述し
た様にノイズ低減効果を図り得るパワーケーブル2を採
用しているので、ノイズを嫌う信号線7をパワーケーブ
ル2に併設することも可能となる。
【0042】更に磁束の漏れを低減できるため、インダ
クタンスの低減に有利である。そのため時定数T(T=
L/R、L:インダクタンス、R:抵抗)の低減に有利
である。よってパワーケーブル1を用いてパルス電流I
P を給電する際においても、パルス電流IP の遅れ要素
を低減でき、パルス電流IP の立ち上がり、立ち下がり
が良好となり、良好なパルス波形が得られる。従って溶
接出力の制御が容易となり、溶接品質の向上に有利であ
る。
【0043】(付記)上記した実施例から次の技術的思
想も把握できる。○接続手段は、1本の大径の第1導体
の回りに均等間隔で、第1導体とは電流の向きが逆であ
る多数本の小径の第2導体を配置する構成である請求項
1に記載のパワーケーブル。
【0044】
【発明の効果】本発明のパワーケーブルによれば、パワ
ーケーブル全長に比較して長さが短い分割ケーブルを連
結して用いるので、分割ケーブル1本当たりの重量が軽
減され、設置作業が容易化する。本発明のパワーケーブ
ルによれば、分割ケーブルの端末部は、隣設する分割ケ
ーブルの第1導体同士を接続すると共に第2導体同士を
接続し且つ磁束の漏れを抑える接続手段を備えている。
そのため第1導体、第2導体からの磁束の漏れは低減さ
れる。よってノイズ低減に有利である。
【0045】そのためノイズを嫌う信号線を配線する場
合であっても、パワーケーブルに近接した位置に信号線
を設置でき、パワーケーブルの配線と信号線の配線とを
併設して行うことが可能となり、配線コストの低減に有
利である。本発明のパワーケーブルによれば、磁束の漏
れを抑える接続手段を備えているため、インダクタンス
の低減に有利である。そのため時定数Tの低減に有利で
あり、本発明のパワーケーブルを用いてパルス電流を給
電する際においても、パルス電流の遅れ要素を低減で
き、パルス電流の立ち上がり、立ち下がりが良好とな
り、給電出力の制御が容易となる。従ってパルスアーク
溶接に適用すれば、溶接出力の制御が容易となり、溶接
品質の向上に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係るパワーケーブルの構成図であ
る。
【図2】実施例1に係るパワーケーブルの本体部の要部
の横断面図である。
【図3】実施例1に係るパワーケーブルの端末部の要部
の横断面図である。
【図4】実施例2に係るパワーケーブルの構成図であ
る。
【図5】実施例2に係るパワーケーブルの端末部の要部
の構成図である。
【図6】実施例2に係るパワーケーブルの端末部の要部
の横断面図である。
【図7】実施例3に係るパワーケーブルの端末部付近の
横断面図である。
【図8】実施例3に係る磁気遮蔽カバーの要部の構成図
である。
【図9】パルスアーク溶接機のブロック図である。
【図10】従来例に係るパワーケーブルの構成図であ
る。
【符号の説明】 図中、1はパワーケーブル、2は分割ケーブル、3は本
体部、30は中心導体、31は外周導体、32は内絶縁
層、4は端末部、41は第1導体、42は第2導体、6
は磁気遮蔽カバー、60は接続ブロックを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端側から他端側に向けて電流が流れる中
    心導体と、該中心導体に対して同軸的に並走し該中心導
    体の電流方向と逆の方向に電流が流れる外周導体と、該
    外周導体と該中心導体とを電気的に絶縁する絶縁層とを
    備えたアーク溶接用パワーケーブルであって、 前記アーク溶接用パワーケーブルは、ケーブル長方向の
    所望位置で分割された少なくとも2本の分割ケーブルで
    構成され、 前記分割ケーブルの端末部は、 前記中心導体につながる第1導体と、該第1導体に対し
    て離間して非同軸的に並設され前記外周導体につながる
    第2導体とを備え、 更に前記分割ケーブルの端末部は、 隣設する前記分割ケーブルの第1導体同士を接続すると
    共に第2導体同士を接続し且つ前記第1導体及び前記第
    2導体からの漏れ磁束を抑える接続手段を備えているこ
    とを特徴とするアーク溶接用パワーケーブル。
JP15741495A 1995-06-23 1995-06-23 アーク溶接用パワーケーブル Pending JPH0910945A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT500381A1 (de) * 2004-05-27 2005-12-15 Fronius Int Gmbh Schweisstransportversorgungssystem
JP2016174439A (ja) * 2015-03-16 2016-09-29 株式会社デンソー 電子装置

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