JPH09109386A - インクジェット装置 - Google Patents

インクジェット装置

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JPH09109386A
JPH09109386A JP29484795A JP29484795A JPH09109386A JP H09109386 A JPH09109386 A JP H09109386A JP 29484795 A JP29484795 A JP 29484795A JP 29484795 A JP29484795 A JP 29484795A JP H09109386 A JPH09109386 A JP H09109386A
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Japan
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ink
side wall
wall
chamber side
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JP29484795A
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Manabu Yoshimura
学 吉村
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク液室の液室下壁又は液室上壁と液室側
壁との間に位置するコーナ部における亀裂の発生を抑制
したインクジェット装置を提供する。 【解決手段】 インク液室8の液室下壁2より一体的に
立設された下側の液室側壁3の上に、上側の液室側壁5
を接続固定し、さらにその上に上壁をなすカバープレー
ト7を接着固定する。液室下壁2と下側の液室側壁3と
の間に位置するコーナ部8a,8aを所定形状の湾曲部
とする。インク液室8のコーナ部8a,8aは、応力集
中による亀裂の発生を防止すると共にインク液室8の容
積を十分確保するという観点から、5〜10μmの範囲
の湾曲部とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク液滴を噴射
して、記録紙等の記録媒体に印字を行うインクジェット
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インク液滴を噴射して、記録紙等
の記録媒体に印字を行うインクジェット装置が広く採用
されつつあり、そして、そのようなインクジェット方式
の印字装置に用いられる印字ヘッドとして、剪断モード
タイプのものが知られている(例えば特開平5ー925
61号公報参照)。
【0003】そのようなインクジェット方式の印字ヘッ
ドは、インクが供給され、少なくとも一部が2個以上の
圧電部材から構成された液室側壁を有するインク液室
と、上記圧電部材に電界を発生させる電極とを有し、上
記電極への電圧の印加により上記圧電部材を変形させ、
上記インク液室内のインクに圧力を付与してインクを噴
射するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
構造の場合には、電極への電圧の印加により2個以上の
圧電部材が「く」字形になるようにそれぞれを変形させ
て、インク液室内のインクに圧力を付与してインクを噴
射するように構成しているので、液室側壁が液室下壁又
は液室上壁から一体的に立設されていると、インクを噴
射させる毎に生ずる液室側壁(圧電部材)の変形によ
り、該液室側壁と液室下壁又は液室上壁との間に位置す
るコーナ部において応力が集中的に作用し、その結果、
インクの噴射が多数回繰り返されると、上記コーナ部に
おいて微小な亀裂が発生して破損し、液室側壁(圧電部
材)が電極への電圧の印加により正常に変形せず、イン
ク液滴の噴射が停止するおそれがある。
【0005】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、インク液室の液室下壁又は液室上壁と液室側壁との
間に位置するコーナ部における亀裂の発生を抑制したイ
ンクジェット装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、インクが供給
され、少なくとも一部が2個以上の圧電部材から構成さ
れた液室側壁を有するインク液室と、上記圧電部材に電
界を発生させる電極とを有し、上記電極への電圧の印加
により上記圧電部材を変形させ、上記インク液室内のイ
ンクに圧力を付与してインクを噴射するインクジェット
装置を前提とするものである。
【0007】そして、請求項1の発明は、上記目的を達
成するために、上記インク液室の液室下壁又は液室上壁
と液室側壁との間に位置するコーナ部が湾曲部とされて
いる構成とする。
【0008】よって、請求項1の発明によれば、インク
液室の液室下壁又は液室上壁と液室側壁との間に位置す
るコーナ部が湾曲部とされているので、該コーナ部での
応力集中が緩和され、それによって亀裂の発生が抑制さ
れる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、インク液室の液室下壁又は液室上壁と液室側壁との
間に位置するコーナ部が、液室下壁又は液室上壁から液
室側壁が一体的に立設されている部分のコーナ部であ
る。
【0010】請求項2の発明によれば、液室下壁又は液
室上壁から液室側壁が一体的に立設されている部分のコ
ーナ部での応力集中が緩和され、亀裂の発生が効果的に
抑制される。
【0011】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、液室側壁が、液室下壁から一体的に立設された下側
の液室側壁と、その側壁の高さ方向に積層固定された上
側の液室側壁とから構成され、下側の液室側壁と上側の
液室側壁とはそれらの積層方向でかつ互いに相反する方
向に分極され、下側の液室側壁と上側の液室側壁とに電
極が形成されている。
【0012】請求項3の発明によれば、電極に電圧を印
加及びその印加を除去すると、下側の液室側壁と上側の
液室側壁とが圧電厚み滑り効果により、それぞれ傾斜変
形して両者が「く」字形をなし、又は復帰し、インク液
室からインクを噴射する。この際の変形において、上記
のように、下側の液室側壁が立設されている部分のコー
ナ部の湾曲部で応力集中が緩和され、亀裂の発生が効果
的に抑制される。
【0013】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、下側の液室側壁とは反対側の上側の液室側壁の一側
に、インク液室の一側を覆って上記上側液室上壁を形成
するカバープレートが接着固定されている。
【0014】請求項4の発明によれば、上記のように、
下側の液室側壁と上側の液室側壁とがそれぞれ傾斜変形
又は復帰する際、下側の液室側壁が立設されている部分
のコーナ部の湾曲部で応力集中が緩和され、また上側の
液室側壁とカバープレートとの間では接着剤で応力が吸
収緩和される請求項5の発明は、請求項3の発明におい
て、上側の液室側壁が、液室上壁から一体的に立設され
ている。
【0015】請求項5の発明によれば、上側及び下側の
各液室側壁と、液室上壁及び下壁との間のコーナ部のそ
れぞれの湾曲部で応力集中が緩和される。
【0016】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かの発明において、インク液室の液室下壁又は液室上壁
と液室側壁との間に位置するコーナ部が、曲率半径5〜
10μmの範囲の湾曲部である。
【0017】請求項6の発明によれば、インク液室の液
室下壁又は液室上壁と液室側壁との間に位置するコーナ
部は、曲率半径5〜10μmの範囲の湾曲部とされてい
るので、インク液室の容積を低下させることなく、上記
コーナ部での応力集中が回避され、亀裂の発生が防止さ
れる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0019】図1はインクジェット装置を一部断面にし
て示す斜視図、図2は正面方向から見た断面図である。
図に示すように、インクジェット装置1は、液室下壁2
から一体的に立設された下側の液室側壁3(圧電材料)
と、該液室側壁3の上側即ち高さ方向に積層して接着剤
層4を介して接着固定された上側の液室側壁5(圧電材
料)と、該液室側壁5の上側(下側の液室側壁3と反対
側)に接着剤層6を介して接着固定され液室上壁となる
カバープレート7とを備え、液室下壁2、液室上壁とな
るカバープレート7及び左右の液室側壁3,5,3,5
によって区画されてインク液室8が多数溝状に形成され
ている。各インク液室8は、液室下壁2の後端面15に
近いところで浅くなっており、後端面15付近に浅溝1
7が形成されている。カバープレート7には、インク導
入口16、それに接続したマニホールド18が形成され
ている。そして、各インク液室8の上面がカバープレー
ト7で覆われることにより、各インク液室8の後端部が
マニホールド18、インク導入口16を介してインクカ
ートリッジ等のインク供給源に接続される。液室下壁2
及びカバープレート7の前端面にはノズルプレート14
が接着固定され、このノズルプレート14には各インク
液室8に対応してノズル孔12が形成されている。
【0020】各インク液室8の液室側壁3,5,3,5
には、電極11,11が設けられている。基板41に
は、各インク液室8に対応した導電パターン42が形成
され、その導電パターン42と電極11,11とはワイ
ヤボンディングによって導線43で接続されている。
【0021】インク液室8の液室下壁2から液室側壁5
が一体的に立設されてなる左右のコーナ部8a,8a
は、応力集中を緩和するために、湾曲部とされている。
【0022】具体的には、インク液室8の液室下壁2と
液室側壁5,5との間に位置するコーナ部8a,8aで
ある湾曲部は、応力集中による亀裂の発生を防止する観
点からは曲率半径5μm以上であることが望ましく、こ
のことは後述するように試験結果及び有限要素法による
解析結果からも確認されている。また、インク液室8の
容積を十分確保するという観点からは10μm以下であ
ることが望ましい。よって、上記コーナ部8a(湾曲
部)の曲率半径は、5〜10μmの範囲であることが望
ましい。
【0023】尚、インク液室8の幅Wは50〜70μm
の範囲で、高さHは0.2〜0.3mmの範囲である。
よって、上記コーナ部8aの曲率半径Rは5〜10μm
の範囲であるから、インク液室8の幅Wの7〜20%の
範囲となる。
【0024】上記下側の液室側壁3及び上側の液室側壁
5は圧電セラミックプレートで、強誘電性を有するチタ
ン酸ジルコン酸鉛系(PZT)の圧電セラミック材料で
形成されており、積層方向でかつ互いに相反する方向に
分極されている。
【0025】上記インクジット装置1を製造するには、
まず、液室下壁2及び下側の液室側壁2並びに上側の液
室側壁5を構成することになるチタン酸ジルコン酸鉛系
(PZT)の圧電材料を準備し、ドクターブレード法、
スクリーン印刷法等の手法を用いて、所定の厚さのシー
ト状に形成する。
【0026】それから、1対のシートを、接着剤層4と
なる接着剤を用いて積層して圧電積層体を形成し、その
後、周知の方法により分極処理を行い(分極方向を矢符
で示す)、これによって上側のシートと下側のシートと
が厚さ方向でかつ互いに相反する方向に分極されるよう
にする。
【0027】そして、それらに図示しない工具(例えば
ダイヤモンドブレード)によって上記圧電積層体を研削
加工し、それによって上記圧電積層体に、インク液室8
を構成することとなる複数の溝部が平行に形成される。
【0028】その後、その溝部を構成する側壁(インク
液室8の液室側壁3,5に対応する)に、電極が蒸着等
の周知の方法により形成される。尚、インク液室8の底
面となる溝部底面には電極は形成しない。また、インク
液室8は、インクを噴射するものとインクを非噴射のも
のとが交互に並んでおり、それによって電極11は、イ
ンクを噴射するものに対応する溝部に形成された接地電
極11aと、インクを非噴射のものに対応する溝部に形
成された駆動電極11bとに分類される。
【0029】そして、複数の溝部が形成され2つの圧電
部材が積層されてなる圧電積層体の上側に、接着剤層6
となる接着剤を用いて、液室上壁となるカバープレート
7が積層され、それによって複数のインク液室8が平行
に形成されたインクジェット装置1が得られる。
【0030】このようなインクジェット装置1において
は、インク液室8からインク液滴を噴射するために、当
該インク液室8に対応する特定の駆動電極11bに対し
電圧を印加し、他の駆動電極11bを接地すると、液室
側壁3,5には互いに対向する方向の電界が発生し、上
下の各液室側壁3,5が圧電厚み滑り効果により、公知
のようにそれぞれ反対方向に傾斜変形して両者が「く」
字形をなし、インク液室8の容積を増大する。すると、
インク液室8内の圧力が減少する。これによって、イン
ク液室8内に図示しないインク供給源からマニホールド
18を介してインクが供給される。
【0031】次に、特定の駆動電極11bへの電圧の印
加が除去されると、インク液室8の容積状態が増加状態
から自然状態へと変化してインク液室8の容積が減少す
ることとなり、その結果、インク液室8内の圧力が増加
する。この圧力の増加によってインク液室8内のインク
がインク液滴となり、ノズル孔12から噴射される。
【0032】従って、上記のように構成すれば、上記イ
ンクジェット装置1においてインクを噴射させる毎に、
インク液室8の側壁(液室側壁3,5)が圧電厚み滑り
効果により傾斜変形して、液室下壁2に対して倒れる方
向に揺動することでインクを噴射させることから、その
変形の繰り返しにより、インク液室8の液室下壁2より
液室側壁3が一体的に立設されてなる該両壁2,3の間
に位置するコーナ部8aに応力が集中し亀裂を発生させ
ようとする傾向となるが、上記コーナ部8aは、上述し
たごとく湾曲部に形成されているので、変形の繰り返し
による応力の集中が緩和され、その結果、亀裂の発生を
防止することができる。
【0033】続いて、インク液室8の液室下壁2と液室
側壁5との間に位置するコーナ部8aを湾曲部とした場
合の影響をみるために、該湾曲部の曲率半径Rを1〜4
0μmの範囲で変化させて、いろいろな種類のインクジ
ェット装置を製作し、電極11に駆動電圧を印加してイ
ンク液滴の噴射を10億回程度行い、上記コーナ部8a
における亀裂の発生の有無を調べる試験を行った。尚、
インク液室8を構成する溝部を圧電積層体に加工する際
にダイヤモンドブレードが用いられるので、そのダイヤ
モンドブレードの外周のエッジを種々の曲率半径に予め
研削加工しておくことで、インク液室8の液室下壁2と
液室側壁5との間に位置するコーナ部8a,8aの曲率
半径Rを変化させるようにした。
【0034】上述したインクジェット装置によって10
億回程度のインク液滴の噴射を行った結果、一部のイン
クジェット装置のインク液室8の液室下壁2と液室側壁
5との間に位置するコーナ部8a,8aにおいては微小
な亀裂が発生して破損に至っていることが判明した。こ
のような破損に至ったものでは、電極11に駆動電圧を
印加しても、側壁(液室側壁3,5)において正常な変
形が起こらず、インク液滴の噴射は停止していた。
【0035】具体的には、破損に至ったものは、インク
液室8の液室下壁2と液室側壁5との間に位置するコー
ナ部8a,8aの曲率半径Rが小さいものに集中してお
り、具体的には、上記コーナ部8a,8aの曲率半径R
が1μmのものでは30%が、2μmのものでは4%
が、3μmのものでは0.5%が、4μmのものでは
0.05%がそれぞれ破損したが、曲率半径Rが5μm
以上のものでは破損したものは全くなかった。
【0036】一方、インク液室8の液室下壁2と液室側
壁5との間に位置するコーナ部8a,8aの曲率半径R
が0〜40μmの範囲の種々の値でもってインクジェッ
ト装置のモデルを製作し、有限要素法による数値解析を
行って、インク液室8の液室下壁2と液室側壁5との間
に位置するコーナ部8aの曲率半径R(μm)と該コー
ナ部8aでの主応力σ(MPa)との関係を調べた。
【0037】解析結果は、図2に示すように、インク液
室8の液室下壁2と液室側壁5との間に位置するコーナ
部8aの曲率半径Rが小さくなると、上記コーナ部8a
での主応力σが急速に増大することがわかる。よって、
上記コーナ部8a(湾曲部)の曲率半径Rが小さくなる
と、上記コーナ部8aでの主応力σが急速に増大し、上
記コーナ部8aでの主応力σが圧電セラミックプレート
(液室下壁2及び下側の液室側壁3)の破壊強度を越え
ると、一部に小さな亀裂が発生し、破損に至ることを示
している。
【0038】従って、インク液室8の液室下壁2と液室
側壁5との間に位置するコーナ部8aを湾曲部とすれ
ば、亀裂発生の防止のために効果があることが認めら
れ、上述した試験結果及び有限要素法による解析結果よ
り判断すれば、上記コーナ部8a(湾曲部)の曲率半径
Rは、亀裂発生の防止のためには、5μm以上であるこ
とが望ましい。一方、この曲率半径Rを大きくすると、
それに伴いインク液室8の容積が小さくなるので、イン
ク液室8として十分な容積を確保する点からは10μm
以下であることが望ましい。よって、インク液室8の液
室下壁2と液室側壁3との間に位置するコーナ部8aに
おける亀裂発生の防止を図ると共に、インク液室8とし
て十分な容積を確保して噴射効率を高めるためには、上
記コーナ部8aの曲率半径Rが5〜10μmの範囲とな
るように、インク液室8を形成することが望ましい。
【0039】上記インクジェット装置1においては、イ
ンク液室8の液室下壁2と液室側壁3,3との間に位置
するコーナ部8a,8aのみを湾曲部に形成しているの
は、液室上壁(カバープレート7)と液室側壁5,5と
はそれらよりも柔らかい材質からなる接着剤層6を介し
て連結されているので、液室上壁(カバープレート7)
と液室側壁5,5との間に位置するコーナ部に作用する
応力は接着剤層6によって吸収緩和され、応力集中によ
る亀裂の発生のおそれがほとんどないからである。従っ
て、前掲特開平5ー92561号公報に記載のように、
上記実施の形態とは異なり、液室下壁より下側の液室側
壁を一体的に立設させる一方、液室上壁より上側の液室
側壁を一体的に立設させ、下側の液室側壁の上端面と上
側の液室側壁の下端面とを一致するように接合してイン
ク液室を形成するようなインクジェット装置の場合に
は、液室下壁と下側の液室側壁との間のコーナ部だけで
はなく、液室上壁と液室側壁との間のコーナ部も湾曲部
とする必要がある。さらに側壁を3個以上の圧電材料で
形成するものに対しても、本発明を適用することができ
る。
【0040】また、上記インクジェット装置1は、駆動
電圧11bをインク液室8の容積が増加する方向に印加
してインクを供給し、次に駆動電圧の印加を停止してイ
ンク液室8の容積を自然状態に減少させてインク液室8
からインクを噴射するようにしているものであるが、そ
れとは逆に、まず、駆動電圧をインク液室の容積が減少
する方向に印加してインク液室からインク液滴を噴射し
てから、駆動電圧の印加を停止してインク液室の容積を
上記減少状態から自然状態へと増加させ、インク液室内
にインクを供給するようにしたものに対しても適用する
ことができるのは勿論である。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明は、上記のように、イン
ク液室の液室下壁又は液室上壁と液室側壁との間に位置
するコーナ部を湾曲部に形成するようにしているので、
上記コーナ部での応力集中を緩和して、亀裂の発生を抑
制することができる。よって、長期間に亘って安定して
インクの噴射を行うことができる。
【0042】請求項2の発明は、インク液室の液室下壁
又は液室上壁から液室側壁が一体的に立設されている部
分のコーナ部を湾曲部とするようにしているので、特に
亀裂が発生しやすい上記コーナ部での応力集中を積極的
に緩和して、亀裂の発生を抑制することができる。
【0043】請求項3の発明は、液室側壁を、液室下壁
から一体的に立設された下側の液室側壁と、その側壁の
高さ方向に積層固定された上側の液室側壁とから構成
し、下側の液室側壁と上側の液室側壁とをそれらの積層
方向でかつ互いに相反する方向に分極したものとし、下
側の液室側壁と上側の液室側壁とに電極を形成している
ので、下側の液室側壁と上側の液室側壁とが圧電厚み滑
り効果により、それぞれ傾斜変形又は復帰する際、下側
の液室側壁が立設されている部分のコーナ部の湾曲部で
応力集中を緩和し、亀裂の発生を抑制することができ
る。
【0044】請求項4の発明は、下側の液室側壁とは反
対側の上側の液室側壁の一側に、インク液室の一側を覆
って上記液室上壁を形成するカバープレートを接着固定
しているので、上記のように変形又は復帰する際、下側
の液室側壁が立設されている部分のコーナ部では、湾曲
部で応力集中を緩和し、また上側の液室側壁とカバープ
レートとの間では接着剤層で応力を吸収緩和し、亀裂の
発生を抑制することができる。
【0045】請求項5の発明は、上側の液室側壁が、液
室上壁から一体的に立設されているので、上側及び下側
の各液室側壁と、液室上壁及び下壁との間のコーナ部の
それぞれの湾曲部で応力集中を緩和し、亀裂の発生を抑
制することができる。
【0046】請求項6の発明は、インク液室の液室下壁
又は液室上壁と液室側壁との間に位置するコーナ部を曲
率半径5〜10μmの範囲の湾曲部としているので、イ
ンク液室の容積を大きく低下させることなく、コーナ部
での応力集中を回避して、亀裂の発生を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット装置を一部断面に
して示す斜視図である。
【図2】本発明に係るインクジェット装置を正面方向か
ら見た断面図である。
【図3】インク液室のコーナ部の曲率半径と同コーナ部
での主応力との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 インクジェット装置 2 液室下壁 3 下側の液室側壁 4 接着剤層 5 上側の液室側壁 6 接着剤層 7 カバープレート(液室上壁) 8 インク液室 8a コーナ部(湾曲部) 11 電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが供給され、少なくとも一部が2
    個以上の圧電部材から構成された液室側壁を有するイン
    ク液室と、上記圧電部材に電界を発生させる電極とを有
    し、上記電極への電圧の印加により上記圧電部材を変形
    させ、上記インク液室内のインクに圧力を付与してイン
    クを噴射するインクジェット装置であって、 上記インク液室の液室下壁又は液室上壁と液室側壁との
    間に位置するコーナ部が湾曲部とされていることを特徴
    とするインクジェット装置。
  2. 【請求項2】 インク液室の液室下壁又は液室上壁と液
    室側壁との間に位置するコーナ部は、液室下壁又は液室
    上壁から液室側壁が一体的に立設されている部分のコー
    ナ部であるところの請求項1記載のインクジェット装
    置。
  3. 【請求項3】 液室側壁は、液室下壁から一体的に立設
    された下側の液室側壁と、その側壁の高さ方向に積層固
    定された上側の液室側壁とから構成され、下側の液室側
    壁と上側の液室側壁とはそれらの積層方向でかつ互いに
    相反する方向に分極され、下側の液室側壁と上側の液室
    側壁とに電極が形成されているところの請求項2記載の
    インクジェット装置。
  4. 【請求項4】 下側の液室側壁とは反対側の上側の液室
    側壁の一側に、インク液室の一側を覆って上記上側液室
    上壁を形成するカバープレートが接着固定されていると
    ころの請求項3記載のインクジェット装置。
  5. 【請求項5】 上側の液室側壁は、液室上壁から一体的
    に立設されているところの請求項3記載のインクジェッ
    ト装置。
  6. 【請求項6】 インク液室の液室下壁又は液室上壁と液
    室側壁との間に位置するコーナ部は、曲率半径が5〜1
    0μmの範囲である湾曲部であるところの請求項1〜5
    のいずれかに記載のインクジェット装置。
JP29484795A 1995-10-17 1995-10-17 インクジェット装置 Pending JPH09109386A (ja)

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