JPH09109202A - 成形品の製造方法および製造用金型 - Google Patents

成形品の製造方法および製造用金型

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JPH09109202A
JPH09109202A JP27104295A JP27104295A JPH09109202A JP H09109202 A JPH09109202 A JP H09109202A JP 27104295 A JP27104295 A JP 27104295A JP 27104295 A JP27104295 A JP 27104295A JP H09109202 A JPH09109202 A JP H09109202A
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JP
Japan
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mold
molten resin
compressed fluid
molding
molded product
Prior art date
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Application number
JP27104295A
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English (en)
Inventor
Takayoshi Tanaka
隆義 田中
Seiji Kikumoto
誠二 菊本
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KOGYO KASEI KK
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
KOGYO KASEI KK
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】成形品に特別な厚肉部であるガスチャンネルを
設けずに、ヒケが防止される成形品の製造方法および製
造用金型の提供。 【解決手段】リブを有する成形品を製造するにあたり、
溶融樹脂3を充填するゲート24の近傍に窒素ガスの注入
口27を設け、金型2の内部に溶融樹脂3が40〜90%
充填されたら、注入口27から窒素ガスの注入を開始し、
窒素ガスが溶融樹脂3の内部へ侵入し始めた後、窒素ガ
スの注入を停止し、金型2内のガス圧を成形品の品質を
確保するのに最低限必要な圧力にまで減圧する。注入さ
れた窒素ガスは、リブ成形部30B に沿って金型2のリブ
成形部30B 全体に広がり、溶融樹脂3を成形面へ向かっ
て押圧するので、特別にガスチャンネルと呼ばれる中空
部を設けなくとも、ヒケの発生が防止されるとともに、
ガスチャンネルによる外観不良も解消される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製の成形
品を射出成形で製造する際に利用できる成形品の製造方
法および製造用金型に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、家電製品のハウジング、パネ
ル、あるいは、インストルメント・パネル等の自動車の
大型内装品を射出成形で一体成形することが試みられて
いる。内装品等の成形品は、より大きなものが一体成形
されるほど、自動車等の部品点数がより大幅に削減され
ることから、様々な製造用金型や製造方法が研究されて
いる。また、成形品は、薄肉、大型になる程、補強のた
めのリブや、取付けのためのボス等、部分的に他の部分
よりも厚肉となった厚肉部を多く必要とするが、厚肉部
は、射出成形の際、他の薄肉部よりも樹脂の冷却・硬化
が遅いため、その表面にヒケが発生しやすいという特質
がある。成形品としては、ヒケのない良好な成形品が望
まれ、ヒケが発生すると外観不良となり、その製品とし
ての価値が著しく損なわれる。
【0003】このため、通常の設計でも設定されてい
る、製品形状に樹脂を成形する部分に加えて、少なくと
も樹脂成形品の一部をガスチャンネルと呼ばれる厚肉、
幅広のリブ状に成形する部分を備えた金型を用い、この
金型内に充填された溶融樹脂の内部に圧縮流体を注入
し、厚肉幅広となる部分の内部に中空部を形成し、この
中空部内の圧縮流体の圧力で溶融樹脂を金型の成形面に
向かって押圧し、厚肉幅広部分にヒケが生じないように
した成形品の製造方法が知られている。このような製造
方法の具体例としては、以下のA)〜C)のようなものがあ
る。 A) 樹脂を厚肉幅広に成形する溝状のガス流路部を金型
に設け、金型に充填した溶融樹脂の内部に圧縮流体を注
入して、ガス流路部に沿って溶融樹脂の内部を中空に
し、中空部分の圧縮流体で溶融樹脂を金型の成形面に向
かって押圧し、これにより、ヒケを防止しながら、全体
的に薄肉となった成形品を成形する(実公平7-23223
号)。 B) 金型に溶融樹脂を充填し、金型が溶融樹脂で満たさ
れる前に、溶融樹脂の充填を完了するとともに、高圧の
圧縮流体を充填した溶融樹脂の内部に注入し、この圧縮
流体の注入で溶融樹脂を金型全体に充満させるととも
に、溶融樹脂の内部に中空部を形成し、溶融樹脂が金型
の隅々まで充満した後、中空部の圧縮流体の圧力を下げ
て保圧し、ヒケを防止しながら、全体的に中空の成形品
を成形する(特開昭55-59936号)。 C) 金型に溶融樹脂を充填し、金型が溶融樹脂で満たさ
れる前に、溶融樹脂の充填を完了し、高圧の圧縮流体を
注入することにより、充填した溶融樹脂の内部に圧縮流
体が流通する流体道を形成した後、金型を開きながら、
比較的低圧の圧縮流体を注入することにより、溶融樹脂
の内部の流体道を拡張しながら、溶融樹脂を金型全体に
充満させ、圧縮流体の圧力でヒケを防止しながら、全体
的に中空の成形品を成形する(特開昭55-59936号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような製造方法A)
〜C)には、それぞれ次のa)〜c)のような問題がある。 a) 溝状のガス流路部を設けると、このガス流路部は、
溶融樹脂の流動抵抗が他の部分より小さくなるので、ガ
ス流路部を流動する溶融樹脂がフローリーダとなって他
の部分を流動する溶融樹脂よりも先に金型の端部に到達
し、後からきた薄肉部分の溶融樹脂と衝突することか
ら、ウェルドマークが発生し、成形品の外観品質を低下
させるという問題がある。また、中空部を主にガス流路
部内に形成させようとすることから、ガス流路部の断面
寸法をある程度大きくする必要があり、この結果、必要
以上に大きな中空部が形成され、通常に設計された小断
面のリブ付き成形品に適用することが困難であるという
問題がある。さらに、ガス流路部が設けられた中空部分
と、ガス流路部が設けられない中実部分との境界に光沢
むら(曇り、艶むら)が発生し、この点からも成形品の
外観品質を低下させるという問題がある。 b) 成形品のほぼ全体に拡がる中空部を形成する必要が
あるので、厚さの薄い薄肉部分を有する成形品を成形す
ることができず、成形品の形状が限定されるという問題
がある。 c) 全体的に中空部が形成されるので、前記B)と同様
に、厚さの薄い薄肉部分を有する成形品を成形すること
ができず、成形品の形状が限定されるという問題があ
る。さらに、従来の方法では、通常設計のリブ付き成形
品などでなく、ガス注入のための特殊な金型設計を行う
ものであり、その応用分野が制限されていた。 以上のような問題は、成形品の内部に特別の中空部を設
け、中空部内の圧縮流体でヒケを防止することに起因し
ている。
【0005】本発明の目的は、成形品にガスチャンネル
と呼ばれる特別の厚肉幅広部を設けずに、ヒケが防止さ
れる成形品の製造方法および製造用金型を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、圧
縮流体を用いて射出成形を行う成形品の製造方法であっ
て、溶融樹脂を充填するゲートの近傍に圧縮流体の注入
口を設けた金型を用い、この金型の内部に溶融樹脂が4
0〜90%充填されたら、前記注入口へ圧縮流体の供給
手段から前記圧縮流体の注入を開始し、この圧縮流体の
前記溶融樹脂の内部への侵入が開始された後、当該圧縮
流体の注入を停止した後、金型内の圧縮流体の圧力を成
形品の品質確保に最低限必要な圧力にまで減圧すること
を特徴とする。ここで、「金型の内部に溶融樹脂が40
〜90%充填された」とは、金型内のキャビティの容量
を100%として、40〜90%の溶融樹脂が充填され
たことをいうのではなく、金型の内部に充填すべき溶融
樹脂の量を100%として、40〜90%の溶融樹脂が
充填されたことをいう。以上において、前記注入口に供
給される前記圧縮流体の一次圧力は、充填継続中におけ
る前記溶融樹脂の前記注入口近傍の溶融樹脂の圧力より
も小さいことが望ましい。また、前記金型としては、薄
肉部から突出する壁状のリブが設けられた成形品を成形
するものが採用できる。本発明の第2発明は、薄肉部か
ら突出するリブが形成された成形品を製造するための成
形品の製造用金型であって、溶融樹脂を充填するゲート
の近傍に圧縮流体の注入口を設けたことを特徴とする。
なお、本発明における「リブ」とは、通常の射出成形品
に採用されている形状寸法のものであり、薄肉面の厚さ
寸法をt、リブ基部の幅寸法をWとした場合、その比W
/tが1.2〜0.6となるような幅寸法Wを有するも
のをいう。これに対し、圧縮流体を用いた従来の成形法
における「ガスチャンネル」とは、薄肉面の厚さ寸法を
t、ガスチャンネル基部の幅寸法をWとした場合、その
比W/tが1.5以上となるような幅寸法Wを有するも
のをいう。以上において、前記注入口は、前記ゲートの
近傍で成形される前記リブへ圧縮流体を注入するもので
あることが好ましい。以上のような本発明では、材料と
なる合成樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、HIポリスチレン、ABS、ポリカーボ
ネート、ポリアミド等の熱可塑性樹脂が採用でき、主
に、ポリプロピレン、ABS、ポリスチレン、HIポリ
スチレンが採用できる場合が多い。なお、圧縮流体とし
ては、窒素ガス等の不活性ガスや、空気等の混合気体が
採用できる。
【0007】このような本発明では、通常設計のリブ付
き成形品を成形するにあたり、金型の内部に溶融樹脂が
40〜90%充填された状態で、ゲートの近傍に設けた
注入口から圧縮流体を注入するので、注入された圧縮流
体は、圧力が溶融樹脂の内圧よりも低いので、溶融樹脂
の内部への侵入が一時的に注入口で停止し、注入口近傍
の溶融樹脂の圧力が圧縮流体の圧力よりも低くなった時
点で、溶融樹脂の内部への侵入を開始し、薄肉部とリブ
根元との交差部分の中心部を通って金型全体に広がる。
ここで、圧縮流体の流通によって形成される中空部は、
主に薄肉部の内部に形成されることとなり、この結果、
中空部の断面積および容積は、必要最小限の大きさとな
る。次いで、圧縮流体の溶融樹脂の内部への侵入が開始
された後、圧縮流体供給手段からの圧縮流体の注入を停
止し、金型内の圧縮流体の圧力を成形品の品質確保に最
低限必要な圧力にまで減圧するので、成形品中に不必要
な圧縮流体が侵入することがなく、外観、寸法精度が損
なわれることがない。特に、中空部が必要最小限の大き
さとなることから、薄肉部から突出する壁状のリブが設
けられた成形品を成形するには、前記ゲートの近傍で成
形される前記リブに対する圧縮流体の注入口を備えた金
型を採用すればよく、大きな中空部を形成するための専
用のガス流通部を設けた特殊な金型を採用しなくとも、
圧縮流体がリブと薄肉部分との交差部分の中心部に沿っ
て進み、圧縮流体の拡張が促進され、金型内に充分な量
の圧縮流体が注入され、ヒケの発生が効果的に防止され
るようになる。しかも、成形品の品質を確保するのに最
低限必要な圧力まで減圧するので、リブ以外の部分へ圧
縮流体が侵入することがなく、リブ以外の部分の厚さが
薄くなることがなく、成形品に必要な肉厚が確保される
ようになる。
【0008】なお、本発明における「圧縮流体の注入」
とは、単に圧縮流体供給手段が金型(例えば注入口)に
供給することをいう。従って、金型(溶融樹脂)内部に
まで圧縮流体を到達させることを意味しない。また、
「圧縮流体の溶融樹脂の内部への侵入が開始された」と
は、溶融樹脂の圧力が低下し、圧縮流体の圧力の方が大
きくなったことにより、結果的に圧縮流体が溶融樹脂の
内部に入り込み始めることをいう。従って、圧縮流体の
侵入開始の時期は、圧縮流体の圧力等の条件によって異
なり、圧縮流体の圧力と侵入開始時期との関係は、次の
ような実験方法で実験的に求めておくことが望ましい。 〔実験方法〕 金型に所定量の溶融樹脂を充填したら、圧縮流体供
給手段を作動させて圧縮流体の注入を開始し、圧縮流体
供給手段から金型の注入口までの間を所定の圧力にし、
圧縮流体の供給を停止する。 圧縮流体供給手段および金型の注入口までの間に設
けられた圧力指示計を監視し、当該圧力指示計の読み値
が降下し始める時点を、圧縮流体の侵入開始の時期とす
る。 における圧縮流体の注入を開始した時点から、
における圧縮流体の侵入開始の時期までの時間を、侵入
が開始されるまでの侵入開始時間とする。 の侵入開始時間は、圧縮流体および溶融樹脂の圧
力、成形品の形状等の成形条件によって異なるため、各
種の条件で実験を行い、それぞれの条件における侵入開
始時間を求めておき、実成形時に求めておいた侵入開始
時間の中から適切なものを選択して利用する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係る射
出成形機1の要部が示されている。この射出成形機1
は、金型2の内部に溶融樹脂3を射出する射出装置10を
備えたものである。射出成形機1には、射出装置10の他
に、金型2の型締めを行う図示しない型締装置と、圧縮
流体である高圧の窒素ガスを供給する図示しないガス供
給装置とが設けられている。射出装置10は、筒状のバレ
ル11と、このバレル11の内部で溶融樹脂3を混練するス
クリュー12とを設けたものである。バレル11の先端に
は、金型2に接続されるノズル13が設けられている。
【0010】金型2は、図中右側の固定金型部2Aと、左
側の移動金型部2Bとに分割されたものである。固定金型
部2Aおよび移動金型部2Bの間には、成形品を成形するた
めの空洞であるキャビティ30が形成されている。固定金
型部2Aは、射出装置10のノズル13を受けるブッシュ21
と、射出装置10からの溶融樹脂3の内部へ導入するため
の通路であるスプル22およびランナ23と、溶融樹脂3を
キャビティ30へ注入するゲート24と、このゲート24をラ
ンナ23に連結する通路25とを備えたものである。このう
ち、ランナ23は、内部を流動する溶融樹脂3を加熱しな
い、いわゆるコールドランナであり、スプル22の下流側
の端部に連結された第1のランナ23A と、この第1のラ
ンナ23A の下流側の端部に連結されるとともに、紙面と
直交する方向に延びる第2のランナ23B とを備えてい
る。また、固定金型部2Aには、外部から供給される窒素
ガスをキャビティ30の内部へ導入するためのガス流路26
と、キャビティ30へ窒素ガスを注入する注入口27とが設
けられている。
【0011】図2には、金型2の内部に形成されたキャ
ビティ30が示されている。図において、キャビティ30
は、平面形状が長方形となったほぼ薄板状の成形品を成
形するものであり、溶融樹脂3を薄肉に成形する薄肉成
形部30A と、この薄肉成形部30A を成形する薄肉部から
突出する壁状のリブを成形するリブ成形部30B とを備え
ている。なお、図面に現れる金型2の寸法やその比率
は、実際の金型の寸法やその比率を表すものではない。
薄肉成形部30A は、キャビティ30の全体に広がったもの
であり、均一の厚さに溶融樹脂3を成形するものであ
る。リブ成形部30B は、梯子状の平面形を有するもので
あり、キャビティ30の周縁に沿った各辺となる枠状部31
〜34と、リブ成形部30B の長手方向に延びる一対の枠状
部32, 34を連結する複数の桟状部35とを有している。こ
のようなキャビティ30に対し、前述のゲート24は、当該
キャビティ30の長辺側の端面に複数設けられている。そ
して、これら複数のゲート24は、該キャビティ30の長辺
に沿って所定間隔をおいて配列されている。また、前述
の注入口27は、ゲート24に最も近いリブ成形部30B の枠
状部34の近傍に複数設けられている。そして、これら複
数の注入口27は、リブ成形部30B の枠状部34に沿って所
定間隔をおいて配列され、各注入口27の位置は、ランナ
23Bの両端および中央にそれぞれ設けられたゲート24の
近傍となっている。各注入口27と枠状部34とは、図3に
示されるように、固定金型部2Aの成形面2Cを凹ました連
結部36により連結されている。これにより、各注入口27
から注入される窒素ガスは、リブ成形部30B で成形され
るリブへ侵入可能となっている。なお、注入口27に供給
される窒素ガスの一次圧力は、充填継続中における溶融
樹脂3の当該注入口27の近傍における圧力よりも小さい
値に設定されている。
【0012】以下に、本実施形態における射出成形の手
順について説明する。まず、金型2をセットし、型締装
置を起動して金型2を閉鎖する。この後、射出装置10を
起動し、図4(A)に示されるように、金型2の内部へ
溶融樹脂3の充填を開始する。溶融樹脂3の充填を開始
した後、充填すべき量の40〜90%、好ましくは、4
5〜85%の溶融樹脂3が充填されたら、図4(B)に
示されるように、注入口27に窒素ガスを送り、ガス供給
装置から注入口27までの間を所定の圧力の窒素ガスで満
たす。次いで、窒素ガスの注入を継続し、窒素ガスが溶
融樹脂3の内部へ侵入し始めた後、ガス供給装置からの
窒素ガスの注入を停止する。この際、窒素ガスの注入停
止は、溶融樹脂へのガスの侵入が開始された後、早いタ
イミングで行うことが望ましい。ここで、注入口27から
注入された窒素ガスは、その圧力が溶融樹脂3の圧力よ
りも小さくされているため、薄肉成形部30A には進め
ず、注入口27から溶融樹脂の冷却・硬化が遅いリブ成形
部30B と薄肉成形部30A との交差部分の中心部に入り込
み、リブ成形部30B に誘導されて当該リブ成形部30B に
沿ってキャビティ30全体に広がる。これにより、溶融樹
脂3の充填が完了する頃には、図4(C)に示されるよ
うに、窒素ガスは、リブ成形部30B のほぼ全体に広が
る。窒素ガスの注入を停止したら、金型2内の窒素ガス
を適宜排気し、当該窒素ガスの圧力を成形品の品質を確
保するのに最低限必要な圧力値、すなわち、成形品の寸
法精度および面制度が確保され、かつ、ヒケを防止する
のに充分な圧力値まで減圧するとともに、この圧力値を
維持する。溶融樹脂3が充分冷却・硬化したら、金型2
内の窒素ガスを脱圧し、金型2を開放し、成形品を取出
して成形を完了する。
【0013】前述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。すなわち、金型2の内部に溶融樹脂3
が40〜90%充填された状態で、ゲート24の近傍に設
けた注入口27から窒素ガスを注入することにより、窒素
ガスが連結部36を通ってリブ成形部30B に侵入し、当該
リブ成形部30B に沿って拡がるようにしたので、金型2
に特別なガスチャンネル部分を形成しなくとも、窒素ガ
スを成形品全体に容易に広げることができるとともに、
薄肉成形部30A とリブ成形部30B との交差部分の中心部
に侵入させることができる。このため、内部から成形面
へ向かって押圧されるので、溶融樹脂3は、内部にガス
チャンネルや特別な中空部構造を設けなくとも、表面に
ヒケが発生することを未然に防止できる。しかも、成形
品に大きい中空部分を形成する必要がないので、ウェル
ドマークや光沢むら(曇り、艶むら)等の不具合が発生
するおそれがなく、ヒケの発生が防止されることとあい
まって、成形品の外観品質を良好なものとできる。
【0014】また、薄肉部から突出する壁状のリブを成
形するリブ成形部30B をキャビティ30の全体に広がるよ
うに設け、リブ成形部30B に対する窒素ガスの注入口27
をゲート24の近傍に設けたので、注入口27の数が少なく
ても、窒素ガスがリブ成形部30B に誘導され、リブ成形
部30B の全体に渡って窒素ガスの進行(拡張)が促進さ
れ、ヒケの発生を効果的に防止することができる。
【0015】さらに、溶融樹脂3を充填するゲート24の
近傍に窒素ガスの注入口27を設け、溶融樹脂3の充填開
始後、速やかに窒素ガスの注入を開始できるようにした
ので、溶融樹脂3の圧力が注入窒素ガス圧力よりも低く
なると、自動的に窒素ガスの侵入が開始されるようにし
たので、窒素ガスの圧力を制御する複雑な制御装置等を
設けることなく、ヒケの発生を効果的に防止することが
できる。
【0016】また、注入口27から注入された窒素ガスの
圧力を注入口27の近傍に充填される溶融樹脂3の圧力よ
りも小さくし、粘度の大きい溶融樹脂3が進みにくいリ
ブ成形部30B の基部に注入された窒素ガスを誘導したの
で、窒素ガスがリブ成形部30B からその両側の薄肉成形
部30A へ逸れることがなくなり、成形品の厚さが薄くな
ることがなく、成形品に必要な肉厚を確実に確保するこ
とができる。
【0017】さらに、窒素ガスの溶融樹脂3の内部への
侵入が開始された後に、ガス供給装置からの窒素ガスの
注入を停止し、金型2内の窒素ガスの圧力を成形品の品
質を確保するのに最低限必要な圧力値まで減圧するとと
もに、当該圧力値を成形完了まで保持するようにしたの
で、成形品には、注入口27の近傍の部分であっても、注
入された窒素ガスにより表面に凹凸が形成されることが
なく、成形品の外観品質を良好なものとできる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づ
いて説明する。 〔実施例〕本実施例は、前記実施形態で示した金型2お
よび成形手順を用いて成形品を成形する実験である。本
実施例では、本発明が達成される許容範囲内で射出条件
をそれぞれ変えた実施例1〜4を行う。なお、成形品の
各寸法は、縦寸法Vが300mm、横寸法Lが1000m
m、厚さ寸法tが2.5mmとされている。この成形品に
形成されるリブの寸法は、高さ寸法Hが25mm、幅寸法
Wが2mmとなっている。 〔射出条件〕この実施例1〜4では、成形材料としてポ
リプロピレン(MI=30g/10分;230℃,2.16kgf)を
採用し、以下のような共通射出条件で成形を行う。 共通射出条件 溶融樹脂温度 ; 200 ℃ 金型温度 ; 30 ℃ 射出時間 ; 3 秒 注入停止後のガス圧保持時間 ; 10 秒 各実施例1〜4における個別の射出条件、具体的には、
溶融樹脂の充填時間t1、窒素ガス注入タイミングT、ガ
ス注入時間t2、一次ガス圧力P1、および、二次ガス圧力
P2は、表1に示すとおりである。ただし、窒素ガス注入
タイミングTとは、溶融樹脂の充填を開始してから窒素
ガスの注入を開始するまでの時間をいう。一次ガス圧力
P1とは、窒素ガスの注入を継続している時にガスの注入
口で計測される窒素ガスの圧力値をいう。二次ガス圧力
P2とは、窒素ガスの注入を停止するとともに、金型内の
圧力を減圧した後、金型内部に保持される窒素ガスの圧
力値をいう。
【0019】
【表1】
【0020】〔比較例〕前記実施例1〜4と比較するた
めに、本発明が達成される許容範囲外の射出条件下で成
形品を成形する比較例1〜7を行う。この比較例1〜7
は、前述の許容範囲外で射出条件をそれぞれ変えて行わ
れる実験であり、前記実施例1〜4と同様に、前記実施
形態で示した金型2および手順を用いる。各比較例1〜
7の個別の射出条件は、表1に示すとおりである。
【0021】〔実験結果〕各実施例1〜4では、リブが
設けられた面とは反対側の面、すなわち、成形品の表側
の面には、ヒケが全く生じていないうえ、金型のリブ成
形部以外の成形面(一般面)に窒素ガスが侵入せず、外
観品質の良好な成形品が得られた。一方、比較例1で
は、注入した窒素ガスが成形品の表側の面へ抜けるガス
リークが起き、成形品の表側の面にガスリークの跡が発
生し、この跡により、成形品の外観が損なわれた。ま
た、比較例2,3では、注入した窒素ガスが金型のリブ
成形部以外の成形面(一般面)に侵入し、成形品の一般
面には、ガスが侵入した跡が付き、成形品の外観が損な
われた。さらに、比較例4,6では、注入した窒素ガス
が金型の末端まで到達せず、成形品の金型末端部分にヒ
ケが生じ、このヒケにより、成形品の外観が損なわれ
た。また、比較例5,7では、注入した窒素ガスが金型
のリブ成形部以外の一般面に侵入し、成形品の一般面に
ガスが侵入した跡が付き、この跡により、成形品の外観
が損なわれた。これらにより、比較例1〜7では、外観
品質の良好な成形品が得られないことが判る。
【0022】以上、本発明について好適な実施形態およ
び実施例を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施
形態および実施例に限られるものでなく、本発明の要旨
を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更
が可能である。例えば、成形品に設けられる厚肉部とし
ては、壁状のリブに限らず、薄肉部から突出する筒状の
ボスでもよく、あるいは、自動車の樹脂製ホーイルキャ
ップに一体的に設けられるとともに、ホイールへの装着
に利用されるクリップ等でもよい。要するに、成形品の
薄肉部から突出する厚肉部であって、成形品に一体成形
されるものであれば、その形状や機能等は限定されな
い。
【0023】また、金型に注入される圧縮流体は、窒素
ガスに限らず、圧搾空気等の混合気体や、アルゴンガス
等の不活性ガスでもよく、射出成形に利用できる安全な
ガスであればよい。
【0024】さらに、成形品としては、薄い板状のもの
に限らず、立体的な箱状のものや、筒状のものでもよ
く、成形品の形状は実施にあたり適宜選択できる。
【0025】
【発明の効果】前述のように本発明によれば、成形品に
特別な厚肉部であるガスチャンネルを設けることなく、
すなわち、通常に設計された金型に対して特別な設計変
更をすることなく、ヒケを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】前記実施形態の金型のキャビティを示す斜視図
である。
【図3】前記実施形態の注入口を示す拡大斜視図であ
る。
【図4】前記実施形態の成形手順を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
2 金型 3 溶融樹脂 24 ゲート 27 注入口 30A 成形品の薄肉部を成形する金型の薄肉成形部 30B 成形品の厚肉部であるリブを成形する金型のリブ成
形部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮流体を用いて射出成形を行う成形品の
    製造方法であって、 溶融樹脂を充填するゲートの近傍に圧縮流体の注入口を
    設けた金型を用い、この金型の内部に溶融樹脂が40〜
    90%充填されたら、前記注入口へ圧縮流体の供給手段
    から前記圧縮流体の注入を開始し、この圧縮流体の前記
    溶融樹脂の内部への侵入が開始された後、当該圧縮流体
    の注入を停止した後、金型内の圧縮流体の圧力を成形品
    の品質確保に最低限必要な圧力にまで減圧することを特
    徴とする成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の成形品の製造方法におい
    て、前記注入口に供給される前記圧縮流体の一次圧力
    は、充填継続中における前記溶融樹脂の前記注入口近傍
    の溶融樹脂の圧力よりも小さいことを特徴とする成形品
    の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の成形品の
    製造方法において、前記金型は、薄肉部から突出する壁
    状のリブが設けられた成形品を成形するものであること
    を特徴とする成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】薄肉部から突出するリブが形成された成形
    品を製造するための成形品の製造用金型であって、 溶融樹脂を充填するゲートの近傍に圧縮流体の注入口を
    設けたことを特徴とする成形品の製造用金型。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の成形品の製造用金型にお
    いて、前記注入口は、前記ゲートの近傍で成形される前
    記リブへ圧縮流体を注入するものであることを特徴とす
    る成形品の製造用金型。
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