JPH09108572A - 水素化分解触媒 - Google Patents

水素化分解触媒

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JPH09108572A
JPH09108572A JP29628995A JP29628995A JPH09108572A JP H09108572 A JPH09108572 A JP H09108572A JP 29628995 A JP29628995 A JP 29628995A JP 29628995 A JP29628995 A JP 29628995A JP H09108572 A JPH09108572 A JP H09108572A
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JP
Japan
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zeolite
type zeolite
catalyst
faujasite
hydrocracking
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JP29628995A
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English (en)
Inventor
Yoichi Nishimura
陽一 西村
Ryuzo Kuroda
隆三 黒田
Koji Masuda
浩司 増田
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JGC Catalysts and Chemicals Ltd
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Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Na−Y型ゼオライトのアルカリを徹底的に
除去した場合に(Na2O含有量が0.5重量%以下)
も分解活性が高く、しかも中間留分(灯油、軽油)得率
の高い水素化分解触媒の提供。 【解決手段】 フォージャサイト型ゼオライトと多孔性
無機酸化物からなる担体に活性金属成分を担持した水素
化分解触媒において、フォージャサイト型ゼオライトが
Na2O含有量が0.5重量%以下の範囲で、かつ、下
式(1)および(2)を満足するものであることを特徴
とする水素化分解触媒。 【数1】 (R Al)≧15Log(Na2O)+ 80 ・・・・・(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭化水素油の水素化分
解触媒に関し、さらに詳しくは、特定のフォージャサイ
ト型ゼオライト(Y型ゼオライトと称する)を用いる炭
化水素油の水素化分解触媒に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】近年、原油の重質化にと
もなって、これらの重質油を環境上好ましい軽質油に転
換させるための水素化分解プロセスが重要になってい
る。このため、水素化分解触媒のさらなる開発が望まれ
ている。これらの触媒の開発においてフォージャサイト
型ゼオライトは大変重要な役割をもっており、これまで
種々の改良が行なわれている。ケイバン比(ゼオライト
骨格を形成するSiO2/Al23モル比)の高いY型
ゼオライトが炭化水素油、特に重質油の水素化分解に有
効であることは良く知られている。高ケイバン比のY型
ゼオライトについては、通常ケイバン比が5前後のNa
−Y型ゼオライトを原料として、次に示すような脱アル
ミニウム操作によって製造されている。 1)EDTAによる脱アルミニウム 2)スチーミング処理による脱アルミニウム 3)ケイ弗化アンモンによる脱アルミニウムとシリカ挿
入 4)鉱酸による脱アルミニウム
【0003】これらの操作によって製造されたY型ゼオ
ライトは超安定性Y(Ultra−stable Y,
USY)とよばれており、水素化分解触媒などに広く使
用されている。しかし、上に示すような脱アルミニウム
操作によってケイバン比を高め、安定化されたゼオライ
トはもとのY型ゼオライトの履歴をもっていると同時に
一部結晶が破壊され無定形のシリカ−アルミナが形成さ
れる。さらに、水素化分解触媒のように、より高ケイバ
ン比のゼオライトが要求される場合は、高ケイバン比に
するために前述の操作を繰り返すことが必要であるが、
それによって結晶の一部破壊がさらに起こり、結晶化度
の高い高ケイバン比ゼオライトを得ることは困難な状態
にある。また、残存アルカリの量は、ゼオライトの固体
酸量、酸強度に影響を与えることも周知の事実である。
前述のY型ゼオライトを用いた触媒では、残存アルカリ
はゼオライト骨格から移動し、ゼオライトの固体酸点
(活性点)に付着して、わずかのアルカリでも分解活性
を著しく低下させることが知られている。このため、で
きるだけアルカリを除去させることが望ましい。しか
し、ケイバン比が5前後のこれまでのY型ゼオライトで
は、アルカリの減少と共に、脱アルミニウムが起こり、
ケイバン比が高くなると共に、結晶破壊が起こり、一部
無定形化する。そのためゼオライトの固体酸量が減少す
るため、多量のゼオライトを使用しないと所望の分解活
性が得られなかった。しかし、ゼオライトの含有量の多
い水素化分解触媒では、中間留分得率が少くなく、ガス
留分が多くなる欠点があった。
【0004】
【目的】本発明は、Na−Y型ゼオライトのアルカリを
徹底的に除去した場合に(Na2O含有量が0.5重量
%以下)、このゼオライトの骨格を形成する4配位のア
ルミニウム原子の残存率が特定値以上のものであること
を特徴とする分解活性が高く、しかも中間留分(灯油・
軽油)得率の高い水素化分解触媒を提供することを目的
とする。
【0005】
【構成】本出願前、高ケイバン比Y型ゼオライトが炭化
水素の分解反応に有効なことはよく知られていたが、こ
れまでの研究では、骨格のアルミニウムとシリコンの比
のみで整理されており、出発原料であるNa−Y型ゼオ
ライトのケイバン比が高くなることによって、本質的な
骨格構造による特性の違いは見いだされていなかった。
本発明者らは、ケイバン比を高めたNa−Y型ゼオライ
トを出発物質とし、これを徹底的にアルカリ除去したも
の、特にケイバン比が6以上のNa−Y型ゼオライトを
徹底的にアルカリ除去したものは、通常これまで工業製
品として使用されているケイバン比5前後のNa−Y型
ゼオライトを各種処理によりケイバン比を高めてY型ゼ
オライトとし、脱アルミニウムしたものとは明らかに異
なった物理化学特性を有しており、水素化分解の触媒で
特異な反応性を示すことを見いだし、本発明を完成させ
た。本発明に係わる水素化分解触媒は、フォージャサイ
ト型ゼオライトと多孔性無機酸化物からなる担体に活性
金属成分を担持した水素化分解触媒において、該フォー
ジャサイト型ゼオライトがNa2O含有量が0.5重量
%以下の範囲で、かつ、下式(1)および(2)を満足
するものであることを特徴とする。
【数2】 (R Al)≧15Log(Na2O)+ 80 ・・・・・(1) 前式(1)および(2)において、(R Al)はフォ
ージャサイト型ゼオライト骨格を形成する4配位アルミ
ニウム原子の残存率(%)である。(Na2O)は、フ
ォージャサイト型ゼオライト中のNa2O含有量(wt
%)である。(N Al−1)はBreckの式より求
められる出発原料Na−型フォージャサイト型ゼオライ
トの単位格子中の4配位のアルミニウム原子の数であ
る。(N Al−2)はBreckの式より求められる
脱アルカリされたNa2O含有量が(Na2O)wt%の
フォージャサイト型ゼオライト単位格子中の4配位のア
ルミニウム原子の数を表す。本発明のフォージャサイト
型ゼオライトとしては、さらに好ましくは4配位アルミ
ニウム原子の残存率(R Al)%が、
【数3】 (R Al) ≧ 10Log(Na2O)+ 80 より一層好ましくは、
【数4】(R Al) ≧ 5Log(Na2O)+ 80 の範囲にあるのが好ましい。
【0006】本発明の前記触媒は、前記の特定のフォー
ジャサイト型ゼオライトと多孔性無機酸化物の前駆体と
を混合し、押し出し成形や造粒などの方法で製造した担
体に活性金属成分を担持して得ることが出来る。フォー
ジャサイト型ゼオライトは、一般に平均粒度0.5〜3
μm程度である。本発明の多孔性無機酸化物としては、
通常、水素化処理触媒や水素化分解触媒に用いられてい
るものが使用可能である。例えば、アルミナ、シリカ−
アルミナ、シリカ、チタニア、アルミナ−ボリア、シリ
カ−アルミナ−ボリア、リン−アルミナ、リン−アルミ
ナ−ボリア、アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ
−ジルコニア、アルミナ−チタニアなど公知のものが例
示される。特に、脱硫などの反応面からは、アルミナを
主成分とするものが好ましい。また、活性金属成分とし
ては、通常の水素化分解触媒に使用される活性金属成分
が使用可能であり、例えば、周期律表、第6A族、第8
族の金属成分が挙げられる。特にMo、W、Co、Ni
および白金属の金属成分は好適である。本発明の触媒で
は、活性金属成分の量は、通常の水素化分解触媒に使用
される範囲の量で良く、好ましくはMo、W、Co、N
iなどの酸化物として5〜30wt%の範囲にあり、白
金属の金属成分では、酸化物として0.05〜2wt%
の範囲である。活性金属成分は公知の方法により担持す
ることができる。ゼオライトの含有量は、所望に応じて
変えることが出来るが、通常、担体基準で5〜95wt
%、好ましくは20〜70wt%の範囲が望ましい。本
発明の触媒は従来当業界で慣用されている水素化分解条
件下に炭化水素、特に常圧残渣油、減圧残油、減圧軽油
などの重質油の水素化分解に使用して好適である。本発
明の特定ゼオライトを使用した触媒は、従来のゼオライ
トを使用した触媒に比較して同一条件で炭化水素の水素
化分解を行なった場合に、分解活性が高く、特に中間留
分の選択性が高くなる。本発明の特定ゼオライトはアル
カリを徹底的に除去しても、構造が破壊されずに安定で
あり、脱アルミニウムも少ないためゼオライトの持つ固
体酸量の減少が少くなく、また酸強度も、強酸点ととも
に弱酸点の量が多いため、本質的な水素化分解反応活性
が損なわれないためである。
【0007】以下に本発明について具体的に説明する。
本発明のフォージャサイト型ゼオライトは、Na−Y型
ゼオライトのアルカリを徹底的に除去した場合にゼオラ
イトの骨格を形成する4配位アルミニウム原子の残存率
が前式(1)を満足することを特徴とする。アルカリの
除去はゼオライト中のNa2O含有量が0.5重量%以
下の範囲にする必要がある。Na2O含有量が、0.5
重量%以上の場合には、このゼオライトの優秀性は発揮
されない。好ましくはNa2O含有量が0.1重量%以
下の範囲が好ましい。さらに好ましくは、Na2O含有
量は、0.1重量%以下であって、かつ0.01%以上
の範囲のものが好ましい。この範囲のものは、固体酸特
性に特徴を有し、高分解活性、高中間留分選択性等触媒
特性に優れている。前式(1)のゼオライト骨格を形成
する4配位アルミニウム原子の量(N Al)は、De
termination of Framework
Aluminium Content in Zeol
ites X,Y and Dealuminated
Y Using Unit Cell Size″Z
EOLITES″1989,Vol9,July,p3
50に記載されている下式(3)で表わされているBr
eckの式により求めることができる。
【数5】 (N Al)=〔UCS(Å)−24.191〕×115.2・・・・(3) 〔前式中、UCSは単位格子定数(Å)を表わす。〕
【0008】本発明の前式(1)を満足するフォージャ
サイト型ゼオライトは、前述のように、通常工業的に触
媒に使用されているゼオライトを脱アルミニウムして、
ケイバン比を高め、安定化させたいわゆるUS−Yでは
なく、出発原料のNa−Y型ゼオライトのケイバン比を
高めたもの、例えばケイバン比が6以上のゼオライトか
らアルカリを徹底的に除去したものである。前記出発原
料のケイバン比を高めたNa−Y型ゼオライトの合成は
通常の合成法で、原料のシリカ−アルミナ比を高めて合
成するか、あるいは、テンプレートとしてクラウンエー
テルを用いることにより合成することができる。また、
前記ケイバン比を高めたNa−Y型ゼオライトからアル
カリを徹底的に除去する手段としては、該ゼオライトを
通常のイオン交換方法によるイオン交換と焼成操作を繰
り返す方法が挙げられる。
【0009】次に通常工業的に触媒に使用されているケ
イバン比5程度のゼオライトを脱アルカリ処理したY型
ゼオライト(以下、Y5と呼ぶ)とケイバンが比7程度
のNa−Y型ゼオライトを脱アルカリ処理したY型ゼオ
ライト(以下、Y7と呼ぶ)の両者の物理化学特性の相
違を記載する。
【0010】(1)脱アルカリ処理したY5およびY7
の耐水熱性 Y5とY7の脱アルカリ処理は、脱アルカリ手段として
通常よく知られているアンモニウムイオン交換、水蒸気
処理を繰り返す方法によって行った。前記のように、従
来、通常工業的に触媒に使用されているY5は、脱アル
カリと共に脱アルミニウムが起こり、同時に結晶破壊が
起こるのに対して、Y7はアルカリが0.02重量%と
殆どアルカリが除去されているのにゼオライトの構造は
十分に維持されている。Y5ではゼオライトの結晶構造
を破壊せずに徹底的にアルカリを除去することは不可能
であったのに対して、Y7では充分にアルカリを除去す
ることが可能である。ゼオライト骨格のアルミニウムが
あまり脱離されることなく、アルカリを十分除去するこ
とができることは驚くべき事であり、また水素化分解触
媒として大きな利点である。従来の水素化分解触媒で
は、通常はケイバン比10〜60の高ケイバン比Y型ゼ
オライトが用いられることが多い。これは、水素化分解
触媒には高い耐水熱安定性を有するY型ゼオライトが要
求されるためであるが、ゼオライト中のケイバン比が高
いほどゼオライトは酸量が少くなり、強い固体酸を示
し、反応生成物中にガス分が多くなる。また、ゼオライ
トの固体酸量を減少させない様にするためには、アルカ
リを非常に低いところまで落とさないといけないが、そ
うすると必ずゼオライト骨格から脱アルミニウムが起こ
り、単位格子定数が小さくなり、ケイバン比が高くなら
ざるを得ないとの欠点を抱えていた。この場合、ケイバ
ン比を高くする場合には、通常ゼオライトを高温で水熱
処理を行なうが、その時、ゼオライト内のアルカリが移
動してゼオライトの活性点を被毒させるとともに、脱ア
ルミニウムが起き結晶破壊を起こす。その結果、分解活
性、中間留分選択性が低下するなどの欠点があった。も
し、ゼオライト骨格中のアルミニウムを除去することな
く、ゼオライトの中のアルカリ量を少なくできればケイ
バン比をあまり高くしないほうが固体酸量も多く、活
性、選択性も良い結果が得られる。さらに、高温で水蒸
気処理した場合に、両者の前記特性の相違はより明瞭に
なる。その結果を下表1に示す。下表1に示すY5およ
びY7は、実施例1において製造したNa−Yを焼成す
ることなく(NH42SO4溶液にて1回のイオン交換
で得られたNH4−Yを試料として用いた。試料を50
%水蒸気雰囲気中で各々の所定温度で1時間焼成した
後、単位格子定数(UCS)と結晶化度を測定した。Y
7は870℃といった高温の水蒸気処理によっても充分
に高い耐水熱性を有しており、この特性は特記すべき事
である。表1に示すようにY7は870℃といった高温
でも、十分に高い耐水熱性があることが認められるとと
もに、高温のスチーミングによっても、骨格のアルミニ
ウムが除去されず、高い格子定数が維持されている。こ
れらの結果はこれまで知られておらず、このような高い
格子定数であるにもかかわらず高温での高い耐水熱性を
有するゼオライトYの特性は残油処理触媒として、驚く
べき有益な特性である。
【0011】
【表1】 1 : 結晶化度は、原料NH4−Yを100(%)としたときの相対値
【0012】(2)Y5およびY7の脱アルミニウムに
よる骨格結晶の変化 Y5,Y7の脱アルカリによる骨格結晶の変化をNMR
で測定すると、脱アルカリしない試料は、Y5,Y7と
もに4配位のAlのピークのみであり、両者に相違はな
い。脱アルカリが進むと両者に相違が出てくる。Y5の
場合、脱アルカリの進行にともなって、脱アルミニウム
が起こり、4配位のAlの存在を示すピークの他に、6
配位のAlを示すピークとの間にブロードなピークが存
在する。これは、ゼオライト骨格の中のアルミニウムが
一部シリカと再結合して無定形シリカ−アルミナを形成
していることを示す。一方、Y7の場合も、一部のアル
ミニウムが脱離するが、これはシリカとの再結合は認め
られず、アルミナとしての存在を示す6配位のAlのピ
ークが明瞭であり、ゼオライトの結晶破壊が極めて少な
いため、脱離したアルミニウムとシリカが結合しないこ
とを示している。脱離したアルミニウムがシリカと結合
し、無定形シリカ−アルミナを形成すると、ゼオライト
の固体酸点を無定形シリカ−アルミナが被覆するため、
分解活性、中間留分、選択性とも低下するので好ましく
ない。一方、Y7の場合には、脱アルカリによる結晶破
壊が極めて少ないので、脱離したアルミニウムがシリカ
−アルミナを形成しないので、分解活性も高く、また中
間留分選択性も高い触媒が得られる。前述のように通
常、Y5の場合、脱アルカリによって同時に脱アルミニ
ウムも起こるが、Y7の場合、骨格のアルミニウムがき
わめて安定であるため脱アルミニウムが少なく、このよ
うな安定な骨格のアルミニウムは固体酸としても作用
し、次の(3)に示すような固体酸特性を示す。
【0013】(3)固体酸特性 固体酸性は残存アルカリに大きく依存し、また基本的に
は骨格のアルミニウム特性によることが知られている。
通常、アンモニアの吸着脱離(TPD)により固体酸性
を測定すると2つあるいは3つのNH3の脱離に伴うピ
ークが存在することが知られている。このピークはそれ
ぞれ250,400〜500,500℃以上にて認めら
れる。500℃以上での脱離ピークはLewis酸の存
在を示す。低温、高温での脱離ピークは、それぞれ、弱
いBronsted酸点、強いBronsted酸点に
対応する。Y7はY5に比べて固体酸量が多いことと、
Y7はアンモニア脱離が高温で起こり、酸の総量のみで
はなく、強い固体酸性質の活性点を有する、水素化分解
反応に於いて、強い固体酸性は核分解反応に有効であ
り、Y7が特有の反応性をもっている。この固体酸性の
相違は骨格のアルミニウムの特性に依存している。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0015】実施例1 高ケイバン比Y型ゼオライト(Y7)はSynthes
is of newSilica−rich cubi
c and hexagonal faujasite
using crown−ether−based
supramolecule as templete
s ″Zeolites″,1990.Vo1.10,
July/August p546に記載の方法により
合成した。比較に用いたY型ゼオライト(Y5)は珪酸
ソーダ、アルミン酸ソーダを原料として、その組成が
2.8Na2O・Al23・8.3SiO2・120H2
Oになるように調製し、100℃にて48時間加熱結晶
化した。両Na型Yゼオライト(Na−Y)のX線回折
(XRD)により求めたケイバン比及び相対結晶化度を
表2に示す。
【0016】
【表2】 1 : UCC社のSK−40ゼオライトの結晶化度を100とした場合の 相対値 これらのNa−Yを(NH4)SO4溶液にてイオン交換
し、さらに650℃にて加熱−イオン交換を繰り返し、
脱アルカリ処理をした。脱アルカリ処理後の残存アルカ
リ、脱アルミニウムの状況を表3に示す。また、脱アル
カリ処理後の残存アルカリ量(Na2O)と4配位アル
ミニウム原子の残存率の関係を図1に示す。
【0017】
【表3】 * : 実施例の触媒として使用 (注): ( )の値は、出発原料Na−Yの単位格子中のAlの数 (N Al−1)である。
【0018】実施例2 前表3に示すNH4型にイオン交換したY7(Na2O含
有量=0.02wt%)およびY5(比較試料、Na2
O含有量=0.12wt%)を用いた水素化分解触媒を
調製した。アルミナ水和物粉末(コンディア社製、PU
RAL SB−III)を純水に加えて調製したAl23
濃度20wt%のアルミナスラリーと、各々のNH4
Y7およびY5ゼオライトとをゼオライト/Al23
重量比が65/35の割合で混合し、捏和した後1/1
6インチのトライローブ形状に押出し成形した。その
後、乾燥し、550℃で3時間焼成して、各々のゼオラ
イトを65wt%含有する担体を調製した。これら各々
の担体にモリブデン酸アンモニウム溶液および硝酸コバ
ルト溶液を含浸した後、乾燥し、550℃で焼成して、
MoO3として10.5wt%、CoOとして4.5w
t%の活性金属成分を含有する触媒を得た。各々の触媒
性状を表4に示す。これらの触媒を使用して、次の反応
条件で常圧残渣油(AR−AH)の水素化分解を行っ
た。 反応条件: 温度 400℃ 圧力 150kg/cm2 LHSD 0.3hr-12/Oil 1000Nm3/kl 通油して170時間後の反応結果を表4に示す。
【0019】
【表4】 表4から分る様に本発明の触媒は、分解活性が高く、中
間留分収率が高い。
【0020】本発明の実施態様を以下に列挙する。 1. 高ケイバン比のNa−Y型ゼオライトをNa2
含有量が0.5重量%以下に脱アルカリ処理したもので
あるフォージャサイト型ゼオライトを含有することを特
徴とする水素化分解触媒。 2. 前項1記載の水素化分解触媒において、Na−Y
型ゼオライトのケイバン比が6以上のものである水素化
分解触媒。 3. 前項1または2記載の水素化分解触媒において、
0.1重量%以下に脱アルカリ処理されたフォージャサ
イト型ゼオライトの単位格子中の4配位のアルミニウム
原子の数(N Al−2)が25以上、好ましくは30
以上であることを特徴とする水素化分解触媒。 4. 前項1または2記載の水素化分解触媒において、
0.1重量%以下に脱アルカリ処理されたフォージャサ
イト型ゼオライトの骨格を形成する4配位アルミニウム
原子の残存率(R Al)(%)が50%以上、好まし
くは60%以上であることを特徴とする水素化分解触
媒。 5. 前項3または4記載の水素化分解触媒において、
脱アルカリ処理されたフォージャサイト型ゼオライトの
Na2O含有量が0.05重量%以下であることを特徴
とする水素化分解触媒。 6. 前項1、2、3、4または5記載の水素化分解触
媒において、フォージャサイト型ゼオライトが前式
(1)および(2)を満足するものであることを特徴と
する水素化分解触媒。
【0021】
【効果】本発明の触媒は、従来当業界で慣用されている
水素化分解条件下に炭化水素、特に常圧残渣油、減圧残
油、減圧軽油などの重質油の水素化分解に使用して好適
である。本発明の特定のゼオライトを使用した触媒は、
従来のゼオライトを使用した触媒に比較して同一条件で
水素化分解の転化率は高い。これは、前述のように、Y
7はアルカリを徹底的に除去しても、構造が破壊されず
安定であり、脱アルミニウムも少ないため、高温のスチ
ーム処理を受けても結晶構造が安定であり、固体酸量も
多いためゼオライトのもつ本質的な水素化分解反応活性
が損なわれないためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゼオライト中のNa2O含有量とアルミニウム
残存率の関係を示す図である。
【符号の説明】
A (R Al)=15Log(Na2O)+80 B (R Al)=10Log(Na2O)+80 C (R Al)=5Log(Na2O)+80

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォージャサイト型ゼオライトと多孔性
    無機酸化物からなる担体に活性金属成分を担持した水素
    化分解触媒において、フォージャサイト型ゼオライトが
    Na2O含有量が0.5重量%以下の範囲で、かつ、下
    式(1)および(2)を満足するものであることを特徴
    とする水素化分解触媒。 【数1】 (R Al)≧15Log(Na2O)+ 80 ・・・・・(1) 前式(1)および(2)において、(R Al)はフォ
    ージャサイト型ゼオライト骨格を形成する4配位アルミ
    ニウム原子の残存率(%)である。(Na2O)は、フ
    ォージャサイト型ゼオライト中のNa2O含有量(wt
    %)である。(N Al−1)はBreckの式より求
    められる出発原料Na−型フォージャサイト型ゼオライ
    トの単位格子中の4配位のアルミニウム原子の数であ
    る。(N Al−2)はBreckの式より求められる
    脱アルカリ処理されたNa2O含有量が(Na2O)wt
    %のフォージャサイト型ゼオライト単位格子中の4配位
    のアルミニウム原子の数を表す。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007313409A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Petroleum Energy Center 水素化分解触媒組成物およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007313409A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Petroleum Energy Center 水素化分解触媒組成物およびその製造方法

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