JPH0938499A - 接触分解触媒 - Google Patents
接触分解触媒Info
- Publication number
- JPH0938499A JPH0938499A JP21262395A JP21262395A JPH0938499A JP H0938499 A JPH0938499 A JP H0938499A JP 21262395 A JP21262395 A JP 21262395A JP 21262395 A JP21262395 A JP 21262395A JP H0938499 A JPH0938499 A JP H0938499A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- zeolite
- type zeolite
- faujasite
- catalytic cracking
- content
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Catalysts (AREA)
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 Na−Y型ゼオライトのアルカリを徹底的に
除去した場合に(Na2O含有量が0.5重量%以
下)、該ゼオライトの骨格を形成する4配位のアルミニ
ウム原子の残存率が特定値以上のものであることを特徴
とする高活性、高選択性の接触分解触媒の提供。 【解決手段】 フォージャサイト型ゼオライトからなる
接触分解触媒において、該フォージャサイト型ゼオライ
トがNa2O含有量が0.5重量%以下の範囲で、か
つ、下式(1)および(2)を満足するものであること
を特徴とする接触分解触媒。 【数1】 (R Al)≧15Log(Na2O)+80・・・・・・(1)
除去した場合に(Na2O含有量が0.5重量%以
下)、該ゼオライトの骨格を形成する4配位のアルミニ
ウム原子の残存率が特定値以上のものであることを特徴
とする高活性、高選択性の接触分解触媒の提供。 【解決手段】 フォージャサイト型ゼオライトからなる
接触分解触媒において、該フォージャサイト型ゼオライ
トがNa2O含有量が0.5重量%以下の範囲で、か
つ、下式(1)および(2)を満足するものであること
を特徴とする接触分解触媒。 【数1】 (R Al)≧15Log(Na2O)+80・・・・・・(1)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭化水素接触分解触媒
に関し、さらに詳しくは、特定のフォージャサイト型ゼ
オライト(Y型ゼオライトと称する)を活性種として用
いる炭化水素接触分解触媒に関する。
に関し、さらに詳しくは、特定のフォージャサイト型ゼ
オライト(Y型ゼオライトと称する)を活性種として用
いる炭化水素接触分解触媒に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】近年、原油の重質化にと
もなって、残油の接触分解プロセスが重要になってきて
いる。このため、残油処理に適する触媒が望まれてい
る。また、重質油を環境上好ましい軽質油に転換させる
ための水素化分解が重要になってくる。このため、接触
分解触媒、水素化分解触媒のさらなる開発が望まれてい
る。これらの触媒の開発においてフォージャサイト型ゼ
オライトは大変重要な役割をもっており、これまで種々
の改良が行われている。とくに、残油の接触分解におい
ては、マトリックスとY型ゼオライトの改良が不可欠で
ある。ケイバン比(ゼオライト骨格を形成するSiO2
/Al2O3モル比)の高いY型ゼオライトが重質油の接
触分解触媒として有効であることは良く知られている。
ケイバン比が高いほど耐水熱性が高く、原料油中に含ま
れる重金属による活性低下が少ない。高ケイバン比のY
型ゼオライトについては、通常ケイバン比が5前後のN
a−Y型ゼオライトを原料として、次に示すような脱ア
ルミニウム操作によって製造されている。 1)EDTAによる脱アルミニウム 2)スチーミング処理による脱アルミニウム 3)ケイ弗化アンモンによる脱アルミニウムとシリカ挿
入 4)鉱酸による脱アルミニウム
もなって、残油の接触分解プロセスが重要になってきて
いる。このため、残油処理に適する触媒が望まれてい
る。また、重質油を環境上好ましい軽質油に転換させる
ための水素化分解が重要になってくる。このため、接触
分解触媒、水素化分解触媒のさらなる開発が望まれてい
る。これらの触媒の開発においてフォージャサイト型ゼ
オライトは大変重要な役割をもっており、これまで種々
の改良が行われている。とくに、残油の接触分解におい
ては、マトリックスとY型ゼオライトの改良が不可欠で
ある。ケイバン比(ゼオライト骨格を形成するSiO2
/Al2O3モル比)の高いY型ゼオライトが重質油の接
触分解触媒として有効であることは良く知られている。
ケイバン比が高いほど耐水熱性が高く、原料油中に含ま
れる重金属による活性低下が少ない。高ケイバン比のY
型ゼオライトについては、通常ケイバン比が5前後のN
a−Y型ゼオライトを原料として、次に示すような脱ア
ルミニウム操作によって製造されている。 1)EDTAによる脱アルミニウム 2)スチーミング処理による脱アルミニウム 3)ケイ弗化アンモンによる脱アルミニウムとシリカ挿
入 4)鉱酸による脱アルミニウム
【0003】これらの操作によって製造されたY型ゼオ
ライトは超安定性Y(Ultra−stable Y,
USY)と呼ばれており、現在接触分解触媒の活性種と
してオクタン価向上触媒や残油処理用触媒、更に水素化
分解触媒などに広く使用されている。しかし、上に示す
ような脱アルミニウム操作によってケイバン比を高め、
安定化されたゼオライトはもとのY型ゼオライトの履歴
をもっているとともに一部結晶が破壊され無定型のシリ
カ−アルミナが形成される。一方、残存アルカリの量も
触媒活性に影響を与えることも周知の事実である。前述
のY型ゼオライトを用いた触媒では、残存アルカリは再
生塔内部でゼオライト骨格から移動し、ゼオライトの活
性点に付着して、僅かのアルカリでも活性を著しく低下
させることが知られている。このため、できるだけアル
カリを除去させる事が望ましい。しかし、ケイバン比が
5前後のこれまでのY型ゼオライトでは、アルカリの減
少と共に、脱アルミニウムが起こり、ケイバン比が高く
なると共に、結晶破壊が起こり、一部無定形化する。こ
の無定形化したSiO2と、骨格から脱離したアルミニ
ウムとが再結合して、無定形シリカ−アルミナを形成
し、これが、活性、選択性のいずれも低下させる問題が
あった。このため、活性、選択性を維持させるため、大
量のゼオライトを添加する必要があるとともに、選択性
が低下し、コークが増加するので、再生温度が上昇し、
ゼオライトの結晶破壊が促進される。
ライトは超安定性Y(Ultra−stable Y,
USY)と呼ばれており、現在接触分解触媒の活性種と
してオクタン価向上触媒や残油処理用触媒、更に水素化
分解触媒などに広く使用されている。しかし、上に示す
ような脱アルミニウム操作によってケイバン比を高め、
安定化されたゼオライトはもとのY型ゼオライトの履歴
をもっているとともに一部結晶が破壊され無定型のシリ
カ−アルミナが形成される。一方、残存アルカリの量も
触媒活性に影響を与えることも周知の事実である。前述
のY型ゼオライトを用いた触媒では、残存アルカリは再
生塔内部でゼオライト骨格から移動し、ゼオライトの活
性点に付着して、僅かのアルカリでも活性を著しく低下
させることが知られている。このため、できるだけアル
カリを除去させる事が望ましい。しかし、ケイバン比が
5前後のこれまでのY型ゼオライトでは、アルカリの減
少と共に、脱アルミニウムが起こり、ケイバン比が高く
なると共に、結晶破壊が起こり、一部無定形化する。こ
の無定形化したSiO2と、骨格から脱離したアルミニ
ウムとが再結合して、無定形シリカ−アルミナを形成
し、これが、活性、選択性のいずれも低下させる問題が
あった。このため、活性、選択性を維持させるため、大
量のゼオライトを添加する必要があるとともに、選択性
が低下し、コークが増加するので、再生温度が上昇し、
ゼオライトの結晶破壊が促進される。
【0004】
【目的】本発明は、Na−Y型ゼオライトのアルカリを
徹底的に除去した場合に(Na2O含有量が0.5重量
%以下)、該ゼオライトの骨格を形成する4配位のアル
ミニウム原子の残存率が特定値以上のものであることを
特徴とする高活性、高選択性の接触分解触媒を提供する
ことを目的とする。
徹底的に除去した場合に(Na2O含有量が0.5重量
%以下)、該ゼオライトの骨格を形成する4配位のアル
ミニウム原子の残存率が特定値以上のものであることを
特徴とする高活性、高選択性の接触分解触媒を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【構成】本出願前、高ケイバン比Y型ゼオライトが炭化
水素の反応に有効なことはよく知られていたが、これま
での研究では、骨格のアルミニウムとシリコンの比のみ
で整理されており、出発原料であるNa−Y型ゼオライ
トのケイバン比が高くなることによって、本質的な骨格
構造による特性の違いは見いだされていなかった。本発
明者らは、ケイバン比を高めたNa−Y型ゼオライトを
出発物質とし、これを徹底的にアルカリ除去したもの、
特にケイバン比が6以上のNa−Y型ゼオライトを徹底
的にアルカリ除去したものは、通常これまで工業製品と
して使用されているケイバン比5前後のNa−Y型ゼオ
ライトを各種処理によりケイバン比を高めてY型ゼオラ
イトとし、脱アルミニウムしたものとは明らかに異なっ
た物理化学特性を有しており、接触分解、水素化分解な
どの触媒で特異な反応性を示すことを見い出し、本発明
を完成させた。本発明に係る接触分解触媒は、フォージ
ャサイト型ゼオライトからなる接触分解触媒において、
該フォージャサイト型ゼオライトがNa2O含有量が
0.5重量%以下の範囲で、かつ、下式(1)および
(2)を満足するものであることを特徴とする。
水素の反応に有効なことはよく知られていたが、これま
での研究では、骨格のアルミニウムとシリコンの比のみ
で整理されており、出発原料であるNa−Y型ゼオライ
トのケイバン比が高くなることによって、本質的な骨格
構造による特性の違いは見いだされていなかった。本発
明者らは、ケイバン比を高めたNa−Y型ゼオライトを
出発物質とし、これを徹底的にアルカリ除去したもの、
特にケイバン比が6以上のNa−Y型ゼオライトを徹底
的にアルカリ除去したものは、通常これまで工業製品と
して使用されているケイバン比5前後のNa−Y型ゼオ
ライトを各種処理によりケイバン比を高めてY型ゼオラ
イトとし、脱アルミニウムしたものとは明らかに異なっ
た物理化学特性を有しており、接触分解、水素化分解な
どの触媒で特異な反応性を示すことを見い出し、本発明
を完成させた。本発明に係る接触分解触媒は、フォージ
ャサイト型ゼオライトからなる接触分解触媒において、
該フォージャサイト型ゼオライトがNa2O含有量が
0.5重量%以下の範囲で、かつ、下式(1)および
(2)を満足するものであることを特徴とする。
【数2】 (R Al)≧15Log(Na2O)+80・・・・・・(1) 前式(1)および(2)において、(R Al)はフォ
ージャサイト型ゼオライト骨格を形成する4配位アルミ
ニウム原子の残存率(%)である。(Na2O)は、フ
ォージャサイト型ゼオライト中のNa2O含有量(wt
%)である。(N Al−1)はBreckの式より求
められる出発原料Na−型フォージャサイト型ゼオライ
トの単位格子中の4配位のアルミニウム原子の数であ
る。(N Al−2)はBreckの式より求められる
脱アルカリ処理されたNa2O含有量が(Na2O)wt
%のフォージャサイト型ゼオライト単位格子中の4配位
のアルミニウム原子の数を表わす。本発明のフォージャ
サイト型ゼオライトとしては、さらに好ましくは4配位
アルミニウム原子の残存率(R Al)%が、
ージャサイト型ゼオライト骨格を形成する4配位アルミ
ニウム原子の残存率(%)である。(Na2O)は、フ
ォージャサイト型ゼオライト中のNa2O含有量(wt
%)である。(N Al−1)はBreckの式より求
められる出発原料Na−型フォージャサイト型ゼオライ
トの単位格子中の4配位のアルミニウム原子の数であ
る。(N Al−2)はBreckの式より求められる
脱アルカリ処理されたNa2O含有量が(Na2O)wt
%のフォージャサイト型ゼオライト単位格子中の4配位
のアルミニウム原子の数を表わす。本発明のフォージャ
サイト型ゼオライトとしては、さらに好ましくは4配位
アルミニウム原子の残存率(R Al)%が、
【数3】(R Al)≧10Log(Na2O)+80 より一層好ましくは、
【数4】(R Al)≧5Log(Na2O)+80 の範囲にあることが好ましい。
【0006】本発明の前記触媒は、前記の特定のフォー
ジャサイト型ゼオライトとマトリックス前駆体物質とを
混合し、例えば、噴霧乾燥して微小球状粒子とするなど
の慣用の方法により製造することができる。フォージャ
サイト型ゼオライトは、一般に平均粒度0.5〜3μm
程度であり、また微小球状粒子とした触媒の大きさは、
例えば流動触媒の場合、一般に60〜80μm程度の大
きさである。マトリックスとしては通常の接触分解触媒
に用いられているものが使用可能である。例えば、シリ
カ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシアなど公知の
ものが例示される。また、該ゼオライトを所望に応じて
含有させることができるが、通常、5〜50%、好まし
くは10〜40%の範囲である。本発明の触媒は従来当
業界で慣用されている接触分解条件下に炭化水素、特に
常圧残渣油、減圧残油、減圧軽油などの重質油の接触分
解に使用して好適である。本発明の特定ゼオライトを使
用した触媒は、従来のゼオライトを使用した触媒に比較
して同一条件で炭化水素の接触分解を行った場合に、活
性、ガソリン収率が高い。本発明の特定ゼオライトはア
ルカリを徹底的に除去しても、構造が破壊されず安定で
あり、脱アルミニウムも少ないため、高温のスチーム処
理を受けても結晶構造が安定であり、ゼオライトの持つ
本質的な接触分解反応活性が損なわれないためである。
ジャサイト型ゼオライトとマトリックス前駆体物質とを
混合し、例えば、噴霧乾燥して微小球状粒子とするなど
の慣用の方法により製造することができる。フォージャ
サイト型ゼオライトは、一般に平均粒度0.5〜3μm
程度であり、また微小球状粒子とした触媒の大きさは、
例えば流動触媒の場合、一般に60〜80μm程度の大
きさである。マトリックスとしては通常の接触分解触媒
に用いられているものが使用可能である。例えば、シリ
カ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシアなど公知の
ものが例示される。また、該ゼオライトを所望に応じて
含有させることができるが、通常、5〜50%、好まし
くは10〜40%の範囲である。本発明の触媒は従来当
業界で慣用されている接触分解条件下に炭化水素、特に
常圧残渣油、減圧残油、減圧軽油などの重質油の接触分
解に使用して好適である。本発明の特定ゼオライトを使
用した触媒は、従来のゼオライトを使用した触媒に比較
して同一条件で炭化水素の接触分解を行った場合に、活
性、ガソリン収率が高い。本発明の特定ゼオライトはア
ルカリを徹底的に除去しても、構造が破壊されず安定で
あり、脱アルミニウムも少ないため、高温のスチーム処
理を受けても結晶構造が安定であり、ゼオライトの持つ
本質的な接触分解反応活性が損なわれないためである。
【0007】以下に本発明について具体的に説明する。
本発明のフォージャサイト型ゼオライトは、Na−Y型
ゼオライトのアルカリを徹底的に除去した場合にゼオラ
イトの骨格を形成する4配位アルミニウム原子の残存率
が前式(1)を満足することを特徴とする。アルカリの
除去はゼオライト中のNa2O含有量が0.5重量%以
下の範囲にする必要がある。Na2O含有量が、0.5
重量%以上の場合には、該ゼオライトの優秀性は発揮さ
れない。好ましくはNa2O含有量が0.1重量%以下
の範囲が好ましい。更に好ましくは、Na2O含有量
は、0.1重量%以下であって、かつ0.01重量%以
上の範囲のものが好ましい。この範囲のものは、固体酸
特性に特徴を有し、高活性、高選択性等触媒特性に優れ
ている。前式(1)のゼオライト骨格を形成する4配位
アルミニウム原子の量(N Al)は、Determi
nation of Framework Alumi
nium Content in Zeolites
X,Y and Dealuminated Y Us
ing Unit Cell Size″ZEOLIT
ES″1989,Vol9,July,p350に記載
されている下式(3)で表わされているBreckの式
により求めることができる。
本発明のフォージャサイト型ゼオライトは、Na−Y型
ゼオライトのアルカリを徹底的に除去した場合にゼオラ
イトの骨格を形成する4配位アルミニウム原子の残存率
が前式(1)を満足することを特徴とする。アルカリの
除去はゼオライト中のNa2O含有量が0.5重量%以
下の範囲にする必要がある。Na2O含有量が、0.5
重量%以上の場合には、該ゼオライトの優秀性は発揮さ
れない。好ましくはNa2O含有量が0.1重量%以下
の範囲が好ましい。更に好ましくは、Na2O含有量
は、0.1重量%以下であって、かつ0.01重量%以
上の範囲のものが好ましい。この範囲のものは、固体酸
特性に特徴を有し、高活性、高選択性等触媒特性に優れ
ている。前式(1)のゼオライト骨格を形成する4配位
アルミニウム原子の量(N Al)は、Determi
nation of Framework Alumi
nium Content in Zeolites
X,Y and Dealuminated Y Us
ing Unit Cell Size″ZEOLIT
ES″1989,Vol9,July,p350に記載
されている下式(3)で表わされているBreckの式
により求めることができる。
【数5】 (N Al)=〔UCS(Å)−24.191〕×115.2・・・・(3) 〔前式中、UCSは単位格子定数(Å)を表わす。〕
【0008】本発明の前式(1)を満足するフォージャ
サイト型ゼオライトは、前述のように、通常工業的に触
媒に使用されているゼオライトを脱アルミニウムして、
ケイバン比を高め、安定化させたいわゆるUS−Yでは
なく、出発原料のNa−Y型ゼオライトのケイバン比を
高めたもの、例えばケイバン比が6以上のゼオライトか
らアルカリを徹底的に除去したものである。前記出発原
料のケイバン比を高めたNa−Y型ゼオライトの合成は
通常の合成法で、原料のシリカ−アルミナ比を高めて合
成するか、あるいは、テンプレートとしてクラウンエー
テルを用いることにより合成することができる。また、
前記ケイバン比を高めたNa−Y型ゼオライトからアル
カリを徹底的に除去する手段としては、該ゼオライトを
通常のイオン交換方法によるイオン交換と焼成操作を繰
り返す方法が挙げられる。
サイト型ゼオライトは、前述のように、通常工業的に触
媒に使用されているゼオライトを脱アルミニウムして、
ケイバン比を高め、安定化させたいわゆるUS−Yでは
なく、出発原料のNa−Y型ゼオライトのケイバン比を
高めたもの、例えばケイバン比が6以上のゼオライトか
らアルカリを徹底的に除去したものである。前記出発原
料のケイバン比を高めたNa−Y型ゼオライトの合成は
通常の合成法で、原料のシリカ−アルミナ比を高めて合
成するか、あるいは、テンプレートとしてクラウンエー
テルを用いることにより合成することができる。また、
前記ケイバン比を高めたNa−Y型ゼオライトからアル
カリを徹底的に除去する手段としては、該ゼオライトを
通常のイオン交換方法によるイオン交換と焼成操作を繰
り返す方法が挙げられる。
【0009】次に通常工業的に触媒に使用されているケ
イバン比5程度のゼオライトを脱アルカリ処理したY型
ゼオライト(以下、Y5と呼ぶ)とケイバンが比7程度
のNa−Y型ゼオライトを脱アルカリ処理したY型ゼオ
ライト(以下、Y7と呼ぶ)の両者の物理化学特性の相
違を記載する。
イバン比5程度のゼオライトを脱アルカリ処理したY型
ゼオライト(以下、Y5と呼ぶ)とケイバンが比7程度
のNa−Y型ゼオライトを脱アルカリ処理したY型ゼオ
ライト(以下、Y7と呼ぶ)の両者の物理化学特性の相
違を記載する。
【0010】(1)脱アルカリ処理したY5およびY7
の耐水熱性 Y5とY7の脱アルカリ処理は、脱アルカリ手段として
通常よく知られているアンモニウムイオン交換、水蒸気
処理を繰り返す方法によって行った。前記のように、従
来、通常工業的に触媒に使用されているY5は、脱アル
カリと共に脱アルミニウムが起こり、同時に結晶破壊が
起こるのに対して、Y7はアルカリが0.02重量%と
殆どアルカリが除去されているのにゼオライトの構造は
十分に維持されている。Y5ではゼオライトの結晶構造
を破壊せずに徹底的にアルカリを除去することは不可能
であったのに対して、Y7では充分にアルカリを除去す
ることが可能である。ゼオライト骨格のアルミニウムが
あまり脱離されることなく、アルカリを十分除去するこ
とができることは驚くべき事であり、また接触分解触媒
として大きな利点である。すなわち、接触分解触媒は装
置内で再生時に高温の水熱処理を受けるが、その時ゼオ
ライト内のアルカリが移動してゼオライトの活性点を破
毒させると共に、脱アルミニウムが起こり、結晶破壊を
起こす。その結果、活性、選択性が低下する。もし、ゼ
オライト中のアルカリが少なければ、その影響を受けず
に活性は十分維持される。さらに、高温で水蒸気処理し
た場合に、両者の前記特性の相違はより明瞭になる。そ
の結果を下表1に示す。下表1に示すY5およびY7
は、実施例1において製造したNa−Yを焼成すること
なく(NH4)2SO4溶液にて1回のイオン交換で得ら
れたNH4−Yを試料として用いた。試料を50%水蒸
気雰囲気中で各々の所定温度で1時間焼成した後、単位
格子定数(UCS)と結晶化度を測定した。Y7は87
0℃といった高温の水蒸気処理によっても充分に高い耐
水熱性を有しており、この特性は特記すべき事である。
表1に示すようにY7は870℃といった高温でも、十
分に高い耐水熱性があることが認められるとともに、高
温のスチーミングによっても、骨格のアルミニウムが除
去されず、高い格子定数が維持されている。これらの結
果はこれまで知られておらず、このような高い格子定数
であるにもかかわらず高温での高い耐水熱性を有するゼ
オライトYの特性は残油処理触媒として、驚くべき有益
な特性であり、再生時の温度を高めることができて、残
油接触分解プロセスの革新的な改善が予想される
の耐水熱性 Y5とY7の脱アルカリ処理は、脱アルカリ手段として
通常よく知られているアンモニウムイオン交換、水蒸気
処理を繰り返す方法によって行った。前記のように、従
来、通常工業的に触媒に使用されているY5は、脱アル
カリと共に脱アルミニウムが起こり、同時に結晶破壊が
起こるのに対して、Y7はアルカリが0.02重量%と
殆どアルカリが除去されているのにゼオライトの構造は
十分に維持されている。Y5ではゼオライトの結晶構造
を破壊せずに徹底的にアルカリを除去することは不可能
であったのに対して、Y7では充分にアルカリを除去す
ることが可能である。ゼオライト骨格のアルミニウムが
あまり脱離されることなく、アルカリを十分除去するこ
とができることは驚くべき事であり、また接触分解触媒
として大きな利点である。すなわち、接触分解触媒は装
置内で再生時に高温の水熱処理を受けるが、その時ゼオ
ライト内のアルカリが移動してゼオライトの活性点を破
毒させると共に、脱アルミニウムが起こり、結晶破壊を
起こす。その結果、活性、選択性が低下する。もし、ゼ
オライト中のアルカリが少なければ、その影響を受けず
に活性は十分維持される。さらに、高温で水蒸気処理し
た場合に、両者の前記特性の相違はより明瞭になる。そ
の結果を下表1に示す。下表1に示すY5およびY7
は、実施例1において製造したNa−Yを焼成すること
なく(NH4)2SO4溶液にて1回のイオン交換で得ら
れたNH4−Yを試料として用いた。試料を50%水蒸
気雰囲気中で各々の所定温度で1時間焼成した後、単位
格子定数(UCS)と結晶化度を測定した。Y7は87
0℃といった高温の水蒸気処理によっても充分に高い耐
水熱性を有しており、この特性は特記すべき事である。
表1に示すようにY7は870℃といった高温でも、十
分に高い耐水熱性があることが認められるとともに、高
温のスチーミングによっても、骨格のアルミニウムが除
去されず、高い格子定数が維持されている。これらの結
果はこれまで知られておらず、このような高い格子定数
であるにもかかわらず高温での高い耐水熱性を有するゼ
オライトYの特性は残油処理触媒として、驚くべき有益
な特性であり、再生時の温度を高めることができて、残
油接触分解プロセスの革新的な改善が予想される
【0011】
【表1】 *1 : 結晶化度は、原料NH4−Yを100(%)としたときの相対値
【0012】(2)Y5およびY7の脱アルミニウムに
よる骨格結晶の変化 Y5,Y7の脱アルカリによる骨格結晶の変化をNMR
で測定すると、脱アルカリしない試料は、Y5,Y7と
もに4配位のAlのピークのみであり、両者に相違はな
い。脱アルカリが進むと両者に相違が出てくる。Y5の
場合、脱アルカリの進行にともなって、脱アルミニウム
が起こり、4配位のAlの存在を示すピークの他に、6
配位のAlを示すピークとの間にブロードなピークが存
在する。これは、ゼオライト骨格の中のアルミニウムが
一部シリカと再結合して無定形シリカ−アルミナを形成
していることを示す。一方、Y7の場合も、一部のアル
ミニウムが脱離するが、これはシリカとの再結合は認め
られず、アルミナとしての存在を示す6配位のAlのピ
ークが明瞭であり、ゼオライトの結晶破壊が極めて少な
いため、脱離したアルミニウムとシリカが結合しないこ
とを示している。脱離したアルミニウムがシリカと結合
し、無定形シリカ−アルミナを形成すると、ガソリン、
コークの選択性が低下するので好ましくない。一方、Y
7の場合には、脱アルカリによる結晶破壊が極めて少な
いので、脱離したアルミニウムがシリカ−アルミナを形
成しないので、活性も高く、またガソリン、コーク選択
性も高い触媒が得られる。前述のように通常、Y5の場
合、脱アルカリによって同時に脱アルミニウムも起こる
が、Y7の場合、骨格のアルミニウムがきわめて安定で
あるため脱アルミニウムが少なく、このような安定な骨
格のアルミニウムは固体酸としても作用し、次の(3)
に示すような固体酸特性を示す。
よる骨格結晶の変化 Y5,Y7の脱アルカリによる骨格結晶の変化をNMR
で測定すると、脱アルカリしない試料は、Y5,Y7と
もに4配位のAlのピークのみであり、両者に相違はな
い。脱アルカリが進むと両者に相違が出てくる。Y5の
場合、脱アルカリの進行にともなって、脱アルミニウム
が起こり、4配位のAlの存在を示すピークの他に、6
配位のAlを示すピークとの間にブロードなピークが存
在する。これは、ゼオライト骨格の中のアルミニウムが
一部シリカと再結合して無定形シリカ−アルミナを形成
していることを示す。一方、Y7の場合も、一部のアル
ミニウムが脱離するが、これはシリカとの再結合は認め
られず、アルミナとしての存在を示す6配位のAlのピ
ークが明瞭であり、ゼオライトの結晶破壊が極めて少な
いため、脱離したアルミニウムとシリカが結合しないこ
とを示している。脱離したアルミニウムがシリカと結合
し、無定形シリカ−アルミナを形成すると、ガソリン、
コークの選択性が低下するので好ましくない。一方、Y
7の場合には、脱アルカリによる結晶破壊が極めて少な
いので、脱離したアルミニウムがシリカ−アルミナを形
成しないので、活性も高く、またガソリン、コーク選択
性も高い触媒が得られる。前述のように通常、Y5の場
合、脱アルカリによって同時に脱アルミニウムも起こる
が、Y7の場合、骨格のアルミニウムがきわめて安定で
あるため脱アルミニウムが少なく、このような安定な骨
格のアルミニウムは固体酸としても作用し、次の(3)
に示すような固体酸特性を示す。
【0013】(3)固体酸特性 固体酸性は残存アルカリに大きく依存し、また基本的に
は骨格のアルミニウム特性によることが知られている。
通常、アンモニアの吸着脱離(TPD)により固体酸性
を測定すると2つあるいは3つのNH3の脱離に伴うピ
ークが存在することが知られている。このピークはそれ
ぞれ250,400〜500,500℃以上にて認めら
れる。500℃以上での脱離ピークはLewis酸の存
在を示す。低温、高温での脱離ピークは、それぞれ、弱
いBronsted酸点、強いBronsted酸点に
対応する。Y7はY5に比べて固体酸量が多いことと、
Y7はアンモニア脱離が高温で起こり、酸の総量のみで
はなく、強い固体酸性質の活性点を有する、接触分解反
応、水素化分解反応に於いて、強い固体酸性は核分解反
応に有効であり、Y7が特有の反応性をもっている。こ
の固体酸性の相違は骨格のアルミニウムの特性に依存し
ている。
は骨格のアルミニウム特性によることが知られている。
通常、アンモニアの吸着脱離(TPD)により固体酸性
を測定すると2つあるいは3つのNH3の脱離に伴うピ
ークが存在することが知られている。このピークはそれ
ぞれ250,400〜500,500℃以上にて認めら
れる。500℃以上での脱離ピークはLewis酸の存
在を示す。低温、高温での脱離ピークは、それぞれ、弱
いBronsted酸点、強いBronsted酸点に
対応する。Y7はY5に比べて固体酸量が多いことと、
Y7はアンモニア脱離が高温で起こり、酸の総量のみで
はなく、強い固体酸性質の活性点を有する、接触分解反
応、水素化分解反応に於いて、強い固体酸性は核分解反
応に有効であり、Y7が特有の反応性をもっている。こ
の固体酸性の相違は骨格のアルミニウムの特性に依存し
ている。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。 実施例1 高ケイバン比Y型ゼオライト(Y7)はSynthes
is of newSilica−rich cubi
c and hexagonal faujasite
using crown−ether−based
supramolecule as templete
s ″Zeolites″,1990.Vo1.10,
July/August p546に記載の方法により
合成した。比較に用いたY型ゼオライト(Y5)は珪酸
ソーダ、アルミン酸ソーダを原料として、その組成が
2.8Na2O・Al2O3・8.3SiO2・120H2
Oになるように調製し、100℃にて48時間加熱結晶
化した。両Na型Yゼオライト(Na−Y)のX線回折
(XRD)により求めたケイバン比及び相対結晶化度を
表2に示す。
説明する。 実施例1 高ケイバン比Y型ゼオライト(Y7)はSynthes
is of newSilica−rich cubi
c and hexagonal faujasite
using crown−ether−based
supramolecule as templete
s ″Zeolites″,1990.Vo1.10,
July/August p546に記載の方法により
合成した。比較に用いたY型ゼオライト(Y5)は珪酸
ソーダ、アルミン酸ソーダを原料として、その組成が
2.8Na2O・Al2O3・8.3SiO2・120H2
Oになるように調製し、100℃にて48時間加熱結晶
化した。両Na型Yゼオライト(Na−Y)のX線回折
(XRD)により求めたケイバン比及び相対結晶化度を
表2に示す。
【表2】 *1 : UCC社のSK−40ゼオライトの結晶化度を100とした場合の 相対値 これらのNa−Yを(NH4)SO4溶液にてイオン交換
し、さらに650℃にて加熱−イオン交換を繰り返し、
脱アルカリ処理をした。脱アルカリ処理後の残存アルカ
リ、脱アルミニウムの状況を表3に示す。また、脱アル
カリ処理後の残存アルカリ量(Na2O)と4配位アル
ミニウム原子の残存率の関係を図1に示す。
し、さらに650℃にて加熱−イオン交換を繰り返し、
脱アルカリ処理をした。脱アルカリ処理後の残存アルカ
リ、脱アルミニウムの状況を表3に示す。また、脱アル
カリ処理後の残存アルカリ量(Na2O)と4配位アル
ミニウム原子の残存率の関係を図1に示す。
【0015】
【表3】 * : 実施例の触媒として使用 (注): ( )の値は、出発原料Na−Yの単位格子中のAlの数 (N Al−1)である。
【0016】実施例2 前表3に示すNH4型にイオン交換したY7(Na2O含
有量=0.02wt%)およびY5(比較試料、Na2
O含有量0.12wt%)をそれぞれ30wt%含有す
る流動接触分解(FCC)触媒を調製した。触媒は、水
ガラスに硫酸を加えて調製したSiO2を5wt%含む
シリカヒドロゾルにそれぞれのゼオライトおよびカオリ
ンを加えて混合スラリーとし、これを噴霧乾燥し、洗
浄、乾燥して調製した。各触媒の組成は、ゼオライトが
30重量%、SiO2が20重量%、カオリンが50重
量%であった。該触媒を750および810℃で100
%水蒸気雰囲気で2時間処理して疑似平衡化した試料に
ついて、MAT(Micro−activity te
st)装置により触媒活性を以下の記載のようにして評
価した。原料としては、脱硫常圧残油を用い、反応温度
530℃、Cat/Oil比3、WHSV(1/Hr)
40で行った。MAT反応結果を表4に示す。
有量=0.02wt%)およびY5(比較試料、Na2
O含有量0.12wt%)をそれぞれ30wt%含有す
る流動接触分解(FCC)触媒を調製した。触媒は、水
ガラスに硫酸を加えて調製したSiO2を5wt%含む
シリカヒドロゾルにそれぞれのゼオライトおよびカオリ
ンを加えて混合スラリーとし、これを噴霧乾燥し、洗
浄、乾燥して調製した。各触媒の組成は、ゼオライトが
30重量%、SiO2が20重量%、カオリンが50重
量%であった。該触媒を750および810℃で100
%水蒸気雰囲気で2時間処理して疑似平衡化した試料に
ついて、MAT(Micro−activity te
st)装置により触媒活性を以下の記載のようにして評
価した。原料としては、脱硫常圧残油を用い、反応温度
530℃、Cat/Oil比3、WHSV(1/Hr)
40で行った。MAT反応結果を表4に示す。
【0017】
【表4】
【0018】本発明の実施態様を以下に列挙する。 1. 高ケイバン比のNa−Y型ゼオライトをNa2O
含有量が0.5重量%以下に脱アルカリ処理したもので
あるフォージャサイト型ゼオライトを含有することを特
徴とする接触分解触媒。 2. 前項1記載の接触分解触媒において、Na−Y型
ゼオライトのケイバン比が6以上のものである接触分解
触媒。 3. 前項1または2記載の接触分解触媒において、
0.1重量%以下に脱アルカリ処理されたフォージャサ
イト型ゼオライトの単位格子中の4配位のアルミニウム
原子の数(N Al−2)が25以上、好ましくは30
以上であることを特徴とする接触分解触媒。 4. 前項1または2記載の接触分解触媒において、
0.1重量%以下に脱アルカリ処理されたフォージャサ
イト型ゼオライトの骨格を形成する4配位アルミニウム
原子の残存率(R Al)(%)が50%以上、好まし
くは60%以上であることを特徴とする接触分解触媒。 5. 前項3または4記載の接触分解触媒において、脱
アルカリ処理されたフォージャサイト型ゼオライトのN
a2O含有量が0.05重量%以下であることを特徴と
する接触分解触媒。 6. 前項1、2、3、4または5記載の接触分解触媒
において、フォージャサイト型ゼオライトが前式(1)
および(2)を満足するものであることを特徴とする接
触分解触媒。
含有量が0.5重量%以下に脱アルカリ処理したもので
あるフォージャサイト型ゼオライトを含有することを特
徴とする接触分解触媒。 2. 前項1記載の接触分解触媒において、Na−Y型
ゼオライトのケイバン比が6以上のものである接触分解
触媒。 3. 前項1または2記載の接触分解触媒において、
0.1重量%以下に脱アルカリ処理されたフォージャサ
イト型ゼオライトの単位格子中の4配位のアルミニウム
原子の数(N Al−2)が25以上、好ましくは30
以上であることを特徴とする接触分解触媒。 4. 前項1または2記載の接触分解触媒において、
0.1重量%以下に脱アルカリ処理されたフォージャサ
イト型ゼオライトの骨格を形成する4配位アルミニウム
原子の残存率(R Al)(%)が50%以上、好まし
くは60%以上であることを特徴とする接触分解触媒。 5. 前項3または4記載の接触分解触媒において、脱
アルカリ処理されたフォージャサイト型ゼオライトのN
a2O含有量が0.05重量%以下であることを特徴と
する接触分解触媒。 6. 前項1、2、3、4または5記載の接触分解触媒
において、フォージャサイト型ゼオライトが前式(1)
および(2)を満足するものであることを特徴とする接
触分解触媒。
【0019】
【効果】本発明の触媒は、従来当業界で慣用されている
接触分解条件下に炭化水素、特に常圧残渣油、減圧残
油、減圧軽油などの重質油の接触分解に使用して好適で
ある。本発明の特定のゼオライトを使用した触媒は、従
来のゼオライトを使用した触媒に比較して同一条件で接
触分解の転化率は高く、又、耐水熱性が高いため、水熱
処理温度が高くなっても活性、選択性の低下は認められ
ない。これは、前述のように、Y7はアルカリを徹底的
に除去しても、構造が破壊されず安定であり、脱アルミ
ニウムも少ないため、高温のスチーム処理を受けても結
晶構造が安定であり、ゼオライトのもつ本質的な接触分
解反応活性が損なわれないためである。
接触分解条件下に炭化水素、特に常圧残渣油、減圧残
油、減圧軽油などの重質油の接触分解に使用して好適で
ある。本発明の特定のゼオライトを使用した触媒は、従
来のゼオライトを使用した触媒に比較して同一条件で接
触分解の転化率は高く、又、耐水熱性が高いため、水熱
処理温度が高くなっても活性、選択性の低下は認められ
ない。これは、前述のように、Y7はアルカリを徹底的
に除去しても、構造が破壊されず安定であり、脱アルミ
ニウムも少ないため、高温のスチーム処理を受けても結
晶構造が安定であり、ゼオライトのもつ本質的な接触分
解反応活性が損なわれないためである。
【図1】ゼオライト中のNa2O含有量とアルミニウム
残存率の関係を示す図である。
残存率の関係を示す図である。
A (R Al)=15Log(Na2O)+80 B (R Al)=10Log(Na2O)+80 C (R Al)=5Log(Na2O)+80
Claims (1)
- 【請求項1】 フォージャサイト型ゼオライトからなる
接触分解触媒において、該フォージャサイト型ゼオライ
トがNa2O含有量が0.5重量%以下の範囲で、か
つ、下式(1)および(2)を満足するものであること
を特徴とする接触分解触媒。 【数1】 (R Al)≧15Log(Na2O)+80・・・・・・(1) 前式(1)および(2)において、 (R Al)はフォージャサイト型ゼオライト骨格を形
成する4配位アルミニウム原子の残存率(%)である。
(Na2O)は、フォージャサイト型ゼオライト中のN
a2O含有量(wt%)である。(N Al−1)はB
reckの式より求められる出発原料Na−型フォージ
ャサイト型ゼオライトの単位格子中の4配位のアルミニ
ウム原子の数である。(N Al−2)はBreckの
式より求められる脱アルカリ処理されたNa2O含有量
が(Na2O)wt%のフォージャサイト型ゼオライト
単位格子中の4配位のアルミニウム原子の数を表わす。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21262395A JPH0938499A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 接触分解触媒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21262395A JPH0938499A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 接触分解触媒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0938499A true JPH0938499A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16625751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21262395A Pending JPH0938499A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 接触分解触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0938499A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10583424B2 (en) | 2008-11-06 | 2020-03-10 | Basf Corporation | Chabazite zeolite catalysts having low silica to alumina ratios |
-
1995
- 1995-07-28 JP JP21262395A patent/JPH0938499A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10583424B2 (en) | 2008-11-06 | 2020-03-10 | Basf Corporation | Chabazite zeolite catalysts having low silica to alumina ratios |
US11660585B2 (en) | 2008-11-06 | 2023-05-30 | Basf Corporation | Chabazite zeolite catalysts having low silica to alumina ratios |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0142313B1 (en) | Method of preparing a zeolite catalyst with enhanced catalytic activity | |
US4239654A (en) | Hydrocarbon cracking catalyst and process utilizing the same | |
EP0124119B1 (en) | Conversion of crude oils with carbon-hydrogen fragmentation compounds over non-zeolitic catalysts | |
US5013699A (en) | Novel zeolite compositions derived from zeolite Y | |
KR101122208B1 (ko) | 희토류 y-제올라이트 함유 탄화수소 크래킹용 촉매 및 그의 제조 방법 | |
US4681864A (en) | Cracking catalyst | |
US4556478A (en) | Hydrocarbon conversion process and catalyst composition | |
JPS6092221A (ja) | メタノールのオレフインへの変換方法 | |
OA11155A (en) | Process for the preparation of a catalyst composition | |
JPH0214102B2 (ja) | ||
JPS62221449A (ja) | クラツキング触媒 | |
JPS6354944A (ja) | 芳香族選択性をもつクラツキング触媒 | |
JPS61291043A (ja) | 安定化されかつ脱アルミニウムされた沸石オメガをベ−スとする重質石油留分のクラツキング触媒およびその調製方法 | |
US6991774B2 (en) | Rare earth zeolite Y and the preparation process thereof | |
CA2067630A1 (en) | Method of synthesizing zeolite beta | |
EP0397183A1 (en) | Catalytic compositions | |
EP0109064A2 (en) | Hydrocarbon conversion catalysts | |
JPS5953213B2 (ja) | アルカリ金属の不在におけるzsm↓−5型ゼオライトの製法 | |
GB2132597A (en) | High silica/alumina ratio faujasite type NaY | |
JPH05500650A (ja) | 低アルミニウムホウ素ベータゼオライト | |
JPH08173816A (ja) | 炭化水素の流動接触分解用触媒組成物および該組成物の製造方法 | |
JP2759099B2 (ja) | 炭化水素油の流動接触分解用触媒組成物ならびにそれを用いる流動接解分解法 | |
US5312792A (en) | Catalytic compositions | |
JPH0938499A (ja) | 接触分解触媒 | |
EP0453148A1 (en) | Gallium zeolites |