JPH09105989A - カメラ - Google Patents

カメラ

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JPH09105989A
JPH09105989A JP7261775A JP26177595A JPH09105989A JP H09105989 A JPH09105989 A JP H09105989A JP 7261775 A JP7261775 A JP 7261775A JP 26177595 A JP26177595 A JP 26177595A JP H09105989 A JPH09105989 A JP H09105989A
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JP
Japan
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film
rotation
intermittent sprocket
shutter
sprocket
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JP7261775A
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Kazuhiko Onda
和彦 恩田
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Fujinon Corp
Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
Fuji Photo Optical Co Ltd
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Priority to CNB021557225A priority patent/CN1187650C/zh
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フイルム巻戻し中に写真フイルムが離脱して
一対の歯がシャッタチャージを行う区域で間欠スプロケ
ットが停止すると、次回のフイルム巻き上げ時にフイル
ム先端が一対の歯に突っかかる不具合を解消する。 【解決手段】 1コマ給送長ごとに、一対のパーフォレ
ーションが狭い間隔で並べられた写真フイルムを1コマ
ずつ巻き上げ、この1コマ給送中に回転する間欠スプロ
ケット27の回転を利用してカウンタ板49を1歩進さ
せるとともに、一対の歯27a,27bが一対のパーフ
ォレーションに係合している間の間欠スプロケット27
の回転を利用してシャッタチャージを行う。最後のコマ
に撮影を終了した後には、写真フイルムを巻き戻してパ
トローネに収納する。カウンタ板49は、巻戻しされる
写真フイルムに従動する間欠スプロケット27の回転に
よりスタート位置に向けて戻される。カウンタ板49が
スタート位置に戻った際には、ロックレバー55等のロ
ック手段により一対の歯27a,27bがシャッタチャ
ージを行う区域以外の位置で間欠スプロケット27の回
転をロックする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は、1コマ給送長ごと
に、2つのパーフォレーションが狭い間隔で並べられた
写真フイルムを用いるカメラに関し、さらに詳しくは、
パトローネから写真フイルムを巻き上げながら撮影を行
い、撮影完了後に写真フイルムをパトローネに巻き戻す
カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平5−19368号公報では、1コ
マあたり2個のパーフォレーションを形成した写真フイ
ルムが提案されている。これらの2個のパーフォレーシ
ョンは、各コマごとにコマの先頭に対応する位置とコマ
の後端に対応する位置とに設けられ、これらのパーフォ
レーション間に各コマが撮影されることを前提としてい
る。このためパーフォレーションは、コマの中心を決め
るための長い間隔と、各コマの相互間隔を決めるための
短い間隔との2種類の間隔で交互に並んでいる。そし
て、長い間隔と短い間隔とを加算した長さが1コマ給送
長とされる。
【0003】本出願人は、このようなフォーマットのフ
イルム給送を比較的ローコストで実施するのに適する手
段として、パーフォレーションの短い間隔に合わせて一
対の歯を外周に設けた間欠スプロケットを用い、フイル
ム1コマ分の移送に応じて間欠スプロケットを間欠的に
1回転させ、これと同期に回転するカム溝に爪を入り込
ませることで間欠スプロケットの回転をロックしてフイ
ルム巻き上げを阻止し、この間の間欠スプロケットの回
転を利用してチャージカムでチャージバネの付勢に抗し
たシャッタチャージを行うものを特願平7−32413
号に提案した。こようなフイルム巻き止め機構及びシャ
ッタチャージ機構は、パーフォレーションの移動を機械
的に検知する構成のため1コマ分のフイルム移送の検出
が確実に行えるとともに、シャッタチャージを、間欠ス
プロケットの歯がパーフォレーションに係合している間
で行わせるようにすることで、シャッタに掛かる強いチ
ャージバネの付勢に抗することができる。
【0004】ところで、フイルム先端のコマから順に撮
影を行うカメラの場合、最後のコマに撮影を行った後に
フイルム巻き戻しを行う。このときには、間欠スプロケ
ットとフイルム巻き止め機構、及びシャッタチャージ機
構との連結を解除して間欠スプロケットの回転をフリー
にしておく。このようにすれば、フイルム巻き止め機構
とシャッタチャージ機構とが作動しないから、撮影済み
の写真フイルムを全部巻き戻すことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フイル
ム巻き戻し中には、間欠スプロケットもフイルム巻き戻
し方向に従動して間欠的に回転する。したがって、撮影
済みの写真フイルムを巻き戻した後には、フイルム先端
が離脱したときの位置で間欠スプロケットが停止する。
この停止位置にはフイルム移送力によってバラツキが生
じるが、チャージカムがシャッタチャージ機構をチャー
ジする区間で停止する。このため、この停止位置では、
歯がフイルム通路に突出し、且つチャージカムがシャッ
タチャージ機構をチャージする区間で停止しているた
め、間欠スプロケットにチャージバネの負荷がかかって
いるから、新たな写真フイルムを装填してフイルム先端
を自動的に送り出そうとしたときに、フイルム先端が歯
に突っ掛かり、フイルム巻き上げが行えない不具合が生
じる。また、チャージバネの負荷に打ち勝って写真フイ
ルムの巻き上げが行えたとしても、フイルム巻き止め機
構が作動し、指定された最初コマよりも手間のフイルム
先端部がアパーチャーにセットされ、パーフォレーショ
ンで規定された位置からかけ離れた箇所に撮影が行われ
るという不具合が生じる。
【0006】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、長短2種類の間隔でパーフォレーションが並んだ写
真フイルムを用い、フイルム巻き戻し後に停止する間欠
スプロケットの位置によって生じる不具合を解消したカ
メラを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、2つのパーフォレーションにそれぞれ係
合する2つの歯が外周面から突出して設けられ、給送さ
れるフイルムに前記外周面が摩擦係合して従動回転する
摩擦回転域と、前記パーフォレーションに前記2つの歯
が係合して従動回転する係合回転域とをもつ間欠スプロ
ケットと、;フイルムの巻上げ方向への給送に従動して
間欠スプロケットが正転するときに、前記係合回転域の
少なくとも一部で間欠スプロケットが回転する間に、そ
の回転に連動してシャッタチャージを行うシャッタチャ
ージ機構と、;フイルム巻戻し操作に応答して前記間欠
スプロケットとシャッタチャージ機構との連動を断ち、
フイルムの巻戻し方向への給送に従動して間欠スプロケ
ットが逆転することを許容する切換え手段と、;フイル
ム巻戻しを行って、間欠スプロケットの2つの歯がフイ
ルムの最も先頭側にある2つのパーフォレーションから
離脱した後、フイルムの先端が間欠スプロケットから離
脱するまでの間に、前記2つの歯がシャッタチャージ機
構をチャージする区間以外の位置で間欠スプロケットの
逆転を阻止するロック手段と;を備えたものである。
【0008】最後のコマに撮影終了後、フイルム巻戻し
操作が行われる。この操作に応答して切換え手段が間欠
スプロケットとシャッタチャージ機構との連動を断ち、
間欠スプロケットの逆転を許容する。写真フイルムが巻
き戻されると、間欠スプロケットがパーフォレーション
が到達するまでの間では写真フイルムに外周面が摩擦係
合して従動回転し、その後に一対の歯のうち先行の歯が
写真フイルムに当接した状態で停止し、一対のパーフォ
レーションが到達することで一対の歯に噛合して従動回
転する間欠的な回転を行いながら、フイルム巻き上げ時
とは逆に回転する。
【0009】写真フイルムの最も先頭にある2つのパー
フォレーションが間欠スプロケットの2つの歯から離脱
後、間欠スプロケットは、写真フイルムに外周面が摩擦
係合して従動回転し、その後一対の歯のうち先行の歯が
写真フイルムに当接した状態で停止し、フイルム先端が
無くなることでまた摩擦係合し従動回転する。その後ロ
ック手段は、2つの歯がシャッタチャージ機構をチャー
ジする直前の位置、すなわち、チャージ完了位置で前記
間欠スプロケットの逆転をロックする。この状態は、フ
イルム先端が間欠スプロケットから離脱するまでの間で
ロック手段が摩擦回転域をフイルムの給送路に向けた状
態、すなわち2つの歯をフイルムの給送路から退避した
状態であるから、シャッタチャージ手段のバネ付勢によ
る負荷が生じない位置とされる。したがって、新たな写
真フイルムを装填してフイルム先端を送り出しても不具
合が生じることがない。しかもフイルム巻き戻しに間欠
的に従動回転する間欠スプロケットの逆転だけをロック
し、フイルム巻き上げに間欠的に従動回転する間欠スプ
ロケットの正転を許容しているから、次回のフイルム巻
き上げが支障なく行える。
【0010】
【発明の実施の形態】図2に示す写真フイルムパトロー
ネ10は、パトローネ11と写真フイルム12とから構
成されており、スプール13をフイルム送り出し方向に
回転させることで、写真フイルム12をフイルム先端1
2aから外部に送り出す。
【0011】写真フイルム12には、フイルム幅方向の
片側のエッジにコマ位置決め用パーフォレーション群1
4がフイルム給送方向に沿って形成されている。コマ位
置決め用パーフォレーション群14は、撮影に利用する
撮影領域に、異なる2種類の間隔でパーフォレーション
14a〜14zを連続して形成したものであり、フイル
ム先端12aから短い間隔L1、長い間隔L2の順で配
列されている。カメラでは、長い間隔L2のパーフォレ
ーション14間の中心にアパーチャーの長手方向の中心
を合わせるようにフイルム1コマ給送を行い、撮影が行
われるとアパーチャーのサイズに対応した撮影コマ15
a〜15zが形成される。1コマ給送長は、間隔L1+
L2の長さとなる。なお、撮影領域は、撮影規定枚数に
応じて長さが決められる。
【0012】最後のコマ15zのフイルム後端12b側
には、パーフォレーション14とは逆端のエッジにフイ
ルム終端検出用のパーフォレーション16が形成されて
いる。このパーフォレーション16は、フイルム給送方
向においてパーフォレーション14zとの間隔が短い間
隔L1よりも短くされている。
【0013】カメラには、アパーチャー17を挟んだ左
側にパトローネ室、右側にフイルム巻き取り室とがそれ
ぞれ設けられている。このアパーチャー17は、背後を
通るフイルム通路とともに撮影レンズ18側に凹面を向
けた湾曲形状となっている。
【0014】パトローネ室には、写真フイルムパトロー
ネ10がスプール13の軸方向に沿って装填される。ス
プール13の両端部には、パトローネ11の両側面から
外部に露呈するようにキー溝が形成されている。一方の
キー溝19にはカメラのパトローネ室に設けた駆動軸2
0が係合し、この駆動軸20の駆動によってスプール1
3が回動される。
【0015】パトローネ11には、フイルム出入口21
の内部に、パトローネ内部遮光用の蓋部材が内蔵されて
いる。蓋部材は、フイルム出入口21を塞ぐ閉じ位置と
フイルム出入口21を開く開き位置との間で回動自在に
設けられている。この蓋部材の両端面には、パトローネ
11の両側面から外部に露呈するキー溝が形成されてい
る。一方のキー溝22には、パトローネ室に設けた蓋部
材開閉用の駆動軸23が係合する。この駆動軸23は、
カメラのパトローネ室を開閉する底蓋の移動に連動して
おり、底蓋を開いたときには蓋部材を閉じ位置に、また
底蓋を閉じたときには蓋部材を開き位置にそれぞれ回動
させる。
【0016】これらの駆動軸20,23は、パトローネ
室の奥に突設されているため、底蓋を開いて写真フイル
ムパトローネ10をスプール13の軸方向から装填した
ときに、キー溝19にスプール駆動用の駆動軸20が、
またキー溝22に蓋部材開閉用の駆動軸23がそれぞれ
スムーズに係合する。
【0017】底蓋の閉じ操作に連動して蓋部材が開き位
置に回転した後に、フイルム給送用のモータ24の正転
方向への駆動が開始される。この駆動は、駆動軸24に
伝達され、スプール13がフイルム送り出し方向に回転
する。送り出された写真フイルム12は、フイルム通路
に沿い、アパーチャー17の背後をを通ってフイルム巻
き取り室に送られる。
【0018】フイルム巻き取り室には、巻き取り軸25
が回動自在に配置されている。巻き取り軸25には、ギ
ヤ列等によりモータ24の駆動が減速して伝達され、送
り出された写真フイルム12をフイルム先端12aから
巻き取る。このモータ24と駆動軸20との間には、ス
リップ機構が組み込まれている。このスリップ機構は、
写真フイルム12の巻き取りにつれて巻き太った巻き取
り軸25の回転とモータ24の回転との差を吸収する。
【0019】最後のコマ15zに撮影を完了した後に
は、フイルム巻き戻し操作を行う。この操作によってモ
ータ24が逆転駆動する。このとき、巻き取り軸25と
の間に組み込んだクラッチ26により巻き取り軸25に
は逆転駆動が伝達されず、したがって、写真フイルム1
2はスプール13のフイルム巻き込み方向への回転によ
ってパトローネ11の内部に収納される。
【0020】撮影レンズ18側から見てアパーチャー1
7の上で、且つ撮影光軸18aよりもフイルム巻き取り
室側に寄った位置には、間欠スプロケット27が回転自
在に組み込まれている。この間欠スプロケット27に
は、短い間隔L1で並んだ一対のパーフォレーション1
4が移動したときに順次に噛合する2つの歯27a,2
7bを備えており、これらの歯27a,27bとが外周
面との回動軌跡はフイルム通路に入り込むようになって
いる。
【0021】間欠スプロケット27の下方には、写真フ
イルム12の終端検出用のパーフォレーション16に係
合するフイルム終端検出爪50が設けられている。この
フイルム終端検出爪50は、パーフォレーション16に
係合する係合位置とこれから退避する退避位置との間で
回動自在となっており、バネ51により係合位置に向け
て付勢されている。このフイルム終端検出爪50がパー
フォレーション16に係合することで、これ以上のフイ
ルム巻き上げが阻止される。なお、写真フイルム12の
フイルム先端12aには、フイルム先端12aのうちパ
ーフォレーション16の延長線上の形状がテーパ面12
cとされているため、フイルム終端検出爪50が引っ掛
かることはない。
【0022】間欠スプロケット27は、図4ないし図6
に示すように、長さL1+L3の外周面に一対の歯27
a,27bを短い間隔L1の円周長隔てて形成した形態
とされており、外周のうち一対の歯27a,27bと、
これら歯27a,27bとの間の外周とを除く面に、写
真フイルム12との摩擦抵抗を向上するための輪ゴム2
8が露呈して設けられている。この輪ゴム28の円周長
L3は、パーフォレーション14の間隔L2の長さ以下
とされている。すなわち、一対の歯27a,27bが短
い間隔L1で並んだパーフォレーション14に係合して
従動回転する係合回転域が図4に示す円周長L1であ
り、また給送される写真フイルム12に輪ゴム28が摩
擦係合して従動回転する摩擦回転域が同図に示す円周長
L3である。
【0023】間欠スプロケット27は、詳しくは後述す
るように、写真フイルム12の給送に従動して回転する
が、フイルム巻上げ時に写真フイルム12が1コマ分給
送され、フイルム巻き止め機構が作動してフイルム給送
が停止した時点で回転が停止される。このときには、回
転方向に沿って先行する歯27aがパーフォレーション
14から外れ、後続の歯27bがパーフォレーション1
4に係合したコマ止め位置の状態となる。
【0024】輪ゴム28は、写真フイルム12を1コマ
給送する間のうち、2つの歯27a,27bがパーフォ
レーション14から外れた区間で写真フイルム12との
間で生じる摩擦により間欠スプロケット27を従動回転
させ、2つの歯27のうちの先行する歯27aが写真フ
イルム12に当接して間欠スプロケット27の従動回転
が禁止された後には先行する歯27aが次の対応するパ
ーフォレーション14に係合するまでの間でスリップさ
せながら写真フイルム12の移送を許容する。
【0025】間欠スプロケット27の回転は、同軸に設
けたギヤ30と、これに噛合するギヤ31とを介してシ
ャッタチャージ手段、フイルム巻き止め手段、カウンタ
ー手段、及びロック手段等に伝達される。シャッタチャ
ージ手段とフイルム巻き止め手段とは、図1に示すよう
に、シャッタチャージカム33、巻き止めカム34、係
止レバー35、シャッタ駆動レバー36、及び捩じりバ
ネ37等から構成されている。シャッタチャージカム3
3は、ギヤ31と同軸に設けられており、間欠スプロケ
ット27の回転に同期する。また、巻き止めカム34
は、円周面の所定位置に溝34aが形成された円環形状
とされており、シャッタチャージカム33と同軸に設け
られている。
【0026】係止レバー35は、軸38を中心に回転自
在で、この係止レバー35には一端35a、押圧受部3
5b、立ち下がり片35c、立ち下がり突起35d、及
びスイッチ押圧片35eが一体に形成されている。一端
35aの回動軌跡内には、間欠スプロケット27のコマ
止め位置で溝34aが位置する。係止レバー35はシャ
ッタチャージ完了後に一端35aが溝34aに入り込ん
で間欠スプロケット27の回転を阻止する巻き止め位置
に回転し、また、シャッタレリーズ完了後に一端35a
が溝34aから退避して間欠スプロケット27の回転ロ
ックを解除する巻き止め解除位置に回転する。
【0027】捩じりバネ37は、一端37aが係止レバ
ー35の立ち下がり片35cに引っ掛けられ、軸38を
中心として係止レバー35を巻き止め位置の方向に向け
て付勢する。スイッチ押圧片35eは、係止レバー35
が巻き止め解除位置に回転した際にスイッチ46をON
する。
【0028】立ち下がり突起35dは、詳しくは後述す
るシャッタ駆動レバー36がチャージ位置に回転した際
に立ち上がり突起36cの回動軌跡内に入り込んでシャ
ッタ駆動レバー36をチャージ位置に保持する。立ち下
がり片35cは、シャッタレリーズによって押下される
シャッタボタン39の下部に設けたロッド片39aで巻
き止め解除位置に向けて押される。係止レバー35が巻
き止め解除位置に移動した際には、立ち下がり突起35
dが立ち上がり突起36cの回動軌跡内から退避してシ
ャッタ駆動レバー36のチャージ位置での保持を解除す
る。シャッタボタン39は、例えばカメラボディの上面
の一部を切り欠いて形成された弾性自在なボタンであ
り、下方にはシャッタボタン39に押されてONするス
イッチ40が配置されている。
【0029】シャッタチャージカム33の回転軌跡内に
は、シャッタ駆動レバー36の一端36aが臨んでい
る。このシャッタ駆動レバー36には、一端36aの他
に、蹴飛ばし片36b、立ち上がり突起36c、バネ受
部36d、及び押圧受部36eとが一体に形成されてお
り、軸41を中心として回動自在に設けられている。シ
ャッタ駆動レバー36の回動は、一端36aがシャッタ
チャージカム33で押されてチャージされるチャージ位
置とこれからチャージとは逆の方向に回転したレリーズ
完了位置との間で行われる。
【0030】捩じりバネ37は、他端37bがシャッタ
駆動レバー36のバネ受部36dに引っ掛けられ、軸4
1を中心としてシャッタ駆動レバー36をレリーズ完了
位置の方向に向けて付勢する。
【0031】蹴飛ばし片36bは、シャッタ駆動レバー
36がチャージ位置からレリーズ完了位置に向けて捩じ
りバネ37の付勢により回転する途中でシャッタ羽根4
2を蹴飛ばす。シャッタ羽根42は、蹴飛ばされること
によって軸43を中心として時計方向に回転し、シャッ
タ開口44を露呈させる。その後は引き戻しバネ45に
よって瞬時に元の位置に戻される。
【0032】立ち上がり突起36cは、シャッタ駆動レ
バー36がレリーズ完了位置に回転した際に係止レバー
35の立ち下がり突起35dの回動軌跡内に入り込んで
係止レバー35を巻き止め解除位置に保持する。
【0033】フイルム1コマ給送によって間欠スプロケ
ット27が回転する途中で、シャッタチャージカム33
が捩じりバネ37の付勢に抗してシャッタ駆動レバー3
6をレリーズ完了位置からチャージ位置に向けて回転さ
せる。このため、シャッタチャージは、2つの歯27
a,27bとパーフォレーション14とが係合している
間の間欠スプロケット27の回転力で行うようにシャッ
タチャージカム33の形状を考慮するのが望ましい。そ
して、フイルム1コマ分の移送により間欠スプロケット
27がコマ止め位置となると、シャッタチャージカム3
3がシャッタ駆動レバー36の一端36aの回動軌跡を
通り過ぎた位置で停止するため、その後のシャッタレリ
ーズによってシャッタ駆動レバー36がレリーズ完了位
置に回転することができる。
【0034】カウンター手段は、一歯ギヤ48及びカウ
ンタ板49から構成されている。一歯ギヤ48は、巻き
止めカム34と同軸に設けられており、間欠スプロケッ
ト27の1回転でカウンタ板49を一目盛り分だけ歩進
させる。カウンタ板49は、軸41に回動自在に配置さ
れており、上面に目盛りが表示されている。目盛りは、
1歩進することによりカメラボディの外部に設けた表示
窓58を通して撮影したコマ数を順算式に表示する。
【0035】モータ24は、係止レバー35が巻き止め
解除位置の際にスイッチ46がONし、且つシャッタボ
タン39の押下操作完了後にスイッチ40がOFFする
ことによって写真フイルム12をフイルム巻き上げ方向
に移送するように正転駆動する。そして、フイルム1コ
マ移送により係止レバー35が巻き止め位置に回転する
ことでスイッチ46がOFFするため、モータ24の正
転駆動が停止する。
【0036】撮影完了後のフイルム巻き戻しは、カメラ
ボディの外部に露呈された外部スイッチ部材52を通常
位置から巻き戻し位置にスライドさせることで開始され
る。外部スイッチ部材52には、2つの押圧部52a,
52bとスイッチ押圧片52cとが一体に設けられてい
る。2つの押圧部52a,52bは、外部スイッチ部材
52が巻き戻し位置に移動した際に、係止レバー35と
シャッタ駆動レバー36との押圧受部35b,36eを
それぞれ押圧し、係止レバー35を巻き止め解除位置
に、またシャッタ駆動レバー36をチャージ位置にそれ
ぞれ強制的に回転させてこの状態で保持する。これによ
り、間欠スプロケット27とフイルム巻き止め手段、及
びシャッタチャージ手段との駆動伝達が断たれ、フイル
ム巻き止め手段の巻き止め作動を阻止し、シャッタチャ
ージ手段をチャージした状態のままで間欠スプロケット
27の回転が自由とされる。
【0037】スイッチ押圧片52cは、外部スイッチ部
材52が巻き戻し位置に移動した際に、スイッチ53を
ONする。このスイッチ53は、モータ24の逆転駆動
を行わすためのスイッチである。このフイルム巻き戻し
によって間欠スプロケット27がパーフォレーション1
4に噛合しながら逆転し、一歯ギヤ48がカウンタ板4
9をスタート位置に向けて逆歩進させる。
【0038】フイルム巻き戻しが完了に近づくと、フイ
ルム先端12aが間欠スプロケット27から脱すること
で間欠スプロケット27が停止する。この停止位置には
バラツキがあるが、間欠スプロケット27の1回転のう
ちシャッタチャージを行う区間で停止する。この場合、
規定枚数どおりの撮影が行えないことや次回のフイルム
給送が出来ない等の不具合が生じる。
【0039】そこで、フイルム先端12aが間欠スプロ
ケット27から脱する間に、間欠スプロケット27をシ
ャッタチャージ完了位置、又は初期位置にロックするた
めのロック手段が設けられている。このロック手段は、
スプロケット初期位置検出カム54、ロックレバー5
5、ロックレバー付勢突起56、及び検出カム57等で
構成されている。
【0040】カム54は、一歯ギヤ48と巻き止めカム
34との間で巻き止めカム34と同軸に設けられてお
り、間欠スプロケット27と一体に回転する。カム54
の外周には、段差部54aが設けられている。ロックレ
バー55には、爪55aが設けられており、これがカム
54の回動軌跡内に臨んでいる。このロックレバー55
は、軸38を中心として爪55aがカム54の回動軌跡
内に入り込んで段差部54aに係合するロック位置と回
動軌跡内から退避した退避位置との間で回動自在に設け
られている。
【0041】段差部54aは、間欠スプロケット27の
フイルム巻き上げ方向に従動した回転方向では前記爪5
5aに係合せず、間欠スプロケット27が前記回転方向
とは逆に回転することで前記爪55aに係合する形状と
されている。爪55aは、段差部54aに係合した際
に、間欠スプロケット27をコマ止め位置(シャッタチ
ャージ完了位置)、又はコマ止め位置とは異なる初期位
置で停止させる。この初期位置は、コマ止め位置からフ
イルム巻き上げに従動して回転する方向に僅かに回転
し、一対の歯27a,27bが一対のパーフォレーショ
ン14から外れた位置、すなわち、2つの歯27a,2
7bがフイルム通路から退避した位置とされている。
【0042】カム54は、間欠スプロケット27がフイ
ルム巻き上げ方向に回転してゆくときに、外周面54b
が爪55aを押圧してロックレバー55を退避位置へ向
けて回動させる形状となっている。
【0043】検出カム57は、カウンタ板49の下面に
一体に形成されたCリング形状とされており、写真フイ
ルム12の巻戻し中に間欠スプロケット27の2つの歯
27a,27bが写真フイルム12の最も先頭側にある
2つのパーフォレーション14a,14bから離脱した
後、フイルム先端12aが間欠スロロケット27から離
脱するまでの間、すなわち、カウンタ板49がスタート
位置、例えば、表示窓58に撮影コマ数「0」を表示す
る位置に歩進する直前にカム57の隙間部57bがロッ
クレバー55の立ち上がり突起55bの回転軌跡内に位
置させてロックレバー55のロック位置への回転を許容
する。また、これ以外のとき、すなわち、写真フイルム
12が間欠スプロケット27を通過しているときにはC
リングの内壁57aにロックレバー55に設けた立ち上
がり突起55bを係合させて、ロックレバー55のロッ
ク位置への回転を阻止する。
【0044】ロックレバー付勢突起56は、カウンタ板
49の下面に一体に形成された突起部材とされており、
フイルム巻戻しの中のカウンタ板49がスタート位置に
歩進する直前にロックレバー55に設けた弾性突起55
cを押圧してロックレバー55をロック位置に向けて付
勢する。これにより、フイルム巻戻し中にフイルム先端
12aが間欠スプロケット27から脱する直前に、カム
57の隙間部57bが立ち上がり突起55bの回動軌跡
内に位置し、これと同時に、ロックレバー付勢突起56
が弾性突起55cを付勢してロックレバー55をロック
位置に回転させる。そして、カウンタ板49がスタート
位置に歩進した時点で、爪55aが段差部54aに係合
し、間欠スプロケット27がコマ止め位置、又は初期位
置で停止される。
【0045】間欠スプロケット27がコマ止め位置の状
態の際には、巻き止めカム34の溝34aが係止レバー
35の一端35aの回動軌跡内に位置する。この間、シ
ャッタチャージが行われ、シャッタ駆動レバー36がチ
ャージ位置に回転することで係止レバー35が巻き止め
位置に向けて回転し、一端35aが溝34aに入り込ん
で間欠スプロケット27の回転を阻止する。溝34a
は、フイルム巻戻し時に回転する方向に沿って大きくし
てある。このため、間欠スプロケット27が初期位置で
も、溝34aが係止レバー35の一端35aの回動軌跡
内に位置しており、したがって、外部操作部材52を通
常位置に戻すと、係止レバー35が巻き止め位置に回転
し、一端35aが溝34aに入り込む。この溝34a
は、係止レバー35の一端35aとともに、間欠スプロ
ケット27のフイルム巻上げ方向に従動する回転、すな
わち正転方向への回転を阻止する正転係止部材を構成す
る。
【0046】また、間欠スプロケット27が初期位置の
場合には、シャッタチャージカム33がシャッタ駆動レ
バー36の一端36aの回動軌跡を通り過ぎた位置で停
止するため、その後のシャッタレリーズによってシャッ
タ駆動レバー36がレリーズ完了位置に回転することが
でき、間欠スプロケット27に捩じりバネ37の付勢に
より生じる負荷を与えることはない。
【0047】モータ24の制御回路を図7に、またタイ
ミングチャートを図8に示す。モータ24の正転駆動
は、接点46aと接点46bとの接続によるスイッチ4
6のONと、接点40aと接点40cとの接続によるス
イッチ40のOFFとで開始する。そして、スイッチ4
6がOFFすることで接点40aと接点40bとが接続
接続されモータ24の正転駆動が停止する。ところで、
最後のコマ15zに撮影を完了した後のフイルム巻き上
げでは、フイルム巻き止め機構が作動しないからスイッ
チ46がOFFしない。そこで、スイッチ46がOFF
しなくてもモータ24の正転駆動を自動的に停止させる
ために、モータ24用のコンデンサ24bを利用して、
このコンデンサ24bに蓄積された電圧が一定レベルま
で降下した時点でモータ24の正転駆動が自動的に停止
する回路としている。コンデンサ24bは、シャッタボ
タン39を押下操作した際(スイッチ40がONした
際)に充電が開始され、シャッタボタン39の押下操作
が終了した際(スイッチ40がOFFした際)に充電が
断たれる。
【0048】コンデンサ24bへの充電が断たれてから
充電電圧が一定レベルまで降下するまでの時間は、フイ
ルム1コマ給送時間よりも長くなるようにされている。
なお、符号53は、前述した外部スイッチ部材52の巻
き戻し位置を検出するスイッチであり、図8に示すよう
に2つの矢印が接点に接続された状態から他方の接点に
接続されることでONしてモータ24の逆転駆動が開始
され、同図に示す状態に戻ることでOFFしてモータ2
4の逆転駆動が停止する。
【0049】次に、上記構成の作用を説明する。カメラ
の底蓋を開いて写真フイルムパトローネ10を装填し、
底蓋を閉じる。この底蓋の閉じ動作に連動して駆動軸2
3が回転し、蓋部材を開き位置に回転させる。このと
き、カウンタ板49は、スタート位置とされている。カ
ウンタ板49がこの位置の際には、図9に示すように、
立ち上がり突起55bの回動軌跡内にカム57の隙間部
57bが位置しており、付勢突起56が弾性突起55c
を付勢してロックレバー55をロック位置に回転させた
状態となっている。ロックレバー55の爪55aは、段
差部54aに係合しており、間欠スプロケット27の反
時計方向への回転を阻止している。これにより、間欠ス
プロケット27は、シャッタチャージ完了位置、又は一
対の歯27a,27bが写真フイルム12の給送軌跡上
から従動方向に沿って退避した初期位置の状態で停止し
ている。
【0050】フイルム巻き止め手段及びシャッタチャー
ジ手段とは、図10に示すように、係止レバー35が巻
き止め位置の状態とされており、一端35aが溝34a
に入り込んで間欠スプロケット27の時計方向への回転
を阻止している。また係止レバー35は、立ち下がり突
起35dを立ち上がり突起36cの回動軌跡内に入り込
ませてシャッタ駆動レバー36をチャージ位置に保持し
ている。
【0051】最初のフイルム巻き上げは、シャッタボタ
ン39の押下操作を行うことで開始される。シャッタボ
タン39を押下操作すると、スイッチ40がONし、図
7に示す接点40aと40bとが接続されて電源電池2
4aからの電圧によってコンデンサ24bへの充電が開
始される。この時点は図8に示す時間t1である。
【0052】一方、シャッタボタン39の押下操作によ
ってロッド39aが係止レバー35を反時計方向に押圧
して巻き止め解除位置に回転させる。このとき、図11
に示すように、立ち上がり突起36cの回動軌跡内から
立ち下がり突起35dが退避するから、シャッタ駆動レ
バー36のチャージ位置での保持が解除され、シャッタ
駆動レバー36が反時計方向に瞬時に回転してシャッタ
羽根42を蹴飛ばすが、写真フイルム12が送り出され
ていないので、写真フイルム12に露光が行われること
はない。その後、シャッタ駆動レバー36は、レリーズ
完了位置に移動することで、係止レバー35を巻き止め
解除位置に保持する。
【0053】係止レバー35が巻き止め解除位置に回転
すると、スイッチ46がONする。そして、シャッタボ
タン39の押下を止めて元に位置に戻ったとき(図8に
示す時間t2)に、スイッチ40がOFFしてコンデン
サ24bへの充電が断たれるとともに、接点40aと接
点40cとが接続されてコンデンサ24bの端子電圧で
トランジスタ24c,24dが導通してモータ24が正
転駆動する。これによりフイルム初期巻き上げが開始さ
れる。
【0054】フイルム先端12aから最初のパーフォレ
ーション14aまでのフイルム長さは、1コマ分の給送
長よりも長くされている。この給送区間中には、コンデ
ンサ24bに蓄積された電圧が一定レベルまで降下して
モータ24の駆動が停止する恐れがあるが、このときに
は再度シャッタボタン39の押下操作を行うことでモー
タ24が駆動するから問題はない。
【0055】モータ24の正転駆動によって送り出され
た写真フイルム12は、フイルム先端12aのテーパ部
12cでフイルム終端検出爪50を退避位置に押しなが
ら巻き取り室に向けて送られ、巻き取り軸25に巻き取
られる。このフイルム給送によって間欠スプロケット2
7は、従動方向に回転し、パーフォレーション14aが
到達するまでの間で、一対の2つの歯27a,27bの
うち先行する歯27aが写真フイルム12に当接した状
態で、輪ゴム28が写真フイルム12に対してスリップ
して写真フイルム12の給送を許容する。
【0056】引き続いて写真フイルム12が送られる
と、最初のパーフォレーション14aが到達する。これ
により先行の歯27aがパーフォレーション14aに係
合し、その後、先行する歯27aが最初のパーフォレー
ション14aから外れ、後続の歯27bが次のパーフォ
レーション14bに係合した時に間欠スプロケット27
のコマ止め位置となる。
【0057】この間には、シャッタチャージカム33が
シャッタ駆動レバー36を時計方向に向けて回転させて
おり、チャージ位置に回転することで立ち上がり突起3
6cが立ち下がり突起35dの回動軌跡内から外れる。
これにより係止レバー35が捩じりバネ37の付勢によ
り巻き止め位置に向けて(時計方向に)回転する。この
とき、立ち下がり突起35dが立ち上がり突起36cの
回動軌跡内に入り込んでシャッタ駆動レバー36をチャ
ージ位置に保持する。
【0058】係止レバー35が巻き止め位置に向けて回
転すると、一端35aが巻き止めカム34の外周に当接
した位置で係止レバー35の回転が停止され、間欠スプ
ロケット27がコマ止め位置に回転した時に一端35a
が溝34aに入り込んで係止レバー35が巻き止め位置
に移動する。係止レバー35が巻き止め位置に回転する
と、このスイッチ46がOFFし、図7に示す接点46
aと接点46cとが接続され、図8に示す時間t3の時
にモータ24の正転駆動が停止する。これにより、フイ
ルム巻き止め手段、及びシャッタチャージ手段は、図1
0に示した状態に戻り、初期フイルム巻き上げが完了す
る。そして、アパーチャー17には、最初のコマ15a
がセットされる。
【0059】カウンター手段は、フイルム初期巻き上げ
中の間欠スプロケット27の回転により一歯ギヤ48が
カウンタ板49を一目盛り分だけ歩進させており、最初
コマ15aがセットされた際には、図12に示すよう
に、表示窓58に撮影コマ数「1」を表示した状態とさ
れている。
【0060】ロック手段は、フイルム初期巻き上げ中の
カウンタ板49の歩進により、ロックレバー付勢突起5
6が弾性突起55cから離れる方向に向けて僅かに回転
し、弾性突起55cへの付勢を緩和した状態となってい
る。ロックレバー55は、フイルム初期巻き上げ中の間
欠スプロケット27の回転がカム54に伝達されている
から、カム54の外周面54bが爪55aを押して退避
位置に回転した状態とされている。これにより、ロック
レバー55の立ち上がり突起55bは、検出カム57の
隙間部57bに入り込んでいる。しかも、フイルム初期
巻き上げ中のカウンタ板49の歩進により、カム57の
うち隙間部57bを構成する一端面が立ち上がり突起5
5bに係合し、ロックレバー55のロック位置に向けて
回転するのを阻止している。この一端面は、立ち上がり
突起55bをカム57の内壁57bにスムーズに入り込
ませるためにテーパ面とされている。
【0061】その後にシャッタボタン39の押下操作を
行うことで、図11で説明したように、ロッド片39a
によって立ち下がり片35cが押されて係止レバー35
が巻き止め解除位置に向けて回転され、この回転途中
で、立ち上がり突起36cと立ち下がり突起35dとの
係合が解除されて、シャッタ駆動レバー36が捩じりバ
ネ37の付勢によりレリーズ完了位置に向けて移動す
る。この間にシャッタ羽根42を蹴飛ばして露光が行わ
れる。
【0062】シャッタ駆動レバー36がレリーズ完了位
置に回転した際には、前述したように、係止レバー35
を巻き止め解除位置の状態で保持しているから、次回の
フイルム巻き上げが許容されるとともに、スイッチ46
がONしている。
【0063】シャッタボタン39の押下を解除するとス
イッチ40がOFFされ、モータ24の正転駆動が開始
される。モータ24の正転駆動によりスプールがフイル
ム送り出し方向に回転し、写真フイルム15が送り出さ
れる。そして、間欠スプロケットが1回転することで再
びコマ止め位置の状態となり、フイルム巻き止めが行わ
れた後に、モータ24の駆動が停止する。これにより2
番目のコマ15bがアパーチャー17にセットされる。
そして、この間にシャッタチャージとカウンタ板49の
一目盛り分の歩進とが行われている。
【0064】ロック手段は、図13に示すように、前記
フイルム巻き上げ中のカウンタ板49の歩進により、ロ
ックレバー付勢突起56が弾性突起55cから離れる方
向に向けて回転し、弾性突起55cへの付勢がほとんど
ない状態となっている。ロックレバー55は、前記フイ
ルム巻き上げ中のカウンタ板49の歩進により、カム5
7の内壁57aが立ち上がり突起55bの外側に入り込
んで、ロック位置に向けて回転するのを阻止している。
【0065】以下、前述したと同じにシャッタボタン3
9の押下操作だけを行うことでフイルム巻き上げが行わ
れ、順次に撮影を行ってゆくことができる。そして、最
後のコマ15zに撮影を完了した後の最終フイルム巻き
上げ中には、フイルム終端検出爪50がパーフォレーシ
ョン16に入り込んで写真フイルム12のフイルム送り
出し方向の移送を阻止する。その後、コンデンサ24b
に蓄積された電圧が一定レベルまで降下した時点でモー
タ24の正転駆動が停止する。
【0066】最終巻き上げが完了した時点では、図14
に示すように、カウンタ板49が表示窓58に撮影規定
枚数、例えば「40」を表示している。このとき、カム
57の内壁57aがロックレバー55のロック位置への
回転を阻止した状態を継続している。
【0067】撮影者はこの表示を確認した後に、フイル
ム巻き戻しを作動させる外部スイッチ部材52を図15
に示す矢印B方向にスライド移動させる。このスライド
操作により、外部スイッチ部材52の2つの押圧部52
a,52bが押圧受部35b,36eを押して係止レバ
ー35を巻き止め解除位置に、またシャッタ駆動レバー
36をチャージ位置に回転させた状態で保持する。これ
により、間欠スプロケット27とフイルム巻き止め手
段、及びシャッタチャージ手段との回転伝達が断たれ、
間欠スプロケット27がフリーとなる。またこのとき、
外部スイッチ部材52に一体に形成したスイッチ押圧部
52cがスイッチ53をONする。
【0068】スイッチ53がONすると、モータ24の
逆転駆動が開始される。これにより、スプール20がフ
イルム巻き取り方向に回転し、写真フイルム12がパト
ローネ11の内部に収納されてゆく。このとき、間欠ス
プロケット27が写真フイルム12の巻き戻し方向に従
動して回転し、パーフォレーション14に噛合しながら
フイルム巻き上げ時の回転方向とは逆の方向に回転す
る。この間欠スプロケット27の回転は、カウンター手
段に伝達され、一歯ギヤ48がカウンタ板49をスター
ト位置に向けて戻してゆく。この間、カム57の内壁5
7aがロックレバー55のロック位置への回転を阻止し
た状態を継続している。
【0069】フイルム巻戻しが継続されて、図16に示
すように、カウンタ板49が表示窓58に撮影コマ数
「1」を表示する位置まで戻された時には、写真フイル
ム12の最初のコマ15aがアパーチャー17を通過中
しており、図示のように間欠スプロケット27の歯27
bがパーフォレーション14bに噛合している。このと
き、ロックレバー付勢突起56が弾性突起55cを押し
てロックレバー55をロック位置に向けて付勢するが、
カム57の隙間部57bを構成する一端が未だロックレ
バー55の立ち上がり片55bに係合しているから、ロ
ックレバー55のロック位置への回転を阻止した状態が
継続されている。なお、このときの押圧力は、弾性突起
55cの弾性変形によって吸収されているので、ロック
レバー55が破損することはない。
【0070】そして、パーフォレーション14b、及び
パーフォレーション14aとが順に通過することで、間
欠スプロケット27が噛合しながら反時計方向に向けて
回転し、この回転中に一歯ギヤ48がカウンタ板49を
一目盛り分だけ戻し、カウンタ板49がスタート位置と
なる。このカウンタ板49の歩進により、カム57の隙
間部57bが立ち上がり突起55bの回動軌跡内に入り
込む。これにより、ロックレバー55のロック位置への
回転が許容され、しかも、前記カウンタ板49の歩進に
よりロックレバー付勢突起56が弾性突起55cをさら
に押し込むから、ロックレバー55はロック位置に向け
て瞬時に回転する。このとき、間欠スプロケット27の
回転に同期してカム54が時計方向に回転している。そ
して、図17に示すように、段差部54aがロックレバ
ー55の爪55aに係合した時点で、間欠スプロケット
27の反時計方向の回転がロックされる。これにより、
間欠スプロケット27は、シャッタチャージ完了位置、
又は初期位置で停止した状態となる。この状態では、輪
ゴム28が写真フイルム12に接触している。
【0071】パーフォレーション14aが通過した後の
フイルム巻戻しでは、間欠スプロケット27は、写真フ
イルム12と摩擦係合し、従動回転する。その後間欠ス
プロケット27の歯27bが写真フイルム12に当接し
た状態で停止し、フイルム先端12aが通過すると、シ
ャッタチャージ位置、又は初期位置まで従動回転する。
さらに、輪ゴム28と写真フイルム12との間の摩擦に
より間欠スプロケット27が反時計方向に向けて回転し
ようとするが、ロックレバー55が間欠スプロケット2
7の反時計方向への回転を阻止しているから、輪ゴム2
8との間のスリップにより写真フイルム12の移送だけ
が許容される。この状態は、フイルム先端12aが通過
した後も継続される。
【0072】撮影済みの写真フイルム12がパトローネ
11の内部に全部収納されると、モータ24にかかる負
荷が少なくなり、モータ音が変化する。この変化音で撮
影者に違和感をもたせ、表示窓58の表示を視認させる
ことができる。撮影者は、表示窓58の表示が初期表示
であることを認識することで、外部スイッチ部材52を
図15に示す矢印B方向とは逆の方向にスライド操作し
てフイルム巻戻しを終了させる。これにより、モータ2
4の逆転駆動が停止する。
【0073】外部スイッチ部材52をスライド操作する
と、図15に示す状態からフイルム巻き止め手段及びシ
ャッタチャージ手段の初期状態である図10に示す状態
に戻る。すなわち、2つの押圧部52a,52bが押圧
受部35b,36eへの押圧を解除する。このうち押圧
部52aが斜面とされているため、押圧部52bよりも
押圧部52aの押圧解除の方が早く行われる。これによ
り、係止レバー35が捩じりバネ37の付勢で巻き止め
位置にいち早く回転する。したがって、捩じりバネ37
の付勢によりシャッタ駆動レバー36がレリーズ完了位
置に向けて回転するよりも先に、係止レバー35の立ち
下がり突起35dがシャッタ駆動レバー36の立ち上が
り突起36cの回動軌跡内に入り込んで、シャッタ駆動
レバー36をチャージ位置のままで保持し、図10に示
す状態となる。この状態では、係止レバー35の一端3
5aが巻き止めカム34の溝34aに入り込んでいるか
ら、間欠スプロケット27のフイルム巻き上げに従動す
る回転(正転)が阻止されている。
【0074】一方、ロック手段は、図17、すなわち図
9と同じ状態とされている。この状態では、ロックレバ
ー55の爪55aがカム54の段差部54aに係合し、
間欠スプロケット27のフイルム巻戻し方向への従動回
転(逆転)が阻止されている。これにより、間欠スプロ
ケット27は、正転係止部材による正転の阻止と、ロッ
ク手段による逆転の阻止とによって、確実に初期位置で
保持されているから、例えばカメラを振っても間欠スプ
ロケット27が初期位置からずれることはない。
【0075】フイルム巻き戻しが完了した後には、カメ
ラボディの底蓋を開いて撮影済みの写真フイルム12を
収納した写真フイルムパトローネ11を取り出す。この
とき、底蓋の開き動作に連動して駆動軸23が回転し、
パトローネ11の蓋部材を閉じ位置に回転させる。取り
出した写真フイルムパトローネ11は、蓋部材が閉じ位
置の状態となているから、内部に収納された撮影済みの
写真フイルム12に光被りを生じさせることはない。
【0076】なお、写真フイルムパトローネ11を装填
しないでシャッタレリーズ操作を行うと、フイルム巻き
止め手段及びシャッタチャージ手段が図11に示す状態
となり、シャッタレリーズ操作完了直後にモータ24の
正転駆動が行われる。しかしながら、写真フイルムパト
ローネ11が装填されていないから、写真フイルム12
が送り出されることがなく、したがって、図9に示した
状態から間欠スプロケット27やカウンタ板49が回転
することがない。一方、モータ24の正転駆動もコンデ
ンサ24bに蓄積された電圧が一定レベルまで降下した
時点で自動的に停止するから問題はない。
【0077】他方、フイルム巻き上げ手段及びシャッタ
チャージ手段は、図11に示すように係止レバー35が
巻き止め解除位置に、シャッタ駆動レバー36がレリー
ズ完了位置の状態となっているが、写真フイルムパトロ
ーネ11を装填した後のシャッタレリーズ操作の完了直
後にモータ24が駆動され、送り出されたフイルム先端
12aで間欠スプロケット27が回転され、コマ止め位
置に到達するまでの回転でシャッタチャージを行うから
問題はない。
【0078】上記実施例では、間欠スプロケット27の
1回転でフイルム1コマ移送を行う装置について説明し
ているが、本発明ではこれに限らず、間欠スプロケット
の半回転でフイルム1コマ移送を行うタイプのフイルム
給送装置でもよい。この場合には、短い間隔L1で並ん
だ一対の歯27a,27bを二対、間欠スプロケット1
7の円周面上の180°隔てた位置にそれぞれ突設する
ばよい。また、シャッタチャージ手段としては、間欠ス
プロケットの半回転でシャッタ駆動レバー36をチャー
ジ位置に押し上げるシャッタチャージカムを円周上の1
80°隔てた位置に2つ設ける必要がある。さらに、フ
イルム巻き止め手段としては、間欠スプロケットの半回
転で、係止レバー35の一端35aが係止するように、
巻き止めカム34の円周面上の180°隔てた位置に溝
を2つ設ける必要がある。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フイルム巻戻しを行って間欠スプロケットの2つの歯が
フイルムの最も先頭側にある2つのパーフォレーション
から離脱した後、フイルムの先端が間欠スロロケットか
ら離脱するまでの間で、一対の歯がシャッタチャージ機
構をチャージする区間以外の状態で間欠スプロケットの
逆転を阻止するから、従来技術で説明したように、間欠
スプロケットにかかるチャージバネの負荷によって生じ
るフイルムストップや、規定枚数以上の撮影が行われる
等の不具合を解消することができる。しかもロック手段
は、間欠スプロケットの正転を許容しているから、新た
に装填された後に支障なくフイルム巻き上げを行うこと
ができる。
【0080】請求項2記載の発明では、一般的なカメラ
に必ず付与されているカウンタ板を利用し、このカウン
タ板がスタート位置に戻ったことを検知してロック手段
を作動させるようにしたから、別途にフイルム巻戻し中
に間欠スプロケットの2つの歯がフイルムの最も先頭側
にある2つのパーフォレーションに差しかかること検知
する機構を新たに設ける必要がなく、この分だけローコ
スト化を図ることができる。
【0081】請求項3記載の発明では、正転係止部材に
よって間欠スプロケットの正転を阻止するようにしたの
で、例えば携帯時に生じる振動等によって間欠スプロケ
ットが回転することを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カメラのフイルム給送機構の概略を示す斜視図
である。
【図2】パトローネから写真フイルムを引き出した状態
の写真フイルムパトローネを示す斜視図である。
【図3】フイルム巻き上げ、及びフイルム巻き戻し機構
の概略を示す斜視図である。
【図4】間欠スプロケットを水平方向に切断して示した
断面図である。
【図5】図4に示す間欠スプロケットの中央縦断面図で
ある。
【図6】図4に示す間欠スプロケットの中央横断面図で
ある。
【図7】フイルム給送用モータの電気的概略を示す回路
図である。
【図8】フイルム給送のタイミングチャート図である。
【図9】間欠スプロケット、ロック手段、及びカウンタ
手段の初期状態を示す説明図である。
【図10】フイルム巻き止め手段、及びシャッタチャー
ジ手段の初期状態を示す説明図である。
【図11】フイルム巻き止め手段、及びシャッタチャー
ジ手段のシャッタレリーズ完了後の状態を示す説明図で
ある。
【図12】最初のコマがアパーチャーにセットされた際
の間欠スプロケット、ロック手段、及びカウンタ手段の
状態を示す説明図である。
【図13】2番目のコマがアパーチャーにセットされた
際の間欠スプロケット、ロック手段、及びカウンタ手段
の状態を示す説明図である。
【図14】最後のコマに撮影を完了した後のフイルム巻
き上げが阻止された際の間欠スプロケット、ロック手
段、及びカウンタ手段の状態を示す説明図である。
【図15】フイルム巻き戻し操作が行われた際のフイル
ム巻き止め手段、及びシャッタチャージ手段の状態を示
す説明図である。
【図16】フイルム巻き戻しによって最初のコマに対応
したパーフォレーションが通過中の時の間欠スプロケッ
ト、ロック手段、及びカウンタ手段の状態を示す説明図
である。
【図17】フイルム巻き戻しによってフイルム先端が間
欠スプロケットから脱した際の間欠スプロケット、ロッ
ク手段、及びカウンタ手段の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 写真フイルムパトローネ 11 パトローネ 12 写真フイルム 14,16 パーフォレーション 27 間欠スプロケット 27a,27b 一対の歯 28 輪ゴム 55 ロックレバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03B 17/30 GAP G03B 17/30 GAP 17/42 GAP 17/42 GAPE

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1コマ給送長ごとに、2つのパーフォレ
    ーションが狭い間隔で並べられたフイルムを用いるカメ
    ラにおいて、 前記2つのパーフォレーションにそれぞれ係合する2つ
    の歯が外周面から突出して設けられ、給送されるフイル
    ムに前記外周面が摩擦係合して従動回転する摩擦回転域
    と、前記パーフォレーションに前記2つの歯が係合して
    従動回転する係合回転域とをもつ間欠スプロケットと、 フイルムの巻上げ方向への給送に従動して間欠スプロケ
    ットが正転するときに、前記係合回転域の少なくとも一
    部で間欠スプロケットが回転する間に、その回転に連動
    してシャッタチャージを行うシャッタチャージ機構と、 フイルム巻戻し操作に応答して前記間欠スプロケットと
    シャッタチャージ機構との連動を断ち、フイルムの巻戻
    し方向への給送に従動して間欠スプロケットが逆転する
    ことを許容する切換え手段と、 フイルム巻戻しを行って、間欠スプロケットの2つの歯
    がフイルムの最も先頭側にある2つのパーフォレーショ
    ンから離脱した後、フイルムの先端が間欠スロロケット
    から離脱するまでの間で、前記2つの歯がシャッタチャ
    ージ機構をチャージする区間以外の位置で間欠スプロケ
    ットの逆転を阻止するロック手段と、 を備えたことを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 フイルム巻上げ時には、フイルムが1コ
    マ分給送される間の前記間欠スプロケットの回転により
    スタート位置から1歩進ずつ回転して撮影コマ数を表示
    し、フイルム巻戻し時には間欠スプロケットの逆転とと
    もに逆転するカウンタ板を設け、フイルム巻戻し時にこ
    のカウンタ板が前記スタート位置に戻ったことを検知し
    て前記ロック手段により間欠スプロケットの逆転を阻止
    するようにしたことを特徴とする請求項1記載のカメ
    ラ。
  3. 【請求項3】 フイルム巻戻しの完了後に、前記2つの
    歯がシャッタチャージ機構のシャッタチャージを完了さ
    せた位置で間欠スプロケットの正転方向への回転を係止
    する正転係止部材を設け、この正転係止部材はフイルム
    巻き戻しを作動させる外部スイッチ部材を通常位置に戻
    す操作に連動して係止され、フイルム装填後のフイルム
    給送スタートに連動して係止解除されることを特徴とす
    る請求項1又は2記載のカメラ。
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