JPH09105305A - 高温用蒸気タービンロータ材 - Google Patents

高温用蒸気タービンロータ材

Info

Publication number
JPH09105305A
JPH09105305A JP26395495A JP26395495A JPH09105305A JP H09105305 A JPH09105305 A JP H09105305A JP 26395495 A JP26395495 A JP 26395495A JP 26395495 A JP26395495 A JP 26395495A JP H09105305 A JPH09105305 A JP H09105305A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
creep rupture
high temperature
rupture strength
strength
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26395495A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3581458B2 (ja
Inventor
Masatomo Kamata
政智 鎌田
Akiji Fujita
明次 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP26395495A priority Critical patent/JP3581458B2/ja
Publication of JPH09105305A publication Critical patent/JPH09105305A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3581458B2 publication Critical patent/JP3581458B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温用蒸気タービンロータ材に関し、特に火
力発電用蒸気タービンロータ材として有利に適用しうる
同材料に関する。 【解決手段】 重量比で炭素:0.1〜0.18%、シ
リコン:0.005〜0.1%、マンガン:0.01〜
1%、クロム:8〜11%、バナジウム:0.1〜0.
25%、ニオブおよび/またはタンタルの合計:0.0
1〜0.1%、窒素:0.01〜0.1%、モリブデ
ン:1.3〜1.9%及び不可避的不純物及び鉄からな
る鉄基合金であって、組織中にδフェライトを含まずマ
ルテンサイトのマトリックスが形成されている高温用蒸
気タービンロータ材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高温用蒸気タービン
ロータ材に関し、特に火力発電用蒸気タービンロータ材
として有利に適用しうる同材料に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電用蒸気タービンプラントに用い
られる高温用ロータ材としては、CrMoV鋼や12C
r鋼があげられる。このうち、CrMoV鋼は高温強度
の限界から566℃までの蒸気温度のプラントに制限さ
れる。一方、12Cr鋼製のロータ材(例えば特開昭6
0−165359号、特開昭62−103345号各公
報など)は高温強度がCrMoV鋼よりも優れているた
め、最高600℃程度の蒸気温度のプラントに適用する
ことも可能であるが、これを越える温度に対しては高温
強度が不足することから蒸気タービンロータとしての適
用は困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は12
Cr系鋼の材料で600℃以上の蒸気条件で適用できる
高温強度の優れた高温用蒸気タービンロータ材を提供す
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、以下に示す優れた高温用蒸気タービンロー
タ材を発明した。すなわち、本発明の高温用蒸気タービ
ンロータ材は以下の(1)〜(3)の構成を有するもの
である。
【0005】(1)重量比で炭素:0.1〜0.18
%、シリコン:0.005〜0.1%、マンガン:0.
01〜1%、クロム:8〜11%、バナジウム:0.1
〜0.25%、ニオブ及び/又はタンタルの合計:0.
01〜0.1%、窒素:0.01〜0.1%、モリブデ
ン:1.3〜1.9%及び不可避的不純物及び鉄からな
る鉄基合金であって、組織中にδフェライトを含まずマ
ルテンサイトのマトリックスが形成されていることを特
徴とする高温用蒸気タービンロータ材。
【0006】(2)重量比で炭素:0.08〜0.16
%、シリコン:0.005〜0.1%、マンガン:0.
01〜1%、クロム:8〜11%、バナジウム:0.1
〜0.25%、ニオブ及び/又はタンタルの合計:0.
01〜0.1%、窒素:0.01〜0.1%、モリブデ
ン:0.1〜0.5%、タングステン:0.9〜3%を
含有し、かつモリブデン及びタングステンの含有量〔M
o〕,〔W〕が0.75≦〔Mo〕+ 1/2〔W〕および
3≦〔W〕/〔Mo〕をそれぞれ満足し、かつ不可避的
不純物及び鉄からなる鉄基合金であって、組織中にδフ
ェライトを含まずマルテンサイトのマトリックスが形成
されていることを特徴とする高温用蒸気タービンロータ
材。
【0007】(3)鉄の一部をボロンで置換し、重量比
でボロン:0.001〜0.03%含有していることを
特徴とする上記(1)又は(2)記載の高温用蒸気ター
ビンロータ材。
【0008】(作用)本発明者らは12Cr系鋼を基本
成分として合金元素の厳選を行って高温強度の改善を鋭
意行い、優れた高温特性を有する新しい高温用蒸気ター
ビンロータ材を発明した。従来の12Cr鋼系タービン
ロータ材にはNiが0.5%程度は添加されている。N
iは本質的にはクリープ破断強度を低下させる元素であ
るが、基地組織を制御するうえでδフェライトの抑制に
有効であり、かつ靱性も向上させるため、これらの有用
な効果を優先した結果の添加である。一方、本発明材で
はクリープ破断強度の確保を最優先に考え、不可避的に
混入するものを除いてはNiを完全に排除し、同時にδ
フェライトの出現を抑制するためにその他の強化元素を
バランスよく添加した点に特徴がある。また、靱性に悪
影響を及ぼすSiやMnの含有量も極力低減し靱性を確
保している。
【0009】以下、本発明の第1の高温用蒸気タービン
ロータ材における成分限定理由を述べる。なお以下の説
明における%は重量%を意味する。
【0010】C: CはNとともに炭窒化物を形成しク
リープ破断強度の向上に寄与する。しかし、本合金系で
は0.1%未満では十分な効果は得られず、また0.1
8%を越えると使用中に炭窒化物が凝集粗大化し、高温
長時間強度を劣化させる。このため0.1〜0.18%
とする。望ましい成分範囲は0.12〜0.16%であ
る。
【0011】Si: Siは脱酸材としての効果がある
反面、基地を脆化させる元素である。本発明のロータ材
の製造においては真空カーボン脱酸法を適用するので、
その添加量は製鋼において必要な最小限度の量にとど
め、成分範囲を0.005〜0.1%とする。望ましい
範囲は0.005〜0.05%である。
【0012】Mn: Mnは脱酸材として作用するとと
もに鍛造時の熱間割れを防止するのに有用な元素であ
る。また、δフェライトの生成を抑制する作用がある。
しかし、Mnを加えると、その量に応じてクリープ破断
強度が劣化し、また本質的には鉄鋼の脆化を進める元素
でもあるため、本発明ではクリープ破断強度の確保を重
視して、添加の最大量を1%とした。また、特に0.1
5%以下に抑えるとクリープ破断強度はさらに改善され
る。このため、必要に応じて0.15%以下に抑えて添
加することが必要である。ただし、0.01%未満に制
御するためには原料鋼の厳選と過度の精錬工程が必要と
なりコスト高を招くため、最低量を0.01%に設定し
ている。望ましい成分範囲は0.01〜0.15%であ
る。
【0013】Cr: Crは炭化物を形成しクリープ破
断強度の改善に寄与し、かつマトリックス中に溶け込ん
で耐酸化性を改善するとともにマトリックス自体を強化
することでもクリープ破断強度の向上に寄与する。8%
未満であるとその効果が十分でなく、また11%を越え
る量を添加すると本合金系ではδフェライトを生成しや
すくなって強度の低下や靱性の劣化をもたらす。このた
め、成分範囲を8〜11%とする。望ましい範囲は9.
5〜10.5%である。
【0014】V: Vは炭窒化物となってクリープ破断
強度を改善する。0.1%未満では十分な効果が得られ
ない。また、逆に0.25%を越える量を添加すると、
むしろクリープ破断強度は低下してしまう。このため、
成分範囲を0.1〜0.25%とする。
【0015】Nb及び/又はTa: Nb及び/又はT
aは炭窒化物を形成して高温強度の改善に寄与する。ま
た、高温で析出する炭化物(M236 )を微細にして長
時間クリープ破断強度の改善に寄与する。両元素の合計
量が0.01%未満ではその効果はなく、また0.1%
を越える量を添加すると、鋼塊製造時に生成したNb及
び/又はTaの炭窒化物が熱処理(溶体化処理)時にマ
トリックスに十分に固溶できず、使用中に粗大化して長
時間のクリープ破断強度を低下させる。そこで成分範囲
を0.01〜0.1%に限定する。
【0016】N: NはCや合金元素とともに炭窒化物
を形成して高温強度の改善に寄与する。0.01%未満
では十分な炭窒化物を形成することができないために、
クリープ破断強度が十分に得られない。また、0.1%
を越える量を添加すると、長時間側で炭窒化物が凝集粗
大化して十分なクリープ破断強度を得ることができなく
なる。このため、0.01〜0.1%とする。望ましい
量は0.04〜0.07%である。
【0017】Mo: Moはマトリックス中や炭窒化物
中に固溶してクリープ破断強度を改善する。添加量が
1.3%未満であれば顕著な効果は期待されない。一
方、多量に添加すると不安定な析出物が増加するととも
にδフェライトの生成を促進するために、添加量の上限
を1.9%に制限している。
【0018】次に、本発明の第2の高温用蒸気タービン
ロータ材における成分限定理由を述べる。
【0019】C: CはNとともに炭窒化物を形成しク
リープ破断強度の向上に寄与する。しかし、本合金系で
は0.08%未満では十分な効果は得られず、また0.
16%を越えると使用中に炭窒化物が凝集粗大化し、高
温長時間強度を劣化させる。このため、限定範囲を0.
08〜0.16%とする。望ましい成分範囲は0.12
〜0.15%である。
【0020】Si: Siは脱酸材としての効果がある
反面、基地を脆化させる元素である。本発明のロータ材
の製造においては真空カーボン脱酸法を適用するので、
その添加量は製鋼において必要な最小限度の量にとど
め、成分範囲を0.005〜0.1%とする。望ましい
範囲は0.005〜0.05%である。
【0021】Mn: Mnは脱酸材として作用するとと
もに鍛造時の熱間割れを防止するのに有用な元素であ
る。また、δフェライトの生成を抑制する作用がある。
しかし、Mnを加えると、その量に応じてクリープ破断
強度が劣化し、また本質的には鉄鋼の脆化を進める元素
でもあるため、本発明ではクリープ破断強度の確保を重
視して、添加の最大量を1%とした。また、特に0.1
5%以下に抑えるとクリープ破断強度はさらに改善され
る。このため、必要に応じて0.15%以下に抑えて添
加することが必要である。ただし、0.01%未満に制
御するためには原料鋼の厳選と過度の精錬工程が必要と
なりコスト高を招くため、最低量を0.01%に設定し
ている。望ましい成分範囲は0.01〜0.15%であ
る。
【0022】Cr: Crは炭化物を形成しクリープ破
断強度の改善に寄与し、かつマトリックス中に溶け込ん
で耐酸化性を改善するとともにマトリックス自体を強化
することでもクリープ破断強度の向上に寄与する。8%
未満であるとその効果が十分でなく、また11%を越え
る量を添加すると本合金系ではδフェライトを生成しや
すくなって強度の低下や靱性の劣化をもたらす。このた
め、成分範囲を8〜11%とする。望ましい範囲は9.
5〜10.5%である。
【0023】V: Vは炭窒化物となってクリープ破断
強度を改善する。0.1%未満では十分な効果が得られ
ない。また、逆に0.25%を越える量を添加すると、
むしろクリープ破断強度は低下してしまう。このため、
成分範囲を0.1〜0.25%とする。
【0024】Nb及び/又はTa: Nb及び/又はT
aは炭窒化物を形成して高温強度の改善に寄与する。ま
た、高温で析出する炭化物(M236 )を微細にして長
時間クリープ破断強度の改善に寄与する。両元素の合計
量が0.01%未満ではその効果はなく、また0.1%
を越える量を添加すると、鋼塊製造時に生成したNb及
び/又はTaの炭窒化物が熱処理(溶体化処理)時にマ
トリックスに十分に固溶できず、使用中に粗大化して長
時間のクリープ破断強度を低下させる。そこで成分範囲
を0.01〜0.1%に限定する。
【0025】N: NはCや合金元素とともに炭窒化物
を形成して高温強度の改善に寄与する。0.01%未満
では十分な炭窒化物を形成することができないために、
クリープ破断強度が十分に得られない。また、0.1%
を越える量を添加すると、長時間側で炭窒化物が凝集粗
大化して十分なクリープ破断強度を得ることができなく
なる。このため、0.01〜0.1%とする。望ましい
量は0.04〜0.07%である。
【0026】Mo及びW: Mo及びWはマトリックス
中や炭窒化物中に固溶してクリープ破断強度を改善す
る。両元素をともに添加する場合、Wの原子量がMoの
原子量のほぼ2倍であることからMo及びWの含有量を
等価のMo量に置き換えた値(Mo当量;〔Mo〕+ 1
/2〔W〕)を考慮する必要がある。すなわちMo当量
0.75%未満ではマトリックス中や炭窒化物中に固溶
してクリープ破断強度を改善する顕著な効果は現れな
い。ただし、同一Mo当量であっても、Moに比べてW
の量を増やしたほうがクリープ破断強度の向上に有効な
ことが知られているため、その効果が顕著となるように
3≦〔W〕/〔Mo〕としている。一方、Moを0.5
%を越える量添加すると不安定な析出物が出現しやすく
なり、長時間クリープ破断強度に弊害が現れる。またW
が0.9%未満ではクリープ破断強度の向上が顕著では
なく逆に3%を越えると靱性の低下を招く。さらにMo
やWを多量に添加するとδフェライトの生成を促進して
しまう。以上の点を総合的に判断して、Mo添加量を
0.1〜0.5%、W添加量を0.9〜3%とし、かつ
0.75≦〔Mo〕+ 1/2〔W〕および3≦〔W〕/
〔Mo〕の式を満足することとした。
【0027】続いて、本発明の第3の高温用蒸気タービ
ンロータ材における成分限定理由を述べるが、C、S
i、Mn、Cr、Mo、W、V、Nb及び/又はTa、
Nについては上記本発明の第1および第2の高温用蒸気
タービンロータ材において説明したとおりであるので、
以下、ボロンについてのみ説明する。
【0028】B: Bは粒界強度を高くする作用があ
る。このため、クリープ破断強度の改善に寄与する。し
かし、多量に添加すると熱間加工性が悪くなるとともに
靱性が低下する。したがって、実際に添加量を制御でき
る最低量の0.001%を下限値とし、上限値を悪影響
が現れない0.03%とする。望ましい範囲としては
0.005〜0.02%である。
【0029】
【実施例】以下、具体的な実施例に基づいて本発明を説
明し、本発明の効果を明らかにする。
【0030】(実施例1)表1には試験に供した本発明
の第1の高温用蒸気タービンロータ材の化学成分を示
す。試料番号1〜5が本発明材、試料番号6〜8が比較
材に相当する。全ての材料は50kg真空高周波溶解炉
にて溶製し、加熱温度:1200℃にて鍛造を行った。
各種試験に用いた試験材熱処理は胴径1200φのロー
タを油冷したときの中心部を模擬した焼入れ処理を行
い、次いで焼もどしは0.2%耐力がおよそ75〜80
kgf/mm2 になるように各材料の焼もどし温度を決
めて行った。
【0031】
【表1】
【0032】表2に本発明材及び比較材の機械的性質お
よびクリープ破断特性を示す。本発明材のシャルピー衝
撃値(常温試験)はいずれも9.5kgf−m以上の高
い値を示しており、Niを排除しても十分に高い衝撃値
を確保できていることがわかる。600℃で20kgf
/mm2 の荷重を負荷した場合のクリープ破断時間に着
目すると、本発明材は比較材に比べて大幅に破断時間が
のびていることがわかる。以上のことは、Niの排除と
その他の元素の適切な成分設計がクリープ破断強度の向
上に有効であることを示唆している。
【0033】
【表2】
【0034】本発明の第1の高温用蒸気タービンロータ
材は優れた高温強度を有するため、蒸気温度が600℃
を越える超々臨界圧発電プラント用の高温用蒸気タービ
ンロータ材として有用である。本発明により、現在の超
々臨界圧発電プラントをさらに高温化し、化石燃料の節
約に寄与するとともに二酸化炭素の発生量を低く抑える
上で有用なものであると言える。
【0035】(実施例2)表3には試験に供した本発明
の第2の高温用蒸気タービンロータ材の化学成分を示
す。試料番号9〜13が本発明材、試料番号14〜16
が比較材に相当する。全ての材料は実施例1で説明した
処理と同じ処理を行った。
【0036】
【表3】
【0037】表4に本発明材及び比較材の機械的性質お
よびクリープ破断特性を示す。本発明材のシャルピー衝
撃値(常温試験)はいずれも9.5kgf−m以上の高
い値を示しており、Niを排除しても十分に高い衝撃値
を確保できていることがわかる。600℃で20kgf
/mm2 の荷重を負荷した場合のクリープ破断時間に着
目すると、本発明材は比較材に比べて大幅に破断時間が
のびていることがわかる。以上のことは、Niの排除と
その他の元素の適切な成分設計がクリープ破断強度の向
上に有効であることを示唆している。
【0038】
【表4】
【0039】以上の事実より、本発明の第2の高温用蒸
気タービンロータ材も実施例1と同様な効果を奏するこ
とが判る。
【0040】(実施例3)表5には試験に供した本発明
の第3の高温用蒸気タービンロータ材の化学成分を示
す。全ての材料は実施例1で説明した処理と同じ処理を
行った。試料番号17、18は実施例1で用いた試料番
号3の成分をベースとしてBを添加した本発明材、試料
番号19は試料番号3の成分をベースにBを本発明以上
に添加した比較材である。また、試料番号20および2
1は実施例2で用いた試料番号10の成分をベースとし
てBを添加した本発明材、試料番号22はその試料番号
10の成分をベースにBを本発明以上に添加した比較材
である。
【0041】
【表5】
【0042】表6に本発明材及び比較材の機械的性質お
よびクリープ破断特性を示す。本発明材のシャルピー衝
撃値(常温試験)はいずれも9.5kgf−m以上の高
い値を示しており、ベース材(試料番号3、10)と比
較しても遜色ない。このことは本発明材における添加範
囲内では、Bの添加は衝撃値に対して少なくとも悪い影
響を及ぼすことはないことを示している。600℃で2
0kgf/mm2 の荷重を負荷した場合のクリープ破断
時間に着目すると、本発明材はベース材(試料番号3、
10)に比べて破断時間がのびていることがわかる。一
方、B添加量が多い比較材(試料番号19、22)で
は、ベース材に比べて破断時間が短くなっている。以上
のことは、本発明の第1および第2に示したタービンロ
ータ材のFeの一部を本発明の第3に示した成分範囲の
Bに置き換えることで、より一層クリープ破断強度が向
上することを示唆している。
【0043】
【表6】
【0044】
【発明の効果】本発明の高温用蒸気タービンロータ材は
優れた高温強度を有するため、蒸気温度が600℃を越
える超々臨界圧発電プラント用の高温用蒸気タービンロ
ータ材として有用である。本発明により、現在の超々臨
界圧発電プラントをさらに高温化し、化石燃料の節約に
寄与するとともに二酸化炭素の発生量を低く抑える上で
有用なものであると言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01D 25/00 F01D 25/00 L

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で炭素:0.1〜0.18%、シ
    リコン:0.005〜0.1%、マンガン:0.01〜
    1%、クロム:8〜11%、バナジウム:0.1〜0.
    25%、ニオブ及び/又はタンタルの合計:0.01〜
    0.1%、窒素:0.01〜0.1%、モリブデン:
    1.3〜1.9%及び不可避的不純物及び鉄からなる鉄
    基合金であって、組織中にδフェライトを含まずマルテ
    ンサイトのマトリックスが形成されていることを特徴と
    する高温用蒸気タービンロータ材。
  2. 【請求項2】 重量比で炭素:0.08〜0.16%、
    シリコン:0.005〜0.1%、マンガン:0.01
    〜1%、クロム:8〜11%、バナジウム:0.1〜
    0.25%、ニオブ及び/又はタンタルの合計:0.0
    1〜0.1%、窒素:0.01〜0.1%、モリブデ
    ン:0.1〜0.5%、タングステン:0.9〜3%を
    含有し、かつモリブデン及びタングステンの含有量〔M
    o〕,〔W〕が0.75≦〔Mo〕+ 1/2〔W〕および
    3≦〔W〕/〔Mo〕をそれぞれ満足し、かつ不可避的
    不純物及び鉄からなる鉄基合金であって、組織中にδフ
    ェライトを含まずマルテンサイトのマトリックスが形成
    されていることを特徴とする高温用蒸気タービンロータ
    材。
  3. 【請求項3】 鉄の一部をボロンで置換し、重量比でボ
    ロン:0.001〜0.03%含有していることを特徴
    とする請求項1又は2記載の高温用蒸気タービンロータ
    材。
JP26395495A 1995-10-12 1995-10-12 高温用蒸気タービンロータ材 Expired - Fee Related JP3581458B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26395495A JP3581458B2 (ja) 1995-10-12 1995-10-12 高温用蒸気タービンロータ材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26395495A JP3581458B2 (ja) 1995-10-12 1995-10-12 高温用蒸気タービンロータ材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09105305A true JPH09105305A (ja) 1997-04-22
JP3581458B2 JP3581458B2 (ja) 2004-10-27

Family

ID=17396564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26395495A Expired - Fee Related JP3581458B2 (ja) 1995-10-12 1995-10-12 高温用蒸気タービンロータ材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3581458B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017180647A1 (en) * 2016-04-11 2017-10-19 Terrapower, Llc High temperature, radiation-resistant, ferritic-martensitic steels

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017180647A1 (en) * 2016-04-11 2017-10-19 Terrapower, Llc High temperature, radiation-resistant, ferritic-martensitic steels
CN108779535A (zh) * 2016-04-11 2018-11-09 泰拉能源公司 高温、耐辐射铁素体-马氏体钢

Also Published As

Publication number Publication date
JP3581458B2 (ja) 2004-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0175075B1 (ko) 증기터빈용 회전자 및 그 제조방법
US4564392A (en) Heat resistant martensitic stainless steel containing 12 percent chromium
EP0384433B1 (en) Ferritic heat resisting steel having superior high-temperature strength
EP0806490B1 (en) Heat resisting steel and steam turbine rotor shaft
JP3354832B2 (ja) 高靭性フェライト系耐熱鋼
JPH1136038A (ja) 耐熱鋳鋼
JP2001262286A (ja) 高純度高Crフェライト系耐熱鋼および高純度高Crフェライト系耐熱鋼の製造方法
JPH04147948A (ja) 高温蒸気タービン用ロータシヤフト
JP3422658B2 (ja) 耐熱鋼
CA2260498C (en) Material for gas turbine disk
JP3310825B2 (ja) 高温用蒸気タービンロータ材
JP3468975B2 (ja) 低合金耐熱鋼および蒸気タービンロータ
JPH05113106A (ja) 高純度耐熱鋼および高純度耐熱鋼からなる高低圧一体型タービンロータの製造方法
JP3819848B2 (ja) 耐熱鋼及びその製造方法
JP3245097B2 (ja) 高温用蒸気タービンロータ材
JP3581458B2 (ja) 高温用蒸気タービンロータ材
JPH11106860A (ja) 溶接熱影響部のクリープ特性に優れたフェライト系耐熱鋼
KR100268708B1 (ko) 고온고압용 고크롬페라이트계 내열합금 및 제조방법
JPH1036944A (ja) マルテンサイト系耐熱鋼
JP3576328B2 (ja) 低合金耐熱鋼及び蒸気タービンロータ
JPH11217655A (ja) 高強度耐熱鋼およびその製造方法
JPH09194987A (ja) 低合金耐熱鋼および蒸気タービンロータ
JP3392639B2 (ja) 溶接性及び高温強度に優れた低Crフェライト鋼
JPH09184050A (ja) フェライト系鉄基合金の製造方法、フェライト系耐熱鋼の製造方法およびフェライト系耐熱鋼
JPH06256893A (ja) 高温強度に優れた高靭性低合金鋼

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20040706

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040723

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees