JPH09104807A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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JPH09104807A
JPH09104807A JP27067296A JP27067296A JPH09104807A JP H09104807 A JPH09104807 A JP H09104807A JP 27067296 A JP27067296 A JP 27067296A JP 27067296 A JP27067296 A JP 27067296A JP H09104807 A JPH09104807 A JP H09104807A
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weight
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pts
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glycidyl methacrylate
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JP27067296A
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Toshio Hatayama
敏雄 畑山
Akihiro Suzuoka
章黄 鈴岡
Akira Shimoma
昌 下間
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐湿熱性,耐衝撃性および柔軟性に優れたポ
リエステル樹脂組成物を得る。 【解決手段】 (A)ポリブチレンナフタレンジカルボキ
シレート60〜99.5重量%と(B)α−オレフィン70〜99.5
重量部,グリシジルメタクリレート0.5〜20重量部およ
び酢酸ビニル1.0〜20重量部からなる全量100重量部の共
重合体0.5〜40重量%とよりなるポリエステル樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリブチレンナフ
タレンジカルボキシレート(以下PBNと略す),α−
オレフィン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共
重合体および無機充填剤よりなる耐湿熱性,耐衝撃性お
よび柔軟性に優れたポリエステル樹脂組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般にポリブチレンテレフタレート(以
下PBTと略す)を主成分とする組成物は、機械的強
度,電気絶縁性,耐薬品性等が優れていることから、電
気電子部品,家電照明部品,自動車用部品,機構部品等
として多く使用されている。従来これらの部品の材料と
してはポリプロピレン等の汎用プラスチックやフェノー
ル樹脂等の熱硬化性樹脂が使用されていたが、高機能
化,高性能化あるいは成形性の向上等が求められる中
で、PBTに代替されるようになってきた。
【0003】しかしながら、最近では高温高湿といった
より厳しい環境下で、PBT成形部品が使用される例が
増加してきており、これまでのPBT組成物では要求さ
れる品質を満足できなくなりつつある。そもそもPBT
は主鎖のエステル結合のため一般に耐湿熱性はポリアミ
ド等に比較すると劣っており、これまで耐湿熱性を向上
させようとする試みがなされてきた。この方策としてP
BTポリマー末端のカルボキシル基濃度の低減が有効で
あることが知られている。末端のカルボキシル基濃度を
低減する手段としては一般に固相重合法が提案されてい
る。またエポキシ基やイソシアネート基のようにカルボ
キシル基と反応する官能基を有する化合物をPBTに添
加する方法も提案されている。
【0004】
【発明の解決するべき課題】しかしながら、このような
改良を行ったPBTを用いた組成物でも耐湿熱性の改良
は十分でなく、熱水劣化試験後に強度は著しく低下して
しまう。この結果、これらの材料では部品としての寿命
や信頼性が低下する可能性が大きい。
【0005】PBNは、PBTと同等の優れた機械的強
度,電気絶縁性,耐薬品性を持ち、さらに耐湿熱性が著
しく改良されたポリエステル樹脂である。従ってPBT
の代わりにPBNを用いて組成物を調製すれば優れた耐
湿熱性が期待できる。さらに機械的強度を向上させるこ
とにより、これまでにない高機能,高性能のポリエステ
ル樹脂組成物を得ることができる。PBNではPBT成
形部品が使用されていたよりも厳しい環境で使用できる
成形品を作ることが可能となるであろう。
【0006】しかしながら、PBNに対する高機能化,
高性能化の検討はこれまでには殆んど行われていず、文
献もあまり無い。従ってどのような添加物を用いれば特
性を向上させ得るか、また他のポリエステル樹脂に用い
られる機能付与剤,性能向上剤はPBNに適応可能か否
か等はまったく未知である。本発明者はこのような背景
を基に、耐湿熱性の優れたPBN樹脂の耐衝撃性,柔軟
性の改良について鋭意検討した結果、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、PBNとα−
オレフィン−グリシジルメタクリレート−酢酸ビニル共
重合体と、要すれば無機充填剤よりなる耐湿熱性,耐衝
撃性,および柔軟性に優れたポリエステル樹脂組成物に
関するものである。
【0008】本発明において、PBNとはナフタレンジ
カルボン酸、好ましくはナフタレン−2,6−ジカルボン
酸を主たる酸成分とし、1,4−ブタンジオールを主たる
グリコール成分とするポリエステル、即ち繰り返し単位
の全部または大部分(通常90モル%以上、好ましくは95
モル%以上)がブチレンナフタレンジカルボキシレート
であるポリエステルである。
【0009】またこのポリエステルには物性を損なわな
い範囲で、次の成分の共重合が可能である。即ち、酸成
分としては、ナフタレンジカルボン酸以外の芳香族ジカ
ルボン酸、例えばフタル酸,イソフタル酸,テレフタル
酸,ジフェニルジカルボン酸,ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸,ジフェノキシエタンジカルボン酸,ジフェニ
ルメタンジカルボン酸,ジフェニルケトンジカルボン
酸,ジフェニルスルフィドジカルボン酸,ジフェニルス
ルフォンジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、例えばコ
ハク酸,アジピン酸,セバシン酸,脂環族ジカルボン
酸、例えばシクロヘキサンジカルボン酸,テトラリンジ
カルボン酸,デカリンジカルボン酸等が例示される。
【0010】グリコール成分としてはエチレングリコー
ル,プロピレングリコール,トリメチレングリコール,
ペンタメチレングリコール,ヘキサメチレングリコー
ル,オクタメチレングリコール,ネオペンチルグリコー
ル,シクロヘキサンジメタノール,キシリレングリコー
ル,ジエチレングリコール,ポリエチレングリコール,
ビスフェノールA,カテコール,レゾルシノール,ハイ
ドロキノン,ジヒドロキシジフェニル,ジヒドロキシジ
フェニルエーテル,ジヒドロキシジフェニルメタン,ジ
ヒドロキシジフェニルケトン,ジヒドロキシジフェニル
スルフィド,ジヒドロキシジフェニルスルフォン等が例
示される。
【0011】オキシカルボン酸成分としては、オキシ安
息香酸,ヒドロキシナフトエ酸,ヒドロキシジフェニル
カルボン酸,ω−ヒドロキシカプロン酸等が例示され
る。
【0012】また、ポリエステルが実質的に成形性能を
失わない範囲で三官能以上の化合物、例えばグリセリ
ン,トリメチルプロパン,ペンタエリスリトール,トリ
メリット酸,ピロメリット酸等を共重合してよい。
【0013】かかるポリエステルは、ナフタレンジカル
ボン酸および/またはその機能的誘導体とブチレングリ
コールおよび/またはその機能的誘導体とを、従来公知
の芳香族ポリエステル製造法を用いて重縮合させて得ら
れる。また本発明において用いるPBNの末端カルボキ
シル基濃度には特に制限はないが、少ない方が望まし
い。
【0014】また本発明で使用するα−オレフィン−グ
リシジルメタクリレート−酢酸ビニル共重合体における
グリシジルメタクリレート含有量は0.5〜20重量%、好
ましくは1〜15重量%であり、0.5重量%以下の場合は
PBNと該共重合体の親和性向上効果が発揮できず、20
重量%以上の場合は該共重合体自体の柔軟性が失われる
ため好ましくはない。これら共重合体は酢酸ビニルを共
重合成分として0.1〜30重量%、好ましくは1.0〜20重量
%含有することができ、この場合には特に組成物の機械
的性質の向上により以上のものが望める。ただし共重合
体における酢酸ビニル含量が30重量%以上の場合には熱
安定性が低下し、ポリエステルと溶融混合する際、ある
いは混合物を成形する際に熱劣化の原因になるため好ま
しくない。上記α−オレフィン−グリシジルメタクリレ
ート−酢酸ビニル共重合体の添加量はPBNとの合計量
に対し0.5〜40重量%、好ましくは2〜25重量%であ
る。添加量が0.5重量%以下では組成物の衝撃強度改良
効果が発揮されず、40重量%以上では押出性,成形性が
悪いだけでなく、PBNの特徴である優れた耐熱性,耐
薬品性などが大幅に低下するため、本発明の目的を達す
るのが困難となる。
【0015】次に、本発明で使用される無機充填剤は機
械的強度,耐熱性,寸法安定性(耐変形,反り),電気
的性質などの性能に優れた成形品を得るために配合する
ことが好ましく、これには目的に応じて、繊維状,粉粒
状,板状の充填剤が用いられる。
【0016】繊維状充填剤としては、ガラス繊維,カー
ボン繊維,シリカ繊維,シリカ・アルミナ繊維,ジルコ
ニア繊維,窒化硼素繊維,窒化珪素繊維,硼素繊維,チ
タンカリ繊維,さらにステンレス,アルミニウム,チタ
ン,銅,真鍮等の金属の繊維状物などの無機質繊維状物
質があげられる。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊
維、またはカーボン繊維である。
【0017】一方、粉粒状充填剤としてはカーボンブラ
ック,シリカ,石英粉末,ガラスビーズ,ガラス粉,珪
酸カルシウム,カオリン,タルク,クレー,硅藻土,ウ
ォラストナイトの如き珪酸塩,酸化鉄,酸化チタン,酸
化亜鉛,アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウ
ム,炭酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他炭化珪
素,窒化珪素,窒化硼素,各種金属粉末があげられる。
また、板状充填剤としてはマイカ,ガラスフレーク,各
種の金属箔などがあげられる。
【0018】これらの無機充填剤は、1種使用するかま
たは2種以上併用することができる。繊維状充填剤、特
にガラス繊維と粒状および/または板状充填剤の併用は
特に機械的強度と寸法精度,電気的性質などを兼備する
上で好ましい組合せである。
【0019】これらの充填剤の使用に当っては必要なら
ば集束剤または表面処理剤を使用することが望ましい。
この例を示せば、エポキシ化合物,シラン化合物,シソ
シアネート化合物,シラン化合物,チタネート化合物等
の官能性化合物である。これらの化合物はあらかじめ表
面処理または集束処理を施して用いるか、または材料調
整の際同時に添加してもよい。
【0020】本発明において無機充填剤の添加量はPB
Nとα−オレフィン−グリシジルメタクリレート−酢酸
ビニル共重合体の合計100重量部に対して0〜150重量部
である。その量が150重量部より多い場合は分散が悪
く、成形加工が困難であり好ましくない。
【0021】本発明のポリエステル樹脂組成物には更に
その目的に応じ所望の特性を付与するため、その物性を
著しく損なわない範囲で、他の添加剤、例えば難燃剤,
難燃助剤,安定剤,着色剤,紫外線吸収剤,離型剤,帯
電防止剤,結晶化促進剤,結晶核剤,充填剤,衝撃改良
剤等を添加することができる。
【0022】本発明の組成物の調製は、従来の樹脂組成
物の調整法として一般に用いられる公知の設備と方法に
より容易に調整される。例えば、各成分を混合した後、
押出機により溶融混練押出してペレットを調整し、しか
る後成形する方法、一旦組成の異なるペレットを調整
し、そのペレットを所定量混合して成形に供し成形後に
目的組成の成形品を得る方法、成形機に各成分の1また
は2以上を直接仕込む方法、などいずれも使用できる。
また、樹脂成分の一部を細かい粉体としてこれ以外の成
分と混合し添加することは、これらの成分の均一配合を
行う上で好ましい方法である。
【0023】
【発明の効果】本発明のPBNを主成分とするポリエス
テル樹脂組成物は、機械的強度、特に耐衝撃性や柔軟性
が優れているだけでなく、電気絶縁性,耐薬品性をも兼
ね備えたバランスのよい樹脂組成物であり、さらには従
来のPBTを主成分とするポリエステル樹脂組成物に較
べ、耐湿熱性が著しく改善された優れた材料であるとい
える。
【0024】
【実施例】次に実施例を挙げて更に本発明を説明する。
なお、主な特性の測定方法は以下の通りである。 (1)末端カルボキシル基濃度(COOH) エイ・コニックス(A. Conix)の方法(Makromol. Chem,
26, 226 (1958))によって測定。単位は106g当りの当
量数。 (2)極限粘度 35℃のオルトクロロフェノール溶液中で測定。 (3)衝撃強度 ASTM D-256に準拠。 (4)熱水劣化試験 衝撃試験片を用い、100℃,200時間熱水処理した後強度
を測定。
【0025】[参考例1]極限粘度が0.79、末端カルボ
キシル基濃度が40当量/トンのPBNにエチレン85重量
%およびグリシジルメタクリレート15重量%の共重合体
を全組成物に対して10重量%となるように添加し、ドラ
イブレンドした後、単軸押出機にて押出しペレット化し
た。押出性は良好であった。さらにこのペレットを射出
成形して衝撃試験用のテストピースを作製し、熱水劣化
試験を行った。その結果を表1に示した。
【0026】[比較例1]参考例1と同じPBNを用い
そのまま単軸押出機にて押出しペレット化した。それ以
外は参考例1と同様に試験を行った。押出性は良好であ
った。
【0027】[比較例2]極限粘度が1.07、末端カルボ
キシル基濃度が42当量/トンのPBTを用いた以外は参
考例1と同様に試験を行った。押出性は良好であった。
【0028】[比較例3]極限粘度が0.88、末端カルボ
キシル基濃度が17当量/トンのPBTを用いた以外は参
考例1と同様に試験を行った。押出性は良好であった。
【0029】表1より本発明のPBNよりなるポリエス
テル樹脂組成物は、エチレン−グリシジルメタクリレー
ト共重合体の添加により衝撃強度が改良されていること
が判った。また同様の組成のPBTよりなる樹脂組成物
に比べ耐湿熱性が高い。さらに耐湿熱性の改良のため、
PBTとして末端カルボキシル基濃度の低いポリマーを
用いても十分な改良効果が得られなかった。以上のこと
から、本発明のポリエステル樹脂組成物は耐湿熱性だけ
でなく耐衝撃性にも優れていることが判る。
【0030】
【表1】
【0031】[実施例1]極限粘度が0.79、末端カルボ
キシル基濃度が40当量/トンのPBNにエチレン80重量
%,グリシジルメタクリレート15重量%および酢酸ビニ
ル5重量%の共重合体を全組成物に対して10重量%とな
るように添加し、ドライブレンドした後、単軸押出機に
て押出しペレット化した。押出性は良好であった。さら
にこのペレットを射出成形して衝撃試験用のテストピー
スを作製し、熱水劣化試験を行った。その結果を表2に
示した。
【0032】[比較例4]極限粘度が1.07、末端カルボ
キシル基濃度が42当量/トンのPBTを用いた以外は実
施例1と同様に試験を行った。押出性は良好であった。
【0033】[比較例5]極限粘度が0.88、末端カルボ
キシル基濃度が17当量/トンのPBTを用いた以外は比
較例4と同様に試験を行った。押出性は良好であった。
【0034】表2より本発明のPBNよりなるポリエス
テル樹脂組成物は、エチレン−グリシジルメタクリレー
ト−酢酸ビニル共重合体の添加によっても衝撃強度が改
良される。また同様の組成のPBTよりなる樹脂組成物
に比べ耐湿熱性が高い。さらに耐湿熱性の改良のため、
PBTとして末端カルボキシル基濃度の低いポリマーを
用いても十分な改良効果が得られなかった。以上のこと
から、本発明のポリエステル樹脂組成物は耐湿熱性だけ
でなく耐衝撃性にも優れていることが判った。
【0035】
【表2】
【0036】[比較例6]エチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体を0.25重量%用いた以外は参考例1と
同様に試験を行った。押出性は良好であった。その結果
を表3に示した。
【0037】[参考例2]エチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体を1重量%用いた以外は参考例1と同
様に試験を行った。押出性は良好であった。
【0038】[参考例3]エチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体を5重量%用いた以外は参考例1と同
様に試験を行った。押出性は良好であった。
【0039】[参考例4]エチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体を20重量%用いた以外は参考例1と同
様に試験を行った。押出性は良好であった。
【0040】[比較例7]エチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体を50重量%用いた以外は参考例1と同
様に試験を行った。押出性は不良であった。
【0041】表3よりエチレン−グリシジルメタクリレ
ート共重合体の添加量は、0.5重量%以下では十分な衝
撃強度改良効果が発揮されず、また40重量%を超えると
押出性や成形性が悪くなるだけでなく、衝撃強度もむし
ろ低下することが判った。
【0042】
【表3】
【0043】[比較例8]衝撃強度改良剤としてグリシ
ジルメタクリレートが共重合されていないポリエチレン
を10重量%用いた以外は参考例1と同様に試験を行っ
た。押出性は良好であった。
【0044】[比較例9]衝撃強度改良剤としてエチレ
ン75重量%,酢酸ビニル25重量%の共重合体を10重量%
用いた以外は参考例1と同様に試験を行った。押出性は
良好であった。
【0045】[比較例10]衝撃強度改良剤としてエチ
レン70重量%およびグリシジルメタクリレート30重量%
の共重合体を10重量%用いた以外は参考例1と同様に試
験を行った。押出性は不良であった。
【0046】[比較例11]衝撃強度改良剤としてエチ
レン45重量%,グリシジルメタクリレート15重量%およ
び酢酸ビニル40重量%の共重合体を10重量%用いた以外
は参考例1と同様に試験を行った。押出性は不良であっ
た。
【0047】
【表4】
【0048】表4よりグリシジルメタクリレート成分が
共重合されていないオレフィン重合体では衝撃強度が改
良されないことが判った。またグリシジルメタクリレー
ト成分が共重合されていても20重量%を超えたり、ある
いは0.5〜20重量%の範囲であっても酢酸ビニル成分の
共重合割合が30重量%を超える場合には、これらの共重
合体の耐熱性が低いために、PBNと溶融混練して押出
したり、成形する際に分解してしまう。その結果衝撃強
度が改良されないばかりでなく、外観も悪い成形品しか
得られないことが判明した。
【0049】[参考例5]実施例1で使用した組成物10
0重量部に対し、無機充填剤として直径10μm,長さ3
mmのガラスチョップドストランドを20重量部用い、各
成分をドライブレンドした後、単軸押出機にて押出しペ
レット化した。押出性は良好であった。さらにこのペレ
ットを射出成形して衝撃試験用のテストピースを作製
し、熱水劣化試験を行った。その結果を表5に示した。
【0050】[比較例12]エチレン−グリシジルメタ
クリレート共重合体は全く用いずに、参考例5と同様に
試験を行った。押出性は良好であった。
【0051】[比較例13]極限粘度が1.07、末端カル
ボキシル基濃度が42当量/トンのPBTを用いた以外は
参考例5と同様に試験を行った。押出性は良好であっ
た。
【0052】[比較例14]極限粘度が0.88、末端カル
ボキシル基濃度が17当量/トンのPBTを用いた以外は
比較例13と同様に試験を行った。押出性は良好であっ
た。
【0053】
【表5】
【0054】表5より無機充填剤としてガラス繊維を用
いた場合でも本発明のPBNよりなるポリエステル樹脂
組成物は、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合
体の添加により衝撃強度が改良されていることが判っ
た。また同様の組成のPBTよりなる樹脂組成物や、さ
らには耐湿熱性が改良された末端カルボキシル基濃度の
低いPBTを用いた樹脂組成物に比べても熱水処理後の
衝撃強度が多角、耐湿熱性が高いことが判る。ガラス繊
維以外の無機充填剤を用いた場合でも同様に試験を行え
ば本発明のポリエステル樹脂組成物の効果は明らかとな
るであろう。
【0055】[参考例6]ガラスチョップドストランド
を40重量部用いた以外は参考例5と同様に試験を行っ
た。押出性は良好であった。
【0056】[参考例7]ガラスチョップドストランド
を100重量部用いた以外は参考例5と同様に試験を行っ
た。押出性は良好であった。
【0057】[比較例15]ガラスチョップドストラン
ドを233重量部用いた以外は参考例5と同様に試験を行
った。押出性は不良であった。
【0058】
【表6】
【0059】表6より無機充填剤として様々な添加量の
ガラス繊維を用いた場合でも本発明のPBNよりなるポ
リエステル樹脂組成物は、エチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体の添加により衝撃強度が改良されてい
ることが判った。また熱水処理後の衝撃強度が高いこと
から、耐衝撃性だけでなく耐湿熱性にも優れていること
が判る。しかしながら、比較例15から判明したように
ガラス繊維の添加量が150重量部を超えると押出性が不
良になり、成形品外観も悪くなる上、衝撃強度改良効果
も頭打ちとなる。
【0060】[比較例16]衝撃強度改良剤としてグリ
シジルメタクリレートが共重合されていないポリエチレ
ンを10重量%用いた以外は参考例5と同様に試験を行っ
た。押出性は良好であった。
【0061】[比較例17]衝撃強度改良剤としてエチ
レン75重量%および酢酸ビニル25重量%の共重合体を10
重量%用いた以外は参考例5と同様に試験を行った。押
出性は良好であった。
【0062】[比較例18]衝撃強度改良剤としてエチ
レン70重量%およびグリシジルメタクリレート30重量%
の共重合体を10重量%用いた以外は参考例5と同様に試
験を行った。押出性は不良であった。
【0063】[比較例19]衝撃強度改良剤としてエチ
レン45重量%,グリシジルメタクリレート15重量%およ
び酢酸ビニル40重量%の共重合体を10重量%用いた以外
は参考例5と同様に試験を行った。押出性は不良であっ
た。
【0064】
【表7】
【0065】表7より無機充填剤としてガラス繊維を用
いた場合でもグリシジルメタクリレート成分が共重合さ
れていないオレフィン重合体では衝撃強度が改良されな
いことが判った。またグリシジルメタクリレート成分が
共重合されていても20重量%を超えたり、あるいは0.5
〜20重量%の範囲であっても酢酸ビニル成分の共重合割
合が30重量%を超える場合には、これらの共重合体の耐
熱性が低いために、PBNや無機充填剤と溶融混練して
押出したり、成形する際に分解してしまう。その結果衝
撃強度が改良されないばかりでなく、外観も悪い成形品
しか得られなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリブチレンナフタレンジカルボキ
    シレート60〜99.5重量%と(B)α−オレフィン70〜99.5
    重量部,グリシジルメタクリレート0.5〜20重量部およ
    び酢酸ビニル1.0〜20重量部からなる全量100重量部の共
    重合体0.5〜40重量%とよりなるポリエステル樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物100重量部お
    よび無機充填剤0〜150重量部よりなるポリエステル樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリブチレンナフタレンジカルボキシレ
    ートがポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
    ートである請求項1および2記載のポリエステル樹脂組
    成物。
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