JPH09104691A - リン原子架橋ビスフェノール誘導体およびその製造法 - Google Patents

リン原子架橋ビスフェノール誘導体およびその製造法

Info

Publication number
JPH09104691A
JPH09104691A JP8210095A JP21009596A JPH09104691A JP H09104691 A JPH09104691 A JP H09104691A JP 8210095 A JP8210095 A JP 8210095A JP 21009596 A JP21009596 A JP 21009596A JP H09104691 A JPH09104691 A JP H09104691A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
general formula
represented
butyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8210095A
Other languages
English (en)
Inventor
Shusuke Hanaoka
秀典 花岡
Norio Kawamura
憲男 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP8210095A priority Critical patent/JPH09104691A/ja
Publication of JPH09104691A publication Critical patent/JPH09104691A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ジ(2−ヒドロキシフェニル)メタン系化合
物のメチレン基をリンに置換し、両ヒドロキシルフェニ
ルを3価のリンで結合した新規な3級ホスフィン化合物
およびその製造法を提供する。 【解決手段】 フェノール化合物誘導体とジハロゲン化
リン化合物とを金属または有機金属化合物の存在下に反
応させ、得られた付加体の保護基を脱保護して一般式1 (R、R、R、Rは同一または相異なり水素、
ハロゲン、C1〜10のアルキル基、C1〜3のアルコ
キシル基、C1〜3のアルキルチオ基または置換されて
もよいフェニル基を、RはC1〜10のアルキル基、
C5〜8のシクロアルキル基、置換されてもよいフェニ
ル基、フリル基またはチエニル基を示す。)のリン原子
架橋ビスフェノール誘導体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なリン原子架
橋ビスフェノール誘導体およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ジ(2−ヒドロキシ−3−t
−ブチル−5−メチルフェニル)メタンなどのジ(2−
ヒドロキシフェニル)メタン系化合物やジ(2−ヒドロ
キシフェニル)フェニルホスフィンオキシドなどはよく
知られているが、両ヒドロキシフェニルを3価のリン原
子に結合させた3級ホスフィン化合物については知られ
ていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者らはジ(2−ヒドロキシフェニル)メタン系化
合物のメチレン基をリン原子に置換し、両ヒドロキシル
フェニルを3価のリン原子で結合した新規な3級ホスフ
ィン化合物を開発すべく検討の結果、オレフィン重合用
触媒の一成分である遷移金属錯体の中間体として有用な
文献未記載のリン原子架橋ビスフェノール誘導体を見出
し、また、該化合物は工業的にも容易に製造できること
を見出し、本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式(1) (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一または相異
なって水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアル
キル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3
のアルキルチオ基または置換されていてもよいフェニル
基を示し、R5 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
5〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよいフェ
ニル基、フリル基またはチエニル基を示す。)で示され
るリン原子架橋ビスフェノール誘導体を提供するもので
ある。
【0005】
【発明の実施の形態】上記一般式(1)における各置換
基において、ハロゲン原子としては塩素、臭素などが、
炭素数1〜10のアルキル基としてはメチル、エチル、
プロピル、t−ブチル、イソアミル、ヘキシル、n−オ
クチル、n−ノニルなどが、炭素数1〜3のアルコキシ
ル基としてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシなど
が、炭素数1〜3のアルキルチオ基としてはメチルチ
オ、エチルチオ、n−プロピルチオなどが、炭素数5〜
8のシクロアルキル基としてはシクロヘキシル、シクロ
オクチルなどが、置換されていてもよいフェニル基とし
てはフェニル、p−トリル、o−トリル、p−メトキシ
フェニル、o−メトキシフェニル、p−t−ブチルフェ
ニル、o−メチルチオフェニル、p−メチルチオフェニ
ルなどがそれぞれ例示される。
【0006】かかる一般式(1)で示されるリン原子架
橋ビスフェノール誘導体としては、例えばジ(2−ヒド
ロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)フェニ
ルホスフィン、ジ(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−
ブチルフェニル)フェニルホスフィン、ジ(2−ヒドロ
キシ−3−エチル−5−メチルフェニル)フェニルホス
フィン、ジ(2−ヒドロキシ−3−イソプロピル−5−
メチルフェニル)フェニルホスフィン、ジ(2−ヒドロ
キシ−3−イソアミル−5−メチルフェニル)フェニル
ホスフィン、ジ(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5
−メトキシフェニル)フェニルホスフィン、ジ(2−ヒ
ドロキシ−3−t−ブチル−5−ブロモフェニル)フェ
ニルホスフィン、ジ(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)フェニルホスフィン、ジ(2−ヒドロキシ
−3−フェニルフェニル)フェニルホスフィン、ジ(2
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)フェニルホスフィ
ン、ジ(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチル
フェニル)(4−メトキシフェニル)ホスフィン、ジ
(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニ
ル)(4−エトキシフェニル)ホスフィン、ジ(2−ヒ
ドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)(4
−n−プロポキシフェニル)ホスフィン、ジ(2−ヒド
ロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)(4−
メチルフェニル)ホスフィン、ジ(2−ヒドロキシ−3
−t−ブチル−5−メチルフェニル)(4−t−ブチル
フェニル)ホスフィン、ジ(2−ヒドロキシ−3−t−
ブチル−5−メチルフェニル)(2−メチルチオフェニ
ル)ホスフィン、ジ(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル
−5−メチルフェニル)(4−エチルチオフェニル)ホ
スフィン、ジ(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−
メチルフェニル)(4−プロピルチオフェニル)ホスフ
ィン、ジ(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチ
ルフェニル)(2−チエニル)ホスフィン、ジ(2−ヒ
ドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)(2
−フリル)ホスフィン、ジ(2−ヒドロキシ−3−t−
ブチル−5−メチルフェニル)シクロヘキシルホスフィ
ン、ジ(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチル
フェニル)t−ブチルホスフィンなどが挙げられる。
【0007】このようなリン原子架橋ビスフェノール誘
導体は、一般式(2) (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は前記と同じ意味
を有し、R6 はフェノール性水酸基の保護基を、Xは水
素原子またはハロゲン原子を示す。)で示されるフェノ
ール化合物誘導体と一般式(3) R5 −P(Y)2 (3) (式中、R5 は前記と同じ意味を有し、Yはハロゲン原
子を示す。)で示されるジハロゲン化リン化合物とを、
金属または有機金属化合物の存在下に反応させ、次いで
得られた付加体の保護基を脱保護することにより容易に
製造することができる。
【0008】ここで、上記一般式(2)および一般式
(3)で示される各原料化合物において置換基R1 、R
2 、R3 、R4 およびR5 はそれぞれ前記と同様であ
る。置換基R6 で示されるフェノール性水酸基の保護基
としてはメトキシメチル、メトキシエトキシメチル、2
−テトラヒドロピラニル、ベンジルオキシメチルなどの
アルコキシアルキル基、メチルなどのアルキル基、t−
ブチル−ジメチルシリル、トリメチルシリルなどの第3
級シリル基、ベンジルなどのアラルキル基、ベンジルオ
キシカルボニルなどのカルボニル基などが例示され、リ
ン原子架橋ビスフェノール誘導体の収率の点で、アルコ
キシアルキル基が好ましい。置換基XおよびYで示され
るハロゲン原子としては塩素、臭素などが例示される。
置換基Xは、取扱の容易さの点でハロゲン原子であるこ
とが好ましい。
【0009】このような原料化合物において、一般式
(2)で示されるフェノール化合物誘導体としては、例
えばメトキシメトキシベンゼン、1−メチル−4−メト
キシメトキシベンゼン、1,3−ジメチル−6−メトキ
シメトキシベンゼン、1−t−ブチル−2−メトキシメ
トキシベンゼン、1−t−ブチル−3−メチル−4−メ
トキシメトキシベンゼン、1,3−ジ−t−ブチル−6
−メトキシメトキシベンゼン、1−メトキシメトキシ−
2−トリメチルシリルベンゼン、1−メトキシメトキシ
−2−トリメチルシリル−4−メチルベンゼン、1−メ
トキシメトキシ−2−t−ブチルジメチルシリルベンゼ
ン、1−メトキシメトキシ−2−t−ブチルジメチルシ
リル−4−メチルベンゼン、1−フェニル−2−メトキ
シメトキシベンゼン、1−フェニル−3−メチル−6−
メトキシメトキシベンゼン、1,3−ジアミル−6−メ
トキシメトキシベンゼン、1−t−ブチル−3−メトキ
シ−6−メトキシメトキシベンゼン、1−t−ブチル−
3−クロロ−6−メトキシメトキシベンゼン、
【0010】1−ブロモ−2−メトキシメトキシベンゼ
ン、1―ブロモ−3−メチル−6−メトキシメトキシベ
ンゼン、1−ブロモ−3,5−ジメチル−2−メトキシ
メトキシベンゼン、1−ブロモ−3−t−ブチル−2−
メトキシメトキシベンゼン、1−ブロモ−3−t−ブチ
ル−5−メチル−2−メトキシメトキシベンゼン、1−
ブロモ−3,5−ジ−t−ブチル−2−メトキシメトキ
シベンゼン、1−ブロモ−2−メトキシメトキシ−3−
トリメチルシリルベンゼン、1−ブロモ−2−メトキシ
メトキシ−5−メチル−3−トリメチルシリルベンゼ
ン、1−ブロモ−2−メトキシメトキシ−3−t−ブチ
ルジメチルシリルベンゼン、1−ブロモ−2−メトキシ
メトキシ−3−t−ブチルジメチルシリル−5−メチル
ベンゼン、1−ブロモ−3−フェニル−2−メトキシメ
トキシベンゼン、1−ブロモ−2−メトキシメトキシ−
5−メチル−3−フェニルベンゼン、1,3−ジアミル
−5−ブロモ−6−メトキシメトキシベンゼン、1−ブ
ロモ−3−t−ブチル−5−メトキシ−2−メトキシメ
トキシベンゼン、1−ブロモ−3−t−ブチル−5−ク
ロロ−2−メトキシメトキシベンゼンなどが挙げられ
る。また、上記各化合物におけるブロモがクロロ、ヨー
ドに変換されたものや、メトキシメトキシがメトキシエ
トキシメトキシ、ベンジルオキシメトキシ、(2’−テ
トラヒドロピラニル)オキシ、ベンジルオキシ、トリメ
チルシリルオキシ、ベンジルオキシカルボニルオキシに
変換されたものも同様に例示される。
【0011】また、一般式(3)で示されるジハロゲン
化リン化合物としてはジクロロフェニルホスフィン、ジ
クロロ(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジクロロ
(4−t−ブチルフェニル)ホスフィン、ジクロロ(4
−メトキシフェニル)ホスフィン、ジクロロ(4−エト
キシフェニル)ホスフィン、ジクロロ(4−n−プロポ
キシフェニル)ホスフィン、ジクロロ(2−メチルチオ
フェニル)ホスフィン、ジクロロ(4−エチルチオフェ
ニル)ホスフィン、ジクロロ(4−n−プロピルチオフ
ェニル)ホスフィン、ジブロモフェニルホスフィン、ジ
クロロ(2−チエニル)ホスフィン、ジクロロ(2−フ
リル)ホスフィン、ジクロロ(t−ブチル)ホスフィ
ン、ジクロロシクロヘキシルホスフィンなどが例示され
る。
【0012】このようなフェノール化合物誘導体とジハ
ロゲン化リン化合物との反応は、金属または有機金属化
合物の存在下に行われる。ここで、金属としてはリチウ
ムなどのアルカリ金属、マグネシウムなどのアルカリ土
類金属や亜鉛などが挙げられるが、とりわけマグネシウ
ムが好適に使用される。有機金属化合物としてはメチル
リチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、n
−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチ
ルリチウム、アミルリチウムなどの低級アルキルリチウ
ムやフェニルリチウム、p−トリルリチウムなどのアリ
ールリチウムなどの有機リチウム化合物が好適に使用さ
れる。
【0013】この反応における金属または有機金属化合
物の使用量は、原料フェノール化合物誘導体に対して通
常0.1〜100モル倍、好ましくは0.5〜3モル倍
である。また、この反応に際しては開始剤を添加するこ
とにより反応をより速やかに進行させることができる。
かかる開始剤としては臭素、ヨウ素などのハロゲン、ヨ
ウ化メチル、ヨウ化エチル、臭化エチルなどのアルキル
モノハロゲン化物、1,2−ジクロロエタン、1,2−
ジブロモエタンなどのアルキルジハロゲン化物などが例
示される。このような開始剤を使用する場合、その使用
量は原料フェノール化合物誘導体に対して通常0.00
001〜0.1モル倍である。
【0014】反応は通常、有機溶媒中で行われ、かかる
溶媒としてはベンゼン、トルエン、クロロベンゼンなど
の芳香族系溶媒、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系溶
媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−
ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ヘキサメチルホスホ
リックトリアミド、ジメチルホルムアミドなどの非プロ
トン性極性溶媒などが例示され、これらはそれぞれ単独
あるいは二種以上の混合物として使用される。溶媒の使
用量は特に限定されないが、一般的には原料のフェノー
ル化合物誘導体に対して1〜200重量倍の範囲であ
る。
【0015】反応方法としては、フェノール化合物誘導
体の溶媒溶液を金属の溶媒スラリーに添加し、その後に
ジハロゲン化リン化合物を添加する方法、或いはフェノ
ール化合物誘導体の溶媒溶液中に有機金属化合物を添加
し、その後にジハロゲン化リン化合物を添加する方法が
好ましいが、特にこれらの方法に限定されるものではな
い。反応温度は通常−100℃〜100℃の範囲であ
る。かかる反応により、一般式(1)で示されるリン原
子架橋ビスフェノール誘導体におけるフェノール核の水
酸基が保護基で保護された付加体が得られ、該付加体の
保護基を脱保護することにより、目的とする一般式
(1)で示されるリン原子架橋ビスフェノール誘導体を
得ることができる。
【0016】この反応は、酸の存在下に水を作用させて
加水分解的に脱保護させる方法が好ましい。この目的で
使用される酸としては塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸
類、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸類などの
プロトン酸が例示され、その使用量は付加体に対して通
常0.001〜10モル倍である。また、水の量は付加
体に対して通常2〜1000モル倍である。
【0017】反応は通常、有機溶媒存在下に行われ、か
かる溶媒としてはメタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、ベ
ンゼン、トルエン、クロロベンゼンなどの芳香族系溶
媒、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系溶媒、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンな
どのエーテル系溶媒、ヘキサメチルホスホリックトリア
ミド、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶
媒などが例示され、これらはそれぞれ単独あるいは2種
以上の混合物として使用される。溶媒の使用量は特に限
定されないが、一般的には原料のフェノール化合物誘導
体に対して1〜200重量倍の範囲である。反応温度は
通常0〜100℃である。
【0018】かかる反応により、付加体の保護基が脱保
護されて一般式(1)で示されるリン原子架橋ビスフェ
ノール誘導体が得られ、該化合物は反応終了後の反応混
合物から通常の手段、例えば抽出、再結晶あるいは各種
クロマトグラフィーなどの操作により容易に単離、精製
することができる。
【0019】上記において原料化合物として用いられる
フェノール化合物誘導体は、例えば一般式(4) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびXは前記と同じ
意味を有する。)で示されるフェノール化合物および一
般式(5) R6 −Z (5) (式中、R6 は前記と同じ意味を有し、Zはハロゲン原
子を示す。)で示されるハロゲン化合物を塩基の存在下
に反応させる方法によって容易に製造することができ
る。
【0020】一般式(4)で示されるフェノール化合物
としては、例えばフェノール、p−クレゾール、2,4
−キシレノール、2−t−ブチルフェノール、2−t−
ブチル−4−メチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチ
ルフェノール、2−トリメチルシリルフェノール、2−
トリメチルシリル−4−メチルフェノール、2−t−ブ
チルジメチルシリルフェノール、2−t−ブチルジメチ
ルシリル−4−メチルフェノール、2−フェニルフェノ
ール、2−フェニル−4−メチルフェノール、2,4−
ジアミルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフ
ェノール、2−t−ブチル−4−クロロフェノール、
【0021】2−ブロモフェノール、2―ブロモ−6−
メチルフェノール、2−ブロモ−4,6−ジメチルフェ
ノール、2−ブロモ−6−t−ブチルフェノール、2−
ブロモ−6−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−
ブロモ−4,6−ジ−t−ブチルフェノール、2−ブロ
モ−6−トリメチルシリルフェノール、2−ブロモ−4
−メチル−6−トリメチルシリルフェノール、2−ブロ
モ−6−t−ブチルジメチルシリルフェノール、2−ブ
ロモ−6−t−ブチルジメチルシリル−4−メチルフェ
ノール、2−ブロモ−6−フェニルフェノール、2−ブ
ロモ−4−メチル−6−フェニルフェノール、4,6−
ジアミル−2−ブロモフェノール、2−ブロモ−6−t
−ブチル−4−メトキシフェノール、2−ブロモ−6−
t−ブチル−4−クロロフェノールなどが挙げられる。
また、上記各化合物におけるブロモをクロロ、ヨードに
変換したものも同様に例示される。
【0022】ハロゲン化合物において置換基Zで示され
るハロゲン原子としては、例えば塩素、臭素、ヨウ素な
どが挙げられる。かかるハロゲン化合物としては、例え
ばメトキシメチルクロリド、メトキシエトキシメチルク
ロリド、2−テトラヒドロピラニルクロリド、ベンジル
オキシメチルクロリド、トリメチルシリルクロリド、t
−ブチルジメチルシリルクロリド、ベンジルクロリド、
ベンジルオキシカルボニルクロリドなどが挙げられ、上
記各化合物におけるクロロをブロモ、ヨードに変換した
ものも同様に例示される。かかるハロゲン化合物の使用
量はフェノール化合物に対して通常0.5〜5モル倍、
好ましくは0.9〜3.3モル倍の範囲である。
【0023】塩基としては無機塩基、有機塩基などが挙
げられる。無機塩基としては水酸化リチウム、炭酸リチ
ウム、炭酸水素リチウム、水素化リチウム、リチウムメ
トキシド、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシ
ド、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウ
ム、水素化カリウム、カリウムメトキシドなどが例示さ
れる。有機塩基としては、例えばメチルアミン、エチル
アミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n
−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−オクチルアミ
ン、n−デシルアミン、アニリン、エチレンジアミンな
どの第一級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
ジ−n−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、ジ
−n−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−n−
オクチルアミン、ジ−n−デシルアミン、ピロリジン、
ヘキサメチルジシラザン、ジフェニルアミンなどの第二
級アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジ―
i―プロピルエチルアミン、トリ−n−オクチルアミ
ン、トリ−n−デシルアミン、トリフェニルアミン、
N,N−ジメチルアニリン、N,N,N’,N’−テト
ラメチルエチレンジアミン、N−メチルピロリジン、4
−ジメチルアミノピリジンなどの第三級アミンなどのア
ミン類や、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチ
ルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチ
ウム、リチウムトリメチルシリルアセチリド、リチウム
アセチリド、トリメチルシリルメチルリチウム、ビニル
リチウム、フェニルリチウム、アリルリチウムなどの有
機リチウムなどが挙げられる。かかる塩基の使用量はフ
ェノール化合物に対して通常0.5〜3モル倍、好まし
くは0.9〜1.5モル倍の範囲である。
【0024】反応は触媒の共存下に行われてもよい。か
かる触媒としてはベンジルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、
ベンジルトリ−n−プロピルアンモニウムクロライド、
ベンジルトリ−n−ブチルアンモニウムクロライド、テ
トラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアン
モニウムクロライド、テトラ−n−プロピルアンモニウ
ムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロラ
イド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベ
ンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルト
リ−n−プロピルアンモニウムブロマイド、ベンジルト
リ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラメチル
アンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブ
ロマイド、テトラ−n−プロピルアンモニウムブロマイ
ド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、ベン
ジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ベンジルト
リエチルアンモニウムアイオダイド、ベンジルトリ−n
−プロピルアンモニウムアイオダイド、ベンジルトリ−
n−ブチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルア
ンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムア
イオダイド、テトラ−n−プロピルアンモニウムアイオ
ダイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムアイオダイド
などの第四級アンモニウム塩などが例示される。かかる
触媒を用いる場合、その使用量はフェノール化合物に対
して通常0.00001〜0.5モル倍、、好ましく
は、0.00001〜0.1モル倍の範囲である。
【0025】反応は通常、溶媒中で行われる。かかる溶
媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族系溶媒、
ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系炭化水素系溶媒、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4―ジオキ
サンなどのエーテル系溶媒、ヘキサメチルホスホリック
アミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロ
ピオニトリル、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノンなどの極性溶媒などの
非プロトン性溶媒や、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノールなどのアルコール系溶媒な
どのプロトン性溶媒およびこれらの2種以上の混合溶媒
などが挙げられる。かかる溶媒の使用量はフェノール化
合物に対して通常1〜200重量倍、好ましくは5〜3
0重量倍の範囲である。
【0026】反応は、例えば溶媒に予め塩基を加えたの
ちフェノール化合物を加え、次いでハロゲン化合物を加
えればよく、触媒を用いる場合には、予め触媒を塩基と
ともに溶媒に加えたのちフェノール化合物を加え、次い
でハロゲン化合物を加えればよい。反応温度は通常−1
00℃以上溶媒の沸点以下、好ましくは0〜100℃の
範囲である。
【0027】反応後、得られた反応混合物に水を加えた
のち、該反応混合物を有機層と水層とに分液して、有機
層としてフェノール化合物誘導体の溶液を得る。先の反
応において水と相溶性の溶媒を用いた場合や溶媒の使用
量が少ないために容易に分液できない場合には、水とと
もに水に不溶の有機溶媒を反応混合物に加えたのち分液
すればよい。ここで水に不溶の有機溶媒としては、例え
ばトルエン、酢酸エチル、クロロベンゼンなどが挙げら
れる。かくして得られたフェノール化合物誘導体は、溶
媒によっては得られた溶液のまま前記したジハロゲン化
リン化合物との反応に用いることができる。また、得ら
れた溶液から通常の方法、例えば該溶液を水洗後、溶媒
留去する方法などによって取り出したのちに用いてもよ
く、さらに再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフ処理な
どの方法によって精製されたのち用いられてもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明の一般式(1)で示されるリン原
子架橋ビスフェノール誘導体は文献未記載の新規化合物
であって、オレフィン重合用触媒の一成分である遷移金
属錯体の中間体として有用であり、しかもかかる化合物
はフェノール化合物誘導体とジハロゲン化リン化合物と
から工業的にも容易に製造することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明がこれによって限定されるものでない
ことはいうまでもない。
【0030】実施例1 1−t−ブチル−3−メチル−6−メトキシメトキシベ
ンゼン10.41gをテトラヒドロフラン100mlに
溶解させた溶液中に、n−ブチルリチウム溶液31.3
ml(1.6M n−ヘキサン溶液)を窒素雰囲気中、
−78℃で滴下し、その後室温に昇温して12時間攪拌
を行なった。生成したスラリー溶液にヘキサメチルホス
ホリックトリアミド10mlを加えて均一溶液とし、−
78℃に冷却した後にジクロロフェニルホスフィン4.
71gを加え、その後室温に昇温してさらに30分間還
流させた。放冷後、水を加え、トルエンで抽出処理し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣にエタノール
200mlおよび10%塩酸15mlを加え、2時間還
流させた後放冷し、水を加え、トルエンで抽出処理し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=
30/1)で単離、精製し、無色結晶のジ(2−ヒドロ
キシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)フェニル
ホスフィン4.3g(収率40%)を得た。 融点 117〜118℃1 H-NMRスペクトル(CDCl3,270MHz) δ1.39(s,18H),2.18(s,6H),6.26(d,2H,J=8.3Hz),6.73(d
d,2H,J=6,2Hz),7.14(d,2H,J=2Hz),7.23-7.36(m,5H)
【0031】実施例2 ジクロロフェニルホスフィンに代えてジクロロ(4−メ
トキシフェニル)ホスフィンを使用する以外は実施例1
に準じて反応、後処理を行ない、ジ(2−ヒドロキシ−
3−t−ブチル−5−メチルフェニル)(4−メトキシ
フェニル)ホスフィンを収率16%で得た。 融点 122.5〜123.5℃1 H-NMRスペクトル(CDCl3,270MHz) δ1.38(s,18H),2.18(s,6H),3.81(s,3H),6.16(d,2H,J=8H
z),6.67(dd,2H,J=6,2Hz),6.88(dd,2H,J=9,1Hz),7.13(d,
2H,J=2Hz),7.24(dd,2H,J=9,9Hz)
【0032】実施例3 ジクロロフェニルホスフィンに代えてジクロロ(2−メ
チルチオフェニル)ホスフィンを使用する以外は実施例
1に準じて反応、後処理を行ない、ジ(2−ヒドロキシ
−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)(4−メチル
チオフェニル)ホスフィンを収率22%で得た。 融点 175〜176℃1 H-NMRスペクトル(CDCl3,270MHz) δ1.39(s,18H),2.18(s,6H),2.31(S,3H),6.29(d,2H,J=8H
z),6.68(dd,2H,J=6,2Hz),6.94-7.01(m,1H),7.08-7.14
(m,1H),7.14(d,2H,J=2Hz),7.30-7.39(m,2H)
【0033】実施例4 60%水素化ナトリウム(14.40g)をテトラヒド
ロフラン(150ml)に懸濁させた懸濁液に、2−ブ
ロモ−6−t−ブチル−4−メチルフェノール(70.
09g)をテトラヒドロフラン(50ml)に溶解させ
た溶液を0℃で1時間かけて滴下し、その後、室温に昇
温して1時間攪拌した。その後、0℃に冷却しメトキシ
メチルクロリド(38.14g)を1時間かけて滴下し
たのち、室温に昇温し、1時間攪拌した。反応溶液に水
を加えたのち分液し、得られた水層をトルエンを用いて
抽出処理した。得られた有機層を乾燥後、濃縮し、溶媒
を減圧留去して得た残さを蒸留生成して、1−ブロモ−
3−t−ブチル−2−メトキシメトキシ−5−メチルベ
ンゼンを得た(77.30g、収率90%) 沸点 96〜98℃(0.2mmHg)1 H-NMRスペクトル(CDCl3,270MHz) δ1.43(s,9H),2.28(s,3H),3.69(s,3H),5.20(s,2H),7.05
(d,J=2Hz,1H),7.24(d,J=2Hz,1H)
【0034】実施例5 1−ブロモ−3−t−ブチル−2−メトキシメトキシ−
5−メチルベンゼン8.62gのテトラヒドロフラン2
0ml溶液を、マグネシウム0.73gと0.001g
のヨウ素のテトラヒドフラン50mlスラリー液に、窒
素雰囲気中、室温にて滴下し、滴下終了後1時間還流さ
せた。生成した均一溶液を−78℃に冷却した後、ジク
ロロ(2−チエニル)ホスフィン2.78gのテトラヒ
ドロフラン溶液10mlを加え、その後室温に昇温し、
さらに12時間攪拌を行なった。放冷後、水を加え、ト
ルエンで抽出処理した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られ
た残渣にエタノール200mlおよび10%塩酸15m
lを加え、2時間還流させた後放冷し、水を加え、トル
エンで抽出処理した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフフィー(展開液:ヘキサ
ン/酢酸エチル=30/1)で単離、精製し、無色結晶
のジ(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフ
ェニル)(2−チエニル)ホスフィン2.71g(収率
41%)を得た。 融点 129〜130℃1 H-NMRスペクトル(CDCl3,270MHz) δ1.38(s,18H),2.20(s,6H),5.95(d,2H,J=7Hz),6.79(d,2
H,J=7,2Hz),7.11-7.18(m,3H),7.28(m,1H),7.60(dd,1H,J
=4,1Hz)
【0035】実施例6 60%水素化ナトリウム(2.40g)をテトラヒドロ
フラン(70ml)に懸濁させた懸濁液に、2−ブロモ
−6−t−ブチル−4−メトキシフェノール(12.3
1g)をテトラヒドロフラン(50ml)に溶解した溶
液を0℃で1時間かけて滴下した。室温に昇温後この溶
液を1時間攪拌した。その後、反応溶液を0℃に冷却し
メトキシメチルクロリド(6.04g)を1時間かけて
滴下した。室温に昇温後この溶液を1時間攪拌したの
ち、反応溶液に水を加え、分液し、水層を得た。この水
層をトルエンで抽出処理し、得られた有機層を乾燥後、
濃縮し、溶媒を減圧留去して得た残さをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製して、1−ブロモ−3−t
−ブチル−5−メトキシ−2−メトキシメトキシベンゼ
ンを得た(8.72g、収率60%)。1 H-NMRスペクトル(CDCl3,270MHz) δ1.41(s,9H),3.68(s,3H),3.75(s,3H),5.18(s,2H),6.87
(d,J=3Hz,1H),6.94(d,J=3Hz,1H)
【0036】実施例7 1−ブロモ−3−t−ブチル−2−メトキシメトキシ−
5−メチルベンゼンに代えて1−ブロモ−3−t−ブチ
ル−5−メトキシ−2−メトキシメトキシベンゼンを、
またジクロロ(2−チエニル)ホスフィンに代えてジク
ロロフェニルホスフィンを使用する以外は実施例5に準
じて反応、後処理を行ない、ジ(2−ヒドロキシ−3−
t−ブチル−5−メトキシフェニル)フェニルホスフィ
ンを収率55%で得た。 融点 111〜112℃1 H-NMRスペクトル(CDCl3,270MHz) δ1.39(s,18H),3.59(s,6H),5.96(d,2H,J=8Hz),6.49(dd,
1H,J=6,2Hz),7.05(d,2H,J=2Hz),7.26-7.49(m,5H)
【0037】実施例8 1−t−ブチル−2−メトキシメトキシ−5−メチルベ
ンゼン(4.17g)をテトラヒドロフラン(70m
l)に溶解した溶液に、n−ブチルリチウムの溶液
(1.6M ヘキサン溶液、12.5ml)を−70℃
で滴下し、20分攪拌後、室温に昇温し、同温度でさら
に12時間攪拌を続けた。ヘキサメチルホスホリックト
リアミド5mlを加えた後、−70℃に再度冷却し、ジ
クロロ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィン(2.6
7g)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解した溶
液を滴下した。その後、室温に昇温し、12時間攪拌を
続けた。反応液に、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え
たのち分液し、得られた水層をトルエンで抽出した。得
られた有機層を濃縮し、残さにエタノール30mlと1
0%塩酸5mlを加え、70℃で1時間攪拌した。トル
エンおよび水を加えたのち分液し、得られた有機層を乾
燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製して、ジ(2−ヒドロキシ−3−t−
ブチル−5−メチルフェニル)(4−t−ブチルフェニ
ル)ホスフィンを得た(1.78g、収率18%)。1 H-NMRスペクトル(CDCl3,270MHz) δ1.31(s,9H),1.39(s,18H),2.19(s,6H),6.29(d,2H,J=6H
z),6.76(ddd,2H,J=6,2,1Hz),7.14(dd,2H,J=2,1Hz),7.19
(tt,2H,J=9,2Hz),7.36(dq,2H,J=9,2Hz)
【0038】実施例9 1−フェニル−2−メトキシメトキシベンゼン(6.4
3g)をテトラヒドロフラン(80ml)に溶解した溶
液に、n−ブチルリチウムの溶液(1.6M ヘキサン
溶液、18.8ml)を−50℃で滴下し、室温に昇温
後12時間攪拌を続けた。反応液を−60℃に冷却し、
ジクロロフェニルホスフィン(2.83g)を加え、室
温に昇温後12時間攪拌を続けた。反応液に、飽和塩化
アンモニウム水溶液を加えたのち、分液して水層を得、
次いでこの水層をトルエンで抽出した。得られた有機層
を濃縮して得た残さにエタノール50mlと10%塩酸
10mlを加え、70℃で1時間攪拌した。その後、ト
ルエンおよび水を加えたのち分液して有機層を得、この
有機層を乾燥後、溶媒を留去した。得られた残さをシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ジ(2−
ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フェニルホスフィ
ンを得た(2.50g、収率37%)。1 H-NMRスペクトル(CDCl3,270MHz) δ6.12(d,2H,J=2Hz),6.90-7.90(m,21H)
【0039】参考例1 アルゴン気流下、攪拌子を備えた50mlシュリンク管
にジ(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフ
ェニル)(4−メトキシフェニル)ホスフィン(0.2
33g)をトルエン10mlに溶解した溶液を入れ、0
℃にてメチルマグネシウムブロマイドのジエチルエーテ
ル溶液(3M、0.33ml)を滴下したのち、室温で
12時間攪拌した。次いで−78℃に冷却し、四塩化チ
タンのトルエン溶液(1M、0.5ml)を滴下したの
ち、室温に昇温し、さらに12時間攪拌した。固形分を
濾別し、母液を濃縮して2,2’−(4−メトキシフェ
ニルホスフィン)ビス(6−t−ブチル−4−メチルフ
ェノキシ)チタニウムジクロライド(レンガ色固体、
0.206g)を得た。
【0040】参考例2 内容積400mlの攪拌機付きオートクレーブを真空乾
燥したのちアルゴンで置換し、トルエン(170ml)
およびヘキセン−1(30ml)を仕込み、反応器を8
0℃に昇温した。昇温後、エチレンを圧力6kg/m2
で供給しながら、系内が安定したのちトリエチルアルミ
ニウム(0.25ml)を入れ、参考例1で得た2,
2’−(4−メトキシフェニルホスフィン)ビス(6−
t−ブチル−4−メチルフェノキシ)チタニウムジクロ
ライド(5μmol)を入れ、次いでトリフェニルメチ
ルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(1
5μmol)を入れた。その後、80℃に温度を保ちな
がら30分間重合を行った。重合の結果、エチレン−ヘ
キセン−1共重合体をチタニウム原子1molあたり1
時間あたり2.2×106 g製造した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 9/6553 9450−4H C07F 9/6553 C08K 5/50 KBZ C08K 5/50 KBZ // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一または相異
    なって水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアル
    キル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3
    のアルキルチオ基または置換されていてもよいフェニル
    基を示し、R5 は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
    5〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよいフェ
    ニル基、フリル基またはチエニル基を示す。)で示され
    るリン原子架橋ビスフェノール誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(2) (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は前記と同じ意味
    を有し、R6 はフェノール性水酸基の保護基を、Xは水
    素原子またはハロゲン原子を示す。)で示されるフェノ
    ール化合物誘導体と一般式(3) R5 −P(Y)2 (3) (式中、R5 は前記と同じ意味を有し、Yはハロゲン原
    子を示す。)で示されるジハロゲン化リン化合物とを、
    金属または有機金属化合物の存在下に反応させ、次いで
    得られた付加体の保護基を脱保護することを特徴とする
    請求項1に記載のリン原子架橋ビスフェノール誘導体の
    製造法。
  3. 【請求項3】一般式(2)で示されるフェノール化合物
    誘導体においてR6 で示されるフェノール性水酸基の保
    護基がアルコキシアルキル基であることを特徴とする請
    求項2に記載のリン原子架橋ビスフェノール誘導体の製
    造法。
  4. 【請求項4】金属がマグネシウムである請求項2に記載
    のリン原子架橋ビスフェノール誘導体の製造法。
  5. 【請求項5】有機金属化合物がアルキルリチウムである
    請求項2に記載のリン原子架橋ビスフェノール誘導体の
    製造法。
  6. 【請求項6】保護基の脱保護をプロトン酸の共存下に加
    水分解的に行なう請求項2に記載のリン原子架橋ビスフ
    ェノール誘導体の製造法。
  7. 【請求項7】プロトン酸が無機酸または有機酸である請
    求項6に記載のリン原子架橋ビスフェノール誘導体の製
    造法。
  8. 【請求項8】一般式(2)で示されるフェノール化合物
    誘導体を、一般式(4) (式中、R1 、R2 、R3 、R4 およびXは前記と同じ
    意味を有する。)で示されるフェノール化合物および一
    般式(5) R6 −Z (5) (式中、R6 は前記と同じ意味を有し、Zはハロゲン原
    子を示す。)で示されるハロゲン化合物を塩基の存在下
    に反応させて製造することを特徴とする請求項2に記載
    のリン原子架橋ビスフェノール誘導体の製造法。
  9. 【請求項9】一般式(2)においてR6 で示されるフェ
    ノール性水酸基の保護基がアルコキシアルキル基であ
    り、Xがハロゲン原子であることを特徴とするフェノー
    ル化合物誘導体。
  10. 【請求項10】一般式(5)においてR6 で示されるフ
    ェノール性水酸基の保護基がアルコキシアルキル基であ
    るハロゲン化合物および一般式(4)におけるXがハロ
    ゲン原子であるフェノール化合物を、塩基の存在下に反
    応させることを特徴とする請求項9に記載のフェノール
    化合物誘導体の製造方法。
JP8210095A 1995-08-09 1996-08-08 リン原子架橋ビスフェノール誘導体およびその製造法 Pending JPH09104691A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8210095A JPH09104691A (ja) 1995-08-09 1996-08-08 リン原子架橋ビスフェノール誘導体およびその製造法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20311095 1995-08-09
JP7-203110 1995-08-09
JP8210095A JPH09104691A (ja) 1995-08-09 1996-08-08 リン原子架橋ビスフェノール誘導体およびその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09104691A true JPH09104691A (ja) 1997-04-22

Family

ID=26513741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8210095A Pending JPH09104691A (ja) 1995-08-09 1996-08-08 リン原子架橋ビスフェノール誘導体およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09104691A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002308892A (ja) * 2001-04-06 2002-10-23 Hokko Chem Ind Co Ltd 新規なホスフィン化合物
WO2014014075A1 (ja) * 2012-07-17 2014-01-23 住友化学株式会社 置換ビスフェノール化合物、遷移金属錯体、該遷移金属錯体の製造方法、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002308892A (ja) * 2001-04-06 2002-10-23 Hokko Chem Ind Co Ltd 新規なホスフィン化合物
JP4662649B2 (ja) * 2001-04-06 2011-03-30 北興化学工業株式会社 新規なホスフィン化合物
WO2014014075A1 (ja) * 2012-07-17 2014-01-23 住友化学株式会社 置換ビスフェノール化合物、遷移金属錯体、該遷移金属錯体の製造方法、オレフィン重合用触媒及びオレフィン重合体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7468452B1 (en) Process for one-pot synthesis of 1,1-diphenyl-1-(3-substituted-cyclopentadienyl)-1-(2,7-di-t-butyl-fluoren-9-yl)methane type ligands
US6984747B2 (en) Method for preparing styryl-functionalized silanes
US6043403A (en) Process for the preparation of cyclopentadienyl compounds and compounds obtained therefrom
KR100339164B1 (ko) 치환된 크로만올 유도체의 제조 방법 및 이에 사용되는 중간체
JPH0768260B2 (ja) 2,2’―ビス〔ジ―(3,5―ジアルキルフェニル)ホスフィノ〕―1,1’―ビナフチル及びこれを配位子とする遷移金属錯体
JPH09104691A (ja) リン原子架橋ビスフェノール誘導体およびその製造法
JP4390770B2 (ja) rac−ジオルガノシリルビス(2−メチルベンゾ[e]インデニル)ジルコニウム化合物のラセモ選択的合成法
US11535638B2 (en) Arylaminosilane compound, propylene polymerization catalyst and preparation thereof
JP4464516B2 (ja) ホスフィン・ボラン誘導体の製造方法
EP1064286A1 (en) Synthesis of aryl boronic acids
EP0980375B1 (en) N-silylated compound synthesis
JPH07330786A (ja) 光学活性3級ホスフィン化合物、これを配位子とする遷移金属錯体およびこれを用いる製造法
US10239809B2 (en) Methods for preparing bridged bi-aromatic ligands
JPH0925284A (ja) シクロペンタジエニルチタントリアルコキシ誘導体の製造方法
US10125154B2 (en) Fluorine-containing alkylsilane compound, and method for producing the same
EP3202756B1 (en) Polyfluoroalkylallyl compound and method for producing same
WO2005040178A1 (ja) 遷移金属錯体配位子および遷移金属錯体を含むオレフィン重合用触媒
JPS6111210B2 (ja)
JP7131109B2 (ja) 有機シリコン化合物の製造方法、アミノアリール基含有有機シリコン化合物の製造方法および有機シリコン化合物
US6465668B2 (en) Method for producing fluoroaryl metal compound
KR20030062591A (ko) 디알콕시트리틸할라이드의 새로운 제조방법
JP2004210672A (ja) ビスホスホニウム塩化合物及びその製造方法
EP3286161B1 (en) Methods for preparing bridged bi-aromatic ligands
JP2678665B2 (ja) ジアリールホスフィンハライドの製造法
JP2005162637A (ja) ホスフィン化合物および製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061019

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070227