JPH09104517A - 分配型搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉粒体等の輸送物を分配供給する際、同一搬
送ラインで払出し先を自由に選択することができ、搬送
ライン上の輸送物の分配搬送および量的制御を同時に行
うことができる搬送手段の提供。 【解決手段】 スクリューコンベア１のケーシング２の
底部に１乃至複数の分配用排出口８−１を設け、この排
出口に流体圧シリンダーまたはモータにて駆動されるス
ライド式自動開閉ゲート９を設ける。ケーシング２内の
輸送物を途中で払い出す場合には、前記分配用排出口８
−１のスライド式自動開閉ゲート９を全開にする。ま
た、ケーシング２内の輸送物の分配搬送および量的制御
を行う場合は、前記スライド式自動開閉ゲート９の開度
を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、主として粉体、
粒状物の搬送装置に係り、より詳しくはスクリューコン
ベアにより輸送物を送る際に、その輸送物に対して指示
どおりの行き先に分配することが可能な途中払出し機能
付きの分配型搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、品種別あるいは銘柄別に貯えら
れている原料ヤードから、複数の原料貯留槽を有する設
備に原料を分配搬送する場合、通常は各原料貯留槽毎に
スクリューコンベアあるいはベルトコンベアの設置が必
要となり、広い設置スーペースを必要とする。そこで、
種々の輸送物に対して、それぞれ指示どおりの行き先に
仕分けることが可能なコンベアが開発されている。

【０００３】その一つに、輸送物の搬送工程に送り先を
変更する装置を組込んだ搬送装置が提案されている（特
開平６−１４４５３７号公報参照）。この装置は、粉粒
体を前工程から後工程へ送る際、送り先を変更すること
ができ、一つのスクリューフィーダを用いて種類の異な
る粉粒体を送り出したり、同じ種類の粉粒体を異なる工
程へ送り出すことが可能となしたもので、その概要はス
クリューフィーダを旋回および水平移動可能に設置し、
このスクリューフィーダを旋回あるいは水平移動させる
ことによって該フィーダの出口位置を変更させて輸送物
の送り先を変更する方式である。

【０００４】しかし、このスクリューフィーダの場合
は、スクリューフィーダ自体を旋回させる機構、および
この旋回機構を含むスクリューフィーダを一方向に移動
させる機構を必要とするため、構造が複雑でかつ大型化
し、設備費が高くつく上、使用先も限定されるという欠
点がある。また、このスクリューフィーダは単にフィー
ダの出口位置を変更させる機能のみであるため、輸送物
の送り先に対して送り出し量を自由に変更することがで
きないという欠点がある。さらに、このようなスクリュ
ーフィーダは、例えば品種別あるいは銘柄別に貯えられ
ている原料ヤードから複数の原料貯留槽を有する設備に
原料を分配搬送する搬送設備には、構造的に適用し難
い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、これらの
欠点を解消し、一台のスクリューコンベアまたはチェー
ンコンベアにより輸送物を送る際に、その輸送物に対し
て指示どおりの行き先に分配することが可能な途中払出
し機能付きの分配型搬送装置を提案しようとするもので
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係る分配型搬
送装置は、断面が筒形のケーシングの中にねじ羽を回転
させ、ねじ面に沿って輸送物を送るスクリューコンベア
の前記ケーシングの底部に１乃至複数の排出口を設け、
該排出口に流体圧シリンダーまたはモータにて駆動され
るスライド式自動開閉ゲートを設置したことを特徴と
し、また、前記スクリューコンベアの筒形ケーシングの
底部に設けた１乃至複数の排出口に流体圧シリンダーに
て左右に開閉するはね上げ式自動開閉ゲートを設置した
ことを特徴とするものである。

【０００７】スクリューコンベアは周知のごとく、断面
が円形の筒形あるいは下部が半円形の筒形ケーシングの
中にねじ羽（スクリュー）を回転させ、ねじ面に沿って
輸送物を送る方式のコンベアであり、構造的には長尺の
筒形ケーシングの中にモータ駆動されるスクリュー軸が
内蔵され、ケーシングの一端に設けられた供給口よりケ
ーシング内に導入された輸送物（粉粒体）がスクリュー
の回転により送られ、ケーシングの他端に設けられた排
出口より落下する構造となったものが一般的である。

【０００８】この発明は、上記スクリューコンベアのケ
ーシングの途中に底部を切り欠いて適当大きさの排出口
を１乃至複数設け、該排出口に流体圧シリンダーまたは
モータ等の動力で開閉するスライド式自動開閉ゲートま
たははね上げ式自動開閉ゲートを設けたことを特徴とす
る。スライド式自動開閉ゲートは、断面が円形の筒形ケ
ーシングの場合は、排出口を覆う大きさを有する円弧状
のゲートを例えば当該コンベアの架台にケーシング側面
に沿って設けたレールに左右一対の車輪を介してスライ
ド可能に支持し、コンベア架台に設置した流体圧シリン
ダー（エアシリンダー、油圧シリンダー等）またはモー
ターにて前記ゲートをスライドさせて開閉する機構とな
っている。なお、円弧状ゲートの動力源にモーターを採
用する場合は、ラック・ピニオン機構を介してゲートを
スライドさせる方式を用いることができる。

【０００９】上記スライド式自動開閉ゲートの場合は、
流体圧シリンダーまたはモーターによりゲートの移動量
を調節することにより、ゲートの全閉、全開だけでなく
ゲート開度を変更できるので、このゲートからの輸送物
の排出量すなわち分配量を変えることができる。

【００１０】また、はね上げ式自動開閉ゲートは、ケー
シングの底部を切り欠いて形成した排出口に蝶番にて左
右に開閉するごとく取付けた一対のゲートを前記と同様
コンベア架台に設置した流体圧シリンダーにて開閉させ
る機構となっているもので、このゲートの場合も、流体
圧シリンダーによりゲートの開度を変更できるので、輸
送物の排出量すなわち分配量を変えることができる。

【００１１】上記スライド式自動開閉ゲートあるいはは
ね上げ式自動開閉ゲートを設ける位置は、その輸送物の
分配供給設備に応じて設定する。例えば、品種別あるい
は銘柄別に貯えられている原料ヤードから、複数の原料
貯留槽を有する設備に原料を分配搬送するのにこの発明
のスクリューコンベアを用いる場合、その原料貯留槽が
例えば２基の場合は、その２基の原料貯留槽の間隔に合
わせてスライド式自動開閉ゲートあるいははね上げ式自
動開閉ゲートをスクリューコンベアの途中に１つ設けれ
ばよく、また、原料貯留槽が３基以上の場合もその原料
貯留槽の間隔に合わせてスライド式自動開閉ゲートある
いははね上げ式自動開閉ゲートをスクリューコンベアの
途中に必要数設ければよい。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１〜図４はこの発明の請求項１
に対応する分配型搬送装置を例示したもので、図１は流
体圧シリンダーにて駆動されるスライド式自動開閉ゲー
トを備えたスクリューコンベアの一例を示す側面図、図
２は図１のＡーＡ線上の縦断正面図、図３はモータにて
駆動されるスライド式自動開閉ゲートを備えたスクリュ
ーコンベアの一例を示す側面図、図４は図３のＡーＡ線
上の縦断正面図、図５は同上のスライド式自動開閉ゲー
トを備えたスクリューコンベアを２基の原料貯留槽を有
する設備に適用した例を示す概略図、図６は同じくスラ
イド式自動開閉ゲートを備えたスクリューコンベアを３
基以上の原料貯留槽を有する設備に適用した例を示す概
略図、図７および図８はこの発明の請求項２に対応する
スクリューコンベアを例示したもので、図７は同上装置
のはね上げ式自動開閉ゲート部を拡大して示す側面図、
図８は図７のＡ−Ａ線上の縦断正面図であり、１はスラ
イド式自動開閉ゲートを備えたスクリューコンベア、２
は円筒形ケーシング、３はスクリュー軸、４はねじ羽、
５は軸受、６はスクリュー駆動装置、７は供給口、８は
排出口、８−１は分配用排出口、９はスライド式ゲー
ト、１０は車輪、１１はレール、１２はエアーシリンダ
ー、１３は架台、１４はラック、１５はピニオン、１６
は駆動モーター、１７ははね上げ式ゲート、１８は蝶
番、１９はエアーシリンダー、２０−１、２０−２は貯
留槽である。

【００１３】この発明の対象とするスクリューコンベア
は、図１に示すごとく、円筒形ケーシング２の中に一端
を軸受５にて支持され、スクリュー駆動装置６にて回転
駆動されるねじ羽４付きスクリュー軸３が内蔵され、手
前の供給口７よりケーシング２内に導入された輸送物
（粉粒体）がねじ羽４の回転により送られ、ケーシング
の他端に設けられた排出口８より落下する構造となって
いる。

【００１４】図１、図２に示す流体圧シリンダーにて駆
動されるスライド式自動開閉ゲートを備えたスクリュー
コンベア１は、上記構造のスクリューコンベアの途中
に、円筒形ケーシング２の底部を切り欠いて分配用排出
口８−１を設け、この排出口に円弧状のスライド式ゲー
ト９を取付け、このゲートからも輸送物を排出できるよ
うに構成したものである。このスライド式ゲート９は、
コンベアの架台１３にケーシング側面に沿って設けたレ
ール１１に左右一対の車輪１０を介して前後方向に移動
可能に支持され、その下部に突設したブラケット９−１
を介して、架台１３に設置したエアシリンダー１２に締
結されている。すなわち、エアシリンダー１２によりス
ライド式ゲート９を開閉する機構となっている。

【００１５】また、スライド式ゲート９の駆動手段にモ
ーターを用いる場合は、図３、図４に示すごとく、スラ
イド式ゲート９の下部にラック１４を取付け、このラッ
クと噛合するピニオン１５を架台１３に設置した駆動モ
ーター１６にて回転させる方式をとることができる。

【００１６】上記のスライド式自動開閉ゲートを備えた
スクリューコンベア１を２基の原料貯留槽を有する設備
に適用する場合は、図５に示すごとく、このスクリュー
コンベア１を既設の排出口８が貯留槽２０−１の開口
に、分配用排出口８−１が貯留槽２０−２の開口にそれ
ぞれ位置するごとく設置する。

【００１７】上記搬送設備により、貯留槽２０−１に輸
送物を供給する場合は、スクリューコンベア１の途中に
設けた分配用排出口８−１のスライド式ゲート９を全閉
にしておけばよい。このようにしておくことにより、供
給口７よりケーシング２内に導入された輸送物（粉粒
体）はねじ羽４の回転により送られながら分配用排出口
８−１の部分を通過して該ケーシングの他端に設けられ
た排出口８より貯留槽２０−１に落下する。

【００１８】次に、貯留槽２０−２に輸送物を分配供給
する場合は、スライド式ゲート９を全開にして分配用排
出口８−１を開放しておけばよい。供給口７よりケーシ
ング２内に導入された輸送物は、この分配用排出口８−
１より貯留槽２０−２に落下し、末端の排出口８には至
らない。よって、輸送物は貯留槽２０−２のみに供給す
ることができる。

【００１９】また、分配用排出口８−１のスライド式ゲ
ート９を操作することにより、ケーシング２内に導入さ
れた輸送物を２基の貯留槽２０−１、２０−２に交互に
あるいは品種や銘柄に応じて分配供給することができる
し、さらにスライド式ゲート９の開度を変えることによ
り、２基の貯留槽２０−１、２０−２の各々に分配搬送
することができる上、それぞれに供給する輸送物量をコ
ントロールすることもできる。

【００２０】また、スライド式自動開閉ゲートを備えた
スクリューコンベア１を３基以上の原料貯留槽２０を有
する設備に適用する場合には、図６に示すごとく、その
原料貯留槽２０の基数に応じてスライド式自動開閉ゲー
トを設ければよい。これにより、複数の貯留槽２０の中
から任意に選択した貯留槽へスライド式ゲート９を操作
しながら輸送物を分配供給することができるし、さらに
各スライド式ゲート９の開度を調節することにより分配
搬送および量的制御を同時に行うことができる。

【００２１】次に、図７および図８に示すはね上げ式ゲ
ート１７は、ケーシング２の底部を切り欠いて形成した
分配用排出口８−１の両側に蝶番１８にて左右に開閉自
在に取付けた一対の円弧状板部材で構成され、架台１３
に設置したエアシリンダー１９にて左右に開閉する機構
となしたものである。このはね上げ式ゲート１７の場合
も、前記スライド式自動開閉ゲートと同様、エアシリン
ダー１９をコントロールすることにより、ケーシング内
の輸送物を分配供給することができるし、さらにゲート
開度を調節することによりケーシング内の輸送物の分配
搬送および量的制御を同時に行うことができる。

【００２２】なお、この発明に係る分配型搬送装置は、
スクリューコンベアを主体とするものであるが、ケーシ
ング内面を輸送物が滑りながら移動していく構造のコン
ベア、例えば、ケーシング内に配したチェーンにより輸
送物を滑らせて搬送する方式のチェーンコンベア等にも
応用可能である。

【００２３】

【発明の効果】この発明の分配型搬送装置は上記のごと
く以下に記載する効果を有する。 （１）一台のスクリューコンベアで複数の行き先に輸送
物を分配供給することができるとともに、そのケーシン
グの途中に設けた開閉ゲートの開度を調節することによ
りケーシング内の輸送物の分配搬送および量的制御を同
時に行うことができる。 （２）スクリューコンベアのケーシングに流体圧シリン
ダーまたはモータにて駆動されるスライド式自動開閉ゲ
ートまたははね上げ式自動開閉ゲートを設けるだけでよ
く、しかもそれらのゲートは構造的にも比較的簡単であ
るから、分配搬送装置や設備の小型化および簡素化がは
かられ、設備コストが安価につく上、既存のスクリュー
コンベアにも容易に適用できる。 （３）品種別あるいは銘柄別に貯えられている原料ヤー
ドから、複数の原料貯留槽を有する設備に原料を分配搬
送するのに極めて好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の請求項１に対応する流体圧シリンダ
ーにて駆動されるスライド式自動開閉ゲートを備えたス
クリューコンベアの一例を示す側面図である。

【図２】図１のＡーＡ線上の縦断正面図である。

【図３】モータにて駆動されるスライド式自動開閉ゲー
トを備えたスクリューコンベアの一例を示す側面図であ
る。

【図４】図３のＡーＡ線上の縦断正面図である。

【図５】同上のスライド式自動開閉ゲートを備えたスク
リューコンベアを２基の原料貯留槽を有する設備に適用
した例を示す概略図である。

【図６】同じくスライド式自動開閉ゲートを備えたスク
リューコンベアを３基以上の原料貯留槽を有する設備に
適用した例を示す概略図である。

【図７】この発明の請求項２に対応するスクリューコン
ベアのはね上げ式自動開閉ゲート部を拡大して示す側面
図である。

【図８】図７のＡ−Ａ線上の縦断正面図である。

【符号の説明】

１ スクリューコンベア ２ 円筒形ケーシング ３ スクリュー軸 ４ ねじ羽 ５ 軸受 ６ スクリュー駆動装置 ７ 供給口 ８ 排出口 ８−１ 分配用排出口 ９ スライド式ゲート １０ 車輪 １１ レール １２ エアーシリンダー １３ 架台 １４ ラック １５ ピニオン １６ 駆動モーター １７ はね上げ式ゲート １８ 蝶番 １９ エアーシリンダー ２０−１、２０−２ 貯留槽

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面が筒形のケーシングの中にねじ羽を
   回転させ、ねじ面に沿って輸送物を送るスクリューコン
   ベアであって、前記ケーシングの底部に１乃至複数の排
   出口を有し、該排出口に流体圧シリンダーまたはモータ
   にて駆動されるスライド式自動開閉ゲートを備えたこと
   を特徴とする分配型搬送装置。
2. 【請求項２】 断面が筒形のケーシングの中にねじ羽を
   回転させ、ねじ面に沿って輸送物を送るスクリューコン
   ベアであって、前記ケーシングの底部に１乃至複数の排
   出口を有し、該排出口に流体圧シリンダーにて左右に開
   閉するはね上げ式自動開閉ゲートを備えたことを特徴と
   する分配型搬送装置。