JPH0910240A - 薄型義歯アタッチメント - Google Patents

薄型義歯アタッチメント

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JPH0910240A
JPH0910240A JP13094296A JP13094296A JPH0910240A JP H0910240 A JPH0910240 A JP H0910240A JP 13094296 A JP13094296 A JP 13094296A JP 13094296 A JP13094296 A JP 13094296A JP H0910240 A JPH0910240 A JP H0910240A
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Yoshinobu Motokura
義信 本蔵
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均 青山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄型で,かつ磁気吸引力が高い義歯アタッチ
メントを提供すること。 【解決手段】 キーパーと対向するように義歯床に植設
され,上記キーパーに対して磁気吸引力により吸着する
義歯アタッチメント1において,上記義歯アタッチメン
ト1は,上記キーパーと対面する厚さ方向にN−S極が
伸びる四角形状の磁石層11とヨーク2とよりなる。上
記ヨーク2は上記磁石層11の厚さ方向に貫通する格子
状の複数の磁路部21と,上記磁石層11の背面に設け
たヨーク背面板と,磁石層11の外側面を覆う側面板2
3とよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,義歯をキーパーに
対して安定に吸引保持することができ,かつ薄型の義歯
アタッチメントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来,磁気吸引力を利用した義歯として
は,例えば,図19,図20に示されるものが提案され
ている。上記義歯90は,図19に示すごとく歯槽91
内の歯根部92に埋設した根面板930と,この中に埋
め込まれたキーパー93と,これに対向するようにホウ
ロウ質の義歯部95を設けたものである。
【0003】この義歯部95は,その下方にプラスチッ
クス等からなる義歯床94を有し,該義歯床94内に
は,上記キーパー93に対面する位置に義歯アタッチメ
ント8を有している。なお,図19において,符号96
は歯肉,99は上アゴにおける対咬歯である。
【0004】次に,上記義歯アタッチメント8は,図2
0に示すごとく,中央に配置され上下方向にN−S極が
伸びる厚肉板状の磁石層81と,該磁石層81の上面及
び側周面にキャップ状に配置した耐食性軟磁性体からな
るキャップヨーク82とを有する。また,上記磁石層8
1の底部には耐食性軟磁性材料よりなるディスクヨーク
83が配置されている。また,該ディスクヨーク83と
キャップヨーク82との間には,非磁性材料よりなるシ
ールドリング85が設けてある。そして,これらは一体
的に溶接固定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで,上記義歯ア
タッチメント8は,小さい義歯床94の中にしかもキー
パー93と対面配置するものであるため,できるだけ薄
型であることが切望されている。そのため,義歯アタッ
チメントにおいては,仮に僅か0.1〜0.3mmとい
った極めて小さい寸法を縮小するだけであっても,それ
は義歯を良好に施工するために大いに役立つこととな
る。
【0006】即ち,従来の義歯アタッチメント8は,そ
の高さが約1.5mmあり,キーパー93と義歯アタッ
チメント8の合計高さは約2.5mmある。また,図2
1に示すごとく,上記義歯90は,対咬歯(上歯)99
との咬み合わせ状態を考慮しなければならない。そこ
で,対咬歯を一部削除する方法もあるが,余り大きく削
ることはできない。
【0007】そこで,義歯90側の高さを出来るだけ小
さくする必要があるが,図22に示すごとく,義歯アタ
ッチメントとキーパーとの間の吸引力は,義歯アタッチ
メントとキーパーとの合計高さを大きくしないと大きく
ならない。そして,合計高さが2.5mm以上では吸引
力はほぼ一定となる。
【0008】そのため,吸引力の大きい義歯アタッチメ
ントを作製するには,上記合計高さは,少なくとも,大
きな吸引力が得られる高さの下限である,約2.5mm
が必要とされている。また,上記キーパーは,口内にお
いて義歯アタッチメントとの間の必要な吸引力を確保す
るためには,約1mmが必要である。
【0009】それ故,上下両歯の咬み合わせと上記吸引
力とを満足させるための対策として,歯根部92の上部
側を削除すると共にこれに歯槽91を設け,この中に根
面板930を埋設し,さらにその上にキーパー93を配
設する方法が採用されている。
【0010】しかし,上記歯根部92は,あご骨にあ
り,かつ小さいものである。また,上記歯根部92に根
面板930を埋設する必要があるため,歯根部92中に
ある歯ずい920(図5参照)を完全に除去する必要も
ある。そのため,従来は,殆どの場合,歯ずいを除去し
た無歯ずい歯にしか,義歯アタッチメントを装着できな
かった。
【0011】そこで,義歯装着に当たっては,上記義歯
アタッチメントを出来るだけ薄型にすることが切望され
ている。また,薄型化することによって,上記根面板,
その埋め込み加工が不要となり,更には歯ずいの除去作
業も必要となるなど,義歯装着作業が容易となり,義歯
の普及が一層促進されると考えらる。
【0012】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,薄型
で,かつ磁気吸引力が高い義歯アタッチメントを提供し
ようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はキーパーと対向
するように義歯床に植設され,上記キーパーに対して磁
気吸引力により吸着する義歯アタッチメントにおいて,
上記義歯アタッチメントは,上記キーパーと対面する厚
さ方向にN−S極が伸びる磁石層とヨークとよりなり,
また,上記ヨークは上記磁石層の厚さ方向に貫通する複
数の磁路部と,上記磁石層の背面に設けたヨーク背面板
とよりなることを特徴とする薄型義歯アタッチメントに
ある。
【0014】本発明において最も注目すべきことは,義
歯アタッチメントが厚さ方向(キーパー対面方向)にN
−S極が伸びる磁石層とヨークとからなり,かつ該ヨー
クは磁石層を貫通する磁路部とヨーク背面板とよりなる
ことである。
【0015】上記磁路部は,上記磁石層を横断する複数
の並列した板壁とすることができる。また,上記磁路部
は,上記磁石層を三角形,四角形,六角形等の多角形,
或いは真円,楕円等の円形に区画する格子壁であるとす
ることもできる。上記磁路部は柱状体とすることができ
る。
【0016】上記磁石層の厚みは0.01〜1mmであ
ることが好ましい。0.01mm未満では義歯アタッチ
メントの吸着面およびキーパー吸着面の微細な凹凸が,
磁石層,ヨーク,キーパーで形成する磁路におけるエア
ギャップ(空隙)となり,このエアギャップで磁気回路
が不完全になって吸着力が十分出ないおそれがある。一
方,1mmを越えると全体の高さが大きくなり,アタッ
チメントの義歯内に占める体積が大きくなって有髄歯に
使用できないおそれがある。上記ヨークは外周部に,突
起部又は粗面よりなる固定補助部を有することが好まし
い。これにより,義歯アタッチメントを確実に義歯床に
固定することができる。
【0017】上記ヨーク背面板には補強板が設けてある
ことが好ましい。これにより義歯アタッチメントの強度
を向上させることができる。上記補強板は貴金属,チタ
ン,チタン合金,セラミックスの1種又は2種以上であ
ることが好ましい。これらは,口腔内における耐食性と
咬合の際の荷重に耐える強度を有する点で優れている。
【0018】上記義歯アタッチメントは,キーパーに対
面する吸着面のうち,磁石層とヨークとの境界部分は非
磁性であり,他は軟磁性材料よりなる耐食性保護層を有
していることが好ましい。これにより,磁石層の耐食性
を一層向上させることができる。
【0019】上記磁石層は,希土類磁石,白金系磁石,
アルニコ磁石のいずれかであることが好ましい。これら
は,磁気吸引力が大きく,優れた義歯アタッチメントを
構成する。また,特に上記磁石層として,例えば最大エ
ネルギー積が10MGOe(メガ・ガウス・エルステッ
ド)以上である希土類磁石を用いることが好ましい。こ
れにより,約500g以上の磁気吸引力を発揮すること
ができる。かかる磁石層としては,Sm2 Co17,Sm
−Co系合金,Nd−Fe−B系合金などがある。
【0020】ヨークは,耐食性軟磁性体を用いることが
好ましい。また,かかる耐食性軟磁性体としては,飽和
磁束密度13000G以上,透磁率3000以上のもの
を用いることが好ましい。かかる特性を有するヨークの
耐食性軟磁性体としては,19Cr−2Mo−Ti鋼,
13Cr−2Mo鋼,17Cr−2Mo鋼,純鉄などが
ある。
【0021】また,磁石層の外側には側面板を設けるこ
とが好ましい。これにより,耐食性,磁気効率の向上を
図ることができる。上記側面板としては,上記ヨークと
同様の材質を用いることが好ましい。
【0022】上記磁石層は,蒸着法,スパッタリング
法,イオンプレーティング法,CVD法,溶射法,メッ
キ法のいずれかを用いて形成することが好ましい。これ
により,磁石層を所望する厚み,幅に任意に形成するこ
とができる。また,上記キーパーとしては,耐食性軟磁
性体を用いる。該耐食性軟磁性体としては,例えば上記
ヨークと同様の材料を用いる。
【0023】また,隣接する磁路部間の間隔,つまり磁
石層の幅は0.01〜1mmとすることか好ましい。
0.01mm未満では磁束数が少なくなって吸引力が低
下する。一方,1mmを越えると上記磁気セルの数が少
なくなり吸引力が低下するおそれがある。
【0024】また、薄型義歯アタッチメントとキーパー
との密着性を一層強化するために,薄型義歯アタッチメ
ントがキーパーに対向する吸着面を凹面とし,併せてキ
ーパーの薄型義歯アタッチメントに対向する被吸着面を
凸面となるように構成することもできる。
【0025】次に,本発明の作用につき説明する。本発
明の薄型義歯アタッチメントにおいては,キーパーと対
面する厚さ方向にN−S極が形成してある磁石層とヨー
クとよりなり,該ヨークは磁石層の厚さ方向に貫通して
設けた複数の磁路部と磁石層の背面に設けたヨーク背面
板とを有している。
【0026】そのため,磁石層から発生する磁束は,図
6に示すごとく,上記ヨーク背面板から各磁路部を経
て,キーパーと対面する吸着面を経て再び磁石層に入る
磁気ループを形成する。そして,この磁気ループは,複
数の磁路部によって複数経路形成される。
【0027】そのため,複数の磁気セルが形成された状
態となり,この複数の磁気セルによる吸引力によって,
義歯アタッチメントとキーパーとが強力に吸着されるこ
とになる。それ故,大きな磁気吸引力を得ることかでき
る。また,この磁気セルの数が増加すればする程,義歯
アタッチメントの吸着力をその義歯アタッチメントの体
積で除した単位体積当たりの磁気吸引力が増大する(図
17)。そのため,義歯アタッチメントの吸着面の面積
を同じとしたとき,磁路部の数が多い程磁気吸引力の効
率が増大することとなる。
【0028】また,このように,磁路部数を大きくする
ことによって磁気吸引力を大きく出来るため,磁石層の
厚みを小さくすることができる。それ故,義歯アタッチ
メントの磁石層を薄型とすることができる。
【0029】また,磁石層の背面と外側面は,ヨークの
一部である上記ヨーク背面板及び側面板によって囲まれ
ているので,磁石層の耐食性を向上させることができ
る。なお,上記側面板も,上記磁路部と同様に磁気ルー
プを形成する。
【0030】したがって,本発明によれば,薄型で,か
つ磁気吸引力が高い義歯アタッチメントを提供すること
ができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
実施例1 本発明の実施例にかかる薄型義歯アタッチメントにつ
き,図1〜6を用いて説明する。本例の義歯アタッチメ
ント1は,図1〜図5に示すごとく,歯根部92に歯科
用セメントにより接合したキーパー3と対向するよう
に,義歯床94に植設されている。該義歯アタッチメン
ト1は,上記キーパー3と対面する方向である,厚さ方
向にN−S極が伸びる多数の四角形状の磁石層11とヨ
ーク2とよりなる(図3,図4)。
【0032】そして,上記ヨーク2は,上記磁石層11
の厚さ方向に貫通する複数の磁路部21と,磁石層11
の背面に設けたヨーク背面板22と,磁石層11の外側
面を覆う側面板23とよりなる。
【0033】このヨークは,耐食性軟磁性材料の19C
r−2Mo−Ti鋼(SUS444)により一体形成さ
れている。上記磁路部21は,磁石層11を四角形の格
子状に区画する格子壁であり,吸着面20においては露
出している(図2,図4)。
【0034】本例において,磁石層12は200μm角
のPt−Co磁石よりなり,厚みは100μmである。
ヨーク2における磁路部21は,幅40μmで,横幅方
向に10本,縦幅方向に14本設けてある。そして,そ
の間に,上記磁石層12を入れるための,一辺が200
μmの正方形凹所を有する。この凹所の深さは100μ
mである。本例の磁気セルの数は161である。
【0035】また,ヨーク背面板22は厚みが30μm
で,磁石層11の全背面に設けてある。側面板23は厚
みが130μm,幅が220μmである。また,義歯ア
タッチメントの横幅は4mm,縦幅は3mm,厚みは1
30μmである。
【0036】上記磁石層11は,上記ヨークにおける磁
路部21とヨーク背面板22及び側面板23によって形
成される四角形状の凹所内に,スパッタリング方法によ
り形成したものである。また,本例におけるキーパー3
は,厚みが50μmであり,義歯アタッチメント1の吸
着面20と同じ面積を有する。
【0037】上記義歯アタッチメント1は,義歯床94
内に設置してある。キーパー3は,歯根部92の上部に
固定してある。本例において,上記義歯アタッチメント
1とキーパー3との吸引力は350gfであった。
【0038】ここで,義歯アタッチメントの吸引力の測
定方法について説明する。義歯アタッチメント1とキー
パー3との磁気吸引力は,最大5kgfまで測定可能なロー
ドセルを用い, インストロン型引張試験機を用いて測定
した。測定の手順は次の通りである。
【0039】まず, 義歯アタッチメントを5mmの立法
体からなる硬質ゴムの下面にシアノアクリレート系樹脂
(通称、瞬間接着剤という。)を用いて貼りつける。上
記硬質ゴムの上面の中心にはナイロン糸が付けられてお
り,同ナイロン糸を上方向に引張れるように設置する。
【0040】そして、キーパー側は、キーパー用軟磁性
材料を用いて同試験機台に固定し,上記義歯アタッチメ
ントと磁気吸着させた状態で上記ナイロン糸を引張試験
機により上方向に引張ることにより, 吸引力を測定し
た。なお、以下に説明する実施例にて示す吸引力は, 全
てこの方法で測定したものである。
【0041】次に,本例の作用効果につき説明する。図
6に示すごとく,磁石層11から発生する磁束は,同図
に矢印で示すごとく,ヨーク背面板22から各格子状の
磁路部21内に入り,吸着面20を経て再び磁石層11
内に入る磁気ループを形成する。このとき,吸着面20
を出た磁束は,キーパー3内を経由して磁石層11内に
入る。それ故,義歯アタッチメント1とキーパー3との
間に磁気吸引力が働き,両者が吸着される。
【0042】そして,上記磁気ループは,全ての格子状
の磁路部21において形成される。そのため,161個
の磁気セルが形成された状態となり,この多数の磁気セ
ルによる吸引力によって義歯アタッチメント1とキーパ
ー3とが強固に吸着される。また,上記磁気ループは側
面板23においても形成される。
【0043】上記のごとく,本例によれば,従来では全
く考えられなかった,僅か100μmという薄型の磁石
層を用いて,吸引力の大きい義歯アタッチメントを得る
ことができる。また,磁石層11の背面と外側面とは,
上記材料のヨーク背面板22,側面板23によって囲ま
れているので,磁石層11の耐食性を向上させることが
できる。
【0044】また,本例の義歯アタッチメント1は,上
記のごとく,その厚み(磁石層+ヨーク背面板)が僅か
130μmであり,キーパー3の厚みも僅か50μmで
ある。そのため,両者の合計厚みは,僅か180μmで
あり,前記従来例(合計厚み3500μm)の約20分
の1の厚みであり,超薄型である。
【0045】したがって,図5A,Bに示すごとく,キ
ーパー3を設けるに当たって,歯根部92の上部を,従
来のごとく多量に削除する必要がない(図21と比
較)。また,そのため,歯根部92内の歯ずい920を
除去する必要もない。それ故,義歯装着の加工作業,口
内作業が極めて容易となる。
【0046】実施例2 本例の義歯アタッチメントは、実施例1に示した格子状
の磁路部を有し,横幅4mm,縦幅は3mm,厚みは1
30μmからなる義歯アタッチメントの全体をプレスに
より曲率半径30mmに曲面加工を施したものである。
この曲面は,義歯アタッチメントのキーパーに対向する
吸着面が凹面となるように加工し、対向するキーパーは
これと密着するように同じ曲率で凸面に加工されてい
る。
【0047】この結果、本例においても実施例1と同様
に義歯アタッチメントとキーパーとの磁気吸引力は35
0gfであった。この実施例における義歯アタッチメン
トでは吸着面を曲面としているので,側方向からの力に
対して義歯アタッチメントとキーパーがずれにくくなる
という効果を奏している。
【0048】実施例3 本例の義歯アタッチメント1は,図7〜図10に示すご
とく,磁石層12を横断する多数の板壁状の磁路部21
0を設けたものである。
【0049】上記磁路部210は,14列並列してお
り,この磁路部210によって15本の細長板状の磁石
層12が区画形成されている。また,上記側面板23の
側面には,図10に示すごとく,突起部よりなる固定補
助部29を有する。
【0050】次に,上記義歯アタッチメント1におい
て,磁石層12は,厚み100μm,幅200μm,長
さ2.5mmのPt−Co磁石よりなる。また,ヨーク
2は,磁路部210,ヨーク背面板22,側面板23が
耐食性軟磁性材料のSUS444により一体形成されて
いる。上記磁路部210は,厚みが100μm,幅が5
0μmである。
【0051】ヨーク背面板22は厚みは30μmで,磁
石層12の全背面に設けてある。側面板23は,厚みが
130μm,幅が220μmである。磁路部210は1
4本ある。そのため磁気セルの数は15となる。また,
義歯アタッチメント1の横幅は4mm,縦幅は3mm,
厚みは130μmである。その他は,実施例1と同様で
ある。
【0052】本例においては,義歯アタッチメント1と
キーパー3との間の吸引力は,325gであった。ま
た,本例の義歯アタッチメント1は,ヨークの側面板2
3に上記固定補助部29を有する。そのため,義歯アタ
ッチメント1を義歯床93に植設した場合,上記固定補
助部29が義歯床93内に喰い込んだ状態で固定され
る。それ故,義歯アタッチメント1を義歯床93に強固
に固定できる。本例においても,実施例1と同様の効果
を得ることができる。
【0053】実施例4 本例の義歯アタッチメントは,図11及び図12に示す
ごとく,磁石層13が六角形となるように区画するハニ
カム状の磁路部211を設けたものである。本例におい
て、磁石層13は6列×9行からなり合計54個形成さ
れている。そして、一個の磁石層13は一辺230μm
からなる六角形の断面形状を有し,厚み200μmのF
e−Pt磁石よりなる。また,ヨーク2は,実施例2と
同様に磁路部211,ヨーク背面板22と,図示しない
側面板23が耐食性軟磁性材料のSUS444により一
体形成されている。上記磁路部21は,厚み200μ
m,幅が70μmである。
【0054】ヨーク背面板22の厚みは70μmで,磁
石層13の全背面に設けてある。側面板23は,厚みが
270μmである。磁気セルの数は54となる。その他
は、実施例1と同様である。本例においては,義歯アタ
ッチメントとキーパーとの間の磁気吸引力は560gf
であった。本例においても,実施例1と同様の効果を得
ることができる。
【0055】実施例5 本例の義歯アタッチメント1は,図13に示すごとく,
磁石層110の間に多数の円柱状の磁路部25を設けた
ものである。本例において,上記磁路部25は,直径2
00μm,厚み80μmである。また,隣接する磁路部
25の間の間隔は300μmである。磁路部25は,1
mm2 当たり4個設けてある。その他は,実施例1と同
様である。本例においても,実施例1と同様の効果を得
ることができる。
【0056】実施例6 本例の義歯アタッチメント1は,図14に示すごとく,
実施例1に示した格子状の磁路部を有する義歯アタッチ
メントにおいて,ヨーク背面板22の背面に補強板4を
設けた例である。補強板4は,ヨーク背面板22に対し
てレーザビーム溶接により接合してある。上記補強板4
は,厚み160μmのチタンよりなる。また,その他
は,実施例2と同様である。
【0057】本例によれば,ヨーク背面板に補強板4を
設けているので,義歯アタッチメントの強度が向上す
る。また,実施例1と同様の効果を有する。
【0058】実施例7 本例の義歯アタッチメント1は,図15にその要部を示
すごとく,実施例1の義歯アタッチメントにおいて,そ
の吸着面20の表面に軟磁性の耐食性保護層45を設け
た例である。また,耐食性保護層45には磁石層11の
周縁に対面する部分に非磁性耐食材料46を配設してあ
る。
【0059】上記耐食性保護層45としては軟磁性材料
の高耐食性フェライト系ステンレス鋼(SUS444)
を用いた。また,上記非磁性耐食材料46としては,高
耐食性フェライト系ステンレス鋼(SUS444)にN
iおよびCrを添加することによって得られる改質材料
とした,添加は,NiCr合金の膜をマスキングした保
護層の上に蒸着し,エキシマレーザーで走査することに
より部分的に溶融させ,保護層に溶け込ませることによ
り得た。その他は実施例1と同様である。
【0060】本例においては,吸着面20に上記耐食性
保護層45,非磁性耐食材料46を設けている。それ
故,吸着面20の耐食性を向上させることができる。ま
た,耐食性保護層45において,上記磁石層11の周縁
対応部分に非磁性耐食材料46を設けてあるので,これ
を設けない場合に比較して吸引力が向上する。
【0061】即ち,上記耐食性保護層45を設けること
によって,耐食性が向上するが,一方これによってエア
ギャップが生じ若干吸引力が低下するおそれがある。し
かし,本例では,上記の対応部分に非磁性耐食材料46
が設けてある。そのため,図15に示すごとく,磁束が
全てキーパー3の方へ回り込む磁気ループが形成され
る。それ故,耐食性保護層45を設けても,義歯アタッ
チメント1とキーパー3との間の吸引力が高い。
【0062】実施例8 本例の義歯アタッチメント1は,図16に示すごとく,
ヨークの磁路部213が,磁石層11の下面よりも突出
して設けてあり,この磁路部213の下端部の周囲に耐
食性保護層45を設けた例である。また,耐食性保護層
45と磁路部213の下端外周との間には,磁路部21
3の下端部を取り囲むように非磁性耐食材料46が設け
てある。
【0063】上記耐食性保護層45,非磁性耐食材料4
6の材料は実施例5と同様である。その他は,実施例1
と同様である。本例においても,実施例5と同様の効果
を得ることができる。
【0064】実施例9 本例は,磁気セル数と単位体積当たりの吸引力(図1
7),義歯アタッチメント及びキーパーの合計高さと吸
引力(図18)との関係につき測定した。
【0065】即ち,図17に示す磁気セルと単位体積当
たりの吸引力との関係は,実施例1に示した格子状の磁
石層11を用い,その磁気セル数Nを種々に変化させた
場合と,義歯アタッチメントの吸着力をその体積で除し
た単位体積当たりの吸引力(gf/mm3 )との関係に
つき測定した。その結果を,横軸,縦軸に対数目盛をと
って示す。図17より知られるごとく,磁気セル数Nの
増加と共に上記体積当たり吸引力が増大することが分か
る。
【0066】次に,義歯アタッチメント及びキーパーの
合計高さと吸引力との関係は,実施例1の義歯アタッチ
メントにおいて磁気セルの厚みを種々に変えた場合につ
き測定した。
【0067】即ち,図18に示すごとく,例えば上記合
計高さを3.5mmとし,磁気セル数(N)は1つとし
たときの吸引力,あるいは合計高さをその20分の1の
0.18mm(アタッチメント高さ0.13mm,キー
パー高さ0.05mm)とし,磁気セル数Nは161個
としたときの吸引力などにつき測定した。その結果,図
18に示すごとく,合計高さを0.02mm(アタッチ
メント高さ0.016mm,キーパー高さ0.004m
m)まで低くしても,吸引力の低下が見られないことが
わかる。
【0068】
【発明の効果】上述のごとく、本発明によれば従来に比
べ非常に薄型の義歯アタッチメントにて高い吸引力を確
保することができるので,従来の義歯アタッチメントの
ように,対咬歯を一部削ったり,歯ずいを除去しなくて
も装着することができ、義歯装着作業の容易な義歯アタ
ッチメントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における義歯アタッチメントの正面
図。
【図2】実施例1における義歯アタッチメントの部分拡
大正面図。
【図3】実施例1における義歯アタッチメントの要部拡
大断面図。
【図4】実施例1における,義歯アタッチメントの部分
斜視図。
【図5】実施例1における,(A)義歯アタッチメント
を装着する前の状態,及び(B)装着した状態を示す説
明図。
【図6】実施例1における,義歯アタッチメントの磁気
ループの状態を示す説明図。
【図7】実施例3における,義歯アタッチメントの正面
図。
【図8】実施例3における義歯アタッチメントの部分拡
大正面図。
【図9】実施例3における義歯アタッチメントの部分斜
視図。
【図10】実施例3における義歯アタッチメントとキー
パーとの対向状態を示す説明図。
【図11】実施例4における義歯アタッチメントの部分
拡大正面図。
【図12】実施例4における義歯アタッチメントの部分
斜視図。
【図13】実施例5における義歯アタッチメントの部分
斜視図。
【図14】実施例6における義歯アタッチメントの部分
斜視図。
【図15】実施例7における義歯アタッチメントの要部
説明図。
【図16】実施例8における義歯アタッチメントの要部
説明図。
【図17】実施例9における,磁気セル数と単位体積当
たりの吸引力の関係を示す線図。
【図18】実施例9における,合計高さと吸引力の関係
を示す線図。
【図19】従来例における義歯の説明図。
【図20】従来例における義歯アタッチメントの説明
図。
【図21】従来例における義歯アタッチメントを装着し
た状態を示す義歯の説明図。
【図22】従来例における義歯アタッチメントとキーパ
ーとの合計高さと,吸引力との関係を示す線図。
【符号の説明】
1,8...義歯アタッチメント, 11,110,12,13...磁石層, 2...ヨーク, 21,210,211,213...磁路部, 22...ヨーク背面板, 23...側面板, 3,93...キーパー, 4...補強板, 45,47...耐食性保護層, 46...非磁性耐食材料,

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キーパーと対向するように義歯床に植設
    され,上記キーパーに対して磁気吸引力により吸着する
    義歯アタッチメントにおいて,上記義歯アタッチメント
    は,上記キーパーと対面する厚さ方向にN−S極が伸び
    る磁石層とヨークとよりなり,また,上記ヨークは上記
    磁石層の厚さ方向に貫通する複数の磁路部と,上記磁石
    層の背面に設けたヨーク背面板とよりなることを特徴と
    する薄型義歯アタッチメント。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記磁路部は,上記
    磁石層を横断する複数の並列した板壁であることを特徴
    とする薄型義歯アタッチメント。
  3. 【請求項3】 請求項1において,上記磁路部は,上記
    磁石層を多角形又は円形に区画する格子壁であることを
    特徴とする薄型義歯アタッチメント。
  4. 【請求項4】 請求項1において,上記磁路部は柱状体
    であることを特徴とする薄型義歯アタッチメント。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記磁石層の厚みは0.01〜1mmであることを特徴
    とする薄型義歯アタッチメント。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記ヨークは外周部に,突起部又は粗面よりなる固定補
    助部を有することを特徴とする薄型義歯アタッチメン
    ト。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項において,
    上記ヨーク背面板には補強板が設けてあることを特徴と
    する薄型義歯アタッチメント。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項において,
    上記義歯アタッチメントは,キーパーに対面する吸着面
    のうち,磁石層とヨークとの境界部分は非磁性であり,
    他は軟磁性材料よりなる耐食性保護層を有していること
    を特徴とする薄型義歯アタッチメント。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項において,
    上記磁石層は,希土類磁石,白金系磁石,アルニコ磁石
    のいずれかであることを特徴とする薄型義歯アタッチメ
    ント。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項におい
    て,上記ヨークは,耐食性軟磁性体であることを特徴と
    する薄型義歯アタッチメント。
  11. 【請求項11】 請求項8において,上記補強板は貴金
    属,チタン,チタン合金,セラミックスの1種又は2種
    以上であることを特徴とする薄型義歯アタッチメント。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか一項におい
    て,上記磁石層は,蒸着法,スパッタリング法,イオン
    プレーティング法,CVD法,溶射法,メッキ法のいず
    れかを用いて形成してあることを特徴とする薄型義歯ア
    タッチメント。
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JP2023129754A (ja) * 2022-03-06 2023-09-19 マグネデザイン株式会社 磁石式義歯アタッチメント

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