JPH09101287A - 質量及びレーザ波長較正法 - Google Patents

質量及びレーザ波長較正法

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JPH09101287A
JPH09101287A JP7257760A JP25776095A JPH09101287A JP H09101287 A JPH09101287 A JP H09101287A JP 7257760 A JP7257760 A JP 7257760A JP 25776095 A JP25776095 A JP 25776095A JP H09101287 A JPH09101287 A JP H09101287A
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JP
Japan
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laser
mass
wavelength
ion
iron
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7257760A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Yuhara
哲夫 湯原
Hiroshi Futami
博 二見
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】計測時間が長い。 【解決手段】共鳴イオン化質量分析装置における質量及
びレーザ波長較正法において、沸点の低い金属錯体を試
料ガスとすることで、レーザ光による光解離にて金属原
子を生成せしめ、さらに金属原子を光イオン化すること
で質量分析装置の質量較正と使用する励起レーザの絶対
波長較正を行うことを特徴とする質量及びレーザ波長較
正法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共鳴イオン化質量
分析装置における質量及びレーザ波長較正法に関する。
【0002】
【従来の技術】共鳴イオン化質量分析装置(RIMS)
はレーザ光にて目的物質をイオン化し、イオンの飛行時
間が質量の平方に比例する事実を利用して、質量分析を
行うものである。ここで、強力なパルスレーザを使用す
ると、分子は光解離し、種々のフラグメントが生成す
る。
【0003】但し、分子に固有な吸収波長と照射レーザ
波長が一致する場合には低出力レーザでもイオン化が可
能であり、この場合には親分子のイオン信号が得られ
る。レーザ波長を変化させることでイオン化効率が変化
するので、電子衝撃等でイオン化する通常の質量分析よ
りも有利であることが多い。
【0004】正確な質量分析を行うためには、質量の標
準物質により質量構成が不可欠である。従来は容易に光
解離するベンゼン/トルエン等の有機分子を使用し、生
成した光解離生成物にて質量分析装置の較正を行ってい
た。また、レーザの波長は放電管の光ガルバノ効果又は
ヨウ素分子の吸収線を利用して実施しており、質量較正
と波長較正とを同時に実施することはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】また、有機分子の場合
には解離生成物がレーザ出力に応じて変化し、解離パタ
ーンが正確に把握できていなければならないし、検出感
度が高いために、一旦有機分子を導入すると試料導入ラ
インの洗浄を実施する必要があった。更に、レーザ波長
の絶対波長較正を同時に実施できないために、迅速に計
測をすることが不可能である。飛行時間型質量分析装置
の場合には、印加する電場条件が変化すれば、イオンの
飛行時間は変化し、新たに質量較正を実施する必要があ
り、簡単な質量較正法を考案する必要があった。
【0006】本発明はこうした事情を考慮してなされた
もので、RIMSの質量較正とレーザ波長の較正を同時
に実施でき、計測時間の短縮が可能となる質量及びレー
ザ波長較正法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、一酸化炭
素(CO)の光イオン化の試験を実施した際に、ガス中
に含まれる鉄カルボニル錯体の信号が現れる事実を詳細
に検討した結果、レーザ波長較正と飛行時間型質量分析
装置の質量較正が同時に可能となる方法に到達した。一
般に、金属錯体は光吸収により容易に解離し、金属原子
が生成する。この金属原子はさらにレーザ光を吸収し、
金属原子イオンが生じる。
【0008】ここで、金属錯体の光解離は波長依存性が
少ないが、金属原子の光イオン化は波長依存性が強い。
即ち、金属原子の吸収波長と照射レーザ波長とが一致す
る際にイオン信号が増大する現象が見られる。従って、
レーザ波長を掃引することで、金属原子の吸収スペクト
ルに相当するデータが得られるので、レーザ波長の絶対
較正が可能となる。
【0009】更に、生成した金属原子イオンの質量数は
判明しているので、飛行時間型質量分析装置の質量較正
も同時に実施することが可能である。金属錯体の試料導
入ラインへの付着は有機分子の場合に比べると無視でき
る程度であり、試料導入ラインの洗浄を実施する必要は
生じなかった。
【0010】即ち、本発明は、共鳴イオン化質量分析装
置における質量及びレーザ波長較正法において、沸点の
低い金属錯体を試料ガスとすることで、レーザ光による
光解離にて金属原子を生成せしめ、さらに金属原子を光
イオン化することで質量分析装置の質量較正と使用する
励起レーザの絶対波長較正を行うことを特徴とする質量
及びレーザ波長較正法である。
【0011】以下、鉄カルボニル錯体Fe(CO)5
例として本発明の内容を詳述する。鉄カルボニル錯体は
レーザ光の照射により容易に裸の鉄原子を生成する。こ
こで、生成した鉄原子を光イオン化することで鉄イオン
を生成することが可能であるが、照射レーザ光の波長が
鉄原子の固有の吸収波長に一致すると共鳴効果によりイ
オン化効率が著しく増大する。
【0012】従って、鉄カルボニル錯体を試料としてレ
ーザ波長を適当に掃引させると、鉄原子の吸収スペクト
ルが得られる。鉄原子の遷移は発光分析等でも標準試料
として使用されることからも判るように波長の較正とし
て十分使用可能である。波長可変レーザの波長は製品に
よっても異なるが、50pm程度の誤差があるが、原子
の吸収線の線幅は数pmであるので、厳密な波長較正が
可能となる。
【0013】また、この場合に生成した鉄イオンの質量
数は56であり、レーザ照射時間を基準にし、鉄イオン
の飛行時間を計測すれば、与えられた電場条件において
イオンの飛行時間からそのイオンの質量数を求めること
は容易である。
【0014】図1はトルエンと鉄カルボニル錯体が混入
したCOガスの飛行時間型質量分析スペクトルの計測例
を示し、縦軸は強度(Intensity)を、縦軸は時間(μ
S)を示す。図1によれば、トルエンの場合には、レー
ザ出力に応じて複雑な解離生成物が見られるが、カルボ
ニル錯体の場合にはCOが鉄よりもイオン化しにくいの
で、鉄イオン信号が見られるのみであることが判った。
次に、鉄イオン信号の波長依存性を調べると、図2のよ
うに鉄の吸収スペクトルが得られた。図2において、縦
軸は強度(Intensity)を、横軸は波長(nm)を示
す。
【0015】ここで、使用した鉄カルボニル錯体は古い
COガスボンベを使用すれば容易に得られるが、積極的
に合成するために、COガスを鉄釘、メッシュ状鉄と反
応させても良い。経験的には購入後1年程度したCOガ
スボンベで、必要な濃度の鉄カルボニル錯体は容易に得
られる。鉄原子の波長は可視・紫外レーザの波長を広く
カバーしており、通常の波長較正の目的には十分である
が、金属原子の波長が容易に判る金属錯体であり、沸点
の低いものは当然使用可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、本発明の一実施例に係るR
IMSの構成についてを図3を参照して説明する。図中
の符号1は、内部に複数の電極2が配置された真空チャ
ンバーである。この真空チャンバー1の近くには、紫外
レーザ光を得るためのSHG(secondharmonie generat
or ,高調波発生素子)3、色素レーザ4、及び該色素
レーザ4を励起するYAGレーザ5が設けられている。
【0017】前記真空チャンバー1にはパルスノズル6
が設けられ、このパルスノズル6に該パルスノズル6を
制御して試料ガス7を前記真空チャンバー1に導入する
パルスドライバー8、及びパルス発生器9が順次接続さ
れている。このパルス発生器9は、前記YAGレーザ5
にも接続されている。
【0018】1つの前記電極2の近くの真空チャンバー
1内には、鉄イオン10を検出するセラトロン11が配置さ
れている。このセラトロン11には、信号を増幅するプリ
アンプ12、及びイオンの飛行時間及び信号強度を計測す
るデジタルオルオシロスコ−プ13が順次接続されてい
る。
【0019】次に、こうした構成のRIMSの作用につ
いて説明する。まず、試料ガス7は、パルスドライバー
8により制御されたパルスノズル6にて真空チャンバー
1に導入する。ガスが存在する間にレーザ光が照射され
るように、パルス発生器9を使用し、パルスドライバー
8とYAGレーザ5との同期をとるようにしている。Y
AGレーザ5で色素レーザ4を励起し、紫外レーザ光を
得るためにSHG3を使用する。
【0020】試料ガスとしてCOを使用した場合、鉄イ
オン10が生成し、電極2を使用して電場を印加し、セラ
トロン11にてイオンを検出する。プリアンプ12にて信号
を増幅し、デジタルオシロスコープ13にてイオンの飛行
時間及び信号強度を計測する。レーザ波長を固定した場
合に図1のような質量スペクトルが得られ、質量数の判
明した鉄イオンの飛行時間から飛行時間型質量分析装置
の質量較正が可能である。これには、イオンの飛行時間
がイオンの平方に比例する事実を用いる。更に、鉄イオ
ンの信号強度の波長依存性から図2のような鉄スペクト
ルが得られ、レーザの絶対波長較正も同時に可能とな
る。
【0021】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、R
IMSの質量較正とレーザ波長の較正を同時に実施で
き、計測時間の短縮が可能となる質量及びレーザ波長較
正法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルエンと鉄カルボニル錯体が混入したCOガ
スの飛行時間型質量分析スペクトルの計測例を示す特性
図。
【図2】鉄イオン信号の波長依存性を示す特性図。
【図3】本発明に係る共鳴イオン化質量分析装置の説明
図。
【符号の説明】
1…真空チャンバー、 2…電極、3…
SHG、 4…色素レーザ、5…YA
Gレーザ、 6…パルスノズル、7…試料ガ
ス、 8…パルスドライバー、9…パルス発生
器、 10…鉄イオン、11…セラトロン、
12…プリアンプ、13…デジタルオシロスコ
ープ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共鳴イオン化質量分析装置における質量
    及びレーザ波長較正法において、沸点の低い金属錯体を
    試料ガスとすることで、レーザ光による光解離にて金属
    原子を生成せしめ、さらに金属原子を光イオン化するこ
    とで質量分析装置の質量較正と使用する励起レーザの絶
    対波長較正を行うことを特徴とする質量及びレーザ波長
    較正法。
JP7257760A 1995-10-04 1995-10-04 質量及びレーザ波長較正法 Withdrawn JPH09101287A (ja)

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JP7257760A JPH09101287A (ja) 1995-10-04 1995-10-04 質量及びレーザ波長較正法

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JPH09101287A true JPH09101287A (ja) 1997-04-15

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JP7257760A Withdrawn JPH09101287A (ja) 1995-10-04 1995-10-04 質量及びレーザ波長較正法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103163209A (zh) * 2011-12-19 2013-06-19 中国科学院大连化学物理研究所 一种气体样品在线连续监测的质谱方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103163209A (zh) * 2011-12-19 2013-06-19 中国科学院大连化学物理研究所 一种气体样品在线连续监测的质谱方法

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Effective date: 20030107