JP3531925B2 - 試料イオン化方法、イオン源および質量分析装置 - Google Patents

試料イオン化方法、イオン源および質量分析装置

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JP3531925B2 JP2001086968A JP2001086968A JP3531925B2 JP 3531925 B2 JP3531925 B2 JP 3531925B2 JP 2001086968 A JP2001086968 A JP 2001086968A JP 2001086968 A JP2001086968 A JP 2001086968A JP 3531925 B2 JP3531925 B2 JP 3531925B2
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    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
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    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/14Ion sources; Ion guns using particle bombardment, e.g. ionisation chambers
    • H01J49/147Ion sources; Ion guns using particle bombardment, e.g. ionisation chambers with electrons, e.g. electron impact ionisation, electron attachment

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、イオン化エネル
ギーを高精度に変更・設定可能な試料イオン化方法、な
らびに、その試料イオン化方法を使用したイオン源およ
び質量分析装置に関し、特に、混合気体である試料気体
を構成する各成分を短時間で分離、同定し、かつ定量す
ることのできる質量分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業上の種々の分野において、混合気体
試料の各成分を個々に分離し、定量する必要は多い。例
えば、自動車の排気ガス分析、化学プロセスにおける反
応ガス分析やその分析結果に基づく反応過程の制御、さ
らに、医療・生物分野における生体反応の状態を知るた
めの呼気分析、熱天秤などに質量分析計を接続して特定
試料温度で脱離する成分気体を質量分析計で同定定量す
るいわゆる熱質量分析等がある。このように、さまざま
な分野において、混合気体を対象とし、それに含有され
る成分を個々に分離し、定量する必要が生じることは極
めて多い。
【0003】例えば、自動車の排気ガス分析では、測定
周期はミリ秒から秒単位の迅速さが望まれている。呼気
分析では一呼吸時間(3〜4秒)の間に数点ないし十数
点の測定データを得ることも必要とされる。化学工業プ
ロセスで必要とされる測定周期には幅があるが、この場
合も分析周期が短ければ同一測定時間内に多数回の測定
が可能となり、周知の時間平均化法を用いて分析精度を
向上させることができる。
【0004】従来、産業分析の分野では、測定対象とす
る成分ごとの専用分析計、例えば、水素計、酸素計、ア
ンモニア計、炭化水素計、水分計などを併用する方法が
用いられてきた。しかし、個々の専用分析計は、対象と
する成分それぞれに特有の物理、化学的物性に依存した
測定を行うので、測定感度の向上には有利な面もある
が、測定対象とする成分の種別に対応して測定原理の異
なる複数種類の測定手段を備えなければならない。
【0005】そのうえ、物性を同じくする異なる成分が
含まれていれば、それらの応答(測定値)は重なり合う
ことになり、それぞれの成分ごとの応答を直接弁別する
ことはできない。このような同じ物性を備えた測定対象
外の成分を妨害成分と呼んでいるが、この存在は予期せ
ぬ測定誤差を生じさせる。
【0006】これら産業分析では、測定の目的から、多
種成分の同時分析が実時間で実行できることが望まれ
る。任意の多成分の同時測定を目的とする場合、それら
成分の化学的性質の差異に基づく従来の化学分析では測
定対象が限られるため、化学分析による多成分分析は本
質的な困難が伴うものである。したがって、任意多成分
の同時測定を行うには、試料の物理的性質の差異を分析
すること(いわゆる機器分析)が望ましい手法となる。
【0007】混合ガスの成分分離とその定量に、従来か
ら用いられてきた機器分析としては、ガスクロマトグラ
フ(GC)、および、赤外分光計(IR)や非分散赤外
分光計(NDIR)などの分光分析法がある。
【0008】しかしGC法は分離カラム中を流れる成分
それぞれの保持時間の相違によって、各成分を時間的に
分離するという動作原理のため、適切なカラムを選び、
動作させることが重要で、次の(a)〜(d)のような
煩わしい問題が付随する。 (a)あらゆる成分に適する万能的なカラムはなく、分
析対象とする成分によって、複数のカラムを選別配置し
なければならない。 (b)カラムと測定対象成分の種類に応じて、カラムを
装填するオーブンの温度条件を選択・設定しなければな
らない。 (c)各カラム流路ごとにキャリアガスの流量を最適値
となるように調整する必要がある。 (d)またある成分に適するカラムは、他の成分によっ
て劣化されるという問題もある。
【0009】このような、カラムの選別、配置、条件設
定は煩わしく、対象とする成分の数と種別によってはマ
ルチディメンジョナルカラムといわれる構造的に複雑な
方式をとることにもなり、測定作業には豊富な経験と熟
練とが要求されるという大きな問題がある。さらに、異
なる成分の保持時間が等しいかまたはほぼ等しい場合に
は、当然のことながら、それらの成分の分離は不可能ま
たは困難である。これに加えて、GC法では、周知のよ
うに測定周期は数分から数十分という長時間を必要とす
るので、先に記したような高速分析には対応できない。
【0010】赤外分光計により混合ガスの直接分析を行
う場合には、成分それぞれの吸収線は互いに重なり合
い、個々の成分のスペクトルを確実に分離するための充
分な分離能が得られない場合が多い。さらに、窒素、酸
素、塩素、水素など赤外線吸収を持たない成分は検出で
きない。また、二酸化硫黄、二酸化炭素、水などはスペ
クトル相互間に干渉を生じる。このような問題点もあ
り、赤外分光計による混合ガスの一般的な成分弁別は相
当に困難である。そして、紫外分光その他の分光分析
も、汎用的な多種成分同時分析法とするには同様な問題
点がある。
【0011】質量分析計は分析管内に導入された気体分
子をイオン化し、その質量対電荷比によって気体成分を
弁別することを分析原理としている。したがって、本質
的に検出不能の気体成分はなく、多成分分析では汎用性
の最も高い分析手段ということができる。
【0012】しかし、質量数が等しい気体成分はスペク
トルピークが重なり合い、成分弁別は一般的には困難と
なる。このような場合には、従来、次の(a)〜(d)
のような方法が用いられてきた。 (a)各成分気体の質量スペクトルを照合し、スペクト
ル相互に重なりのないピーク(ユニピークという)を選
んで弁別する方法 (b)混在するピーク群から多重回帰法により成分を分
離定量する方法 (c)ガスクロマトグラフを前置し、混合気体を純成分
に分離し、カラムから流出してくる個々の純成分を順次
質量分析計で同定・定量する方法 (d)高分解能質量分析計を使用し、成分ピークの質量
を分子を構成する原子の質量欠損を検知できる103
104以上の高分解能で測定して成分の化学組成を求め
る方法
【0013】なお、分解能とは、分子量の近接したスペ
クトルピークを分離する性能をいい、分子量/ピーク半
値幅の比率で定義されている。上に述べた(a)の方法
は、試料気体の成分組成によってユニピークが異なるほ
か、必ずしも適切なピークが得られるとは限らないとい
うことで一般性に欠けている。また、(b)の方法は、
混合気体の成分がすべて判明しており、それらの質量ス
ペクトルおよびそのパターン係数が正しく得られている
ことが前提条件である。特に、未知成分が混入していた
り、スペクトルに雑音など不要成分が多い場合には、大
きな測定誤差を生じるという問題点がある。
【0014】そして(c)の方法は、測定周期が長いな
ど、ガスクロマトグラフと同様の問題点を有する。ま
た、(d)の方法は、成分イオンの質量を精密に測定し
成分の化学組成を求める方法であり、高い質量分解能を
備える大型の二重収束質量分析計またはフーリエ変換イ
オンサイクロトロン共鳴(FT−ICR)質量分析装置
を使用することで可能となる。特に、FT−ICR法
は、測定周期が数十ミリ秒から数秒程度に短く、迅速な
測定ができるという大きな特徴を備えている。なお、大
型二重収束質量分析計は設置条件などが厳しく、産業分
析の現場での使用には適さないなど問題が多く、産業分
析に用いられた例はない。
【0015】しかし、FT−ICR法も、化学組成が等
しい成分間の分離は不可能である。例えば、イソブテ
ン、1−ブテン、t−2−ブテンの3成分は、いずれも
質量数56であるばかりでなく、化学組成も全てC48
であり、分子量は共に56.06260で全く等しい。
このような例は、特に炭素化合物を多く含む試料に多く
みられ、104〜106という高い質量分解能を備えるF
T−ICR法でも、質量の精密測定のみで、これらを含
む混合ガスを正しく分析することはできない。これは、
自動車エンジンの排気ガス分析のように炭化水素を多く
含み、多様な異性体を含有する混合気体を迅速に分析す
る場合には深刻な問題となっている。
【0016】最近では、化学組成の等しい異性体でも、
分子構造の相違からイオン化ポテンシャルが僅かずつ異
なっていることが明らかになってきた。図1は、自動車
排気ガスに含まれる成分におけるイオン化ポテンシャル
の例を示している。このようなイオン化ポテンシャルの
相違に基づいて、化学組成の等しい異性体を互いに分離
することが可能である。例えば、エネルギー9eVでエ
ネルギー分布幅の極めて狭い尖鋭なレーザービームを試
料分子に照射すれば、t−2−ブテンのみをイオン化
し、イソブテン、1−ブテンのイオン化は抑えることが
できる。このようなレーザービームを試料のイオン化に
用いて、所定の成分分子を選択的にイオン化するレーザ
ーイオン化FT−ICR質量分析計が、特開平9−96
625号公報において提案されている。
【0017】図1にみられるようにメタンを除く炭化水
素のイオン化ポテンシャルは6〜12eVの範囲にあ
り、照射すべきレーザーの波長は100〜200nmの
範囲となる。これは遠紫外の領域であり、現在のところ
この波長域で常用できる可変波長レーザーは市販されて
いない。このため、前述のレーザーイオン化FT−IC
R質量分析計では、いわゆる2光子共鳴イオン化法を用
い、波長が200〜400nmの範囲(3〜6eV)の
レーザー光子2個の連続照射によって試料分子をイオン
化している。
【0018】しかしながら、前述の分析計のレーザーイ
オン化を使用して、上限と下限の比が2倍(振動数では
1オクターブ)以上にわたる広いイオン化ポテンシャル
の炭化水素類の測定を行うのは、実施上の問題点により
実際には極めて困難である。その第一は単一操作による
レーザー波長の可変域が狭いという問題点であり、第二
にはレーザー波長を変更するために時間がかかり迅速な
変更ができないという問題点である。
【0019】いまのところ、波長可変紫外光を直接発振
によって出力できるレーザー光源はなく、赤外または可
視域の波長可変レーザー光から振動数の逓倍により紫外
光を得ている。しかし、これらの手段によって得られる
可変波長紫外光を質量分析計の選択イオン化に用いるに
は、原理的にも実際的にも数多くの問題がある。例え
ば、次の(a)〜(c)のような問題点がある。
【0020】(a)単一のレーザー発振源から得られる
レーザー光の可変波長域が狭い。例えば、現在可変波長
レーザー源として広く用いられている色素レーザーで
は、色素をレーザー媒質とし、エキシマレーザー、N
d:YAGレーザーなどを励起源として、可変波長の色
素レーザー出力を得ているが、単一の色素で得られる可
変範囲は、中心波長に対して、僅かに±10%程度に過
ぎない。このため、1オクターブ以上におよぶ炭化水素
のイオン化ポテンシャルに対応するには、幾種類もの色
素を順次交換しなければならない。さらに、色素は溶液
として使用されるため交換操作は大変に煩わしい。
【0021】(b)励起源となるエキシマレーザー、N
d:YAGレーザーなどの波長域は赤外から可視光領域
にあるので、紫外レーザーを得るには、振動数を2倍〜
4倍逓倍しなければならない。逓倍は高調波発生器(第
二高調波発生器:SHG、第三高調彼発生器:THG、
第四高調波発生器:FHG)を共振器内で回転して、連
続可変波長出力とするが、この回転は励起源の波長変化
に正確に同期しなければならない。高調波発生器の主体
はBBO(β−BaB24)、KD*Pなどの結晶が用
いられる。これら結晶の波長域も狭く、広域掃引のため
には複数素子の交換使用となること、および、機械的同
期を必要とすること等により、高速広域波長掃引は望む
べくもない。事情は色素レーザー以外のOPO(Optica
l Parametric Oscillalor )、チタン:サファイア・レ
ーザーにおいても、逓倍波長の変更に固体高調波発生器
の厳密な機械的同期を必要とする限り同様である。
【0022】(c)機械素子の回転による掃引速度や同
調波長の信頼性の問題に対しては、電気同調の試みとし
て、AOTF(Acousto-Optic Tunable Filter)をチタ
ン:サファイア・レーザーの波長選択素子に用いる高速
波長可変チタン:サファイア・レーザーの提案もある。
しかし、このレーザーも出力波長は赤外域に限られてお
り、これらの素子の問題などから、紫外域の高速波長可
変レーザーは未だ実現されていない。
【0023】なお、現在、質量分析に最も多く用いられ
ている電子衝撃イオン源(EIイオン源:Electron Imp
act Ion Source)は、複数成分から特定成分を分離する
ための選択イオン化には不適当である。これは、衝撃イ
オン化に用いる電子ビームとして、単に高温フィラメン
トからの熱電子流を使用していることから明らかであ
る。このような熱電子の運動エネルギーはボルツマン分
布に従う広いエネルギー幅の分布を持ち、選択イオン化
に必要なエネルギー分布幅の極めて狭い尖鋭なスペクト
ルの電子流は得られないからである。
【0024】なお、エネルギー分布の広い電子流から、
適切な電場、磁場またはフィルタなどのエネルギー分析
手段によって、エネルギー分布幅の狭い所定エネルギー
のみの電子流を取り出すことは可能である。しかし、こ
のようないわば濾波手段による所定エネルギーの選択で
は高い効率で電子流を得ることはできず、選択イオン化
に必要な量の電子流を得ることは困難である。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、混合気
体試料から任意の多種成分の同時分析を実時間で実行す
るには、選択イオン化を使用したFT−ICR質量分析
計による測定方法が、他の測定方法に比較して有利な点
が多い。しかし、選択イオン化のためのエネルギー源と
してレーザー光を使用することは、問題点も多かった。
【0026】そこで、本発明は、運動エネルギーの分布
幅の極めて狭い尖鋭なスペクトルの電子流を生成して、
その電子流により個々の成分のイオン化ポテンシャルの
差異に基づく選択イオン化を行うようにした試料イオン
化方法、イオン源および質量分析装置を提供することを
目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の試料イオン化方法は、静磁場内に置かれた
真空容器中に荷電粒子を内包するように配置された複数
の電極対からなる共鳴セルの内部に、前記荷電粒子を供
給または生成する手順と、前記共鳴セルの所定の電極対
に交流電場を印加するとともに、前記荷電粒子が静磁場
内においてサイクロトロン共鳴を誘起するように、前記
交流電場の周波数と前記静磁場の強度とを設定または変
更制御する手順と、サイクロトロン共鳴によって、複数
の成分が混合している混合試料の中の特定の成分を選択
的にイオン化する値のエネルギーを得た荷電粒子団を前
記共鳴セルから取り出す手順と、前記共鳴セルから取り
出した荷電粒子団を前記混合試料の試料分子に衝突さ
せ、荷電粒子のエネルギーにより特定の成分の試料分子
を選択的にイオン化する手順とを有するものである。
【0028】また、本発明の試料イオン化方法は、静磁
場内に置かれた真空容器中に荷電粒子を内包するように
配置された複数の電極対からなる共鳴セルの内部に、前
記荷電粒子を供給または生成する手順と、前記共鳴セル
の所定の電極対に交流電場を印加するとともに、前記荷
電粒子が静磁場内においてサイクロトロン共鳴を誘起す
るように、前記交流電場の周波数と前記静磁場の強度と
を設定または変更制御する手順と、サイクロトロン共鳴
によって、試料分子の中の特定の結合部分を選択的に開
裂させる値のエネルギーを得た荷電粒子団を前記共鳴セ
ルから取り出す手順と、前記共鳴セルから取り出した荷
電粒子団を前記試料分子に衝突させ、荷電粒子のエネル
ギーにより特定の結合部分を選択的に開裂させてイオン
化する手順とを有するものである
【0029】また、本発明の試料イオン化方法は、静磁
場内に置かれた真空容器中に配置されて電子を供給する
電子供給手段から、前記電子を内包するよう前記真空容
器中に配置された複数の電極対からなる共鳴セルの内部
に電子を供給する手順と、前記共鳴セルの所定の電極対
に交流電場を印加するとともに、前記電子が静磁場内に
おいて電子サイクロトロン共鳴を誘起するように、前記
交流電場の周波数と前記静磁場の強度とを設定または変
更制御する手順と、電子サイクロトロン共鳴によって、
複数の成分が混合している混合試料の中の特定の成分を
選択的にイオン化する値のエネルギーを得た電子団を前
記共鳴セルから取り出す手順と、前記共鳴セルから取り
出した電子団を前記混合試料の試料分子に衝突させ、電
子のエネルギーにより特定の成分の試料分子を選択的に
イオン化する手順とを有するものである
【0030】また、本発明の試料イオン化方法は、静磁
場内に置かれた真空容器中に配置されて電子を供給する
電子供給手段から、前記電子を内包するよう前記真空容
器中に配置された複数の電極対からなる共鳴セルの内部
に電子を供給する手順と、前記共鳴セルの所定の電極対
に交流電場を印加するとともに、前記電子が静磁場内に
おいて電子サイクロトロン共鳴を誘起するように、前記
交流電場の周波数と前記静磁場の強度とを設定または変
更制御する手順と、電子サイクロトロン共鳴によって、
試料分子の中の特定の結合部分を選択的に開裂させる値
のエネルギーを得た電子団を前記共鳴セルから取り出す
手順と、前記共鳴セルから取り出した電子団を前記試料
分子に衝突させ、電子のエネルギーにより特定の結合部
分を選択的に開裂させてイオン化する手順とを有するも
のである。
【0031】また、本発明のイオン源は、静磁場内に置
かれた真空容器と、前記真空容器中に配置され、荷電粒
子を供給または生成する荷電粒子供給手段と、前記荷電
粒子を内包するよう前記真空容器中に配置された複数の
電極対からなる共鳴セルと、前記共鳴セルの所定の電極
対に交流電場を印加するとともに、前記荷電粒子が静磁
場内においてサイクロトロン共鳴を誘起するように、前
記交流電場の周波数と前記静磁場の強度とを設定または
変更制御する共鳴制御手段と、サイクロトロン共鳴によ
って、複数の成分が混合している混合試料の中の特定の
成分を選択的にイオン化する値のエネルギーを得た荷電
粒子団を前記共鳴セルから取り出して前記混合試料の試
料分子に衝突させ、荷電粒子のエネルギーにより特定の
成分の試料分子を選択的にイオン化する荷電粒子団照射
手段とを有するものである。
【0032】また、本発明のイオン源は、静磁場内に置
かれた真空容器と、前記真空容器中に配置され、電子を
供給する電子供給手段と、前記電子を内包するよう前記
真空容器中に配置された複数の電極対からなる共鳴セル
と、前記共鳴セルの所定の電極対に交流電場を印加する
とともに、前記電子が静磁場内において電子サイクロト
ロン共鳴を誘起するように、前記交流電場の周波数と前
記静磁場の強度とを設定または変更制御する共鳴制御手
段と、電子サイクロトロン共鳴によって、複数の成分が
混合している混合試料の中の特定の成分を選択的にイオ
ン化する値のエネルギーを得た電子団を前記共鳴セルか
ら取り出して前記混合試料の試料分子に衝突させ、電子
のエネルギーにより特定の成分の試料分子を選択的にイ
オン化する電子団照射手段とを有するものである。
【0033】また、本発明の質量分析装置は、静磁場内
に置かれた真空容器と、前記真空容器中に配置され、荷
電粒子を供給または生成する荷電粒子供給手段と、前記
荷電粒子を内包するよう前記真空容器中に配置された複
数の電極対からなる共鳴セルと、複数の成分が混合して
いる混合試料をイオン化して質量分析を行う質量分析手
段と、前記共鳴セルの所定の電極対に交流電場を印加す
るとともに、前記荷電粒子が静磁場内においてサイクロ
トロン共鳴を誘起するように、前記交流電場の周波数と
前記静磁場の強度とを設定または変更制御する共鳴制御
手段と、サイクロトロン共鳴によって、前記混合試料の
中の特定の成分を選択的にイオン化する値のエネルギー
を得た荷電粒子団を前記共鳴セルから取り出して、前記
質量分析手段の前記混合試料の試料分子に衝突させ、荷
電粒子のエネルギーにより特定の成分の試料分子を選択
的にイオン化する荷電粒子団照射手段とを有するもので
ある
【0034】また、本発明の質量分析装置は、静磁場内
に置かれた真空容器と、前記真空容器中に配置され、電
子を供給する電子供給手段と、前記電子を内包するよう
前記真空容器中に配置された複数の電極対からなる共鳴
セルと、複数の成分が混合している混合試料をイオン化
して質量分析を行う質量分析手段と、前記共鳴セルの所
定の電極対に交流電場を印加するとともに、前記電子が
静磁場内において電子サイクロトロン共鳴を誘起するよ
うに、前記交流電場の周波数と前記静磁場の強度とを設
定または変更制御する共鳴制御手段と、電子サイクロト
ロン共鳴によって、前記混合試料の中の特定の成分を選
択的にイオン化する値のエネルギーを得た電子団を前記
共鳴セルから取り出して、前記質量分析手段の前記混合
試料の試料分子に衝突させ、電子のエネルギーにより特
定の成分の試料分子を選択的にイオン化する電子団照射
手段とを有するものである。
【0035】また、上記の質量分析装置において、前記
電子団照射手段を、前記共鳴セル内の電子団の軌道が所
定の回転半径に達したときに、静磁場を遮断して前記電
子団を前記共鳴セルの外部に取り出すものとすることが
できる。
【0036】また、上記の質量分析装置において、前記
静磁場は、空心コイルによって発生されるものであるこ
とが好ましい。
【0037】また、上記の質量分析装置において、前記
電子団照射手段を、前記共鳴セル内の電子団の軌道が所
定の回転半径に達したときに、複数の電極に所定の直流
電場を印加して前記電子団を前記共鳴セルの外部に取り
出すものとすることができる。
【0038】
【0039】また、上記の質量分析装置において、前記
質量分析手段は、フーリエ変換イオンサイクロトロン共
鳴質量分析計であることが好ましい。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の動作原理でもある電子サ
イクロトロン共鳴について説明する。荷電粒子のサイク
ロトロン共鳴については、荷電粒子をイオンとした場合
のいわゆるイオンサイクロトロン共鳴に関して、前述の
特開平9−96625号公報に詳述されている。また、
次の論文、山崎等,「イオンサイクロトロン小型精密質
量分析計」, J.Mass Spectrom. Soc. Jpn., Vol.42, N
o.2, p.105‐115, 1994、または書籍、B.Asamoto Ed.,
“FT‐ICR/MS:Analytical Applications of Fourier Tr
ansform Ion Cycrotron Resonance Mass Spectrometr
y”, VCH Publishers Inc.,1991、または、T.A.Lehman
and N.M.Bursey,“Ion Cyclotron Resonance Spectrome
try”, John Wiley & Sons, 1976 などに詳しく紹介さ
れている。電子サイクロトロン共鳴は、荷電粒子として
電子を用いる。動作原理は、荷電の極性が異なること以
外はイオンサイクロトロン共鳴と同様である。
【0041】いま電子の電荷をq[C]、質量をm[k
g]とし、これに静磁場B0 [T]が印加されていると
すると、電子は、いわゆるローレンツ力を受けて、静磁
場に直交する平面内でサイクロトロン運動と呼ばれる円
運動をする。その円運動の角速度ω0 は、次の式1で表
される。 ω0 =(q/m)B0 ・・・式1 また、分析対象とする成分分子のイオン化ポテンシャル
をE[J]とすると、イオン化に必要な電子の速度v
[ms-1]は、次の式2で表される。 E =(1/2)mv2 v =(2E/m)1/2 ・・・式2
【0042】前述の炭化水素のイオン化ポテンシャルの
範囲、E=6〜12eVの場合では、式2から計算され
る電子の速度vは、ほぼ次のような範囲となる。 v =(1.438〜2.033)×106 [ms-1] この電子速度を真空容器内で半径r=5cmの電子サイ
クロトロン共鳴で得るには、角速度ω0 は、次に示すよ
うな範囲となる。 ω0 = v/r =(28.76〜40.66)×106
[s-1
【0043】この場合、サイクロトロン周波数fは、次
に示すような範囲となる。 f = ω0/2π = 4.577〜6.471[MH
z] この周波数で電子がサイクロトロン共鳴を誘導する静磁
場B0 は、次の範囲で設定できればよい。 B0 = 10.11〜14.29[mT]
【0044】電子サイクロトロン共鳴を用い、多成分よ
りなる炭化水素をその種別にしたがって、個々に選択イ
オン化するには、イオン化室に隣接する真空容器内に一
対の平行電極を配置し、この平行電極内に電子をまずト
ラップする。電子は、平行電極と直交する方向の1対の
トラップ電極によって捕捉される。この電子は、例えば
これらの電極の近傍に配置したフィラメントを加熱し、
発生する熱電子流を平行電極内部に導入してもよい。こ
こで、平行電極内部にトラップ電極と垂直に静磁場B0
を印加する。電子は静磁場B0 と直交する平面内で、式
1に従う角速度ω0 で円運動を始める。ただし、このと
きには個々の電子について見れば、円運動の半径は小さ
く、位相はランダムである。
【0045】ここで平行電極に式1の共鳴条件に適合す
る角周波数ω0 の高周波電場を印加すると、高周波電場
の位相に対して遅れ位相にある電子は加速され、進み位
相にある電子は減速されるので、導入された電子群は一
つの集団となり、平行電極間の空間内の静磁場に直交す
る平面内で円運動をするようになる。しかも、こうして
できた電子団は高周波電場に加速されて、回転半径rを
増大する。回転半径rの円運動を行う電子のエネルギー
は、次式で表される。 (1/2)mv2 =(1/2)m(rω02
【0046】回転半径rが所定の値になった時点で、換
言すれば、円運動を行う電子の運動エネルギーが定めら
れたエネルギーに達した時点で、静磁場B0 を遮断すれ
ば、均一な所定エネルギーレベルの電子団を接線方向に
取り出すことができる。イオン化エネルギーEの分子を
イオン化する場合には、回転半径rを次式で計算される
値とすればよい。 r =(2E/m)1/2/ω0
【0047】取り出された電子団を、その近傍に配置さ
れた質量分析計のイオン化室に導けば、イオン化エネル
ギーが電子のエネルギー以下の試料分子を選択的にイオ
ン化することができる。このように、所定の運動エネル
ギーを持つように均一化された電子団による電子線源を
使用して、本発明の質量分析における試料イオン化方
法、イオン源および質量分析装置を実現することができ
る。
【0048】従来から多用されてきた電子衝撃イオン源
を備えた質量分析計であれば、従来のフィラメントおよ
び電子コレクタからなる電子線源に代えて、単色性の極
めて強い電子線源として、本発明の電子線源を容易に適
用できる。均一エネルギーの電子は電子団(Electron P
acket )として、空間的、時間的に集団化されているの
で、パルス動作の質量分析計、例えば、FT−ICR方
式、TOF(Time-Of-Flight:飛行時間)方式質量分析
計、ITD(Ion Trap Detection)方式質量分析計など
に特に適している。
【0049】本発明の電子線源から出力される電子団の
エネルギーは、任意のレベルに設定できる。すなわち、
静磁場B0 および高周波電場の角間波数ω0 を式1の関
係を保ちながら任意の値に設定すれば、同一回転半径r
の位置で所望のエネルギーレベルに設定することができ
る。しかも、この電子線源から出力される電子団は、電
子サイクロトロン共鳴を経てエネルギー分布が極めて狭
く、損失が少なく、電子密度が極めて大きく、エネルギ
ーを高精度に変更制御することができる。
【0050】次に、本発明の実施の形態について図面を
参照して説明する。図2は、本発明における電子サイク
ロトロン共鳴セル(ECRセル)の基本構成を示してい
る。ECRセル1は、全体が真空容器内に設置されてい
る。ECRセル1には、X軸方向に対向する1対の送信
電極11,12、および、Y軸方向に対向する1対の受
信電極13,14が配置されている。静磁場B0 は、Z
軸方向に印加される。ここで、X,Y,Z軸は直交3軸
座標系を構成する座標軸である。
【0051】送信電極11,12には、真空容器外に配
置される高周波電圧源2から角周波数ω0 の高周波パル
スが適切なレベルで供給される。高周波パルスの幅は可
変である。受信電極13,14には、電子サイクロトロ
ン共鳴によって高周波電圧が誘起される。その高周波電
圧を、受信電極13,14に接続された高周波増幅器3
によって受信および増幅する。高周波増幅器3の信号出
力は、必要に応じてオシロスコープに表示され、電子サ
イクロトロン共鳴の共鳴状態をモニターできる。
【0052】また、これらの電極対のZ軸方向の両端部
には、図示のように1対のトラップ電極15,16がZ
軸方向に対向して配置されている。トラップ電極15,
16には、定められた負電位が与えられている。さら
に、一方のトラップ電極16の外面側にはフィラメント
17と制御電極18が設けられており、他方のトラップ
電極15の外面側には電子コレクタ19が設けられてい
る。制御電極18の電圧を切り換えることによって、フ
ィラメント17から発生した熱電子を、トラップ電極1
6中央に設けられた貫通孔161を通してECRセル1
の内部に供給することができる。
【0053】送信電極の電位Vt および受信電極の電位
r は無信号のときは0(ゼロ)である。フィラメント
17の電位Vf は、トラップ電極16の電位よりも数V
〜十数V低電位とされている。これら3対の電極電位に
よるECRセル1内部の電位分布は、概略が図3に示す
ようになる。ただし、静磁場B0 の方向をZ軸とする直
交座標で表し、座標軸の原点はECRセル1の中心とし
ている。
【0054】フィラメント17に電流を流して加熱し熱
電子を発生させ、制御電極18の電位Vc をフィラメン
ト17の電位Vf よりも高い電位Vonとすれば、熱電子
はトラップ電極16の中央に設けられた貫通孔161を
通して、電子コレクタ19に向かう電子流となってEC
Rセル1を貫通する。制御電極18の電位Vc を電位V
f よりも低い電位Voff に切り換えれば、電子流は遮断
され、熱電子はフィラメント17の近傍に電子雲となっ
て集合する。この電子雲の空間電荷による電場は、フィ
ラメント17表面からの熱電子の発生を抑制する。
【0055】最初に、制御電極18の電位Vc を電位V
onとしてECRセル1内に電子流を流しておく。時刻t
0 でこれを電位Voff に切り換えれば、電子流は遮断さ
れるが、そのときECRセル1内にあった電子は、図3
(c)に示されるようなトラップ電極15,16の作る
凸形電位の頂点すなわちECRセル1中央に集まる。
X,Y軸方向にドリフトする電子は静磁場B0 との間に
働くローレンツ力を受けて、XY平面内で式1により与
えられる角速度ω0 の円運動を起こし、座標原点の近傍
にとどまる。
【0056】図4は、ECRセル1内の電子の運動を示
す図である。ここで、角周波数ω0の高周波電圧を送信
電極11,12に印加すると、前述の電子サイクロトロ
ン共鳴を誘起し、個々の電子の位相はそろい空間的位置
も凝集し、まとまった電子団として回転運動の半径rを
増大する。半径rが所定の値に達した時点t1 で、印加
されていた高周波電圧および静磁場を共に遮断すれば、
電子団に働く外力はなくなり、電子団の運動はその時点
の運動エネルギーを保存したまま、接線方向の等速直線
運動となる。これにより、所望のエネルギーの電子団を
ECRセル1の外部に取り出すことができる。
【0057】式1の関係を保ちながら静磁場B0 および
角速度ω0 の値を変えることで、電子団の運動エネルギ
ーは任意の値に設定でき、かつ、その設定精度も極めて
正確である。所望のエネルギーに設定してECRセル1
から取り出した電子団を、質量分析計のイオン化室に導
入して測定試料に照射すれば、その正確な電子エネルギ
ーにより極めて精密な選択イオン化を行うことができ
る。
【0058】前述の静磁場B0 および角速度ω0 の共鳴
条件は、いずれか一方を所定の値に設定し、他方を式1
で定められる値を含む範囲で掃引することでも容易に満
たすことができる。周波数掃引の場合には、角周波数ω
0 を含む角周波数幅Δωの範囲を時間Δtで掃引すれ
ば、掃引周波数のフーリエ成分はω0 を中心とし、周波
数間隔1/Δtで周波数幅Δωにわたるほぼ等しい強度
の周波数成分を備える。これらの周波数成分の内、角周
波数ω0 のみが共鳴に関与し、他の成分は共鳴には影響
しない。この励起法を用いれば、B0/ω0の比率を正確
に定めて静磁場と高周波電圧を印加する煩わしさを避け
ることができる。
【0059】図5は、ECRセル1の動作手順を示す図
である。図5(a)に示すように、時刻0から時刻t0
までは、制御電極18の電位をVonとしてECRセル1
内に電子流を流し込む。時刻t0 で電子流は遮断され、
ECRセル1内に流入した電子はトラップ電場によって
セル中央部に集まる。次に、図5(b)に示すように、
送信電極11,12に角周波数ω0 またはω0 を含む掃
引周波電圧を時刻t0から時間Δtだけ印加する。時間
Δt(=t1−t0)は、電子が励起高周波電場から所要
のエネルギーを得て定められた円運動半径rに達するた
めの時間である。この時間Δtは、掃引高周波の大きさ
と掃引速度とに従って定められる。掃引が終了すれば電
子団は、その時点(時刻t1 )に得られている半径で等
速円運動を持続する。
【0060】ECRセル1内部における電子団の円運動
は、受信電極13,14に角周波数ω0 の高周波電圧V
r を誘起する。この高周波電圧Vr を図5(d)に示
す。誘起される高周波電圧の振幅は電子団が受信電極1
3,14の一方に最接近したとき最大値となり、他方の
受信電極に接近したとき負のピーク値をとる。また、送
信電極11,12の近くにあるときは、誘起される高周
波電圧の振幅は0となる。例えば、図4のように送信電
極12に平行に取り出す場合は、受信電極13,14に
誘起される高周波信号が負から正になる時点(時刻t
2 )で静磁場を遮断すればよい。図5(c)に静磁場B
の印加と遮断のタイミングを示す。
【0061】また、受信電極13,14に平行に電子団
を取り出すのならば、時刻t2 を誘起電圧Vr の振幅が
最大となる時点とする。このように、時刻t2 を高周波
電圧Vr の位相によって適宜定めれば、電子団を任意の
方向に取り出すことができる。なお、角周波数ω0 を固
定しておいて、磁場をB0 を含む範囲の上下にわたり掃
引しても同様の結果が得られる。
【0062】図6は、ECRセル1の駆動および制御回
路の構成例を示す図である。静磁場の発生には、磁場可
変の必要から電磁石8を用いる。また、磁場は高速スイ
ツチングが望まれるため、電磁石8としては空心コイル
電磁石が適しているが、渦電流損が低く高速動作の可能
な積層鉄心、フェライトなどを継鉄とする電磁石を用い
てもよい。電磁石は真空容器外に配置することができ
る。
【0063】ECRセル1は、電子サイクロトロン共鳴
によって所定エネルギーの電子団を発生するユニットで
あり、例えば、図2に示される構成のものを用いてもよ
い。ECRセル1の送信電極に印加する高周波電圧は、
コンピュータ4によって制御される高周波電圧源2から
出力される。高周波電圧源2に含まれる高周波発振器
は、コンピュータ4によって制御され、固定周波数また
は掃引高周波の所定時間幅パルスを出力することができ
る。この高周波発振器には、市販の周波数シンセサイザ
を用いることができる。
【0064】電子流を断続する制御電極18の電圧もま
たコンピュータ4によってそのタイミングを制御されて
いる。受信電極13,14に誘起する信号電圧は高周波
増幅器3によって静磁場制御に充分なレベルに増幅され
る。増幅された誘起信号からトリガー回路5により静磁
場制御のトリガーパルスが作成され出力される。トリガ
ーパルスは、電磁石8の静磁場を遮断する時点を正確に
定める。このためトリガー回路5には、正弦波の任意の
レベルで鋭いパルス信号を発生できる単安定マルチバイ
ブレータや、特にシュミットトリガー回路などが有用で
ある。
【0065】電磁石8を励磁する励磁電源6からの励磁
電流は、トリガー回路5のトリガーパルスで動作するゲ
ート回路7によって遮断される。励磁電流が遮断される
ことにより、電磁石8の静磁場も速やかに遮断される。
静磁場を遮断して電子団が出力された後、コンピュータ
4がゲート回路7を制御して、再び所定の静磁場をEC
Rセル1に印加する。このようにして、一定時間ごとに
所定のエネルギーを有する電子団を出力することができ
る。
【0066】図7は、本発明の質量分析装置の構成例を
示す図である。ECR電子線源10からの電子団を、質
量分析計20のイオン源に導入する例である。質量分析
計20のイオン源としては、通常使用されるEIイオン
源をほとんどそのまま用いることができる。ただし、E
Iイオン源に付属するフィラメント、グリッドおよびフ
ィラメントから放射される熱電子の発散を防ぐために設
けられるソースマグネットは不要である。そのEIイオ
ン源の熱電子の導入されていた孔から、ECR電子線源
10からの電子団を、イオン化室21に導入すればよ
い。電子コレクタ22は従来と同様に用いられる。
【0067】イオン化室21でイオン化された試料イオ
ンは、イオン引き出しおよび偏向のための電極群23に
よって、図の矢印方向に方向付けられ分析管に導入され
る。このECR電子線源10におけるECRセル1は、
全体が円筒形に構成されている。すなわち、送信電極1
1,12および受信電極13,14は円筒面の一部をな
すような形状に形成されており、トラップ電極16も円
形に形成されている。ECRセル1全体は、真空容器1
00内に配置されている。そして、空心コイルからなる
電磁石8により、ECRセル1に静磁場が印加される。
【0068】以上のようなECR電子線源10からの電
子団による試料のイオン化は、単収束、二重収束、四重
極質量分析計に適用でき、その他、飛行時間方式質量分
析計および外部イオン源を備えた超電導方式FT−IC
R質量分析計にも適用できる。電子団による試料の選択
的なイオン化と質量分析とを組み合わせることにより、
混合成分の同時分析を行うには極めて有利な分析手段と
なる。
【0069】図8は、永久磁石方式FT−ICR質量分
析計を使用した場合の質量分析装置の構成例を示す図で
ある。永久磁石方式のFT−ICR質量分析計30で
は、ICRセル31に永久磁石33によって静磁場Bが
印加されている。ICRセル31には、この静磁場Bに
直交する方向に電子団が導入される。このため、電子団
にはローレンツ力が働き、ICRセル31への飛行軌道
に影響を受けてしまう。この静磁場による飛行軌道への
影響をなくすために、電子団の導入経路に一対または複
数対の偏向電極34を配置し、これにローレンツ力をう
ち消す電場を加える。そして、電子団をICRセル31
に導く。電子コレクタ32は従来と同様に用いられる。
【0070】また、この質量分析装置のECR電子線源
10aは、全体的には図7のECR電子線源10と同様
の構成であるが、電子団をECRセル1から取り出すた
めの電極群35が設けられている点が異なる。ECRセ
ル1全体は、真空容器100内に配置されており、電磁
石8によりECRセル1に静磁場が印加される。このE
CR電子線源10aでは、電子団をECRセル1から取
り出すときに、静磁場を遮断するのではなく、ECRセ
ル1内の電極群35にそれぞれ所定の電位を与えて電子
団の軌道を変更し、FT−ICR質量分析計30に導入
するようにしている。
【0071】これらの電極群35は、偏向電極34と同
一直線上に設けられている。図5における、静磁場を遮
断するのと同じタイミングで、これらの電極群35のそ
れぞれに所定の電位を印加すればよい。電極群35によ
る電場が、電子に対する静磁場からの力を打ち消して、
電子が直線運動を行うように、電極群35のそれぞれの
電位が設定される。
【0072】以上説明した試料のイオン化方法におい
て、荷電粒子として電子に換えてイオン粒子を用い、イ
オンサイクロトロン共鳴(ICR)によってエネルギー
を均一化したイオン粒子線を使用することもできる。こ
の場合は、ICRセル内にあらかじめアルゴン、ネオン
等の試料イオンとは異なる適切な作用気体を導入してお
く。フィラメントから照射される熱電子は作用気体分子
をイオン化する。作用気体から生じたイオンを同じく式
1で定まる角周波数の高周波パルスで励起し、イオンサ
イクロトロン共鳴を起こさせれば、前述の電子団と同様
に、エネルギーレベルが所要の値に整えられたイオンビ
ームを得ることができる。
【0073】この場合は、トラップ電極に正電位を与え
ること、サイクロトロン共鳴におけるイオンの円運動が
電子の場合とは逆方向になること、イオンサイクロトロ
ンでは同一静磁場に対して共鳴周波数がイオンの質量に
反比例して低くなる(イオンの質量は電子の質量に比べ
てかなり大きいため、共鳴周波数は電子の場合よりかな
り小さくなる)こと等が、電子サイクロトロン共鳴とは
異なるが、それ以外の動作は同様である。
【0074】本発明の質量分析装置のように、ECR電
子線源による電子線は、そのエネルギーが精密に設定可
能かつ変更可能であるから、炭化水素のように異性体を
多く含む混合試料の質量分析に極めて有用である。すな
わち、このような混合試料の分析においては、直接、短
時間に成分を分離定量する方法は未だ実現されていない
が、本発明による選択イオン化を用いれば、イオン化ポ
テンシャルの差異にしたがって試料成分を順次イオン化
して、順次それらの試料成分の質量スペクトルを得るこ
と、および、順次それらの試料成分を定量することが可
能となる。
【0075】しかも、個々のイオン化に要する時間は、
10〜1000ms程度にできるので分析は高速とな
る。また、ECR電子線源によるイオン源をFT−IC
R質量分析計と併用すれば、FT−ICRの極めて高い
質量分解能によって比質量偏差(Packing Fraction)に
よる化学組成の弁別が可能であることに加えて、イオン
化ポテンシャルによる試料の選択イオン化により、混合
試料の精密かつ詳細な高速分析が可能になる。
【0076】本発明のECR電子線源は、B0/ω0の比
率を保つ条件の下で、静磁場B0 および角周波数ω0
広範に変化させることができるので、開裂イオンの少な
いいわゆるソフトイオン化が可能になる。現在まで多用
されているEIイオン源は、30〜70eVという高エ
ネルギーで試料をイオン化するので、試料分子が切断さ
れて生じる開裂イオンが非常に多い。純物質の構造解析
などでは、これらの開裂イオンによるフラグメントピー
クは、試料の分子構造の解析、同定に役立ってきた。し
かし、混合試料の組成分析においては、フラグメントピ
ークの存在は異種成分に基づくピークの複雑な重なりを
生じ、質量スペクトルの解釈を困難なものとするばかり
でなく、分析が不可能となることもあった。
【0077】したがって、混合試料の分析では、可能で
あれば1成分1ピークとすることが望ましく、それが無
理でも、開裂を伴わない分子のイオンに基づく質量ピー
ク(親ピーク)を大きく得ることが望ましい。このよう
なイオン化をソフトイオン化と称し、化学イオン化(C
I:Chemical Ionization)法、インビームイオン化法な
ど種々の手法が提案され実行されてきた。しかし、従来
のソフトイオン化法は、イオン化ポテンシャルを任意に
設定できないことから、その応用には制約があった。こ
のような分野においても、本発明のECR電子線源は、
任意の均一なエネルギーの線源を供給することができ、
ソフトイオン化に望ましい特性を備えている。
【0078】さらに、本発明のECR電子線源は、試料
分子のイオン化において、所望の値の極めて均一なエネ
ルギーの線源を供給するので、試料分子内の任意の原
子、原子団、官能基の結合を開裂することが可能にな
る。このことは、例えば、発生するフラグメントの測定
から開裂した結合を定めることを可能とし、さらに、線
源のエネルギーから開裂部分の結合エネルギーを求める
ことを可能にする。その他、ECR電子線源による任意
の均一なエネルギー照射は、化学反応の制御、生成物の
同定などにも有用である。このように、本発明の応用分
野は広く、発明の効果は極めて大きい。
【0079】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したように構成さ
れているので、以下のような効果を奏する。
【0080】サイクロトロン共鳴によってエネルギーを
均一化した荷電粒子団を試料分子に衝突させて試料分子
をイオン化するようにしたので、荷電粒子のエネルギー
を精密に設定可能かつ変更可能であり、混合試料の質量
分析に極めて有用である。すなわち、荷電粒子のエネル
ギーによる選択イオン化を用いれば、イオン化ポテンシ
ャルの差異にしたがって試料成分を順次イオン化して、
順次それらの試料成分の質量スペクトルを得ること、お
よび、順次それらの試料成分を定量することが可能とな
り、複数成分の同時分析が可能となる。また、イオン化
に要する時間も短時間で済み、迅速な測定を行うことが
できる。さらに、試料分子に開裂をできるだけ生じさせ
ないソフトイオン化が可能となる。また、目的とする結
合部分を選択的に開裂させることにより、分子構造や結
合エネルギーの分析が可能となる。
【0081】電子サイクロトロン共鳴によってエネルギ
ーを均一化した電子団を試料分子に衝突させて試料分子
をイオン化するようにしたので、電子のエネルギーを精
密に設定可能かつ変更可能であり、混合試料の質量分析
に極めて有用である。すなわち、電子のエネルギーによ
る選択イオン化を用いれば、イオン化ポテンシャルの差
異にしたがって試料成分を順次イオン化して、順次それ
らの試料成分の質量スペクトルを得ること、および、順
次それらの試料成分を定量することが可能となり、複数
成分の同時分析が可能となる。また、イオン化に要する
時間も短時間で済み、迅速な測定を行うことができる。
さらに、試料分子に開裂をできるだけ生じさせないソフ
トイオン化が可能となる。また、目的とする結合部分を
選択的に開裂させることにより、分子構造や結合エネル
ギーの分析が可能となる。そして、荷電粒子を電子とし
たので、その生成が容易であり、また質量も電荷も一定
であるため線源のエネルギーが極めて均一となる。
【0082】電子団照射手段を、共鳴セル内の電子団の
軌道が所定の回転半径に達したときに静磁場を遮断して
電子団を共鳴セルの外部に取り出すものとしたので、共
鳴セルに余分な電極等が必要でなく、電磁石の遮断制御
のみで電子団を取り出すことができる。
【0083】空心コイルによって静磁場を発生させるよ
うにしたので、静磁場の遮断制御を時間遅れなく高速に
行うことが可能となり、電子団を所望の方向に取り出す
ことが容易となる。
【0084】電子団照射手段を、共鳴セル内の電子団の
軌道が所定の回転半径に達したときに複数の電極に所定
の直流電場を印加して電子団を共鳴セルの外部に取り出
すものとしたので、静磁場を遮断することなく電子団を
取り出すことができる。このため、永久磁石により静磁
場を発生する構成とすることもできる。
【0085】ECR電子線源による試料分子のイオン化
と、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計
とを併用するようにしたので、イオン化ポテンシャルに
よる試料の選択的なイオン化と、FT−ICRの極めて
高い質量分解能によって、混合試料の精密かつ詳細な高
速分析が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、自動車排気ガスに含まれる成分におけ
るイオン化ポテンシャルの例を示す図である。
【図2】図2は、本発明におけるECRセルの基本構成
を示す図である。
【図3】図3は、ECRセル内部の電位分布を示す図で
ある。
【図4】図4は、ECRセル内の電子の運動を示す図で
ある。
【図5】図5は、ECRセルの動作手順を示す図であ
る。
【図6】図6は、ECRセルの駆動および制御回路の構
成例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の質量分析装置の構成例を示す
図である。
【図8】図8は、永久磁石方式FT−ICR質量分析計
を使用した場合の質量分析装置の構成例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…ECRセル 2…高周波電圧源 3…高周波増幅器 4…コンピュータ 5…トリガー回路 6…励磁電源 7…ゲート回路 8…電磁石 10,10a…ECR電子線源 11,12…送信電極 13,14…受信電極 15,16…トラップ電極 17…フィラメント 18…制御電極 19,22,32…電子コレクタ 20…質量分析計 21…イオン化室 23…電極群 30…FT−ICR質量分析計 31…ICRセル 33…永久磁石 34…偏向電極 35…電極群 100…真空容器 161…貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−84753(JP,A) 特開 昭53−132396(JP,A) 特開 平8−186000(JP,A) 特開 平1−163954(JP,A) 特表 平7−508127(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 49/00 - 49/42

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静磁場内に置かれた真空容器(100)中
    に荷電粒子を内包するように配置された複数の電極対
    (11〜16)からなる共鳴セル(1)の内部に、前記
    荷電粒子を供給または生成する手順と、 前記共鳴セル(1)の所定の電極対(11,12)に交
    流電場を印加するとともに、前記荷電粒子が静磁場内に
    おいてサイクロトロン共鳴を誘起するように、前記交流
    電場の周波数と前記静磁場の強度とを設定または変更制
    御する手順と、 サイクロトロン共鳴によって、複数の成分が混合してい
    る混合試料の中の特定の成分を選択的にイオン化する値
    のエネルギーを得た荷電粒子団を前記共鳴セル(1)か
    ら取り出す手順と、 前記共鳴セル(1)から取り出した荷電粒子団を前記混
    合試料の試料分子に衝突させ、荷電粒子のエネルギーに
    より特定の成分の試料分子を選択的に イオン化する手順
    とを有する試料イオン化方法。
  2. 【請求項2】静磁場内に置かれた真空容器(100)中
    に荷電粒子を内包するように配置された複数の電極対
    (11〜16)からなる共鳴セル(1)の内部に、前記
    荷電粒子を供給または生成する手順と、 前記共鳴セル(1)の所定の電極対(11,12)に交
    流電場を印加するとともに、前記荷電粒子が静磁場内に
    おいてサイクロトロン共鳴を誘起するように、前記交流
    電場の周波数と前記静磁場の強度とを設定または変更制
    御する手順と、 サイクロトロン共鳴によって、試料分子の中の特定の結
    合部分を選択的に開裂させる値のエネルギーを得た荷電
    粒子団を前記共鳴セル(1)から取り出す手順と、 前記共鳴セル(1)から取り出した荷電粒子団を前記試
    料分子に衝突させ、荷電粒子のエネルギーにより特定の
    結合部分を選択的に開裂させてイオン化する手順とを有
    する試料イオン化方法。
  3. 【請求項3】静磁場内に置かれた真空容器(100)中
    に配置されて電子を供給する電子供給手段(17)か
    ら、前記電子を内包するよう前記真空容器中に配置され
    た複数の電極対(11〜16)からなる共鳴セル(1)
    の内部に電子を供給する手順と、 前記共鳴セル(1)の所定の電極対(11,12)に交
    流電場を印加するとともに、前記電子が静磁場内におい
    て電子サイクロトロン共鳴を誘起するように、前記交流
    電場の周波数と前記静磁場の強度とを設定または変更制
    御する手順と、 電子サイクロトロン共鳴によって、複数の成分が混合し
    ている混合試料の中の特定の成分を選択的にイオン化す
    る値のエネルギーを得た電子団を前記共鳴セル(1)か
    ら取り出す手順と、 前記共鳴セル(1)から取り出した電子団を前記混合試
    料の試料分子に衝突させ、電子のエネルギーにより特定
    の成分の試料分子を選択的にイオン化する手順とを有す
    試料イオン化方法。
  4. 【請求項4】静磁場内に置かれた真空容器(100)中
    に配置されて電子を供給する電子供給手段(17)か
    ら、前記電子を内包するよう前記真空容器中に配置され
    た複数の電極対(11〜16)からなる共鳴セル(1)
    の内部に電子を供給する手順と、 前記共鳴セル(1)の所定の電極対(11,12)に交
    流電場を印加するとともに、前記電子が静磁場内におい
    て電子サイクロトロン共鳴を誘起するように、前記交流
    電場の周波数と前記静磁場の強度とを設定または変更制
    御する手順と、 電子サイクロトロン共鳴によって、試料分子の中の特定
    の結合部分を選択的に開裂させる値のエネルギーを得た
    電子団を前記共鳴セル(1)から取り出す手順と、 前記共鳴セル(1)から取り出した電子団を前記試料分
    子に衝突させ、電子のエネルギーにより特定の結合部分
    を選択的に開裂させてイオン化する手順とを有する試料
    イオン化方法。
  5. 【請求項5】静磁場内に置かれた真空容器(100)
    と、 前記真空容器(100)中に配置され、荷電粒子を供給
    または生成する荷電粒子供給手段(17)と、 前記荷電粒子を内包するよう前記真空容器(100)中
    に配置された複数の電極対からなる共鳴セル(1)と、 前記共鳴セル(1)の所定の電極対(11,12)に交
    流電場を印加するとともに、前記荷電粒子が静磁場内に
    おいてサイクロトロン共鳴を誘起するように、前記交流
    電場の周波数と前記静磁場の強度とを設定または変更制
    御する共鳴制御手段(4)と、 サイクロトロン共鳴によって、複数の成分が混合してい
    る混合試料の中の特定の成分を選択的にイオン化する値
    のエネルギーを得た荷電粒子団を前記共鳴セル(1)か
    ら取り出して前記混合試料の試料分子に衝突させ、荷電
    粒子のエネルギーにより特定の成分の試料分子を選択的
    にイオン化する荷電粒子団照射手段(5,7) とを有す
    るイオン源。
  6. 【請求項6】静磁場内に置かれた真空容器(100)
    と、 前記真空容器(100)中に配置され、電子を供給する
    電子供給手段(17)と、 前記電子を内包するよう前記真空容器(100)中に配
    置された複数の電極対からなる共鳴セル(1)と、 前記共鳴セル(1)の所定の電極対(11,12)に交
    流電場を印加するとともに、前記電子が静磁場内におい
    て電子サイクロトロン共鳴を誘起するように、前記交流
    電場の周波数と前記静磁場の強度とを設定または変更制
    御する共鳴制御手段(4)と、 電子サイクロトロン共鳴によって、複数の成分が混合し
    ている混合試料の中の特定の成分を選択的にイオン化す
    る値のエネルギーを得た電子団を前記共鳴セルから取り
    出して前記混合試料の試料分子に衝突させ、電子のエネ
    ルギーにより特定の成分の試料分子を選択的にイオン化
    する電子団照射手段(5,7)とを有するイオン源
  7. 【請求項7】静磁場内に置かれた真空容器(100)
    と、 前記真空容器(100)中に配置され、荷電粒子を供給
    または生成する荷電粒子供給手段(17)と、 前記荷電粒子を内包するよう前記真空容器(100)中
    に配置された複数の電極対からなる共鳴セル(1)と、 複数の成分が混合している混合試料をイオン化して質量
    分析を行う質量分析手段(20,30)と、 前記共鳴セル(1)の所定の電極対(11,12)に交
    流電場を印加するとともに、前記荷電粒子が静磁場内に
    おいてサイクロトロン共鳴を誘起するように、前記交流
    電場の周波数と前記静磁場の強度とを設定または変更制
    御する共鳴制御手段(4)と、 サイクロトロン共鳴によって、前記混合試料の中の特定
    の成分を選択的にイオン化する値のエネルギーを得た荷
    電粒子団を前記共鳴セル(1)から取り出して、前記質
    量分析手段(20,30)の前記混合試料の試料分子に
    衝突させ、荷電粒子のエネルギーにより特定の成分の試
    料分子を選択的にイオン化する荷電粒子団照射手段
    (5,7)とを有する 質量分析装置。
  8. 【請求項8】静磁場内に置かれた真空容器(100)
    と、 前記真空容器(100)中に配置され、電子を供給する
    電子供給手段(17)と、 前記電子を内包するよう前記真空容器(100)中に配
    置された複数の電極対からなる共鳴セル(1)と、複数の成分が混合している混合 試料をイオン化して質量
    分析を行う質量分析手段(20,30)と、 前記共鳴セル(1)の所定の電極対(11,12)に交
    流電場を印加するとともに、前記電子が静磁場内におい
    て電子サイクロトロン共鳴を誘起するように、前記交流
    電場の周波数と前記静磁場の強度とを設定または変更制
    御する共鳴制御手段(4)と、 電子サイクロトロン共鳴によって、前記混合試料の中の
    特定の成分を選択的にイオン化する値のエネルギーを得
    た電子団を前記共鳴セルから取り出して、前記質量分析
    手段(20,30)の前記混合試料の試料分子に衝突さ
    せ、電子のエネルギーにより特定の成分の試料分子を選
    択的にイオン化する電子団照射手段(5,7)とを有す
    る質量分析装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載した質量分析装置であっ
    て、 前記電子団照射手段(5,7)は、前記共鳴セル(1)
    内の電子団の軌道が所定の回転半径に達したときに、静
    磁場を遮断して前記電子団を前記共鳴セル(1)の外部
    に取り出すものである質量分析装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載した質量分析装置であっ
    て、 前記静磁場は、空心コイル(8)によって発生されるも
    のである質量分析装置。
  11. 【請求項11】請求項8に記載した質量分析装置であっ
    て、 前記電子団照射手段は、前記共鳴セル(1)内の電子団
    の軌道が所定の回転半径に達したときに、複数の電極
    (35)に所定の直流電場を印加して前記電子団を前記
    共鳴セル(1)の外部に取り出すものである質量分析装
    置。
  12. 【請求項12】請求項7〜11のいずれか1項に記載し
    た質量分析装置であって、 前記質量分析手段(30)は、フーリエ変換イオンサイ
    クロトロン共鳴質量分析計である 質量分析装置。
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