JPH09101144A - 標識の自動視準方法 - Google Patents

標識の自動視準方法

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JPH09101144A
JPH09101144A JP7258538A JP25853895A JPH09101144A JP H09101144 A JPH09101144 A JP H09101144A JP 7258538 A JP7258538 A JP 7258538A JP 25853895 A JP25853895 A JP 25853895A JP H09101144 A JPH09101144 A JP H09101144A
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JP
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Application number
JP7258538A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Saiki
啓 斉木
Hideaki Arita
秀昶 有田
Naoki Moriuchi
直樹 森内
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測距・測角手段を標識に描かれた円の中心を
視準するように制御する標識の自動視準方法を提供す
る。 【解決手段】 真円が描かれた標識を撮像することによ
り得られた入力画像から所定値以上の輝度を有する画素
を抽出して標識領域を確定する工程と、前記標識領域か
ら所定値以下の輝度を有する画素を抽出して測距図形領
域を検出する工程と、前記測距図形領域に細線化処理又
は芯線化処理を施して図形点列データを形成する工程
と、前記図形点列データを線成分データに分けて、曲線
の線成分データを構成する楕円構成画素を抽出する工程
と、前記楕円構成画素の5個の楕円構成画素をランダム
に抽出し、この5個の楕円構成画素を通る楕円方程式に
よって特定される楕円の中心座標を求める工程とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木建築物や大型
構造物等の3次元データを測定する測距・測角手段を、
標識に描かれた円の中心に視準する標識の自動視準方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、土木建築物や大型構造物等の
3次元データを測定するには、土木建築物や大型構造物
等の要所に例えば円の中心に十字が描かれた標識を設置
し、測点にトランシットとしての機能を兼ね備えたレー
ザー測距計等の測距・測角手段を設置して、測距・測角
手段の望遠鏡内部に設けられた十字線を標識に描かれた
円の中心(十字の交点)に目視で合わせて視準すること
により、円の中心の水平角、高低角、及び測点から円の
中心までの直線距離を測定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
測定方法では、目視で視準を行っているので、作業が煩
雑であり、また、精度良く測定するためには、熟練した
観測者が必要になるという問題がある。さらに、熟練し
た観測者を採用したとしても、観測者個人毎に感覚の相
違に基づく癖があるので、測定されたデータに個人誤差
が含まれるという問題がある。
【0004】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
のであり、標識に描かれた円の中心に測距・測角手段を
容易に視準することができる標識の自動視準方法を提供
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る標識の自動視準方法は、光
軸が測距・測角手段の視準軸と一致するように設けられ
た撮像手段により、明色の背景に少なくとも円を含む測
距図形が暗色で描かれた標識を撮像し、前記撮像手段に
よって得られた二次元の入力画像のデータから前記標識
に描かれた前記円に対応する楕円のデータを抽出して前
記入力画像上での前記楕円の中心座標を求め、前記楕円
の中心座標と前記入力画像の中心座標との差に基づい
て、前記楕円の中心に前記測距・測角手段を視準する標
識の自動視準方法であって、前記入力画像を構成する画
素の中から所定値以上の輝度を有する画素を抽出し、こ
の抽出した画素が複数個連続して形成する領域のうち最
大面積を有する領域の内側全てを前記標識の領域として
確定する第一の工程と、前記入力画像を構成する画素の
うち前記標識の領域内にある画素の中から所定値以下の
輝度を有する画素を抽出し、この抽出した画素が複数個
連続して形成する領域を前記測距図形が描かれた測距図
形領域として確定する第二の工程と、前記測距図形領域
に細線化処理又は芯線化処理を施して、前記入力画像上
に図形構成画素が一列に連なる図形点列データに変換す
る第三の工程と、前記図形点列データを直線又は曲線の
データである線成分データに分け、前記線成分データの
中から曲線の線成分データを取り出すことにより、前記
図形構成画素の中から前記楕円を構成する楕円構成画素
を抽出する第四の工程と、前記楕円構成画素の中から5
個の楕円構成画素をランダムに抽出し、この抽出した5
個の楕円構成画素を通る2変数の楕円方程式を求め、こ
の楕円方程式によって特定される楕円の前記入力画像上
での中心座標を求める第五の工程と、を具備することを
特徴とするものである。
【0006】請求項2記載の発明に係る標識の自動視準
方法は、請求項1記載の発明において、前記第五の工程
が、前記楕円構成画素の中から5個の楕円構成画素をラ
ンダムに抽出し、この抽出した5個の楕円構成画素を通
る2変数の楕円方程式と前記楕円構成画素の各々から前
記楕円方程式によって特定される楕円までの最短距離の
平均値とを求める処理を所定回数行い、前記平均値の小
さいものから上位複数の楕円方程式に平均処理を施した
楕円方程式又は前記平均値が最も小さい楕円方程式によ
って特定される楕円の前記入力画像上での中心座標を求
めることを特徴とするものである。
【0007】請求項3記載の発明に係る標識の自動視準
方法は、請求項1又は2記載の発明において、前記第五
の工程が、前記楕円構成画素の平均座標を中心とし、前
記楕円構成画素のいずれか一つを始点として、前記楕円
構成画素を時計回り又は反時計回りの順序で抽出して並
べる工程を有し、前記並べた前記楕円構成画素の中から
5個の楕円構成画素をサンプリング間隔が略等間隔とな
るようにランダムに抽出することを特徴とするものであ
る。
【0008】請求項4記載の発明に係る標識の自動視準
方法は、請求項1,2又は3記載の発明において、前記
第五の工程の後に、前記標識の前記測距・測角手段の視
準線に直交する平面に対する傾きを求める第六の工程を
具備することを特徴とするものである。請求項5記載の
発明に係る標識の自動視準方法は、光軸が測距・測角手
段の視準軸と一致するように設けられた撮像手段によ
り、暗色の背景に少なくとも円を含む測距図形が明色で
描かれた標識を撮像し、前記撮像手段によって得られた
二次元の入力画像のデータから前記標識に描かれた前記
円に対応する楕円のデータを抽出して前記入力画像上で
の前記楕円の中心座標を求め、前記楕円の中心座標と前
記入力画像の中心座標との差に基づいて、前記楕円の中
心に前記測距・測角手段を視準する標識の自動視準方法
であって、前記入力画像を構成する画素の中から所定値
以下の輝度を有する画素を抽出し、この抽出した画素が
複数個連続して形成する領域のうち最大面積を有する領
域の内側全てを前記標識の領域として確定する第一の工
程と、前記入力画像を構成する画素のうち前記標識の領
域内にある画素の中から所定値以上の輝度を有する画素
を抽出し、この抽出した画素が複数個連続して形成する
領域を前記測距図形が描かれた測距図形領域として確定
する第二の工程と、前記測距図形領域に細線化処理又は
芯線化処理を施して、前記入力画像上に図形構成画素が
一列に連なる図形点列データに変換する第三の工程と、
前記図形点列データを直線又は曲線のデータである線成
分データに分け、前記線成分データの中から曲線の線成
分データを取り出すことにより、前記図形構成画素の中
から前記楕円を構成する楕円構成画素を抽出する第四の
工程と、前記楕円構成画素の中から5個の楕円構成画素
をランダムに抽出し、この抽出した5個の楕円構成画素
を通る2変数の楕円方程式を求め、この楕円方程式によ
って特定される楕円の前記入力画像上での中心座標を求
める第五の工程と、ことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】ここで、第一の工程における所定値は、例えば
入力画像を構成する画素の輝度分布ヒストグラムを用い
て決定される。この輝度分布ヒストグラムには、標識の
下地(測距図形が描かれていない部分)に対応する高輝
度の画素のピークと、測距図形及び標識が設置された鉄
骨部材(一般に鉄骨部材には暗色の錆止塗料が塗布され
ている。)に対応する低輝度の画素のピークとが形成さ
れる。したがって、両方のピークの間に形成されるボト
ムでの輝度値を所定値に決定することにより、標識領域
が撮像されている領域を抽出することができる。
【0010】また、第二の工程における所定値は、例え
ば標識の領域内の入力画像を構成する画素の輝度分布ヒ
ストグラムを用いて決定される。この輝度分布ヒストグ
ラムには、測距図形に対応する低輝度の画素のピーク
と、標識の下地に対応する高輝度の画素のピークとが形
成されるので、両方のピークの間に形成されるボトムで
の輝度値を所定値に決定することにより、測距図形が撮
像されている領域を抽出することができる。
【0011】また、第四の工程において、図形点列デー
タを線成分データに分けるには、入力画像を走査して図
形構成画素を検索し、最初に検出した図形構成画素を第
1番目の線構成画素として特定した後、第1番目の線構
成画素に隣接する一つの図形構成画素を第2番目の線構
成画素として選択的に特定し、その後、第N−2番目の
線分構成画素から第N−1番目の線分構成画素へ進む方
向を進行方向として、第N−1番目の線分構成画素に隣
接し且つ進行方向又は進行方向の左右いずれかにある一
つの図形構成画素を第N番目の線分構成画素として選択
的に特定する処理をN=3から順番に行うことにより、
図形点列データを構成する一つの線成分データを抽出す
る処理と、入力画像のデータから特定された線構成画素
を削除する処理とを、入力画像のデータ上に図形構成画
素がなくなるまで行う。これにより、図形点列データを
構成する全ての線成分データを抽出することができる。
【0012】また、第四の工程において、曲線の線成分
データを抽出するには、抽出した全ての線成分データに
ついて第1番目の線構成画素と最終番目の線構成画素と
を結ぶ直線と中間付近にある1以上の線構成画素との法
線距離を算出し、この法線距離が所定値(例えば2画素
分)以上あるものを検索することにより行う。また、第
五の工程において、5個の楕円構成画素を通る2変数の
楕円方程式は次式で表される。ここで、x,yは変数、
a,b,c,f,gは定数である。
【0013】 ax2 +2bxy+y2 +2fx+2gy+c=0
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形
態を実現するために用いる測定システムの概略構成図で
ある。図1に示す測定システムは、土木建築物や大型構
造物等を構成する鉄骨部材6の要所に設置された標識1
と、標識1を視準するための望遠鏡が取り付けられたレ
ーザー測距計2と、画像処理装置3と、コンピュータ4
と、標識1に光を当てるための照明具5と、を備えてい
る。
【0015】標識1は、白色、銀灰色、黄色等の明るい
色をした矩形板に黒色、褐色等の暗い色でマーク(測距
図形)が描かれたものである。マークの典型的な例を図
2(a)〜(d)に示す。マーク形状は、図2に示すも
のに限定されないが、少なくとも円を含む形状でなけれ
ばならない。但し、この円は必ずしも連続した線で構成
されている必要はなく、例えば、複数の破線で構成され
ているものでもよい。尚、本実施の形態では、図2
(b)に示すマーク、すなわち円の中心に十字線の交点
が位置するようにマークが描かれた標識を用いた場合に
ついて説明する。
【0016】レーザー測距計2は、トランシットとして
の機能を兼ね備えており、測点から視準点までの直距離
の他、視準点の水平角及び高低角を測定することができ
る。また、レーザー測距計2は、オートフォーカス機構
を備えたCCDカメラと、モータと、を具備している。
CCDカメラは、光軸が望遠鏡の視準軸と一致するよう
に設けられており、撮像したものを2次元の入力画像の
データとして画像処理装置3へ出力する。尚、本実施例
で用いる入力画像のデータは、水平(X軸)方向の画素
数がNx 、垂直(Y軸)方向のライン数がNy であり、
各画素の輝度は256階調で表示される。モータは、コ
ンピュータ4からの指令に基づき、望遠鏡の視準方向の
水平角及び高低角を調節する。
【0017】画像処理装置3は、CCDカメラによって
得られた入力画像のデータを格納するための画像メモリ
を含み、コンピュータ4からの指令に基づき、CCDカ
メラによって得られた画像データに所定の処理を施し、
標識1に描かれた円の画像データ上での中心座標等を算
出する。コンピュータ4は、レーザー測距計2や画像処
理装置3への指令、レーザー測距計2や画像処理装置3
から送られてきたデータの統合・変換等を行う。また、
オペレータ(観測者)は、コンピュータ4のキーボード
を介して様々な処理を行うことができる。尚、このシス
テムでは、コンピュータ4と画像処理装置3とのインタ
ーフェースにGPIBを、そしてコンピュータ4とレー
ザー測距計2とのインターフェースにRS232Cを用
いている。
【0018】次に、本実施の形態の処理手順について図
3を用いて説明する。本実施の形態は、主に画像処理装
置3の処理ソフトウェアとして実現されている。尚、図
3において、step1 〜 step2は第一の工程に、step3 は
第二の工程に、step4 は第三の工程に、step5 〜 step8
は第四の工程に、step9 は第五の工程に、そして、step
10は第六の工程に相当する。
【0019】先ず、観測者がレーザー測距計2の望遠鏡
で標識1を大まかに視準すると、レーザー測距計2のC
CDカメラが標識1を撮像し、2次元の入力画像のデー
タを画像処理装置3に出力する。入力画像は、標識1が
CCDカメラの視野内に入っていれば図4(a)に示す
ようになるが、標識1の一部がCCDカメラの視野内か
ら欠けている場合や標識1がCCDカメラの視野内に全
く入っていない場合は、それぞれ図4(b)、図4
(c)に示すようになる。一般に、標識1が土木建築物
や大型構造物等の要所に設置されている場合、標識1は
レーザー測距計2の設置位置との関係から傾いた状態で
視認されるので、標識1上に描かれた円は楕円として撮
像される。
【0020】画像処理装置3は、CCDカメラによって
得られた入力画像から標識候補領域を検出する(step1)
。先ず、図5(a)に示すように、入力画像の各画素
の輝度値をX軸方向及びY軸方向の各ライン毎に積算し
て輝度分布データを作成する。図5(a)において、f
v (x)はX軸方向のxライン上にある画素の輝度値を
積算した値、fh(y)はY軸方向のyライン上にある
画素の輝度値を積算した値である。
【0021】次に、fv (x)、fh(y)にライン幅
PHの移動平均を施し、結果をf′v (x)、f′h
(y)とする。たとえば、ライン幅PHを3ラインとし
た場合、f′v (x)、f′h(y)はそれぞれ次式で
表される。 f′v (x)=(fv (x−1)+fv (x)+fv
(x+1))/3 f′h(y)=(fh(y−1)+fh(y)+fh
(y+1))/3 次に、f′v (x)のX軸方向の全ラインについての平
均値と最大値とを求め、最大値のQH%(例えば85
%)又は(最大値+平均値)/2(これ等の値をS値と
いう)以上の値を有するラインが所定数(例えばNxの
20%に相当する数)以上連続するX軸方向領域を抽出
する。また、同様に、f′h(y)のY軸方向の全ライ
ンについての平均値と最大値とを求め、最大値のQH%
(例えば85%)又は(最大値+平均値)/2(これ等
の値をT値という)以上の値を有するラインが所定数
(例えばNyの20%に相当する数)以上連続するY軸
方向領域を抽出する。次に、図5(b)に示すように、
抽出したX軸方向領域とY軸方向領域との交差領域を検
出し、この交差領域にある各画素の輝度値をX軸方向及
びY軸方向の各ライン毎に積算して再度輝度分布データ
を作成する。図5(b)において、f″v (x)は交差
領域でのX軸方向のxライン上にある画素の輝度値を積
算した値、f″h(y)は交差領域でのY軸方向のyラ
イン上にある画素の輝度値を積算した値である。そし
て、全てのf″v (x)、f″h(y)がそれぞれ上記
のS値、T値以上であれば、この交差領域を標識候補領
域として検出する。本実施の形態では、X軸方向がxs
〜xe 、Y軸方向がys 〜ye で特定される領域を標識
候補領域として検出したものとする。
【0022】尚、X軸方向領域又はY軸方向領域を抽出
できなかった場合、あるいは、X軸方向領域及びY軸方
向領域を抽出できたが、交差領域のf″v (x)又は
f″h(y)がそれぞれ上記のS値、T値以下である場
合は、図4(c)に示すように、入力画像に標識が撮像
されていないか、或いは標識のごく一部分しか撮像され
ていないと考えられるので、コンピュータ4のディスプ
レイ等に標識候補領域を特定できなかった旨を表示し
て、観測者に望遠鏡の視準方向の変更又はCCDカメラ
の視野範囲の変更を促す。
【0023】また、標識候補領域として特定した領域が
入力画像の端部を含む場合は、図4(b)に示すよう
に、標識の一部が欠けて撮像されているものと考えられ
るので、必要ならばコンピュータ4によりレーザー測距
計2のモータを駆動し、望遠鏡が標識候補領域の中心付
近を視準するように調節して、再度入力画像のデータを
取り込み、上述した一連の処理を行うようにしてもよ
い。
【0024】尚、後述するstep2 以降の処理について
は、CCDカメラによって得られた入力画像のうち標識
候補領域内にある画像(以下、これを標識候補画像とい
う)のデータのみを対象として行われる。これは、画像
メモリの負担を減らして、処理の高速化を図るためであ
る。本実施の形態では、入力画像の(xs ,ys )を原
点、X軸方向の画素数をMx 、Y軸方向のライン数をM
y とする第二のXY座標系を設け、この第二のXY座標
系を用いて標識候補画像の画素の位置を表している。こ
こで、Mx =xe −xs 、My =ys −ye である。
【0025】次に、画像処理装置3は標識領域を検出す
る(step2) 。先ず、標識候補画像を構成する画素につい
て、輝度分布ヒストグラムを作成し、図6(a)に示す
ような標識1の下地(マークが描かれていない部分)に
対応する輝度を有する画素を抽出する。輝度分布ヒスト
グラムは、図6(b)に示すように、標識1の下地に対
応する高輝度画素のピーク頻度と、標識1のマークが描
かれている部分及び標識1が設置された鉄骨部材6(一
般に鉄骨部材には暗色の錆止塗料が塗布されている)に
対応する低輝度画素のピーク頻度とを有する2峰性輝度
分布になると考えられる。したがって、両方のピーク頻
度の間に形成されるボトム頻度での輝度値を閾値とし、
例えば、図7に示すように、高輝度側の画素を黒画素に
変換し、そして低輝度側の画素を白画素に変換するよう
に二値化することにより、標識1の下地に対応する輝度
を有する画素を抽出することができる。
【0026】尚、マークが描かれている部分に対応する
画素の輝度と鉄骨部材6に対応する画素の輝度とが異な
るため低輝度画素のピーク頻度が二つあるような場合
や、低輝度画素のピーク頻度がきれいに形成されなかっ
た場合は、高輝度画素のピーク頻度を中心として、この
ピーク頻度の例えば10%以上の頻度を有する輝度範囲
内にある画素を黒画素、この輝度範囲外にある画素を白
画素とする二値化を行って標識1に対応する輝度を有す
る画素を抽出すればよい。
【0027】次に、図7に示すように、黒画素が連続す
る領域にラベリング処理を行い、ラベルが付された領域
のうち、その領域の輪郭線によって囲まれる面積が最大
で且つ所定値(例えば、Mx×Myの75%に相当する
面積値等)以上有する領域の内側全てを標識領域として
特定する。そして、特定した標識領域以外の領域を削除
する。図7に示す例では、label1が最も大きい面積を有
するので、label1の面積が所定値以上あれば、label1を
標識領域として特定し、label2〜label7を削除する。
尚、ラベリングした領域に所定値以上のものがない場合
は、標識1が標識候補領域内に撮像されていないものと
考えられるので、コンピュータ4のディスプレイ等に標
識領域を特定できなかった旨を表示して、観測者に望遠
鏡の視準方向の変更又はCCDカメラの視野範囲の変更
を促す。次に、特定した標識領域に穴(白画素が存在す
る領域)があれば、これを黒画素に変換して埋める。通
常、図8に示すように、標識1のマークが描かれている
部分が穴となる。
【0028】次に、画像処理装置3は、step2 で検出し
た標識領域からマーク領域を検出する(step3) 。先ず、
図9(a)に示すように、上記のようにして特定した標
識領域と標識候補画像との論理和 (AND)をとることによ
り、図9(b)に示すように、標識候補画像から標識領
域内にある画素を抽出する。次に、標識領域内にある画
素の輝度分布ヒストグラムを作成し、マーク領域(標識
1のマークに対応する領域)を抽出する。輝度分布ヒス
トグラムは、図10(a)に示すように、標識1の下地
に対応する高輝度画素のピーク頻度と、標識1のマーク
が描かれている部分に対応する低輝度画素のピーク頻度
とを有する2峰性輝度分布になると考えられる。したが
って、両方のピーク頻度の間に形成されるボトム頻度で
の輝度値を閾値とし、例えば、図10(b)に示すよう
に、低輝度側の画素を黒画素に変換し、そして高輝度側
の画素を白画素に変換するように二値化することによ
り、マーク領域を検出することができる。尚、明確に二
峰性のピークが求められない場合には、明るい部分に対
応する最大ピークは求められるはずであるから、このピ
ークの中心濃度の左方、例えば「中心濃度−20,中心
濃度−60」の濃度範囲をマーク図形のバックアップ濃
度範囲として用いる。この−20,−60の値は、実験
値である。
【0029】次に、画像処理装置3は、step3 で検出し
たマーク領域に基づいて、標識候補画像上に図形構成画
素が一列に連なる図形点列データを形成する(step4) 。
先ず、step3 で検出したマーク領域について、膨張処理
を所定回数、例えば3回行う。ここで、膨張処理とは、
黒画素に隣接する白画素を黒画素に置き換える処理のこ
とである。この処理により、例えば図11(a)に示す
ように、マーク領域が複数に分断されているときに、図
11(b)に示すように、マーク領域を連結することが
できる。次に、所定回数膨張処理を施したマーク領域に
ついて、収縮処理を膨張処理と同じ回数行う。ここで、
収縮処理とは、白画素に隣接する黒画素を白画素に置き
換える処理のことであり、この処理により、図11
(c)に示すように、マーク領域に含まれるノイズ成分
を消去することができる。
【0030】次に、所定回数収縮処理を施したマーク領
域について細線化処理又は芯線化処理を施すことによ
り、図12に示すように、標識候補画像上に図形点列デ
ータを形成する。ここで、細線化処理とは、2画素以上
の幅を持つ線分領域の黒画素を、両側から線幅1になる
まで削っていって中心線分に対応する点列を求める処理
のことである。また、芯線化処理とは、マーク領域の輪
郭を構成する点列データを求め、その点列データで囲ま
れる領域の中心線上にある点列データを図形点列データ
として求める処理のことである。
【0031】次に、画像処理装置3は、step4 で検出し
た図形点列データを複数の直線又は曲線の線成分データ
に分ける(step5) 。先ず、上記の処理が施された標識候
補画像を走査し、図形構成画素を検索する。画像の走査
方法としては、図13に示すように、原点を始点とし
て、Y軸方向の上方から下方に向けてX軸方向の各ライ
ン毎に走査する。次に、最初に検出した図形構成画素を
第1番目の線構成画素k 1 として特定する。図13に示
す例では、直線1aの最上端部にある図形構成画素が線
構成画素k1 として特定される。次に、線構成画素k1
に隣接する図形構成画素を第2番目の線構成画素k2
して特定する。尚、線構成画素k1 に隣接する図形構成
画素が複数ある場合は、例えば水平方向、垂直方向、左
斜め下方向、右斜め下方向の順に優先して、そのうちの
一つを線構成画素k2 として特定する。図14は、図1
3のA部を拡大した図である。ここでは、線構成画素k
1 に隣接する図形構成画素は一つしかないので、直ちに
線構成画素k2 が特定される。
【0032】次に、第N番目の線構成画素Nを特定する
には、第N−2番目の線構成画素k n-2 から第N−1番
目の線構成画素kn-1 へ進む方向を進行方向として、線
構成画素kn-1 に隣接する図形構成画素であって進行方
向又は進行方向の左右45度以内のいずれかにあるもの
を第N番目の線構成画素kn として特定する。この処理
を、N=3・4・5・6・・の順に行う。そして、隣接
する図形構成画素が進行方向又は進行方向の左右45度
以内のいずれかになくなるまで繰り返すことにより、図
形点列データを構成する一つの線成分データを抽出す
る。尚、隣接する図形構成画素が進行方向及び進行方向
の左右両側のいずれか二箇所以上にある場合は、例えば
図15に示すように、進行方向、進行方向の左側、進行
方向の右側の順に優先して、そのうちの一つを線構成画
素kn として特定する。図13に示す例では、先ず、直
線1aが抽出される。
【0033】次に、抽出した線成分データに線番号を付
して、この線成分データを構成する各線構成画素の座標
値を画像処理装置3に設けられたメモリ等に格納する。
次に、その線構成画素を白画素に置き換えて、図形点列
データから抽出した線成分データを削除する。図13に
示す例では、先ず直線1aが抽出されるので、直線1a
を削除した後の図形点列データは図16に示すようにな
る。
【0034】抽出した線成分データの標識候補画像上か
らの削除が終わったならば、再度標識候補画像を走査し
て、上述の線成分データの抽出及び削除を行う。これ等
の処理を標識候補画像上に図形構成画素がなくなるまで
繰り返し行うことにより、図形点列データを構成する全
ての線成分データを抽出することができる。図13に示
す例では、図形点列データは図17に示すような線成分
データに分解されて抽出される。尚、図17において、
各線成分データに付されている番号は、上記の線成分デ
ータ抽出処理によって抽出された順番を示している。
【0035】次に、画像処理装置3は、step5 で抽出し
た線成分データの属性、即ち直線であるか又は曲線であ
るかの判定を行う(step6) 。各線成分データについて、
図18に示すように、第1番目の線構成画素と最終番目
の線構成画素kklとを結ぶ直線lと、中間付近にある1
以上の線構成画素ki (1<i<kl)との法線距離h
i を求め、全ての法線距離hi が所定値M(例えば2画
素分)以下のときは直線と判定し、法線距離hi のうち
の少なくとも一つが所定値Mより大きいときは曲線と判
定する。判定結果は、各線成分データについての諸情報
を記憶したメモリに各線成分データの追加の情報として
記憶する。
【0036】次に、画像処理装置3は、メモリに記憶し
た線成分データの中から曲線と判定され且つ所定画素数
(例えば10画素)以上の線構成画素を有する線成分デ
ータを抽出する(step7)。これにより、step4 で抽出し
た図形構成画素の中から標識候補画像上において楕円を
構成する楕円構成画素を抽出する。次に、画像処理装置
3は、図19に示すように、step7 で抽出した楕円構成
画素の第二のXY座標系における平均座標を中心とし、
これ等の楕円構成画素のいずれか一つを始点として、楕
円構成画素を時計回り又は反時計回りの順に抽出して並
べる(step8)。尚、楕円構成画素には、整列順に番号を
付す。この処理は、後の工程で行われる楕円構成画素の
サンプリングを効率よく行うためのものである。
【0037】次に、画像処理装置3は、標識1に描かれ
たマークの中心座標を求める(step9)。先ず、step8 で
並べた楕円構成画素の中から5個の楕円構成画素をサン
プリング間隔が略等間隔となるようにランダムに抽出す
る(step91) 。たとえば、楕円構成画素の総数をn個と
した場合、整列した楕円構成画素の中から1個の楕円構
成画素をランダムに選び、その画素からn/5番目毎に
ある画素を選ぶ。このように、サンプリング間隔が略等
間隔となるように楕円構成画素を選ぶことにより、サン
プリングデータの偏りをなくすことができる。次に、st
ep91で抽出した5個の楕円構成画素の標識候補画像上で
の座標位置を通る2変数の楕円方程式を求める(step9
2) 。この楕円方程式は次式で表される。ここで、xは
X軸方向の位置を表す変数、yはY軸方向の位置を表す
変数である。
【0038】 ax2 +2bxy+y2 +2fx+2gy+c=0 尚、この楕円方程式によって特定される楕円の標識候補
画像上での中心座標とstep7 で抽出した楕円構成画素の
平均座標とが所定画素数(例えば10画素)以上ずれる
場合、この楕円方程式によって特定される楕円の中心と
CCDカメラによって得られた入力画像上での楕円の中
心とのずれが大きいと考えられるので、次の処理(step
93) に移行することなく、step91に戻り、再度5個の楕
円構成画素をサンプリングして楕円方程式を求める。
【0039】次に、step7 で抽出した楕円構成画素の各
々からstep92で求めた楕円方程式によって特定される楕
円までの最短距離の平均値を求める(step93)。この平
均値は、楕円方程式の適合度指数として、楕円方程式と
共に画像処理装置3に設けられたメモリ等に格納する。
次に、step93での処理が適当な回数(例えば5〜25回
程度)行われているか否かを判断し、行われているとき
はstep95に移行し、行われていないときはstep91に移行
する(step94) 。step95では、CCDカメラによって得
られた入力画像上の楕円を表現するのに最も適当な最良
楕円方程式を特定する。たとえば、step93でメモリ等に
格納した楕円方程式のうち適合度指数のよいものを複数
個(例えば上位5個)選び、これ等の楕円方程式に平均
処理を施して最良楕円方程式を特定する。また、たとえ
ば、step93でメモリ等に格納した楕円方程式のうち最も
適合度指数のよいものを最良楕円方程式として特定して
もよい。
【0040】次に、最良楕円方程式によって特定される
楕円(以下、最良楕円という)の第二のXY座標上にお
ける中心座標を求める。そして、この第二のXY座標上
における中心座標に、入力画像の原点に対する標識候補
画像の原点のオフセット値を加えて、入力画像を表すX
Y座標上における最良楕円の中心座標を求める(step9
6) 。この最良楕円の入力画像を表すXY座標上におけ
る中心座標が、標識1に描かれたマークの入力画像を表
すXY座標上での中心座標に相当する。更に、最良楕円
方程式によって特定される楕円の各パラメータ、すなわ
ち、長径a、短径b、長径aとX軸とのなす角α、X座
標の最大値xmax と最小値xmin 、およびY座標の最大
値ymax と最小値ymin を求めておく。
【0041】次に、画像処理装置3は、標識1の視準線
に直交する面に対する傾きを求める(step10) 。先ず、
標識1の水平方向及び垂直方向の回転角を算出する。図
20は、入力画像を表すXY座標系における標識1の四
隅と、最良楕円との位置関係を示す図である。ここで、
最良楕円の各パラメータはstep8 で求めたものであり、
( xc ,yc ) は最良楕円の中心座標を示す。また、標
識1の四隅の座標位置である左上(xLup,yLup)、
左下(xLdown,yLdown)、右上(xRup,y
up)、右下(xRdown,yRdown)は、以下の方法に
より求めておいたものである。
【0042】第二の工程までで標識領域が抽出され、
これが黒画素領域として表現されているものとする。 この標識領域の輪郭線点列と、標識領域の重心座標を
求める。 輪郭線点列を線分列で近似し、始点と終点との距離
(長さ)が例えば30画素以上の線分(長い線分)だけ
残す。
【0043】上記で抽出した線分のうち、長いほう
から始めて、ほぼ平行で且つ重心座標に対して、反対側
にある平行線分の対データを作成する。 上記の対データのうち、平行線の角度が直角に近い
2組の線分対を選択してそれらの4つの交点を計算す
る。 4つの交点を反時計方向に並べた後、それらが、正方
形或いは正方形に近い長方形であることを条件に、この
4つの交点を解とする。尚、4つの交点を解とするため
の条件として、更に「面積最大の平行四辺形」という条
件を加えてもよい。上記〜によって、標識領域の一
部が欠けていても、平行線部分がある程度残っていれ
ば、標識領域を平行四辺形として確定することができ、
これにより、標識の四隅の座標位置を求めることができ
る。
【0044】上述したように、標識1に描かれた真円が
図20に示すような楕円に見えるのは、標識1がレーザ
ー測距計2の設置位置との関係から傾いた状態で視認さ
れるからである。ここで、図25に示すように、標識1
に描かれた真円の中心を含む平面であって且つレーザー
測距計2の視準線に直交する平面を基準面とし、この基
準面上にある軸であって標識1に描かれた真円の中心を
通る縦方向の軸を垂直軸、横方向の軸を水平軸としたと
きに、標識1が垂直軸の回りをH(rad) 、水平軸の回り
をV(rad) 回転したことにより、図20に示すような楕
円が形成されたものと仮定すると、H、Vと長径a、短
径bとの間には次式が成立する。しだがって、step9 で
求めた楕円のパラメータから標識1の垂直軸回りの回転
角H(rad) 及び水平軸回りの回転角V(rad) を算出する
ことができる。
【0045】cosH×cosV=b/a ここで、 cosV=(ymax −ymin )/(2a) であるので、H、Vは次式で表せられる。 V=cos-1((ymax −ymin )/(2a)) H=cos-1(2b/(ymax −ymin )) 次に、垂直軸回りの回転角H(rad) 及び水平軸回りの回
転角V(rad) の符号を決定する。上述したように、step
9 で求めた楕円のパラメータから標識1の垂直軸回りの
回転角H及び水平軸回りの回転角Vを算出することがで
きた。しかし、これ等の回転角の符号、すなわち標識1
の回転方向が時計回りであるか又は反時計回りであるか
の決定は、楕円のパラメータのみでは行うことができな
い。そこで、本実施の形態では、標識1の四隅の座標位
置に関する情報を用いている。図22に、垂直軸回りの
回転角H及び水平軸回りの回転角Vと、標識1の四隅の
座標位置及び長径aとX軸とのなす角αとの関係を示
す。ここで、垂直軸回りの回転角H及び水平軸回りの回
転角Vは、時計回りを正方向としている。また、標識1
の四隅の座標位置について、左上(xLup,yLup)を
Lu、左下(xLdown,yLdown)をLd、右上(xR
up,yRup)をRu、右下(xRdown,yRdo wn)をR
dで表している。図22に示す関係から以下のような符
号判定ロジックを構成することができる。
【0046】0<α(deg) <90の場合 ・yLup>yRup又はyLdown>yRdownならば、H>
0、V<0 ・yLup<yRup又はyLdown<yRdownならば、H<
0、V>0 90<α(deg) <180の場合 ・yLup>yRup又はyLdown>yRdownならば、H>
0、V<0 ・yLup<yRup又はyLdown<yRdownならば、H<
0、V<0 しだがって、長径aとX軸とのなす角αと標識1の四隅
の座標位置Lu、Ld、Ru、Rdから水平方向の回転
角H(rad) 及び垂直方向の回転角V(rad) の符号を決定
することができる。これにより、標識1の標識1の視準
線に直交する面に対する傾きを求めることができる。
【0047】尚、上記の方法においても、H、Vのいず
れか一方が0のときは、他方のH、Vの符号を決定する
ことができない。この場合は、レーザー測距計2の設置
位置や標識1の設置位置等を考慮してどちらの符号にす
るのが妥当であるか予め決めておく必要がある。次に、
コンピュータ4は、画像処理装置3における上記のstep
1 〜step10までの処理によって得られたマークの入力画
像上での中心座標(xc ,yc )と、入力画像の中心座
標との差に基づいて、レーザー測距計2が標識1に描か
れたマークの中心を視準するようにモータを制御する
(step11)。
【0048】本実施の形態では、撮像された入力画像の
データの中から標識1に描かれた真円に相当する楕円デ
ータを精度良く抽出して、この楕円データを表現するの
に最も適当な最良楕円方程式を特定する。そして、この
最良楕円方程式によって特定される楕円の入力画像上で
の中心座標(xc ,yc )と入力画像の中心座標との差
に基づいて、レーザー測距計2を標識1に描かれたマー
クの中心を視準するように制御する。したがって、本実
施の形態によれば、レーザー測距計2の視準方向を標識
1のマークの中心に精度良く合わせることができるの
で、レーザー測距計2により標識1に描かれたマークの
中心の3次元データを精度良く測定することができる。
また、レーザー測距計2の視準方向の制御を自動で行う
ので、目視で視準する場合に比べ、作業が簡易であり、
且つ観測者の感覚の相違に基づく個人誤差を減少するこ
とができる。
【0049】また、本実施の形態では、楕円データを構
成する楕円構成画素の中からランダムに抽出した5個の
楕円構成画素を通る2変数の楕円方程式とこの楕円方程
式の適合度指数とを求める処理を5〜25回程度行い、
適合度指数の小さいものから上位5個程度の楕円方程式
に平均処理を施した楕円方程式又は適合度指数の最も小
さい楕円方程式を最良楕円方程式に特定することによ
り、楕円データを表現するのに最も適当な最良楕円方程
式を特定することができる。
【0050】さらに、本実施の形態では、全ての楕円構
成画素の平均座標を中心とし、楕円構成画素のいずれか
一つを始点として、全ての楕円構成画素を時計回り又は
反時計回りの順序で抽出して並べ、この並べた楕円構成
画素の中から5個の楕円構成画素をサンプリング間隔が
略等間隔となるようにランダムに抽出することにより、
楕円方程式を特定する5個の楕円構成画素を偏ることな
くサンプリングすることができる。
【0051】また、本実施の形態では、最良楕円方程式
によって特定される楕円の入力画像上での中心座標の
他、標識1の標識1の視準線に直交する面に対する傾き
を求めることにより、例えば、上記の中心座標と入力画
像の中心座標との差が僅かであるような場合、レーザー
測距計2によって入力画像の中心座標の3次元データを
測定することにより、標識1に描かれたマークの中心の
3次元データを精度良く算出することができる。
【0052】本発明は、上記の実施の形態に限定される
ものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能で
ある。たとえば、上記の実施の形態では、CCDカメラ
によって得られた入力画像から標識候補領域を検出した
後、標識候補領域内にある入力画像から標識領域を検出
するものについて説明したが、本発明はこれに限定され
るものではない。入力画像を構成する画素について輝度
分布ヒストグラムを作成し、この輝度分布ヒストグラム
に基づき所定値以上の輝度を有する画素を抽出すること
により、入力画像から直接標識領域を検出するようにし
てもよい。
【0053】尚、上記の実施の形態では、標識1に描か
れた円に相当する楕円データを用いて標識1に描かれた
マークの中心座標を求めた。しかし、マークの中心座標
は、標識1に描かれた十字線に相当する直線データを用
いても求めることができる。以下に、直線データを用い
て求める方法について説明する。直線データを用いてマ
ークの中心座標を求める方法では、図3に示すstep8 〜
step10の工程に代えて図23に示す工程を用いる。図3
に示すその他の工程(step1 〜step7 、step11)につい
ては、この方法においてもそのまま適用できる。したが
って、ここでは、図23に示す工程について説明する。
尚、図23に示す工程も、主に画像処理装置3の処理ソ
フトウェアとして実現されている。
【0054】先ず、画像処理装置3は、図24(a)に
示すように、メモリに記憶した線成分データの中からst
ep6 において直線と判定され且つ所定画素数(例えば1
0画素)以上の線分構成画素を有する線成分データを番
号を付して抽出する(step7a) 。これにより、step4 で
抽出した図形構成画素の中から画像データ上において直
線データを構成する直線構成画素を抽出する。
【0055】次に、画像処理装置3は、標識1に描かれ
たマークの中心座標を求める(step8a) 。先ず、step7a
で抽出した全ての直線構成画素の平均座標を求め、直線
構成画素をこの平均座標を原点とするXY座標系で表す
(step81) 。次に、step7aで抽出した直線の線成分デー
タを表す2変数の直線方程式を求める(step82) 。この
直線方程式は次式で表される。ここで、xはX軸方向の
位置を表す変数、yはY軸方向の位置を表す変数であ
る。
【0056】pi x+qi y=hi 但し、pi 2 +qi 2 =1 ここで、添字iは、step7aで抽出した直線を形成する線
成分データの番号(数)を表している。次に、画像処理
装置3はstep82で求めた直線方程式によって特定される
直線の共通の交点を求める(step83)。図24(b)に
示すように、直線の共通の交点を(x0 ,y0 )とした
場合、この交点(x0 ,y0 )から各直線への距離の自
乗和は最小となるはずである。したがって、step82で求
めた直線方程式の数をMとすると、次式においてSを最
小とする(x0 ,y0 )が求めるべき解となる。この解
は最小自乗法を用いて求めることができる。
【0057】
【数1】 ここで、|pi 0 +qi 0 −hi |は、(x0 ,y
0 )から直線pi x+qi y=hi までの法線距離であ
る。次に、画像処理装置3は、step83で求めた交点(x
0 ,y0 )のうち、step81で求めた平均画素から所定値
(例えば10画素分)以内にある交点を、標識1に描か
れた十字線に対応する直線データの交点として特定す
る。そして、この交点の座標値を入力画像を表すXY座
標系における座標値に変換する。これにより、入力画像
を表すXY座標系における標識1に描かれたマークの中
心座標が求まる。
【0058】上記のように、標識に描かれた十字線に対
応する直線データを用いてマークの中心座標を求める場
合、標識にはマークとして必ずしも真円が描かれている
必要はない。したがって、図25に示すような標識を用
いることもできる。また、上記の実施の形態では、明色
の背景にマークが暗色で描かれた標識1を用いたものに
ついて説明したが、本発明はこれに限定されない。たと
えば、明色系の鉄骨部材に標識を設置して測定する場
合、標識に暗色の背景にマークが明色で描かれたものを
用いることが好ましい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
前記の構成により、測距・測角手段の視準方向を標識に
描かれた円の中心に精度良く合わせることができるの
で、測距・測角手段により標識に描かれた円の中心の3
次元データを精度良く測定することができ、また、測距
・測角手段の視準方向の制御を自動で行うので、目視で
視準する場合に比べ、作業が簡易であり、且つ観測者の
感覚の相違に基づく個人誤差を減少することができる標
識の自動視準方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態を実現するために用いる測定シス
テムの概略構成図である。
【図2】標識に描かれるマークの典型例を示す図であ
る。
【図3】本実施の形態の工程を説明するための図であ
る。
【図4】CCDカメラによって撮像された画像データの
例を示す図である。
【図5】標識候補領域の抽出工程を説明するための図で
ある。
【図6】標識の下地に対応する輝度を有する画素を抽出
する工程を説明するための図である。
【図7】図6で抽出した画素が連続する領域のラベリン
グ処理を説明するための図である。
【図8】標識領域の穴埋めを説明するための図である。
【図9】標識領域内にある画素を抽出する工程を説明す
るための図である。
【図10】マーク領域を抽出する工程を説明するための
図である。
【図11】膨張処理及び収縮処理を説明するための図で
ある。
【図12】細線化処理を説明するための図である。
【図13】画像データの走査方法を説明するための図で
ある。
【図14】図13のA部を拡大した図である。
【図15】線分構成画素の特定方法について説明するた
めの図である。
【図16】線成分データを図形点列データから削除する
方法を説明するための図である。
【図17】図形点列データが線成分データに分解された
様子を示す図である。
【図18】曲線を形成する線成分データの検出方法を説
明するための図である。
【図19】楕円構成画素の整列方法を説明するための図
である。
【図20】原画像データを表すXY座標系における標識
の四隅と最良楕円方程式によって特定される楕円との位
置関係を示す図である。
【図21】標識1の視準線に直交する平面に対する傾き
を説明するための図である。
【図22】図21に示す垂直軸回りの回転角H及び水平
軸回りの回転角Vと、標識の四隅の座標位置及び長径a
とX軸とのなす角αとの関係を示す図である。
【図23】直線データを用いてマークの中心座標を求め
る場合の工程を説明するための図である。
【図24】直線を形成する線成分データの共通の交点の
算出方法を説明するための図である。
【図25】直線データを用いてマークの中心座標を求め
る場合に用いられる標識に描かれるマークの例を示す図
である。
【符号の説明】
1 標識 2 レーザー測距計 3 画像処理装置 4 コンピュータ 5 照明具

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光軸が測距・測角手段の視準軸と一致す
    るように設けられた撮像手段により、明色の背景に少な
    くとも円を含む測距図形が暗色で描かれた標識を撮像
    し、前記撮像手段によって得られた二次元の入力画像の
    データから前記標識に描かれた前記円に対応する楕円の
    データを抽出して前記入力画像上での前記楕円の中心座
    標を求め、前記楕円の中心座標と前記入力画像の中心座
    標との差に基づいて、前記楕円の中心に前記測距・測角
    手段を視準する標識の自動視準方法であって、 前記入力画像を構成する画素の中から所定値以上の輝度
    を有する画素を抽出し、この抽出した画素が複数個連続
    して形成する領域のうち最大面積を有する領域の内側全
    てを前記標識の領域として確定する第一の工程と、 前記入力画像を構成する画素のうち前記標識の領域内に
    ある画素の中から所定値以下の輝度を有する画素を抽出
    し、この抽出した画素が複数個連続して形成する領域を
    前記測距図形が描かれた測距図形領域として確定する第
    二の工程と、 前記測距図形領域に細線化処理又は芯線化処理を施し
    て、前記入力画像上に図形構成画素が一列に連なる図形
    点列データに変換する第三の工程と、 前記図形点列データを直線又は曲線のデータである線成
    分データに分け、前記線成分データの中から曲線の線成
    分データを取り出すことにより、前記図形構成画素の中
    から前記楕円を構成する楕円構成画素を抽出する第四の
    工程と、 前記楕円構成画素の中から5個の楕円構成画素をランダ
    ムに抽出し、この抽出した5個の楕円構成画素を通る2
    変数の楕円方程式を求め、この楕円方程式によって特定
    される楕円の前記入力画像上での中心座標を求める第五
    の工程と、 を具備することを特徴とする標識の自動視準方法。
  2. 【請求項2】 前記第五の工程は、前記楕円構成画素の
    中から5個の楕円構成画素をランダムに抽出し、この抽
    出した5個の楕円構成画素を通る2変数の楕円方程式と
    前記楕円構成画素の各々から前記楕円方程式によって特
    定される楕円までの最短距離の平均値とを求める処理を
    所定回数行い、前記平均値の小さいものから上位複数の
    楕円方程式に平均処理を施した楕円方程式又は前記平均
    値が最も小さい楕円方程式によって特定される楕円の前
    記入力画像上での中心座標を求めることを特徴とする請
    求項1記載の標識の自動視準方法。
  3. 【請求項3】 前記第五の工程は、前記楕円構成画素の
    平均座標を中心とし、前記楕円構成画素のいずれか一つ
    を始点として、前記楕円構成画素を時計回り又は反時計
    回りの順序で抽出して並べる工程を有し、前記並べた前
    記楕円構成画素の中から5個の楕円構成画素をサンプリ
    ング間隔が略等間隔となるようにランダムに抽出するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の標識の自動視準方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第五の工程の後に、前記標識の前記
    測距・測角手段の視準線に直交する平面に対する傾きを
    求める第六の工程を具備することを特徴とする請求項
    1,2又は3記載の標識の自動視準方法。
  5. 【請求項5】 光軸が測距・測角手段の視準軸と一致す
    るように設けられた撮像手段により、暗色の背景に少な
    くとも円を含む測距図形が明色で描かれた標識を撮像
    し、前記撮像手段によって得られた二次元の入力画像の
    データから前記標識に描かれた前記円に対応する楕円の
    データを抽出して前記入力画像上での前記楕円の中心座
    標を求め、前記楕円の中心座標と前記入力画像の中心座
    標との差に基づいて、前記楕円の中心に前記測距・測角
    手段を視準する標識の自動視準方法であって、 前記入力画像を構成する画素の中から所定値以下の輝度
    を有する画素を抽出し、この抽出した画素が複数個連続
    して形成する領域のうち最大面積を有する領域の内側全
    てを前記標識の領域として確定する第一の工程と、 前記入力画像を構成する画素のうち前記標識の領域内に
    ある画素の中から所定値以上の輝度を有する画素を抽出
    し、この抽出した画素が複数個連続して形成する領域を
    前記測距図形が描かれた測距図形領域として確定する第
    二の工程と、 前記測距図形領域に細線化処理又は芯線化処理を施し
    て、前記入力画像上に図形構成画素が一列に連なる図形
    点列データに変換する第三の工程と、 前記図形点列データを直線又は曲線のデータである線成
    分データに分け、前記線成分データの中から曲線の線成
    分データを取り出すことにより、前記図形構成画素の中
    から前記楕円を構成する楕円構成画素を抽出する第四の
    工程と、 前記楕円構成画素の中から5個の楕円構成画素をランダ
    ムに抽出し、この抽出した5個の楕円構成画素を通る2
    変数の楕円方程式を求め、この楕円方程式によって特定
    される楕円の前記入力画像上での中心座標を求める第五
    の工程と、 を具備することを特徴とする標識の自動視準方法。
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