JPH09101133A - 被測定物の厚さの検出方法および装置 - Google Patents

被測定物の厚さの検出方法および装置

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JPH09101133A
JPH09101133A JP27964295A JP27964295A JPH09101133A JP H09101133 A JPH09101133 A JP H09101133A JP 27964295 A JP27964295 A JP 27964295A JP 27964295 A JP27964295 A JP 27964295A JP H09101133 A JPH09101133 A JP H09101133A
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plate
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vibration
thickness
plate portion
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JP27964295A
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Inventor
Kiyoshi Tsuboi
淨 坪井
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Iwatsu Electric Co Ltd
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Iwatsu Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1の板部と、この第1の板部の板面と対向
する板面を有し、かつ、第1の板部と一体の、あるいは
第1の板部と接合された第2の板部とからなる部分を備
える被測定物であって、前記部分の第1および第2の板
部の平均厚さを非接触で検出する。 【解決手段】 被測定物を、前記部分で曲げ系およびね
じれ系の振動が生じる部位において加振する。被測定物
に生じる定常振動波をスペクトル分析する。定常振動波
によるスペクトル群のうち、前記部分で生じる曲げ振動
モードのn次と(n+1)次のスペクトルの周波数差を
算出する。この算出した周波数差に基づいて、第1およ
び第2の板部の平均厚さを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2枚の板部が互
いの板面が対向する状態となっている部分を備える被測
定物の、前記2枚の板部の平均の厚さを検出することが
できる方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被測定物の板状体部分の板厚を計測しよ
うとする場合に、実際にメジャーにより被測定物の板状
体部分の厚さを計測をする方法のほかに、超音波の反射
を利用した板厚計が知られている。
【0003】この板厚計によれば、実際にメジャーによ
り板厚を測定できない部分の板厚をも計測することがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、部品などの
構造物においては、軽量化やコストダウンを図るため、
または、内部に気体や液体の流通路を設けるために、2
枚の板状体を張り合わせたような構造(一体物として構
成される場合も含む)の部分を備えるものが多々ある。
【0005】例えば蒲鉾型部材の場合、図7Aの断面図
に示すように、湾曲面1aを備える板部1と、板厚が板
部1とほぼ同じ厚さの平面2aを備える板部2とが、湾
曲面1aと、平面2aとが対向して、空洞部3を形成す
る状態で図示の点線の部分で接合されて構成される。接
合でなく、板部1と板部2を、空洞部3を形成する状態
で一体に成型して構成する場合もある。
【0006】また、所定の厚さを備える角型部材の場合
には、図7Bの断面図に示すように、ほぼ同じ板厚の
「コ」字型の板部4と平面板部5とが、空洞部6を形成
する状態で、図示の点線の部分で接合されて構成され
る。この場合も、接合でなく、板部4と板部5を、空洞
部6を形成する状態で一体に成型して構成する場合もあ
る。
【0007】さらに、湾曲の板状部材の場合には、図7
Cの断面図に示すように、板厚がほぼ同じである、例え
ば2枚の湾曲板状部材7、8を積み重ねて接合して形成
するようにする。
【0008】図7Aおよび図7Bのように、内部に空洞
部を設けるように構成することで、断面が蒲鉾形状ある
いは四角形の中実物に比べて、軽量化およびコストダウ
ンが図れる。また、空洞部3や6を、気体や液体の流通
路として使用できる。
【0009】また、図7Cのように、複数枚の板状部材
を積み重ねて接合する構成であれば、湾曲など種々の形
状の板状部材を所望の厚さで形成することが比較的容易
であり、また、コスト的にも有利である。
【0010】ところで、図7に示したような断面形状を
備える部材の2枚の板部の板厚が所期の板厚になってい
るかどうかを確認するようにすることは、特に内部に空
洞部3や6を備えるような場合に重要である。
【0011】ところが、従来の超音波を用いた板厚計に
より、上記のような部材の板厚を測定するのには、一般
に非常に時間がかかり、例えば厚さの測定に1時間を要
する場合さえあった。このため、部品検査のように、板
厚が所期のものになっているかどうかを流れ作業的に全
数検査して確認する場合には不適である。
【0012】また、前記の空洞部3や6に空気や液体を
流すような場合に、長年の使用により、内部の壁面が削
られて、板厚が変わったことを検知するようにすること
は、従来の板厚計が、センサを検査部位に接触させなが
ら測定を行なう接触型の検査方法を利用するものである
ので、なかなか困難であった。
【0013】この発明は、以上の点にかんがみ、前述の
ような2枚の板部が互いの板面が対向する状態となって
いる部分を備える被測定物の、前記部分の平均の板部の
厚さを迅速かつ容易に検出することが可能な方法および
装置を提供することを、その目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、この発明の
発明者の研究の結果から創作されたものである。すなわ
ち、この発明の発明者は、前述のような2枚の板部が互
いの板面が対向する状態となっている部分を備える被測
定物を加振し、その結果発生する当該被測定物の振動
を、非接触でピックアップ可能し、そのピックアップさ
れた振動の内の被測定物の定常振動波をスペクトル分析
した。
【0015】すると、被測定物の形状ないし構造に応じ
て定まるいくつかの固有周波数位置に、スペクトルのピ
ークが現れ、そのうちの曲げ振動モードのスペクトルに
着目すると、n次と(n+1)次のスペクトルの周波数
差、例えば曲げ振動モードの1次のスペクトルが立つ周
波数f1と、曲げ振動モードの2次のスペクトルが立つ
周波数f4の差Δfaは、被測定物の前記部分の板部の
厚さに対応したものとなっていることが判明した。
【0016】これは、曲げ系の振動は、厚さが厚いほ
ど、振動が生じにくくなるためであるとことに起因する
と考えられる。したがって、被測定物の前記部分の板部
の厚さが厚いときには、前記周波数差Δfaは小さく、
厚さが薄いときには、前記周波数差Δfaは大きくな
る。したがって、この周波数差Δfaを監視することに
より、被測定物の前記部分の板部の厚さを検出すること
が可能になる。
【0017】この発明は、この研究結果を基礎としたも
ので、請求項1の発明では、上述のような被測定物を、
前記部分で曲げ振動モードが生じる部位において加振
し、前記被測定物に生じる定常振動波をスペクトル分析
し、前記定常振動波によるスペクトル群のうち、前記部
分で生じる曲げ振動モードのn次と(n+1)次のスペ
クトルの周波数差を算出し、この算出した周波数差に基
づいて、前記第1および第2の板部の厚さを検出するよ
うにしたことを特徴とする。
【0018】例えば、正しい板厚のときの前記周波数差
Δfa0に基づく指標(例えば周波数差Δfa0を正規化し
た値)を求めておき、この周波数差Δfa0のときの指標
と、被測定物について得た周波数差Δfaから得た指標
とを比較して、正しい板厚よりも厚いか、薄いかを容易
に判定することができる。
【0019】請求項2の発明は、前記周波数差の正規化
の方法を提供するものである。すなわち、前記定常振動
波によるスペクトル群のうち、曲げ振動モードの1次の
スペクトルの周波数をf1、曲げ振動およびねじれ振動
の混合したモードの1次のスペクトルの周波数をf3、
前記曲げ振動モードの2次のスペクトルの周波数をf
4、曲げ振動およびねじれ振動の混合したモードの2次
のスペクトルの周波数をf6としたとき、 IG=k1(f4−f1)/{(f6−f4)/(f3−f1)}…(1) ただし、k1は比例定数 なる演算結果IGから、前記第1の板部および前記第2
の板部の厚さを検出するようにすることを特徴とする。
【0020】上記の演算式において、(f6−f4)/
(f3−f1)の項は、第1および第2の板部の厚さの
比の成分であって、第1の板部と第2の板部の厚さが等
しいときには、その値は「1」である。これにより、周
波数差Δfaを正規化することにより、第1の板部と第
2の板部の板厚の違いの影響を除去することができるも
のである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明による被測定物の
厚さの検出方法および装置の実施の形態を図を参照しな
がら説明する。
【0022】この発明の発明者は、例えば図2に示すよ
うな部分10を有し、鋳造物からなる被測定物につい
て、次のような研究を行なった。図2において、この被
測定物の部分10以外の部位は、説明の簡単のため省略
した。
【0023】この被測定物の部分10は、前述した図7
Aに示したのとほぼ同様の断面を備え、湾曲板部11
と、平面板部12とが空洞部13を挟んで接合された形
状を備えており、初期的には湾曲板部11の厚さと平面
板部12の厚さが所定の等しい厚さを有するように製造
されている。
【0024】この実施の形態の被測定物の厚さの検出方
法は、まず、製造時に、この被測定物の部分10の板部
11および12が、正しい板厚に製造されているかどう
かを判定するため、板部11および12の厚さの検出測
定を行なう場合に実施される。
【0025】また、この被測定物の部分10は、使用状
態では板部11、12の空洞部13内を、気体や液体が
通り、場合によっては、板部11、12の外表面の劣化
も相俟って、長期間の使用により、板部11および12
の厚さが変化してしまう。そこで、この実施の形態の被
測定物の厚さの検出方法は、適宜の期間毎にその板部の
厚さを検出して、破損の危険があるような板厚になった
ときには、部品交換を行なうようにするための検査測定
を行なう場合にも実施される。
【0026】この実施の形態においては、上述の被測定
物の部分10を衝撃法などの方法で加振し、その結果生
じる振動波を振動センサにより、非接触でピックアップ
する。この場合その加振位置は、被測定物の部分10の
板部11および12に対して曲げ振動モードおよびねじ
れ振動モードが生じる位置とされる。
【0027】すなわち、被測定物の部分10の断面2次
モーメントの中心位置を連ねた線分上で被測定物の部分
10を加振した場合には、曲げ振動モードの振動波のみ
が生じる。さらに、被測定物の部分10の重心位置で加
振した場合には、曲げ振動モードの振動波は生じない。
そこで、この実施の形態では、これらの位置を除く位置
で部分10を加振する。例えば、図2において、点P1
で示す位置で被測定物の部分10を衝撃により加振す
る。
【0028】この衝撃加振により、被測定物の部分10
には、前述したように、曲げ振動モードの振動波、ねじ
れ振動モードの振動波および両モードの混合した定常振
動波が生じる。
【0029】この振動波を指向性の鋭い振動センサでピ
ックアップし、それをスペクトル分析すると、図3およ
び図4に示すように、部分10の大きさと、前記の各振
動モードの成分に応じた周波数位置にスペクトルのピー
ク21、22、23、24、25、26、27、28が
得られる。
【0030】これらのスペクトルのピーク21〜28が
立つ周波数を低い方から順に、f1、f2、f3、f
4、f5、f6、f7、f8とすると、周波数f1〜f
3のスペクトルの群は1次のスペクトル群であり、ま
た、周波数f4〜f7のスペクトル群は2次のスペクト
ル群とすることができる。そして、周波数f1および周
波数f4のスペクトルは曲げ振動モードによるもの、周
波数f2および周波数f5のスペクトルはねじれ振動モ
ードによるもの、周波数f3および周波数f6,f7の
スペクトルは両振動モードの混合したもの(主としてね
じれ系振動)によるものである。また、周波数f8のス
ペクトルは、伸び縮み振動によるものである。
【0031】ここで、周波数f4〜f7のスペクトル2
4〜27の群は、被測定物の部分10が板部11と板部
12とからなり、一般に板部11と板部12との寸法
(この例の場合には、板部11、12の曲面のカーブの
長さ)が異なることにより、生じる成分である。被測定
物の部分10が2枚の板部からなるものではなく、1枚
の板状のものである場合には、これらのスペクトル24
〜27の群は生じない。また、空洞部13があるか否か
は関係がなく、図7Cに示したような、2枚の板をぴっ
たりと接合したものでも、その2枚の板の寸法が異なる
場合には、図3、図4に示すようなスペクトルが得られ
る。
【0032】そして、周波数f3のスペクトルは、板部
11あるいは板部12の一方による振動から他方の板部
の縦振動に推移するときの成分であり、また、周波数f
1および周波数f4は、板部11あるいは板部12の振
動から、これら板部の高次の振動に推移するときの成分
と考えられる。
【0033】そして、前記周波数f1と周波数f4との
周波数差Δfaは、板部11、12の平均の板厚が薄く
なると大きくなり、厚くなると小さくなる。
【0034】すなわち、図3は、板部11、板部12の
厚さが初期状態(正規の値)の被測定物の部分10を加
振したときの定常振動波のスペクトル分布を示すもので
あり、図4は、使用により板部11、板部12の内壁面
や外壁面に剥がれが生じ、これら板部11、板部12が
薄くなった状態の被測定物の部分10を加振したときの
定常振動波のスペクトル分布を示すものである。
【0035】ここで、図3と図4で、周波数f1と周波
数f4の差Δfaを比較すると、図3の周波数差Δfa
よりも、図4の周波数差Δfaの方が大きいことが分か
る。この場合、この周波数差Δfaを定量化するために
は、これを正規化した値を用いるようにする。
【0036】例えば、板部11と、板部12との平均的
な厚さを表す指標として、前記周波数差Δfaを周波数
f1で正規化した値Ig Ig=(f4−f1)/f1 =Δfa/f1 … (1) を使用することができる。
【0037】この指標Igが大きければ、板部11およ
び板部12の厚さが薄く、指標Igが小さければ、板部
11および板部12の厚さが厚いことが分かる。
【0038】ところで、この発明の発明者の研究によれ
ば、前記周波数f1と周波数f3との周波数差Δfb
と、周波数f4と周波数f6との周波数差Δfcは、板
部11と板部12の厚さの相対的な違いを示すものであ
り、周波数f1と周波数f3の周波数差Δfbと、周波
数f4と周波数f6の周波数差Δfcの比は、板部1
1、12の厚さが薄くなるしたがって小さくなることが
判明した。
【0039】したがって、前記演算式(1)に代えて、
周波数差Δfbと周波数差Δfcとの比により、周波数
差Δfaを正規化することにより、板部11と板部12
の板厚の違いの影響を除去して、板部11、12の平均
の厚さに関する、より正確な指標が得られる。
【0040】そこで、この実施の形態では、前記演算式
(1)で表される指標Igに代えて、次の演算式(2)
で表される指標IG IG=k1(f4−f1)/{(f6−f4)/(f3−f1)}…(2) k1:比例定数 を用いて板部11と板部12の厚さの定量的な評価を行
なうようにする。
【0041】すなわち、演算式(2)において、(f6
−f4)/(f3−f1)の項は、板部11、12の厚
さの比の成分であって、板部11と板部12の厚さが等
しいときには、その値は「1」であり、これにより、周
波数差Δfaを正規化することにより、板部11および
12の板厚の違いの影響を除去することができるもので
ある。
【0042】この指標IGを用いて、被測定物の部分1
0の板厚の良否の判定を行なうことができる。すなわ
ち、図5の板厚と指標IGとの関係に示すように、被測
定物が良品で、板部11および板部12の厚さが所期の
厚さdoであるときの前記指標IGoを予め求めてお
く。そして、板厚の許容範囲Wd、すなわち、do±許
容誤差Δdに対応する指標IGの許容範囲W(IGo±
ΔIG)内に、測定した被測定物の部分10の板部11
および12の平均の板厚の指標IGの値があるとき、そ
れを良品と判定する。
【0043】また、所定の期間、使用した後の被測定物
の部分10について前記の振動測定を行なって得た部分
10の板部11、12の平均厚さについての指標IG
が、板厚の薄さの許容値do−Δdに対応するような指
標の最大値IGu=IGo+ΔIGを越えるような場合
には、当該被測定物を不良として判定し、交換を促すよ
うにする。
【0044】なお、経年変化した被測定物の部分10
に、以上の方法を適用した場合には、板部11、12の
内壁面や外壁面が削られて、板部11、12の厚さが変
化した度合いを検出することに等しい。
【0045】次に、以上述べた方法を適用した被測定物
の部分的な状態変化の検出装置の一実施例を、図を参照
しながら説明する。図1は、この例の装置の一実施例を
示し、31は被測定物で、この例では前述した部分10
を備える被測定物である。32は加振装置、33は、例
えばマイクロコンピュータを有する制御装置である。被
測定物31は、クッション材から構成される測定ステー
ジ34に載置されている。
【0046】制御装置33は、加振装置32を駆動し、
被測定物31を加振する。この例では、加振装置32
は、例えば振り子状におもり等の衝撃物により被測定物
31を、例えばインパルス衝撃する。おもりの駆動機構
は、衝撃後、おもりが被測定物から即座に離れるように
カム機構等により構成される。なお、加振は、1回では
なく、複数回行なってもよく、しかも、異なる複数の部
位を加振するようにしてもよい。ただし、加振位置は、
前述したように、曲げ振動モードおよびねじれ振動モー
ドの両者が必ず生じる部分である。
【0047】以上のようにして、加振された被測定物3
1の振動は、無接触で出力振動受信装置35の振動セン
サ36で検出され、電気信号に変換され、シグナルコン
ディショナー37にて所定の信号処理がなされる。セン
サ36は、振動を検出できるものであれば、どのような
ものでも使用でき、変位計等を用いることもできる。も
っとも、周囲からの雑音振動をできるだけ拾わないよう
にするために、被測定物31の方向に鋭い指向性を有す
るものが好ましい。
【0048】シグナルコンディショナー37では、電気
信号が増幅され、また、不要高低域成分の除去(トレン
ドの除去)などが行われる。
【0049】出力振動受信装置35からの電気信号は、
演算処理・判定装置40に供給される。この演算処理・
判定装置40は、例えばマイクロコンピュータを有し、
ソフトウェアにより後述の演算処理及び判定動作をなす
ものであるが、この処理を機能ブロックで示すと、図1
のようになる。
【0050】ところで、ここで問題にする振動は、その
被測定物の形状が持つ固有振動である。しかし、被測定
物を強制的に振動させた場合、その強制振動などが固有
振動(定常波としての縦振動)と混在することになる。
そこで、これら固有振動以外をできるだけ除去すること
が望ましい。この例では次のようにしてこの要求を満た
している。
【0051】強制振動に対しては、センサ35からの信
号の測定開始点を、加振時から所定時間経過した時点と
することで、影響を除去するようにする。すなわち、被
測定物31をインパルス衝撃法により加振する場合に
は、衝撃を与える等して加振した直後から少し時間を経
過した時点から測定を開始する。
【0052】この場合の衝撃時から測定を開始するまで
の時間は、次のようにして定めることができる。すなわ
ち、被測定物31中を伝わる音波の速度cは、そのヤン
グ率E(弾性係数)とその物体の密度ρによって異な
り、 c2 =E/ρ の関係がある。そして、例えば、この例のインパルス衝
撃法による場合、衝撃直後からピックアップした振動の
時系列波形は図6Aのようになる。
【0053】この図6Aの波形からもわかるように、加
振後の振動は地震波の場合と同じであるので、上記のよ
うに速度の速い縦波や遅い波が混在しており、また、振
動に強制振動が残り、被測定物31の形状に特有の固有
振動波形になっていない。この形状に特有の固有振動波
は、例えばコマの「さいさ運動」のように、停止する少
し前に、観測されるものであると考えられる。このた
め、図6Bのような矩形波のウインドーW1 を設定し、
このウインドーW1 によって、この例では振動波を抽出
する。
【0054】すなわち、演算処理・判定装置40に入力
された電気信号はゲート手段41に供給される。そし
て、ウインドーW1 形成手段42からの前記のウインド
ー信号W1 により、加振すなわち衝撃後の被測定物31
の振動から、被測定物31の形状の固有振動成分が抽出
される。ウインドー形成手段42では、制御装置33か
らの加振開始の情報を受け、衝撃直後からウインドーW
1 の立ち上げ時点までの時間と、ウインドー幅を設定す
る。図6の場合の例では、衝撃直後から20msec経過し
た時点からウインドーW1 を立ち上げ、200msecのウ
インドー幅を設定する。
【0055】以上のようにして、ウインドーW1 により
被測定物31の形状の固有振動成分が抽出される。そし
て、その固有振動部分がA/D変換手段43でデジタル
データに変換され、メモリ手段44に書き込まれる。そ
して、メモリ手段44からのこのデジタルデータが読み
出され、スペクトル分析手段45に供給され、スペクト
ル分析される。
【0056】周波数f1〜f8検出手段46では、この
スペクトル分析手段45で得られたスペクトルから、前
記スペクトルのピーク21〜28を検出し、各スペクト
ルのピーク21〜28の周波数f1〜f8を求める。前
記スペクトルのピーク21〜28は、予め定められた周
波数範囲、例えば20kHz以下の周波数範囲で、スペ
クトルのピークを、その値の大きいものから順次に検出
し、その周波数を低いものから順次にピーク21、ピー
ク22、…、ピーク28と決定する。そして、そのピー
ク21〜27の周波数f1〜f8を求める。
【0057】この検出手段46で求めた周波数f1〜f
8は、演算・判定手段47に供給されて、前述した演算
式(2)の演算が行なわれ、また、図5で説明したよう
に、部分10の板部11、12の平均の板厚が前記許容
範囲W内にあるか否かの判定が行なわれる。この判定
は、前述したように、演算式(2)の結果の値IGが、
値IGu以上のとき、また、IGd(=IGo−ΔI
G)以下のときには、被測定物31を不良とするもので
ある。そして、その判定結果と、演算手段47での演算
結果の値IGとを、制御装置33に送る。
【0058】制御装置33は、被測定物31が不良と判
定されたときには、測定用ステージ34の被測定物31
を不良品箱などに投入させ、良品であれば、搬送ライン
により搬送させ、次の被測定物を測定用ステージ34に
搬入させるようにする。
【0059】制御装置33は、また、前記値IGと、前
記判定結果とを出力手段50に送る。出力手段50は、
前記値IGと判定結果の情報をディスプレイに表示した
り、記録紙にプリントアウトする。あるいは、音声によ
り知らせる。
【0060】ユーザは、この出力手段50の前記値IG
の表示やプリントアウトにより、板部11、板部12の
板厚を定量的に知ることができる。
【0061】以上は、2個の板部の間に空洞部を備える
被測定物の場合について説明したが、図7Cに示したよ
うな、空洞部を形成することなく、2枚の板部を接合し
たような構造部分を有する被測定物の、当該構造部分の
板厚の検出に、この発明は適用可能である。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、被測定物を加振し、この被測定物に生じる定常振動
波を非接触でピックアップして、それについてスペクト
ル分析することにより、被測定物のうちの2枚の板部が
互いの板面が対向する状態となっている部分の、前記2
枚の板部の平均の厚さおよびその厚さ変化を検出するこ
とができる。
【0063】また、この発明によれば、被測定物を加振
し、それによる生じる振動をセンサで非接触でピックア
ップしてスペクトル分析するだけでよいので、従来の接
触型の非破壊探査法のような不都合は生じず、安定かつ
確実な検出を行なうことができる。また、この発明の方
法および装置は、被測定物を自動的に搬送して全数検査
する場合にも適用可能であるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による被測定物の厚さの検出装置の一
実施例のブロック図である。
【図2】この発明の対象とする被測定物の例を説明する
ための図である。
【図3】被測定物のうちの2枚の板部が互いの板面が対
向する状態となっている部分の、前記2枚の板部の厚さ
が所定の厚さを有する場合の定常振動波のスペクトル分
布を示す図である。
【図4】被測定物のうちの2枚の板部が互いの板面が対
向する状態となっている部分の、前記2枚の板部の厚さ
が薄くなった場合の定常振動波のスペクトル分布を示す
図である。
【図5】図1の実施の形態の説明のための図である。
【図6】図1の実施の形態の説明のための図である。
【図7】この発明が適用される被測定物の部分を説明す
るための図である。
【符号の説明】
11 第1の板部 12 第2の板部 13 空洞部 31 被測定物 32 加振装置 33 制御装置 34 出力振動受信装置 45 スペクトル分析手段 46 周波数f1〜f8検出手段 47 演算・判定手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の板部と、この第1の板部の板面と対
    向する板面を有し、かつ、前記第1の板部と一体の、あ
    るいは前記第1の板部と接合された第2の板部とからな
    る部分を備える被測定物を、前記部分で曲げ振動モード
    が生じる部位において加振し、 前記被測定物に生じる定常振動波をスペクトル分析し、 前記定常振動波によるスペクトル群のうち、前記部分で
    生じる曲げ振動モードのn次と(n+1)次のスペクト
    ルの周波数差を算出し、 この算出した周波数差に基づいて、前記第1および前記
    第2の板部の厚さを検出するようにした被測定物の厚さ
    の検出方法。
  2. 【請求項2】前記被測定物を、前記部分で曲げ振動モー
    ドおよびねじれ振動モードが生じる部位において加振
    し、 前記定常振動波によるスペクトル群のうち、曲げ振動モ
    ードの1次のスペクトルの周波数をf1、曲げ振動およ
    びねじれ振動の混合したモードの1次のスペクトルの周
    波数をf3、前記曲げ振動モードの2次のスペクトルの
    周波数をf4、曲げ振動およびねじれ振動の混合したモ
    ードの2次のスペクトルの周波数をf6としたとき、 IG=k1(f4−f1)/{(f6−f4)/(f3
    −f1)} ただし、k1は比例定数 なる演算結果IGから、前記第1の板部および前記第2
    の板部の厚さを検出するようにした請求項1に記載の被
    測定物の厚さの検出方法。
  3. 【請求項3】第1の板部と、この第1の板部の板面と対
    向する板面を有し、かつ、前記第1の板部と一体の、あ
    るいは前記第1の板部と接合された第2の板部とからな
    る部分を備える被測定物を、前記部分で曲げ系およびね
    じれ系の振動が生じる部位において加振する加振手段
    と、 上記被測定物の振動をピックアップし、電気信号に変換
    するピックアップ手段と、 このピックアップ手段からの信号を受け、上記被測定物
    の定常振動波をスペクトル分析し、前記定常振動波によ
    るスペクトル群のうち、前記部分で生じる曲げ振動モー
    ドのn次と(n+1)次のスペクトルの周波数差を算出
    する手段と、 前記算出した周波数差に基づいて、前記第1の板部およ
    び前記第2の板部の厚さを定量的に検出する手段とを備
    える被測定物の厚さの検出装置。
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