JPH08105868A - 材料定数測定方法および装置 - Google Patents

材料定数測定方法および装置

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JPH08105868A
JPH08105868A JP6268441A JP26844194A JPH08105868A JP H08105868 A JPH08105868 A JP H08105868A JP 6268441 A JP6268441 A JP 6268441A JP 26844194 A JP26844194 A JP 26844194A JP H08105868 A JPH08105868 A JP H08105868A
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sample
vibration
material constant
frequency
frequencies
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JP6268441A
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Akira Hoshi
亮 星
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Original Assignee
Iwatsu Electric Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)
  • Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料の材料定数を非接触で測定する。 【構成】 加振手段12により試料11を加振する。試
料11に生じる縦波、横波、ねじれ波のうちの例えば縦
波をピックアップ手段14によりピックアップし、縦波
のn(n=1,2,…)次のスペクトルが立つ周波数
を、周波数検出手段23で求める。収束演算手段24
で、周波数検出手段23で検出された複数の振動周波数
を用いて、これら複数の振動周波数が、あらかじめ求め
られた、試料11の材料定数と振動音との関係式を満足
するように、試料11の材料定数の収束演算を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、試料の材料定数、例
えばヤング率Eとポアソン比σとを非接触で測定する材
料定数測定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、試料のヤング率Eやポアソン比σ
を測定する方法としては、あらかじめ定められた大き
さ、形状の定形試料を用意し、この定形試料に実際に応
力を与えて、試料に歪を生じさせ、その生じた歪を測定
して、直接的に前記ヤング率Eやポアソン比σを求める
方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この測定方法
では、試料として、定められた大きさ、形状の定形試料
を用意する必要があり、面倒であると共に、試料に直
接、応力を加えるため、試料に傷を付けるおそれがあ
る。また、測定精度は、応力の加え方や歪の量を測定す
る歪センサの測定精度により定まり、精度の良い測定を
行なうことが困難であった。
【0004】この発明は、以上の点にかんがみ、試料の
ヤング率Eやポアソン比σ等を、試料に非接触で測定す
ることができる材料定数測定方法および装置を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明による材料定数測定装置は、後述の実施例
の参照符号を対応させると、試料11にインパルス的振
動を与える加振手段12と、試料11の振動をピックア
ップし、電気信号に変換するピックアップ手段14と、
このピックアップ手段14からの信号を受け、前記加振
により試料11に発生する自由振動音をスペクトル分析
し、スペクトルが立つ複数の振動周波数を検出する周波
数検出手段22、23と、周波数検出手段22、23で
検出された前記複数の振動周波数を用いて、これら複数
の振動周波数が、あらかじめ求められた、試料11の材
料定数と前記振動音との関係式を満足するように、試料
11の材料定数の収束演算を行う収束演算手段24とを
備えることを特徴とする。
【0006】
【作用】上記の構成のこの発明においては、加振により
試料に生じる振動が、ピックアップ手段により非接触で
ピックアップされる。ピックアップされた試料の振動成
分のうち、試料の自由振動音がスペクトル分析され、ス
ペクトルの立つ振動周波数が周波数検出手段により検出
される。
【0007】測定装置には、あらかじめ試料の材料定数
と振動音との関係式が求められて記憶されており、測定
装置では、この関係式を周波数検出手段で検出された複
数の振動周波数が満足するように、材料定数を順次に変
化させて収束演算する。
【0008】例えば、試料中を伝播する自由振動音と、
その音速との関係は、試料のヤング率Eとポアソン比σ
により曲線形状が決まる曲線の特性を有している。した
がって、周波数検出手段により検出された上記のスペク
トルの立つ複数の振動周波数と、その振動周波数での音
速とで定まる点は、この試料のヤング率Eとポアソン比
σに応じた特性曲線上に存在しているはずである。
【0009】この特性曲線は所定の関係式により表すこ
とができる。収束演算手段24は、周波数検出手段で検
出された複数の振動周波数とその周波数のときの音速と
で定まる複数のポイントが、前記関係式を満足するよう
に、ポアソン比σを初期値から順に変化させて行き、そ
の収束結果として試料のポアソン比σを求める。なお、
ポアソン比σが決定されると、ヤング率Eが求めること
ができる。
【0010】
【実施例】以下、この発明による一実施例を図を参照し
ながら説明する。まず、この発明による材料定数測定装
置における測定方法の原理について説明する。
【0011】試料を加振すると、この試料には、自由振
動のモードとして、一般に、縦振動(縦波)、横波、ね
じれ振動(ねじれ波)の三者が対になって生じるが、以
下の説明においては、自由振動が縦振動である場合を例
にとって説明する。また、以下の実施例では、被測定物
としての試料が、直径d、長さLの円柱物の場合を例に
とる。
【0012】円柱形状の試料の場合、縦波は、円柱試料
を中心線に直交する方向に裁断した状態の単位円柱が、
円柱試料の長さ方向(中心線方向)にのみ変化するよう
に振動する波である。この縦波の周波数は、円柱試料の
上面と底面の、対向円形端面間の長さに応じたものとな
る。
【0013】つまり、縦波の周波数をf(n次の縦波の
周波数はfnで表す;n=1,2,…)、試料中を伝播
する音波の速度をC(n次の縦波の音速はCnで表す;
n=1,2,…)とすると、 f=C・n/2L …… (1) となる。
【0014】したがって、試料を加振して、その結果生
じた試料の振動を、非接触でピックアップし、そのピッ
クアップされた振動(縦振動)をスペクトル分析する
と、縦波は、図2に示すように、周波数f1の位置に1
次のスペクトルが、周波数f2の位置に2次のスペクト
ルが、f3の位置に3次のスペクトルが、f4の位置に
4次のスペクトルが、…それぞれ現れる。
【0015】この各次数の縦波のスペクトルが立つ周波
数は、例えば所定のスレッショールド値を越えるエネル
ギーを持つスペクトルの周波数を検出することにより検
出できる。この検出されたスペクトルが立つ複数の周波
数は、以下の数1の関係式を満足する。
【0016】
【数1】 この数1に示される試料の振動周波数と、音速との関係
を図示すると、図3に示すような特性曲線となる。
【0017】数1のポアソン比σは、試料が有するポア
ソン比σであり、ここでは未知の値である。図3に示す
ように、ポアソン比σの大きさに応じてこの特性曲線の
傾きが変化する。一方、音速Cも未知の値であるが、試
料を加振した時の自由振動の各次数の高調波のスペクト
ルが立つ周波数f1、f2、f3、f4、…を検出すれ
ば、前述の式(1)から、各次数の高調波(振動音)の
試料中の音速C1、C2、C3、C4、…が求められ
る。
【0018】そこで、周波数f1、f2、f3、f4、
…と、音速C1、C2、C3、C4、…とから定まる各
点を結ぶ曲線が、いかなるポアソン比σの時の曲線に最
も近似しているかを、収束演算により求めることによ
り、目的とする試料のポアソン比σを求めることができ
る。そして、振動周波数がゼロ近傍のときの音速C0
分かれば、数1の式(5)から、密度ρは既知(あらか
じめ試料の重さを計測しておくことにより、重さ/体積
として求めることができる。)であるので、ヤング率E
を求めることができる。
【0019】次に、以上述べた測定原理を適用した材料
定数測定装置の一実施例を、図1を参照しながら説明す
る。図1は、この例の装置の一実施例を示し、11は試
料、12は加振装置、13は、例えばマイクロコンピュ
ータを有する制御装置である。この例では、試料11
は、長さLが40cm、直径Rが1.25cmの円柱形
状の鉄棒である。
【0020】制御装置13は、加振装置12を駆動し、
試料11を加振する。この例では、加振装置12は、例
えば振り子状におもり等の衝撃物により試料11を、例
えばインパルス衝撃する。おもりの駆動機構は、衝撃
後、おもりが試料から即座に離れるように例えばカム機
構等により構成される。なお、加振は、1回ではなく、
複数回行なってもよく、しかも、試料11の、異なる複
数の部位を加振するようにしてもよい。
【0021】この場合、試料の長手方向(縦波の伝播方
向)に直交する端面の一方に衝撃を加えることにより、
試料を加振する。このような加振方法によると、横波と
ねじれ波のエネルギーは、縦波のそれに比して微小にな
り、試料の振動をピックアップして、スペクトル分析し
たとき、縦波のみを容易に抽出することができる。
【0022】以上のようにして、加振された試料11の
振動は、無接触で出力振動受信装置14の振動センサ1
5で検出され、電気信号に変換され、シグナルコンディ
ショナー16にて所定の信号処理がなされる。振動セン
サ15は、マイクロホンなど、振動を検出できるもので
あれば、どのようなものでも使用でき、変位計等を用い
ることもできる。もっとも、周囲からの雑音振動をでき
るだけ拾わないようにするために、試料11の方向に鋭
い指向性を有するものが好ましい。
【0023】シグナルコンディショナー16では、電気
信号が増幅され、また、不要高低域成分の除去(トレン
ドの除去)などが行われる。
【0024】出力振動受信装置14からの電気信号は、
ゲート回路17に供給され、試料11の縦振動のうちの
自由振動成分のみが取り出される。すなわち、ここで問
題にする振動は、その試料の形状が持つ自由振動(固有
振動)である。しかし、試料を強制的に振動させた場
合、その強制振動などが固有振動(定常波としての縦振
動)と混在することになる。そこで、これら固有振動以
外をできるだけ除去することが望ましい。この例では次
のようにしてこの要求を満たしている。
【0025】先ず、試料11の加振は、上述したよう
に、粗密波である縦波が優勢になるように、縦波の伝播
方向において互いに対向する端面の一方に衝撃を与える
ことにより行う。
【0026】次に、強制振動に対しては、センサ15か
らの信号の測定開始点を、加振時から所定時間経過した
時点とすることで、影響を除去するようにする。すなわ
ち、試料11をインパルス衝撃法により加振する場合に
は、衝撃を与える等して加振した直後から少し時間を経
過した時点から測定を開始する。
【0027】この場合の衝撃時から測定を開始するまで
の時間は、次のようにして定めることができる。すなわ
ち、例えば、この例のインパルス衝撃法による場合、衝
撃直後からピックアップした振動の時系列波形は図4A
のようになる。
【0028】この図4Aの波形からもわかるように、加
振後の振動は地震波の場合と同じであるので、上記のよ
うに速度の速い縦波や遅い波が混在しており、また、振
動に強制振動が残り、試料11の形状に特有の固有振動
波形になっていない。この形状に特有の固有振動波は、
例えばコマの「さいさ運動」のように、停止する少し前
に、観測されるものであると考えられる。このため、図
4Bのような矩形波のウインドーW1 を設定し、このウ
インドーW1 によって、この例では振動波を抽出する。
【0029】すなわち、出力振動受信装置14からの電
気信号は、ゲート回路17に供給される。そして、ウイ
ンドーW1 形成手段18からの前記のウインドー信号W
1 により、加振すなわち衝撃後の試料11の振動から、
試料11の形状の固有振動成分が抽出される。ウインド
ー形成手段18では、制御装置13からの加振開始の情
報を受け、衝撃直後からウインドーW1 の立ち上げ時点
までの時間と、ウインドー幅を設定する。図4の例で
は、衝撃直後から20msec経過した時点からウインドー
W1 を立ち上げ、200msecのウインドー幅を設定す
る。
【0030】以上のようにして、ウインドーW1 により
試料11の形状の固有振動成分が抽出される。そして、
その固有振動部分がA/D変換器19でデジタルデータ
に変換され、周波数解析・収束演算装置20に供給され
る。この周波数解析・収束演算装置20は、例えばマイ
クロコンピュータを有し、ソフトウェアにより後述の演
算処理及び判定動作をなすものであるが、この処理を機
能ブロックで示すと、図1のようになる。
【0031】この周波数解析・収束演算装置20では、
A/D変換器19からのディジタルデータがメモリ手段
21に書き込まれる。そして、メモリ手段21からのこ
のデジタルデータが読み出され、スペクトル分析手段2
2に供給され、スペクトル分析される。スペクトル分析
は、FFT(ファースト・フーリエ・変換)演算により
行なわれる。
【0032】スペクトル分析手段22の出力は周波数検
出手段23に供給されて、スペクトルが立つ周波数が検
出される。この場合、スペクトルが立つ周波数は、スペ
クトルのピークレベルが大きいものから順に検出され
る。これは、順に、1次、2次、3次、4次、…の振動
波の周波数f1、f2、f3、f4、…を検出すること
になる。この場合、周波数の低いものから順に、1次、
2次、3次、…の振動波の周波数が検出される。
【0033】周波数検出手段23で検出された各検出周
波数f1、f2、f3、f4、…のデータは、収束演算
手段24に供給され、まず、各検出周波数のときの試料
中を伝播する音波の音速C1、C2、C3、C4、…が
音速演算部241で求められる。そして、この音速演算
部241で求められた各音速C1、C2、C3、C4、
…と、前記各検出周波数f1、f2、f3、f4、…と
から、収束計算部242により試料11のポアソン比σ
及びヤング率が求められる。
【0034】この求められたポアソン比σ及びヤング率
は、出力装置30に出力され、その表示画面に映出され
たり、必要に応じてプリントアウトされる。なお、周波
数解析・収束演算装置20の制御部25は、装置20の
各部を制御するものである。また、キー入力部40から
は、収束演算処理に必要である、ユーザが入力すべき情
報が、この周波数解析・収束演算装置20の制御部25
に入力される。
【0035】周波数検出・収束演算装置20において
は、スペクトル分析手段22でのFFT演算、周波数検
出手段23での周波数検出動作、収束演算手段24での
音速計算及び収束演算は、実際的には、ソフトウエアに
より行なわれる。周波数検出・収束演算装置20におけ
る処理のフローチャートの一例を図5および図6に示
す。以下、このフローチャートについて説明する。
【0036】まず、収束演算のためのポアソン比σの初
期値が、ユーザにより入力されると共に、収束演算の結
果の許容誤差範囲がユーザにより設定されるので、それ
ら各値を取り込んでおく(ステップ101)。次に、メ
モリ21から試料の自由振動成分のデジタルデータを取
り込み(ステップ102)、これをFFT演算して、ス
ペクトル分析する(ステップ103)。
【0037】次に、エネルギーの大きいものから順に1
次、2次、3次、…とスペクトルが立つ周波数f1、f
2、f3、…を検出する(ステップ104)。次に、1
次のスペクトルが立つ周波数f1から、前記式(1)を
用いてその振動波の音速C1を算出する(ステップ10
5)。
【0038】次に、求めた周波数f1と、音速C1と、
仮に設定されたポアソン比σを、前記数1の式(3)、
式(4)に代入し、h’、k’を算出する(ステップ1
06)。つまり、ω1/C1=2πf1/C1=π/L
と、ポアソン比σとを式(3)、式(4)に代入する。
【0039】次に、 X=(C/C0 2 (1+σ) とおいて、数1の式(2)を満足するXを算出する(ス
テップ107)。そして、求めたXを用いて次の式 C0 =C1×(X/(1+σ))1/2 …(6) によりC0 を算出する(ステップ108)。
【0040】ステップ104で求めた2次以上のn次の
周波数fp(p=2、3、4、…)を用いて、式(1)
から、各高調波の音速Cp(p=2、3、4、…)を算
出する(ステップ109)。そして、1次の振動波のと
きと同様にして、ωp/Cp=pπ/Lを数1の式
(3)、式(4)に代入し、h’、k’を算出し(ステ
ップ110)、また、数1の式(2)を満足するXを算
出する(ステップ111)。
【0041】次に、ステップ111で求めたXと、各次
数pのときの対応値との差Δxの絶対値、つまり、 |Δx|=|(Cp/C0 2 (1+σ)−X| …(7) が、ユーザにより設定入力されていた許容誤差よりも小
さいか否か判断する(ステップ112)。
【0042】許容誤差よりも差Δxの絶対値が大きけれ
ば、差Δxが正か負か判断する(ステップ113)。そ
して、もし差Δxが正であれば、ポアソン比σを現在値
より小さくして(ステップ114)、ステップ106に
戻り、上述の動作を繰り返す。また、もし差Δxが負で
あれば、ポアソン比σを現在値より大きくして(ステッ
プ115)、ステップ106に戻り、上述の動作を繰り
返す。以上のようにして、差Δxの絶対値が許容誤差の
範囲内に入るように、ポアソン比σの値を変更して、収
束演算を行う。
【0043】そして、ステップ112での判断の結果、
差Δxの絶対値が許容誤差よりも小さければ、ステップ
116に進み、 C0 =(E/ρ)1/2 からヤング率Eを算出する。そして、求めたヤング率E
と、収束演算した結果のポアソン比σを出力する(ステ
ップ117)。
【0044】以上のようにして、収束演算により、ポア
ソン比σが求められる。そして、求められた結果の直流
近傍の音速C0 から、ヤング率Eが求められる。
【0045】なお、以上の例において、収束演算を行う
ためには、最低、2点以上のサンプル点の値が必要であ
り、つまり、最低1次と、2次の振動波のスペクトルが
立つ周波数f1とf2とが求められればよい。もっと
も、3点以上のサンプルを用いて収束演算を行った方
が、より正確な収束演算を行うことができることはいう
までもない。
【0046】また、各p次の高調波での差Δxの値が許
容誤差以上であって、すべて正の場合には、そのときの
値は、図4の特性曲線において、正しい曲線よりも、よ
り音速が大きい方に平行にずれていると考えられるの
で、C0 の値をより小さくして、収束演算を再度行うよ
うにするとよい。同様に、各p次の高調波での差Δxの
値が許容誤差以上であって、すべて負の場合には、その
ときの値は、図4の特性曲線において、正しい曲線より
も、より音速が小さい方に平行にずれていると考えられ
るので、C0 の値をより大きくして、収束演算を再度行
うようにする。
【0047】図7は、この例の試料11の測定結果の例
を示すもので、各●の点が求められた周波数f1、f
2、f3、f4、…である。そして、実線の曲線は収束
演算により求められたポアソン比σの下での特性曲線と
なっている。この測定例の結果として、 C0 =328067.87[cm/sec] E=9.08 σ=0.3489 が求められた。
【0048】なお、以上の例では、試料に生じる縦波を
用いて、試料の材料定数を求めるようにした場合の例で
あるが、横波、ねじれ波のいずれを用いても、その振動
モードおよび試料の形状に応じた関係式を求めておくこ
とにより、試料の材料定数を求めることができるのはも
ちろんである。
【0049】また、以上の例では、材料定数としてポア
ソン比σとヤング率を求める場合の例であるが、この発
明は、あらかじめ、試料の振動モードおよび試料の形状
に応じた関係式が求められているものであれば、その他
の材料定数を測定する場合にも適用することが可能であ
る。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、あらかじめ試料の振動モードおよび形状に応じた関
係式を求めておくと共に、試料を加振して、その自由振
動周波数を測定するだけで、試料の材料定数を測定する
ことが可能であり、試料に非接触で材料定数を測定する
ことができる。
【0051】また、従来の測定方法のような定形試料を
用意する必要がなく、試料の寸法による制約を受けない
という利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による材料定数測定装置の一実施例の
ブロック図である。
【図2】試料に生じる縦振動波のスペクトル分布を説明
するための図である。
【図3】試料に生じる縦振動波と音速と材料定数である
ポアソン比σとの関係を示す特性曲線を示す図である。
【図4】図1の例の一部の説明のための図である。
【図5】この発明の一実施例の動作の説明のためのフロ
ーチャートの一部を示す図である。
【図6】この発明の一実施例の動作の説明のためのフロ
ーチャートの続きを示す図である。
【図7】この発明の測定結果の一例の説明のための図で
ある。
【符号の説明】
11 試料 12 加振装置 13 制御装置 14 出力振動受信装置 17 ゲート回路 20 周波数検出・収束演算装置 21 メモリ 22 スペクトル分析手段 23 周波数検出手段 24 収束演算手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料にインパルス的振動を与えて、その振
    動をピックアップし、 このピックアップした振動から、前記加振により前記試
    料に発生する高調波を持つ自由振動音を抽出してスペク
    トル分析し、スペクトルが立つ複数の振動周波数を検出
    し、 前記検出された複数の振動周波数を用いて、これら複数
    の振動周波数が、あらかじめ求められている、前記試料
    の材料定数と前記振動音との関係式を満足するように、
    前記試料の材料定数の収束演算を行うことにより前記試
    料の材料定数を演算により求めることを特徴とする材料
    定数測定方法。
  2. 【請求項2】試料にインパルス的振動を与える加振手段
    と、 前記試料の振動をピックアップし、電気信号に変換する
    ピックアップ手段と、 このピックアップ手段からの信号を受け、前記加振によ
    り前記試料に発生する高調波を持つ自由振動音をスペク
    トル分析し、スペクトルが立つ複数の振動周波数を検出
    する周波数検出手段と、 前記周波数検出手段で検出された前記複数の振動周波数
    を用いて、これら複数の振動周波数が、あらかじめ求め
    られた、前記試料の材料定数と前記振動音との関係式を
    満足するように、前記試料の材料定数の収束演算を行う
    収束演算手段とを備え、 前記試料の材料定数を演算により求めることを特徴とす
    る材料定数測定装置。
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