JP2004085412A - 固体内部の振動検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各センサ部間の受信信号の干渉を起こすことなく、複数のセンサ部を用いて多数の検査個所を同時に判定することにある。
【解決手段】検査対象物の固体中に振動を発生させる励振部と、この固体中の振動を検出して電気信号に変換する受信部とから成る複数のセンサ部70a〜70dと、この複数のセンサ部70a〜70dから一つのセンサ部を選択するセンサ選択部80と、受信した信号を増幅させる信号処理部30と、その信号を分析する信号分析部40と、信号分析部での検査結果を出力する診断出力部50と、前記各部の動作を制御する制御部60とを備えている。
そして制御部60は、センサ選択部80を介して、複数のセンサ部の励振部を順次駆動させ、同様に複数のセンサ部の受信部からの受信信号を順次信号処理及び信号分析するように制御を行うことにより、各センサ部間の受信信号の干渉をなくし、多数の検査個所を同時に判定することを可能としている。
【選択図】 図1
【解決手段】検査対象物の固体中に振動を発生させる励振部と、この固体中の振動を検出して電気信号に変換する受信部とから成る複数のセンサ部70a〜70dと、この複数のセンサ部70a〜70dから一つのセンサ部を選択するセンサ選択部80と、受信した信号を増幅させる信号処理部30と、その信号を分析する信号分析部40と、信号分析部での検査結果を出力する診断出力部50と、前記各部の動作を制御する制御部60とを備えている。
そして制御部60は、センサ選択部80を介して、複数のセンサ部の励振部を順次駆動させ、同様に複数のセンサ部の受信部からの受信信号を順次信号処理及び信号分析するように制御を行うことにより、各センサ部間の受信信号の干渉をなくし、多数の検査個所を同時に判定することを可能としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、コンクリ−ト構造物の内部診断などに利用される固体内部の振動検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンクリ−ト構造物の劣化が問題になっており、その内部の診断が必要とされている。従来、コンクリ−ト内部の診断手法として、超音波を利用する方法が種々提案されてきた。特開平7−20097号公報には、エア−シリンダを使用したハンマでコンクリ−ト製品を軽打し、この時発生する音波の音圧レベルを騒音計で検出して良品か欠陥品かを判別する方法が開示されている。
【0003】
また、特開2000−2692号公報には、コンクリ−ト構造物の内部に超音波を入射し、伝搬する超音波をこの構造物の表面に接触させた加速度計を用いて受信し、この受信した超音波の周波数スペクトルを分析することによってコンクリ−ト構造物の内部の空洞の発生の有無を検査する方法が開示されている。この方法では、鋼球を所定の高さから被検査対象物の表面に落下させることによって超音波を入射させている。
【0004】
また、出願人の先願である特願2001−366719号には、磁気射出方式による励振部を用いてコンクリ−ト構造物の表面を打撃し、この時発生する音波を受信部で受信し、その信号を線形予測法によって分析し、コンクリ−ト構造物の良、不良を診断する方法が開示されている。この方法では、前記、鋼球落下方式の欠点である鋼球のバウンドによる検査精度の低下を防止している。
【0005】
これまでの開示例はコンクリ−ト構造物の1個所づつを検査する方法であるが、広い検査対象物を短時間に検査するには時間が掛かる。それに対して、出願人の先願である特願2001−384409号には、磁気射出方式による励振部と受信部を一つのセンサ部として、複数のセンサ部を配列する事により、コンクリ−ト構造物の良、不良を同時に多数の検査個所で診断する方法が開示されている。しかも、この開示例では、複数のセンサ部における磁気射出方式による励振部を同時に駆動して、隣接するセンサ部からの信号の干渉は、隣接するセンサ部の距離間隔を音波が伝搬するのに必要な時間だけ遅延する事を利用して避けている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、経験的に、磁気射出方式による励振部を用いてコンクリ−ト構造物の表面を打撃した時に発生する音波は、継続時間が少なくとも10ミリ秒以上あり、その全ての時間の波形を受信して分析しなければ検査精度が高まらない。即ち、コンクリ−ト構造物の表面を打撃した時点から10ミリ秒は発生した音波を受信する必要がある。従って、出願人の先願である特願2001−384409号のような複数のセンサ部における磁気射出方式による励振部を同時に駆動する方式では、分析に必要な受信時間である10ミリ秒の間は、隣接するセンサ部から発生する音波の受信干渉をなくす必要があり、隣接するセンサ部の距離間隔を10ミリ秒以上の遅延が生ずるような距離にする必要がある。空気中の音速を340m/秒とすれば、各センサ部の距離間隔は3.4m以上となり、これでは高密度間隔で診断する事は不可能である。
【0007】
本発明の目的は、磁気射出方式による励振部と受信部からなるセンサ部を近距離間隔で複数配置し、隣接するセンサ部の信号の干渉を避けて、高密度にコンクリ−ト構造物の良、不良を短時間に診断することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
従来技術の課題を解決する本発明に係わる固体内部の振動検査装置は、検査対象物の固体中に振動を発生させる励振部と固体中の振動を受信して電気信号に変換する受信部とから成る複数のセンサ部と、複数のセンサ部から一つを選択するセンサ選択部と、センサ部の受信部が受信した振動をアナログ処理する信号処理部と、ディジタル化して信号を分析する信号分析部と、分析信号の特性から検査結果を出力する診断出力部と、前記各部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、センサ選択部を介して複数のセンサ部を順次動作させるよう構成されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
励振部は、磁力を利用して検査対象物の固体表面に衝突し、その反作用により固体表面と分離する可動部を有し、この可動部の衝突分離動作により前記固体内部に自由振動を励振するよう構成されている。また、励振部は、鋼材等の接触部が、前記固体表面を打撃することによりその内部に自由振動を励振するよう構成されている。
【0010】
診断出力部は、受信部が受信した振動を線形予測法によって分析し、共振周波数と共振のQ値とに基づいて振動特性を検査するよう構成されている。
【0011】
検査結果は、良品又は不良品のうちの少なくとも一つを含む診断結果として出力されるよう構成されている。
【0012】
検査は、予め抽出され登録された良品と不良品の振動の特性と診断出力部が分析した振動の特性とを比較することによって行われるよう構成されている。
【0013】
受信部は液体、固体、半固体状または気体の層を介在させながら検査対象物の固体の振動を受信するよう構成されている。
【0014】
励振部は、少なくとも永久磁石と励振コイルとを具備し、当該永久磁石が前記励振部の可動部分を構成することを特徴としている。また、当該励振コイルを駆動する駆動電流は、単一パルス波形からなる直流パルス電流であることを特徴としている。
【0015】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例である固体内部の振動検査装置の全体構成を、斜線を付して示す検査対象物と共に示す機能ブロック図である。70a、70b、70c、70dはセンサ部であり、80はセンサ選択部、30は信号処理部、40は信号分析部であり、50は診断出力部、60は制御部である。
尚、ここで説明する実施例は4個のセンサ部で構成しているが、更に多数のセンサ部を設けて検査個所を増やす事も可能である。
【0016】
以下、各部の動作を説明する。
センサ部70a、70b、70c、70dは、同一の構成となっている。これを図11に示す。センサ部70は、励振部10と受信部20からなる。
図2は、図11中の励振部10の実施例を示す断面図であり、11は駆動部、12は駆動部保持キャップ、13は引張スプリング、14はリ−ド線、11Aは磁力部、11Bは駆動部材部、11Cは圧迫部、100は励振コイルである。
【0017】
駆動部11は、上述のように磁力部11A、駆動部材部11Bと圧迫部11Cとで構成されている。
磁力部11Aの好適な一例として、永久磁石が、また他の好適な例として、電磁石などが使用可能である。
【0018】
駆動部材部11B及び圧迫部11Cは、検査対象物より硬い材質である鋼材等により構成されている。
【0019】
図3は、磁力部11Aが、永久磁石により構成されている場合の励振コイル100に、リ−ド線14を介して供給される駆動電流波形の一例を示す波形図である。この駆動電流は、単一パルス波形からなる。最も強い駆動を行うものとして、図3に例示するように、永久磁石が励振コイル内を走行する時間に相当する時間長tの直流パルス電流で励振するのが最適である。駆動電流波形のパルス幅tは、t=l/vとなる。ここでlは、永久磁石が励振コイル内を走行する距離、vは、永久磁石の走行速度である。
【0020】
図2(A)に示すような初期状態において、検査対象物の固体表面から離れて静止し、励振コイル100に、リ−ド線14を介して、図3に例示したような波形の駆動電流が供給されると、駆動部11が検査対象物の固体表面に向け急激に前進し、検査対象物の固体は駆動部11に押される。これにより、図2(B)に示すように、駆動部11によって検査対象物の固体は変形する。
【0021】
続いて、図2(C)に示すように、駆動部11は、検査対象物の固体からの反発力によって上昇し、次いで引張スプリング13の伸張する圧力により、図2(A)に示すような初期状態に復元される。駆動部11が短時間に検査対象物の固体表面から離れることにより、これが検査対象物の固体内に励振された振動の負荷として作用することがなくなり、検査対象物の固体内に負荷の影響を受けない自由振動が励振される。
【0022】
励振コイル100に印加された駆動電流により駆動部11が検査対象物の固体表面に向け前進する原理を図14により説明する。ここで、104は、永久磁石(磁力部)11Aによる磁力線である。A点において、磁界はHA方向、励振コイル100に流れる電流は、紙面に対して垂直上方方向であることから、この電流に働く力は、矢印101の方向である。一方、B点においては、磁界はHB方向、励振コイル100に流れる電流は、紙面に対して垂直下方方向であることから、この電流に働く力は、矢印102の方向でA点における電流に働く力101の方向と同一である。
【0023】
これら電流に働く力の反作用が磁力部11Aを動かす駆動力となることから、この駆動力の方向は、矢印103の方向となる。これにより磁力部11Aは検査対象物の固体表面に向け前進する。ここで、図14に示すように、磁力部11A(永久磁石)のN極端面が励振コイル100の端面とほぼ一致するように配置する。また、磁力部11A(永久磁石)のS極端面が励振コイル100の内部に含まれるように配置する。
【0024】
このように、励振コイル100と磁力部11Aとを非対称的に配置することにより、磁力部11A(永久磁石)のN極端面から出た磁力線104が励振コイル100を通過することなく、S極端面に入る磁力線のみが励振コイル100を通過することとなる。これにより、磁力部11A(永久磁石)には検査対象物の固体表面に向け前進する駆動力のみが作用し、有効な打撃を検査対象物の固体表面に与えることができる。
【0025】
上述のような駆動力発生原理から、磁力部11Aが励振コイル100内を走行する時間に相当するパルス長の直流電流で励振コイル100を励振することが、効率的な磁力部11Aの駆動となる。
【0026】
このようにして検査対象物の固体内に励振された振動は、空気中に音波を発生し、その音波を受信部20で振動波形として受信する。受信部20はコンデンサマイクロホン等の空中用受音器で構成されている。
【0027】
尚、本実施例では、検査対象物の固体内に励振された振動から生ずる音波を振動波形として、コンデンサマイクロホン等の空中用受音器で空気を媒体として受信している。しかし、検査対象物の固体内に励振された振動を圧電磁器センサで直接受信するように構成する事も可能である。この場合、検査対象物と圧電磁器センサとの間には、振動結合層として、油、水、軟質プラスチック、スライムなどの液体、固体あるいは半固体状の層を構成する必要がある。
【0028】
センサ部70の受信部20で受信され、電気信号に変換された振動波形は、後述するセンサ選択部80を通して信号処理部30に供給される。図4は、信号処理部30の構成の一例を示す機能ブロック図であり、これは、前段の増幅部31と、後段の濾波部32とから構成されている。前段の増幅部31では、微弱な信号が信号分析できるレベルまで増幅される。また、制御部60から供給される受信期間信号により一定時間だけ増幅機能が有効になる。この結果、励振部10による再接触などによって後発的に発生することのある振動による不要な信号の処理を排除する。
【0029】
検査対象物のコンクリ−トなどの固体中の自由振動周波数は、通常10kHz以下であるため、濾波部32は10kHz以下の周波数の信号のみを通過させる低域通過特性を有している。また、この濾波部32は、300Hz以上の周波数の信号のみを通過させる高域通過特性を有し、50Hzのハムの混入を阻止する機能も有している。
【0030】
信号処理部30から供給される信号を処理する信号分析部40は、図5に示すように、A/D変換部41、信号記憶部42および、演算部43から成る。A/D変換部41に供給されるアナログ信号は、100kHz以下のサンプリング周波数でディジタル信号に変換され、信号記憶部42に記憶される。また、このA/D変換部41は、制御部60から供給される受信期間信号により一定時間にわたるA/D変換処理を開始することにより、励振部10による再接触などによって後発的に発生する振動による不要な信号のディジタル化を排除する。
演算部43は、信号記憶部42から読み出したディジタル信号に対して、信号分析を行い、検査対象物の固体の特徴抽出を行う。この信号分析にはフ−リエ変換が使用される。
【0031】
本発明者は、振動特性の分析の他の手法として、線形予測の手法が好適であることを見い出した。この線形予測法は全極モデルであり、受信信号が各共振モ−ドに分解される。この線形予測法は、コンクリ−ト内の自由振動のような複数の固有振動の合成によって構成される固体中の振動特性を分析し、その特徴を抽出するのに最適の分析手法である。
【0032】
本発明者は、また、この線形予測分析の最大次数は、コンクリ−トの診断においては、通常、200次程度で十分であることを見い出した。さらに、検査対象物の次数の推定は、赤池の情報規範(AIC)によって自動判定され、通常のコンクリ−ト診断においては、平均50程度であることも、本発明によって明らかになった。
【0033】
線形予測法においては、過去の受信信号Xn−Mから現在の受信信号Xnの予測値X n が算定される。ここで、
であり、εnは予測誤差雑音である。
【0034】この関係は行列形式において、
【0035】
(1)式の両辺にX行列を乗算することにより、次式を得る。
となり、相関行列Rおよび相関ベクトルrに関する以下の関係となる。
【0036】
【0037】
(4)式を解くことにより、未知数である予測係数anが求まる。このような線形予測を用いるスペクトル分析の処理の全体を図8に示す。図8に示した入力信号Xnを出力信号εnに変換する処理の伝達関数F(z)は、z変換により、
F(z)=1−(a1z− 1+a2z−2+・・+aMz−M) …(5)
として与えられる。ここで、出力εnは予測誤差雑音であり、一様分布スペクトルであるため、この伝達特性F(z)は入力信号Xnの周波数特性の逆特性となっている。
【0038】
従って入力信号Xnの周波数特性X(z)は、
として与えられる。
【0039】
このように、線形予測法を使用すると、受信信号の周波数特性X(z)が得られるが、この関数の分母の根を算定することにより、さらに、各固有振動数の周波数とその共振時のQ値を得ることができる。X(z)の分母を0とする方程式の根をbnとすると、
であり、それぞれの根がそれぞれの共振点に対応する。
【0040】
このbn=zなる関係からそれぞれの固有振動数の周波数とその共振におけるQ値が算定される。これらの値は、固体中の状況に直接対応した値であり、固体対象物の良否判定における最も有用な指数である。このような共振分析処理も、信号分析部40内の演算部43で行われる。
【0041】
図1の制御部60は、図7に例示するように、励振信号発生部61、受信期間信号発生部62、センサ選択コ−ド発生部63で構成されている。励振信号発生部61は、励振部10の駆動パルスになると共に、次に述べる各信号の基本タイミングとなるパルスを発生する。そしてその周期は、磁気射出方式による励振部を用いてコンクリ−ト構造物の表面を打撃した時に発生する音波の継続時間が少なくとも10ミリ秒以上あることから、20ミリ秒程度に設定される。
【0042】
受信期間信号発生部62は、励振信号発生部61で発生する駆動パルスに同期して10ミリ秒程度の受信期間信号を発生し、信号処理部30と信号分析部40に供給する。また、センサ選択コ−ド発生部63は、励振信号発生部61で発生する駆動パルスに同期してセンサ選択コ−ド信号を発生し、診断出力部50とセンサ選択部80に供給する。
【0043】
なお、本発明における主要課題は、磁気射出方式による励振部と受信部からなるセンサ部70を近距離間隔で複数配置し、隣接するセンサ部70の信号の干渉を避けて、高密度にコンクリ−ト構造物の良、不良を短時間に診断すると言う目的に対して、センサ部を順次動作する解決手段を用いるわけであるが、このセンサ部の順次動作に関して図13のタイムチャ−トを用いて詳述する。
【0044】
図13において、励振信号は20ミリ秒程度の周期のパルス信号でありパルス幅は、前述した図3におけるtであり、後述するセンサ選択部80を介して各センサ部70a、70b、70c、70dの内いずれかの励振部10の駆動信号となる。
【0045】
また、図13の受信期間信号は励振信号の立ち上がりから、所定の時間遅れて発生する10ミリ秒程度のパルス幅を持つ信号である。この信号は、信号処理部30および信号分析部40内のA/D変換部41と信号記憶部42の動作時間となる。ここで、所定時間遅れは調整可能とされている。また、信号分析部40内の演算部43での信号分析および診断出力部50での判定は、受信期間信号の立ち下がり時点から行われる。なお、前述した調整可能な所定時間遅れは、励振部10に駆動信号が与えられて、磁気射出が行われて、実際に検査対象物が打撃されるまでの時間を調整するものである。
【0046】
また、図13のセンサ選択コ−ド信号は、センサ選択コード信号発生部63で発生する。この信号は、励振信号の立ち上がり毎にコ−ドの内容が順次変化する信号となっている。この例ではセンサ部が4個なので、コ−ドの内容は、2進数の2桁の数値コ−ドで00、01、10、11とカウントアップし、次の励振信号の立ち上がりで00にリセットされ、再び01、10、11とカウントアップを繰り返す。このセンサ選択コ−ド信号のコ−ドの内容が、複数のセンサ部70a、70b、70c、70dの中から一つを指定するコ−ドとなり、この例では、00がセンサ部70aに、01がセンサ部70bに、10がセンサ部70cに、11がセンサ部70dに対応する。図13において、センサ選択コ−ド信号のコ−ドの内容に従って、センサ部70aの励振動作と受信動作、センサ部70bの励振動作と受信動作、センサ部70cの励振動作と受信動作、センサ部70dの励振動作と受信動作、そして再びセンサ部70aの励振動作と受信動作が繰り返される事を示している。
【0047】
このように複数のセンサ部の中から1つのセンサ部を選択して、励振動作に続いて分析に必要な時間だけ受信動作を行う事で、(その間、他のセンサ部の動作は停止しているので隣接するセンサ部からの信号の干渉が無い)各センサ部の配置間隔を近距離にする事ができ、しかも各センサ部の動作を必要最小限の時間で順次切り替える事で、多数の検査個所を実用上ほぼ同時に、高密度間隔で検査できる事になる。
【0048】
図12は、センサ選択部80の構成を示すブロック図である。センサ選択部80は、励振部選択スイッチ81、受信部選択スイッチ82及び選択コ−ド判定部83を備えている。選択コ−ド判定部83はセンサ選択コ−ド信号のコ−ドの内容により励振部選択スイッチ81の接続位置を選択して、指定されているセンサ部の励振部10に励振信号を供給する。また、同様にセンサ選択コ−ド信号のコ−ドの内容により受信部選択スイッチ82の接続位置を選択して、指定されているセンサ部の受信部20の受信信号を信号処理部30に供給する働きを行う。
【0049】
図6は、診断出力部50の構成を示すブロック図である。この診断出力部50は、判定部51、判定条件設定部52、画像出力部53及び音声出力部54を備えている。判定部51では、前段の信号分析部40から供給される信号分析結果と、判定条件設定部52で設定中の設定内容とを比較することによって良否の判定を行う。この判定は、制御部60からの受信期間信号に同期して行われる。また、どのセンサ部による判定結果であるかは、センサ選択コ−ドで判断する。
この判定部51の判定結果は、画像出力部53や、音声出力部54から出力される。
【0050】
図9は、大きさ30cm×30cm、厚さ5cm、のコンクリ−ト板を検査対象物として選択し、この実施例の構成により、計測期間中は励振部が固体表面から離れるようにして励振し、この励振に同期して信号を受信した場合の波形(A)と、励振部10の構成を変更することにより圧迫部11Cが再度コンクリ−ト板に接触するように励振すると共に、制御部から供給される同期信号から所定時間経過した後も信号処理部30や信号分析部40を機能させた場合の信号波形(B)とを例示している。
【0051】
図9(A)の波形をFFT(高速フ−リエ変換)した場合の、周波数スペクトルは図10(A)に示すようになり、特徴的な鋭いスペクトルが明瞭に観察される。一方、図9(B)の波形をFFTした場合の周波数スペクトルは図10(B)に示すようになり、対象の特徴を明瞭には示さない複雑なスペクトルとなる。このことから、本発明の構成によって、計測期間中は励振部が固体の表面から離れるように自由振動励振し、この励振に同期して自由振動を受信することにより、対象の固体の特徴抽出が行われることになる。
【0052】
図10の(A)に示すような信号分析によって抽出された特徴的なスペクトルが、良品と不良品の双方について、判定条件設定部52を通して判定部51に登録される。判定部51は、検査対象物から線形予測法に従って抽出されたスペクトルを登録中のスペクトルと比較し、これが登録中の良品のスペクトルと類似していれば、良品の判定結果を出力し、これが登録中の不良品のそれと類似していれば不良品の判定結果を出力する。
【0053】
以上、FFTを適用する構成による結果を例示した。しかしながら、このFFTは、線形予測法あるいはこれと類似する最大エントロピ−法、ARMA法、パ−コ−ル分析法など他の手法により代用することも当然可能である。
【0054】
また、受信した振動の特性を分析し、良否の診断結果を出力する構成を例示した。しかしながら、周波数スペクトルなど振動の特性の分析結果をそのまま表示装置などに出力し、この表示デ−タを検査作業者が目視によって検査することにより良否を診断するという構成を採用することもできる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係わる固体内部の振動検査装置は、励振部10と受信部20から成る複数のセンサ部70a、70b、70c、70dを設ける事で、多数の検査個所での検査結果の判定が同時に行える固体内部の振動検査装置が実現できる。
また、複数のセンサ部の動作を時分割で行う事で各センサ間の受信信号干渉をなくして、各センサ間の距離を短くする事ができる。更に、各センサ部の動作時間をコンクリ−ト構造物の表面を打撃した時に発生する音波の継続時間より長めで、しかも検査精度に支障を起こさない20ミリ秒程度に設定されるので、検査個所の間隔が高密度で多数の検査個所での検査が高速で可能になるという効果が奏される。
さらに、時分割で受信を行う事で増幅部31、濾波部32、A/D変換部41、信号記憶部42などの主要回路部がセンサ部の数に合わせて同数で構成することなく、一つの共通回路部として使用できるので全体構成が安価に実現可能である。
【0056】
また、本発明の振動検査装置は、磁力を利用して検査対象物の固体表面を短時間だけ接触打撃することによりその内部に自由振動を励振する構成であるから、従来のエアシリンダ−などを使用する低速の打撃手段を用いて励振する場合に比べて、励振機構に影響されない高確度の診断が可能となるという利点がある。
【0057】
また、本発明の好適な実施の形態によれば、予め抽出され登録された良品と不良品の振動の特性と比較することなどによって良否の判定結果が出力される構成であるから、作業者の熟練を要することなく、客観的な判定が可能になるという利点がある。
【0058】
また、本発明の他の好適な実施の形態によれば、診断出力部は、受信部が受信した振動を線形予測法などを利用して分析し検査結果として出力する構成であるから、共振周波数と共振のQ値とを簡単に算定できるという線形予測法の特徴を活かすことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる固体内部の振動検査装置の構成を検査対象物の固体と共に示す機能ブロック図である。
【図2】図11の励振部の構成の一例を示す断面図である。
【図3】図11の励振部に供給する駆動電流波形の一例を示す波形図である。
【図4】図1の信号処理部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図5】図1の信号分析部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】図1の診断出力部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】図1の制御部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図8】図1の信号分析部が行う線形予測法に基づく信号処理を回路によって表現した図である。
【図9】図11の励振部によって励振した振動波形の一例を示す波形図である。
【図10】図9の波形をFFTして得た周波数スペクトルである。
【図11】図1のセンサ部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図12】図1のセンサ選択部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図13】図1の制御部から発生する信号と各部の動作タイミングを示すタイムチャ−トである。
【図14】図11の励振部の駆動動作を説明する図である。
【符号の説明】
10 励振部
11 駆動部
11A 磁力部
11B 駆動部材部
11C 圧迫部
12 駆動部保持キャップ
13 引張スプリング
14 リ−ド線
20 受信部
30 信号処理部
31 増幅部
32 濾波部
40 信号分析部
41 A/D変換部
42 信号記憶部
43 演算部
50 診断出力部
51 判定部
52 判定条件設定部
53 画像出力部
54 音声出力部
60 制御部
61 励振信号発生部
62 受信期間信号発生部
63 センサ選択コ−ド発生部
70a、71b、70c、70d センサ部
80 センサ選択部
81 励振部選択スイッチ
82 受信部選択スイッチ
83 選択コ−ド判定部
100 励振コイル
【発明が属する技術分野】
本発明は、コンクリ−ト構造物の内部診断などに利用される固体内部の振動検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンクリ−ト構造物の劣化が問題になっており、その内部の診断が必要とされている。従来、コンクリ−ト内部の診断手法として、超音波を利用する方法が種々提案されてきた。特開平7−20097号公報には、エア−シリンダを使用したハンマでコンクリ−ト製品を軽打し、この時発生する音波の音圧レベルを騒音計で検出して良品か欠陥品かを判別する方法が開示されている。
【0003】
また、特開2000−2692号公報には、コンクリ−ト構造物の内部に超音波を入射し、伝搬する超音波をこの構造物の表面に接触させた加速度計を用いて受信し、この受信した超音波の周波数スペクトルを分析することによってコンクリ−ト構造物の内部の空洞の発生の有無を検査する方法が開示されている。この方法では、鋼球を所定の高さから被検査対象物の表面に落下させることによって超音波を入射させている。
【0004】
また、出願人の先願である特願2001−366719号には、磁気射出方式による励振部を用いてコンクリ−ト構造物の表面を打撃し、この時発生する音波を受信部で受信し、その信号を線形予測法によって分析し、コンクリ−ト構造物の良、不良を診断する方法が開示されている。この方法では、前記、鋼球落下方式の欠点である鋼球のバウンドによる検査精度の低下を防止している。
【0005】
これまでの開示例はコンクリ−ト構造物の1個所づつを検査する方法であるが、広い検査対象物を短時間に検査するには時間が掛かる。それに対して、出願人の先願である特願2001−384409号には、磁気射出方式による励振部と受信部を一つのセンサ部として、複数のセンサ部を配列する事により、コンクリ−ト構造物の良、不良を同時に多数の検査個所で診断する方法が開示されている。しかも、この開示例では、複数のセンサ部における磁気射出方式による励振部を同時に駆動して、隣接するセンサ部からの信号の干渉は、隣接するセンサ部の距離間隔を音波が伝搬するのに必要な時間だけ遅延する事を利用して避けている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、経験的に、磁気射出方式による励振部を用いてコンクリ−ト構造物の表面を打撃した時に発生する音波は、継続時間が少なくとも10ミリ秒以上あり、その全ての時間の波形を受信して分析しなければ検査精度が高まらない。即ち、コンクリ−ト構造物の表面を打撃した時点から10ミリ秒は発生した音波を受信する必要がある。従って、出願人の先願である特願2001−384409号のような複数のセンサ部における磁気射出方式による励振部を同時に駆動する方式では、分析に必要な受信時間である10ミリ秒の間は、隣接するセンサ部から発生する音波の受信干渉をなくす必要があり、隣接するセンサ部の距離間隔を10ミリ秒以上の遅延が生ずるような距離にする必要がある。空気中の音速を340m/秒とすれば、各センサ部の距離間隔は3.4m以上となり、これでは高密度間隔で診断する事は不可能である。
【0007】
本発明の目的は、磁気射出方式による励振部と受信部からなるセンサ部を近距離間隔で複数配置し、隣接するセンサ部の信号の干渉を避けて、高密度にコンクリ−ト構造物の良、不良を短時間に診断することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
従来技術の課題を解決する本発明に係わる固体内部の振動検査装置は、検査対象物の固体中に振動を発生させる励振部と固体中の振動を受信して電気信号に変換する受信部とから成る複数のセンサ部と、複数のセンサ部から一つを選択するセンサ選択部と、センサ部の受信部が受信した振動をアナログ処理する信号処理部と、ディジタル化して信号を分析する信号分析部と、分析信号の特性から検査結果を出力する診断出力部と、前記各部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、センサ選択部を介して複数のセンサ部を順次動作させるよう構成されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
励振部は、磁力を利用して検査対象物の固体表面に衝突し、その反作用により固体表面と分離する可動部を有し、この可動部の衝突分離動作により前記固体内部に自由振動を励振するよう構成されている。また、励振部は、鋼材等の接触部が、前記固体表面を打撃することによりその内部に自由振動を励振するよう構成されている。
【0010】
診断出力部は、受信部が受信した振動を線形予測法によって分析し、共振周波数と共振のQ値とに基づいて振動特性を検査するよう構成されている。
【0011】
検査結果は、良品又は不良品のうちの少なくとも一つを含む診断結果として出力されるよう構成されている。
【0012】
検査は、予め抽出され登録された良品と不良品の振動の特性と診断出力部が分析した振動の特性とを比較することによって行われるよう構成されている。
【0013】
受信部は液体、固体、半固体状または気体の層を介在させながら検査対象物の固体の振動を受信するよう構成されている。
【0014】
励振部は、少なくとも永久磁石と励振コイルとを具備し、当該永久磁石が前記励振部の可動部分を構成することを特徴としている。また、当該励振コイルを駆動する駆動電流は、単一パルス波形からなる直流パルス電流であることを特徴としている。
【0015】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例である固体内部の振動検査装置の全体構成を、斜線を付して示す検査対象物と共に示す機能ブロック図である。70a、70b、70c、70dはセンサ部であり、80はセンサ選択部、30は信号処理部、40は信号分析部であり、50は診断出力部、60は制御部である。
尚、ここで説明する実施例は4個のセンサ部で構成しているが、更に多数のセンサ部を設けて検査個所を増やす事も可能である。
【0016】
以下、各部の動作を説明する。
センサ部70a、70b、70c、70dは、同一の構成となっている。これを図11に示す。センサ部70は、励振部10と受信部20からなる。
図2は、図11中の励振部10の実施例を示す断面図であり、11は駆動部、12は駆動部保持キャップ、13は引張スプリング、14はリ−ド線、11Aは磁力部、11Bは駆動部材部、11Cは圧迫部、100は励振コイルである。
【0017】
駆動部11は、上述のように磁力部11A、駆動部材部11Bと圧迫部11Cとで構成されている。
磁力部11Aの好適な一例として、永久磁石が、また他の好適な例として、電磁石などが使用可能である。
【0018】
駆動部材部11B及び圧迫部11Cは、検査対象物より硬い材質である鋼材等により構成されている。
【0019】
図3は、磁力部11Aが、永久磁石により構成されている場合の励振コイル100に、リ−ド線14を介して供給される駆動電流波形の一例を示す波形図である。この駆動電流は、単一パルス波形からなる。最も強い駆動を行うものとして、図3に例示するように、永久磁石が励振コイル内を走行する時間に相当する時間長tの直流パルス電流で励振するのが最適である。駆動電流波形のパルス幅tは、t=l/vとなる。ここでlは、永久磁石が励振コイル内を走行する距離、vは、永久磁石の走行速度である。
【0020】
図2(A)に示すような初期状態において、検査対象物の固体表面から離れて静止し、励振コイル100に、リ−ド線14を介して、図3に例示したような波形の駆動電流が供給されると、駆動部11が検査対象物の固体表面に向け急激に前進し、検査対象物の固体は駆動部11に押される。これにより、図2(B)に示すように、駆動部11によって検査対象物の固体は変形する。
【0021】
続いて、図2(C)に示すように、駆動部11は、検査対象物の固体からの反発力によって上昇し、次いで引張スプリング13の伸張する圧力により、図2(A)に示すような初期状態に復元される。駆動部11が短時間に検査対象物の固体表面から離れることにより、これが検査対象物の固体内に励振された振動の負荷として作用することがなくなり、検査対象物の固体内に負荷の影響を受けない自由振動が励振される。
【0022】
励振コイル100に印加された駆動電流により駆動部11が検査対象物の固体表面に向け前進する原理を図14により説明する。ここで、104は、永久磁石(磁力部)11Aによる磁力線である。A点において、磁界はHA方向、励振コイル100に流れる電流は、紙面に対して垂直上方方向であることから、この電流に働く力は、矢印101の方向である。一方、B点においては、磁界はHB方向、励振コイル100に流れる電流は、紙面に対して垂直下方方向であることから、この電流に働く力は、矢印102の方向でA点における電流に働く力101の方向と同一である。
【0023】
これら電流に働く力の反作用が磁力部11Aを動かす駆動力となることから、この駆動力の方向は、矢印103の方向となる。これにより磁力部11Aは検査対象物の固体表面に向け前進する。ここで、図14に示すように、磁力部11A(永久磁石)のN極端面が励振コイル100の端面とほぼ一致するように配置する。また、磁力部11A(永久磁石)のS極端面が励振コイル100の内部に含まれるように配置する。
【0024】
このように、励振コイル100と磁力部11Aとを非対称的に配置することにより、磁力部11A(永久磁石)のN極端面から出た磁力線104が励振コイル100を通過することなく、S極端面に入る磁力線のみが励振コイル100を通過することとなる。これにより、磁力部11A(永久磁石)には検査対象物の固体表面に向け前進する駆動力のみが作用し、有効な打撃を検査対象物の固体表面に与えることができる。
【0025】
上述のような駆動力発生原理から、磁力部11Aが励振コイル100内を走行する時間に相当するパルス長の直流電流で励振コイル100を励振することが、効率的な磁力部11Aの駆動となる。
【0026】
このようにして検査対象物の固体内に励振された振動は、空気中に音波を発生し、その音波を受信部20で振動波形として受信する。受信部20はコンデンサマイクロホン等の空中用受音器で構成されている。
【0027】
尚、本実施例では、検査対象物の固体内に励振された振動から生ずる音波を振動波形として、コンデンサマイクロホン等の空中用受音器で空気を媒体として受信している。しかし、検査対象物の固体内に励振された振動を圧電磁器センサで直接受信するように構成する事も可能である。この場合、検査対象物と圧電磁器センサとの間には、振動結合層として、油、水、軟質プラスチック、スライムなどの液体、固体あるいは半固体状の層を構成する必要がある。
【0028】
センサ部70の受信部20で受信され、電気信号に変換された振動波形は、後述するセンサ選択部80を通して信号処理部30に供給される。図4は、信号処理部30の構成の一例を示す機能ブロック図であり、これは、前段の増幅部31と、後段の濾波部32とから構成されている。前段の増幅部31では、微弱な信号が信号分析できるレベルまで増幅される。また、制御部60から供給される受信期間信号により一定時間だけ増幅機能が有効になる。この結果、励振部10による再接触などによって後発的に発生することのある振動による不要な信号の処理を排除する。
【0029】
検査対象物のコンクリ−トなどの固体中の自由振動周波数は、通常10kHz以下であるため、濾波部32は10kHz以下の周波数の信号のみを通過させる低域通過特性を有している。また、この濾波部32は、300Hz以上の周波数の信号のみを通過させる高域通過特性を有し、50Hzのハムの混入を阻止する機能も有している。
【0030】
信号処理部30から供給される信号を処理する信号分析部40は、図5に示すように、A/D変換部41、信号記憶部42および、演算部43から成る。A/D変換部41に供給されるアナログ信号は、100kHz以下のサンプリング周波数でディジタル信号に変換され、信号記憶部42に記憶される。また、このA/D変換部41は、制御部60から供給される受信期間信号により一定時間にわたるA/D変換処理を開始することにより、励振部10による再接触などによって後発的に発生する振動による不要な信号のディジタル化を排除する。
演算部43は、信号記憶部42から読み出したディジタル信号に対して、信号分析を行い、検査対象物の固体の特徴抽出を行う。この信号分析にはフ−リエ変換が使用される。
【0031】
本発明者は、振動特性の分析の他の手法として、線形予測の手法が好適であることを見い出した。この線形予測法は全極モデルであり、受信信号が各共振モ−ドに分解される。この線形予測法は、コンクリ−ト内の自由振動のような複数の固有振動の合成によって構成される固体中の振動特性を分析し、その特徴を抽出するのに最適の分析手法である。
【0032】
本発明者は、また、この線形予測分析の最大次数は、コンクリ−トの診断においては、通常、200次程度で十分であることを見い出した。さらに、検査対象物の次数の推定は、赤池の情報規範(AIC)によって自動判定され、通常のコンクリ−ト診断においては、平均50程度であることも、本発明によって明らかになった。
【0033】
線形予測法においては、過去の受信信号Xn−Mから現在の受信信号Xnの予測値X n が算定される。ここで、
であり、εnは予測誤差雑音である。
【0034】この関係は行列形式において、
【0035】
(1)式の両辺にX行列を乗算することにより、次式を得る。
となり、相関行列Rおよび相関ベクトルrに関する以下の関係となる。
【0036】
【0037】
(4)式を解くことにより、未知数である予測係数anが求まる。このような線形予測を用いるスペクトル分析の処理の全体を図8に示す。図8に示した入力信号Xnを出力信号εnに変換する処理の伝達関数F(z)は、z変換により、
F(z)=1−(a1z− 1+a2z−2+・・+aMz−M) …(5)
として与えられる。ここで、出力εnは予測誤差雑音であり、一様分布スペクトルであるため、この伝達特性F(z)は入力信号Xnの周波数特性の逆特性となっている。
【0038】
従って入力信号Xnの周波数特性X(z)は、
として与えられる。
【0039】
このように、線形予測法を使用すると、受信信号の周波数特性X(z)が得られるが、この関数の分母の根を算定することにより、さらに、各固有振動数の周波数とその共振時のQ値を得ることができる。X(z)の分母を0とする方程式の根をbnとすると、
であり、それぞれの根がそれぞれの共振点に対応する。
【0040】
このbn=zなる関係からそれぞれの固有振動数の周波数とその共振におけるQ値が算定される。これらの値は、固体中の状況に直接対応した値であり、固体対象物の良否判定における最も有用な指数である。このような共振分析処理も、信号分析部40内の演算部43で行われる。
【0041】
図1の制御部60は、図7に例示するように、励振信号発生部61、受信期間信号発生部62、センサ選択コ−ド発生部63で構成されている。励振信号発生部61は、励振部10の駆動パルスになると共に、次に述べる各信号の基本タイミングとなるパルスを発生する。そしてその周期は、磁気射出方式による励振部を用いてコンクリ−ト構造物の表面を打撃した時に発生する音波の継続時間が少なくとも10ミリ秒以上あることから、20ミリ秒程度に設定される。
【0042】
受信期間信号発生部62は、励振信号発生部61で発生する駆動パルスに同期して10ミリ秒程度の受信期間信号を発生し、信号処理部30と信号分析部40に供給する。また、センサ選択コ−ド発生部63は、励振信号発生部61で発生する駆動パルスに同期してセンサ選択コ−ド信号を発生し、診断出力部50とセンサ選択部80に供給する。
【0043】
なお、本発明における主要課題は、磁気射出方式による励振部と受信部からなるセンサ部70を近距離間隔で複数配置し、隣接するセンサ部70の信号の干渉を避けて、高密度にコンクリ−ト構造物の良、不良を短時間に診断すると言う目的に対して、センサ部を順次動作する解決手段を用いるわけであるが、このセンサ部の順次動作に関して図13のタイムチャ−トを用いて詳述する。
【0044】
図13において、励振信号は20ミリ秒程度の周期のパルス信号でありパルス幅は、前述した図3におけるtであり、後述するセンサ選択部80を介して各センサ部70a、70b、70c、70dの内いずれかの励振部10の駆動信号となる。
【0045】
また、図13の受信期間信号は励振信号の立ち上がりから、所定の時間遅れて発生する10ミリ秒程度のパルス幅を持つ信号である。この信号は、信号処理部30および信号分析部40内のA/D変換部41と信号記憶部42の動作時間となる。ここで、所定時間遅れは調整可能とされている。また、信号分析部40内の演算部43での信号分析および診断出力部50での判定は、受信期間信号の立ち下がり時点から行われる。なお、前述した調整可能な所定時間遅れは、励振部10に駆動信号が与えられて、磁気射出が行われて、実際に検査対象物が打撃されるまでの時間を調整するものである。
【0046】
また、図13のセンサ選択コ−ド信号は、センサ選択コード信号発生部63で発生する。この信号は、励振信号の立ち上がり毎にコ−ドの内容が順次変化する信号となっている。この例ではセンサ部が4個なので、コ−ドの内容は、2進数の2桁の数値コ−ドで00、01、10、11とカウントアップし、次の励振信号の立ち上がりで00にリセットされ、再び01、10、11とカウントアップを繰り返す。このセンサ選択コ−ド信号のコ−ドの内容が、複数のセンサ部70a、70b、70c、70dの中から一つを指定するコ−ドとなり、この例では、00がセンサ部70aに、01がセンサ部70bに、10がセンサ部70cに、11がセンサ部70dに対応する。図13において、センサ選択コ−ド信号のコ−ドの内容に従って、センサ部70aの励振動作と受信動作、センサ部70bの励振動作と受信動作、センサ部70cの励振動作と受信動作、センサ部70dの励振動作と受信動作、そして再びセンサ部70aの励振動作と受信動作が繰り返される事を示している。
【0047】
このように複数のセンサ部の中から1つのセンサ部を選択して、励振動作に続いて分析に必要な時間だけ受信動作を行う事で、(その間、他のセンサ部の動作は停止しているので隣接するセンサ部からの信号の干渉が無い)各センサ部の配置間隔を近距離にする事ができ、しかも各センサ部の動作を必要最小限の時間で順次切り替える事で、多数の検査個所を実用上ほぼ同時に、高密度間隔で検査できる事になる。
【0048】
図12は、センサ選択部80の構成を示すブロック図である。センサ選択部80は、励振部選択スイッチ81、受信部選択スイッチ82及び選択コ−ド判定部83を備えている。選択コ−ド判定部83はセンサ選択コ−ド信号のコ−ドの内容により励振部選択スイッチ81の接続位置を選択して、指定されているセンサ部の励振部10に励振信号を供給する。また、同様にセンサ選択コ−ド信号のコ−ドの内容により受信部選択スイッチ82の接続位置を選択して、指定されているセンサ部の受信部20の受信信号を信号処理部30に供給する働きを行う。
【0049】
図6は、診断出力部50の構成を示すブロック図である。この診断出力部50は、判定部51、判定条件設定部52、画像出力部53及び音声出力部54を備えている。判定部51では、前段の信号分析部40から供給される信号分析結果と、判定条件設定部52で設定中の設定内容とを比較することによって良否の判定を行う。この判定は、制御部60からの受信期間信号に同期して行われる。また、どのセンサ部による判定結果であるかは、センサ選択コ−ドで判断する。
この判定部51の判定結果は、画像出力部53や、音声出力部54から出力される。
【0050】
図9は、大きさ30cm×30cm、厚さ5cm、のコンクリ−ト板を検査対象物として選択し、この実施例の構成により、計測期間中は励振部が固体表面から離れるようにして励振し、この励振に同期して信号を受信した場合の波形(A)と、励振部10の構成を変更することにより圧迫部11Cが再度コンクリ−ト板に接触するように励振すると共に、制御部から供給される同期信号から所定時間経過した後も信号処理部30や信号分析部40を機能させた場合の信号波形(B)とを例示している。
【0051】
図9(A)の波形をFFT(高速フ−リエ変換)した場合の、周波数スペクトルは図10(A)に示すようになり、特徴的な鋭いスペクトルが明瞭に観察される。一方、図9(B)の波形をFFTした場合の周波数スペクトルは図10(B)に示すようになり、対象の特徴を明瞭には示さない複雑なスペクトルとなる。このことから、本発明の構成によって、計測期間中は励振部が固体の表面から離れるように自由振動励振し、この励振に同期して自由振動を受信することにより、対象の固体の特徴抽出が行われることになる。
【0052】
図10の(A)に示すような信号分析によって抽出された特徴的なスペクトルが、良品と不良品の双方について、判定条件設定部52を通して判定部51に登録される。判定部51は、検査対象物から線形予測法に従って抽出されたスペクトルを登録中のスペクトルと比較し、これが登録中の良品のスペクトルと類似していれば、良品の判定結果を出力し、これが登録中の不良品のそれと類似していれば不良品の判定結果を出力する。
【0053】
以上、FFTを適用する構成による結果を例示した。しかしながら、このFFTは、線形予測法あるいはこれと類似する最大エントロピ−法、ARMA法、パ−コ−ル分析法など他の手法により代用することも当然可能である。
【0054】
また、受信した振動の特性を分析し、良否の診断結果を出力する構成を例示した。しかしながら、周波数スペクトルなど振動の特性の分析結果をそのまま表示装置などに出力し、この表示デ−タを検査作業者が目視によって検査することにより良否を診断するという構成を採用することもできる。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係わる固体内部の振動検査装置は、励振部10と受信部20から成る複数のセンサ部70a、70b、70c、70dを設ける事で、多数の検査個所での検査結果の判定が同時に行える固体内部の振動検査装置が実現できる。
また、複数のセンサ部の動作を時分割で行う事で各センサ間の受信信号干渉をなくして、各センサ間の距離を短くする事ができる。更に、各センサ部の動作時間をコンクリ−ト構造物の表面を打撃した時に発生する音波の継続時間より長めで、しかも検査精度に支障を起こさない20ミリ秒程度に設定されるので、検査個所の間隔が高密度で多数の検査個所での検査が高速で可能になるという効果が奏される。
さらに、時分割で受信を行う事で増幅部31、濾波部32、A/D変換部41、信号記憶部42などの主要回路部がセンサ部の数に合わせて同数で構成することなく、一つの共通回路部として使用できるので全体構成が安価に実現可能である。
【0056】
また、本発明の振動検査装置は、磁力を利用して検査対象物の固体表面を短時間だけ接触打撃することによりその内部に自由振動を励振する構成であるから、従来のエアシリンダ−などを使用する低速の打撃手段を用いて励振する場合に比べて、励振機構に影響されない高確度の診断が可能となるという利点がある。
【0057】
また、本発明の好適な実施の形態によれば、予め抽出され登録された良品と不良品の振動の特性と比較することなどによって良否の判定結果が出力される構成であるから、作業者の熟練を要することなく、客観的な判定が可能になるという利点がある。
【0058】
また、本発明の他の好適な実施の形態によれば、診断出力部は、受信部が受信した振動を線形予測法などを利用して分析し検査結果として出力する構成であるから、共振周波数と共振のQ値とを簡単に算定できるという線形予測法の特徴を活かすことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる固体内部の振動検査装置の構成を検査対象物の固体と共に示す機能ブロック図である。
【図2】図11の励振部の構成の一例を示す断面図である。
【図3】図11の励振部に供給する駆動電流波形の一例を示す波形図である。
【図4】図1の信号処理部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図5】図1の信号分析部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】図1の診断出力部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図7】図1の制御部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図8】図1の信号分析部が行う線形予測法に基づく信号処理を回路によって表現した図である。
【図9】図11の励振部によって励振した振動波形の一例を示す波形図である。
【図10】図9の波形をFFTして得た周波数スペクトルである。
【図11】図1のセンサ部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図12】図1のセンサ選択部の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図13】図1の制御部から発生する信号と各部の動作タイミングを示すタイムチャ−トである。
【図14】図11の励振部の駆動動作を説明する図である。
【符号の説明】
10 励振部
11 駆動部
11A 磁力部
11B 駆動部材部
11C 圧迫部
12 駆動部保持キャップ
13 引張スプリング
14 リ−ド線
20 受信部
30 信号処理部
31 増幅部
32 濾波部
40 信号分析部
41 A/D変換部
42 信号記憶部
43 演算部
50 診断出力部
51 判定部
52 判定条件設定部
53 画像出力部
54 音声出力部
60 制御部
61 励振信号発生部
62 受信期間信号発生部
63 センサ選択コ−ド発生部
70a、71b、70c、70d センサ部
80 センサ選択部
81 励振部選択スイッチ
82 受信部選択スイッチ
83 選択コ−ド判定部
100 励振コイル
Claims (9)
- 検査対象物の固体中に振動を発生させる励振部と固体中の振動を受信して電気信号に変換する受信部とから成る複数のセンサ部と、複数のセンサ部から一つを選択するセンサ選択部と、センサ部の受信部が受信した振動をアナログ処理する信号処理部と、ディジタル化して信号を分析する信号分析部と、分析信号の特性から検査結果を出力する診断出力部と、前記各部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、センサ選択部を介して複数のセンサ部を順次動作させることを特徴とする固体内部の振動検査装置。
- 請求項1において、
前記励振部は、磁力を利用して検査対象物の固体表面に衝突し、その反作用により固体表面と分離する可動部を有し、この可動部の衝突分離動作により前記固体内部に自由振動を励振することを特徴とする固体内部の振動検査装置。 - 請求項1乃至2のそれぞれにおいて、
前記励振部は、鋼材等の接触部が、前記固体表面を打撃することによりその内部に自由振動を励振することを特徴とする固体内部の振動検査装置。 - 請求項1乃至3のそれぞれにおいて、
前記診断出力部は、前記受信部が受信した振動を線形予測法によって分析し、共振周波数と共振のQ値とに基づいて振動特性を検査することを特徴とする固体内部の振動検査装置。 - 請求項1乃至4のそれぞれにおいて、
前記検査結果は、良品又は不良品のうちの少なくとも一つを含む診断結果として出力されることを特徴とする固体内部の振動検査装置。 - 請求項1乃至5のそれぞれにおいて、
前記検査は、予め抽出され登録された良品と不良品の振動の特性と前記診断出力部が分析した振動の特性とを比較することによって行われることを特徴とする固体内部の振動検査装置。 - 請求項1乃至6のそれぞれにおいて、
前記受信部は液体、固体、半固体状または気体の層を介在させながら前記検査対象物の固体の振動を受信することを特徴とする固体内部の振動検査装置。 - 請求項1乃至7のそれぞれにおいて、
前記励振部は、少なくとも永久磁石と励振コイルとを具備し、当該永久磁石が前記励振部の可動部分を構成することを特徴とする固体内部の振動検査装置。 - 請求項8において、
当該励振コイルを駆動する駆動電流は、単一パルス波形からなる直流パルス電流であることを特徴とする固体内部の振動検査装置。
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