JPH09101042A - 床暖房構造 - Google Patents

床暖房構造

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JPH09101042A
JPH09101042A JP7257894A JP25789495A JPH09101042A JP H09101042 A JPH09101042 A JP H09101042A JP 7257894 A JP7257894 A JP 7257894A JP 25789495 A JP25789495 A JP 25789495A JP H09101042 A JPH09101042 A JP H09101042A
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floor
panel
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JP7257894A
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Teruo Okano
照夫 岡野
Hiroshi Shida
弘 志田
Akira Kawasaki
章 川崎
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NIPPON BEROO KK
SHIYOUDEN KK
Sky Aluminium Co Ltd
Shoden Corp
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NIPPON BEROO KK
SHIYOUDEN KK
Sky Aluminium Co Ltd
Shoden Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蓄熱材使用の床暖房方式における蓄熱材使用量
過大化防止策及び全生活時間帯に徐々に放熱させ、制御
された室温が得られる手段を見出すこと。 【解決手段】床暖房構造が上方から順次、床パネル、蓄
熱材封入体、発熱体封入パネル及び断熱性パネルからな
る構造であり、床パネルは金属製上層平板、同下層凹凸
板、中間層断熱材からなり、上層平板は床表面仕上げ材
敷設面を有し、下層凹凸板は上層平板側に凸部、反対側
に凹部を有する多数の椀状凹凸構造を有し、凸部頂部は
上層平板に溶着され、両板間隙には中間層断熱材が充填
され、蓄熱材封入体は、結晶融解潜熱を放出する結晶性
塩と水の混合物を用いた蓄熱材が合成樹脂製のシート間
に密封され、前記凹部に充填可能な形状を有し、発熱体
封入パネルは床パネル下側に敷設された蓄熱材加熱用パ
ネルであり、断熱性パネルは発熱体封入パネルの下方全
面に配設された床暖房構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室の床側から蓄熱
材の蓄熱を徐々に放出させることのできる床暖房構造に
関する。より詳細には、建築物本体の床構造材面上に直
接、又は空間部を残して形成される床暖房構造であっ
て、深夜電力等を利用して蓄熱材に蓄熱させた安価な熱
を、しかも長時間にわたり徐々に放出させることのでき
る床暖房構造に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、暖房の必要な季節において、一般
家屋とかオフィス等の大きい空間を有する居室の室温
を、通常の生活時間帯において、しかも長時間にわたり
快適に維持する方法として床暖房構造を利用する方法が
一般化しつつある。この床暖房構造を利用すれば、床全
面から広く放熱することができるため、いわゆる頭寒足
熱という人体には好ましい温度分布をとりやすいことに
特長がある。一方、床暖房構造を構成するために必要な
給熱方式の一つとして、加熱流体を循環させる方式があ
るが、屋外に大型の流体加熱装置が必要になる他、床暖
房構造内に設置される循環パイプの管理・保全には多大
の労力を要する点に問題が残されている。
【0003】これに対して、上記給熱方式に代わる他の
方式として、物理化学的手段を用いる方式があり、この
方式によれば上記加熱流体循環の場合のような問題がな
いため注目されている。この方式は、結晶性の無機又は
有機化合物の塩と水の混合物という蓄熱材を用い、上記
化合物の無水又は含水塩である結晶が融解するに必要な
融解熱(潜熱)を与えて蓄熱し、低温下に置けば再結晶
し、凝固熱を発生する原理を利用するものであり、この
融解熱源として深夜電力、太陽熱その他工場廃熱を利用
すれば一層有利な方法といえる。特に深夜電力は、その
供給安定性、配管等の装置が不要、就寝時間帯の活用性
の他、安価である等の点で好ましい熱源と言える。
【0004】しかし、この蓄熱材を用いる方式の場合、
その融解状態を維持し、蓄熱をするための給熱を行って
いる間は、該蓄熱の一部は室内に放熱され続け、深夜電
力の場合は早朝に電源が切られると、蓄熱材は凝固熱を
放熱し始めるが、その放熱量及び放熱速度は室温との温
度差に左右され、しかもそれらは調節できないので室内
温度を適温に設定することもできないという問題があ
る。更に、上記放熱速度等の調節ができないことから、
融解潜熱が早期に消費されてしまう危険性もあり、実用
上問題があった。融解潜熱の早期消費の問題に対して
は、蓄熱材量を多くし、床厚みを増せば一応解決できる
わけであるが、天井高さが所望の範囲以下になる可能性
もあり、また、オフィスをリフォームし、建築物本体の
床構造材上にアクセスフロアーを敷き、床下にコンピユ
ーター用、電話用等各種配線を配置すしようとする場合
は、その厚み増加は一層大となり、前記同様天井高さの
低下が問題となる。従って、単に蓄熱材量を多くするの
みでは、各種課題に対処することはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上記
蓄熱材使用による床暖房方式における各種課題、特に蓄
熱材使用量を過大にすることなく、しかも全生活時間帯
にわたり徐々に放熱させ、制御されうる室温が得られる
手段を得ることを解決課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究した結果、蓄熱材の使用量は従来
と同じであっても、その放熱速度を下げるように調節す
ることのできる床構造をとることによって解決すること
を見出し、また蓄熱材封入体の多数個を一体化すること
により、床暖房構造が効率よく形成されることを見出
し、本発明を完成した。
【0007】本発明の要旨は以下の通りである。 (第1)建築物本体の床構造材上に構成される床暖房構
造が、上方から順次、床パネル (A) 、蓄熱材封入体
(B) 、発熱体封入パネル (C) 及び断熱性パネル(D)
が重ねられた構造であり、床パネル (A)は金属製の上
層平板 (A1)、金属製の下層凹凸板 (A2)及び中間層断
熱材 (A3)からなり、上層平板 (A1)の上面は床表面仕
上げ材敷設面を形成し、下層凹凸板 (A2)は上層平板側
に凸部、反対側に凹部を有する多数の椀状凹凸構造を有
し、凸部頂部は上層平板に溶着され、両板間隙には中間
層断熱材 (A3)が充填されてなり、蓄熱材封入体(B)
は、結晶融解潜熱を放出する結晶性塩と水の混合物を用
いた蓄熱材が合成樹脂製のフラットシート及び椀状シー
ト間に密封され、床パネル(A)の凹部に装填され、発
熱体封入パネル(C)は床パネル(A)の下側において
蓄熱材封入体(B)に接して敷設された蓄熱材加熱用パ
ネルであり、断熱性パネル(D)は発熱体封入パネル
(C)の下方全面に配設されてなる床暖房構造。 (第2)金属製の上層平板 (A1)の上表面に遠赤外線放
射性材層を設けてなる上記第1記載の床暖房構造。 (第3)床暖房構造が、建築物本体の床構造材上に形成
されたアクセスフロアー構造の上部に配設された上記第
1記載の床暖房構造。 (第4)金属製の下層凹凸板 (A2)の椀状凹凸が部分球
面状、截頭円錐面状又は截頭角錐面状に形成されてなる
上記第1記載の床暖房構造。 (第5)床パネル(A)に充填された中間層断熱材 (A
3)が、軽量モルタル、発泡合成樹脂又は軽量骨材充填合
成樹脂である上記第1記載の床暖房構造。 (第6)蓄熱材封入体(B)が、その外面にアルミニウ
ム箔が積層されてなる上記第1記載の床暖房構造。 (第7)蓄熱材封入体(B)が、その複数個が同一平面
上に一体的に、且つ金属製の下層凹凸板 (A2)の凹部の
配列と同一に成形され、該凹部に対し装着、分離自在の
成形体である上記第1又は7記載の床暖房構造。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容を詳細に説明
する。本発明に係る床暖房構造は、一般家屋とかオフィ
スの新築時に建築物本体の床構造材上に直接形成するこ
とができ、特にアクセスフロアーに便利に適用できる特
徴を有するが、更に、その床暖房構造自体の厚みを従来
の床構造の厚みとほとんど変わらない程度に薄くするこ
とができる点から、既存の一般オフィスの室をコンピュ
ーターとか電話用配線等が床下に多量に敷設される必要
のある室にリフォームする場合に特に好適である。しか
も床面からの放熱量、放熱速度を調節することができる
構造であるため、全生活時間帯にわたり、快適な室温が
得られる。
【0009】本発明に係る床暖房構造は、その最上面に
床パネル(A)が配設された構造であり、該パネルは床
の主たる強度付与材であり、且つ本発明の主目的である
放熱調節機能の主要部を果している。床パネル(A)
は、後述する中間層断熱材(A3)の他、一体化された金
属製上層平板 (A1)と金属製の下層凹凸板(A2)から構
成されている。両板はそれぞれ、建築材料としての軽量
性、各種機器の荷重に耐える高剛性、化学薬品である蓄
熱材に対する耐薬品性等の他、大気に対する耐水性、耐
酸化性が要求され、通常は0.8〜3.0mm厚みのアルミ
ニウム、表面メッキ(例えば亜鉛メッキ)をした0.5〜
1.6mm厚みの鋼材等が好適に使用される。
【0010】金属製上層平板 (A1)は、表面に床用マッ
ト、床用リノリウムシートの他寄木方式の床材等が敷か
れるに充分な平滑性があればよい。該上層平板は次に説
明するように、金属製下層凹凸板(A2)との間に散在す
る溶着部分から主として熱を受け、室内に放熱するわけ
であり、換言すれば放熱部分は主として上記溶着部分又
はその周辺部分であり、室内への放熱態様としては必ず
しも均一なものではない。この放熱部分を床全体にわた
り均一化するために上下両金属板間の溶着部分を増すこ
とも一解決手段ではあるが、後記の蓄熱材使用量とか充
填能率の点からも限界がる。この対策として、下層凹凸
板(A2)から受ける熱を水平方向に可及的に広く広げた
状態で室内に放散させる方法が考えられ、銅板など熱伝
導性のよい板を上層平板 (A1)上に重ねて敷くことは最
も簡便な方法と言える。銅板に代え、アルミニウムの特
殊合金であり、加熱されると遠赤外線を放射する金属板
を用いれば最も効果的である。
【0011】上記遠赤外線放射性アルムニウム合金板に
ついて簡単に説明する。赤外線は可視光線やマイクロ波
と同様に電磁波であり、波長によって近赤外線,中赤外
線,遠赤外線の3種に区分され、その中で遠赤外線は3
〜1000μmの領域を指す。この遠赤外線は空間を通
って被処理物に吸収され、分子振動や格子振動などを励
起し、直ちに熱となり、該被処理物の温度の上昇をもた
らす。特に、樹脂,ゴム,繊維,食品などの加熱や乾燥
に利用する場合には、3〜30μmの波長域にそれぞれ
吸収波長をもつものが多く、この波長領域における放射
率の高い放射材料が加熱や乾燥効率を高めるのに有効で
ある。このような遠赤外線放射性材料としては、従来ア
ルミナ,グラファイト,ジルコニアなどの各種セラミッ
ク材料が知られている。しかしながら、これらのセラミ
ック材料は割れやすく、かつ加工性が悪いために、複雑
な加工が要求される用途には用いることができず、また
熱伝導性に劣るため加熱効率が悪いなどの欠点があっ
た。このような欠点を解消し、本発明の床構成材に好適
に使用し得る材料としては、表面に特有の陽極酸化皮膜
を有する遠赤外線放射性アルミニウム合金板(特開平5
−311307号公報)が好適である。
【0012】金属製下層凹凸板(A2)は、上記金属製上
層平板 (A1)の下側に位置し、該上層平板側に凸部、反
対側に凹部を有する多数の椀状凹凸構造を有する高剛性
構造材であり、該凸部の各頂点部分は上層平板 (A1)に
ほぼ平行な平坦部を有してこれに溶着されており、この
溶着により床パネル(A)の曲げ、圧縮等の強度は一段
と向上し、高強度床材として機能を発揮している。椀状
凹凸構造としては、最も一般的には半球面構造である
が、部分球面構造、その頭頂部分は上層平板(A1)にほ
ぼ平行な截頭平坦部を有する構造の他、部分球面構造の
頭頂部に小径の部分球面が更に成形されたものも成形
性、放熱速度の調節性(後述のごとく、上層平面との溶
着面積が調節ができる)、中間層断熱材(A3)の充填容
易性などを考慮し適宜選択することができる。なお、本
発明にいう椀状凹凸構造には上記球面形状に属するもの
のみではなくて、同様の機能を発揮する半楕円面構造、
部分楕円面構造、截頭半楕円面構造等の楕円形に基づく
構造のものの他、截頭円錐面構造、截頭角錐面構造のも
のも、各種の観点から斜面あるいは稜線の勾配が選択さ
れて適宜使用することができる。なお、曲率半径の大き
い半球面構造にあっては、事実上頭頂部に平坦部を有し
ないものも適用し得る。
【0013】後述のごとく、金属製下層凹凸板(A2)の
下面の凹部には、蓄熱材封入体(B)が充填され、蓄熱
材から床面上への放熱は、上記上下層板の溶着部分又は
その周辺からの伝導放熱が主である。それ以外の部分か
らは、下層凹凸板(A2)から空気層を介して上層平板
(A1)が輻射加熱されることに基づく床面上へ放熱もあ
りうるが、本発明においては、この輻射加熱に基づく放
熱は下記の中間層断熱材(A3)充填により可及的に抑
え、前者の伝熱放熱の速度(量)を調節しようとするも
のである。この調節は、前期溶着部分の面積の調節その
他の手段により容易になし得る。
【0014】本発明に係る床暖房構造は、上層平板 (A
1)が上記のごとく溶着部分以外から熱を受けることを可
及的に抑えるために、上下層板間の空間部分に中間層断
熱材(A3)を充填したものであり、この構成をとること
により蓄熱材の放熱は、ほとんど溶着部分又はその周辺
部分において行われることになり、この溶着面積如何で
放熱量を調節することができる。例えば比較的速く室温
を上げたい特定の部屋の場合は、この溶着面積(截頭平
坦部面積)を比較的広くしておくことにより、容易にそ
の要求は達成できる。
【0015】中間層断熱材(A3)の材質、種類等は上下
層板の腐食性のないものであれば特に限定されるもので
ないが、充填時には流動性を有し、最終的には固化する
流動体が最も好ましい。又、前記金属製上下層間の狭い
間隙に流して充填する方法が最も簡単である以上、低粘
性のものが好ましく、発泡又は中空の軽量骨材例えばパ
ーライト、シラスバルーン、膨張蛭石等の他、界面活性
剤による気泡等を含ませた軽量モルタルが使用できる。
また、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン等
発泡体が作りやす合成樹脂も好適である。発泡体の充填
方法としては、ポリスチレン、ポリオレフィンと発泡剤
と混練して流入する方法もあるが、これらのビーズ(又
はペレット)と発泡剤の混合物を常温下に充填して後に
加熱発泡させる方法も適用できる。更には、前記軽量骨
材を上記合成樹脂ビーズに混合して充填した後、合成樹
脂を加熱溶融させる方法も簡便な方法である。
【0016】本発明に係る蓄熱材封入体 (B)として
は、結晶融解熱(潜熱)を放出する結晶性塩と水の混合
物を水密に封入したものであり、このような結晶性塩と
しては塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アン
モニウム、燐酸アンモニウム、燐酸2アンモニウム、食
塩、酢酸ソーダ、硫酸ナトリウム5水塩、塩化カルシウ
ム2水塩等が単独で、又は混合して使用される。
【0017】この蓄熱材封入体 (B)は、前記金属製下
層凹凸板(A2)の凹部に充填される。充填方法として使
用する蓄熱材を直接該凹部に充填し、金属箔等で該凹部
開口部を密封する方法もあり得るが、上記塩類は金属の
腐食性も高いため凹部内面にポリエチレン等合成樹脂で
被覆をし、同一材質のシートを使用して凹部開口部を加
熱密封し、その結果として凹部に蓄熱材封入体 (B)が
充填された状態にする方法がより好ましい。しかし、上
記のごとく凹部内面の被覆、多数の凹部への蓄熱材の個
々の充填と密封作業は能率的ではない。このため、該凹
部形状に対応した合成樹脂製包材による蓄熱材封入体
(B)を予め準備し、所望の凹部に装填して行き、後述
の発熱体封入パネル(C)及び断熱性パネルで、凹部の
開口側の面、即ち下層凹凸板(A2)裏面全体を覆うこと
により、上記作業能率は一段と向上する。
【0018】全凹部に蓄熱材を充填する場合に、下層凹
凸板(A2)の凹部が所定の配列で形成されていれば、こ
の配列に合わせて上記蓄熱材封入体 (B)を一体的に製
造しておくことにより、ワンタッチで凹部への蓄熱材の
装填ができるので最も好ましい。具体的には、ポリエチ
レン等熱可塑性合成樹脂のシートを下層凹凸板(A2)と
同様の形状及び配列の凹部を有する真空成形金型の上に
載置し、加熱下に金型凹部内を減圧して該シートに下層
凹凸板の凹部に対応する椀状凹部を形成し、該凹部に蓄
熱材を注入し、シート全体を別のフラットシートで被覆
し、熱融着することにより容易に製造することができ
る。この個々の蓄熱材封入体が一体化したシートは合成
樹脂であるから熱伝導性が比較的低いため、蓄熱の放熱
性を上げるために厚みを下げることが好ましいが、シー
ト全体の剛性、耐損傷性、熱伝導性の向上のために少な
くとも一外面にアルミニウム等の金属箔を積層しておく
ことがより好ましい。
【0019】蓄熱材封入体(B)の下側には発熱体封入
パネル (C) が配置される。ここに使用されるパネル
は、封入された電熱線からの熱又は通電により発熱する
発熱体の熱を外部、特に蓄熱材封入体(B)側に効率よ
く放熱させる必要性から、封入材は電気不良導体であ
り、高熱伝導性、耐熱性が要求されることは当然であ
り、電熱線を発熱体として用いる場合は、被覆電線を用
いたパネル、あるいはマイカ等で挟持してポリエステル
シート等耐熱性シートでサンドウィッチ状に封入したパ
ネルが好適であるが、ガラス繊維布基材に四弗化エチレ
ン樹脂とカーボン粉末の混合液を塗布し、焼成して得た
導電性発熱層の表裏面に、銅箔/ポリエチレン/ポリエ
ステル積層フィルムをその銅箔層を内面側にしてラミネ
ートし、該銅箔に通電用リード線を付けた面状発熱体
が、全面における発熱の均一性あるいは発熱量調節の利
便性等の点から好適である。もっとも、電熱線の場合も
面状発熱体の場合も、室内の場所別温度分布の調節には
簡単に対応させることができるので便利である。
【0020】断熱性パネル(D)は、本発明に係る床暖
房構造の最下面を構成するものであり、建築物本体の床
構造材表面に接して、又は、アクセスフロアーの床下空
間部側に面して配設されるものであり、発熱体封入パネ
ル (C) からの熱が下方に逸散することを可及的に抑制
し、蓄熱材加熱効率を上げようとするものである。使用
される断熱性パネルの材料としては、断熱性に優れてい
ることが必要であることは勿論、発熱体封入パネルに隣
接する関係上、電気不良導体であることが望ましく、更
に耐熱性、難燃性等も要求されるから、合成樹脂被覆軽
量コンクリート、発泡ポリウレタン、難燃性の発泡ポリ
エチレン等が例示できる。
【0021】本発明に係る床暖房構造は、床全体にわた
り同一にすることが最も簡単であるが、暖房の要不要を
考慮して、必要な床部分又は特定の間仕切り部分にのみ
形成することも適宜なしうる。又、本発明の床暖房構造
は、床全体にわたり一体的に形成してもよいが、該構造
を構成するパネル等を所定の扱い易い大きさとし、寄せ
木風に順次敷きつめてアクセスフローを形成すると便利
である。このようにすることにより、施工、補修も容易
になり、上記暖房を場所別に変える等の施工もできるよ
うになり好ましい。この寄せ木風の施工の場合は、床暖
房構造の各構成材料を一辺30〜90cm程度の大きさ
の四角形状の小片とし、これを敷きつめて床を作ること
が好適である。
【0022】以上、本発明にかかる床暖房構造について
詳説したが、具体例を図面を用いて更に説明する。図1
は、本発明に係る床暖房構造の一例を示すものであり、
一部切り欠き縦断面図である。建築物本体の床構造材
(E)の上面に、最上面から順次床パネル(A)、蓄熱
材封入体 (B) 、発熱体封入パネル (C) 及び断熱性パ
ネル (D) が重ねられた構造に形成されている。図2
は、床パネルの中間層断熱材を充填する前の状態の一例
を示すものであり、一部切り欠き縦断面図である。図3
は、蓄熱材封入体 (B) の一例を示すものであり、一部
切り欠き縦断面図である。図4は、発熱体封入パネル
(C) の一例を示すものであり、一部切り欠き縦断面図
である。図5は、本発明に係る床暖房構造の他の一例を
示すものであり、一部切り欠き縦断面図である。建築物
本体の床構造材(E)の上面には、空間部(K)を残し
て支柱(G)で支持された床構造材(F)が形成され、
その上部に図1同様の床暖房構造が構成され、且つ床パ
ネル表面には遠赤外線放射性金属板(H)が敷かれてい
る。図6は、図2のX−X線切断矢視図を示す。図7
は、図2のY−Y線切断矢視図を示す。
【0023】本発明に係る床暖房構造は、図1及び図5
にその一例を示すように建築物本体の床構造材(E)又
は、その上面にコンピュータ、通信機器等各種配線が設
置される空間Kを形成するための間隔材(G)で支持さ
れた床構造材(F)の上に構成される。床暖房構造の構
成は、最上面から順次、床パネル(A)、蓄熱材封入体
(B)、発熱体封入パネル (C) 及び断熱性パネル (D)
が重ねられた構造に形成されている。
【0024】床パネル(A)は、厚みが1.0mmのアル
ミニウム製上層平板 (A1)、厚み0.7mmのアルミニウ
ム製下層凹凸板 (A2)及び軽量骨材のパーライトを混練
した軽量モルタル製中間層断熱材 (A3)からなってい
る。上層平板 (A1)は、床用マット(図示せず)等床面
仕上げ材が敷かれる程度に平滑に仕上げられている。下
層凹凸板 (A2)は上層平板 (A1)側に凸部(A23) 、反
対側に凹部 (A24)を有する多数の椀状凹凸構造 (A22)
を有し、凸部頂部 (A25) は上層平板 (A 1)と溶着部
(A4)を形成して一体化している。なお下層凹凸板
(A2)の凸部(A 23) 及び凹部 (A24) は平面部(A21)
の所定の位置に形成されている。凸部(A23) の凸部
頂部 (A25) は、溶着部 (A4)のごとく球面の状態で、
即ち最小面積で溶着されていてもよいが、溶着面積を増
して熱伝導量を増加させるために剪頭球面溶着部
(A41)のような形状をとることも好ましい。
【0025】上層平板 (A1)と下層凹凸板 (A2)の間隙
(A5)には、中間層断熱材 (A3)が充填され、凹部 (A
24) 内に充填されている蓄熱材封入体(B)から放出さ
れる熱が、上記間隙(A5)を介して上層平板 (A1)を輻
射加熱することを防止し、溶着部 (A4)又は(A41)か
らの伝導放熱に制約する。
【0026】蓄熱材封入体(B)には、厚さ約30μm
のポリエチレンシートが使用されている例が示されてい
る。床パネル(A)の下層凹凸板 (A2)の凹部 (A24)
形状及びその配置に合致するべく成形された椀状凹部
(B21) を有する椀状シート (B2)と、フラットシート
(B3)を用い、結晶融解潜熱を放出する結晶性塩と水の
混合物を用いた蓄熱材 (B1)をその椀状凹部(B21) に
封入したものであり、下層凹凸板 (A2)の各凹部にワン
タッチで装填できるので作業効率がよい。各シート外表
面には補強又は放熱性をあげるために、アルミニウム箔
をラミネートする(図示せず)ことも好ましく行われ
る。
【0027】発熱体封入パネル (C) は、電熱線埋設シ
ートを使用してもよいが、蓄熱材封入体(B)の均一加
熱、通電状態の平滑化を図る上からは、面状発熱体が好
ましい。面状発熱体は、ガラス繊維布基材に四フッ化エ
チレン樹脂とカーボンの混合液を塗布し、焼成した発熱
部(C1)の両面に、リード線 (C21) を持つ銅箔導体
(C2)を配置し、その外面にポリエチレンとポリエステ
ル樹脂の積層体 (C3)を、そのポリエチレン層を内側に
して配した積層体が好適である。断熱性パネル (D)
は、発熱体封入パネル (C) からの熱を、可及的に蓄熱
材封入体 (B)側に放散させるための軽量コンクリート
等の断熱材である。
【0028】なお、床パネル(A)の表面に遠赤外線放
射性金属板(H)を配設することにより、床パネル
(A)からの放熱を可及的広く拡散させることができ、
しかも該放熱による加熱により、該遠赤外線放射性金属
板(H)自体も遠赤外線を放射して放熱量を増加させる
ことができ、床暖房効果は一層向上する。
【0029】
【発明の効果】上記説明からわかるごとく、本発明の床
暖房構造によれば、蓄熱材の蓄熱を無駄なく取り出すこ
とができるので、深夜電力等安価な熱源を利用した蓄熱
を通常の生活時間帯に合わせて長時間、有効に利用でき
る。しかもその取り出される蓄熱からの放熱速度(量)
の調節が可能であるので、急激な昇温を避けることもで
き、又、間仕切りされた部屋ごとの温度調節も可能であ
る。又、必要に応じて床パネルの表面に金属板、特に遠
赤外線放射性金属板を敷くことにより、室内の放熱場所
の偏在がなくなり、床全面にわたり均一な放熱状態を得
ることができ、遠赤外線放射性金属板の場合は、対流加
熱以外に輻射加熱も同時に受けるので、暖房効果は一段
と向上する。なお、蓄熱材封入体を一個一個、床パネル
の各凹部に装填することもできるが、複数個を一体成形
してワンタッチで装填するようにすれば、本発明の床暖
房構造の構成作業が非常に能率的になる。更に、本発明
の床暖房構造を採り扱い易い大きさのユニットにすれ
ば、アクセスフロアーの施工上便利であり、本発明の好
ましい態様と言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る床暖房構造の一例の一部切り欠き
縦断面図。
【図2】床パネル中間層断熱材の充填前の一例の一部切
り欠き縦断面図。
【図3】蓄熱材封入体の一例の一部切り欠き縦断面図。
【図4】発熱体封入パネルの一例の一部切り欠き縦断面
図。
【図5】本発明に係る床暖房構造の他の一例の一部切り
欠き縦断面図。
【図6】図2のX−X線切断矢視図。
【図7】図2のY−Y線切断矢視図。
【符号の説明】
A・・・・床パネル A1 ・・・金属製の上層平板 A2 ・・・金属製の下層凹凸板 A21・・・平面部 A22・・・凹凸構造 A23・・・凸部 A24・・・凹部 A25・・・凸部頂部 A3 ・・・中間層断熱材 A4 ・・・溶着部 A41・・・截頭球面溶着部 A5 ・・・上層平板と下層凹凸板の間隙 B・・・・蓄熱材封入体 B1 ・・・蓄熱材 B2 ・・・椀状シート B21・・・椀状凹部 B3 ・・・フラットシート C・・・・発熱体封入パネル C1 ・・・発熱部 C2 ・・・銅箔導体 C21・・・リード線 C3 ・・・積層体 D・・・・断熱性パネル E・・・・建築物本体の床構造材 F・・・・床構造材 G・・・・間隔材 H・・・・遠赤外線放射性金属板 K・・・・空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志田 弘 東京都中央区日本橋室町4−3−18 スカ イアルミニウム株式会社内 (72)発明者 川崎 章 東京都江東区大島1丁目2番23号 株式会 社昭電内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物本体の床構造材上に構成される床暖
    房構造が、上方から順次、床パネル (A) 、蓄熱材封入
    体 (B) 、発熱体封入パネル (C) 及び断熱性パネル
    (D) が重ねられた構造であり、床パネル (A)は金属
    製の上層平板 (A1)、金属製の下層凹凸板 (A2)及び中
    間層断熱材 (A3)からなり、上層平板 (A1)の上面は床
    表面仕上げ材敷設面を形成し、下層凹凸板 (A2)は上層
    平板側に凸部、反対側に凹部を有する多数の椀状凹凸構
    造を有し、凸部頂部は上層平板に溶着され、両板間隙に
    は中間層断熱材 (A3)が充填されてなり、蓄熱材封入体
    (B)は、結晶融解潜熱を放出する結晶性塩と水の混合
    物を用いた蓄熱材が合成樹脂製のフラットシート及び椀
    状シート間に密封され、床パネル(A)の凹部に装填さ
    れ、発熱体封入パネル(C)は床パネル(A)の下側に
    あって蓄熱材封入体(B)に接して敷設された蓄熱材加
    熱用パネルであり、断熱性パネル(D)は発熱体封入パ
    ネル(C)の下方全面に配設されてなることを特徴とす
    る床暖房構造。
  2. 【請求項2】金属製の上層平板 (A1)の上表面に遠赤外
    線放射性材層を設けてなる請求項1記載の床暖房構造。
  3. 【請求項3】床暖房構造が、建築物本体の床構造材上に
    形成されたアクセスフロアー構造の上部に配設された請
    求項1記載の床暖房構造。
  4. 【請求項4】金属製の下層凹凸板 (A2)の椀状凹凸が部
    分球面状、截頭円錐面状又は截頭角錐面状に形成されて
    なる請求項1記載の床暖房構造。
  5. 【請求項5】床パネル(A)に充填された中間層断熱材
    (A3)が、軽量モルタル、発泡合成樹脂又は軽量骨材充
    填合成樹脂である請求項1記載の床暖房構造。
  6. 【請求項6】蓄熱材封入体(B)が、その外面にアルミ
    ニウム箔が積層されてなる請求項1記載の床暖房構造。
  7. 【請求項7】蓄熱材封入体(B)が、その複数個が同一
    平面上に一体的に、且つ金属製の下層凹凸板 (A2)の凹
    部の配列と同一に成形され、該凹部に対し装着、分離自
    在の成形体である請求項1又は7記載の床暖房構造。
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