JPH09100729A - エンジンブレーキ装置 - Google Patents

エンジンブレーキ装置

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Publication number
JPH09100729A
JPH09100729A JP25842695A JP25842695A JPH09100729A JP H09100729 A JPH09100729 A JP H09100729A JP 25842695 A JP25842695 A JP 25842695A JP 25842695 A JP25842695 A JP 25842695A JP H09100729 A JPH09100729 A JP H09100729A
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JP
Japan
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valve
compression pressure
cylinder
engine
exhaust
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Application number
JP25842695A
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English (en)
Inventor
Toshio Iijima
寿男 飯島
Yukinori Kawamoto
幸徳 川本
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Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ内の圧縮圧を解放してエンジンブレ
ーキ力を増大させる装置において、そのエンジンブレー
キ力を可変とする。 【解決手段】 エンジンブレーキ時にシリンダ8内の圧
縮圧を解放する圧縮圧解放手段24と、圧縮圧解放手段
24をシリンダ81…84毎に作動或いは非作動とする
制御手段25とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダ内の圧縮
圧を解放することによりエンジンブレーキ力を増大させ
るエンジンブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近来にあっては、エンジンブレーキ使用
時において排気行程以外に排気弁をリフトさせて、シリ
ンダ内の圧縮圧を解放させることによりエンジンブレー
キ力を増大させるエンジンブレーキ装置が提案されてい
る。その排気弁をリフトさせる機構としては、油圧回路
を有したハウジングを動弁機構の上部に設けて、その高
油圧により排気弁リフト用のピストンを押動させるもの
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの種の
エンジンブレーキ装置は、一旦ブレーキを作動させると
ブレーキ力が車速や積載量などの運転条件や気象条件に
関わらず一定に推移するため、ブレーキロック等を避け
るために相当の運転技術が必要であるという問題があっ
た。この対応策として、増加されるエンジンブレーキ力
を変えることができる装置とすることが考えられるが、
そのような可変のエンジンブレーキ装置は従来なかっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく本
発明は、エンジンブレーキ時にシリンダ内の圧縮圧を解
放する圧縮圧解放手段と、圧縮圧解放手段をシリンダ毎
に作動或いは非作動とする制御手段とを備えたものであ
る。圧縮圧解放手段は、排気弁をリフトさせるための油
圧回路を有して構成されており、制御手段は、各シリン
ダの油圧回路に接続する作動油供給路に設けられた電磁
切替弁及びこれを適宜作動させるコントロールユニット
を有して構成されているものであることが好ましい。作
動油供給路は、各シリンダの着火順序により組み合わさ
れて配管されたものであることが好ましい。
【0005】上記構成によって、圧縮圧解放手段は、例
えば解放用ピストンを油圧回路により駆動させて、エン
ジンブレーキ作動時に排気弁をリフトさせることで、シ
リンダ内の圧縮圧を解放し、大きなエンジンブレーキ力
を得る。制御手段は、コントロールユニットが電磁切替
弁を適宜作動させることなどにより、圧縮圧解放手段を
シリンダ毎に作動或いは非作動として、所望するブレー
キ力にする。作動油供給路が各シリンダの着火順序を考
慮して配管されることで、エンジン回転バランスを保ち
ながら圧縮圧解放を行うことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って説明する。
【0007】図1乃至図4は、本発明のエンジンブレー
キ装置を直列四気筒のエンジンに適用した場合で示した
ものである。このエンジンブレーキ装置は、エンジンブ
レーキ時に各シリンダ81,82,83,84の排気弁
1を適宜リフトさせて、シリンダ8内の圧縮圧を解放す
る圧縮圧解放手段24と、圧縮圧解放手段24をシリン
ダ81…84毎に作動或いは非作動とする制御手段25
とにより主として構成されている。圧縮圧解放手段24
は、排気弁1を押動させるための解放用ピストン4と、
解放用ピストン4を作動させるための油圧回路5と、油
圧回路5に適宜エンジンオイル(作動油)を導くスプー
ル弁6及び逆止弁7とを備えており、制御手段25は、
各シリンダ81…84の油圧回路5に接続する作動油供
給路26に設けられた一対の電磁切替弁27,28と、
電磁切替弁27,28を作動させるためのコントロール
ユニット29とを備えている。
【0008】排気弁1は、図2に示したように、対とな
る他の排気弁2と共にエンジンの各シリンダ8に設けら
れ、筒内に臨む排気ポート9の開口端(バルブシート)
10に着座する弁体11と、弁体11の軸心位置に取り
付けられて上方に延びた弁軸12とで形成されている。
弁軸12には閉弁方向(上方)に付勢するリターンスプ
リング13が備えられていると共に、両方の弁軸12の
頭部14がロッカーアーム15の一端にブリッヂ16を
介して連結されている。ロッカーアーム15は、ロッカ
ーシャフト17に中央部が軸支され、他端はカムフォロ
ア18を介して動弁用カム19に係合している。すなわ
ちカム駆動されるロッカーアーム15により、排気行程
となる所定のタイミングで一対の排気弁1,2が同時に
リフトされるようになっている。そして一対の排気弁
1,2のうち、一方の排気弁1の弁軸12に、その延長
上に位置すると共にブリッヂ16の端部を上下方向に貫
通する中間シャフト20が設けられ、スリーブ21を介
してブリッヂ16に摺動自在に支持されている。中間シ
ャフト20の下端にはスリーブ21の下面に係合するフ
ランジ22が形成され、中間シャフト20が下方に押さ
れるとロッカーアーム15の動作とは無関係に排気弁1
をリフトさせると共に、ロッカーアーム15が揺動され
た時にはブリッヂ16と一体化して排気弁1を押動する
ようになっている。スリーブ21の上部にはブリッヂ1
6との位置関係(中間シャフト20の上限)を調整する
ためのナット23が螺合されている。
【0009】ハウジング3は、ロッカーシャフト17に
取り付けられたブラケット(図示せず)により一方の排
気弁1の上方に保持されており、解放用ピストン4を収
容するための円柱状の部分3aと、これに隣接しスプー
ル弁6及び逆止弁7を収容する直方体状の部分3bとを
有している。直方体状部分3bの外側端部にはオイル取
入部30が設けられており、このオイル取入部30に、
作動油供給路26を構成する供給パイプ31が接続され
ている。この供給パイプ31は、電磁切替弁27,28
を介してオイル供給源となるオイルギャラリ或いはオイ
ル専用ポンプに接続されている。
【0010】解放用ピストン4は、図4(b)にも示す
ように、円柱状を呈したピストン頭部33と、ピストン
頭部33の下方に接続した円板状の鍔部34と、鍔部3
4の下方に延出したロッド部35とで成り、これらが同
軸上に一体的に形成されている。ピストン頭部33は、
ハウジング3の円柱状部分3aに内設された上下方向の
シリンダ室36を摺動するように形成されている。シリ
ンダ室36の下方にはハウジング下面に開口したピスト
ン収容穴37が連設され、その軸壁面が鍔部34の上面
に係合することで解放用ピストン4の上限位置を決定す
るようになっている。またピストン収容穴37には、ロ
ッド部35を挿通させる軸孔38を有したピストン取付
ボルト39が螺合されており、その上端面が鍔部34の
下面を係止することで、解放用ピストン4の下限位置を
規定している。ピストン取付ボルト39の下部には、ハ
ウジング3(ピストン収容穴37)に対する位置を調整
するためのナット40が螺合されている。またピストン
取付ボルト39の軸孔38の拡径部分にはリターンスプ
リング41が設けられ、解放用ピストン4を上方に付勢
している。ロッド部35は、ピストン取付ボルト39の
下方まで延出され、下限位置においてその下端が中間シ
ャフト20の上端に当接し、この当接により排気弁1を
所定の微小量Lだけ開弁させるように形成されている。
このほか解放用ピストン4の内部には、油圧回路5に適
宜連通される空気抜き穴42が形成され、ピストン頭部
33の周面からL字状に屈折して軸心に沿って延び、ロ
ッド部35を貫通して下端で開口されている。
【0011】油圧回路5は、図3及び図4に示したよう
に、シリンダ室36の上部に連通すると共にその径方向
に延びた高油圧室43と、高油圧室43の延出端に接続
してこれと直交する方向に延びたスプール弁収容室44
と、スプール弁収容室44に接続してシリンダ室36と
並行する逆止弁収容室45と、オイル取入部30とスプ
ール弁収容室44及び逆止弁収容室45とを適宜結ぶ分
岐した連通路46とで形成されている。すなわちオイル
取入部30に入ってきたエンジンオイルを、スプール弁
収容室44に導いてスプール弁6を動作させると同時
に、逆止弁7及びスプール弁6を経由してシリンダ室3
6の上部まで導き、その圧力をピストン頭部33に作用
させるようになっている。高油圧室43の通路及びピス
トン頭部33の受圧面33aは、低圧のエンジンオイル
が供給されたときに、リターンスプリング41の付勢力
に抗して中間シャフト20を押し下げるように形成され
ている。またスプール弁収容室44の長手方向中央とな
る高油圧室43との接続位置には、適宜拡径した拡径部
47が形成されている。このほかスプール弁収容室44
には、オイル取入部30と反対側の端部の近傍において
その径方向外方に開口した排油口48が形成されてい
る。
【0012】逆止弁7は、逆止弁収容室45に螺合され
た逆止弁取付ボルト49により保持され、連通路46に
接続する給油穴7aが形成されている。そしてその給油
穴7aの末端にはボール50が設けられ、オイル取入部
30からスプール弁収容室44へ向かう方向にのみ、エ
ンジンオイルを通すように形成されている。スプール弁
6は、外周に第一溝51及び第二溝52を所定の間隔で
有した円柱体で成り、スプール弁収容室47内にその長
手方向に沿って摺動自在に収容されている。またスプー
ル弁6の内部には、その軸心に沿って貫通した第一貫通
孔53と、第二溝52の位置で貫通孔53に直交し且つ
高油圧室43の延出方向と平行な第二貫通孔54とが形
成されている。一方スプール弁収容室44の両端には、
スプール弁6の摺動範囲を規定するストッパ55,56
がそれぞれ嵌着されている。排油口48側に位置した第
一ストッパ55とスプール弁6の軸側端面との間には、
スプール弁6を反対側に、すなわちオイル供給側の第二
ストッパ56に当接するように付勢するリターンスプリ
ング57が設けられている。
【0013】そして図3及び図4に示したように、エン
ジンオイルの油圧によりスプール弁6がリターンスプリ
ング57に抗して第一ストッパ55に押し付けられた状
態では、第一溝51が高油圧室43に連通するように位
置され、エンジンオイルは、逆止弁7を経由して拡径部
47を通って高油圧室43に供給されるようになってい
る。すなわちこの油圧により解放用ピストン4は下限位
置まで下降して、中間シャフト20を介して排気弁1に
当接するものである。このとき解放用ピストン4にはシ
リンダ内圧により閉弁方向の大きな力がかかるが、高油
圧室43が逆止弁7の閉塞によって密閉された状態とな
っているので、高油圧室43内には速やかに高圧の反力
が発生し、この高圧が維持されることで、排気弁1は閉
弁が阻まれて所定のリフト位置に保持されることにな
る。
【0014】また図5及び図6に示すように、油圧供給
が停止されてリターンスプリング57によりスプール弁
6が第二ストッパ56に押し付けられた状態において
は、第二溝52が高油圧室43の延長上に位置され、高
油圧室43内のオイルが貫通孔53,54及び第一スト
ッパ55との間を通って、排油口48からハウジング外
に排出(大気開放)されるようになっている。従ってこ
の状態では、解放用ピストン4のピストン頭部33には
油圧が作用しなくなり、リターンスプリング41により
上限の位置に押し上げられる。すなわち図1に示したよ
うに、排気弁1の弁体11が排気ポート9の開口端10
に着座された状態にあっては、解放用ピストン4のロッ
ド部35の下端は、中間シャフト20の上端から所定の
僅かな間隔Sを以て離間されることになる。またこの解
放用ピストン4の上限位置においては、ピストン頭部3
3の受圧面33aと高油圧室43の上壁面とはオイルが
通るだけの隙間が生じるようになっていると共に、空気
抜け穴42の上部開口が、高油圧室43に臨んで連通さ
れるようになっている。なおスプール弁6の第二ストッ
パ56側端面には段部58が形成されており、スプール
弁6が第二ストッパ56に当接した状態にあっても、こ
の段部58が連通路46に臨まされている。
【0015】図1に示したように、電磁切替弁27,2
8は、並設した状態で弁ハウジング59に保持されてい
る。弁ハウジング59には電磁切替弁27,28の間の
中央位置にエンジンオイルの入口60が形成されている
と共に、この入口60から電磁切替弁27,28を経由
して両側に延びる内部通路61の末端位置に、供給パイ
プ31に接続する出口管62が設けられている。供給パ
イプ31は、それぞれの出口管62から二方に分岐され
て各シリンダ81…84へと延びている。そしてエンジ
ン前方から数えた番号で、No1 シリンダ81及びNo4 シ
リンダ84が第一の電磁切替弁27に、No2 シリンダ8
2及びNo3 シリンダ83が第二の電磁切替弁28にそれ
ぞれ接続するように配管されている。すなわち四気筒エ
ンジンの着火順序(No1 →No3 →No4 →No2 )に相応さ
せて、エンジン回転バランスが保持できるような組み合
わせで、オイル供給或いは供給停止を行えるようになっ
ている。従って四気筒エンジン以外のものにおいても、
接続配管としては、図8に示すような気筒配置(着火順
序)を考慮して組み合わせるべきである。この組み合わ
せを表1に示す。このうち6 気筒〜8 気筒のエンジンに
あっては、表中に示したように、二気筒毎の組み分けと
するか三気筒毎の組み分けとするかで「A」及び「B」
の組み合わせが考えられ、12気筒ではさらに六気筒毎に
分ける「C」を加えた三通りの組み合わせが考えられ
る。
【0016】
【表1】
【0017】そしてコントロールユニット29には、一
対の電磁切替弁27,28がそれぞれON/OFFされるよう
に接続されていると共に、排気マニホールド63に設け
られた排気閉塞弁(バタフライバルブ)64を制御すべ
く接続されている。排気閉塞弁64は、排気マニホール
ド63の出口側(排気管との連結部分)に軸支され、そ
の軸にリンク65を介して連結したアクチュエータ(エ
アシリンダ)66と、アクチュエータ66に対して作動
エアを給排するための電磁弁67とが備えられている。
すなわち電磁弁67がコントロールユニット29からの
制御出力によって開閉動作(ON-OFF)されると、アクチ
ュエータ66が駆動され、この駆動により排気閉塞弁6
4が動作して排気通路68が閉塞或いは全開されるよう
になっている。
【0018】コントロールユニット29は、各センサか
らの入力情報に基づいて演算処理を行うマイコン(CP
U)69と、その演算処理のためのプログラム及びマッ
プが設定入力された記憶装置70とを備えている。記憶
装置70には、図7にも示したように、制御特性演算処
理プログラムのほか、アイドリング特性,エンスト特性
などに基づいて作成された開放リフト特性マップと、路
面摩擦特性,タイヤ面特性などに基づいて作成されたブ
レーキロック特性マップと、電磁切替弁27,28及び
排気閉塞弁64のON-OFFの組み合わせで成るブレーキ力
特性マップとが備えられている。そして入力情報として
は、車両の運転席に備えられた操作スイッチ71のON/O
FF信号のほか、車両の運転状況として、タコセンサによ
るエンジン回転数、ロードセンサによる積載重量、プロ
ペラ回転センサによる車両速度、駆動輪回転センサによ
るタイヤ回転数、及びフートブレーキの踏み込みを検出
するフートブレーキ信号が入力されるようになってい
る。さらに道路面の状況として、外気温度・湿度セン
サ、雨滴センサ及び道路路面情報ナビガイドからの情報
が入力されるようになっている。すなわちこれら情報に
基づいて、その時点での最適なブレーキ力(ブレーキモ
ード)を判断し、電磁切替弁27,28及び排気閉塞弁
64(電磁弁67)に制御出力するようになっている。
【0019】以上のように構成されたエンジンブレーキ
装置により車両走行を行うに際しては、図7に示したよ
うに、各センサがブレーキ情報センシングを行う。そし
てエンジンブレーキの制御を行うという運転者の意思で
操作スイッチ71が「ON」になると、マイコン69が各
センサからブレーキ情報を入力し、データベース(圧縮
解放リフト特性マップ及びブレーキロック特性マップ)
及び制御特性演算処理プログラムにより、最適なブレー
キ力を判断し、ブレーキ特性マップ中のスイッチON-OFF
を制御信号として出力する。比較的小さいブレーキ力で
よいと判断されたときは、電磁切替弁27,28及び排
気閉塞弁64をOFFにして、モーターリング吸収馬力
である基本的なエンジンブレーキ力とする。また排気ブ
レーキ相当のものでよいと判断されたときには、電磁切
替弁27,28をOFFに、排気閉塞弁64をONにし
て、排気通路68を閉塞することによりシリンダ8の背
圧を高めて、排気圧閉塞吸収馬力のブレーキ力とする。
【0020】さらに排気ブレーキよりも大きなブレーキ
力が適当であると判断した場合は、電磁切替弁27,2
8の一方を、例えば第一の電磁切替弁27にのみをON
に、排気閉塞弁64をOFFとして、シリンダ8のうち
の半数となるNo1 シリンダ81及びNo4 シリンダ84を
圧縮圧解放させるモードとする。これでエンジンオイル
は、第一の電磁切替弁27を経由してNo1 シリンダ81
及びNo4 シリンダ84のオイル取入部30に供給され
る。このエンジンオイルの油圧はスプール弁6の段部5
8に作用し、スプール弁6を第一ストッパ55に突き当
たるまでスライドさせ、第一溝51を高油圧室43と連
通するように位置させる。すなわちエンジンオイルは、
逆止弁7及びスプール弁6を経由して高油圧室43に入
る。最初に流入してくるオイルにはエアが含まれている
ので、このオイルを解放用ピストン4の空気抜き穴42
により、ロッド部35と中間シャフト20との間の隙間
Sから排出する。エア除去により高油圧室43内の圧力
が次第に上昇してくると、解放用ピストン4がその油圧
により押し下げられ、空気抜き穴42がシリンダ室36
の内壁面によって塞がれると共に、閉弁直前の排気弁1
に中間シャフト20を介して当接し、僅かに開弁した状
態に保持する。すなわち排気弁1は解放用ピストン4の
下降ストロークから隙間Sを引いた分だけ僅かに開弁さ
れ(L)、ピストン上死点を含め、圧縮行程及び膨張行
程においても常時シリンダ82,83を開放した状態と
する。これでエンジンブレーキ時において膨張圧は圧縮
圧よりも大幅に低くなり、惰性で動いているエンジンの
ピストンはその分だけ負の仕事が増えることで減速がな
される。そして解放用ピストン4にはシリンダ内圧によ
り閉弁方向の大きな力がかかるが、高油圧室43が逆止
弁7により閉塞されて密閉状態となっているので、高油
圧室43内には瞬時に高圧の反力が発生し、この高圧が
維持されることにより、排気弁1は閉弁が阻まれて所定
のリフト位置に保持される。また吸気弁開弁時にも排気
弁1を開いていることで、排気ブレーキを併用すること
により排ガス逆流により圧縮開始圧が増加され、圧縮圧
を高めることができて、より大きなブレーキ力とするこ
とができる。
【0021】そしてさらに大きなブレーキ力が必要と判
断された場合は、両方の電磁切替弁27,28及び排気
閉塞弁64をともにONとして、全気筒圧縮圧解放のモ
ードにする。これでエンジンオイルは各シリンダ81…
84のオイル取入部30に供給され、全ての排気弁1が
開弁状態となって、図9に示すように、半数のシリンダ
を圧縮圧解放としたものよりも大きなブレーキ有効圧力
(最大)となり、必要なエンジンブレーキ力が得られ
る。
【0022】運転状況が変化するなどして、エンジンブ
レーキ力増加の必要がなくなって操作スイッチを「OFF
」にすると、電磁切替弁27,28及び排気閉塞弁6
4はともにOFFとなり、エンジンオイルの供給が停止
される。この供給停止により、各シリンダ81…84の
スプール弁6はリターンスプリング57によりスライド
して、第二ストッパ56に押し付けられる。これで第二
溝52が高油圧室43に連通して、貫通孔53,54に
オイルが戻ってくる状態となるが、第一貫通孔53の供
給側は第二ストッパ56により塞がれているので、オイ
ル取入部30への逆流が阻まれ、排油口48へと速やか
に排出される。従って高油圧室43は減圧の状態とな
り、解放用ピストン4はリターンスプリング41の付勢
力によって上限位置まで上昇し、中間シャフト20と離
間して、排気弁1の通常の燃焼サイクルにおける開閉動
作に支障ない位置に戻される。
【0023】このように、エンジンブレーキ時に排気弁
1をリフトさせる圧縮圧解放手段24を設けて、圧縮圧
を解放させることでブレーキ力を増加させると共に、圧
縮圧解放手段24をシリンダ81…84毎に作動或いは
非作動とする制御手段25を設けたので、四気筒のエン
ジンにおいては圧縮圧解放によるエンジンブレーキ力を
少なくとも二段の可変とすることができ、モーターリン
グ及び排気ブレーキを含めて四段の可変エンジンブレー
キとすることができる。また制御手段25として、作動
油圧供給路26の電磁切替弁27,28を適宜作動させ
るコントロールユニット29を設けたので、車速や積載
重量等の変動条件に応じて自動的に且つ確実にブレーキ
力を制御することができる。すなわち運転安全性の向上
に貢献できる。そして作動油供給路26を各シリンダ8
1…84の着火順序により組み合わせて配管したので、
エンジン回転バランスを保ちながらエンジンブレーキ力
を制御することができる。なお図7では、圧縮圧解放の
際には必ず排気ブレーキを併用するものとしたが、排気
ブレーキを省略して圧縮圧解放のみのエンジンブレーキ
モードとしてもよい。
【0024】また圧縮圧解放手段24として、排気弁1
の上部に配置されたハウジング3に解放用ピストン4を
設け、低圧のエンジンオイルをハウジング3内の油圧回
路5に供給することで、解放用ピストン4を作動させて
排気弁1を適宜リフト位置させると共に、スプール弁6
及び逆止弁7により高油圧の維持とオイル給排とを行う
ようにしたので、簡単でコンパクトな構成により、シリ
ンダ8内の圧縮圧を解放させることができ、エンジンブ
レーキ力の増加が得られる。すなわちエンジン全高アッ
プ及び重量増加を防止でき、コスト削減が達成される。
また解放用ピストン4の下限位置をピストン取付ボルト
39により調節できるようにしたので、排気弁1の常開
リフト量を容易に変更することができる。そして解放用
ピストン4は排気弁1の同軸上に位置してこれを押動す
るようになっているので、ロッカーアーム15等の動弁
系には圧縮圧解放動作に起因する負荷は全くかかること
がなく、構造強度向上のため等の大きな変更を必要とし
ないので、汎用性の向上が達成される。
【0025】なお本発明の圧縮圧解放手段としては、図
示した常開式のものに限らず、例えば専用カムなどによ
り油圧回路内に高油圧を発生させて、ピストン上死点付
近のみにおいて解放用ピストンを作動させるものであっ
てもよい。この場合、電磁切替弁の作動制御により油圧
回路にエンジンオイルが供給されると、油圧発生用ピス
トンが駆動されたときに油圧回路内に所定の高油圧が発
生する状態となり、供給停止されると、油圧発生用ピス
トンが駆動しても高油圧が発生しないこととなる。すな
わちエンジンオイルの給排により、解放用ピストンの作
動・非作動が制御できる。
【0026】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、シリンダ
内の圧縮圧解放によるエンジンブレーキ力増加を可変に
することができ、性能向上及び汎用性向上が達成される
という優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示したエンジンブレーキ
装置のブロック図である。
【図2】図1の要部を示した側断面図である。
【図3】図2の要部を示した図であり、(a)は平面
図、(b)はその要部断面図である。
【図4】図3の部分断面図であり、(a)は正面断面
図、(b)は側断面図である。
【図5】図3の動作を説明するための図であり、(a)
は平面図、(b)はその要部断面図である。
【図6】図4の動作を説明するための正面断面図であ
る。
【図7】図1の作用を説明するためのブレーキ力制御の
フローチャートである。
【図8】着火順序を示した気筒配置図である。
【図9】図1の作用効果を説明するためのブレーキ性能
特性を示した有効圧力とエンジン回転数との関係図であ
る。
【符号の説明】
1 排気弁 4 解放用ピストン 5 油圧回路 8 シリンダ 24 圧縮圧解放手段 25 制御手段 26 作動油供給路 27,28 電磁切替弁 29 コントロールユニット 81,82,83,84 No1 〜No4 シリンダ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンブレーキ時にシリンダ内の圧縮
    圧を解放する圧縮圧解放手段と、該圧縮圧解放手段をシ
    リンダ毎に作動或いは非作動とする制御手段とを備えた
    ことを特徴とするエンジンブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 上記圧縮圧解放手段が排気弁をリフトさ
    せるための油圧回路を有して構成されており、上記制御
    手段が各シリンダの油圧回路に接続する作動油供給路に
    設けられた電磁切替弁及び該電磁切替弁を適宜作動させ
    るコントロールユニットを有して構成されている請求項
    1記載のエンジンブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 上記作動油供給路が、各シリンダの着火
    順序により組み合わされて配管されたものである請求項
    2記載のエンジンブレーキ装置。
JP25842695A 1995-10-05 1995-10-05 エンジンブレーキ装置 Pending JPH09100729A (ja)

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