JPH0899930A - テレフタル酸の製造方法 - Google Patents

テレフタル酸の製造方法

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JPH0899930A
JPH0899930A JP23918794A JP23918794A JPH0899930A JP H0899930 A JPH0899930 A JP H0899930A JP 23918794 A JP23918794 A JP 23918794A JP 23918794 A JP23918794 A JP 23918794A JP H0899930 A JPH0899930 A JP H0899930A
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JP
Japan
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oxidation reactor
terephthalic acid
condensate
acetic acid
gas
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Application number
JP23918794A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Kasai
義則 笠井
Nobuo Fukuda
信夫 福田
Shinichi Matsuoka
新一 松岡
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パラキシレンの液相酸素酸化によるテレフタ
ル酸の製造を、安定して行なう方法を提供する。 【構成】 酸化反応器気相部の圧力と凝縮器出口ガスの
圧力との差を検出し、これを一定値以下に維持するよう
に反応条件を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパラキシレンの液相酸素
酸化によるテレフタル酸の製造方法に関するものであ
る。特に本発明は、テレフタル酸の製造を安定して行な
う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】テレフタル酸は今日では専らパラキシレ
ンの加圧液相酸素酸化により製造されている。この方法
では、触媒を含む反応媒体中にパラキシレンと空気等の
酸素含有ガスとを連続的に供給し、パラキシレンを酸化
してテレフタル酸を生成させる。反応媒体としては酢酸
が、また触媒としては臭素にマンガン、コバルト等の重
金属を組合せたものが用いられている。反応条件下での
酢酸中へのテレフタル酸の溶解度は小さいので、生成し
たテレフタル酸の大部分は結晶として析出し、スラリー
を形成している。生成したテレフタル酸スラリーは酸化
反応器から連続的に抜出され、後続するテレフタル酸の
回収装置に送られる。好ましい態様の一つでは、酸化反
応器から抜出されたスラリーは、更に追加の酸化処理を
経たのち、テレフタル酸の回収装置に送られる。この方
法によれば純度の良いテレフタル酸が取得できる。パラ
キシレンの酸化によるテレフタル酸の生成反応は大きな
発熱反応である。この反応熱は主として酢酸の蒸発冷却
により除去されている。すなわち酸化反応器の気相部か
ら蒸発した酢酸を含むガスを抜出して凝縮器に導入し、
冷却して酢酸及び水を主とする凝縮液を生成させる。凝
縮液の大部分はポンプを用いることなく水頭(ヘッド
差)を利用して還流管を経て酸化反応器に還流され、残
部は反応により生成した水を除去して酸化反応器内の水
濃度を所定値に維持するため、酢酸の脱水蒸留塔を含む
凝縮液処理系に送られる。凝縮器から排出される未凝縮
ガスは、共存する酢酸を除去するなど適宜の処理を経た
のち大気中に放出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、反応熱の
除去は、主として反応媒体である酢酸の蒸発による除熱
に依存しているので、反応温度を狭い範囲に制御し、且
つ反応を円滑に進行させるには、反応器から流出したガ
スの凝縮及び凝縮液の還流が円滑に行なわれることが不
可欠である。しかし場合によってはガスの凝縮や凝縮液
の還流が円滑に行なわれず、除熱が不完全となって反応
に支障を来たすことがある。このような現象は生産レー
ト、すなわち単位時間当りのテレフタル酸の生産量を増
加させる場合に発生し易い。従って本発明はガスの凝縮
や凝縮液の還流を円滑に行ないもって酸化反応を支障な
く進行させる方法を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、主とし
て反応媒体である酢酸の蒸発−還流により反応温度の制
御を行なうパラキシレンの液相酸素酸化によるテレフタ
ル酸の製造方法において、酸化反応器と凝縮器との圧力
差を検出し、この圧力差を予め定めた所定値以下に維持
するように反応条件を制御することにより、酢酸の蒸発
−還流による除熱を円滑に行なうことができる。
【0005】本発明について更に詳細に説明するに、図
1は本発明を実施する装置の1例の概念図である。図
中、1は酸化反応器であり、内部にはテレフタル酸スラ
リーが収容されている。酸化反応器1には、導管2を経
て酢酸が、また導管3を経てパラキシレンがそれぞれ連
続的に導入されている。触媒は通常は酢酸中に溶解させ
て供給される。場合によっては酢酸−パラキシレン−触
媒の3者を混合して酸化反応器に導入してもよい。4は
酸素含有ガスの導入管である。酸素含有ガスとしては通
常は空気が用いられるが、所望ならば酸素富化空気や不
活性ガスで希釈した空気を用いることもできる。例えば
凝縮器から排出される非凝縮ガスの一部を空気と混合し
て酸化反応器に導入することが提案されている。酸化反
応器内は通常、190〜200℃、気相部圧力14〜1
7kg/cm2 G、スラリー濃度30〜45%に保持さ
れている。パラキシレンに対する酸素の供給量はモル比
で通常3.5〜5.0である。酸化反応器内のスラリー
は導管5を経て連続的に抜出され、後続するテレフタル
酸の回収装置に送られる。蒸発した酢酸を含むガスは気
相部から導管6を経て抜出され、凝縮器に導入される。
図では、凝縮器は直列に接続された3個の多管式熱交換
器7,8,9から成っているが、熱交換器の数や形式は
任意に変更できる。各熱交換器で生成した凝縮液は凝縮
液受器10に集められ、大部分は水頭を利用して還流管
11を経て酸化反応器1に還流され、残部は導管12を
経て凝縮液処理系に送られる。なお、所望ならば熱交換
器7及び8で生成した凝縮液は全量を酸化反応器に還流
し、熱交換器9で生成した凝縮液の一部を凝縮液処理系
に送るというように、各熱交換器で生成した凝縮液を全
部一緒にせずに個別に処理することもできる。還流管1
1は、図示の如く、酸化反応器1の液相部の深さ方向の
50%より下方に開口させるのが好ましい。これは酸化
反応器の液相部は気−液混相状態にあって密度が小さい
ので、還流管を酸化反応器内の深い位置に開口させるほ
ど、還流液の水頭を大きくできるからである。
【0006】熱交換器9から排出された非凝縮ガスは導
管13を経て系外に排出される。14はコントロールバ
ルブであり、これを制御することにより酸化反応器1の
気相部の圧力を一定に維持している。しかしながら、酸
化反応器の圧力を一定に維持しても、凝縮液の還流が円
滑に行なわれず、反応器内の温度が上昇することがあ
る。反応温度が上昇すると酢酸の燃焼が増加するので、
好ましくない。このような現象は生産レートを上昇させ
たり、酢酸の燃焼を抑制するため反応圧力を低下させる
と発生し易い。
【0007】このような現象が生ずる原因は不明である
が、下記のようなことが複雑にからみ合っているものと
考えられる。 (1)酢酸の蒸発量が増加すると凝縮液が増えて凝縮器
のガス流路に凝縮液が充満し、ガスの流通が阻害され
る。 (2)凝縮器のガス流路で凝縮液とガスとの分離が局部
的にうまく行かず、ガスの流通が阻害される。 (3)凝縮器のガス流路にテレフタル酸が付着して流路
を閉塞する。 (4)冷却水の流量や温度の変化により冷却能力が不足
して未凝縮ガスが増加する。 (5)還流管内に気泡が存在して液の流下を阻害する。 (6)酸化反応器のスラリーの密度やスラリーの液深が
小さくなる。
【0008】上記の(1)〜(4)の現象が生ずると凝
縮器の圧力損失が増大し、また(5),(6)の現象が
生ずると、還流管で所定の水頭が生じなくなり、いずれ
の場合にも凝縮液の還流のための原動力である水頭が不
足して、円滑な還流が生じなくなるものと思われる。本
発明は水頭の不足により還流が円滑に進行しない事態が
生ずるのを事前に検知して、水頭不足に至るのを回避す
るように反応条件を制御せんとするものである。本発明
者らの検討によれば、酸化反応器の気相部の圧力と凝縮
器のガス出口の圧力との差が凝縮液の還流に大きな影響
を有しており、この圧力差が大きくなると還流が円滑に
行なわれ難くなるので、この圧力差を一定値以下に維持
するように反応条件を制御することが必要である。圧力
差を具体的にいくら以下にすべきかは、それぞれの酸化
反応器についてコントロールバルブ14を操作して圧力
差を増大させてそれぞれの圧力差の下で反応を行ない、
反応状態と圧力差との関係を実験的に把握することによ
り決定できる。
【0009】なお、圧力差が増大してきたときに圧力差
を一定値以下に維持するには、生産レートを低下させた
り、コントロールバルブ14を絞って酸化反応器1の気
相部の圧力を上昇させることにより行ない得る。本発明
の好ましい実施の態様の一つでは、図示の如く直列に接
続されている複数の凝縮器間のガス流路にも圧力計を設
置し、それぞれの凝縮器における圧力損失を検出できる
ようにする。このようにするとどの部分で異常が生じて
いるかを容易に探知でき、従って適切な対応手段をとる
ことができる。
【0010】本発明の実施の態様の1例について説明す
ると、図示の如き反応装置を用い、パラキシレン10,
000kg/時、酸素含有ガス(モル組成:O2 21
%,N 2 :79%)38,500Nm3 /時、酢酸水溶
液45m3 /時を連続的に供給してパラキシレンの酸化
を行なう。酸化反応器内は温度200℃、スラリー濃度
35%、酢酸水溶液の含水率10%(重量)に維持す
る。酸化反応器の気相部の圧力を16kg/cm2 Gを
目標値としてコントロールバルブ14を操作して運転す
ると、10日に1回位の割合で還流不良を生ずる。この
場合の凝縮器ガス出口の圧力は15.5〜16.5kg
/cm2 Gの範囲で変動する。これに対し、酸化反応器
気相部の圧力と凝縮器出口ガスの圧力との差(P1 −P
4 )を0.5kg/cm2 Gに維持するようにして運転
すると、還流不良を生ずることなく長期間に亘って安定
して運転を継続することができる。
【0011】
【発明の効果】本発明によればパラキシレンの液相酸素
酸化によるテレフタル酸の製造を安定して行なうことが
でき、生産量の増加や反応圧力の低下による酢酸の燃焼
損失の抑制等の利益を享受できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するのに好適な反応装置の1例で
ある。
【符号の説明】
1 酸化反応器 2 酢酸供給管 3 パラキシレン供給管 4 酸素含有ガス供給管 5 スラリー抜出管 6 ガス抜出管 7〜9 凝縮器 10 凝縮液受器 11 凝縮液還流管 12 凝縮液抜出管 13 非凝縮ガス排出管 14 コントロールバルブ P1 〜P4 圧力計

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸スラリーが収容されている
    酸化反応器に、酢酸、パラキシレン及び酸素含有ガスを
    連続的に供給してテレフタル酸を生成させ、酸化反応器
    からテレフタル酸スラリーを連続的に抜出し、且つ酸化
    反応器から流出するガスは凝縮器で冷却して凝縮液を生
    成させ、凝縮液の一部は還流管を経て反応器に還流さ
    せ、残部は凝縮液処理系に移送するテレフタル酸の製造
    方法において、酸化反応器と凝縮器との圧力差を検出
    し、この圧力差を所定値以下に維持するように反応条件
    を制御することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 テレフタル酸スラリーが収容されている
    酸化反応器に、酢酸、パラキシレン及び酸素含有ガスを
    連続的に供給してテレフタル酸を生成させ、酸化反応器
    からテレフタル酸スラリーを連続的に抜出し、且つ酸化
    反応器から流出するガスは凝縮器で冷却して凝縮液を生
    成させ、凝縮液の一部は還流管を経て酸化反応器に還流
    させ、残部は凝縮液処理系に移送するテレフタル酸の製
    造方法において、酸化反応器の上部空間の圧力と凝縮器
    出口ガスの圧力とを測定し、両者の差を所定値以下に維
    持するように反応条件を制御することを特徴とする方
    法。
  3. 【請求項3】 還流管の開口部が、酸化反応器の液相部
    の深さ方向の50%より下方に位置していることを特徴
    とする請求項1又は2記載の方法。
JP23918794A 1994-10-03 1994-10-03 テレフタル酸の製造方法 Pending JPH0899930A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016520579A (ja) * 2013-04-30 2016-07-14 オクシア・コーポレーション 多段凝縮を用いるアルデヒド製造方法

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