JPH0899486A - 画像表示体及びその画像表示に用いる熱転写シート並びにその情報表示方法 - Google Patents

画像表示体及びその画像表示に用いる熱転写シート並びにその情報表示方法

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JPH0899486A
JPH0899486A JP6237981A JP23798194A JPH0899486A JP H0899486 A JPH0899486 A JP H0899486A JP 6237981 A JP6237981 A JP 6237981A JP 23798194 A JP23798194 A JP 23798194A JP H0899486 A JPH0899486 A JP H0899486A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】画像データに基づいて形成される画像と、その
画像に関連する個別情報を任意に形成でき、かつこの個
別情報が外部から不可視である画像表示体及びその画像
形成に用いる熱転写シート並びにその情報表示方法を提
供する。 【構成】単色光再生型ホログラムであるホログラム形成
層が複数のホログラム情報領域であり、この各ホログラ
ム情報領域を同時再生し1つの情報パターンとし、ホロ
グラム形成層或いは光吸収層を加熱により可視領域又は
赤外領域に光吸収を生じさせることにより、情報パター
ンを任意の個別情報とすることで個々の画像表示体の識
別が可能となる。また単色光の照射による再生・目視の
みが可能であるため、偽造・変造・改竄の事実を確実に
発見することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像データに基づき形
成される画像及び個別認証が可能な情報を記録でき、と
くに偽造・変造・改竄に対して有効な情報を付与する画
像表示体及びその画像表示に用いる熱転写シート並びに
その情報表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カードや携帯可能な媒体に対し
て、その所有者の顔写真を画像情報として取り入れる傾
向が増加している。カードでは一般的にはクレジットカ
ード、キャッシュカード、メンバーズカード、IDカー
ド等があり、携帯可能な媒体ではパスポート、通帳類等
がある。このようなカードや携帯可能な媒体は、所有者
の顔写真を照合することにより、照合の精度が格段に向
上するとともに、不正使用者に対して心理的な歯止めを
与えるなどの不正行為の防止に対して一定の効果を有す
る。このような画像をカード等の媒体に形成するものと
しては、特開平6−67592号公報、特願平5−60
408号公報に開示され、その画像を形成する方法とし
ては特開平6−106743号公報に開示されている。
また、これらの画像の偽造を防止する手段として特開平
6−183184号公報に開示されるように、画像上に
配置される保護シートにホログラムや紫外線蛍光層など
を付加し、真正物であることを目視により確認できるよ
うにしていた。
【0003】このような画像表示体としては、図14
(A)に示すように昇華転写手段などによりポリ塩化ビ
ニル等のカード基材r上に画像sを形成したもの、図1
4(B)に示すように画像s上に白色光再生型ホログラ
ム画像tを積層したものなどがあり、さらに偽造や変造
等を防止するために、ホログラムを単色光再生型ホログ
ラムとするものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この画
像表示体における画像や白色光再生型ホログラム画像は
目視可能であるため、顔写真やホログラムを貼り替える
等の偽造・変造・改竄がされ易く、これら偽造・変造・
改竄の事実を発見することが困難であった。また従来多
用されていたレリーフホログラムは光学的に優れている
反面、同一の絵柄、情報の付与のみであり、偽造や変造
を防止するために、ホログラムを白色光下での確認が困
難で白色光再生型ホログラムに較べて偽造・変造がされ
難い利点を有する単色光再生型ホログラムとした場合で
も、記録されているホログラム情報は、どれも同じであ
り、またレリーフホログラムの干渉縞の方向性が単一で
あるとデッドコピーによる偽造の可能性があるため、偽
造防止効果は比較的弱いものであった。さらにカードや
媒体の個体識別のための個別情報(通し番号、固有情
報、ID情報など)をホログラムと同一箇所に設けるこ
とはできず、カードや媒体の個別情報は他の情報記録手
段を用いて形成する必要があり、その配置位置やデザイ
ンに制約を受けていた。
【0005】そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされ
たもので、画像データに基づいて形成される画像と、そ
の画像に関連する個別情報を任意に形成でき、かつこの
個別情報が外部から不可視である画像表示体及びその画
像形成に用いる熱転写シート並びにその情報表示方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様にか
かる画像表示体は、少なくとも、単色光により再生され
る単色光再生型ホログラムを有し、かつ加熱により可視
領域又は赤外領域に光吸収を生じるホログラム形成層
と、このホログラム形成層よりその屈折率が大きい透明
薄膜反射層と、画像が形成された受像層とを基材上に備
えてなる画像表示体であり、ホログラム形成層はその干
渉縞方向が同一、または異なるレリーフパターンから形
成された複数のホログラム情報領域からなり、各ホログ
ラム情報領域を同時に再生することにより情報パターン
が構成されることを特徴とする。
【0007】本発明の第2の態様にかかる画像表示体
は、少なくとも、加熱により可視領域又は赤外領域に光
吸収を生じる光吸収層と、単色光により再生される単色
光再生型ホログラムからなるホログラム形成層と、この
ホログラム形成層よりその屈折率が大きい透明薄膜反射
層と、画像が形成された受像層とを基材上に備えてなる
画像表示体であり、ホログラム形成層はその干渉縞方向
が同一、または異なるレリーフパターンから形成された
複数のホログラム情報領域からなり、各ホログラム情報
領域を同時に再生することにより情報パターンが構成さ
れることを特徴とする。
【0008】本発明の第3の態様にかかる熱転写シート
は、耐熱性ベースシートと、剥離層と、少なくとも単色
光再生型ホログラムであり加熱により可視領域または赤
外領域に光吸収を生じるホログラム形成層と、このホロ
グラム形成層よりその屈折率が大きい透明薄膜反射層
と、昇華性転写材料及び熱溶融転写材料からなる画像の
形成が可能であり、かつ被転写材に対し熱接着性を有す
る受像層を具備してなることを特徴とする。
【0009】本発明の第4の態様にかかる熱転写シート
は、耐熱性ベースシートと、剥離層と、加熱により可視
領域又は赤外領域に光吸収を生じる光吸収層と、単色光
再生型ホログラムからなるホログラム形成層と、このホ
ログラム形成層よりその屈折率が大きい透明薄膜反射層
と、昇華性転写材料及び熱溶融転写材料からなる画像の
形成が可能であり、かつ被転写材に対し熱接着性を有す
る受像層を具備してなることを特徴とする。
【0010】本発明の第5の態様にかかる画像表示体の
情報表示方法は、少なくとも熱により可視領域または赤
外領域に光吸収を生じ、かつその干渉縞方向が同一、ま
たは異なるレリーフパターンから形成された複数のホロ
グラム情報領域からなるホログラム形成層を有する画像
表示体の情報表示方法であって、表示する情報パターン
に不必要なホログラム情報領域に相当するホログラム形
成層部分を加熱により、可視領域又は赤外領域に光吸収
状態とした後、必要な各ホログラム情報領域から同時に
再生することにより情報パターンを表示することを特徴
とする。
【0011】本発明の第6の態様にかかる画像表示体の
情報表示方法は、少なくとも熱により可視領域または赤
外領域に光吸収を生じる光吸収層と、その干渉縞方向が
同一、または異なるレリーフパターンから形成された複
数のホログラム情報領域からなるホログラム形成層とを
有する画像表示体の情報表示方法であって、表示する情
報パターンに不必要なホログラム情報領域に相当する前
記光吸収層部分を加熱により、可視領域又は赤外領域に
光吸収状態とした後、必要な各ホログラム情報領域から
同時に再生することにより情報パターンを表示すること
を特徴とする。
【0012】
【作用】本発明にかかる画像表示体によれば、単色光再
生型ホログラムであるホログラム形成層がその干渉縞方
向と同一、または異なるレリーフパターンからなる複数
のホログラム情報領域であり、この各ホログラム情報領
域を同時再生し情報パターンとし、ホログラム形成層或
いは光吸収層を加熱により可視領域又は赤外領域に光吸
収を生じさせることにより、情報パターンを任意の個別
情報とすることができ、個々の画像表示体の識別が可能
となり、単色光の照射による再生・目視のみが可能であ
る。またホログラム、画像の何れかを変造・改竄しよう
としても、他方の情報が損傷するため、変造・改竄の事
実が残る。
【0013】また本発明の熱転写シートによれば、受像
層に形成された目視可能な画像と、ホログラム形成層或
いは光吸収層を加熱により可視領域又は赤外領域に光吸
収を生じさせることにより、その干渉縞方向が同一、ま
たは異なるレリーフパターンからなる複数のホログラム
情報領域から同時再生される情報パターンを個別情報と
して任意に設けることが可能な画像表示体を作製でき、
この画像表示体は個々の識別が可能である。
【0014】さらに本発明の画像表示体の情報表示方法
によれば、ホログラム形成層或いは光吸収層を加熱によ
り可視領域又は赤外領域に光吸収を生じさせることによ
り、その干渉縞方向が同一、または異なるレリーフパタ
ーンからなる複数のホログラム情報領域から同時再生さ
れる情報パターンを個別情報として任意に設けることが
でき、この情報パターンは単色光の照射による再生・目
視のみが可能である。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明を詳細に説明す
る。
【0016】図1は本発明の画像表示体の平面図であ
り、図2は図1のX−X線における画像表示体の断面図
であり、図3は図1の画像表示体の作製に用いられる熱
転写シートの断面図であり、図4は、図1の画像表示体
を単色光照射により検出認識された情報パターンを示す
概念図であり、図5は本発明の第2の発明に係る画像表
示体の断面図であり、図6は図5の画像表示体の作製に
用いられる熱転写シートの断面図であり、図7は本発明
の実施例におけるホログラム情報領域と分割画像の関係
を示す説明図であり、図8は本発明の実施例におけるホ
ログラム撮影方法の一例を示す説明図であり、図9は本
発明の実施例における分割画像形成用マスクの概略図で
あり、図10は本発明の実施例における分割画像に対応
するホログラム情報領域のホログラム情報記録部におけ
る配置を示す説明図であり、図11は本発明の実施例に
おける記録後の情報パターンと、それから再生される情
報パターンとの関係を示す説明図であり、図12は熱転
写シートを用いて画像表示体を製造する連続した製造工
程を説明する概念図であり、図13は熱転写シートを用
いて画像表示体を製造する工程を示す説明図である。
【0017】図1の本発明の画像表示体1は、図2に示
すように基材2上に顔写真などの画像3が形成された受
像層4、透明薄膜反射層5、ホログラム形成層6、画像
3に関連する属性情報13や画像表示体の共通情報とし
ての印刷部14が形成される。図3に示される耐熱性ベ
ースシート8、剥離層7、受像層4を有する熱転写シー
ト9上に熱転写リボン(図示しない)等により、受像層
4上に画像3等を形成し、さらに基材2に熱転写により
耐熱性ベースシート8以外の各層(画像3、受像層4、
剥離層7等)を転写形成し、画像表示体1が得られる。
この画像表示体1は目視される画像3に加えて、ホログ
ラム形成層6は単色光による機械的読取りが可能なレリ
ーフパターンからなるホログラム情報記録部10を備え
ている。さらにホログラム形成層6は、加熱により可視
領域又は赤外領域に光吸収を生じるため、照射光が吸収
され加熱部分15に対応したホログラム情報記録部10
の一部のホログラム画像が再生されなくなり、異なる情
報パターンを構成できる。すなわちホログラム形成層6
のホログラム情報記録部10の加熱部分を変えることに
より任意の情報パターンを設定することができる。この
情報パターンは目視確認が困難であるため、偽造・変造
がされにく、また偽造・変造がなされた場合にも目視に
よる真偽判定に加えて、機械的読取りによる真偽判定も
なされるため、偽造・変造の事実をより確実に発見する
ことが可能となる。
【0018】また第2の発明である図5の画像表示体1
1は、図6に示すように基材2上に顔写真などの画像3
が形成された受像層4、透明薄膜反射層5、ホログラム
形成層16、光吸収層12、画像3に関連する属性情報
13や画像表示体の共通情報としての印刷部14が形成
される。図6に示される少なくとも耐熱性ベースシート
8、剥離層7、光吸収層12、ホログラム形成層16、
透明薄膜反射層5、受像層4を有する熱転写シート19
上に熱転写リボン等により、受像層4上に画像3を形成
し、さらに基材2に熱転写により耐熱性ベースシート8
以外の各層(画像3、受像層4、透明薄膜反射層5、ホ
ログラム形成層16、光吸収層12、剥離層7等)が転
写形成され、画像表示体11が得られる。この画像表示
体11は画像3に加えて、ホログラム形成層6は単色光
による機械的読取りが可能なレリーフパターンからなる
ホログラム情報記録部20を備えている。さらに光吸収
層12は、加熱により可視領域又は赤外領域に光吸収を
生じるため、照射光が吸収され加熱部分17に対応した
ホログラム情報記録部20の一部のホログラム画像が再
生されなくなり、異なる情報パターンを構成できる。す
なわちホログラム情報記録部20に対応する光吸収層1
2の加熱部分を変えることにより任意の情報パターンを
設定することができる。情報パターンは目視確認が困難
であるため、偽造・変造がされにく、また偽造・変造が
なされた場合にも目視による真偽判定に加えて、機械的
読取りによる真偽判定もなされるため、偽造・変造の事
実をより確実に発見することが可能となる。
【0019】本発明は、クレジットカード、キャッシュ
カード、メンバーズカード、IDカード等のカードやパ
スポート、通帳類等の携帯可能な媒体に利用すことがで
き、その他にも様々な画像を設けることが可能であり、
用途に応じて任意の画像を設けることができる。
【0020】さらに各構成について詳述する。なお、上
述の本発明の画像表示体及び熱転写シートに係る各図中
の同一構成の箇所については同一の番号を付与した。ま
ず、基材2は、例えばポリ塩化ビニル樹脂、紙材、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂、アクリル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ABS樹脂などが挙げられる。
【0021】受像層4は、熱転写シート9に設けられ、
画像3等を形成した後、熱転写工程を経て基材2に転写
されるものである。受像層4は画像3が安定して転写形
成ができ、かつ基材2との熱接着性が良いものが好まし
い。詳細は下記熱転写シートに開示する。
【0022】次に画像3は顔写真などの可視情報をイエ
ロー・マゼンタ・シアンの昇華性転写材及び/又はブラ
ックの熱溶融性転写材(ワックス型転写材)からなり、
通常、熱転写リボン化されたこれら転写材料から任意に
形成される。例として特開平3−79384号公報他に
記載されるように、昇華性転写材は、熱により昇華或い
は溶融移行状態となり受像層に浸透するもので、例えば
バインダーと染料を主剤とし、バインダーとしてはポリ
ビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビ
ニルアルコールの架橋物を主成分とする樹脂が挙げら
れ、染料としてはジアリールメタン系、トリアリールメ
タン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサ
ンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アク
リジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピ
ロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、ア
ントラキノン系などがある。また熱溶融性転写材は、熱
により溶融し受像層に融着するもので、例えばワックス
層と熱転写層を含む。ワックスとしては、キャンデリラ
ワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう
などの植物系ワックス、みつろう、ラノリン、鯨ろうな
どの動物系ワックス、モンタンワックス、ペトロラタン
などの石油系ワックス、合成ワックスとしては、ポリエ
チレンワックスなどの合成炭化水素、モンタンワックス
誘導体などの変性ワックス、硬化ひまし油などの水素化
ワックス、ラウリン酸、バルミチン酸、ミリスチン酸、
ステアリン酸などの脂肪酸、及び脂肪酸アミド、脂肪酸
アニリド、イミドロウなどのワックス類があり、また樹
脂としては、アクリル系、スチレン系、ロジン系、ビニ
ル系、アセタール系、ゴム系などがある。また熱溶融転
写材は例えば飽和ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニル−酢酸ビニルなどのポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸−2−ナフ
チル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチ
ル、ポリメタクリル酸−t−ブチル、ポリメタクリル酸
フェニル、メタクリル酸メチルとメタクリル酸アルキル
とのコポリマー(但し、アルキル基の炭素原子は2〜6
個)ポリメチルクロロアクリレート、アクリル−スチレ
ンコポリマー等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリ
ジビニルベンゼン、ポリビニルトルエン、スチレン−ブ
タジエンコポリマー等のビニル系樹脂の樹脂と、着色剤
として酸化チタン、炭酸カルシウム、ハンザイエロー、
オイルエメー2G、オイルブラック、ピラゾロンオレン
ジ、オイルレッド、ベンガラ、アンスラキノンバイオレ
ット、フタロシアニンブルー、アルミニウム粉末、ブロ
ンズ粉末、パールエッセンス、磁性粉末、カーボンブラ
ック等が挙げられる。
【0023】さらに画像表示体1のこれらの画像3が一
旦形成される熱転写シート9は、図3に示すように支持
体である耐熱性ベースシート8に剥離層7、受像層4が
順次設けられている。耐熱性ベースシート9は熱転写時
の加熱加圧により軟化変形のない耐熱性を有するシート
状のものであり、例えば二軸延伸されたポリエチレンテ
レフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィ
ルム等が挙げられる。
【0024】剥離層8は受像層4とともに、画像表示体
1の基体2に転写される時に耐熱性ベースシート8から
剥離するものであり、剥離性を有する以外に画像表示体
1では外部に露出するため、内層である受像層4等が薬
品・溶剤などの浸透による化学的な損傷や機械的な損傷
から保護する機能を有することが必要であり、この両者
の機能を具備させるために、熱可塑性樹脂に耐摩擦剤を
混合したものが用いられる。
【0025】熱可塑性樹脂は可塑剤や酸、アルカリ、ア
ルコール、灯油等の薬品類の浸透を防止するとともに、
引っ掻きによる傷の発生を抑えるものである。例えば、
ポリメチルメタアクリレート、エポキシ樹脂などがあ
る。これらポリメチルメタアクリレート、エポキシ樹脂
は、既存の熱可塑性樹脂の中で耐可塑剤性が優れてお
り、さらに耐熱性ベースシート8からの剥離が容易な物
質である。可塑剤は軟質ビニールシートやプラスチック
消しゴム等に含まれ、これらに接触した際に画像面に移
行し、画像の退色などを生じるなどの悪影響があった。
【0026】耐摩擦剤は、耐摩耗性や耐スクラッチ性を
向上させるものであり、例えばテフロンパウダー;ポリ
エチレンパウダー;動物系ワックス、植物系ワックス、
鉱物系ワックス、石油系ワックス等の天然ワックス;合
成炭化水素系ワックス、脂肪族アルコールと酸系ワック
ス、脂肪族エステルとグリセライト系ワックス、水素化
ワックス、合成ケトン系ワックス、アミン及びアミド系
ワックス、塩素化炭化水素系ワックス、合成動物ロウ系
ワックス、α−オレイン系ワックス等の合成ワックス;
ステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸の金属塩などが挙げ
られる。
【0027】上記の熱可塑性樹脂と耐摩擦剤との配合割
合は、100重量部に対して熱可塑性樹脂を85〜95
重量部、耐摩擦剤を5〜15重量部の範囲が好ましい。
また剥離層8の塗布量は1〜3g/m2 程度が好まし
い。
【0028】さらに剥離層7には、熱転写時の熱転写シ
ートからの転写部分の切れ性の向上のために線状飽和ポ
リエステル樹脂などの剥離改善剤を配合することもでき
る。この配合割合は、100重量部に対して0〜3重量
部程度が望ましい。なお、剥離層には、例えば紫外線吸
収剤などの他の添加剤を添加しないことが望ましい。こ
れらの添加により耐薬品性の低下や可塑剤などの薬品・
溶剤などの浸透を生じ、また機械的強度の劣化を生じる
原因ともなる。
【0029】剥離層7の形成方法は、剥離層を構成する
組成物を適当な溶剤により塗料化し、グラビアコート、
ロールコート、バーコートなど公知の塗布手段を用いて
耐熱性ベースシート9に塗布・乾燥させて形成する。
【0030】受像層4は昇華性或いは熱溶融性転写材料
等を有する熱転写リボン(図示しない)を用いて熱転写
手段により画像3を形成し、さらに画像表示体1の基材
2に対して熱接着されるものであり、画像3が形成され
た受像層4は画像表示体1の一部を構成するものであ
る。すなわち受像層4には熱転写手段による昇華性或い
は熱溶融性転写材料等からなる画像の形成が可能であ
り、かつ基材2に対し熱接着性を有する熱可塑性樹脂が
用いられる。
【0031】ところで熱可塑性樹脂の熱溶融温度が低い
場合は、熱転写リボン(図示しない)受像層4の熱可塑
性樹脂の一部が熱融着(転写)する恐れがあるため、こ
れを防ぐには熱溶融温度の高い熱可塑性樹脂を用いるこ
とが考えられるが、この熱転写シート9の画像3が形成
された受像層4を基材2に転写する熱転写工程における
熱ロール、熱板などの加熱手段の温度設定を高く設定す
る必要がある。しかし高温により昇華性染料等からなる
画像3の劣化(褪色)や基材2の熱損傷が発生する問題
がある。また熱転写リボン(図示しない)に受像層4の
熱融着を防止するために受像層4の接着性を下げるた
め、シリコン等の添加剤を受像層4に混入することが考
えられるが、受像層4の基材2に対する接着性が悪化す
る問題がある。そこで、この熱可塑性樹脂をガラス転移
点が50℃以上とし、フィラーを添加し受像層4を構成
することで問題を解決した。
【0032】この受像層4に用いる熱可塑性樹脂はその
ガラス転移点(Tg)が50℃以上で130℃以下であ
るものが好ましい。ガラス転移点(Tg)が50℃未満
の熱可塑性樹脂では、基材2に転写された後に、この熱
可塑性樹脂により染料のマイグレーションを生じ画像3
のにじみが発生し、またガラス転移点が130℃以上の
熱可塑性樹脂では、上述の加熱手段によりこの受像層4
を基材2に熱転写させる際の温度を高温とする必要があ
り、カード等の基材2が熱により変形してしまう恐れが
ある。
【0033】このような熱可塑性樹脂としては、例え
ば、線状飽和ポリエステル等のポリエステル、ポリ塩化
ビニルや塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等の塩化ビ
ニル系樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸−2−メ
トキシエチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリルサ
ン−2−ナフチル、ポリアクリル酸イソボルニル、ポリ
メタクリロメチル、ポリアクリロニトリル、ポリメチル
クロロアクリレート、ポリメタクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸エチル、ポリメタクリル酸−tert−ブチ
ル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリメタクリル酸フ
ェニル、メタクリル酸メチルとメタクリル酸アルキル
(但し、アルキル基の炭素数は2〜6)の共重合樹脂等
のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼ
ン、ポリビニルベンゼン、スチレン−ブタジエン共重合
樹脂、スチレンとメタクリル酸アルキル(但しアルキル
基の炭素数は2〜6)等のビニル系樹脂等が挙げられ
る。
【0034】さらに受像層4表面に熱転写リボン(図示
しない)を用いてサーマルヘッドにより画像3を形成す
る際に受像層4の主成分が熱可塑性樹脂により構成され
ているため、サーマルヘッドの熱により受像層4が熱転
写リボン(図示しない)の染料層に熱融着して画像3が
不鮮明となるため、熱融着の防止に熱可塑性樹脂内にブ
ロッキング防止性を有するフィラー、とくに熱溶融温度
(有機フィラーの場合は軟化点若しくは分解点、無機フ
ィラーの場合は融点)200℃以上の無機又は有機フィ
ラーを添加する。
【0035】このような有機フィラーとしては、例えば
ポリテトラフロロエチレン微粒子、デンプン、シリコー
ン樹脂微粒子、ポリアクリルニトリル系微粒子、ベンゾ
グナミン樹脂及びメラミン樹脂を原料とする硬化樹脂微
粒子等が挙げられる。また無8フィラーとしては、炭酸
カルシウム、タルク、カオリン、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、酸化珪素、水酸化アルミニウム、及び酸化マグネシ
ウム等を例示できる。
【0036】熱可塑性樹脂とフィラーの配合割合は、熱
可塑性樹脂100重量部に対しフィラー1〜200重量
部の範囲でよい。また受像層4を塗工する方法は、まず
受像層組成物を適当な溶剤により塗料化し、この塗料を
グラビアコート、ロールコート、バーコートなど公知の
塗布手段を用いて塗布・乾燥し形成される。塗布量は1
〜3g/m2 程度である。
【0037】また、画像3を構成する染料の光による変
褪色を防止するため、受像層内に最大吸収波長250〜
400nmの紫外線吸収剤を添加してもよい。このよう
な紫外線吸収剤としては、例えばフェニルサリシレー
ト、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−
オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線
吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオ
キシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,
4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert
−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert
−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtert−ア
ミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ
−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シ
アノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアク
リレート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0038】なお紫外線吸収剤の配合割合は、熱可塑性
樹脂とフィラーから成る混合物100重量部に対して、
5〜40重量部の範囲でよい。
【0039】またホログラム形成層6は、凹凸状のホロ
グラムパターン10からなる表面レリーフ型ホログラム
であり、さらに透明薄膜反射層5が設けられている。こ
のホログラム形成層6には、2液反応型ウレタン樹脂を
用いることが好ましく、エンボス成形性が良好でプレス
むらが生じ難く明るい再生像が得られるとともに、透明
薄膜層との接着性も良好であるという特性を有する。
【0040】このような2液反応型ウレタン樹脂は、耐
溶剤性、耐熱性、加工性等の諸物性から、ポリエーテル
ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオ
ール等のポリオール成分と、イソシアネート基をもつプ
レポリマーとから成るポリオール硬化型ウレタン樹脂が
適している。なかでもポリオール成分がガラス転移点7
0〜105℃の範囲で、かつOH基が50〜150の範
囲にあるアクリルポリオール樹脂は、塗工適性が良好
で、かつ熱転写シートに要求されるエンボス成形性、耐
熱性ベースシートとの剥離性が極めて良好な熱転写シー
トを得ることができる。イソシアネート成分としては、
トルエンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソ
シアネート(XDI)、ヘキサメチレンイソシアネート
(HMDI)等を用いることができる。
【0041】また、塗工適性の向上と転写性の調整剤と
して、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロ
ピオネート、エチルセルロース、メチルセルロース等の
セルロース系樹脂を2液反応型ウレタン樹脂に対して最
大で30重量%添加することができる。
【0042】さらに加熱により可視光または赤外線を吸
収する性質を持たせるために、熱により発色し可視光ま
たは赤外線を吸収する感熱赤外線吸収材料を添加する。
感熱赤外線吸収材料としては、可視域から赤外線域に光
吸収を持つロイコ系の染料とフェノール等の酸性物質、
すなわち顕色剤とを組み合わせたものを樹脂中に添加し
用いることができる。
【0043】例えば、染料としてはトリ(P−アミノフ
ェニル)フルオレン(特開昭59−199757),
3、3−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−
2−(4−メチオキシフェニル)エチニル]−4、5、
6、7−テトラクロロ−1(3H)−イソビンゾフルア
ノン(特開昭62−243653),3−[4−(4−
フェニルアミノフェニル)アミノフェニル]アミノ−6
−メチル−7−クロロフルオラン(特開昭63−118
290)等が挙げられ、顕色剤としては4、4’−イソ
プロピリデンフェノール,ベンジル−P−ヒドロキシベ
ンゾエート,メチル−ビス(ヒドロキシフェニル)アセ
テート,P−フェニルフェノール等が挙げられる。添加
量は、2液反応型ウレタン樹脂に対して、染料と顕色剤
をそれぞれ、1〜5重量%程度添加するのがよい。
【0044】このようなホログラム形成層6を塗工する
には、塗料化した樹脂をロールコート、ブレードコート
等の公知の塗工方法により、図3に示す熱転写シート9
の耐熱性ベースシート8上に塗布・乾燥して形成するこ
とができ、その膜厚は0.5〜5μm程度に設定され
る。
【0045】このようにして形成されたホログラム形成
層6は剥離層7が塗工された耐熱性ベースシート8と適
度に接着し、かつ、エンボス成形時の加熱・加圧により
優れた成形性を有すると共に表面にニッケル、金、クロ
ム等がメッキされた表面レリーフ型ホログラムスタンパ
に対し接着性を示さず、しかも透明薄膜反射層5に対し
ては良好な接着性を示し、基材への転写時に要求される
皮膜の切れ性も良好である。
【0046】ホログラム形成層6にはレリーフパターン
が記録された単色光再生型ホログラムが形成されてお
り、基本的にはフレネル型やフーリエ変換型を含むホロ
グラムがその対象である。その一例として公知の2ステ
ップ型ホログラムの作成工程において、1ステップ目に
作成されるホログラム(一般にマスターホログラムと称
されている)がそれに相当する。このマスターホログラ
ムと称されるホログラムのレリーフパターンに対し白色
光を照射しても、1ステップ目にて撮影された被写体の
画像は目視では再生できず、単に虹彩色を呈するだけで
ある。これに対し、可視光レーザー等の単色光を照射す
ると、1ステップ目にて撮影された被写体の画像が目視
可能に再生される。
【0047】図10に示すホログラム形成層6に形成さ
れてなるレリーフパターンからなるホログラム情報記録
部10は、分割され横方向に配列された各ホログラム情
報領域21(a)〜21(g)からなり、これらを同時
に再生すると図7に示すような一つの情報パターン18
(「8」の文字を示す)が目視できるものである。さら
にこの1つの情報パターン18は分割画像(画素パター
ン)22(a)〜22(g)の7つからなり、この分割
画像22(a)〜22(g)は上述の各ホログラム情報
領域21(a)〜21(g)にそれぞれ対応する。すな
わちホログラム情報領域21(a)〜21(g)のレリ
ーフパターンは、情報パターン10(「8」の文字を示
す)が再生されるように記録されている。情報パターン
10は、網点画像あるいは連続調画像のいずれでもよ
い。なお、ホログラム情報記録部10の各ホログラム情
報領域21(a)〜21(g)を情報パターン10の画
像ではなく、単に横方向に配列された情報パターンとし
てもよい。
【0048】このホログラム情報記録部10の作製は、
各ホログラム情報領域21(a)〜21(g)の透過原
稿23(a)〜23(g)を作製し、図8に示す透過原
稿を用いたホログラムの撮影方法によりホログラム情報
領域のレリーフパターンが形成される。まず上方側には
上述した1番目の画像を構成するホログラム情報領域の
透過原稿23(a)と拡散板24が重ねられた状態で配
置され、下方側には感光材料25が塗布された支持体2
6が配置されている。そして、拡散板24の上方から入
射光27を入射すると、拡散板24で拡散され透過原稿
23(a)を選択的に透過する。なお、透過原稿23を
透過した光を物体光28という。この物体光27は、感
光材料25が塗布された支持体26を上方から見て12
時の方向でかつ側面から見て斜め上から照射された参照
光29と干渉を起こし、感光材料25にホログラム情報
領域に対応する干渉縞を記録する。この1回目の露光時
間は約4秒間に設定されている。
【0049】次に、2番目の画像を構成するホログラム
情報記録部10の透過原稿23(b)に置換え、1回目
の露光と同様に物体光28と参照光29を4秒間照射し
て1回目に形成された、ホログラム情報領域21(a)
を記録した単色光再生型ホログラムのレリーフパターン
の横に、2番目のホログラム情報領域21(b)に対応
する干渉縞を感光材料25に記録し、ホログラム情報領
域18を記録した単色光再生型ホログラムのレリーフパ
ターンを形成する。
【0050】同様にして7番目の画像を構成するホログ
ラム情報領域の透過原稿23(g)に至るまで、上記の
方法と同様に露光を繰り返して、干渉縞を記録した。
【0051】ここでは、7つのホログラム情報領域21
(a)〜21(g)が同一方向の干渉縞で記録されてい
るが、更に多くの分割したホログラム情報領域を記録し
てもよく、またその方向性を変えて記録してもよい。す
なわち、その干渉縞方向が同一、または異なるレリーフ
パターンとすることができる。
【0052】また、このホログラムを作成するに際し、
透過原稿23と感光材料25との間に上述のような7つ
の分割したホログラム情報領域21(a)〜21(g)
に対応した、図9に示すような分割画像用マスク30
(a)〜30(g)を介在させ、この分割画像用マスク
30の作用により、ホログラム情報記録部10のレリー
フパターンを7つの領域に分割して、7つのホログラム
情報領域21(a)〜21(g)が記録することもでき
る。
【0053】このような露光処理を施した後、感光材料
25を現像処理し、7つのホログラム情報領域からなる
単色光再生型ホログラムのレリーフパターンを有するマ
スターホログラムでき、これをもとに公知の電鋳手段に
よりスタンパが作製される。このスタンパによりホログ
ラム形成層にホログラム情報領域18(a)〜18
(g)からなるホログラム情報記録部10のレリーフパ
ターンが形成される。
【0054】次に、透明薄膜反射層6を構成する材料と
しては、ホログラム形成層5よりも屈折率が高くかつ可
視光領域において透過率が高い材料が使用される。屈折
率が高い透明薄膜反射層6をホログラム形成層5のレリ
ーフパターン面に沿って設けると、ホログラムの特徴で
ある再生の角度依存性により、ホログラム画像の再生可
能な角度範囲内では上記透明薄膜層における光の反射率
が最大となり『反射型ホログラム』として機能する一
方、ホログラム画像の再生可能な角度範囲外では単なる
透明体としてのみ機能し、画像3を透視させることが可
能になるからである。このような透明薄膜反射層5を構
成する材料としては、表1に記載の無機材料が例示でき
る。
【0055】
【表1】
【0056】また、透明薄膜反射層5を形成する方法と
しては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法等の公知の成膜手段を用いることができ、そ
の膜厚は100〜10000Åの範囲が適当である。ま
た、図5に示す第2の発明の画像表示体11の光吸収層
12は、加熱により可視領域又は赤外領域に光吸収を生
じる樹脂層であり、上述の加熱により発色し可視光また
は赤外線を吸収する感熱赤外線吸収材料をホログラム形
成層と同様な樹脂に添加し、ホログラム形成層16の上
部に設けるものである。
【0057】ホログラム画像を有する画像表示体の熱転
写法による製造方法を簡単に説明する。
【0058】まず、この画像表示体の形成に用いられる
熱転写シートaは、図13(A)に示すようにポリエチ
レンテレフタレート等から成る耐熱性ベースシートb
と、熱可塑性アクリル樹脂等からなる剥離層cと、ホロ
グラムのレリーフパターンを有するホログラム形成層d
と、ホログラム形成層dよりその屈折率が大きい透明薄
膜反射層eと、さらに昇華性(熱移行性)染料で染色さ
れるとともに、被転写体に対して熱接着性を有する樹脂
材料から成る受像層fとから構成されている。
【0059】そして、この熱転写シートaを図12に示
すようにドラムhとサーマルヘッドiとでその主要部が
構成される昇華転写装置jへ搬送し、色剤が昇華性染料
である転写リボンkの染料層(図示せず)を熱転写シー
トaの受像層fに当接させるとともに、転写リボンk側
からサーマルヘッドiを圧接し、かつ画像データに基づ
いてサーマルヘッドiの発熱素子群(図示せず)を適宜
発熱させ、画像を受像層fに形成する〔図13
(B)〕。なお、画像を多色とする場合には、色調の異
なる転写リボン(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン
等)を適用し、同様な工程を繰返して受像層fに多色の
画像を形成する。また、熱溶融転写(WAX転写)の場
合には、転写リボンのインク層の樹脂ごと転写され、受
像層f上にインク層の画像が形成される。
【0060】次に、画像が形成された熱転写シートaの
受像層fを基材mに当接するとともに〔図13
(C)〕、熱転写シートa側から熱ロール、熱板等の加
熱手段nを圧接・加熱し、基材mへ受像層fを接着さ
せ、熱転写シートaから耐熱性ベースシートbを剥離さ
せて画像表示体pが作製される〔図13(D)〕。
【0061】本発明の画像表示体1、11のホログラム
情報記録部10、20には異なる情報を記録・表示する
ことができ、その記録・表示方法を説明する。画像表示
体1、11は、図7のような情報パターン18を構成す
る分割画像22(a)〜22(g)を組み合わせて表示
する場合に、情報パターン18は1から8までの文字を
表示することができ(例えば8は構成する7つの画素に
よる分割パターン)、情報パターン18の不必要な分割
画像に相当するホログラム情報記録部10、20のホロ
グラム情報領域、例えば図11(A)のように情報パタ
ーン18を「5」とする場合には、ホログラム情報記録
部10、20のホログラム情報領域21(b)、21
(e)を、また図11(B)のように情報パターン18
を「3」とする場合には、ホログラム情報記録部10、
20のホログラム情報領域21(d)、21(e)をサ
ーマルヘッドなどの加熱手段により、図2のホログラム
形成層6、または図5のホログラム形成層16上の光吸
収層12を加熱し、可視領域又は赤外領域に光吸収を生
じさせ、所望の情報パターンを記録することができる。
これにより、可視光レーザーまたは赤外線レーザーをホ
ログラム情報記録部10、20に照射し、光吸収されな
いホログラム情報領域に記録されたホログラムからの反
射回折光のみから構成される情報パターン18が再生さ
れ、情報が表示される。なお、このホログラム情報記録
部10、20に白色光を照射しても、画像は再生・目視
されず、単に虹彩色を呈するだけであるが、単色光の照
射では画像を再生・目視でき、これによりデッドコピー
等の偽造を効果的に防止することができる。
【0062】さらにレリーフパターンからなるホログラ
ム情報記録部10、20の分割された個々のホログラム
情報領域に、その干渉縞の方向性が相違する複数のレリ
ーフパターンが別々に記録されているため、ホログラム
情報記録部10、20に一方向からレーザー光を入射し
ても、画像表示体には1つの情報パターンを構成する一
部のホログラム情報領域しか再生されないため、レリー
フパターンのホログラム情報記録部10、20の完全な
デッドコピーは困難である。
【0063】なお、ここでは情報パターン18をホログ
ラム情報領域21から構成されるホログラム情報記録部
10、20としたが、これ以外にも用いられる情報パタ
ーンは、例えば文字パターン(文字、数字、アルファベ
ット等)、バーコード、カルラコード等の比較的単純な
識別マークをその対象とすることができる。これらも上
記の情報表示体と同様に個々に異なる情報を記録・表示
することができる。
【0064】以下、さらに本発明の具体的な実施例を挙
げて説明する。 <実施例1>図3に示すように熱転写シート9は、二軸
延伸された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート
フィルムよりなる耐熱性ベースシート8と、剥離層7
と、単色光再生型ホログラムのレリーフパターンからな
るホログラム情報記録部10があり感熱赤外線吸収材料
を含有するホログラム形成層6と、ホログラム形成層6
よりその屈折率が大きい材料(ZnS)から成る透明薄
膜反射層5と、受像層4とによって、その主要部が構成
されている。なお、ホログラム情報記録部10は、7つ
の分割パターンからなり、再生・表示されると例えば
『8』の文字となる単色光再生型ホログラムが記録され
ている。
【0065】この単色光再生型ホログラムの作製を説明
する。この記録された7つのホログラム情報領域のレリ
ーフパターンが形成されたニッケル製のスタンパは、以
下のような工程によりマスターホログラムを作製し、こ
のマスターホログラムを用いて公知の電鋳工程により製
造される。
【0066】〔マスターホログラムの作成〕図7のよう
に1つの情報パターン(「8」の文字からなる)を7つ
の分割画像(画素パターン)(a)〜(g)のとして透
過原稿を作成した。この情報パターンは、網点画像ある
いは連続調画像のいずれでもよい。
【0067】図8に示す透過原稿を用いたホログラムの
撮影方法により、上方側に上述した1番目の画像である
分割画像22(a)の透過原稿23と拡散板24が重ね
られた状態で配置され、下方側には感光材料25が塗布
された支持体26が配置されている。そして、拡散板2
4の上方から入射光27が入射されると、拡散板24で
拡散され透過原稿23を選択的に透過する。透過原稿2
3を透過した光である物体光28は、感光材料25が塗
布された支持体26を上方から見て12時の方向でかつ
側面から見て斜め上から照射された参照光29と干渉を
起こし、感光材料25に分割画像22(a)に対応する
干渉縞を記録する。なお、この1回目の露光時間は約4
秒間に設定されている。
【0068】次に、2番目の画像である分割画像22
(b)の透過原稿23を配置し、1回目の露光と同様に
物体光28と参照光29を4秒間照射して1回目に形成
された、分割画像22(a)を記録した単色光再生型ホ
ログラムのレリーフパターンからなるホログラム情報領
域の横に、2番目の分割画像22(b)に対応する干渉
縞を感光材料25に記録する。
【0069】以下、7番目の画像である分割画像(g)
に至るまで、上記の方法と同様に露光を繰り返して、干
渉縞を記録した。
【0070】この実施例においては、7つの分割画像2
2(a)〜(g)が同一方向の干渉縞で記録されている
が、さらに多くの分割画像としてもよく、また干渉縞の
方向性を変えて記録してもよい。
【0071】また、このマスターホログラムの作製に
は、透過原稿23と感光材料25との間に上記の7つの
分割画像に対応する、図9に示す分割画像用マスク30
を用いており、この分割画像用マスク30により、7つ
のホログラム情報領域に分割、別々に記録されたホログ
ラム情報記録部を形成できる。
【0072】このような露光処理後、感光材料25を現
像処理し7つのホログラム情報領域からなる単色光再生
型ホログラムのレリーフパターンを有するマスターホロ
グラムを作製した。
【0073】次に、この熱転写シートの製造工程につい
て説明する。 〔熱転写シート〕 (剥離層塗料) アクリル樹脂 30重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 メチルイソブチルケトン 20重量部 (ホログラム形成層塗料) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 70重量部 染料 1重量部 顕色剤 2.5重量部 トルエン 70重量部 (受像層塗料) ポリエステル樹脂 40重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 5重量部 メチルエチルケトン 40重量部 トルエン 40重量部 二軸延伸された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムより成る耐熱性ベースシート8上に、グラ
ビアコータを用いて剥離層塗料を乾燥温度110℃、塗
布厚1.5μmで塗布して剥離層7を形成した。この上
にホログラム形成層塗料をグラビアコーターを用いて乾
燥温度100℃、塗布厚2.0μmで塗布・乾燥してホ
ログラム形成層6を形成した後、『8』の情報パターン
を表示する単色光再生型ホログラムのレリーフパターン
が形成されたニッケル製のスタンパ(図示せず)の干渉
縞形成面とホログラム形成層6を重ね合せ、プレス機に
より100℃の加熱条件でエンボス加工を行いホログラ
ム形成層6にホログラム情報記録部10のレリーフパタ
ーンを形成した。
【0074】次に、このホログラム形成層6上に厚さ約
800Åの硫化亜鉛(ZnS)を真空蒸着手段により蒸
着し透明薄膜反射層5を形成した。さらにグラビアコー
タを用いて受像層塗料を乾燥温度110℃、塗布厚2.
0μmに塗布し、受像層4を形成し、図3に示す熱転写
シートを作製した。
【0075】〔転写リボン〕3つの色の染料(イエロ
ー、マゼンタ、シアン)を各々ポリビニルブチラールに
分散させて染料インキを調合し、グラビアコーターを用
いて厚さ6μmのポリエステルフィルム上に各色が交互
に配置されるように塗布・乾燥して3色の染料層を有す
る転写リボンを作製した。
【0076】上記の熱転写シート及び転写リボンを図1
2に示す転写装置にセットし、サーマルヘッドiの発熱
素子群を画像データに基づいて発熱させ、熱転写シート
の受像層4に上記の染料からなる多色の画像3を形成
し、さらにポリ塩化ビニルからなる基材2に熱転写シー
ト9の受像層4を当接し、熱転写シート側から加熱手段
により加圧・加熱(加熱温度:90℃)し基材2上に受
像層4を圧着させ、熱転写シート9から耐熱性ベースシ
ート8を剥離させて図2に示すような画像3とレリーフ
パターンからなるホログラム情報記録部10を有する画
像表示体1を製造した。
【0077】画像3を転写形成する工程では、転写リボ
ン(ポリエステルフィルムのみ)の染料インキが塗工さ
れていない部分を利用し、サーマルヘッドiを発熱させ
てホログラム形成層6に含有する感熱赤外線吸収剤を発
色させた。この発色パターンは図11(A)のように情
報パターン18を「5」とする場合には、ホログラム情
報記録部10のホログラム情報領域21(b)、21
(e)を、また図11(B)のように情報パターン18
を「3」とする場合にはホログラム情報記録部10のホ
ログラム情報領域21(d)、21(e)を加熱し発色
させたものである。例として2種類のパターンを例示し
た。
【0078】このように作製された、情報パターン
『5』を有する画像表示体及び情報パターン『3』を有
する画像表示体を目視すると、図3に示すような顔写真
からなる画像3とこの画像3に関連する属性情報13や
画像表示体の共通情報としての印刷部14は確認された
が、ホログラム情報記録部10は虹彩色を呈する模様と
認識されるに過ぎず、加熱部分15の発色パターンは、
バー状の模様と認識されるに過ぎなかった。
【0079】この画像表示体を読取装置の所定の位置に
セットし、図4に示すようにホログラム情報記録部10
に対し、その干渉縞の方向性に対応する方向から、例え
ば670nmの可視光レーザーを照射すると、このレー
ザー光はレンズ31を介してスリガラス製のスクリーン
32上に結像し、情報パターン18(情報パターン
『3』は省略)が表示される。
【0080】ここで、図11のように、発色パターン
『5』である画像表示体をセットした場合は、情報パタ
ーン『5』が表示され、発色パターン『3』である画像
表示体をセットした場合は、情報パターン『3』が表示
された。このように画像表示体を読取装置にセットし、
そのホログラム情報記録部のIDコードを確認すること
によって、偽造か否かを機械的に瞬時に判読することが
可能となる。この実施例において可視光レーザ光源Lと
しては、そのピーク波長が633nmであるHe−Ne
可視光レーザが用いられている。
【0081】<実施例2>図3に示すように熱転写シー
ト9は、二軸延伸された厚さ25μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムよりなる耐熱性ベースシート8
と、剥離層7と、加熱により可視領域または赤外線領域
に光吸収を生じる光吸収層と、単色光再生型ホログラム
のレリーフパターンからなるホログラム情報記録部10
を有するホログラム形成層16と、ホログラム形成層1
6よりその屈折率が大きい材料(ZnS)から成る透明
薄膜反射層5と、受像層4とによって、その主要部が構
成されている。なお、ホログラム情報記録部10は、実
施例1と同様に7つの分割パターンからなり、再生・表
示されると例えば『8』の文字となる単色光再生型ホロ
グラムが記録されており、また7つのホログラム情報領
域のレリーフパターンが形成されたニッケル製のスタン
パ及びこのマスターホログラムの作製方法は、実施例1
と同様である。
【0082】次に、この熱転写シートの製造工程につい
て説明する。 〔熱転写シート〕 (剥離層塗料) アクリル樹脂 30重量部 トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 メチルイソブチルケトン 20重量部 (光線吸収層塗料) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 70重量部 染料 1重量部 顕色剤 2.5重量部 トルエン 70重量部 (ホログラム形成層塗料) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂とウレタン樹脂の混合物 25重量部 トルエン 100重量部 (受像層塗料) ポリエステル樹脂 40重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 5重量部 メチルエチルケトン 40重量部 トルエン 40重量部 二軸延伸された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムよりなる耐熱性ベースシート8上に、グラ
ビアコータを用いて剥離層塗料を乾燥温度110℃、塗
布厚1.5μmで塗布して剥離層7を形成した。この上
に光吸収層塗料をグラビアコーターを用いて乾燥温度1
00℃、塗布厚1.0μmで塗布・乾燥して光吸収層1
2を形成した。さらにこの上にホログラム形成層塗料を
グラビアコーターを用いて乾燥温度100℃、塗布厚
2.0μmで塗布・乾燥してホログラム形成層6を形成
した後、『8』の情報パターンを表示する単色光再生型
ホログラムのレリーフパターンが形成されたニッケル製
のスタンパ(図示せず)の干渉縞形成面とホログラム形
成層4を重ね合せ、プレス機により100℃の加熱条件
でエンボス加工を行いホログラム形成層16にホログラ
ム情報記録部20のレリーフパターンを形成した。
【0083】次に、このホログラム形成層16上に厚さ
約800Åの硫化亜鉛(ZnS)を真空蒸着手段により
蒸着し透明薄膜反射層5を形成した。さらにグラビアコ
ータを用いて受像層塗料を乾燥温度110℃、塗布厚
2.0μmに塗布し、受像層4を形成し、図6に示す熱
転写シートを作製した。また、転写リボンに関しては、
実施例1と同様である。
【0084】上記の熱転写シート及び転写リボンを図1
2に示す転写装置にセットし、サーマルヘッドiの発熱
素子群を画像データに基づいて発熱させ、熱転写シート
の受像層4に上記の染料からなる多色の画像3を形成
し、さらにポリ塩化ビニルからなる基材2に熱転写シー
ト19の受像層4を当接し、熱転写シート側から加熱手
段により加圧・加熱(加熱温度:90℃)し基材2上に
受像層4を圧着させ、熱転写シート19から耐熱性ベー
スシート8を剥離させて図2に示すような画像3とレリ
ーフパターンからなるホログラム情報記録部20を有す
る画像表示体11を製造した。
【0085】画像3を転写形成する工程で、転写リボン
(ポリエステルフィルムのみ)の染料インキが塗工され
ていない部分を利用し、サーマルヘッドiを発熱させて
光吸収層12に含有する感熱赤外線吸収剤を発色させ
た。この発色パターンは図11(A)のように情報パタ
ーン18を「5」とする場合には、ホログラム情報記録
部20のホログラム情報領域21(b)、21(e)
を、また図11(B)のように情報パターン18を
「3」とする場合にはホログラム情報記録部20のホロ
グラム情報領域21(d)、21(e)を加熱し発色さ
せたものである。例として2種類のパターンを例示し
た。
【0086】このように作製された、情報パターン
『5』を有する画像表示体及び情報パターン『3』を有
する画像表示体を目視すると、図3に示すような顔写真
からなる画像3とこの画像3に関連する属性情報13や
画像表示体の共通情報としての印刷部14は確認された
が、ホログラム情報記録部20は虹彩色を呈する模様と
認識されるに過ぎず、加熱部分30の発色パターンは、
バー状の模様と認識されるに過ぎなかった。
【0087】この画像表示体を読取装置の所定の位置に
セットし、図4に示すようにホログラム情報記録部20
に対し、その干渉縞の方向性に対応する方向から、例え
ば670nmの可視光レーザーを照射すると、このレー
ザー光はレンズ31を介してスリガラス製のスクリーン
32上に結像し、情報パターン18(情報パターン
『3』は省略)が表示される。
【0088】ここで、図11(A)に示す発色パターン
『5』である画像表示体をセットした場合は、情報パタ
ーン『5』が表示され、図11(B)に示す発色パター
ン『3』である画像表示体をセットした場合は、情報パ
ターン『3』が表示された。このように画像表示体を読
取装置にセットし、そのホログラム情報記録部のIDコ
ードを確認することによって、偽造か否かを機械的に瞬
時に判読することが可能となる。この実施例において可
視光レーザ光源Lとしては、そのピーク波長が633n
mであるHe−Ne可視光レーザが用いられている。
【0089】
【発明の効果】本発明の画像表示体によれば、偽造・変
造・改竄がされにくくなり、また偽造・変造・改竄がな
された場合でも、目視による真偽判定に加え、単色光再
生型ホログラムによる真偽判定がなされるため、偽造・
変造の事実をより確実に発見でき、また個々のホログラ
ム情報領域からなる情報パターンは完全なデッドコピー
を困難にさせる効果を有する。
【0090】またホログラム形成層或いは光吸収層を加
熱により可視領域又は赤外領域に光吸収を生じさせるこ
とにより、可視光または赤外線は、ホログラム形成層も
しくは光吸収層で吸収されるため、加熱されない、すな
わち発色していない部分のホログラム情報領域からなる
情報パターンのみ読み出すことができるので、個々に異
なる個別情報を記録することができる。
【0091】また本発明の熱転写シートによれば、その
干渉縞方向が同一、または異なるレリーフパターンから
なる複数のホログラム情報領域から同時再生される情報
パターンを個別情報として任意に設けることが可能な画
像表示体を確実にかつ簡便に作製することができ、この
画像表示体は個々の識別が可能である。
【0092】さらに本発明の画像表示体の情報表示方法
によれば、ホログラム情報記録部の中で必要なホログラ
ム情報領域のみが反射回折され、これらの反射回折され
再生された情報パターンを表示することが可能となり、
再生されない隠蔽されるホログラム情報領域を各々任意
の位置に形成することにより、同一の媒体で異なる情報
パターンを任意に表示することが可能となり、偽造防止
効果の高い個別情報の記録・情報表示方法を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像表示体の平面図である。
【図2】図1のX−X線における画像表示体の断面図で
ある。
【図3】図1の画像表示体の作製に用いられる熱転写シ
ートの断面図である。
【図4】図1の画像表示体を単色光照射により検出認識
された情報パターンを示す概念図である。
【図5】本発明の第2の発明に係る画像表示体の断面図
である。
【図6】図5の画像表示体の作製に用いられる熱転写シ
ートの断面図である。
【図7】本発明の実施例におけるホログラム情報領域と
分割画像の関係を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例におけるホログラム撮影方法の
一例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施例における分割画像形成用マスク
の概略図である。
【図10】本発明の実施例における分割画像に対応する
ホログラム情報領域のホログラム情報記録部における配
置を示す説明図である。
【図11】本発明の実施例における記録後の情報パター
ンと、それから再生される情報パターンとの関係を示す
説明図である。
【図12】熱転写シートを用いて画像表示体を製造する
連続した製造工程を説明する概念図である。
【図13】熱転写シートを用いて画像表示体を製造する
工程を示す説明図である。
【図14】従来の画像表示体の平面図である。
【符号の説明】
1、11 画像表示体 2 基材 3 画像 4 受像層 5 透明薄膜反射層 6、16 ホログラム形成層 7 剥離層 8 耐熱性ベースシート 9、19 熱転写シート 10、20 ホログラム情報記録部 12 光吸収層 13 属性情報 14 印刷部 15、17 加熱部分 18 情報パターン 21(a)〜21(g) ホログラム情報領域 22(a)〜22(g) 分割画像 23(a)〜23(g) 透過原稿 24 拡散板 25 感光材料 26 支持体 27 入射光 28 物体光 29 参照光 30(a)〜30(g) 分割画像用マスク 31 レンズ L 可視光レーザ光源

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、単色光により再生される単色
    光再生型ホログラムを有し、かつ加熱により可視領域又
    は赤外領域に光吸収を生じるホログラム形成層と、該ホ
    ログラム形成層よりその屈折率が大きい透明薄膜反射層
    と、画像が形成された受像層とを基材上に備えてなる画
    像表示体であり、前記ホログラム形成層はその干渉縞方
    向が同一、または異なるレリーフパターンから形成され
    た複数のホログラム情報領域からなり、各ホログラム情
    報領域を同時に再生することにより情報パターンが構成
    されることを特徴とする画像表示体。
  2. 【請求項2】少なくとも、加熱により可視領域又は赤外
    領域に光吸収を生じる光吸収層と、単色光により再生さ
    れる単色光再生型ホログラムからなるホログラム形成層
    と、該ホログラム形成層よりその屈折率が大きい透明薄
    膜反射層と、画像が形成された受像層とを基材上に備え
    てなる画像表示体であり、前記ホログラム形成層はその
    干渉縞方向が同一、または異なるレリーフパターンから
    形成された複数のホログラム情報領域からなり、各ホロ
    グラム情報領域を同時に再生することにより情報パター
    ンが構成されることを特徴とする画像表示体。
  3. 【請求項3】耐熱性ベースシートと、剥離層と、少なく
    とも単色光再生型ホログラムであり加熱により可視領域
    または赤外領域に光吸収を生じるホログラム形成層と、
    該ホログラム形成層よりその屈折率が大きい透明薄膜反
    射層と、昇華性転写材料及び熱溶融転写材料からなる画
    像の形成が可能であり、かつ被転写材に対し熱接着性を
    有する受像層を具備してなることを特徴とする熱転写シ
    ート。
  4. 【請求項4】耐熱性ベースシートと、剥離層と、加熱に
    より可視領域又は赤外領域に光吸収を生じる光吸収層
    と、単色光再生型ホログラムからなるホログラム形成層
    と、該ホログラム形成層よりその屈折率が大きい透明薄
    膜反射層と、昇華性転写材料及び熱溶融転写材料からな
    る画像の形成が可能であり、かつ被転写材に対し熱接着
    性を有する受像層を具備してなることを特徴とする熱転
    写シート。
  5. 【請求項5】少なくとも熱により可視領域または赤外領
    域に光吸収を生じ、かつその干渉縞方向が同一、または
    異なるレリーフパターンから形成された複数のホログラ
    ム情報領域からなるホログラム形成層を有する画像表示
    体の情報表示方法であって、表示する情報パターンに不
    必要なホログラム情報領域に相当するホログラム形成層
    部分を加熱により、可視領域又は赤外領域に光吸収状態
    とした後、必要な各ホログラム情報領域から同時に再生
    することにより情報パターンを表示することを特徴とす
    る画像表示体の情報表示方法。
  6. 【請求項6】少なくとも熱により可視領域または赤外領
    域に光吸収を生じる光吸収層と、その干渉縞方向が同
    一、または異なるレリーフパターンから形成された複数
    のホログラム情報領域からなるホログラム形成層とを有
    する画像表示体の情報表示方法であって、表示する情報
    パターンに不必要なホログラム情報領域に相当する前記
    光吸収層部分を加熱により、可視領域又は赤外領域に光
    吸収状態とした後、必要な各ホログラム情報領域から同
    時に再生することにより特定の情報パターンを表示する
    ことを特徴とする画像表示体の情報表示方法。
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