JPH0898663A - 安定なゲル食品およびその製造方法 - Google Patents

安定なゲル食品およびその製造方法

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JPH0898663A
JPH0898663A JP6261662A JP26166294A JPH0898663A JP H0898663 A JPH0898663 A JP H0898663A JP 6261662 A JP6261662 A JP 6261662A JP 26166294 A JP26166294 A JP 26166294A JP H0898663 A JPH0898663 A JP H0898663A
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道子 中村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ゼラチン液と55℃以上に加熱 (限定加熱) し
て変性させたホエータンパク質液とから得られた複合体
に、室温以上で塩類を添加し、ゲル化させた安定性の高
いゲル食品及びその製造法。複合体は、ゼラチン液とホ
エータンパク質液とを混合して限定加熱するかあるいは
あらかじめホエータンパク質を限定加熱して変性させ、
これにゼラチン液を加えても形成することができる。 【効果】 保存中ゲル強度が変化せず、離水をほとんど
生ずることがない。また、耐熱性に富む。凍結解凍して
果実組織状のフルーツゼリー様ゲル食品あるいは、その
ままスープやみそ汁の実として利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゼラチンとホエータン
パク質との複合体に塩類を添加することによって得られ
るゲル食品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゼラチンは動物の結合タンパク質である
コラーゲンを精製して得られるタンパク質であり、溶解
してゲル化させた食品等を保存しておくと、ゲルの硬
さ、すなわち硬度が経時的に上昇するという問題があっ
た。また、離水したり、温度が上昇すると融けたりして
熱に弱いという不都合があった。
【0003】一方、ホエータンパク質はチーズやカゼイ
ンを製造する際の上清画分に含まれており、低イオン強
度下においては、タンパク質濃度20重量%以上の高濃度
にて55℃以上の加熱を行うか、又は、タンパク質濃度10
重量%以下でも高イオン強度下において加熱を行うとタ
ンパク質の加熱変性によりゲル化する性質がある。
【0004】従来公知の技術としては、低イオン強度下
でタンパク質濃度20%以下で加熱変性させたホエータン
パク質溶液に室温下で塩類を添加し、ゲルを形成する技
術が特開平 5-64550号公報に提案されている。これによ
り得られたゲルは、塩によって生じるホエータンパク質
間の架橋反応が緩慢に行われ、短時間に完結しないた
め、ホエータンパク質のゲル強度が経時的に上昇してい
た。また、脱塩したホエータンパク質溶液に塩類を添加
し、加熱変性させて、安定した透明なゲルを形成すると
いう提案(特開平4-228036号公報)もあるが、この提案
は脱塩したホエータンパク質を用いなければならず、加
熱変性されたホエータンパク質のみからなるゲルが得ら
れる。
【0005】更に、乳清タンパク質を無塩、又は 500mM
以下の低イオン強度下にて加熱を行い、液状油脂代替品
を得る特開平5-244876号公報の提案もある。更にまた、
ホエータンパク質、食用油脂にゼラチン及び/又はコラ
ーゲンを添加し均一に乳化し加熱してゲル化させ、食肉
の脂肪代替物を得る提案として特開平6-113748号公報が
ある。これは特にホエータンパク質に食用油脂を使用
し、均一に乳化する手段を特徴としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のごとき
従来の技術では得ることができなかった新規なゲル食品
を得るためになされたものであって、本発明は、ゼラチ
ンゲルの保存中の品質変化が抑制された安定なゲル食品
およびそれを得る方法を提供することを課題とする。本
発明において、ホエータンパク質含有液を特定の温度、
すなわちホエータンパク質の熱変性温度以上に加熱する
ことを「限定加熱」といい、この温度で加熱凝固しない
温度に調製してホエータンパク質を変性させることを
「限定加熱変性」という。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ゼラチンと限
定加熱変性させたホエータンパク質との複合体と塩類と
からなる安定なゲル食品であって、ゼラチン液と、限定
加熱変性させたホエータンパク質液とを混和して複合体
を形成させ、塩類を添加してゲル化させた安定なゲル食
品である。
【0008】また、本発明は、あらかじめ限定加熱した
ホエータンパク質含有液とゼラチン液とを混和するか、
ホエータンパク質含有液を限定加熱してゼラチン液と混
和するか、またはゼラチン液とホエータンパク質含有液
とを混和して限定加熱するか、いずれかにより両者の複
合体を形成させたのち、塩類を添加することにより、ゼ
ラチンゲルの保存中のゲル特性が変化しないゲル食品を
製造する方法である。本発明において、混和は単に両者
を混合することであってもよいが、特に両者を混合し均
質にすることが望ましい。
【0009】ゼラチンゲル(ゼリー)もホエータンパク
質ゲルも時間が経つにつれて、ゲルの硬さが上昇してし
まうという性質がある。本発明はこの性質の発現を、ゼ
ラチンと限定加熱変性させたホエータンパク質との複合
体を形成させ、さらに線状凝集体を形成させることによ
り抑制させ、得られたゲルの保存中に生じる離水を防止
し、耐熱性も合わせ有したゲル食品を得るものである。
【0010】ゼラチン液とホエータンパク質液とを混和
して複合体を形成させ、線状凝集体を形成させるには、
次のいずれかの手段を用いる。ただし、ゼラチンとホエ
ータンパク質をそれぞれ液状となし、ホエータンパク質
を溶解して最初に液状にするときは、55℃未満の温度で
行う。
【0011】すなわち、第一は、ゼラチンとホエータン
パク質とを55℃未満の温度で水に溶解し、pHを調整し
た後加熱する。次いで塩類を添加する。第二は、あらか
じめ、溶解したゼラチン液とホエータンパク質含有液と
を混和する。次いでpHを調整して加熱する。そして塩
類を添加する。第三は、ゼラチンを、あらかじめ55℃未
満の温度で溶解したホエータンパク質含有液に加えて、
ゼラチンを完全に溶解させてゼラチンとホエータンパク
質の混和物を調製する。次いでpHを調整して加熱す
る。そして塩類を添加する。第四は、あらかじめ溶解し
たゼラチン液と限定加熱したホエータンパク質含有液と
を混和して、pHを調整する。次いで塩類を添加する。
【0012】なお、上記第一から第三の加熱の温度は、
限定加熱であっていずれも55℃以上で行う。また、pH
の調整は必要に応じて行うものであって、この必要に応
じてとは、pHが6未満または9を超えるときにこの範
囲内の所望の値に調整するという意味である。なぜなら
アルカリ剤や酸剤を使わないときのpHは通常、6〜9
の範囲になるからである。塩類の添加は、複合体のゼラ
チンがゲル化する前の液状のときに行う。この状態のと
きの温度は、約30℃以上である。これ以下に温度が下が
るとゼラチンのゲル化が始まるので、望ましくない。
【0013】上記のいずれかの手段により得られたゲル
は、ゲル形成後硬化現象が生じないほか、離水もほとん
どなく、さらに耐熱性をも有することがわかった。更
に、得られた上記のゲル中に蔗糖、ぶどう糖、還元糖、
糖アルコール、糖ペプチド等の甘味剤、グルタミン酸、
イノシン酸、核酸等の調味料、水溶性、脂溶性の香料、
赤キャベツ、クチナシ、ビートレッド色素等の天然着色
料や合成着色料等を必要に応じて適量含有させることに
より、風味や食感良好で安定なゲル食品を得ることがで
きる。これらの食品素材の添加は、ゼラチンがゲル化す
る前に行うとよい。
【0014】また、得られたゲル食品を凍結し、次いで
解凍することにより果肉状の組織となりフルーツゼリー
状の組織を有するゲル食品を提供することもできる。
【0015】次に本発明に用いる主要な原料、その使用
量および使用方法等について説明する。ゼラチンの使用
量は、全量に対して 0.8重量%以上が望ましい。使用量
が0.8重量%未満であると、いわゆるゲル状の食品を形
成することが困難となり、ゼラチン特有の食感やテクス
チャーを充分に付与することができない。また、使用量
の上限は特に存在しないが、3重量%を超えるといわゆ
るゲル食品としてふさわしい食感やテクスチャーが過度
になり硬いゲル食品になってしまう。しかし食品として
不適なものではない。
【0016】使用方法は、ゼラチンを20重量%程度の濃
度で、水に膨潤させ、通常、40〜70℃前後まで加温して
溶解させる。これをホエータンパク質含有液と混和す
る。混和時もしくは混和後の温度が55℃以上であれば限
定加熱を兼ねることになる。使用できるゼラチンとして
は、市販のアルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチンのい
ずれでも用いることができる。精製度としては、175 ブ
ルーム程度以上の高分子タイプのもを用いるとよい。も
ちろん175 ブルーム以下のものでも本発明の目的は達成
される。ゼラチンの形態は粉末状、顆粒状、フレーク状
等、種々のものがあるが、粉末状のものが使いやすい。
粒度は30メッシュ程度であるとよい。
【0017】ホエータンパク質の使用濃度は、タンパク
質含量で3〜20重量%がよい。灰分含有量の高いホエー
タンパク質であると、加熱によりゲルを形成することが
あるので、このような場合は3重量%程度がよく、逆に
灰分含有量が低いホエータンパク質のときは、20重量%
程度まで使用できる。灰分含量が比較的に高いもので
は、4.5 〜10重量%程度用いるとよい。通常、適した使
用濃度は、タンパク質含量として5.5 〜9.0 重量%であ
る。使用できるホエータンパク質としては、ホエータン
パク質濃縮物(WPC)、ホエータンパク質分離物(W
PI)等があり、タンパク質含量としては35〜95重量%
程度である。本発明において用いるホエータンパク質
は、特別に脱塩処理したホエータンパク質である必要は
ない。しかし灰分含量があまり高すぎるもの、たとえ
ば、20重量%以上になるようなものは用いないほうがよ
い。これらのホエータンパク質を単独または併用して用
いる。
【0018】pHは、6〜9の範囲に調整するが、その
理由は、6以下では加熱するとタンパク質が凝集して複
合体を形成しない。また9以上になると複合体が加水分
解されジペプチド、例えばリジノアラニンの生成が考え
られ、苦みが生じたり、腎臓に蓄積されたりすることが
あるので好ましくない。しかし、上記の原料では通常p
Hは6〜9の範囲になる。この範囲にあるときは、無論
pHを調整する必要はない。pH調整剤としては、炭酸
水素ナトリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤クエ
ン酸塩、乳酸、リンゴ酸、酒石酸等の酸剤を用いて行
う。これらのアルカリ剤や酸剤を通常、水に溶解して用
いる。
【0019】使用する塩類は、食品添加物として用いら
れる塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウ
ム、塩化カリウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、
硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、モノリン酸ナトリウ
ム、ジリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸カルシウ
ム、酒石酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム等の
無機塩類、および有機塩類を1種、又は2種以上併用し
て用いることが出来る。塩類の添加量は、全量に対し少
なくとも0.05重量%にする。添加量の上限はないが、食
品としての適性上2重量%程度がよい。あまり多いと風
味が悪くなる。塩類を添加するときは、ゼラチンとホエ
ータンパク質との複合体が液状を呈している状態のとき
に行うことが重要である。この時の具体的な温度は、約
30℃以上である。塩類は個々の溶解度に応じて溶液の状
態で添加してもよい。
【0020】塩類は、限定加熱変性させたホエータンパ
ク質とゼラチンの複合体をイオン結合で架橋する働きを
持つが、少なすぎるとその効果を発揮せず、多すぎると
過剰に作用し、硬く、テクスチャーの悪いゲルを形成し
てしまう。塩の種類にもよるが、塩の濃度はホエータン
パク質、ゼラチン等を含めた全体の溶液に対して0.05重
量%以上であることが必要である。又、塩類の添加方法
は、溶解性の高いものであれば固形のまま添加してもよ
いが、1〜20重量%の塩溶液として用いることが望まし
い。溶液で用いるとさらに分散性が高まり、塩の偏在に
よる部分的な架橋を防止することができる。各塩類の望
ましい濃度としては、塩化カルシウム、乳酸カルシウ
ム、塩化マグネシウムならば0.05〜0.2 重量%、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、アスコルビン酸ナトリウム、
酒石酸ナトリウムならば0.5 〜2.0重量%、モノリン酸
ナトリウム、ジリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウ
ムならば0.8 〜2.0 重量%、炭酸水素ナトリウム、クエ
ン酸ナトリウムならば0.3 〜1.0 重量%である。
【0021】本発明において、ホエータンパク質含有液
を55℃以上の温度に限定加熱し、ホエータンパク質を
限定加熱変性させるが、この加熱温度の上限はゼラチン
やホエータンパク質が変質しない温度であればよい。こ
こでいう変質とは、変性とは別の意味であって、ゼラチ
ンやホエータンパク質の持つ固有の特性が失われてしま
うことをいう。また、55℃未満の加熱温度では、ホエー
タンパク質の充分な加熱変性が生じず、ゼラチンとホエ
ータンパク質との複合体を形成させることができない。
通常この加熱条件は、55〜100 ℃の温度で1〜60分間行
う。
【0022】本発明の限定加熱は、ゼラチンの存在下で
行ってもなんらさしつかえない。いずれにしても、ゼラ
チンと限定加熱変性させたホエータンパク質とが共存す
ると、ゼラチンとホエータンパク質の複合体が形成され
る。この複合体は、一般的な手法とされる高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)により確認される。すなわ
ち、条件は、カラム:Asahipak GS-620 (7.6mm ID×350
mm)、移動相:0.1Mリン酸緩衝液 (pH6.8)、流速:1ml/
min、検出:280nm(吸光度)である。会合の構造は明ら
かでないが、未変性ホエータンパク質のピークとゼラチ
ンのピークは、限定加熱によって減少し、新しい高分子
のピークが出現することにより確認できる。また、限定
加熱を行うと、ホエータンパク質自身の線状凝集体が形
成される。この線状凝集体はホエータンパク質の加熱に
よるアンホールディング、すなわち球状を形成している
タンパク質が加熱によって、その構造が変化することに
より形成されるもので、タンパク質のチャージによる静
電的な反発力と、疎水的相互作用の引力との微妙なバラ
ンスにより、線状になっているものである。この線状凝
集体はまだ液状をなしている状態である。
【0023】本発明は、この複合体と線状凝集体とを形
成させることを特徴とする。このような状態のときに、
塩類を添加すると、イオンバランスが崩れ、ホエータン
パク質の線状凝集体同士の会合が生じ、ゲル化が起こ
る。さらに温度が低下するとゼラチンのゲル化が起こ
る。これによりいわゆるゼラチンとホエータンパク質の
複合ゲルを形成することになる。
【0024】以上述べたように本発明はゼラチンのゲル
化特性とホエータンパク質のゲル化特性を有機的に結合
させることによって達成されるもので、本発明の本質的
思想は、ゼラチンのゲル化特性と上記の如き限定加熱変
性させたホエータンパク質特有の構造化ゲル化特性を塩
類を介在させて組み合わせたところにある。
【0025】次に、本発明の構成に対する作用効果につ
いて詳しく説明する。本発明は、ゼラチンと限定加熱変
性させたホエータンパク質と塩類からなるゲル食品であ
って、前記したように、ゼラチンと限定加熱変性させた
ホエータンパク質との複合体をつくり、これに塩類を添
加してゲル化することによって達成される。
【0026】ゼラチンの溶解液と、ホエータンパク質の
溶解液とをつくるが、このホエータンパク質含有液はあ
らかじめ限定加熱変性させておいてもよい。限定加熱変
性させていないホエータンパク質含有液のときは、ゼラ
チン液と混和した後、55℃以上に限定加熱してゼラチン
と限定加熱変性させたホエータンパク質との複合体を形
成させる。また、限定加熱変性させたホエータンパク質
含有液を用いるときは、両者を混和してゼラチンと加熱
変性させたホエータンパク質との複合体を形成させる。
次にこのようにして形成させた複合体のpHを必要に応
じて調整する。そしてその後に、塩類を添加する。塩類
の添加は複合体が液状を呈しているときに行う。具体的
には30℃以上である。ゼラチンがゲル化すると望ましく
ない。
【0027】このようにするとゼラチンと限定加熱変性
させたホエータンパク質の複合体、および限定加熱変性
させたホエータンパク質自身の線状凝集体が形成され
る。この線状凝集体はホエータンパク質の加熱による前
記したアンホールディングにより形成されるもので、タ
ンパク質のチャージによる静電的な反発力と、疎水的相
互作用の引力との微妙なバランスにより、線状になって
いるものである。ここで塩を添加することにより、イオ
ンバランスが崩れ、限定加熱変性させたホエータンパク
質の線状凝集体同士の会合が生じ、ゲル化が起こる。本
発明ではこのゲル化が、温度が室温(本発明では、室温
とは20〜25℃を意味している。)より高い状態(約30℃
以上)で行われるため、会合は急速に進行し短時間のう
ちにほとんど完結してしまう。40℃以上になるといっそ
う早期に完結する。したがって、これ以上の限定加熱変
性させたホエータンパク質の会合は実質的に進行しな
い。
【0028】温度の高いところではゼラチンはまだ溶液
状を呈しているため、ホエータンパク質ゲルに閉じ込め
られた状態となっている。次いで、このホエータンパク
質ゲルを冷却していくとゼラチンがゲル化する。従っ
て、ホエータンパク質ゲルの中にゼラチンゲルが取り込
まれているため、ゼラチンはホエータンパク質による保
護を受けることになり、保存中においてゼラチンのネッ
トワーク構造の進行も阻害され、硬化や離水が抑制さ
れ、耐熱性が増強されるのである。
【0029】従来の技術では、ホエータンパク質のゲル
の場合、ホエータンパク質を加熱処理した後に室温また
はそれ以下まで冷却して、塩類を添加するためタンパク
質と塩類の会合が緩慢に進み短時間には完結しなかっ
た。よって、保存中にも会合が進むためゲル強度が上昇
していた。しかし、本発明ではゼラチンが溶液状を呈す
る状態のときに塩類を添加するため、具体的には約30℃
以上で添加するため、タンパク質分子の熱運動が盛んで
あり、タンパク質と塩類の会合が急速に進んで、ほとん
ど完結してしまう。このために保存中における会合が進
行せず、冷蔵中のゲル強度の増加を伴うことがない。ま
た、得られたゲル食品はホエータンパク質由来の耐熱性
を発揮し、離水も極めて少ないという構造性、機能性の
優れたゲル食品となる。
【0030】
【発明の効果】本発明によればゼラチンと限定加熱変性
させたホエータンパク質を組み合わせてゲル食品を調製
することにより、ゲルの硬さが変化しない、離水のきわ
めて少ない、耐熱性のあるゲル食品が得られる。したが
って本発明により得られたゲルを適宜の大きさや形にし
て、スープやみそ汁等ホットな飲み物製品の具に供する
こともできる。また、本発明により得られたゲル食品
を、凍結し解凍することにより、果実組織状のフルーツ
ゼリー様ゲル食品を得ることができる。
【0031】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。
【0032】
【実施例1】粉末高分子酸処理ゼラチン30gを 300gの
水に湿潤させ、ついで、粉末状のWPI(タンパク質含
量90重量%)300gを 540gの水に完全に溶解し、このゼ
ラチン溶液とWPI溶液とを混和し、50℃にてゼラチン
を完全に溶解した。この時のpHは 7.5であった。次
に、この混和溶液を加熱し、90℃達温時から5分間加熱
保持した。加熱後冷却し、45℃にて、18重量%のモノリ
ン酸ナトリウム(Na2HPO4・12H2O)溶液 100gを添加し
た。45℃に保持しながら、上白糖 100gを添加、溶解し
て、オレンジフレーバーを添加し、5℃に冷却して、ゼ
リーを得た。このゼリーは弾力性があり、滑らかで、離
水を生じないものであった。次に、本発明のゲル食品の
対照として上記ゲル食品と同濃度のゼラチンゼリー、ホ
エータンパク質ゲル食品(限定加熱変性させたものでゼ
ラチンを添加しないこと、および18重量%のモノリン酸
ナトリウムの添加を20℃の室温下で行ったこと以外は上
記と同様に行いゲル化させたもの)をそれぞれ、最大10
日目まで保存してゲル強度、耐熱性、離水率の各試験に
供した。調製したゲル食品のゼラチン濃度、ホエータン
パク質濃度および糖濃度は、それぞれ次の通りであっ
た。
【0033】
【0034】試験した結果、ゲル強度は、本発明のゲル
食品(ゼリー)では1日目から安定であったが、ゼラチ
ンゼリーおよびホエータンパク質ゲル食品は時間が経過
するに従いゲル強度が急激に増加した(図1)。また、
耐熱性試験の結果は、本発明のゲル食品(ゼリー)およ
びホエータンパク質ゲル食品は熱に対して安定で耐熱性
を有したが、ゼラチンゼリーは 100%溶融し、耐熱性は
全くなかった(図2)。さらに、離水率については、本
発明のゲル食品、ホエータンパク質ゲル食品は離水がき
わめて少なかったが、ゼラチンゼリーは経時的に離水率
が急激に増大した(図3)。
【0035】以上のように上記ゼリーの時間経過による
ゲル強度の変化は、ゼラチン単独のゼリーと室温下で塩
を添加して得られたホエータンパク質ゲル食品が経時的
に強度を増すのに対し、本発明のゲル食品は硬さ(ゲル
強度)の増加もなく、耐熱性(耐MD(メルトダウン)
性)も良好で、かつ離水もきわめて少なく、これらの点
において安定なものであった。これらの測定結果を図
1、図2および図3に示した。なお、メルトダウン(M
D)性とは、加熱により融けだす性質をいう。熱溶融性
ともいう。融けだすゲルはその程度が大きいほど、より
耐熱性が劣ることになる。
【0036】以上の結果によれば、本発明のゲル食品
が、ゲル強度の安定性、耐熱性、離水の少なさの点にお
いて、最も優れていることがわかる。
【0037】なお、測定方法は次によった。 A.ゲル強度の測定方法 上記の、実施例1による本発明のゲル食品、ゼラチンゼ
リーおよびホエータンパク質ゲル食品をそれぞれ10℃に
保存し、そのゲル強度を10日目まで経時的に測定した。
測定条件は品温10℃、プランジャー径16mm、貫入距離2c
m 、貫入速度0.5 mm/sec. で行い、試料が破断したとき
のゲルの破断強度(Rupture stress) を読み取った。測
定器はレオナー(RE−33005 、山電(株))を用い
た。
【0038】B.耐熱性の測定方法 上記の、実施例1による本発明のゲル食品、ゼラチンゼ
リーおよびホエータンパク質ゲル食品の80℃におけるM
D性を測定し、耐MD性を耐熱性とした。測定条件は、
シャーレ内にそれぞれ内径25mm、高さ15mmの円筒状に成
形した試料のゼリーまたはゲルを、加湿雰囲気下に80℃
の恒温室に入れ10分間経過後の高さ(mm)をそれぞれ測
定した。変形率は次の式により算出し、MD(Melt Dow
n)性とした。数値が低いほど耐MD性を有する、すなわ
ち耐熱性があることを示す。 MD性(%)=(15−高さ(mm))/15×100
【0039】C.離水率の測定方法 上記の、実施例1による本発明のゲル食品、ゼラチンゼ
リーおよびホエータンパク質ゲル食品の離水率を3時間
まで経時的に測定した。測定条件は、内径25mm、高さ15
mmの円筒状に成形した上記のゼリーまたはゲル試料をシ
ャーレ内に敷いた濾紙の上に置き、20℃の恒温室おいて
30分間隔で180分まで、経時的に濾紙中に移行した水分
量を測定した。離水率は、次により算出した。数値が小
さいほうが離水しないことを示す。 離水率(%)=(テスト後の濾紙重量(g) −テスト前の
濾紙重量(g) )/試料重量(g) ×100
【0040】
【実施例2】粉末高分子アルカリ処理ゼラチン20g、粉
末状のWPI(タンパク質含量90重量%)180gおよび粉
末状のWPC(タンパク質含量75重量%)100gを 750g
の水に完全に溶解した。この時のpHをクエン酸を用い
て6.15に調整した。この溶液を加熱し58℃達温時より30
分間加熱保持した。加熱後冷却し、50℃にて2重量%の
乳酸カルシウム溶液を40g、上白糖 100gを添加、溶解
し、洋梨フレーバーを添加した。この液を型に充填し、
5℃に冷却後、-25 ℃の冷凍庫内で凍結した。これを解
凍し、洋梨の果肉状のゲルを呈するゼリーを得た。この
ゼリーは解凍後、時間が経過しても硬さの上昇が見られ
ないものであった。
【0041】
【実施例3】粉末高分子酸処理ゼラチン10gを80gの水
に膨潤させ、45℃で溶解した。粉末状のWPC(タンパ
ク質含量75重量%)45gを 800gの水に完全に溶解し、
この溶液を加熱し 100℃達温時より5分間加熱保持し
た。加熱処理WPC溶液の温度が70℃に低下した時点で
ゼラチン溶液を添加し、混和させた。この溶液を更に冷
却し、上白糖 100gとカスタードフレーバー 0.5gを45
℃で添加した後、20重量%の塩化カリウム溶液20gおよ
び3重量%の塩化カルシウム溶液30gを攪拌しながら添
加した。この時のpHは7.1 であった。この液を型に充
填し、5℃に冷却した。カスタードプリン様の組織のゼ
リーを得ることができた。このゼリーは5℃冷却中にお
いて離水もほとんとなく硬さの上昇も見られないもので
あった。
【0042】
【実施例4】粉末状のWPC(タンパク質含量75重量
%)80gを 800gの水に完全に溶解し、この溶液を加熱
して80℃達温時より20分間加熱保持し、これに粉末高分
子アルカリ処理ゼラチン20gを添加、溶解し、50℃まで
冷却した。この溶液に12重量%の塩化ナトリウム100 g
を攪拌しながら添加した。更に炭酸水素ナトリウムでp
Hを8.8 に調整した。この液を型に充填し、5℃に冷却
した。得られたゼリーは離水もほとんど生ぜず、硬さの
上昇もなかった。このゼリーを5mm3 にカットし、温か
いコンソメスープに加えて供した。このゼリーは70℃の
スープ中においても、形の崩れないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1により調製した本発明のゲル食品(ゼ
リー)ならびに比較例としてゼラチンゼリーおよびホエ
ータンパク質ゲル食品の硬さ(ゲル強度)を、調製後10
日まで経時的に測定した図である。
【図2】実施例1により調製した本発明のゲル食品(ゼ
リー)ならびに比較例としてゼラチンゼリーおよびホエ
ータンパク質ゲル食品の耐熱性をみるため、高温時にお
けるメルトダウン性(MD性)を、調製後測定した図で
ある。
【図3】実施例1により調製した本発明のゲル食品(ゼ
リー)ならびに比較例としてゼラチンゼリーおよびホエ
ータンパク質ゲル食品の離水率を調製後30分ごとに、18
0 分まで経時的に測定した図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼラチン液と、限定加熱して変性させた
    ホエータンパク質液とを混和して複合体を形成させ、塩
    類を添加してゲル化させた安定なゲル食品。
  2. 【請求項2】 あらかじめ限定加熱したホエータンパク
    質含有液とゼラチン液とを混和するか、ホエータンパク
    質含有液を限定加熱してゼラチン液と混和するか、また
    はゼラチン液とホエータンパク質含有液とを混和して限
    定加熱するか、いずれかにより両者の複合体を形成させ
    たのち、塩類を添加してゲル化させることを特徴とする
    安定なゲル食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 限定加熱する温度が、55℃以上である請
    求項2に記載のゲル食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 塩類を添加するときの複合体の温度が、
    30℃以上である請求項2または3に記載のゲル食品の製
    造方法。
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