JPH089749B2 - 耐食性ジルコニウム合金 - Google Patents

耐食性ジルコニウム合金

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JPH089749B2
JPH089749B2 JP63268239A JP26823988A JPH089749B2 JP H089749 B2 JPH089749 B2 JP H089749B2 JP 63268239 A JP63268239 A JP 63268239A JP 26823988 A JP26823988 A JP 26823988A JP H089749 B2 JPH089749 B2 JP H089749B2
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zirconium
corrosion
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niobium
corrosion resistance
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正彦 森永
夏夫 湯川
敏夫 松本
恵美子 東中川
金光 佐藤
純子 川島
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は耐食性ジルコニウム合金に関する。
(従来の技術) ジルコニウム合金は耐食性が優れ、種々の用途に用い
られている。例えば、水冷却型原子炉に用いられた場
合、原子炉の炉心構造物に使われる大部分の材料として
有効である。さて、この材料として適合される条件はそ
の性質として熱中性子吸収断面積が小さいこと、環境に
対する耐食性が優れていること、および機械的性質が充
分に満足し得ることが必要である。これ等を満足させた
材料としてジルカロイ−2およびジルカロイ−4,オーゼ
ナイト0.5および1.0等が知られている。このジルカロイ
またはオーゼナイト等は鉄,ニッケル,クロム,ニオ
ブ,スズを所定量ジルコニウムに混入した合金である。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これ等は上記合金の全ての炉心構造材
としての特性を完全に備えているものとは必ずしも言え
ず、例えば水冷却型原子炉に用いていると中性子照射下
の過酷な条件では経時変化が起きて合金の表面に白色斑
点状の所謂ノジュラーコロージョン(Nodular Corrosio
n)と呼ばれる腐食生成物が発生することがある。ノジ
ュラーコロージョンは燃料使用末期に数10μ位までの深
さに達することがあるが、燃料被覆管の厚さの約1/10の
厚さであり、この為、燃料が破損したことはない。しか
し、原子炉内で使用するものであるから、ノジュラーコ
ロージョンを防止することは急務である。
上記ノジュラーコロージョンを解決するために種々の
改良がなされている。例えば従来材のジルカロイに特殊
な熱処理を施こす方法が特開昭61−143571号公報および
特開昭61−143572号公報に、またベリリウム,カリウ
ム,イットリウム,カルシウム等を添加する方法が米国
特許第3261682号明細書および同等3150972号明細書に開
示されている。しかしながら、これらの経時的な組成変
化についての記述は見られないし、市販のジルコニウム
合金にはこうした追加成分は含まれていない。
ところで、前述のオーゼナイトはニオブを0.1%含有
する合金であるが、その他にニオブを含む合金としては
Zr−1.0%Nb,Zr−2.5%Nbが被覆管および圧力管として
原子炉の中では使われている。
これらの合金はノジュラーコロージョンの発生は殆ん
ど無いことが知られているが、ニオブ(Nb)は室温でβ
相(体心立方格子)であり、ジルコニウム(Zr)はα相
(最密六方格子)であり、2相構造をとり、均一な組織
を得ることは困難である。
またニオブ入り合金は耐ノジュラーコロージョン性は
優れているが、一般腐食(一様腐食ともいう)に劣り均
一な腐食被膜の生長がジルカロイに比較して速い。
このようにジルコニウム合金はそもそも耐食性に優れ
た材料であるが、ノジュラーコロージョンの発生の課題
が残されており、より優れた耐食性が要求されている。
そこで本発明は、優れた耐食性を示す耐食性ジルコニ
ウム合金を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明は重量%で、スズ:0.3%〜2.0%,ニオブ:0.2
%〜2.0%,モリブデン:0.05%〜0.5%およびシリコン:
0.02%〜0.2%を含有し、残部が実質的にジルコニウム
からなることを特徴とする。
(作用) スズはジルカロイ中での働きと同様に固溶してジルコ
ニウム合金の強度を高める。
β安定化元素であるニオブを添加するとβ急冷組織が
発達し耐食性は向上するが、均一な2相構造を熱処理で
得ることが難かしい。モリブデンは少量の添加で結晶粒
の微細化を実現し、それによって均一な組織をもたら
す。
また、シリコンを添加することによりニオブ,モリブ
デンのジルコニウム中への均一な分散を可能にしクリー
プ寿命が長くなる。
スズの添加量は0.3%〜2.0%が良い。スズは2.0%を
超えて添加すると、耐食性が悪くなり、好ましくは1%
近傍が望ましい。一方、スズが0.3%未満では合金の強
度が不足して添加効果がない。
ニオブの添加量は0.2%〜2.0%が良い。ニオブは2.0
%を超えて添加するとβ相が大きく広がり組織の均質性
に欠け、かえって耐食性が低下するだけでなく、中性子
吸収能が高いため良くない。一方、0.2%未満の添加で
は耐ノジュラーコロージョン性に効果のあるβ急冷組織
が発達しない。
モリブデンの添加量は0.05%〜0.5%が良い。モリブ
デンは0.5%を超えて添加すると中性子吸収断面積が高
いことから不利益となり、0.05%未満では結晶粒を微細
化する効果がない。シリコンの添加量は0.02%〜0.2%
が良い。シリコンは0.2%を超えるとシリコン自身が偏
析を起こし、かえって耐食性を低める。0.02%未満の添
加量ではクリープ寿命が長くなることに効果がない。
(実施例) 実施例1 重量%で、スズ0.5%,ニオブ0.5%,モリブデン0.1
%,シリコン0.1%,残部ジルコニウムを混合し溶解し
て鋳造、熱間圧延した後、冷間圧延と焼鈍の繰り返しで
2mm厚さの板材を製造した。その後、1050℃からの溶体
化処理、10%の冷間加工の後、600℃で2時間の時効処
理を行った。
該板材とジルカロイ−2板材とを、500℃,107kg/cm2
の高温水蒸気中での腐食加速試験を行った。その結果、
ジルカロイ−2板材には約24時間でノジュラーコロージ
ョンが発生したが、本実施例1の合金ではノジュラーコ
ロージョンの発生は認められなかった。腐食重量の増加
もジルカロイ−2では215mg/dm2であったが本実施例1
の合金では43mg/dm2と著るしく少なかった。
表は上記実施例1を含め実施例1から5までと、比較
例としてジルカロイ−2を揚げて、腐食重量増(mg/d
m2)とノジュラーの有無を比較して示している。
この表から明らかなように本発明は従来例よりも耐食
性が優れていることが認められる。
なお、本発明者らはジルコニウム合金の腐食原因を解
明するため種々の角度から実験およびその他の研究から
次の結論を得た。
電子論に基づく解析により、最適合金系はZr−Sn−Nb
−Mo−Si系であると結論した。
すなわちジルコニウム合金の電子状態を、分子軌道法
(DX−Xαクラスター法)を用いて計算し、各種合金元
素がジルコニウム中で示す個性(合金効果)を表わすパ
ラメータを初めて求めた。例えば、ジルコニウム−合金
元素の間の電子的結合の強さを示す結合次数がある。こ
れらの計算結果ならびに中性子の吸収断面積の大きさを
考慮して、ジルコニウムに有効な合金元素として、ス
ズ、ニオブ、モリブデン、シリコンを選定した。
ところで周期表でジルコニウムと同族(IVa)の元素
にチタンがあり、両者はたいへん似た物理的,化学的性
質をもっている。結晶構造も同じである。過酷な腐食環
境下で使用される高温用チタン合金が、これまで種々開
発されてきているが、これはジルカロイ合金同様、主に
α相からなる合金である。その中でも現在最も優れてい
るといわれている合金として、IMI−829やIMI−834のTi
(母金属)−Zr−Sn−Nb−Mo−Si−Al系合金がある。こ
れらの成分のうちチタンとアルミニウムを除けば上記の
本選定合金系と完全に一致している。
ジルコニウム中へのアルミニウムの添加は、組織を不
均一にし、時として偏析の原因となるため良くない。ま
たチタンは中性子吸収断面積が大きいため目的に合わな
い。
このように電子論の結果からも、チタン合金からの類
推からもZr−Sn−Nb−Mo−Si系が最適である。
〔発明の効果〕
本発明によれば耐食性、とくに耐ノジュラーコロージ
ョン特性が優れた耐食性ジルコニウム合金を提供でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 敏夫 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 東中川 恵美子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝総合研究所内 (72)発明者 佐藤 金光 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝総合研究所内 (72)発明者 川島 純子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、スズ:0.3%〜2.0%,ニオブ:0.
    2%〜2.0%,モリブデン:0.05%〜0.5%およびシリコ
    ン:0.02%〜0.2%を含有し、残部が実質的にジルコニウ
    ムからなることを特徴とする耐食性ジルコニウム合金。
JP63268239A 1988-10-26 1988-10-26 耐食性ジルコニウム合金 Expired - Lifetime JPH089749B2 (ja)

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