JPH0897426A - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents
薄膜トランジスタ及びその製造方法Info
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- JPH0897426A JPH0897426A JP23095894A JP23095894A JPH0897426A JP H0897426 A JPH0897426 A JP H0897426A JP 23095894 A JP23095894 A JP 23095894A JP 23095894 A JP23095894 A JP 23095894A JP H0897426 A JPH0897426 A JP H0897426A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】半導体を含め電極などの密着性を向上した信頼
性の高い薄膜トランジスタとその製造方法を提供する。 【構成】第1マスクを用いてエッチングし、絶縁基板1
上に、ITO膜からなるドレイン電極2、ソース電極3
及び固着層4を形成した。次に、a−Si:H膜からな
る半導体7、SiN膜からなるゲート絶縁層8、金属導
電膜からなるゲート電極9を、第2マスクを用いて、パ
ターニング形成した。絶縁膜を被着後、第3マスクを用
いてレジストを被覆し、エッチングによって、絶縁膜1
1を形成すると同時に、ゲート電極端子部10を露出し
た。次に、ゲート電極端子部10をITO膜で被着しゲ
ート電極端子部10に保護層12を形成した。この時、
ゲート電極端子部10直下の下層部位に位置し、半導体
7と絶縁基板1の間に固着層4が挿入されている。
性の高い薄膜トランジスタとその製造方法を提供する。 【構成】第1マスクを用いてエッチングし、絶縁基板1
上に、ITO膜からなるドレイン電極2、ソース電極3
及び固着層4を形成した。次に、a−Si:H膜からな
る半導体7、SiN膜からなるゲート絶縁層8、金属導
電膜からなるゲート電極9を、第2マスクを用いて、パ
ターニング形成した。絶縁膜を被着後、第3マスクを用
いてレジストを被覆し、エッチングによって、絶縁膜1
1を形成すると同時に、ゲート電極端子部10を露出し
た。次に、ゲート電極端子部10をITO膜で被着しゲ
ート電極端子部10に保護層12を形成した。この時、
ゲート電極端子部10直下の下層部位に位置し、半導体
7と絶縁基板1の間に固着層4が挿入されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタ及び
その製造方法に係り、特に、液晶表示装置などに用いら
れる薄膜トランジスタパネルに関する。
その製造方法に係り、特に、液晶表示装置などに用いら
れる薄膜トランジスタパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、性能価格比の高い薄膜トランジス
タ(以下、TFTと言う)を用いたアクティブマトリク
ス型の液晶表示装置(以下、LCDと言う)の要求が高
まっている。この要求に応じるために、アモルファスシ
リコン(a−Si)膜を適用したTFT−LCDの製造
コストの低減、(例えば、工程数の低減、スループット
の採用、歩留まりのアップ)信頼性の向上などが図られ
ている。そして、信頼性向上を図るものとして、特公平
6-18215号公報に、ゲート電極端子部を透明導電材で被
膜する構成のものが開示されている。この透明導電膜
は、耐酸化性、対薬品性に優れるため、ゲート電極端子
部の酸化や腐食を防止することができるものである。
タ(以下、TFTと言う)を用いたアクティブマトリク
ス型の液晶表示装置(以下、LCDと言う)の要求が高
まっている。この要求に応じるために、アモルファスシ
リコン(a−Si)膜を適用したTFT−LCDの製造
コストの低減、(例えば、工程数の低減、スループット
の採用、歩留まりのアップ)信頼性の向上などが図られ
ている。そして、信頼性向上を図るものとして、特公平
6-18215号公報に、ゲート電極端子部を透明導電材で被
膜する構成のものが開示されている。この透明導電膜
は、耐酸化性、対薬品性に優れるため、ゲート電極端子
部の酸化や腐食を防止することができるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、絶縁基板に直接被着されている半導体の絶
縁基板との密着性が充分でなく、周辺回路のリード線を
接続するときゲート電極端子部に発生する熱応力などが
ゲート電極端子部直下の下層部位に影響し、半導体と絶
縁基板との間が剥離するという問題があった。特に、ゲ
ート電極に金属導電膜を使用したものにおいて該応力が
高くなる傾向があり問題は顕著であった。また、単に剥
離を防止しようとすれば、工程数が増えるという問題も
ある。
来技術では、絶縁基板に直接被着されている半導体の絶
縁基板との密着性が充分でなく、周辺回路のリード線を
接続するときゲート電極端子部に発生する熱応力などが
ゲート電極端子部直下の下層部位に影響し、半導体と絶
縁基板との間が剥離するという問題があった。特に、ゲ
ート電極に金属導電膜を使用したものにおいて該応力が
高くなる傾向があり問題は顕著であった。また、単に剥
離を防止しようとすれば、工程数が増えるという問題も
ある。
【0004】従って、本発明の第1の目的は、電極端子
部の下層部位における剥離がなく信頼性の高い薄膜トラ
ンジスタを提供することにある。
部の下層部位における剥離がなく信頼性の高い薄膜トラ
ンジスタを提供することにある。
【0005】また、第2の目的は、上記の薄膜トランジ
スタを従来と同じ工程数で作製することができる薄膜ト
ランジスタの製造方法を提供することにある。
スタを従来と同じ工程数で作製することができる薄膜ト
ランジスタの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、絶縁
基板と、該絶縁基板に被着されたソース電極及びドレイ
ン電極ならびに固着層と、該ソース電極及びドレイン電
極ならびに固着層に跨って被着された半導体と、該半導
体に被着されたゲート絶縁層と、該ゲート絶縁層に被着
されゲート電極端子部を有するゲート電極とを備える薄
膜トランジスタであって、前記固着層は、前記半導体お
よび前記絶縁基板の両方に対する前記固着層の密着強度
が前記半導体と前記絶縁基板との密着強度より大である
材料からなり、前記固着層を前記ゲート電極端子部直下
の下層部位に配設し、前記固着層を介し前記半導体と前
記絶縁基板とを固着することにより達成される。
基板と、該絶縁基板に被着されたソース電極及びドレイ
ン電極ならびに固着層と、該ソース電極及びドレイン電
極ならびに固着層に跨って被着された半導体と、該半導
体に被着されたゲート絶縁層と、該ゲート絶縁層に被着
されゲート電極端子部を有するゲート電極とを備える薄
膜トランジスタであって、前記固着層は、前記半導体お
よび前記絶縁基板の両方に対する前記固着層の密着強度
が前記半導体と前記絶縁基板との密着強度より大である
材料からなり、前記固着層を前記ゲート電極端子部直下
の下層部位に配設し、前記固着層を介し前記半導体と前
記絶縁基板とを固着することにより達成される。
【0007】また、第2の目的を達成する薄膜トランジ
スタの製造方法は、前記固着層の材料を前記ドレイン電
極及びソース電極と同一材料とし、前記固着層を前記ド
レイン電極及びソース電極と同時にスパッタリング形成
し、前記ドレイン電極及びソース電極と同一のマスク工
程でホトエッチング加工するものである。
スタの製造方法は、前記固着層の材料を前記ドレイン電
極及びソース電極と同一材料とし、前記固着層を前記ド
レイン電極及びソース電極と同時にスパッタリング形成
し、前記ドレイン電極及びソース電極と同一のマスク工
程でホトエッチング加工するものである。
【0008】
【作用】上記構成によれば、ゲート電極端子部の下層部
位に位置する半導体と絶縁基板との間に固着層を設け、
該固着層を介して両者を固着する。そして、固着層の材
料は、固着層と絶縁基板及び固着層と半導体の密着強度
が、絶縁基板と半導体の密着強度より良好なものとす
る。これにより、絶縁基板に半導体が直接固着される場
合より、該固着層を介して両者を固着する方が剥がれ難
くなる。従って、ゲート電極端子部にリード線を接続す
る際の熱応力などによる、半導体と絶縁基板との剥離が
回避される。
位に位置する半導体と絶縁基板との間に固着層を設け、
該固着層を介して両者を固着する。そして、固着層の材
料は、固着層と絶縁基板及び固着層と半導体の密着強度
が、絶縁基板と半導体の密着強度より良好なものとす
る。これにより、絶縁基板に半導体が直接固着される場
合より、該固着層を介して両者を固着する方が剥がれ難
くなる。従って、ゲート電極端子部にリード線を接続す
る際の熱応力などによる、半導体と絶縁基板との剥離が
回避される。
【0009】また、薄膜トランジスタを作製する場合、
絶縁基板に被着される固着層の材料は、ドレイン電極及
びソース電極と同一材料とするので、ドレイン電極及び
ソース電極と一緒にスパッタリング形成することがで
き、且つ、同一のマスク工程でホトエッチング加工する
こともできる。従って、特別の製作工程を追加すること
なく、従来と同じ工程数で固着層を形成加工することが
できる。
絶縁基板に被着される固着層の材料は、ドレイン電極及
びソース電極と同一材料とするので、ドレイン電極及び
ソース電極と一緒にスパッタリング形成することがで
き、且つ、同一のマスク工程でホトエッチング加工する
こともできる。従って、特別の製作工程を追加すること
なく、従来と同じ工程数で固着層を形成加工することが
できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
説明する。 実施例1 図1から図6までは、本発明による一実施例のTFTパ
ネル作製工程を示す図である。図1、図3および図5
は、各工程のTFTパネルを示す平面図である。そし
て、図2、図4および図6は、各工程におけるTFTパ
ネル構造の断面図である。実施例1について各工程を追
って説明する。
説明する。 実施例1 図1から図6までは、本発明による一実施例のTFTパ
ネル作製工程を示す図である。図1、図3および図5
は、各工程のTFTパネルを示す平面図である。そし
て、図2、図4および図6は、各工程におけるTFTパ
ネル構造の断面図である。実施例1について各工程を追
って説明する。
【0011】図1は、本発明の実施例1によるTFTパ
ネル作製の電極パターン工程を示す平面図である。図2
は、図1のA−A’断面構造を示す図である。図1と図
2を同時に参照し説明する。
ネル作製の電極パターン工程を示す平面図である。図2
は、図1のA−A’断面構造を示す図である。図1と図
2を同時に参照し説明する。
【0012】十分に洗浄した絶縁基板1上に、基板温度
300℃の条件で、マグネトロンスパッタリング法を用
いて、In酸化物にSn酸化物が添加された透明導電材
からなるITO膜を、全面に被着した。膜厚は、280
nmとした。そのシート当たりのシート抵抗は8Ωであ
った。
300℃の条件で、マグネトロンスパッタリング法を用
いて、In酸化物にSn酸化物が添加された透明導電材
からなるITO膜を、全面に被着した。膜厚は、280
nmとした。そのシート当たりのシート抵抗は8Ωであ
った。
【0013】次に、電極パターンのマスク工程により、
上記ITO膜をホトエッチング加工し、それぞれ、ドレ
イン電極2、ソース電極3、固着層4、画素電極5、ド
レイン電極端子部6を形成した。
上記ITO膜をホトエッチング加工し、それぞれ、ドレ
イン電極2、ソース電極3、固着層4、画素電極5、ド
レイン電極端子部6を形成した。
【0014】この時、固着層4は、絶縁基板1上に、ド
レイン電極2やソース電極3などと一緒に、スパッタリ
ングで被着され、同一のマスク工程でホトエッチング加
工される。従って、固着層4の形成に、何ら新たな工程
が追加されるものではない。
レイン電極2やソース電極3などと一緒に、スパッタリ
ングで被着され、同一のマスク工程でホトエッチング加
工される。従って、固着層4の形成に、何ら新たな工程
が追加されるものではない。
【0015】この場合、エッチング液として、HBrま
たはFeCl3にHClを適量添加した水溶液を用い、
50〜60℃でエッチングした。ITO膜の端部のテー
パ角は約10°とした。このような角度とすることによ
り、ITO膜上に被着積層される他の膜のカバレージを
良好にすることができる。
たはFeCl3にHClを適量添加した水溶液を用い、
50〜60℃でエッチングした。ITO膜の端部のテー
パ角は約10°とした。このような角度とすることによ
り、ITO膜上に被着積層される他の膜のカバレージを
良好にすることができる。
【0016】図3は、TFTパネル作製の半導体パター
ン工程を示す平面図である。図4は図3のB−B’断面
構造を示す図である。図3と図4を同時に参照し説明す
る。
ン工程を示す平面図である。図4は図3のB−B’断面
構造を示す図である。図3と図4を同時に参照し説明す
る。
【0017】前工程で作製した半製品を、RFプラズマ
CVD装置に設置し、PH3プラズマ処理を加えた後、
ドレイン電極2、ソース電極3、固着層4などを跨ぎそ
れらの上に、a−Si:H膜からなる半導体膜を被着し
た。基板温度は250℃としモノシランSiH4を原料
ガスに用いて作製した。膜厚は18nmとした。このよ
うに薄くする理由は、パネルとして完成した場合の、ト
ランジスタのオフ電流を増大させる原因となる光電流を
抑制するためである。
CVD装置に設置し、PH3プラズマ処理を加えた後、
ドレイン電極2、ソース電極3、固着層4などを跨ぎそ
れらの上に、a−Si:H膜からなる半導体膜を被着し
た。基板温度は250℃としモノシランSiH4を原料
ガスに用いて作製した。膜厚は18nmとした。このよ
うに薄くする理由は、パネルとして完成した場合の、ト
ランジスタのオフ電流を増大させる原因となる光電流を
抑制するためである。
【0018】引き続いて同一チャンバ内で、半導体膜の
上に、SiN層からなるゲート絶縁膜を被着した。基板
温度を半導体膜と同じ250℃とし、SiH4、NH3お
よびN2の混合ガスを原料ガスとして用い、300nm
の膜厚で被着した。
上に、SiN層からなるゲート絶縁膜を被着した。基板
温度を半導体膜と同じ250℃とし、SiH4、NH3お
よびN2の混合ガスを原料ガスとして用い、300nm
の膜厚で被着した。
【0019】そして、ゲート絶縁膜の上に、Crからな
る金属導電膜をマグネトロンスパッタリング法で、基板
温度100℃、膜厚200nmで被着した。
る金属導電膜をマグネトロンスパッタリング法で、基板
温度100℃、膜厚200nmで被着した。
【0020】次に、該Cr金属導電膜を半導体パターン
の第1マスク工程によりエッチング加工し、ゲート電極
9を形成した。この時、エッチング液として Ce(NH4)
2(NO)6にHNO3を適量添加した水溶液を用いた。
の第1マスク工程によりエッチング加工し、ゲート電極
9を形成した。この時、エッチング液として Ce(NH4)
2(NO)6にHNO3を適量添加した水溶液を用いた。
【0021】さらに、半導体パターンの第2マスク工程
でゲート絶縁膜と半導体膜とをドライエッチング法によ
りパターニングし、半導体7とゲート絶縁層8を形成し
た。
でゲート絶縁膜と半導体膜とをドライエッチング法によ
りパターニングし、半導体7とゲート絶縁層8を形成し
た。
【0022】この時、半導体7及びゲート絶縁層8のパ
ターン幅は、ゲート電極9のパターン幅に対し、片側約
1.5μmの縁幅の分、周縁がはみ出している形状に加
工した。このはみ出している周縁の縁幅は、ゲート電極
9がドレイン電極2やソース電極3とショートするのを
防止するのに必要十分な寸法である。
ターン幅は、ゲート電極9のパターン幅に対し、片側約
1.5μmの縁幅の分、周縁がはみ出している形状に加
工した。このはみ出している周縁の縁幅は、ゲート電極
9がドレイン電極2やソース電極3とショートするのを
防止するのに必要十分な寸法である。
【0023】また、ゲート電極9はゲート電極端子部1
0を有している。ゲート電極端子部10は、ゲート電極
9から電気信号を出し入れする部分であり、このゲート
電極端子部10に、例えばボンディングなどによりリー
ド線が接続される。そして、固着層4は、ゲート電極端
子部10直下の下層部位に配設され、固着層4を介し半
導体7と絶縁基板1とを固着するものである。従って、
ゲート電極端子部10と半導体7と固着層4とは重なり
合っている。
0を有している。ゲート電極端子部10は、ゲート電極
9から電気信号を出し入れする部分であり、このゲート
電極端子部10に、例えばボンディングなどによりリー
ド線が接続される。そして、固着層4は、ゲート電極端
子部10直下の下層部位に配設され、固着層4を介し半
導体7と絶縁基板1とを固着するものである。従って、
ゲート電極端子部10と半導体7と固着層4とは重なり
合っている。
【0024】図5は、TFTパネル作製の最終工程を示
す平面図である。図6は、図5のC−C’断面構造を示
す図である。
す平面図である。図6は、図5のC−C’断面構造を示
す図である。
【0025】前工程で作製した半製品上に、SiN膜か
らなる絶縁層11を被着加工形成した後、ゲート電極端
子部10に透明な導電性膜からなる保護層12を被着加
工形成し、図6に示すTFTパネルを完成した。
らなる絶縁層11を被着加工形成した後、ゲート電極端
子部10に透明な導電性膜からなる保護層12を被着加
工形成し、図6に示すTFTパネルを完成した。
【0026】以上の実施例1にて完成したTFTパネル
は、周辺回路と接続される。すなわち、前述のようにゲ
ート電極端子部10にリード線などが接続される。この
リード線などを接続する際に、ゲート電極端子部10に
加圧力や熱応力が掛かる。
は、周辺回路と接続される。すなわち、前述のようにゲ
ート電極端子部10にリード線などが接続される。この
リード線などを接続する際に、ゲート電極端子部10に
加圧力や熱応力が掛かる。
【0027】従来は、この熱応力などにより半導体7が
絶縁基板1から剥離する問題があった。これに対し本発
明は、ゲート電極端子部10直下の下層部位に固着層4
を設け、該固着層4の密着強さにより、該加圧力や熱応
力の影響で半導体7と絶縁基板1とが剥離しないように
するものである。従って、固着層4は、半導体7および
絶縁基板1の両方に対する固着層4の密着強度が半導体
7と絶縁基板1との密着強度より大である材料である。
例えば、ITO膜である。ITO膜が両方に対し密着性
が良好であることは周知のことである。
絶縁基板1から剥離する問題があった。これに対し本発
明は、ゲート電極端子部10直下の下層部位に固着層4
を設け、該固着層4の密着強さにより、該加圧力や熱応
力の影響で半導体7と絶縁基板1とが剥離しないように
するものである。従って、固着層4は、半導体7および
絶縁基板1の両方に対する固着層4の密着強度が半導体
7と絶縁基板1との密着強度より大である材料である。
例えば、ITO膜である。ITO膜が両方に対し密着性
が良好であることは周知のことである。
【0028】一方、このゲート電極端子部10直下の下
層部位において、固着層4に固着される半導体7の面積
を、固着層4の面積を小さくする。即ち、固着層4のパ
ターン幅は、半導体7のパターン幅より広くしている。
換言すれば、ゲート電極端子部10直下の下層部位にお
ける固着層4の周縁は、半導体7の周縁より、はみ出し
ている形状である。これにより、半導体7と固着層4と
の密着がさらに強固となり、熱応力などによる剥離に対
し強くなる。
層部位において、固着層4に固着される半導体7の面積
を、固着層4の面積を小さくする。即ち、固着層4のパ
ターン幅は、半導体7のパターン幅より広くしている。
換言すれば、ゲート電極端子部10直下の下層部位にお
ける固着層4の周縁は、半導体7の周縁より、はみ出し
ている形状である。これにより、半導体7と固着層4と
の密着がさらに強固となり、熱応力などによる剥離に対
し強くなる。
【0029】上記のTFTパネルを用いて、LCDを作
製した。周辺回路を接続しTFTパネルを作動させたと
ころ、半導体の剥離による電蝕が起こらないという効果
が得られることが判明した。これにより、TFTパネル
の性能が安定し品質が良く、信頼性の高いLCDを提供
することができた。
製した。周辺回路を接続しTFTパネルを作動させたと
ころ、半導体の剥離による電蝕が起こらないという効果
が得られることが判明した。これにより、TFTパネル
の性能が安定し品質が良く、信頼性の高いLCDを提供
することができた。
【0030】実施例2 図7は、本発明による他の実施例のTFTパネルの断面
構造を示す図である。実施例2によるTFTパネル作製
は、実施例1とほぼ同じであるが、唯一異なる点は、厚
さ250nmのAl膜13と、厚さ30nmのCr膜1
4とからなる積層電極形状のゲート電極を作製する点で
ある。この積層電極を採用すると、ゲート電極の導電率
が向上し信号の遅延を小さくできる効果がある。
構造を示す図である。実施例2によるTFTパネル作製
は、実施例1とほぼ同じであるが、唯一異なる点は、厚
さ250nmのAl膜13と、厚さ30nmのCr膜1
4とからなる積層電極形状のゲート電極を作製する点で
ある。この積層電極を採用すると、ゲート電極の導電率
が向上し信号の遅延を小さくできる効果がある。
【0031】尚、ゲート電極9が形成される金属導電膜
の材料としては、Cr膜以外に、Al、Mo、Ta、T
i、W、Nb、Fe、Co、Ni膜やそれらの膜の積層
などが用いられる。また、半導体7の膜材料としては、
水素化非晶質Si(a−SiH)膜のほかに、結晶相を
含むSi膜を用いることも可能である。また、保護層1
2としてはZn酸化物を含むITO膜なども可である。
の材料としては、Cr膜以外に、Al、Mo、Ta、T
i、W、Nb、Fe、Co、Ni膜やそれらの膜の積層
などが用いられる。また、半導体7の膜材料としては、
水素化非晶質Si(a−SiH)膜のほかに、結晶相を
含むSi膜を用いることも可能である。また、保護層1
2としてはZn酸化物を含むITO膜なども可である。
【0032】実施例3 図8は、本発明による一実施例の薄膜トランジスタの断
面構造を 示す図である。この図を用いて、本発明によ
り薄膜トランジスタを作製する実施例3について説明す
る。
面構造を 示す図である。この図を用いて、本発明によ
り薄膜トランジスタを作製する実施例3について説明す
る。
【0033】十分に洗浄した絶縁基板1上に、基板温度
300℃の条件で、マグネトロンスパッタリング法を用
いて、インジュウム酸化物に錫酸化物が添加された透明
な導電性膜であるITO膜を被着した。膜厚は、280
nmとした。
300℃の条件で、マグネトロンスパッタリング法を用
いて、インジュウム酸化物に錫酸化物が添加された透明
な導電性膜であるITO膜を被着した。膜厚は、280
nmとした。
【0034】次に、電極パターンをマスク工程を用い
て、上記ITO膜をホトエッチング加工し、それぞれ、
ドレイン電極2、ソース電極3、固着層4を形成した。
尚、これらの、ドレイン電極2、ソース電極3、固着層
4等は、同一のマスク工程で加工できる。また、エッチ
ング液として、HBrまたはFeCl3にHClを適量
添加した水溶液を用い、50〜60℃でエッチングし
た。
て、上記ITO膜をホトエッチング加工し、それぞれ、
ドレイン電極2、ソース電極3、固着層4を形成した。
尚、これらの、ドレイン電極2、ソース電極3、固着層
4等は、同一のマスク工程で加工できる。また、エッチ
ング液として、HBrまたはFeCl3にHClを適量
添加した水溶液を用い、50〜60℃でエッチングし
た。
【0035】前工程で作製した半製品を、RFプラズマ
CVD装置に設置し、PH3プラズマ処理を加えた後、
半製品の上に、a−Si:H膜 からなる半導体膜を被
着した。基板温度は250℃としモノシランSiH4を
原料ガスに用いて作製した。膜厚は18nmとした。
CVD装置に設置し、PH3プラズマ処理を加えた後、
半製品の上に、a−Si:H膜 からなる半導体膜を被
着した。基板温度は250℃としモノシランSiH4を
原料ガスに用いて作製した。膜厚は18nmとした。
【0036】引き続いて同一チャンバ内で、半導体膜の
上に、SiN層からなるゲート絶縁膜を被着した。基板
温度を半導体膜と同じ250℃とし、SiH4、NH3お
よびN2の混合ガスを原料ガスとして用いて、300n
mの膜厚で作製した。
上に、SiN層からなるゲート絶縁膜を被着した。基板
温度を半導体膜と同じ250℃とし、SiH4、NH3お
よびN2の混合ガスを原料ガスとして用いて、300n
mの膜厚で作製した。
【0037】次に、Crからなる金属導電膜をマグネト
ロンスパッタリング法で、基板温度100℃、膜厚20
0nmとして被着した。そして、該Cr金属導電膜をエ
ッチング加工し、ゲート電極9を形成した。この際エッ
チング液として、 Ce(NH4)2(NO)6にHNO3を適量添加
した水溶液を用いた。
ロンスパッタリング法で、基板温度100℃、膜厚20
0nmとして被着した。そして、該Cr金属導電膜をエ
ッチング加工し、ゲート電極9を形成した。この際エッ
チング液として、 Ce(NH4)2(NO)6にHNO3を適量添加
した水溶液を用いた。
【0038】さらに、ドライエッチング法によりパター
ニングし、半導体7とゲート絶縁層8を形成した。この
とき、ゲート電極9のパターン幅を、及びゲート絶縁層
8のパターン幅に対し、片側約1.5μmの縁幅の分、
後退させて加工した。この縁幅は、ゲート電極9と、ド
レイン電極2やソース電極3などとの間のショートを防
止するのに必要十分な寸法である。
ニングし、半導体7とゲート絶縁層8を形成した。この
とき、ゲート電極9のパターン幅を、及びゲート絶縁層
8のパターン幅に対し、片側約1.5μmの縁幅の分、
後退させて加工した。この縁幅は、ゲート電極9と、ド
レイン電極2やソース電極3などとの間のショートを防
止するのに必要十分な寸法である。
【0039】前工程で作製した半製品上に、SiN膜か
らなる絶縁層11を、加工形成した後、ゲート電極端子
部に保護層12を加工形成し図8に示す薄膜トランジス
タを完成した。
らなる絶縁層11を、加工形成した後、ゲート電極端子
部に保護層12を加工形成し図8に示す薄膜トランジス
タを完成した。
【0040】以上の実施例3による薄膜トランジスタで
は、ゲート電極端子部10直下の下層部位に位置する、
半導体7と絶縁基板1の間に固着層4が挿入されてい
る。このため電極端子部に周辺回路を接続する際の剥離
が防止され、薄膜トランジスタの性能が安定し品質が向
上する。
は、ゲート電極端子部10直下の下層部位に位置する、
半導体7と絶縁基板1の間に固着層4が挿入されてい
る。このため電極端子部に周辺回路を接続する際の剥離
が防止され、薄膜トランジスタの性能が安定し品質が向
上する。
【0041】実施例4 図示していない実施例4による薄膜トランジスタの作製
は、実施例3とほぼ同じであるが、異なる点は、半導体
7を微結晶Si膜で形成した点である。基板温度は30
0℃とし、SiF4+H2を原料ガスに用いて作製した。
膜厚は100nmとした。微結晶Si膜を用いることに
より、移動度の高い薄膜トランジスタを作製できる。
は、実施例3とほぼ同じであるが、異なる点は、半導体
7を微結晶Si膜で形成した点である。基板温度は30
0℃とし、SiF4+H2を原料ガスに用いて作製した。
膜厚は100nmとした。微結晶Si膜を用いることに
より、移動度の高い薄膜トランジスタを作製できる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、電極端
子部の下層部位における剥離がなく信頼性の高い薄膜ト
ランジスタまたはTFTパネルが提供される。
子部の下層部位における剥離がなく信頼性の高い薄膜ト
ランジスタまたはTFTパネルが提供される。
【0043】また、本発明による薄膜トランジスタまた
はTFTパネルは従来と同じ工程数で作製することがで
きるので価格上昇はなく、信頼性が向上した分、製品の
付加価値が上がる効果がある。
はTFTパネルは従来と同じ工程数で作製することがで
きるので価格上昇はなく、信頼性が向上した分、製品の
付加価値が上がる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によるTFTパネル作製の電
極パターン工程を示す平面図である。
極パターン工程を示す平面図である。
【図2】図1のA−A’断面構造を示す図である。
【図3】TFTパネル作製の半導体パターン工程を示す
平面図である。
平面図である。
【図4】図3のB−B’断面構造を示す図である。
【図5】TFTパネル作製の最終工程を示す平面図であ
る。
る。
【図6】図5のC−C’断面構造を示す図である。
【図7】本発明による他の実施例のTFTパネルの断面
構造を示す図である。
構造を示す図である。
【図8】本発明による一実施例の薄膜トランジスタの断
面構造を示す図である。
面構造を示す図である。
1…絶縁基板、2…ドレイン電極、3…ソース電極、4
…固着層、5…画素電極、6…ドレイン電極端子部、7
…半導体、8…ゲート絶縁層、9…ゲート電極 10…ゲート電極端子部、11…絶縁層、12…保護
層、13…Al膜、14…Cr膜。
…固着層、5…画素電極、6…ドレイン電極端子部、7
…半導体、8…ゲート絶縁層、9…ゲート電極 10…ゲート電極端子部、11…絶縁層、12…保護
層、13…Al膜、14…Cr膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 寿輝 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 峯村 哲郎 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内
Claims (7)
- 【請求項1】絶縁基板と、該絶縁基板に被着されたソー
ス電極及びドレイン電極ならびに固着層と、該ソース電
極及びドレイン電極ならびに固着層に跨って被着された
半導体と、該半導体に被着されたゲート絶縁層と、該ゲ
ート絶縁層に被着されゲート電極端子部を有するゲート
電極とを備える薄膜トランジスタであって、 前記固着層は、前記半導体および前記絶縁基板の両方に
対する前記固着層の密着強度が前記半導体と前記絶縁基
板との密着強度より大である材料からなり、 前記固着層を前記ゲート電極端子部直下の下層部位に配
設し、 前記固着層を介し前記半導体と前記絶縁基板とを固着す
ることを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 【請求項2】請求項1において、前記固着層の材料は、
前記ドレイン電極及びソース電極と同一材料であること
を特徴とする薄膜トランジスタ。 - 【請求項3】請求項1において、前記ゲート電極端子部
直下の下層部位における前記固着層の周縁は、前記半導
体の周縁より、はみ出していることを特徴とする薄膜ト
ランジスタ。 - 【請求項4】絶縁基板と、該絶縁基板に被着されたソー
ス電極及びドレイン電極ならびに固着層と、該ソース電
極及びドレイン電極ならびに固着層に跨って被着された
半導体と、該半導体に被着されたゲート絶縁層と、該ゲ
ート絶縁層に被着されゲート電極端子部を有するゲート
電極とを順次積層し作製する薄膜トランジスタの製造方
法であって、 前記固着層の材料を前記ドレイン電極及びソース電極と
同一材料とし、 前記固着層を前記ドレイン電極及びソース電極と同時に
スパッタリング形成し前記ドレイン電極及びソース電極
と同一のマスク工程でホトエッチング加工することを特
徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 【請求項5】請求項1記載の薄膜トランジスタを備えた
ことを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項6】請求項4記載の薄膜トランジスタの製造方
法により作製された薄膜トランジスタを備えたことを特
徴とする液晶表示装置。 - 【請求項7】絶縁基板と、該絶縁基板に被着され電極端
子部を有した金属導電膜からなる電極とを備える薄膜ト
ランジスタにおいて、 前記電極と前記絶縁基板とを固着する固着層を、前記電
極端子部直下の下層部位に配設し、 前記固着層は、前記絶縁基板および前記電極の両方に対
する前記固着層の密着強度が前記電極と前記絶縁基板と
の密着強度より大きい材料であることを特徴とする薄膜
トランジスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23095894A JPH0897426A (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | 薄膜トランジスタ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23095894A JPH0897426A (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | 薄膜トランジスタ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0897426A true JPH0897426A (ja) | 1996-04-12 |
Family
ID=16915994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23095894A Pending JPH0897426A (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | 薄膜トランジスタ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0897426A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100801522B1 (ko) * | 2006-02-15 | 2008-02-12 | 우 옵트로닉스 코포레이션 | 픽셀 구조체 제조 방법 |
-
1994
- 1994-09-27 JP JP23095894A patent/JPH0897426A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100801522B1 (ko) * | 2006-02-15 | 2008-02-12 | 우 옵트로닉스 코포레이션 | 픽셀 구조체 제조 방법 |
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